特許第6744876号(P6744876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6744876画像送信装置、画像通信システム、画像送信方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6744876
(24)【登録日】2020年8月4日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】画像送信装置、画像通信システム、画像送信方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20200806BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20200806BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20200806BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
   H04N21/262
   H04N5/232 300
   H04N5/232 930
   H04N5/232 290
   H04N21/24
   A61B1/045 613
【請求項の数】7
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-563412(P2017-563412)
(86)(22)【出願日】2016年1月25日
(86)【国際出願番号】JP2016051979
(87)【国際公開番号】WO2017130269
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2019年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100086379
【弁理士】
【氏名又は名称】高柴 忠夫
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 隆久
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−049681(JP,A)
【文献】 特開平09−322078(JP,A)
【文献】 特開2008−079150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00−1/32
H04L12/00−12/26
12/50−12/955
H04N5/222−5/257
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像周期毎に撮像を行い、かつ前記撮像周期毎にフレーム画像を出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された前記フレーム画像を画像受信装置に無線で送信する無線通信機と、
1つまたは複数のプロセッサと、
を有し、
前記撮像周期のうち、第1の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第1のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第1の撮像周期に続く第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第2のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第2の撮像周期に続く第3の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第3のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第3の撮像周期に続く第4の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第4のフレーム画像と定義され、
前記フレーム画像の送信開始時刻は、前記撮像周期の開始時刻に同期し、
前記プロセッサは、前記第1の撮像周期において、現在時刻が前記第1のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第1のフレーム画像の送信を開始し、
前記プロセッサは、前記第1の撮像周期に対応する送信期間内に、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断し、かつ前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと判断した場合、前記第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記第2のフレーム画像の送信期間に、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御し、
前記プロセッサは、前記第3の撮像周期において、前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第2のフレーム画像または前記第3のフレーム画像の送信を開始し、
前記プロセッサは、前記第4の撮像周期において、前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第4のフレーム画像の送信を開始し、
前記画像受信装置は、前記フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する
画像送信装置。
【請求項2】
前記撮像素子から出力された前記フレーム画像に画像圧縮処理を行う画像圧縮部をさらに有し、
前記第1の撮像周期に対応する送信期間内に、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記プロセッサが判断した場合、前記プロセッサはさらに、前記第2のフレーム画像に対して前記画像圧縮処理を行わないように前記画像圧縮部を制御する
請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第2の撮像周期に対応する送信期間内に、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できると判断した場合、前記第2の撮像周期に対応する送信期間内において、前記第2のフレーム画像を送信するように前記無線通信機を制御する
請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
画像送信装置と画像受信装置とを有し、
前記画像送信装置は、
撮像周期毎に撮像を行い、かつ前記撮像周期毎にフレーム画像を出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された前記フレーム画像を前記画像受信装置に無線で送信する第1の無線通信機と、
1つまたは複数のプロセッサと、
を有し、
前記撮像周期のうち、第1の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第1のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第1の撮像周期に続く第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第2のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第2の撮像周期に続く第3の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第3のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第3の撮像周期に続く第4の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第4のフレーム画像と定義され、
前記フレーム画像の送信開始時刻は、前記撮像周期の開始時刻に同期し、
前記プロセッサは、前記第1の撮像周期において、現在時刻が前記第1のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第1のフレーム画像の送信を開始し、
前記プロセッサは、前記第1の撮像周期に対応する送信期間内に、前記第1の無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断し、かつ前記第1の無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと判断した場合、前記第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記第2のフレーム画像の送信期間に、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記第1の無線通信機を制御し、
前記プロセッサは、前記第3の撮像周期において、前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第2のフレーム画像または前記第3のフレーム画像の送信を開始し、
前記プロセッサは、前記第4の撮像周期において、前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第4のフレーム画像の送信を開始し、
前記画像受信装置は、
前記フレーム画像を前記画像送信装置から無線で受信する第2の無線通信機と、
表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する出力回路と、
を有する
画像通信システム。
【請求項5】
撮像周期毎に撮像を行い、かつ前記撮像周期毎にフレーム画像を出力する撮像素子から出力された前記フレーム画像を無線通信機によって画像受信装置に無線で送信する第1のステップを有し、
前記撮像周期のうち、第1の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第1のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第1の撮像周期に続く第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第2のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第2の撮像周期に続く第3の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第3のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第3の撮像周期に続く第4の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第4のフレーム画像と定義され、
前記フレーム画像の送信開始時刻は、前記撮像周期の開始時刻に同期し、
前記第1の撮像周期において、現在時刻が前記第1のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第1のフレーム画像の送信を開始する第2のステップと、
