(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6744895
(24)【登録日】2020年8月4日
(45)【発行日】2020年8月19日
(54)【発明の名称】ネットワーク機器を自動的に初期化する方法、それを用いたリモートサーバーおよびネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20200806BHJP
H04L 12/44 20060101ALI20200806BHJP
【FI】
H04L12/28 200A
H04L12/44 300
【請求項の数】25
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-167477(P2018-167477)
(22)【出願日】2018年9月7日
(65)【公開番号】特開2019-87991(P2019-87991A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2018年9月7日
(31)【優先権主張番号】106138322
(32)【優先日】2017年11月6日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】葉 書峻
【審査官】
野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−239597(JP,A)
【文献】
特開2010−147553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04L 12/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと、
遠隔管理コントローラおよび少なくとも1つのネットワークインターフェースカードを含み、前記スイッチの少なくとも1つのポートに接続されたネットワーク機器と、
ネットワークを介して前記スイッチに接続され、前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続されたポートの第1ポート数および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得するリモートサーバーと、
を含み、
前記ネットワーク機器が、前記遠隔管理コントローラの識別子を含む第1ディスカバリパケットを前記スイッチに送信し、前記スイッチが、前記遠隔管理コントローラの前記識別子および前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数を転送テーブルに保存し、
前記リモートサーバーが、前記スイッチから前記転送テーブルを取得し、前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数に基づいて、前記リモートサーバーが、前記転送テーブルを分析して、前記遠隔管理コントローラの前記識別子を取得し、且つ前記遠隔管理コントローラの前記識別子に基づいて前記遠隔管理コントローラのネットワークアドレスを前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラに割り当てて送信し、
前記リモートサーバーが、前記遠隔管理コントローラの前記ネットワークアドレスに基づいて前記ネットワーク機器に接続され、前記リモートサーバーが、前記遠隔管理コントローラを介して前記ネットワーク機器をブートし、ブートした後、前記ネットワーク機器が、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの識別子を含む第2ディスカバリパケットを前記スイッチに送信し、
前記スイッチが、前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数を前記転送テーブルに保存するネットワークシステム。
【請求項2】
前記ネットワーク機器が、プレブート実行環境のネットワークブート機構を介して、前記第2ディスカバリパケットを前記スイッチに送信する請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記リモートサーバーが、前記スイッチから前記転送テーブルを取得するとともに、前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数に基づいて前記転送テーブルを分析して、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子を取得および保存する請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子が、前記ネットワークインターフェースカードの媒体アクセス制御アドレスであり、前記遠隔管理コントローラの前記識別子が、前記遠隔管理コントローラの媒体アクセス制御アドレスである請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記第1ディスカバリパケットおよび前記第2ディスカバリパケットが、それぞれブートストラッププロトコルパケットまたは動的ホスト構成プロトコルパケットである請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数が、同じ、または異なるポート数である請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記遠隔管理コントローラが、ベースボード管理コントローラである請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
ネットワーク接続インターフェースと、
前記ネットワーク接続インターフェースに接続され、ネットワークを介して前記ネットワーク接続インターフェース経由でスイッチに接続され、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続されたポートの第1ポート数および前記ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得し、前記スイッチから転送テーブルを取得するプロセッサと、
を含み、
前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数に基づいて、前記プロセッサが、前記転送テーブルを分析して、前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラの識別子を取得するとともに、前記遠隔管理コントローラの前記識別子に基づいて前記遠隔管理コントローラのネットワークアドレスを前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラに割り当てて送信し、
前記プロセッサが、前記遠隔管理コントローラの前記ネットワークアドレスに基づいて、前記ネットワーク機器に接続され、前記プロセッサが、前記遠隔管理コントローラを介して前記ネットワーク機器をブートし、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードが、前記ネットワークインターフェースカードの識別子を含むディスカバリパケットを前記スイッチに送信し、前記プロセッサが、前記スイッチから前記転送テーブルを取得し、前記転送テーブルが、前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数を含み、
