特許第6745076号(P6745076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6745076
(24)【登録日】2020年8月5日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】無菌で接続可能なセンサパッチ
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20200817BHJP
【FI】
   C12M1/00 C
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-539615(P2017-539615)
(86)(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公表番号】特表2018-504126(P2018-504126A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2016051954
(87)【国際公開番号】WO2016124500
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2019年1月11日
(31)【優先権主張番号】1550111-7
(32)【優先日】2015年2月4日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】カイゼルマイヤー,クリスティアン
【審査官】 田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0124035(US,A1)
【文献】 特表2005−516596(JP,A)
【文献】 中国実用新案第204069888(CN,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0236962(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/184189(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/147688(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−3/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の接続ユニット(2)と無菌で結合するように構成された第1の接続ユニット(1)であって、
複数のセンサ表面(3)と、
凹部(4)の第1の開口(7)が設けられた第1の末端面(6)であって、前記第1の開口(7)が、当該第1の接続ユニット(1)上に配置された少なくとも第1の剥離可能な接着フィルム(8)によって、該フィルム(8)と当該第1の接続ユニット(1)との間の接触が無菌であるように封止され、前記複数のセンサ表面(3)が前記凹部(4)の内面(5)上に配置されている、第1の末端面(6)と、
前記第1の末端面(6)上に取り付けられた第1のガスケット(11)と、
を備え、
少なくとも前記第1の剥離可能な接着フィルム(8)が、第2の開口(15)および第2のガスケット(12)を有している前記第2の接続ユニット(2)の第2の末端面(13)上に配置された第2の剥離可能な接着フィルム(14)と結合するように配置され、前記第1および第2の剥離可能な接着フィルム(8、14)が、前記第1および第2の末端面(6、13)の対応する第1および第2の開口(7、15)が無菌で対をなすように、結合後に2つずつ一緒に引き抜かれるように構成され、前記第1のガスケット(11)と前記第2のガスケット(12)とが互いにぴったりと当接していることを特徴とする、第1の接続ユニット(1)。
【請求項2】
少なくとも3つまたは少なくとも4つなど、少なくとも2つのセンサ表面(3)を備え、前記センサ表面(3)が酵素センサ表面であることを特徴とする、請求項1に記載の第1の接続ユニット(1)。
【請求項3】
前記凹部(4)の深さ(16)と幅(17)との間の比が、0.5未満または0.25未満など、1未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載の第1の接続ユニット(1)。
【請求項4】
前記複数のセンサは、可動部材(18)上に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の第1の接続ユニット(1)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の第1の接続ユニット(1)と無菌で結合するように構成された第2の接続ユニット(2)。
【請求項6】
第2の開口(15)を備える第2の末端面(13)上に配置された第2の剥離可能な接着フィルム(14)を有しており、前記第2の開口(15)が斜面による縁(31)を有し、第1の剥離可能な接着フィルム(8)を有している前記第1の接続ユニット(1)との結合後に、前記第1および第2の剥離可能な接着フィルム(8、14)は、前記第1および第2の末端面(6、13)の対応する第1および第2の開口(7、15)が無菌で対をなすように、結合後に2つずつ一緒に引き抜かれるように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の第2の接続ユニット(2)。
【請求項7】
可撓なバイオリアクタバッグ(30)上に配置され、前記第2の開口(15)が、前記可撓なバイオリアクタバッグ(30)の壁(20)にポートを形成することを特徴とする、請求項6に記載の第2の接続ユニット(2)。
【請求項8】