前記第1の撮像周期に対応する送信期間内に、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断し、かつ前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと判断した場合、前記第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記第2のフレーム画像の送信期間に、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御する第3のステップと、
前記第3の撮像周期において、前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第2のフレーム画像または前記第3のフレーム画像の送信を開始する第4のステップと、
前記第4の撮像周期において、前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第4のフレーム画像の送信を開始する第5のステップと、
を有し、
前記画像受信装置は、前記フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する
画像送信方法。
【請求項6】
撮像周期毎に撮像を行い、かつ前記撮像周期毎にフレーム画像を出力する撮像素子から出力された前記フレーム画像を無線通信機によって画像受信装置に無線で送信する第1のステップをコンピュータに実行させ、
前記撮像周期のうち、第1の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第1のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第1の撮像周期に続く第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第2のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第2の撮像周期に続く第3の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第3のフレーム画像と定義され、
前記撮像周期のうち、前記第3の撮像周期に続く第4の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記フレーム画像は第4のフレーム画像と定義され、
前記フレーム画像の送信開始時刻は、前記撮像周期の開始時刻に同期し、
前記第1の撮像周期において、現在時刻が前記第1のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第1のフレーム画像の送信を開始する第2のステップと、
前記第1の撮像周期に対応する送信期間内に、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断し、かつ前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと判断した場合、前記第2の撮像周期に前記撮像素子から出力された前記第2のフレーム画像の送信期間に、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御する第3のステップと、
前記第3の撮像周期において、前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第3のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第2のフレーム画像または前記第3のフレーム画像の送信を開始する第4のステップと、
前記第4の撮像周期において、前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の送信開始時刻になったか否かを判断し、かつ前記現在時刻が前記第4のフレーム画像の前記送信開始時刻になったと判断した場合、前記第4のフレーム画像の送信を開始する第5のステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記画像受信装置は、前記フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する
プログラム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第2の撮像周期に対応する送信期間内に、前記無線通信機が前記第2のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断し、かつ前記無線通信機が前記第2のフレーム画像の送信を完了できないと判断した場合、前記第3の撮像周期に対応する送信期間内に、前記第2のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御する
請求項に記載の画像送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信装置、画像通信システム、画像送信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線内視鏡システムにおいて、内視鏡の操作者の操作性を確保するために、映像の表示遅延をできるだけ小さくすることが要求されている。このため、1フレームの画像は1フレーム期間内で無線伝送される必要がある。しかしながら、無線通信路の通信品質が低下した場合、無線パケットの再送回数が増大することにより、1フレーム期間内に1フレームの画像伝送が完了しない可能性がある。1フレーム期間内に1フレームの画像伝送が完了しない場合、画像の表示遅延が増加する問題がある。
【0003】
この問題を解決する技術が特許文献1に開示されている。この技術において、1フレームの画像送信がフレーム期間内の所定時間までに完了しているか否かが判定される。画像送信が完了していない場合、無線伝送中のフレームの画像送信が中止され、かつ次のフレームの画像送信が開始される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2006−203649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図22は、特許文献1に開示された技術に基づく画像伝送を示している。図22における右方向に時間が進む。画像送信装置における同期信号Vsyncおよび撮像素子出力が示されている。同期信号Vsyncは、画像送信装置における1フレーム期間の開始タイミングを示す。撮像素子出力は、各フレーム期間において撮像素子から出力される画像すなわちフレーム画像を示す。フレーム画像が出力されるフレーム期間を識別するために各フレーム画像にフレームの番号が付与されている。無線伝送路における各フレーム画像が示されている。画像受信装置における同期信号Vsyncおよびモニタ出力が示されている。同期信号Vsyncは、画像受信装置における1フレーム期間の開始タイミングを示す。モニタ出力は、モニタに表示されるフレーム画像を示す。
【0006】
フレーム0の送信期間Tf0において、フレーム0のフレーム画像が画像送信装置から送信される。フレーム画像は、複数のパケットに分割され、かつ複数のパケットは順番に送信される。各フレームの送信完了判定タイミングにおいて、フレーム画像の送信が完了したか否かが判定される。フレーム0の送信期間Tf0の送信完了判定タイミングt0の前にフレーム0のフレーム画像の送信が完了する。このため、フレーム0のフレーム画像がモニタに表示される。
【0007】
フレーム1の送信期間Tf1において、フレーム1のフレーム画像が画像送信装置から送信される。通信品質の低下により、パケットPK1の送信が失敗する。このため、パケットPK1は、再送信される。図22において、再送信されたパケットPK1は、ハッチングで示されている。同様に、ハッチングで示された他のパケットは、再送信されたパケットである。パケットの送信が連続的に失敗することにより、再送信が複数回行われる場合がある。例えば、パケットPK2の最初の送信が失敗した後、パケットPK2の再送信が3回行われる。
【0008】
パケットの再送信の頻度が増加することにより、フレーム画像の伝送時間が増加する。フレーム1の送信期間Tf1の送信完了判定タイミングt1において、フレーム1のフレーム画像の送信が完了していない。このため、フレーム1のフレーム画像の送信は中止される。フレーム1のフレーム画像の送信が中止されることにより、フレーム1のフレーム画像の代わりにフレーム0のフレーム画像がモニタに表示される。
【0009】
同様に、フレーム2の送信期間Tf2の送信完了判定タイミングt2において、フレーム2のフレーム画像の送信が完了していない。このため、フレーム2のフレーム画像の送信は中止される。フレーム2のフレーム画像の送信中止により、フレーム2のフレーム画像の代わりにフレーム0のフレーム画像がモニタに表示される。
【0010】
フレーム3の送信期間Tf3の送信完了判定タイミングt3の前にフレーム3のフレーム画像の送信が完了する。このため、フレーム3のフレーム画像がモニタに表示される。
【0011】
上記のように、従来技術の画像伝送において、通信品質の低下により、フレーム画像の連続的な欠落が発生する場合がある。図22に示す画像伝送において、フレーム1およびフレーム2の両方のフレーム画像の欠落が発生する。
【0012】
本発明は、フレーム画像の連続的な欠落が発生しにくい画像送信装置、画像通信システム、画像送信方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、画像送信装置は、撮像素子と、無線通信機と、1つまたは複数のプロセッサとを有する。前記撮像素子は、撮像周期毎に撮像を行い、かつ前記撮像周期毎にフレーム画像を出力する。前記無線通信機は、前記撮像周期に対応する送信期間において、前記撮像素子から前記撮像周期毎に出力された前記フレーム画像を画像受信装置に無線で送信する。前記プロセッサは、前記撮像素子から出力された第1のフレーム画像の前記送信期間において前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断する。前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記プロセッサが判断した場合、前記プロセッサは、前記第1のフレーム画像に続いて前記撮像素子から出力された第2のフレーム画像の前記送信期間において、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御する。前記画像受信装置は、前記フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様において、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記プロセッサが判断した場合、前記プロセッサはさらに、前記第2のフレーム画像が送信されないように制御を行ってもよい。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様において、前記画像送信装置は、前記撮像素子から出力された前記フレーム画像に画像圧縮処理を行う画像圧縮部をさらに有してもよい。前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記プロセッサが判断した場合、前記プロセッサはさらに、前記第2のフレーム画像に対して前記画像圧縮処理を行わないように前記画像圧縮部を制御してもよい。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様において、前記第2のフレーム画像の前記送信期間において、前記第1のフレーム画像の送信が完了した後、第2のフレーム画像の前記送信期間において、前記第2のフレーム画像を送信するように前記無線通信機を制御してもよい。前記プロセッサはさらに、前記第2のフレーム画像の撮像が行われた前記撮像周期に続く前記撮像周期に対応する前記送信期間において、前記第2のフレーム画像を送信するように前記無線通信機を制御してもよい。