前記プロセッサが、前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数に基づいて前記転送テーブルを分析して、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子を取得および保存するリモートサーバー。
【請求項9】
前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子が、前記ネットワークインターフェースカードの媒体アクセス制御アドレスである請求項8に記載のリモートサーバー。
【請求項10】
前記遠隔管理コントローラの前記識別子が、前記遠隔管理コントローラの媒体アクセス制御アドレスである請求項8に記載のリモートサーバー。
【請求項11】
前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数が、同じ、または異なるポート数である請求項8に記載のリモートサーバー。
【請求項12】
前記遠隔管理コントローラが、ベースボード管理コントローラである請求項8に記載のリモートサーバー。
【請求項13】
リモートサーバーにより、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数および前記ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得するステップと、
前記ネットワーク機器により、前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラの識別子を含む第1ディスカバリパケットを前記スイッチに送信するステップと、
前記スイッチにより、前記遠隔管理コントローラの前記識別子および前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数を転送テーブルに保存するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記スイッチから前記転送テーブルを取得するとともに、前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数に基づいて、前記リモートサーバーにより、前記転送テーブルを分析して、前記遠隔管理コントローラの前記識別子を取得するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記遠隔管理コントローラの前記識別子に基づいて、前記遠隔管理コントローラのネットワークアドレスを前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラに割り当てて送信するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記遠隔管理コントローラの前記ネットワークアドレスに基づいて前記ネットワーク機器に接続し、前記遠隔管理コントローラを介して前記ネットワーク機器をブートするステップと、
前記ネットワーク機器により、前記ネットワーク機器をブートした後、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの識別子を含む第2ディスカバリパケットを前記スイッチに送信するステップと、
前記スイッチにより、前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数を前記転送テーブルに保存するステップと、
を含むネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項14】
前記ネットワーク機器により、プレブート実行環境のネットワークブート機構を介して、前記第2ディスカバリパケットを生成するステップをさらに含む請求項13に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項15】
前記リモートサーバーにより、前記スイッチから前記転送テーブルを取得するとともに、前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数に基づいて前記転送テーブルを分析して、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子を取得および保存するステップと、
をさらに含む請求項13に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項16】
前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子が、前記ネットワークインターフェースカードの媒体アクセス制御アドレスであり、前記遠隔管理コントローラの前記識別子が、前記遠隔管理コントローラの媒体アクセス制御アドレスである請求項13に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項17】
前記第1ディスカバリパケットおよび前記第2ディスカバリパケットが、それぞれブートストラッププロトコルパケットまたは動的ホスト構成プロトコルパケットである請求項13に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項18】
前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数が、同じ、または異なるポート数である請求項13に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項19】
前記遠隔管理コントローラが、ベースボード管理コントローラである請求項13に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項20】
リモートサーバーにより、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数および前記ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラの識別子および前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数を含む転送テーブルを前記スイッチから取得するステップと、
前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数に基づいて、前記リモートサーバーにより、前記転送テーブルを分析して、前記遠隔管理コントローラの前記識別子を取得するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記遠隔管理コントローラの識別子に基づいて前記遠隔管理コントローラのネットワークアドレスを前記ネットワーク機器の前記遠隔管理コントローラに割り当てて送信するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記遠隔管理コントローラの前記ネットワークアドレスに基づいて前記ネットワーク機器に接続し、前記遠隔管理コントローラを介して前記ネットワーク機器をブートするステップと、
前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードにより、前記ネットワーク機器をブートした後、前記ネットワークインターフェースカードの識別子を含むディスカバリパケットを前記スイッチに送信し、前記リモートサーバーにより、前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数を含む前記転送テーブルを前記スイッチから取得するステップと、