前記第2の開口(15)は、おおむね円錐台の形状を有し、円錐台の基部(28)は、前記バイオリアクタバッグ(30)の内部空間(29)に向けられていることを特徴とする、請求項7に記載の第2の接続ユニット(2)。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の第1の接続ユニット(1)を、請求項乃至8のいずれか1項に記載の第2の接続ユニット(2)に結合させることによって形成されていることを特徴とする、無菌接続。
【請求項10】
前記第1の接続ユニット(1)と前記第2の接続ユニット(2)とを一体に保持するクランプ(23)をさらに備え、3cm未満の高さ(h)を有していることを特徴とする、請求項9に記載の無菌接続。
【請求項11】
無菌接続を形成する方法であって、
a)請求項1乃至のいずれか1項に記載の第1の接続ユニット(1)および請求項乃至8のいずれか1項に記載の第2の接続ユニット(2)を用意するステップと、
b)前記第1の接続ユニットを前記第2の接続ユニットに、前記第1および第2の開口(7、15)が互いに整列し、前記第1および第2の剥離可能な接着フィルム(8、14)が互いに接触するように、結合させるステップと、
c)前記第1および第2の末端面(6、13)の対応する第1および第2の開口(7、15)が無菌で結合するように、前記第1および第2の剥離可能な接着フィルム(8、14)を一緒に2つずつ引き抜くステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項12】
d)接続を確実にするために前記第1および第2の接続ユニット(1、2)にクランプ(23)を適用するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の接続ユニット(2)は、可撓なバイオリアクタバッグ(30)上に配置され、前記第2の開口(15)は、前記バイオリアクタバッグ(30)の壁(20)にポートを形成し、当該方法は、e)細胞培養の培地および細胞を前記バイオリアクタバッグ(30)に加えるステップと、f)前記バイオリアクタバッグ(30)内で細胞を培養し、センサ表面(3)で少なくとも2つのパラメータを監視するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌コネクタに関し、より詳細には、細胞の培養に有用なセンサを備える無菌コネクタに関する。さらに、本発明は、無菌の接続を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ医薬品の製造においては、とりわけ細胞培養操作に関して、使い捨てのシステムへの傾向が存在する。細胞培養のための典型的な使い捨てのシステムは、攪拌が揺動(例えば、米国特許第6,190,913号明細書を参照)によってもたらされる膨張可能な自立バッグあるいは攪拌が通常はインペラ(例えば、米国特許第7,629,167号明細書を参照)または空気(例えば、国際公開第2007/068945号パンフレットを参照)によってもたらされるステンレス鋼製の支持構造体によって支持されたバッグのいずれかの可撓バッグに細胞培養物が収容されるバイオリアクタを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,190,913号明細書
【特許文献2】米国特許第7,629,167号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/068945号パンフレット
【発明の概要】
【0004】
どちらの種類のシステムにおいても、細胞密度、pH、酸素濃度、ならびに種々の代謝産物および/または栄養素の濃度などの重要な変数を監視するために、センサを適用し、細胞培養物に接触させる必要が存在する。このようなセンサは、典型的には、欧州特許第2503320号明細書のように溶接によるポートを介してバッグに一体化される。しかしながら、多くのセンサは、バッグの滅菌に好ましく用いられる方法と同じ方法で滅菌することが、不可能である。
【0005】
したがって、別個にパッケージされたセンサを使い捨てのバイオリアクタバッグに無菌にて接続するための便利な技術が、必要とされている。
【0006】
本発明の一態様は、センサをバイオリアクタバッグに無菌で接続するための接続ユニットを提供することである。これは、請求項1に記載の第1の接続ユニットによって達成される。
【0007】
1つの利点は、接続ユニットをバイオリアクタバッグとは別にパッケージし、異なる方法で滅菌できることにある。さらなる利点は、センサを冷やした状態で保管できること、およびバッグの折り畳みによるセンサの損傷の危険を排除できることにある。またさらなる利点は、バッグ上のポートの数を最小限にできること、およびただ1種類のバッグにおいて複数の異なるセンサの組み合わせを都合よく提供できることにある。
【0008】
本発明の第2の態様は、バッグに取り付けられ、センサを有する接続ユニットに無菌で接続することができる接続ユニットを提供することである。これは、特許請求の範囲において定められるとおりの第2の接続ユニットによって達成される。
【0009】
本発明の第3の態様は、バイオリアクタバッグへのセンサの無菌接続を提供することである。これは、特許請求の範囲において定められるとおりの接続によって達成される。
【0010】
本発明の第4の態様は、センサをバイオリアクタバッグに無菌で接続する方法を提供することである。これは、特許請求の範囲において定められるとおりの方法によって達成される。
【0011】
本発明のさらなる適切な実施形態が、従属請求項に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1a】接続前の本発明の第1および第2の接続ユニットを示している。
図1b】接続およびクランプ後の本発明の第1および第2の接続ユニットを示している。
図2】接続およびクランプ後の本発明の第1および第2の接続ユニットを示している。
図3a】接続およびクランプ後の本発明の第1および第2の接続ユニットを示している。