【0017】
本発明の第5の態様によれば、画像通信システムは、画像送信装置と画像受信装置とを有する。前記画像送信装置は、撮像素子と、第1の無線通信機と、1つまたは複数のプロセッサとを有する。前記撮像素子は、撮像周期毎に撮像を行い、かつ前記撮像周期毎にフレーム画像を出力する。前記第1の無線通信機は、前記撮像周期に対応する送信期間において、前記撮像素子から前記撮像周期毎に出力された前記フレーム画像を前記画像受信装置に無線で送信する。前記プロセッサは、前記撮像素子から出力された第1のフレーム画像の前記送信期間において前記第1の無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断する。前記第1の無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記プロセッサが判断した場合、前記プロセッサは、前記第1のフレーム画像に続いて前記撮像素子から出力された第2のフレーム画像の前記送信期間において、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記第1の無線通信機を制御する。前記画像受信装置は、第2の無線通信機と出力回路とを有する。前記第2の無線通信機は、前記フレーム画像を前記画像送信装置から無線で受信する。前記出力回路は、表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する。
【0018】
本発明の第6の態様によれば、画像送信方法は、第1のステップと、第2のステップと、第3のステップとを有する。前記第1のステップは、撮像周期に対応する送信期間において、撮像素子から前記撮像周期毎に出力されたフレーム画像を無線通信機によって画像受信装置に無線で送信するステップである。前記第2のステップは、前記撮像素子から出力された第1のフレーム画像の前記送信期間において前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断するステップである。前記第3のステップは、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記第2のステップが判断した場合、前記第1のフレーム画像に続いて前記撮像素子から出力された第2のフレーム画像の前記送信期間において、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御するステップである。前記画像受信装置は、前記フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する。
【0019】
本発明の第7の態様によれば、プログラムは、第1のステップと、第2のステップと、第3のステップとをコンピュータに実行させる。前記第1のステップは、撮像周期に対応する送信期間において、撮像素子から前記撮像周期毎に出力されたフレーム画像を無線通信機によって画像受信装置に無線で送信するステップである。前記第2のステップは、前記撮像素子から出力された第1のフレーム画像の前記送信期間において前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断するステップである。前記第3のステップは、前記無線通信機が前記第1のフレーム画像の送信を完了できないと前記第2のステップが判断した場合、前記第1のフレーム画像に続いて前記撮像素子から出力された第2のフレーム画像の前記送信期間において、前記第1のフレーム画像の送信を継続するように前記無線通信機を制御するステップである。前記画像受信装置は、前記フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎に前記フレーム画像をモニタに出力する。
【発明の効果】
【0020】
上記の各態様によれば、第1のフレーム画像の送信が完了できない場合、第1のフレーム画像に続いて撮像素子から出力された第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信を継続するように無線通信機が制御される。これによって、フレーム画像の連続的な欠落が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態の画像通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態の画像メモリの構成を示す概略図である。
図4】本発明の第1の実施形態の画像受信装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図9】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図10】本発明の第1の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図11】本発明の第1の実施形態の画像受信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図12】本発明の第1の実施形態の画像受信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図13】本発明の第1の実施形態の画像伝送のタイミングチャートである。
図14】本発明の第2の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図15】本発明の第2の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図16】本発明の第2の実施形態の変形例の画像送信装置の構成を示すブロック図である。
図17】本発明の第3の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図18】本発明の第3の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図19】本発明の第3の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図20】本発明の第3の実施形態の画像送信装置の動作の手順を示すフローチャートである。
図21】本発明の第3の実施形態の画像伝送のタイミングチャートである。
図22】従来技術の画像伝送のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の画像通信システム10の構成を示している。図1に示すように、画像通信システム10は、画像送信装置100と画像受信装置200とを有する。画像送信装置100と画像受信装置200とは無線通信を行う。画像受信装置200は、ケーブル等によりモニタ300(ディスプレイ)に接続されている。例えば、画像通信システム10は、無線内視鏡システムである。例えば、画像送信装置100は、無線内視鏡である。画像通信システム10は、無線内視鏡システムに限らず、無線で画像通信を行うことができる任意のシステムであってもよい。
【0024】
図2は、画像送信装置100の構成を示している。図2に示すように、画像送信装置100は、撮像素子110と、画像処理回路120と、無線通信機130と、操作インタフェース140と、ROM150と、RAM160と、プロセッサ170とを有する。図2に示す各構成は、ハードウェアである。
【0025】
撮像素子110は、イメージセンサである。例えば、撮像素子110は、CCDまたはCMOSセンサで構成されている。撮像素子110は、レンズによって結像された光を電気信号すなわち撮像信号に変換する。撮像素子110から出力されたアナログ撮像信号は、ADコンバータ(アナログ−デジタル変換器)によってデジタル信号すなわち画像データに変換される。つまり、撮像素子110は、撮像周期毎に被写体を撮像し、かつフレーム画像を生成する。撮像周期は、1フレーム期間である。フレーム画像は、1フレームの撮像信号および画像データに対応する。
【0026】
画像処理回路120は、撮像素子110から出力された撮像信号に対応する画像データに画像処理を行う。例えば、画像処理回路120は、画像データを、所定の動画フォーマットに適合したデータに変換することにより、動画データを生成する。画像処理回路120は、画像データに画像圧縮処理を行ってもよい。
【0027】
画像処理回路120は、画像メモリ121を有する。画像メモリ121は、バッファである。例えば、画像メモリ121は、デュアルポートメモリで構成されている。画像メモリ121において、画像データの書き込みと画像データの読み出しとは、同時に行うことができる。
【0028】
図3は、画像メモリ121の構成を示している。画像メモリ121は、各フレームの画像データを記憶する複数のエリアを有する。図3に示すように、画像メモリ121は、エリア0からエリアNを有する。画像データが書き込まれるエリアは、WR_Indexによって示される。画像データが読み出されるエリアは、RD_Indexによって示される。WR_IndexおよびRD_Indexは、レジスタの値である。WR_IndexおよびRD_Indexは、互いに異なるエリアを示す。図3において、WR_IndexおよびRD_Indexの例が示されている。WR_Indexは、エリア2を示している。このため、画像データはエリア2に書き込まれる。RD_Indexは、エリア1を示している。このため、画像データはエリア1から読み出される。画像データの書き込みが行われた後、WR_Indexは更新される。画像データの読み出しが行われた後、RD_Indexは更新される。WR_IndexおよびRD_Indexは、画像データの書き込みまたは読み出しが行われたエリアに対して図3における下方向に隣接するエリアを示す値に更新される。WR_IndexまたはRD_IndexがエリアNを示し、かつエリアNに対して画像データの書き込みまたは読み出しが行われた場合、WR_IndexまたはRD_Indexは、エリア0を示す値に更新される。
【0029】
無線通信機130は、アンテナ131と無線通信回路132とを有する。アンテナ131は、無線通信回路132に接続されている。無線通信回路132は、無線通信に必要な高周波回路部と、符号化および復号化のための回路部と、バッファメモリとを有する。例えば、無線通信の方式として、無線LANのプロトコル(IEEE802.11)が使用される。無線通信回路132は、アンテナ131を介して画像受信装置200と無線通信を行う。無線通信回路132は、無線通信によって、画像データまたは必要な情報を画像受信装置200に送信する。無線通信回路132は、無線通信によって、必要な情報を画像受信装置200から受信する。