前記リモートサーバーにより、前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数に基づいて前記転送テーブルを分析して、前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子を取得および保存するステップと、
を含むネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項21】
前記ネットワーク機器により、プレブート実行環境のネットワークブート機構を介して、前記ディスカバリパケットを生成するステップをさらに含む請求項20に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項22】
前記ネットワーク機器の前記ネットワークインターフェースカードの前記識別子が、前記ネットワークインターフェースカードの媒体アクセス制御アドレスである請求項20に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項23】
前記遠隔管理コントローラの前記識別子が、前記遠隔管理コントローラの媒体アクセス制御アドレスである請求項20に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項24】
前記遠隔管理コントローラが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第1ポート数および前記ネットワークインターフェースカードが前記スイッチに接続された前記ポートの前記第2ポート数が、同じ、または異なるポート数である請求項20に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【請求項25】
前記遠隔管理コントローラが、ベースボード管理コントローラである請求項20に記載のネットワーク機器を自動的に初期化する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、ネットワーク機器を自動的に初期化(initialization)するリモートサーバー、およびネットワーク機器を自動的に初期化する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、データセンター(data center)は、多数のサーバーを用いてインストールされる。サーバーが全て正常に操作されることを確保するため、情報技術(information technology, IT)技術者は、サーバーの配備を手動で行う必要がある。つまり、IT技術者は、ベースボード管理コントローラ(baseboard management controller, BMC)、基本入出力システム(basic input/output system, BIOS)、独立ディスクの冗長アレイ(redundant array of independent disks, RAID)、ネットワークパラメータ等を手動で設定して、データセンターの各サーバーのファームウェア更新を実行する必要があるため、多くの人件費と時間がかかる。この状況により、ゼロタッチプロビジョニング(zero touch provisioning, ZTP)技術が開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ZTPを実行する前に、依然として手動で初期化を行う必要がある。つまり、IT技術者は、各サーバーが接続されたスイッチのポート(port)および各サーバーのBMCの媒体アクセス制御アドレス(media access control address, MAC address)を手動で確認および記録してから、各サーバーのBMCにネットワークパラメータを割り当てる必要がある。そして、IT技術者は、各サーバーのネットワーク設定を手動で行って、各サーバーのネットワークインターフェースカード(network interface card, NIC)のMACアドレスを記録しなければ、ZTP技術によりサーバーの配備を行うことができない。したがって、上述したZTP初期化は、依然として人件費と時間がかかる。
【0004】
また、IT技術者は、ZTPを行う前に手動で初期化を行う必要があるため、人的エラーが必然的に発生し、上述したZTP初期化の効率を下げる。
【0005】
そのため、初期化を自動的に行う方法を提供して、ZTPの問題を有効に改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、ネットワーク機器を自動的に初期化する方法、その方法を用いたリモートサーバーおよびネットワークシステムを提供する。
【0007】
本発明の1つの実施形態は、スイッチ、ネットワーク機器、およびリモートサーバーを含むネットワークシステムを提供する。ネットワーク機器は、遠隔管理コントローラおよび少なくとも1つのネットワークインターフェースカードを含む。ネットワーク機器は、スイッチの少なくとも1つのポートに接続される。リモートサーバーは、ネットワークを介してスイッチに接続され、遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数およびネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得する。ネットワーク機器は、遠隔管理コントローラの識別子を含む第1ディスカバリパケット(discovery packet)をスイッチに送信し、スイッチは、遠隔管理コントローラの識別子および遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数を転送テーブルに保存する。リモートサーバーは、スイッチから転送テーブルを取得する。リモートサーバーは、遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数に基づいて転送テーブルを分析して、遠隔管理コントローラの識別子を取得するとともに、遠隔管理コントローラの識別子に基づいて遠隔管理コントローラのネットワークアドレスをネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てて送信する。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、ネットワーク接続インターフェースおよびプロセッサを含むリモートサーバーを提供する。プロセッサは、ネットワーク接続インターフェースに接続され、ネットワークを介してネットワーク接続インターフェース経由でスイッチに接続され、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数およびネットワーク機器のネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得し、スイッチから転送テーブルを取得する。プロセッサは、遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数に基づいて転送テーブルを分析して、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子を取得するとともに、遠隔管理コントローラの識別子に基づいて遠隔管理コントローラのネットワークアドレスをネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てて送信する。
