(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1Aにおいて、紙面左右方向は、前後方向(FPC長手方向)であって、紙面左側が前側(長手方向一方側)、紙面右側が後側(長手方向他方側)である。紙面上下方向は、左右方向(FPC幅方向、前後方向と直交する直交方向)であって、紙面下側が右側(FPC幅方向一方側)、紙面上側が左側(FPC幅方向他方側)である。紙面紙厚方向は、上下方向(厚み方向、前後方向および左右方向と直交する直交方向)であって、紙面手前側が上側(厚み方向一方側)、紙面奥側が下側(厚み方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
【0034】
<第1実施形態>
図1A〜
図4を参照して、本発明の配線回路基板の第1実施形態である配線回路基板1を説明する。
【0035】
配線回路基板1は、前後方向に長尺なフレキシブル配線回路基板(FPC)であって、
図1Aに示すように、前後方向に延びる平板形状(シート形状)に形成されている。配線回路基板1は、
図1Bに示すように、第1絶縁層としてのベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の上に形成される導体パターン3と、導体パターン3の上に形成される第2絶縁層としてのカバー絶縁層4とを備えている。
【0036】
ベース絶縁層2は、前後方向に延びる平板形状(シート形状)に形成されており、配線回路基板1の外形をなしている。
【0037】
ベース絶縁層2の前端には、電子部品5(後述)を搭載するための電子部品搭載部6が区画されている。
【0038】
ベース絶縁層2は、絶縁性材料から形成されている。絶縁性材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。好ましくは、ベース絶縁層2は、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0039】
ベース絶縁層2の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0040】
導体パターン3は、ベース絶縁層2の上面(厚み方向一方面)に形成されている。導体パターン3は、
図1Aに示すように、電子部品端子部7と、外部部品端子部8と、配線部9とを備えている。
【0041】
電子部品端子部7は、電子部品5(後述)と電気的に接続するための端子である。電子部品端子部7は、ベース絶縁層2の前端において、電子部品搭載部6の後側に配置されている。電子部品端子部7は、複数(5つ)の電子部品端子10を備えている。
【0042】
複数の電子部品端子10は、左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。電子部品端子10は、平面視略矩形状に形成されている。電子部品端子10の幅(左右方向長さ)は、後述する配線12の幅(すなわち、第1直線部の第1幅方向長さW)よりも長い。
【0043】
外部部品端子部8は、外部部品(図示せず)と電気的に接続するための端子である。外部部品端子部8は、ベース絶縁層2の後端部に配置されており、複数(5つ)の電子部品端子10に対応する複数(5つ)の外部部品端子11を備えている。
【0044】
複数の外部部品端子11は、左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。外部部品端子11は、平面視略矩形状に形成されている。外部部品端子11の幅(左右方向長さ)は、後述する配線12の幅(すなわち、第1直線部の第1幅方向長さW)よりも長い。
【0045】
配線部9は、電子部品端子部7と外部部品端子部8との間に、これらを連結するように配置されている。配線部9は、複数(5つ)の電子部品端子部7および複数(5つ)の外部部品端子部8と対応する複数(5つ)の配線12(12a、12b、12c、12d、12e)を備えている。
【0046】
複数の配線12は、前後方向に延びるように形成されている。配線12は、その前端縁が電子部品端子10の後端縁と連続し、その後端縁が外部部品端子11の前端縁と連続するように、電子部品端子10および外部部品端子11と一体的に形成されている。
【0047】
また、配線部9は、製造方法において
図2および