【0030】
操作インタフェース140は、電源スイッチおよびレリーズスイッチ等の複数のスイッチを有し、かつユーザから操作を受け付ける。操作インタフェース140は、これらのスイッチの状態および状態の変化をプロセッサ170に通知する。また、操作インタフェース140は、ユーザから画像の記録指示を受け付ける。ユーザは、操作インタフェース140のレリーズスイッチを操作することによって、レリーズスイッチが操作された時点の静止画データを保存することができる。保存された静止画データに基づいて被写体の確認が可能となる。
【0031】
ROM150は、FlashROM等の不揮発メモリである。プログラムデータと、各種の設定情報とがROM150に格納される。プログラムデータは、画像送信装置100の制御に使用される。設定情報は、通信設定パラメータを含む。RAM160は揮発メモリである。RAM160は、バッファ、ワークエリア、および一時エリアとして使用される。バッファは、画像データの一時的な格納に使用される。ワークエリアは、プロセッサ170による演算等に使用される。一時エリアは、各種の設定情報等の一時的な格納に使用される。
【0032】
プロセッサ170は、1つまたは複数のプロセッサで構成されている。プロセッサ170は、CPU(Central Processing Unit)または特定用途向け集積回路(ASIC)等を含む。プロセッサ170は、ROM150に格納されているプログラムに従って動作する。これにより、プロセッサ170は、画像送信装置100の動作を制御する。
【0033】
プロセッサ170は、画像データまたは情報を無線通信機130によって画像受信装置200に送信する。具体的には、プロセッサ170は、画像データまたは情報が画像受信装置200に送信されるように無線通信機130を制御する。つまり、プロセッサ170は、画像受信装置200に対する画像データまたは情報を無線通信機130に送信させる。これによって、無線通信機130は、画像データまたは情報を画像受信装置200に送信する。プロセッサ170は、情報を無線通信機130によって画像受信装置200から受信する。具体的には、プロセッサ170は、情報が画像受信装置200から受信されるように無線通信機130を制御する。つまり、プロセッサ170は、画像受信装置200から送信された情報を無線通信機130に受信させる。これによって、無線通信機130は、情報を画像受信装置200から受信する。
【0034】
例えば、プロセッサ170の機能は、プロセッサ170の動作を規定する命令を含むプログラムをプロセッサ170が読み込んで実行することにより、ソフトウェアの機能として実現可能である。このプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。また、上述したプログラムは、このプログラムが保存された記憶装置等を有するコンピュータから、伝送媒体を介して、あるいは伝送媒体中の伝送波により画像送信装置100に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように、情報を伝送する機能を有する媒体である。また、上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、前述した機能をコンピュータに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0035】
上記のように、画像送信装置100は、撮像素子110と、無線通信機130(第1の無線通信機)と、1つまたは複数のプロセッサ170とを有する。撮像素子110は、撮像周期毎に撮像を行い、かつ撮像周期毎にフレーム画像を出力する。無線通信機130は、撮像周期に対応する送信期間において、撮像素子110から撮像周期毎に出力されたフレーム画像を画像受信装置200に無線で送信する。プロセッサ170は、撮像素子110から出力された第1のフレーム画像の送信期間において無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断する。無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、第1のフレーム画像に続いて撮像素子110から出力された第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信を継続するように無線通信機130を制御する。画像受信装置200は、フレーム画像を無線で受信し、かつ表示周期毎にフレーム画像をモニタ300に出力する。
【0036】
無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170はさらに、第2のフレーム画像が送信されないように制御を行う。
【0037】
図4は、画像受信装置200の構成を示している。図4に示すように、画像受信装置200は、無線通信機210と、画像処理回路220と、操作インタフェース230と、ROM240と、RAM250と、プロセッサ260とを有する。図4に示す各構成は、ハードウェアである。
【0038】
無線通信機210は、アンテナ211と無線通信回路212とを有する。アンテナ211は、無線通信回路212に接続されている。無線通信回路212は、無線通信に必要な高周波回路部と、符号化および復号化のための回路部と、バッファメモリとを有する。例えば、無線通信の方式として、無線LANのプロトコル(IEEE802.11)が使用される。無線通信回路212は、アンテナ211を介して画像送信装置100と無線通信を行う。無線通信回路212は、無線通信によって、必要な情報を画像送信装置100に送信する。無線通信回路212は、無線通信によって、画像データまたは必要な情報を画像送信装置100から受信する。
【0039】
画像処理回路220は、無線通信機210によって受信された画像データに画像処理を行う。例えば、画像処理回路220は、画像データを、画像の表示に使用するフォーマットの表示データに変換する。例えば、画像処理回路220は、画像データをNTSC信号またはHDMI(登録商標)信号に変換する。画像データが圧縮されている場合、画像処理回路220は、画像データを伸長してもよい。画像処理回路220は、表示データをモニタ300に出力する。モニタ300は、表示データに基づいて画像を表示する。つまり、画像処理回路220は、表示周期毎にフレーム画像をモニタ300に出力し、かつモニタ300は、表示周期毎にフレーム画像を表示する。表示周期は、1フレーム期間に対応する期間である。画像処理回路220は、画像メモリ221を有する。画像メモリ221は、無線通信機210によって受信された画像データを記憶する。表示周期毎に画像メモリ221から画像データが読み出され、かつ読み出された画像データがモニタ300に出力される。画像データの欠落が発生した場合、連続する複数の表示周期において画像メモリ221から同じ画像データが読み出される。
【0040】
操作インタフェース230は、電源スイッチ等の複数のスイッチを有する。操作インタフェース230は、これらのスイッチの状態およびその状態の変化をプロセッサ260に通知する。
【0041】
ROM240は、FlashROM等の不揮発メモリである。プログラムデータと、各種の設定情報とがROM240に格納される。プログラムデータは、画像受信装置200の制御に使用される。設定情報は、通信設定パラメータを含む。RAM250は揮発メモリである。RAM250は、バッファ、ワークエリア、および一時エリアとして使用される。バッファは、受信された画像データの一時的な格納に使用される。ワークエリアは、プロセッサ260による演算等に使用される。一時エリアは、各種の設定情報等の一時的な格納に使用される。
【0042】
プロセッサ260は、1つまたは複数のプロセッサで構成されている。プロセッサ260は、CPUまたは特定用途向け集積回路(ASIC)等を含む。プロセッサ260は、ROM240に格納されているプログラムに従って動作する。これにより、プロセッサ260は、画像受信装置200の動作を制御する。
【0043】
プロセッサ260は、画像データまたは情報を無線通信機210によって画像送信装置100から受信する。具体的には、プロセッサ260は、画像データまたは情報が画像送信装置100から受信されるように無線通信機130を制御する。つまり、プロセッサ260は、画像送信装置100から送信された画像データまたは情報を無線通信機210に受信させる。これによって、無線通信機210は、画像データまたは情報を画像送信装置100から受信する。プロセッサ260は、情報を無線通信機210によって画像送信装置100に送信する。具体的には、プロセッサ260は、情報が画像送信装置100に送信されるように無線通信機210を制御する。つまり、プロセッサ260は、画像送信装置100に対する情報を無線通信機210に送信させる。これによって、無線通信機210は、情報を画像送信装置100に送信する。
【0044】
例えば、プロセッサ260の機能は、プロセッサ260の動作を規定する命令を含むプログラムをプロセッサ260が読み込んで実行することにより、ソフトウェアの機能として実現可能である。このプログラムの実現形態は、プロセッサ170の機能を実現するプログラムの実現形態と同様である。
【0045】
上記のように、画像受信装置200は、無線通信機210(第2の無線通信機)と、画像処理回路220(出力回路)とを有する。無線通信機210は、フレーム画像を画像送信装置100から無線で受信する。画像処理回路220は、表示周期毎にフレーム画像をモニタ300に出力する。
【0046】
第1の実施形態における動作の詳細を説明する。画像送信装置100の動作について説明する。図5から図10は、画像送信装置100の動作の手順を示している。図5は、接続処理における画像送信装置100の動作の手順を示している。
【0047】
画像送信装置100の電源が投入されると、プロセッサ170は、各機能ブロックを初期化する(ステップS101)。ステップS101において、プロセッサ170は、通信チャネルの設定を初期化する。
【0048】
ステップS101において、撮像素子110は、撮像を開始する。また、ステップS101において、画像処理回路120は、画像処理を開始する。
【0049】
各機能ブロックが初期化された後、無線通信機130は、接続要求を画像受信装置200から無線で受信する。接続要求は、無線通信の接続相手に対してデータ通信のために接続を要求するパケットである。プロセッサ170は、無線通信機130を監視し、かつ接続要求が受信されたか否かを判断する(ステップS102)。ステップS102において、接続要求が受信されていないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS102における処理が継続する。
【0050】
ステップS102において、接続要求が受信されたとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、接続要求応答を無線通信機130によって無線で画像受信装置200に送信する(ステップS103)。接続要求応答は、接続要求に対する応答である。画像受信装置200によって接続要求応答が受信されることにより、接続が完了する。ステップS103における処理が行われることにより、接続処理が終了する。