【0009】
発明の1つの実施形態は、以下のステップを含むネットワーク機器を自動的に初期化する方法を提供する:リモートサーバーにより、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数およびネットワーク機器のネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得するステップ;ネットワーク機器により、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子を含む第1ディスカバリパケットをスイッチに送信するステップ;スイッチにより、遠隔管理コントローラの識別子および遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数を転送テーブルに保存するステップ;リモートサーバーにより、スイッチから転送テーブルを取得するとともに、遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数に基づいて転送テーブルを分析して、遠隔管理コントローラの識別子を取得するステップ;およびリモートサーバーにより、遠隔管理コントローラの識別子に基づいて、遠隔管理コントローラのネットワークアドレスをネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てて送信するステップ。
【0010】
別の実施形態において、以下のステップを含むネットワーク機器を自動的に初期化する方法を提供する:リモートサーバーにより、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数およびネットワーク機器のネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を取得するステップ;リモートサーバーにより、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子および遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数を含む転送テーブルをスイッチから取得するステップ;リモートサーバーにより、遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数に基づいて転送テーブルを分析して、遠隔管理コントローラの識別子を取得するステップ;およびリモートサーバーにより、遠隔管理コントローラの識別子に基づいて遠隔管理コントローラのネットワークアドレスをネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てて送信するステップ。
【発明の効果】
【0011】
言及すべきこととして、従来、ゼロタッチプロビジョニング(ZTP)を行う前に、通常、手動で初期化を行う。つまり、IT技術者は、各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラのMACアドレスを手動で確認して記録した後、ネットワークパラメータを各サーバーまたはネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てる必要がある。そして、IT技術者は、各ネットワーク機器のネットワーク設定を手動で行って、各ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードのMACアドレスを記録するまで、ZTP技術でサーバーの配備を行うことができない。反対に、本発明の実施形態によると、リモートサーバーは、自動マッピング手順を実行して各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子(例えば、MACアドレス)を自動的に取得し、異なるネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)を各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てる。
【0012】
また、従来、ZTPを行う前に初期化を手動で行うため、人的エラーが必然的に発生し、効率を下げる。反対に、本発明の実施形態によると、リモートサーバーは、地金(bare metal)に基づいて自動初期化を実現するため、人的エラーの発生を防ぎ、さらに初期化の効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面は、本発明の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化するリモートサーバーを示すブロック概略図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化するネットワークシステムを示す概略図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化する方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化するネットワークシステムを示す概略図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、図面を参照して、ネットワーク機器を自動的に初期化する方法、この方法を用いたリモートサーバーおよびネットワークシステムについて説明する。図面の説明を明確および容易にするため、図面における構成要素のサイズおよび比率を拡大または縮小して表示することがある。以下の説明および/または請求項において、構成要素を他の構成要素に「接続」または「結合」する時、他の構成要素に直接接続または結合する、または介在する構成要素が存在するとみなすことができる。構成要素を他の構成要素に「直接接続」または「直接結合」する時、介在する構成要素は存在しない。構成要素または層間の関係を説明するための他の用語も同じ方法で解釈することができる。理解しやすいよう、以下の実施形態において、同じ構成要素は、同じ参照番号を付して説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化するリモートサーバーを示すブロック概略図である。
図1を参照すると、リモートサーバー11は、ネットワーク接続インターフェース111およびプロセッサ112を含む。別の実施形態において、リモートサーバー11は、例えば、物理サーバー等の別の異なるコンピュータ装置であってもよい。あるいは、リモートサーバー11は、サーバー内で操作される仮想機械(virtual machine)のうちの1つのアプリケーションプログラムであってもよい。
【0017】
プロセッサ112は、ネットワーク接続インターフェース111に接続される。プロセッサ112は、ネットワークを介してネットワーク接続インターフェース111経由でスイッチ12に接続される。
【0018】