図7を参照して後述するように、配線用フォトマスク40(後述)を用いて露光および現像を複数回実施することにより得られるパターンを備えている。すなわち、配線部9では、配線用フォトマスク40の1回の露光および現像にパターンに対応した1パターン領域(第1領域、第2領域、第3領域、…)が、前後方向両端において一部重複しながら、前後方向に複数連続している。具体的には、配線部9は、配線用フォトマスク40の光透過部分41(後述)の前後方向中央部に対応する並列直線部20と、重複領域43(後述)に対応する並列連結部30とを備えている。配線部9は、複数の並列直線部20および複数の並列連結部30から構成されている。すなわち、配線部9は、並列直線部20と並列連結部30とが前後方向に交互に連続するように、形成されている。
【0048】
並列直線部20のそれぞれは、
図2に示すように、左右方向に等間隔で配置される複数(5つ)の直線部21(21a、21b、21c、21d、21e)を備えている。複数の直線部21は、それぞれ、一定の幅を有し、直線状に延びる直線パターンとなるように形成されている。複数の直線部21(21a、21b、21c、21d、21e)は、互いに略同一形状を有している。
【0049】
並列連結部30のそれぞれは、左右方向に等間隔で配置される複数(5つ)の連結部31(31a、31b、31c、31d、31e)を備えている。複数の連結部31は、互いに略同一形状を有しており、その幅は、直線部21(21a、21b、21c、21d、21e)の幅よりも広くなるように形成されている。
【0050】
次いで、
図3を参照して、第1領域(第m領域)および第2領域(第m+1領域)における右端の配線12(12a)を一例として、一の直線部(以下、第1直線部22)と、第1直線部22の後側に連続する一の連結部31と、一の連結部31の後側に連続する他の直線部(以下、第2直線部23)を説明する。
【0051】
第1直線部22は、第1直線方向に直線状に延びる直線パターンとなるように形成されている。第1直線部22の幅W(第1直線方向と直交する第1幅方向における第1幅方向長さ)は、第1直線部22の前端から後端に至るまで、略同一である。第1直線部22の幅Wは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
【0052】
第2直線部23は、第2直線方向に直線状に延びる直線パターンとなるように形成されている。第2直線部23の幅(第2直線方向と直交する第2幅方向における第2直交方向長さ)は、第1直線部22の幅Wと同一である。第2直線部23の幅は、第2直線部23の前端から後端に至るまで、略同一である。第2直線部23は、第2直線部23が延びる方向を除いて、第1直線部22と略同一形状である。
【0053】
第1直線方向と第2直線方向とは、角度θ(0<θ<1deg、好ましくは、0.01deg≦θ≦0.95deg、より好ましくは、0.05deg≦θ≦0.95deg)をなしている。具体的には、第1直線部22の第1幅方向一端縁24aと、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aとなす角度が、θ(0<θ<1deg、好ましくは、0.01deg≦θ≦0.95deg、より好ましくは、0.05deg≦θ≦0.95deg)である。
【0054】
連結部31は、第1直線部22と第2直線部23との間に、これらを連結するように配置されている。連結部31の前端縁は、第1直線部22の後端縁と連続し、連結部31の後端縁は、第2直線部23の前端縁と連続している。
【0055】
連結部31は、第1辺32、第2辺33、第3辺34および第4辺35を備えている。
【0056】
第1辺32は、第1直線部22の第1幅方向一端縁24aから、さらに第1直線方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、第1辺32は、第1幅方向一端縁24aの第1直線方向一方側端縁(後端縁)から、第1直線方向一方側(後側)に向かって延びている。第1辺32の長さD
1は、例えば、100μm以上、好ましくは、500μm以上であり、また、例えば、10000μm以下、好ましくは、5000μm以下である。
【0057】
第2辺33は、第2直線部23の第2幅方向他端縁25bから、さらに第2直線方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、第2辺33は、第2幅方向他端縁25bの第2直線方向他方側端縁(前端縁)から、第2直線方向他方側(前側)に向かって延びている。第2辺33の長さD