【0051】
図6から図8は、図5に示す接続処理の後に行われる画像送信装置100の動作の手順を示している。
【0052】
接続が完了した後、プロセッサ170は、送信モードを“通常送信”に設定する(ステップS111)。送信モードは、送信シーケンス毎に異なる。第1の実施形態において、送信モードは、“通常送信”および“第1の延長送信”のいずれか1つに設定される。送信モードは、RAM160に保持される。
【0053】
送信モードが“通常送信”に設定された後、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるWR_IndexおよびRD_Indexを0に設定する(ステップS112)。
【0054】
WR_IndexおよびRD_Indexが設定された後、プロセッサ170は、現在時刻がフレーム送信開始時刻であるか否かを判断する(ステップS113)。フレーム送信開始時刻は、撮像素子110から出力された撮像信号に対応する1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信が開始される時刻である。フレーム送信開始時刻は、同期信号Vsyncの立ち上がりエッジから所定時間が経過した時刻である。ステップS113において、現在時刻がフレーム送信開始時刻でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS113における判断が継続する。
【0055】
プロセッサ170は、フレーム送信開始タイマの値に基づいてフレーム送信開始時刻を検出する。フレーム送信開始タイマは、Vsync割り込みによりクリアされる。図9は、Vsync割り込みが発生したときに行われるVsync割り込み処理における画像送信装置100の動作の手順を示している。
【0056】
同期信号Vsyncの立ち上がりエッジのタイミングでVsync割り込みが発生する。Vsync割り込みが発生したとき、プロセッサ170は、フレーム送信開始タイマをクリアする(ステップS201)。フレーム送信開始タイマがクリアされた後、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるWR_Indexを1増加させる(ステップS202)。これによって、画像データが書き込まれるエリアが変更される。ステップS202における処理が行われることにより、Vsync割り込み処理が終了する。
【0057】
ステップS113において、フレーム送信開始タイマの値が所定値であった場合、プロセッサ170は、現在時刻がフレーム送信開始時刻であると判断する。ステップS113において、現在時刻がフレーム送信開始時刻であるとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、送信完了判定タイマをクリアする(ステップS114)。プロセッサ170が送信完了に関する判定を行うタイミングは、送信完了判定タイマの値に基づく。
【0058】
送信完了判定タイマがクリアされた後、プロセッサ170は、送信モードが“通常送信”であるか否かを判断する(ステップS115)。ステップS115において、送信モードが“通常送信”であるとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信が完了したか否かを判断する(ステップS121)。ステップS121において、フレーム画像の送信が完了していないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像データの送信処理を行う(ステップS122)。
【0059】
図10は、ステップS122に対応する画像データの送信処理における画像送信装置100の動作の手順を示している。プロセッサ170は、RETRYを0に設定する(ステップS301)。プロセッサ170は、RETRYの値に基づいて、画像データの再送を制御する。RETRYは、RAM160に保持される。
【0060】
RETRYが0に設定された後、プロセッサ170は、1パケットに対応する画像データを無線通信機130によって画像受信装置200に送信する(ステップS302)。ステップS302において送信される画像データは、画像メモリ121においてRD_Indexが示すエリアに記憶されている。1フレームの画像データが複数のデータに分割され、かつ分割された複数のデータの1つを含むパケットがステップS302において送信される。つまり、無線通信機130は、1フレームの画像データを構成する複数のデータの1つを含むパケットを画像受信装置200に順次送信する。
【0061】
1パケットに対応する画像データが画像受信装置200に送信された後、画像データを受信した画像受信装置200からACKが送信される。ACKは、画像送信装置100から送信された画像データが正常に受信された場合に画像受信装置200から送信されるパケットである。無線通信機130は、ACKを無線で受信する。プロセッサ170は、無線通信機130を監視し、ACKが受信されたか否かを判断する(ステップS303)。ステップS303において、ACKが受信されたとプロセッサ170が判断した場合、図10に示す処理が終了する。
【0062】
ステップS303において、ACKが受信されていないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、RETRYを1増加させる(ステップS304)。RETRYが1増加した後、プロセッサ170は、RETRYが所定値Nを超えたか否かを判断する(ステップS305)。ステップS305において、RETRYが所定値Nを超えていないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS302における処理が行われる。ステップS305において、RETRYが所定値Nを超えているとプロセッサ170が判断した場合、図10に示す処理が終了する。
【0063】
ステップS122における処理が行われた後、プロセッサ170は、ステップS114において送信完了判定タイマがクリアされた時刻からの経過時間が送信完了判定時間であるか否かを判断する(ステップS123)。ステップS123において、プロセッサ170は、送信完了判定タイマの値が所定値以上であるか否かを判断する。所定値は、送信完了判定時間に対応する。送信完了判定時間は、1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信期間よりも短い。
【0064】
ステップS123において、送信完了判定タイマの値が所定値未満である、すなわち経過時間が送信完了判定時間でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS121における処理が行われる。ステップS123において、送信完了判定タイマの値が所定値以上である、すなわち経過時間が送信完了判定時間である場合、プロセッサ170は、無線通信機130が1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信を完了できないと判断する。この場合、プロセッサ170は、送信モードを“第1の延長送信”に設定する(ステップS124)。
【0065】
第1のフレームの送信期間において、ステップS122における処理により、第1のフレーム画像が送信される。第1のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、ステップS124における処理により、送信モードが“第1の延長送信”に設定される。
【0066】
ステップS121において、フレーム画像の送信が完了したとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるRD_Indexを1増加させる(ステップS126)。これによって、画像データが読み出されるエリアが変更される。RD_Indexが1増加した後、プロセッサ170は、送信モードを“通常送信”に設定する(ステップS127)。
【0067】
ステップS124またはステップS127における処理が行われた後、プロセッサ170は、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻であるか否かを判断する(ステップS125)。ステップS125における処理は、ステップS113における処理と同様である。ステップS125において、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS125における判断が継続する。ステップS125において、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻であるとプロセッサ170が判断した場合、ステップS114における処理が行われる。
【0068】
ステップS115において、送信モードが“通常送信”でないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、送信モードが“第1の延長送信”であるか否かを判断する(ステップS116)。ステップS116において、送信モードが“第1の延長送信”でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS114における処理が行われる。
【0069】
ステップS116において、送信モードが“第1の延長送信”であるとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信が完了したか否かを判断する(ステップS131)。ステップS131において、フレーム画像の送信が完了したとプロセッサ170が判断した場合、ステップS134における処理が行われる。ステップS131において、フレーム画像の送信が完了していないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像データの送信処理を行う(ステップS132)。ステップS132における処理は、ステップS122における処理と同様である。
【0070】
ステップS132において画像データが読み出される画像メモリ121のエリアは、ステップS122において画像データが読み出される画像メモリ121のエリアと同一である。つまり、第1のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、第1のフレームに続く第2のフレームの送信期間において、第1のフレーム画像の送信が継続する。第2のフレームの送信期間において、ステップS132における処理により、第1のフレームの送信期間に送信されなかったデータのパケットが送信される。
【0071】
ステップS132における処理が行われた後、プロセッサ170は、ステップS114において送信完了判定タイマがクリアされた時刻からの経過時間が送信完了判定時間であるか否かを判断する(ステップS133)。ステップS133における処理は、ステップS123における処理と同様である。
【0072】