ネットワーク機器13は、例えば、クライアント端サーバーであり、遠隔管理コントローラ131および少なくとも1つのネットワークインターフェースカード132を含む。少なくとも1つのネットワーク機器13がスイッチ12のうちの少なくとも1つのポートに接続された時、リモートサーバー11は、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数を前もって知り/取得し、ネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数を前もって知る/取得する。1つの実施形態において、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131およびネットワークインターフェースカード132は、それぞれスイッチ12の異なるポートに接続される。そのため、遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数とネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数は、異なる。別の実施形態において、ネットワーク機器13は、共有ポート(share port)機能を有し、ネットワーク機器13は、同じポートを介してスイッチ12に接続したい遠隔管理コントローラ131およびネットワークインターフェースカード132を構成してもよい。この場合、遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数とネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数は、同じである。リモートサーバー11は、スイッチ12に接続されたネットワーク機器13を自動的に初期化する。
【0019】
別の実施形態において、ネットワーク機器13は、例えば、物理サーバー等の別の異なるコンピュータ装置であってもよい。具体的に説明すると、遠隔管理コントローラ131は、リモートサーバー11の命令を実行する。そのため、リモートサーバー11は、ネットワーク機器13を遠隔管理することができる。遠隔管理コントローラ131は、オフ状態のネットワーク機器13でネットワーク機器13を監視または更新する等の操作を行うことを可能にする。本発明の実施形態は、リモートサーバー11がネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131を遠隔管理、監視、および構成することさえできれば、遠隔管理コントローラ131の特定の実施モードを限定しない。遠隔管理コントローラ131は、例えば、ベースボード管理コントローラ(BMC)である。
【0020】
しかしながら、リモートサーバー11がネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレス(すなわち、IPアドレス)を自動的に設定してネットワーク機器13を自動的に初期化する方法については、後続の実施形態で詳述する。
【0021】
リモートサーバー11は、ネットワーク機器13を自動的に初期化する。初期化が完了した後、リモートサーバー11は、遠隔管理コントローラ131のパラメータ設定、基本入出力システム(BIOS)のパラメータ設定、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)のパラメータ設定、ファームウェアのパラメータ設定、ネットワークパラメータの配備、ファームウェア更新等を含むネットワーク機器13の操作を自動的に行う。本実施形態の自動初期化は、2つの段階を含む。第1段階は、自動マッピング(mapping)手順であり、第2段階は、自動事前構成(pre-configuration)手順である。
【0022】
自動マッピング手順は、リモートサーバー11がネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131の識別子を自動的に取得し、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスをネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131に割り当てられるようにする。
【0023】
まず、ネットワーク機器13をスイッチ12に接続した後、リモートサーバー11のプロセッサ112は、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートのプリセット第1ポート数を前もって知る/取得する。あるいは、IT技術者または管理者は、ネットワーク機器13がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数をリモートサーバー11に通知する。
【0024】
ネットワーク機器13がスイッチ12に接続された時、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131は、遠隔管理コントローラ131の識別子を含む第1ディスカバリパケットを放送(broadcast)する。
【0025】
スイッチ12が遠隔管理コントローラ131の識別子を含む第1ディスカバリパケットを受信した後、スイッチ12は、遠隔管理コントローラ131の識別子およびネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数を転送テーブル(forwarding table)に保存する。
【0026】
リモートサーバー11のプロセッサ112は、スイッチ12から転送テーブルを取得する。前もって知った/取得した遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数に基づいて、プロセッサ112は、転送テーブルを検索または分析して、遠隔管理コントローラ131の識別子を取得する。そして、遠隔管理コントローラ131の識別子に基づいて、リモートサーバー11のプロセッサ112は、遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスを割り当てて、遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスをネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131に送信し、遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスを設定する。詳しく説明すると、リモートサーバー11は、静的IPアドレスを遠隔管理コントローラ131に割り当てるか、あるいは動的ホスト構成プロトコル(dynamic host configuration protocol, DHCP)に基づいて遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスを割り当てる。1つの実施形態において、遠隔管理コントローラ131の識別子は、遠隔管理コントローラ131のMACアドレスである。
【0027】
本例示的実施形態において、プロセッサ112は、リモートサーバー11の操作全体を制御するよう構成される。プロセッサ112は、例えば、中央処理装置(central processing unit, CPU)、プログラム可能なマイクロプロセッサ(programmable microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、プログラマブルコントローラ(programmable controller)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)、プログラム可能論理デバイス(programmable logic device, PLD)、または他の類似デバイスであるが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