2は、例えば、100μm以上、好ましくは、500μm以上であり、また、例えば、10000μm以下、好ましくは、5000μm以下である。
【0058】
第3辺34は、第1辺32の端縁と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの端縁とを結び、第1幅方向(第1直線方向および第2直線方向と交差する第1交差方向の一例)に沿って延びるように形成されている。すなわち、第3辺34は、第1辺32の第1直線方向一方側端縁(後端縁)と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの第2直線方向他方側端縁(前端縁)とを結ぶ線である。第3辺34の長さD
3は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。
【0059】
第4辺35は、第2辺33の端縁と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの端縁とを結び、第2幅方向(第1直線方向および第2直線方向と交差する第2交差方向の一例)に沿って延びるように形成されている。すなわち、第4辺35は、第2辺33の第2直線方向他方側端縁(前端縁)と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの第1直線方向一方側端縁(後端縁)とを結ぶ線である。第4辺35の長さD
4は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。
【0060】
第2辺33は、第4辺35とともに、第1角部36を形成し、その角度は、略直角(例えば、90±0.04deg、好ましくは、90±0.01deg)である。また、第1辺32は、第3辺34とともに、第4角部37を形成し、その角度は、略直角である。
【0061】
連結部31は、第1直線部22および第2直線部23より広幅である。すなわち、連結部31において、第1辺32と第2辺33との第1幅方向長さが、第1直線部22の幅Wよりも長い。
【0062】
連結部31は、下記式(1)の関係を満足する。
【0063】
0 < y
1 < S (1)
y
1は、第1角部36から、第1幅方向に沿って、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bに至る長さを示す。すなわち、第1角部36と第1直線部22との第1幅方向長さの最短距離を示す。y
1は、第1直線部22に対する第2直線部23の第1幅方向におけるずれである。y
1は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。
【0064】
Sは、配線12a(一方の配線)の第1直線部22の第1幅方向他端縁24bから、配線12b(他方の配線)の第1直線部22の第1幅方向一端縁24aまでの、第1幅方向に沿う長さを示す。すなわち、Sは、配線12aと配線12bとの配線間幅である。なお、他方の配線は、一方の配線に対して、第1幅方向他方側に、間隔を隔てて隣接配置されている配線である。Sは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
【0065】
Sのy
1に対する比(S/y
1)は、例えば、2倍以上、好ましくは、5倍以上であり、また、例えば、100倍以下、好ましくは、50倍以下である。
【0066】
連結部31は、下記式(2)の関係を満足する。
【0067】
D
1 × tanθ + y
1 < S (2)
連結部31において、第1辺32の長さD
1は、第1直線部22の第1幅方向長さWと同一またはそれよりも長い。すなわち、W ≦ D
1 (3)の関係を満足する。
【0068】
上記では、第1領域および第2領域の右端の配線12aについて詳述したが、配線12a以外の配線(12b〜12e)についても同様である。ただし、第1幅方向他方側に配置されている他方の配線がない配線12eについては、式(1)及び式(2)を考慮しない。
【0069】
また、第2領域および第3領域の配線12についても同様である。一例として、左端の配線12eの一部拡大図を
図4に示す。この場合、第2領域の配線12の直線部(
図4では、前側)を第1直線部22とし、第3領域の配線12の直線部(
図4では、後側)を第2直線部23とする。
【0070】
なお、