ステップS133において、送信完了判定タイマの値が所定値未満である、すなわち経過時間が送信完了判定時間でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS131における処理が行われる。ステップS133において、送信完了判定タイマの値が所定値以上である、すなわち経過時間が送信完了判定時間である場合、プロセッサ170は、無線通信機130が1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信を完了できないと判断する。この場合、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるRD_Indexを2増加させる(ステップS134)。これによって、画像データが読み出されるエリアが変更される。
【0073】
第2のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、ステップS134における処理により、第2のフレーム画像の送信は行われない。第2のフレームの送信期間に続く第3のフレームの送信期間において、ステップS122における処理により、第3のフレーム画像の送信が行われる。
【0074】
RD_Indexが2増加した後、プロセッサ170は、送信モードを“通常送信”に設定する(ステップS135)。送信モードが“通常送信”に設定された後、プロセッサ170は、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻であるか否かを判断する(ステップS136)。ステップS136における処理は、ステップS113における処理と同様である。ステップS136において、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS136における判断が継続する。ステップS136において、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻であるとプロセッサ170が判断した場合、ステップS114における処理が行われる。
【0075】
図6から図8に示す処理において、プロセッサ170は、撮像周期に対応する送信期間において、撮像素子110から撮像周期毎に出力されたフレーム画像を無線通信機130によって画像受信装置200に無線で送信する(ステップS122およびステップS132)。プロセッサ170は、撮像素子110から出力された第1のフレーム画像の送信期間において無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できるか否かを判断する(ステップS123)。無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、第1のフレーム画像に続いて撮像素子110から出力された第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信を継続するように無線通信機130を制御する(ステップS132)。
【0076】
無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、第2のフレーム画像が送信されないように制御を行う(ステップS134)。つまり、プロセッサ170は、第2のフレーム画像を無線通信機130によって画像受信装置200に送信しない。具体的には、プロセッサ170は、第2のフレーム画像が画像メモリ121から読み出されないようにフレーム画像の読み出しを制御する。これによって、プロセッサ170は、第2のフレーム画像の送信を中止する。
【0077】
画像受信装置200の動作について説明する。図11および図12は、画像受信装置200の動作の手順を示している。図11は、接続処理における画像受信装置200の動作の手順を示している。
【0078】
画像受信装置200の電源が投入されると、プロセッサ260は、各機能ブロックを初期化する(ステップS401)。ステップS401において、プロセッサ260は、通信チャネルの設定を初期化する。
【0079】
各機能ブロックが初期化された後、プロセッサ260は、操作インタフェース230からの信号に基づいてユーザによる操作の内容を検出し、かつユーザが接続相手の画像送信装置100を選択するのを待つ(ステップS402)。接続相手として選択可能な画像送信装置100の情報は事前にROM240に記憶されている。
【0080】
ユーザが接続相手の画像送信装置100を選択した場合、プロセッサ260は、操作インタフェース230からの信号に基づいて、接続相手として選択された画像送信装置100を識別する。プロセッサ260は、接続要求を生成する。プロセッサ260は、無線通信機210によって、接続要求を接続相手として選択された画像送信装置100に無線で送信する(ステップS403)。
【0081】
接続要求が送信された後、接続要求を受信した画像送信装置100から接続要求応答が送信される。無線通信機210は、接続要求応答を画像送信装置100から無線で受信する。プロセッサ260は、無線通信機210を監視し、かつ接続要求応答が受信されたか否かを判断する(ステップS404)。
【0082】
ステップS404において、接続要求が受信されていないとプロセッサ260が判断した場合、プロセッサ260は、接続要求が送信された時刻から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405において、所定時間が経過していないとプロセッサ260が判断した場合、ステップS403における処理が行われる。ステップS405において、所定時間が経過したとプロセッサ260が判断した場合、プロセッサ260は、接続エラーをモニタ300によって表示する(ステップS406)。接続エラーが表示された後、ステップS402における処理が行われる。
【0083】
ステップS404において、接続要求が受信されたとプロセッサ260が判断した場合、プロセッサ260は、画像メモリ121をクリアする(ステップS407)。ステップS407における処理が行われることにより、接続処理が終了する。
【0084】
図12は、図11に示す接続処理の後に行われる画像受信装置200の動作の手順を示している。
【0085】
接続が完了した後、無線通信機210は、画像データを画像送信装置100から無線で受信する。無線通信機210は、1フレームの画像データを構成する複数のデータの1つを含むパケットを画像送信装置100から順次受信する。プロセッサ260は、無線通信機210を監視し、かつ1パケットの画像データが受信されたか否かを判断する(ステップS411)。ステップS411において、1パケットの画像データが受信されていないとプロセッサ260が判断した場合、ステップS411における判断が継続する。
【0086】
ステップS411において、1パケットの画像データが受信されたとプロセッサ260が判断した場合、プロセッサ260は、1フレームの画像データすなわちフレーム画像が受信されたか否かを判断する(ステップS412)。ステップS412において、フレーム画像が受信されていないとプロセッサ260が判断した場合、つまり、フレーム画像の受信が完了していないとプロセッサ260が判断した場合、プロセッサ260は、受信された画像データをRAM250に記憶する(ステップS413)。
【0087】
画像データがRAM250に記憶された後、プロセッサ260は、ACKを無線通信機210によって画像送信装置100に無線で送信する(ステップS414)。ACKが送信された後、ステップS411における処理が行われる。
【0088】
ステップS412において、フレーム画像が受信されたとプロセッサ260が判断した場合、つまり、フレーム画像の受信が完了したとプロセッサ260が判断した場合、プロセッサ260は、RAM250に記憶された1フレームの画像データすなわちフレーム画像を画像メモリ221に記憶する(ステップS415)。ステップS415において、プロセッサ260は、画像メモリ221に記憶されているフレーム画像を、受信が完了したフレーム画像により更新する。画像メモリ221におけるフレーム画像が更新された後、ステップS411における処理が行われる。
【0089】
図12に示す処理において、無線通信機210は、フレーム画像を画像送信装置100から無線で受信する(ステップS411)。画像処理回路220は、表示周期毎にフレーム画像をモニタ300に出力する。
【0090】
モニタ300へのフレーム画像の出力は、図12に示す処理と独立して行われる。第1のフレーム画像の送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了できない場合、画像処理回路220は、第1のフレーム画像の本来の表示周期において、第1のフレーム画像が受信される前に受信されたフレーム画像をモニタ300に出力する。
【0091】
図13は、第1の実施形態の画像伝送を示している。図13における右方向に時間が進む。画像送信装置100における同期信号Vsyncおよび撮像素子出力が示されている。同期信号Vsyncは、画像送信装置100における1フレーム期間の開始タイミングを示す。撮像素子出力は、各フレーム期間において撮像素子110から出力される画像すなわちフレーム画像を示す。フレーム画像が出力されるフレーム期間を識別するために各フレーム画像にフレームの番号が付与されている。無線伝送路における各フレーム画像が示されている。画像受信装置200における同期信号Vsyncおよびモニタ出力が示されている。同期信号Vsyncは、画像受信装置200における1フレーム期間の開始タイミングを示す。モニタ出力は、モニタ300に表示されるフレーム画像を示す。
【0092】
フレーム0の送信期間Tf0において、フレーム0のフレーム画像が画像送信装置100から送信される。フレーム画像は、複数のパケットに分割され、かつ複数のパケットは順番に送信される。各フレームの送信完了判定タイミングにおいて、フレーム画像の送信が完了したか否かが判定される。この判定は、ステップS123およびステップS133において行われる。フレーム0の送信期間Tf0の送信完了判定タイミングt0の前にフレーム0のフレーム画像の送信が完了する。このため、フレーム0のフレーム画像がモニタ300に表示される。
【0093】
フレーム1の送信期間Tf1において、フレーム1のフレーム画像が画像送信装置100から送信される。通信品質の低下により、パケットPK1の送信が失敗する。このため、パケットPK1は、再送信される。図13において、再送信されたパケットPK1は、ハッチングで示されている。同様に、ハッチングで示された他のパケットは、再送信されたパケットである。パケットの送信が連続的に失敗することにより、再送信が複数回行われる場合がある。例えば、パケットPK2の最初の送信が失敗した後、パケットPK2の再送信が3回行われる。
【0094】
パケットの再送信の頻度が増加することにより、フレーム画像の伝送時間が増加する。フレーム1の送信期間Tf1の送信完了判定タイミングt1において、フレーム1のフレーム画像の送信が完了していない。このため、ステップS124における処理により、送信モードが“第1の延長送信”に設定される。フレーム2の送信期間Tf2において、ステップS132における処理により、フレーム1のフレーム画像が送信される。このとき、フレーム1の送信期間Tf1に送信されなかったフレーム画像のデータが送信される。画像送信装置100において、フレーム1の表示周期が開始された時刻にフレーム1のフレーム画像の送信が完了していない。このため、フレーム1のフレーム画像の代わりにフレーム0のフレーム画像がモニタ300に表示される。