1つの例示的実施形態において、ネットワーク接続インターフェース111は、ネットワークモジュールであるため、リモートサーバー11は、任意の既知および/または未知の接続プロトコルネットワークを介して外部実体と通信することができる。ネットワーク接続インターフェース111は、例えば、1つまたはそれ以上のネットワークアダプターカード(network adapter card)、有線ネットワークインターフェースカード、無線ネットワークインターフェースカード、例えば、WiFiインターフェースまたは他の無線通信プロトコル(例えば、2G、3G、3.5G、4G、およびLTE、ただし、本発明はこれに限定されない)を含む。スイッチ12は、1つのネットワークホストから別のネットワークホストにデータを送信するよう構成されたハードウェアまたはソフトウェアであり、例えば、スイッチ、ブリッジ(bridge)、ルーター(router)、ゲートウェイ(gateway)等である。
【0029】
上述した自動マッピング手順により、リモートサーバー11は、手動で設定しなくても、ネットワークアドレスをネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131に自動的に割り当てるため、初期化の人件費と時間を減らすことができる。
【0030】
自動事前構成手順は、リモートサーバー11がネットワーク機器13を自動的に設定して、ネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132の識別子を記録できるようにする。
【0031】
まず、遠隔管理コントローラ131に割り当てたネットワークアドレスに基づいて、リモートサーバー11のプロセッサ112は、ネットワーク機器13をブート(boot)するようネットワークを介して遠隔管理コントローラ131を制御する。
【0032】
ネットワーク機器13をブートした後、ネットワーク機器13は、ネットワークインターフェースカード132を介してネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132の識別子を含む第2ディスカバリパケットを放送/送信する。スイッチ12がネットワークインターフェースカード132の識別子を含む第2ディスカバリパケットを受信した後、スイッチ12は、ネットワークインターフェースカード132の識別子およびネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数を転送テーブルに保存する。
【0033】
1つの実施形態において、プレブート実行環境(Preboot Execution Environment, PXE)のネットワークブート機構を介して、ネットワーク機器13をリモートサーバー11でブートした後、ネットワーク機器13は、第2ディスカバリパケットをスイッチ12に送信または放送する。
【0034】
リモートサーバー11のプロセッサ112は、スイッチ12から転送テーブルを取得する。前もって知った/取得したネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数に基づいて、プロセッサ112は、転送テーブルを検索または分析して、ネットワークインターフェースカード132の識別子を取得する。1つの実施形態において、リモートサーバー11は、ネットワークインターフェースカード132の識別子を保存する。ネットワークインターフェースカード132の識別子は、例えば、ネットワークインターフェースカード132のMACアドレスである。詳しく説明すると、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数とネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数は、同じポート数であっても、または異なるポート数であってもよい。
【0035】
当然、上述した説明は単なる例であり、リモートサーバー11の構造および機能は、実際の必要に応じて変更可能であるため、本発明はこれに限定されない。
【0036】
上述した自動事前構成手順によって、リモートサーバー11は、手動で設定しなくても、ネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132の識別子を記録して、ネットワーク機器13をさらに自動的に設定するため、初期化の人件費と時間を減らすことができる。
【0037】
図2は、本発明の第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化するネットワークシステムを示す概略図である。
図2を参照すると、本実施形態のネットワークシステム1は、リモートサーバー11、スイッチ12、およびネットワーク機器13を含む。ネットワークシステム1は、複数のネットワーク機器13を含んでもよい。しかしながら、本実施形態の技術特徴を明確に示すため、本実施形態では、1つのネットワーク機器13のみを例示する。以下、自動マッピング手順について詳しく説明する。
【0038】
ネットワークを介して、リモートサーバー11をスイッチ12に接続する。
【0039】
ネットワーク機器13は、遠隔管理コントローラ131を含む。ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131は、スイッチ12のポートに接続される。リモートサーバー11は、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数を知る/取得する。本実施形態において、ネットワーク機器13は、例えば、クライアント端サーバーである。
【0040】
ネットワークシステム1は、自動マッピング手順を実行して、リモートサーバー11が遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスをネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131に自動的に割り当てられるようにする。
【0041】
ステップ201Aにおいて、ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131は、遠隔管理コントローラ131の識別子M1を含む第1ディスカバリパケットDPを生成する。ネットワーク機器13は、スイッチ12の第1ディスカバリパケットDPを送信または放送する。詳しく説明すると、第1ディスカバリパケットDPは、例えば、ブートストラッププロトコル(bootstrap protocol, BootP)パケットまたはDHCPパケットである。BootPパケットおよびDHCPパケットは、従来技術であるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0042】
そして、ステップ201Bにおいて、スイッチ12は、遠隔管理コントローラ131の識別子M1およびネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数P0を転送テーブルに保存する。そして、ステップ203において、リモートサーバー11は、スイッチ12から転送テーブルを取得する。前もって知った/取得したネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数P0に基づいて、リモートサーバー11は、転送テーブルを分析して、遠隔管理コントローラ131の識別子M1を取得する。1つの実施形態において、リモートサーバー11は、遠隔管理コントローラ131の識別子M1を保存する。
【0043】