図3(第1領域と第2領域との関係)に示すように、一の直線部の第1直線方向と、他の直線部の第2直線方向とのなす角度θ(0<θ<1deg)において、第2直線方向が第1直線方向に対して、左側に傾く場合、すなわち、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が、反時計回りである場合は、第1幅方向一端縁24aおよび第2幅方向一端縁25aは、右側に位置し、第1幅方向他端縁24bおよび第2幅方向他端縁25bは、左側に位置する。また、他方の配線12(12a〜12e)とは、一の配線12(12a〜12e)に対して左側に位置する配線である。
【0071】
一方、
図4(第2領域と第3領域との関係)に示すように、一の直線部の第1直線方向と、他の直線部の第2直線方向とのなす角度θ(0<θ<1deg)において、第2直線方向が第1直線方向に対して、右側に傾く場合、すなわち、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が時計回りである場合は、第1幅方向一端縁24aおよび第2幅方向一端縁25aは、左側に位置し、第1幅方向他端縁24bおよび第2幅方向他端縁25bは、右側に位置する。また、他の配線12(12a〜12e)とは、一の配線12(12a〜12e)に対して右側に位置する配線12である。
【0072】
配線部9の配線長さ(前後方向長さ)は、例えば、600mm以上、好ましくは、800mm以上であり、また、例えば、5000mm以下、好ましくは、3000mm以下である。
【0073】
カバー絶縁層4は、
図1Bに示すように、導体パターン3の上に配置されている。具体的には、カバー絶縁層4は、導体パターン3の上面および側面を被覆するように、ベース絶縁層2の上面に配置されている。カバー絶縁層4は、電子部品搭載部6、電子部品端子部7および外部部品端子部8を露出し、配線部9を被覆するように、形成されている。すなわち、カバー絶縁層4は、電子部品端子部7の後側から、外部部品端子部8の前側に至るまで、前後方向に長尺な平面視略矩形状に形成されている。
【0074】
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2で上記した絶縁性材料と同様の絶縁性材料から形成され、好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0075】
カバー絶縁層4の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、3μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
【0076】
<第1実施形態の製造方法>
図5A〜
図7を参照して、配線回路基板1の製造方法を説明する。配線回路基板1の製造方法は、セミアディティブ法であって、例えば、ベース絶縁層2を用意する第1工程、ベース絶縁層2の表面に、導体パターン3を形成する第2工程、および、導体パターン3の表面に、カバー絶縁層4を形成する第3工程を備える。
【0077】
(第1工程)
第1工程では、
図5Aに示すように、前後方向に長尺なベース絶縁層2を用意する。
【0078】
なお、配線回路基板1を複数同時に形成する場合には、ベース絶縁層2は、第1工程では長尺である必要はなく、最終工程において、ベース絶縁層2は、配線回路基板1の外形となるように、長尺に外形加工される。
【0079】
(第2工程)
第2工程では、ベース絶縁層2の表面に、導体パターン3を形成する。すなわち、ベース絶縁層2の上面に、電子部品端子部7、配線部9および外部部品端子部8を形成する。
【0080】
具体的には、第2工程は、(1)ベース絶縁層2の表面に金属薄膜50を形成する工程、(2)金属薄膜50の表面にフォトレジスト51を形成する工程、(3)フォトマスクを介してフォトレジスト51を露光する工程、(4)現像により、金属薄膜50を露出させる工程、(5)露出した金属薄膜50の表面に、めっきにより導体パターン3を形成する工程、(6)残存するフォトレジスト51、および、残存するフォトレジスト51に対向した金属薄膜50を除去する工程を備える。
【0081】
(1)工程
図5Bに示すように、ベース絶縁層2の表面に金属薄膜50を形成する。
【0082】
具体的には、ベース絶縁層2の上面全面に、金属薄膜50(種膜)を形成する。金属薄膜50としては、銅、クロム、ニッケルおよびそれらの合金などの金属材料が用いられる。金属薄膜は、スパッタリング、めっきなどの薄膜形成方法により、形成する。好ましくは、スパッタリングにより金属薄膜50を形成する。