【0095】
フレーム2の送信期間Tf2においてフレーム1のフレーム画像が送信されるため、ステップS134における処理により、フレーム2のフレーム画像の送信は中止される。フレーム2の送信期間Tf2の送信完了判定タイミングt2の前にフレーム1のフレーム画像の送信が完了する。フレーム0のフレーム画像がモニタ300に表示された後、フレーム1のフレーム画像がモニタ300に表示される。
【0096】
フレーム3の送信期間Tf3において、フレーム3のフレーム画像が画像送信装置100から送信される。フレーム3の送信期間Tf3の送信完了判定タイミングt3の前にフレーム3のフレーム画像の送信が完了する。フレーム1のフレーム画像がモニタ300に表示された後、フレーム3のフレーム画像がモニタ300に表示される。
【0097】
図13に示す画像伝送において、フレーム1のフレーム画像の送信は完了する。このため、連続するフレーム1およびフレーム2のうちフレーム1のフレーム画像の欠落が回避される。
【0098】
本発明の各態様の画像送信装置は、画像処理回路120と、操作インタフェース140と、ROM150と、RAM160との少なくとも1つに対応する構成を有していなくてもよい。本発明の各態様の画像受信装置は、操作インタフェース230と、ROM240と、RAM250と、プロセッサ260との少なくとも1つに対応する構成を有していなくてもよい。画像処理回路220による画像処理の機能は必須ではない。
【0099】
本発明の各態様の画像送信方法は、第1のステップ(ステップS122およびステップS132)と、第2のステップ(ステップS123)と、第3のステップ(ステップS132およびステップS133)とを有する。本発明の各態様の画像送信方法は、第1から第3のステップに対応するステップ以外のステップを有していなくてもよい。
【0100】
第1の実施形態において、第1のフレーム画像の送信が完了できない場合、第1のフレーム画像に続いて撮像素子110から出力された第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信を継続するように無線通信機130が制御される。これによって、フレーム画像の連続的な欠落が発生しにくい。
【0101】
第1のフレーム画像の送信が完了できない場合、第2のフレーム画像が送信されないように制御が行われる。このため、画像送信装置100は、第2のフレーム画像の送信期間を第1のフレーム画像の送信に使用することができる。この結果、第1のフレーム画像の送信が完了しやすい。
【0102】
(第2の実施形態)
第1の実施形態の画像通信システム10を使用して本発明の第2の実施形態を説明する。
【0103】
第2の実施形態の画像送信装置100において、画像処理回路120(画像圧縮部)は、撮像素子110から出力されたフレーム画像に画像圧縮処理を行う。無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、第2のフレーム画像に対して画像圧縮処理を行わないように画像処理回路120を制御する。
【0104】
第2の実施形態の画像受信装置200において、画像処理回路120は、フレーム画像に画像伸長処理を行い、かつ画像伸長処理が行われたフレーム画像を表示周期毎にモニタ300に出力する。
【0105】
第2の実施形態の画像送信装置100の動作を説明する。図7に示す動作が図14に示す動作に変更され、かつ図9に示す動作が図15に示す動作に変更される。
【0106】
図14に示すように、ステップS123において、経過時間が送信完了判定時間であるとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像処理回路120による画像圧縮処理を停止する(ステップS140)。画像処理回路120による画像圧縮処理が停止した後、ステップS124における処理が行われる。
【0107】
無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信が継続する。これによって、第2のフレーム画像の送信は中止される。このため、プロセッサ170は、第2のフレーム画像に対する画像圧縮処理を停止するように画像処理回路120を制御する。
【0108】
図15に示すように、ステップS212における処理が行われた後、プロセッサ170は、画像処理回路120による画像圧縮処理が停止しているか否かを判断する(ステップS221)。ステップS221において、画像処理回路120による画像圧縮処理が停止していないとプロセッサ170が判断した場合、Vsync割り込み処理が終了する。ステップS221において、画像処理回路120による画像圧縮処理が停止しているとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像処理回路120による画像圧縮処理を開始する(ステップS222)。ステップS222における処理が行われることにより、Vsync割り込み処理が終了する。
【0109】
画像圧縮処理が開始された後、画像処理回路120は、フレーム画像に画像圧縮処理を行い、かつ画像圧縮処理が行われたフレーム画像を画像メモリ121に記憶する。無線通信機130は、画像圧縮処理が行われたフレーム画像を画像受信装置200に無線で送信する。
【0110】
第2のフレーム期間において第2のフレーム画像に対する画像圧縮処理が停止した後、第3のフレーム期間が開始されたとき、画像処理回路120による画像圧縮処理が開始される。このため、画像処理回路120は、第3のフレーム画像に画像圧縮処理を行う。
【0111】
上記以外の点について、第2の実施形態の画像送信装置100の動作は、第1の実施形態の画像送信装置100の動作と同様である。
【0112】
第2の実施形態において、第1のフレーム画像の送信が完了できない場合、第2のフレーム画像の画像圧縮処理が停止する。これによって、画像送信装置100の消費電力が低減する。
【0113】
(第2の実施形態の変形例)
図16は、第2の実施形態の変形例の画像送信装置101の構成を示している。図16に示す構成について、図2に示す構成と異なる点を説明する。
【0114】
図2に示す画像送信装置100における画像処理回路120は、画像メモリ121に変更される。画像送信装置101における画像メモリ121は、画像送信装置100における画像メモリ121と同様である。画像送信装置100におけるプロセッサ170は、プロセッサ171に変更される。プロセッサ171は、画像処理部122の機能を有する。プロセッサ171は、画像処理部122によって、撮像素子110から出力されたフレーム画像に画像圧縮処理を行い、かつ画像圧縮処理が行われたフレーム画像を無線通信機130に出力する。画像処理部122は、ソフトウェアにより実現できる。
【0115】
上記以外の点について、図16に示す構成は、図2に示す構成と同様である。
【0116】
(第3の実施形態)
第1の実施形態の画像通信システム10を使用して本発明の第3の実施形態を説明する。
【0117】
第3の実施形態の画像送信装置100において、第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信が完了した後、プロセッサ170は、第2のフレーム画像を送信するように無線通信機130を制御する。プロセッサ170はさらに、第2のフレーム画像の撮像が行われた撮像周期に続く撮像周期に対応する送信期間において、第2のフレーム画像を送信するように無線通信機130を制御する。
【0118】
第3の実施形態の画像送信装置100の動作を説明する。図6に示す動作が図17図19、および図20に示す動作に変更され、かつ図7に示す動作が図18に示す動作に変更される。
【0119】
図18に示すように、ステップS123において、経過時間が送信完了判定時間であるとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、送信モードを“第2の延長送信”に設定する(ステップS152)。第3の実施形態において、送信モードは、“通常送信”、“第1の延長送信”、および“第2の延長送信”のいずれか1つに設定される。“第2の延長送信”は、“通常送信”および“第1の延長送信”の間に設定される送信モードである。送信モードが“第2の延長送信”に設定された後、ステップS125における処理が行われる。
【0120】
第1のフレームの送信期間において、ステップS122における処理により、第1のフレーム画像が送信される。第1のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、ステップS152における処理により、送信モードが“第2の延長送信”に設定される。
【0121】
図17に示すように、ステップS116において、送信モードが“第1の延長送信”でないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、送信モードが“第2の延長送信”であるか否かを判断する(ステップS150)。ステップS150において、送信モードが“第2の延長送信”でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS114における処理が行われる。
【0122】
ステップS150において、送信モードが“第2の延長送信”であるとプロセッサ170が判断した場合、図19に示すように、プロセッサ170は、1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信が完了したか否かを判断する(ステップS153)。ステップS153において、フレーム画像の送信が完了していないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像データの送信処理を行う(ステップS154)。ステップS154における処理は、ステップS122における処理と同様である。
【0123】
ステップS154において画像データが読み出される画像メモリ121のエリアは、ステップS122において画像データが読み出される画像メモリ121のエリアと同一である。つまり、第1のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、第1のフレームに続く第2のフレームの送信期間において、第1のフレーム画像の送信が継続する。第2のフレームの送信期間において、ステップS154における処理により、第1のフレームの送信期間で送信されなかったデータのパケットが送信される。
【0124】
ステップS154における処理が行われた後、プロセッサ170は、ステップS114において送信完了判定タイマがクリアされた時刻からの経過時間が送信完了判定時間であるか否かを判断する(ステップS155)。ステップS155における処理は、ステップS123における処理と同様である。
【0125】