ステップ205において、リモートサーバー11は、遠隔管理コントローラ131の識別子M1に基づいて、遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスND1をネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131に割り当てて送信する。詳しく説明すると、遠隔管理コントローラ131の識別子M1は、例えば、遠隔管理コントローラ131のMACアドレスである。
【0044】
上述した自動マッピング手順によって、リモートサーバー11は、遠隔管理コントローラ131のネットワークアドレスND1をネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131に自動的に割り当てる。詳しく説明すると、本実施形態は、リモートサーバー11がネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131を遠隔管理、監視、および構成することさえできれば、遠隔管理コントローラ131の特定の実施モードを限定しない。遠隔管理コントローラ131は、例えば、ベースボード管理コントローラ(BMC)である。
【0045】
当然、上述した説明は単なる例であり、ネットワークシステム1の構造および機能は、実際の必要に応じて変更可能であるため、本発明はこれに限定されない。
【0046】
図3は、本発明の第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化する方法を示すフローチャートである。
図3を参照すると、一例を挙げて、本実施形態のネットワーク機器を自動的に初期化する方法の自動マッピング手順のステップについて説明する。第1実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化する方法において、リモートサーバーは、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数を前もって知り/取得し、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を前もって知る/取得する。本実施形態の自動マッピング手順は、以下のステップをさらに含む。
【0047】
ステップS31において、ネットワーク機器は、ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子を含む第1ディスカバリパケットをスイッチに送信する。詳しく説明すると、第1ディスカバリパケットは、例えば、BootPパケットまたはDHCPパケットである。
【0048】
ステップS32において、スイッチは、遠隔管理コントローラの識別子および遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数を転送テーブルに保存する。
【0049】
ステップS33において、リモートサーバーは、スイッチから転送テーブルを取得するとともに、前もって知った/取得した遠隔管理コントローラがスイッチに接続されたポートの第1ポート数に基づいて転送テーブルを分析して、遠隔管理コントローラの識別子を取得する。
【0050】
ステップS34において、リモートサーバーは、遠隔管理コントローラの識別子に基づいて、遠隔管理コントローラのネットワークアドレスをネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てて送信する。詳しく説明すると、遠隔管理コントローラの識別子は、例えば、遠隔管理コントローラのMACアドレスである。
【0051】
図4は、本発明の第2実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化するネットワークシステムを示す概略図である。
図4を参照すると、本実施形態のネットワークシステム1は、リモートサーバー11、スイッチ12、およびネットワーク機器13を含む。ネットワークシステム1は、複数のネットワーク機器13を含んでもよい。しかしながら、本実施形態の技術特徴を明確に示すため、本実施形態では、1つのネットワーク機器13のみを例示する。
【0052】
ネットワークを介して、リモートサーバー11をスイッチ12に接続する。
【0053】
ネットワーク機器13は、遠隔管理コントローラ131およびネットワークインターフェースカード132を含む。ネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131およびネットワークインターフェースカード132は、スイッチ12のポートに接続される。本実施形態において、ネットワーク機器13は、例えば、クライアント端サーバーである。
【0054】
本実施形態の自動マッピング手順を実行した後、ネットワークシステム1は、さらに、自動事前構成手順を実行して、自動初期化全体を完了する。以下、自動事前構成手順について詳しく説明する。
【0055】
ステップ401Aにおいて、遠隔管理コントローラ131に割り当てられたネットワークアドレスND1に基づいて、ネットワークを介してリモートサーバー11をスイッチ12に接続する。したがって、リモートサーバー11は、ステップ401Bに示すように、ネットワーク機器13をブートするようネットワークを介して遠隔管理コントローラ131を制御することができる。
【0056】
ステップ403Aにおいて、ネットワーク機器13をブートした後、ネットワーク機器13は、ネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132の識別子M2を含む第2ディスカバリパケットRPをスイッチ12に送信/放送する。詳しく説明すると、第2ディスカバリパケットRPは、例えば、BootPパケットまたはDHCPパケットである。1つの実施形態において、プレブート実行環境(PXE)のネットワークブート機構を介して、ネットワーク機器13をリモートサーバー11でブートした後、ネットワーク機器13は、第2ディスカバリパケットRPをスイッチ12に送信または放送する。
【0057】
ステップ403Bにおいて、スイッチ12は、ネットワークインターフェースカード132の識別子M2およびネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数P1を転送テーブルに保存する。詳しく説明すると、遠隔管理コントローラ131がスイッチ12に接続されたポートの第1ポート数P0とネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数P1は、同じポート数であっても、または異なるポート数であってもよい。
【0058】
ステップ405に示すように、リモートサーバー11は、スイッチ12から転送テーブルを取得する。前もって知った/取得したネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132がスイッチ12に接続されたポートの第2ポート数P1に基づいて、リモートサーバー11は、転送テーブルを分析して、ネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132の識別子M2を取得するとともに、ネットワーク機器13のネットワークインターフェースカード132の識別子M2を保存する。
【0059】
詳しく説明すると、本実施形態は、リモートサーバー11がネットワーク機器13の遠隔管理コントローラ131を遠隔管理、監視、および構成することさえできれば、遠隔管理コントローラ131の特定の実施モードを限定しない。遠隔管理コントローラ131は、例えば、ベースボード管理コントローラ(BMC)である。
【0060】