図3b】バッグの壁に向かってセンサを移動させた後の本発明の第1および第2の接続ユニットを示している。
図4】接続およびクランプされた本発明の第1および第2の接続ユニットを有するバイオリアクタバッグを示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図3によって説明される一態様において、本発明は、第2の接続ユニット2に無菌で結合するように構成された第1の接続ユニット1を開示し、第1の接続ユニットは、複数のセンサ表面3を備えている。センサを、凹部4または凹部の内面5に適切に配置することができ、凹部は、結合前は周囲の環境から封じられており、結合後は第2の接続ユニットを介してバイオリアクタバッグ30の内部29に連通する。第1の接続ユニットは、凹部4の第1の開口7が設けられた第1の末端面6を備えることができ、開口は、少なくとも第1の剥離可能な接着フィルム8によって封じられている。このフィルムを、フィルムと第1の接続ユニットおよび/または凹部との間の接触が無菌であるように、第1の接続ユニット上に配置することができる。フィルムを、例えば、開口7の外側のユニットの末端に適用された接着性発泡体ドーナツ9によって、所定の位置に保持することができる。さらに、フィルムを、180度にわたって適切に折り返すことができ、所望であれば、除去を容易にするために、タブ10を取り付けることができる。さらに、第1のユニットは、第1の末端面に取り付けられたガスケット11を有することができ、ガスケット11を、第2の接続ユニット2の第2の末端面13に取り付けられた同様のガスケット12にぴったりと当接するように構成することができる。第1の剥離可能な接着フィルム8を、第2の開口15を有している第2の接続ユニットの第2の末端面13上に配置された第2の剥離可能な接着フィルム14と結合するように配置することができ、第1および第2のフィルムを、第1および第2の末端面の対応する第1および第2の開口7および15が無菌で対をなすように、結合後に2つずつ一緒に引き抜かれるように構成することができる。第1および第2のコネクタユニットは、好適には、円形の断面を有することができる。第1および第2のコネクタユニットは、どちらも、結合後に接続を確実にするためにクランプ23と係合するように構成されたフランジ21、22をさらに備えることができる。フランジを、例えば、ISO2852規格にも開示されている周知のTri−Clamp(商標)またはTri−Clover(商標)クランプと係合するように構成することができる。
【0014】
特定の実施形態において、第1のコネクタユニットは、少なくとも3つまたは少なくとも4つなど、少なくとも2つのセンサ表面を備える。同じコネクタユニット内に複数のセンサ表面を有することが、ポートが1つだけしか必要でないという点で、有利である。細胞の培養は、典型的にはいくつかの変数の監視を必要とし、各々のポートがコストを増やし、無菌状態を損なう危険性を有する可能性があるがゆえに、ポートの数を最小限にすることが望ましい。少なくとも2つ、3つ、または4つのセンサ表面など、これらのセンサ表面のうちの1つ以上は、酵素センサ表面、すなわち固定化酵素を含むセンサ表面であってよいが、これに加え、あるいはこれに代えて、センサ表面のうちの1つ以上が、電気化学センサ表面または光学色素にもとづくセンサ表面であってよい。酵素センサは、例えば、グルコース(固定化グルコースオキシダーゼを使用)およびグルタミン(典型的には、固定化グルタミナーゼを使用)の検出に一般的に使用され、細胞培養における他の栄養素/代謝産物の検出にも使用することができる。酵素センサは、保管時に冷蔵されている必要があり、バイオリアクタバッグに一般的に使用される放射線滅菌法に適合しない可能性がある。したがって、使用の直前にバッグに無菌で接続される別個にパッケージされた酵素センサが、とくに必要とされる。酵素センサを備える第1のコネクタユニットを、例えば、エチレンオキシド、過酸化水素、または他の化学滅菌剤を用いて滅菌することができる。上述したグループから適切なセンサを選択し、それらを耐熱性ポリマーと組み合わせることにより、センサパッチを、オートクレーブ処理または電子ビーム処理によって滅菌することもできる。酵素および染料にもとづくセンサの滅菌時および保管時の安定性を、それらが酸化を防止するための保護雰囲気(例えば、NまたはAr)中にパッケージされる場合に、高めることができる。このような保護雰囲気は、バッグ全体の場合よりも別個のセンサパッチについて、より容易に達成される。
【0015】
いくつかの実施形態において、凹部4の深さ16と幅17との間の比は、1未満であり、例えば0.5未満または0.25未満である。幅に対する深さの比が小さいことが、培養時に細胞が凹部に詰まる恐れが減るため、有利である。図3に示されるように、細胞が詰まる恐れを、センサ表面を可動部材に取り付けることによって、さらに減らすことができる。可動部材は、例えば、接続後に例えばプランジャ19の作用または空気圧の作用によってバッグの内部に向かって移動させることができる弾性フィルム18またはベローズであってよい。これにより、センサ表面3を、バッグの壁20と基本的に同一平面上になるように移動させることができ、あるいはバッグの壁からバッグ30の内部29に突出するように移動させることさえ可能である。あるいは、図1および図2に示されるように、センサ表面を、固定部材に取り付けることができる。これは、可動部品の存在しないより単純な設計をもたらし、高さの低い接続の構成を促進する。固定部材を、例えば、以下で説明されるように、斜面による縁を有する第2の接続ユニットと共に使用することができる。
【0016】