【0083】
金属薄膜50の厚みは、例えば、10nm以上、300nm以下である。
【0084】
(2)工程
図5Cに示すように、金属薄膜50の表面にフォトレジスト51を形成する。
【0085】
フォトレジスト51は、ポジ型のフォトレジスト(ポジティブフォトレジスト)である。ポジ型のフォトレジストは、露光時に所定光量以上の光が照射された箇所が、その後の現像で除去され、一方、露光時に光が遮蔽された箇所(所定光量以上の光が照射されなかった箇所、すなわち、所定光量未満の照射が許容された箇所)が、その後の現像で残存するレジストである。フォトレジスト51は、例えば、ドライフィルムレジストを含んでいる。
【0086】
具体的には、金属薄膜50の上面全面に、フォトレジスト51を形成する。例えば、ドライフィルムレジストを、例えば、平板などを用いて、押圧する(押し付ける)。
【0087】
フォトレジスト51の厚みは、例えば、10μm以上、50μm以下である。
【0088】
(3)工程
図5Dに示すように、フォトマスクを介してフォトレジスト51を露光する。
【0089】
フォトマスクは、配線用フォトマスク40および端子用フォトマスク(図示せず)をそれぞれ用意する。
【0090】
配線用フォトマスク40は、
図6に示すように、平面視略矩形状に形成されている。
【0091】
配線用フォトマスク40は、例えば、光透過部分41と、遮光部分42とを有する。
【0092】
光透過部分41は、複数(5つ)の配線12に対応するように、並列配置される複数(5つ)の直線パターンとして形成されている。具体的には、光透過部分41は、前後方向に直線状に延びる平面視略矩形状の光透過領域を複数(5つ)備えており、複数の光透過領域は、互いに同一形状であり、左右方向に間隔を隔てて並列配置されている。光透過部分41は、例えば、ガラス板などの光透過材料から形成され、または、開口によって形成されている。
【0093】
遮光部分42は、配線用フォトマスク40において、光透過部分41以外の部分を区画しており、金属板などの遮光材料から形成されている。
【0094】
端子用フォトマスク(電子部品端子用フォトマスク、外部部品端子用フォトマスク)は、電子部品端子部7または外部部品端子部8に対応する光透過部分を有する。
【0095】
次いで、フォトレジスト51の表面にフォトマスクを対向配置し、フォトマスクを介してフォトレジスト51を露光する。
【0096】
具体的には、各フォトマスク(配線用フォトマスク40、電子部品端部用フォトマスク、および、外部部品用フォトマスク)を、それぞれ、フォトレジスト51の上側に間隔を隔てて対向配置して、フォトレジスト51を露光する。
【0097】
フォトレジスト51を露光するには、フォトマスクの上方に配置された光源からフォトマスクに対して照射する。すると、フォトマスクの遮光部分42に対して照射された光は、遮光部分42によって遮光され、フォトレジスト51に至らない。一方、フォトマスクの光透過部分41に対して照射された光は、光透過部分41を透過して、フォトレジスト51に至る。
【0098】
配線用フォトマスク40を介して配線部9のパターンを露光する場合、
図7に示すように、各配線12において連結部31が形成されるように、配線用フォトマスク40を前後方向に(例えば、第1直線方向に)順次ずらしながら複数回(n回)露光を実施する。
【0099】
具体的には、配線部9の各露光工程において、先の露光工程(例えば、m回目)の配線用フォトマスク40の光透過部分41の直線パターンの後端(第1直線方向一端部)が、後の露光工程(例えば、m+1回目)の配線用フォトマスク40の光透過部分41の直線パターンの前端(第2直線方向他端部)と重複するように、配線用フォトマスク40を配置する。すなわち、先の配線用フォトマスク40の配置領域と後の配線用フォトマスク40の配置領域が重複する重複領域43をできるように、配線用フォトマスク40を前後方向にずらして配置する。
【0100】
また、第2直線方向が第1直線方向に対して、先の配線用フォトマスク40の前端が、後の配線用フォトマスク40の後端に対して、左右方向に少しずらすように(すなわち、長さy
1の範囲で)配置する。
【0101】
また、先の露光工程の配線用フォトマスク40の光透過部分41の直線パターンに対して、後の露光工程の配線用フォトマスク40の光透過部分41の直線パターンが、所定角度θ(0<θ<1deg)をなすように、配線用フォトマスク40を配置する。