上述した第1実施形態および第2実施形態に基づき、本実施形態の自動初期化は、2つの段階を含む。第1段階は、自動マッピング手順であり、第2段階は、自動事前構成手順である。上述した自動初期化が完了した後、リモートサーバー11は、各ネットワーク機器13をさらに構成することができる。例えば、リモートサーバー11は、遠隔管理コントローラのパラメータ設定、基本入出力システム(BIOS)のパラメータ設定、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)のパラメータ設定、ネットワークパラメータの配備、ファームウェア更新等を含むネットワーク機器13の操作を行うことができる。したがって、本実施形態の自動初期化は、初期化の人件費と時間を減らすことができる。
【0061】
当然、上述した説明は単なる例であり、ネットワークシステム1の構造およびネットワークシステム1が実行する自動初期化のステップは、いずれも実際の必要に応じて変更可能であるため、本発明はこれに限定されない。
【0062】
言及すべきこととして、従来、ゼロタッチプロビジョニング(ZTP)を行う前に、通常、手動で初期化を行う。つまり、IT技術者は、各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラのMACアドレスを手動で確認して記録した後、ネットワークパラメータを各サーバーまたはネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てる必要がある。そして、IT技術者は、各ネットワーク機器のネットワーク設定を手動で行って、各ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードのMACアドレスを記録するまで、ZTP技術でサーバーの配備を行うことができない。反対に、本発明の実施形態によると、リモートサーバーは、自動マッピング手順を実行して、各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子(例えば、MACアドレス)を自動的に取得し、異なるネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)を各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てる。また、リモートサーバーは、自動事前構成手順を実行して、各ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子(例えば、MACアドレス)を記録し、各ネットワーク機器を自動的に設定するため、人件費と時間を減らすことができる。
【0063】
また、従来、ZTPを行う前に初期化を手動で行うため、人的エラーが必然的に発生し、効率を下げる。反対に、本発明の実施形態によると、リモートサーバーは、地金に基づいて自動初期化を実現するため、人的エラーの発生を防ぎ、初期化の効率をさらに向上させる。
【0064】
さらに、本発明の1つの実施形態において、自動事前構成手順によって、リモートサーバーは、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子(例えば、MACアドレス)を取得する。つまり、ネットワーク機器がディスポーザブルOS(disposable operation system)をロードする前に、リモートサーバーは、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子(例えば、MACアドレス)を取得することができる。そのため、本発明で説明した実施形態は、初期化の効率をさらに上げることができる。したがって、本発明は、従来技術の効率を改善する。
【0065】
図5は、本発明の第2実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化する方法を示すフローチャートである。
図5を参照すると、一例を挙げて、本実施形態のネットワーク機器を自動的に初期化する方法の自動事前構成手順のステップについて説明する。第2実施形態に係るネットワーク機器を自動的に初期化する方法において、リモートサーバーは、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を前もって知り/取得する。本実施形態の自動事前構成手順は、以下のステップをさらに含む。
【0066】
ステップS51において、遠隔管理コントローラのネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)に基づいて、リモートサーバーは、ネットワークを介してネットワーク機器に接続される。リモートサーバーは、ネットワーク機器をブートするようネットワークを介して遠隔管理コントローラを制御する。
【0067】
ステップS52において、ネットワーク機器をブートした後、ネットワーク機器は、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子(例えば、MACアドレス)を含む第2ディスカバリパケットを生成し、第2ディスカバリパケットをスイッチに送信する。
【0068】
ステップS53において、スイッチは、ネットワークインターフェースカードの識別子およびネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数を転送テーブルに保存する。
【0069】
ステップS54において、リモートサーバーは、スイッチから転送テーブルを取得し、前もって知った/取得したネットワークインターフェースカードがスイッチに接続されたポートの第2ポート数に基づいて、リモートサーバーは、転送テーブルを分析して、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子を取得するとともに、ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子を保存する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明の実施形態によると、リモートサーバーは、自動マッピング手順を実行して、各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラの識別子(例えば、MACアドレス)を自動的に取得し、異なるネットワークアドレス(例えば、IPアドレス)を各ネットワーク機器の遠隔管理コントローラに割り当てる。
【0071】
また、本発明の実施形態によると、リモートサーバーは、自動事前構成手順を実行して、各ネットワーク機器のネットワークインターフェースカードの識別子(例えば、MACアドレス)を記録し、各ネットワーク機器を自動的に設定するため、人件費と時間を減らすことができる。
【0072】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0073】
1 ネットワークシステム
11 リモートサーバー
111 ネットワーク接続インターフェース
112 プロセッサ
12 スイッチ
13 ネットワーク機器
131 遠隔管理コントローラ
132 ネットワークインターフェースカード(NIC)
DP 第1ディスカバリパケット
M1、M2 識別子
ND1 ネットワークアドレス
P0 第1ポート数
P1 第2ポート数
RP 第2ディスカバリパケット
201A、201B、203、205、401A、401B、403A、403B、405 ステップ
S31〜S34、S51〜S54 ステップ