図1図3によって説明される第2の態様において、本発明は、上記の開示のとおりに第1の接続ユニット1と無菌で結合するように構成された第2の接続ユニット2を開示する。第2の接続ユニットは、バッグの壁20におけるポートとして、例えば溶接によって取り付けられてよく、バッグの内部に連通する開口15を有する第2の末端面13を備えることができる。開口を、第2の剥離可能な接着フィルム14によって、フィルムと第2の接続ユニットおよび/または開口15との間の接触が無菌であるように封止することができる。フィルムを、例えば、開口15の外側のユニットの末端面13に適用された接着性発泡体ドーナツ24によって、所定の位置に保持することができる。さらに、フィルムを、180度にわたって適切に折り返すことができ、所望であれば、除去を容易にするために、タブ25を取り付けることができる。さらに、第2のユニットは、第2の末端面に取り付けられたガスケット12を有することができ、ガスケット12を、第1の接続ユニット1の第1の末端面6に取り付けられた同様のガスケット11にぴったりと当接するように構成することができる。第2の剥離可能な接着フィルム14を、第1の開口7を有している第1の接続ユニットの第1の末端面6上に配置された第1の剥離可能な接着フィルム8と結合するように配置することができ、第1および第2のフィルムを、第1および第2の末端面の対応する第1および第2の開口7および15が無菌で対をなすように、結合後に2つずつ一緒に引き抜かれるように構成することができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、第2の開口15の深さ26と幅27との間の比は、1未満であり、例えば0.5未満または0.25未満である。幅に対する深さの比が小さいことが、培養時に細胞が凹部に詰まる恐れが減るため、有利である。これに代え、あるいはこれに加えて、第2の開口は、図2に示されるように、斜面による縁31を有することができる。斜面は、例えば、第2の開口15がおおむね円錐台の形状を有し、円錐台の基部28がバイオリアクタバッグ30の内部空間29の方を向くような斜面であってよい。円錐台の上部35(あるいは、第1のコネクタの第1の開口の幅17)に対する基部28の直径の比は、少なくとも2であってよい。
【0018】
第3の態様において、本発明は、上記開示の実施形態のうちのいずれかの実施形態の第1の接続ユニット1を、上記開示の実施形態のうちのいずれかの実施形態の第2の接続ユニット2と結合させることによって形成される無菌の接続を開示する。接続は、第1および第2のユニットを一体に保持するクランプ23をさらに含むことができる。上述したように、これは、例えばTri−ClampまたはTri−Cloverクランプであってよい。クランプは、第1および第2のユニットのフランジ21、22に係合することができる。この無菌の接続は、例えば2cm未満など、3cm未満の全高hを有することができる。これにより、図4のように、この接続を揺動式バイオリアクタバッグの底面側において使用することが可能になる。バッグは液体で完全に満たされるわけではなく、センサは少なくとも断続的に細胞培養物に接触しなければならないため、底面側にセンサを配置することが好ましい。
【0019】
第4の態様において、本発明は、無菌の接続を形成する方法であって、
a)上記開示の第1の接続ユニットおよび上記開示の第2の接続ユニットを用意するステップと、
b)第1のユニットを第2のユニットに、第1および第2の開口が互いに整列し、第1および第2のフィルムが互いに接触するように、結合させるステップと、
c)第1および第2の末端面の対応する第1および第2の開口が無菌で結合するように、第1および第2のフィルムを一緒に2つずつ引き抜くステップと
を含む方法を開示する。
【0020】
いくつかの実施形態において、本方法は、d)接続を確実にするために結合した第1および第2の接続ユニットにクランプを適用するステップをさらに含む。
【0021】
特定の実施形態においては、第2の接続ユニット2が、可撓なバイオリアクタバッグ30上に配置され、第2の開口15が、可撓なバイオリアクタバッグの壁20にポートを形成し、本方法は、e)細胞培養の培地および細胞をバッグに加えるステップをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、本方法は、f)バッグ内で細胞を培養し、センサ表面で少なくとも2つのパラメータを監視するステップをさらに含む。
【0023】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、いくつかの実施例を使用している。本発明の特許可能な技術的範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者にとって想到される他の実施例も含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。本文において言及した特許または特許出願はいずれも、それらの全体が、それらがあたかも個別に援用されているかのように、ここでの言及によって本明細書に援用される。
【符号の説明】
【0024】
1 第1の接続ユニット
2 第2の接続ユニット
3 センサ表面
4 凹部
5 (凹部の)内面
6 第1の末端面
7 第1の開口
8 第1の剥離可能な接着フィルム
9 接着性発泡体ドーナツ
10 タブ
11 ガスケット
12 ガスケット
13 第2の末端面
14 第2の剥離可能な接着フィルム
15 第2の開口
16 (凹部の)深さ
17 (凹部の)幅
18 弾性フィルム
19 プランジャ
20 (バッグの)壁
21 フランジ
22 フランジ
23 クランプ
24 接着性発泡体ドーナツ
25 タブ
26 (第2の開口の)深さ
27 (第2の開口の)幅
28 (円錐台の)基部
29 内部、内部空間
30 バイオリアクタバッグ
31 斜面による縁
35 (円錐台の)上部
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4