ステップS155において、送信完了判定タイマの値が所定値未満である、すなわち経過時間が送信完了判定時間でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS153における処理が行われる。ステップS155において、送信完了判定タイマの値が所定値以上である、すなわち経過時間が送信完了判定時間である場合、プロセッサ170は、無線通信機130が1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信を完了できないと判断する。この場合、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるRD_Indexを1増加させる(ステップS156)。これによって、画像データが読み出されるエリアが変更される。
【0126】
RD_Indexが1増加した後、プロセッサ170は、送信モードを“第1の延長送信”に設定する(ステップS157)。送信モードが“第1の延長送信”に設定された後、プロセッサ170は、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻であるか否かを判断する(ステップS158)。ステップS158における処理は、ステップS113における処理と同様である。ステップS158において、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS158における判断が継続する。ステップS158において、現在時刻が次のフレーム送信開始時刻であるとプロセッサ170が判断した場合、ステップS114における処理が行われる。
【0127】
ステップS153において、フレーム画像の送信が完了したとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるRD_Indexを1増加させる(ステップS161)。これによって、画像データが読み出されるエリアが変更される。
【0128】
RD_Indexが1増加した後、プロセッサ170は、1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信が完了したか否かを判断する(ステップS162)。ステップS162において、フレーム画像の送信が完了していないとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像データの送信処理を行う(ステップS163)。ステップS163における処理は、ステップS122における処理と同様である。
【0129】
ステップS163における処理が行われた後、プロセッサ170は、ステップS114において送信完了判定タイマがクリアされた時刻からの経過時間が送信完了判定時間であるか否かを判断する(ステップS164)。ステップS164における処理は、ステップS123における処理と同様である。
【0130】
ステップS164において、送信完了判定タイマの値が所定値未満である、すなわち経過時間が送信完了判定時間でないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS162における処理が行われる。ステップS164において、送信完了判定タイマの値が所定値以上である、すなわち経過時間が送信完了判定時間である場合、プロセッサ170は、無線通信機130が1フレームの画像データすなわちフレーム画像の送信を完了できないと判断する。この場合、プロセッサ170は、送信モードを“第1の延長送信”に設定する(ステップS157)。
【0131】
ステップS162において、フレーム画像の送信が完了したとプロセッサ170が判断した場合、プロセッサ170は、画像メモリ121におけるRD_Indexを1増加させる(ステップS171)。これによって、画像データが読み出されるエリアが変更される。RD_Indexが1増加した後、プロセッサ170は、送信モードを“通常送信”に設定する(ステップS172)。送信モードが“通常送信”に設定された後、ステップS158における処理が行われる。
【0132】
第1のフレームの送信期間において、ステップS122における処理により、第1のフレーム画像が送信される。第1のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、ステップS152における処理により、送信モードが“第2の延長送信”に設定される。
【0133】
送信モードが“第2の延長送信”である場合、第2のフレームの送信期間において、ステップS154における処理により、第1のフレーム画像が送信される。第2のフレームの送信期間において、ステップS153における処理により、無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了したとプロセッサ170が判断した場合、ステップS161における処理により、画像データが読み出される画像メモリ121のエリアが変更される。ステップS161における処理が行われた後、RD_Indexは、第2のフレームのフレーム画像が記憶されたエリアを示す。第2のフレームの送信期間において、ステップS163における処理により、第2のフレーム画像が送信される。つまり、第2のフレームの送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了した場合、第2のフレームの送信期間の残りの期間において、第2のフレーム画像の送信が行われる。
【0134】
第2のフレームの送信期間において、ステップS162における処理により、無線通信機130が第2のフレーム画像の送信を完了したとプロセッサ170が判断した場合、ステップS171における処理により、画像データが読み出される画像メモリ121のエリアが変更される。ステップS171における処理が行われた後、RD_Indexは、第3のフレームのフレーム画像が記憶されたエリアを示す。その後、ステップS172における処理により、送信モードが“通常送信”に設定される。この場合、第2のフレームに続く第3のフレームの送信期間において、第1の実施形態と同様の処理により、第3のフレーム画像が送信される。
【0135】
第2のフレームの送信期間において、ステップS164における処理により、無線通信機130が第2のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS157における処理により、送信モードが“第1の延長送信”に設定される。この場合、第2のフレームに続く第3のフレームの送信期間において、第1の実施形態と同様の処理により、第2のフレーム画像の送信が継続する。
【0136】
第2のフレームの送信期間において、ステップS155における処理により、無線通信機130が第1のフレーム画像の送信を完了できないとプロセッサ170が判断した場合、ステップS156における処理により、画像データが読み出される画像メモリ121のエリアが変更される。ステップS156における処理が行われた後、RD_Indexは、第2のフレームのフレーム画像が記憶されたエリアを示す。その後、ステップS157における処理により、送信モードが“第1の延長送信”に設定される。この場合、第2のフレームに続く第3のフレームの送信期間において、第1の実施形態と同様の処理により、第2のフレーム画像が送信される。
【0137】
図17から図20に示す処理において、第2のフレーム画像の送信期間において、第1のフレーム画像の送信が完了した後、プロセッサ170は、第2のフレーム画像の送信期間において、第2のフレーム画像を送信するように無線通信機130を制御する(ステップS163)。プロセッサ170はさらに、第2のフレーム画像の撮像が行われた撮像周期に続く撮像周期に対応する送信期間において、第2のフレーム画像を送信するように無線通信機130を制御する(ステップS132)。
【0138】
第1のフレーム画像の送信期間において第1のフレーム画像の送信が完了できない場合、第2のフレーム画像の送信期間に第2のフレーム画像の送信が完了するか否かに関わらず、第2のフレーム画像の送信期間と、それに続く送信期間とに第2のフレーム画像が送信されてもよい。
【0139】
上記以外の点について、第3の実施形態の画像送信装置100の動作は、第1の実施形態の画像送信装置100の動作と同様である。
【0140】
図21は、第3の実施形態の画像伝送を示している。図21における右方向に時間が進む。図21に示す動作について、図13に示す動作と異なる点を説明する。
【0141】
フレーム1の送信期間Tf1の送信完了判定タイミングt1において、フレーム1のフレーム画像の送信が完了していない。このため、ステップS152における処理により、送信モードが“第2の延長送信”に設定される。フレーム2の送信期間Tf2において、ステップS154における処理により、フレーム1のフレーム画像が送信される。このとき、フレーム1の送信期間Tf1に送信されなかったフレーム画像のデータが送信される。フレーム2の送信期間Tf2において、フレーム1のフレーム画像の送信が完了した後、ステップS163における処理により、フレーム2のフレーム画像が送信される。
【0142】
フレーム2の送信期間Tf2の送信完了判定タイミングt2において、フレーム2のフレーム画像の送信が完了していない。このため、ステップS157における処理により、送信モードが“第1の延長送信”に設定される。フレーム3の送信期間Tf3において、ステップS132における処理により、フレーム2のフレーム画像が送信される。このとき、フレーム2の送信期間Tf2に送信されなかったフレーム画像のデータが送信される。
【0143】
フレーム3の送信期間Tf3においてフレーム2のフレーム画像が送信されるため、ステップS134における処理により、フレーム3のフレーム画像の送信は中止される。フレーム3の送信期間Tf3の送信完了判定タイミングt3の前にフレーム2のフレーム画像の送信が完了する。フレーム1のフレーム画像がモニタ300に表示された後、フレーム2のフレーム画像がモニタ300に表示される。
【0144】
上記以外の点について、図21に示す動作は、図13に示す動作と同様である。
【0145】
図21に示す画像伝送において、フレーム1およびフレーム2のフレーム画像の送信は完了する。このため、連続するフレーム1およびフレーム2のフレーム画像の欠落が回避される。
【0146】
フレーム1の送信期間Tf1においてフレーム1のフレーム画像の送信が完了しなかった場合、フレーム2のフレーム画像は、フレーム2の送信期間Tf2およびフレーム3の送信期間Tf3に送信される。つまり、第3の実施形態の画像送信装置100は、1フレームの送信期間よりも長い期間を使用してフレーム2のフレーム画像を送信することができる。このため、フレーム2のフレーム画像の欠落が回避されやすい。
【0147】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明の各実施形態によれば、フレーム画像の連続的な欠落が発生しにくい。
【符号の説明】
【0149】
10 画像通信システム
100,101 画像送信装置
110 撮像素子
120,220 画像処理回路
121,221 画像メモリ
122 画像処理部
130,210 無線通信機
131,211 アンテナ
132,212 無線通信回路
140,230 操作インタフェース
150,240 ROM
160,250 RAM
170,171,260 プロセッサ
200 画像受信装置
300 モニタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22