【0102】
これにより、後の工程(現像工程、配線形成工程)を経ることによって、先のフォトマスクと後のフォトマスクとが重複する重複領域43に、第1幅方向長さにおいて直線パターンよりも狭幅である連結部31が形成される。また、隣接する2つの重複領域43の間に、直線パターンに対応する直線部21が形成される。
【0103】
なお、第2直線方向が第1直線方向に対して、左側に傾く場合、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が
図7において反時計回りである場合は、先の配線用フォトマスク40の前端は、後の配線用フォトマスク40の後端に対して左側(第1幅方向他方側)に少しずらすように(すなわち、長さy
1となるように)配置する(
図3参照)。一方、第2直線方向が第1直線方向に対して、右側に傾く場合、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が
図7において時計回りである場合は、先の配線用フォトマスク40の前端は、後の配線用フォトマスク40の後端に対して右側(第1幅方向一方側)に少しずらすように(すなわち、長さy
1となるように)配置する(
図4参照)。好ましくは、
図3の配置と
図4の配置とが略同数の露光回数(n/2回)となるように実施する。
【0104】
必要に応じて、正確にフォトマスクを配置するために、金属薄膜50やベース絶縁層2などの下地層および配線用フォトマスク40に、アライメントマークを設けてもよい。
【0105】
配線部9の露光回数nは、例えば、2回以上、好ましくは、3回以上であり、また、例えば、18回以下、好ましくは、12回以下である。
【0106】
(4)工程
図5Eに示すように、現像により、金属薄膜50を露出させる。
【0107】
すなわち、光透過部分41に対向したフォトレジスト51を除去する。
【0108】
具体的には、まず、必要により、露光後のフォトレジスト51を加熱する(露光後加熱)。
【0109】
続いて、フォトレジスト51を現像液によって現像する。これによって、フォトレジスト51において光透過部分41以外の部分(未露光部分)を残しつつ、光透過部分41(露光部分)のみを除去する。つまり、フォトレジスト51において、光透過部分41に対応する開口部52を形成する。開口部52は、フォトレジスト51を厚み方向に貫通する。
【0110】
これによって、光透過部分41に対応する金属薄膜、つまり、開口部52に臨む金属薄膜50を露出する。
【0111】
(5)工程
図5Fに示すように、露出した金属薄膜50の表面に、めっきにより導体パターン3を形成する。
【0112】
具体的には、例えば、金属薄膜50から給電する電解めっきを実施する。
【0113】
この際、フォトレジスト51は、めっきレジストとして利用される。また、金属薄膜は、給電層として利用される。
【0114】
これにより、電子部品端子部7、配線部9(複数の配線12)および外部部品端子部8を有する導体パターン3を形成する。
【0115】
(6)工程
残存するフォトレジスト51、および、残存するフォトレジスト51に対向した金属薄膜50を除去する。
【0116】
具体的には、まず、
図5Gに示すように、残存するフォトレジスト51を除去する。例えば、ウェットエッチングにより除去する。
【0117】
次いで、
図5Hに示すように、残存するフォトレジスト51に対向した金属薄膜50を除去する。具体的には、剥離またはウェットエッチングにより除去する。
【0118】
(第3工程)
第3工程では、
図5Iに示すように、配線部9の表面に、カバー絶縁層4を形成する。
【0119】
具体的には、
図5Iおよび
図1Bに図示するように、カバー絶縁層4を、配線部9の上面および側面を被覆し、電子部品端子部7および外部部品端子部8を露出するパターンとなるように、配線部9およびベース絶縁層2の上面に設ける。
【0120】
これにより、ベース絶縁層2と、導体パターン3と、カバー絶縁層4とを備える配線回路基板1を得る。
【0121】
このような配線回路基板1の用途は、例えば、カテーテル用の配線回路基板に用いられる。具体的には、電子部品搭載部6に電子部品5を搭載し、電子部品5を電子部品端子部7とワイヤボンディングなどにより電気的に接続する。その後、配線回路基板1をカテーテルチューブ60内部に収納する。
【0122】
電子部品5としては、例えば、圧力センサー、温度センサー、発熱体などの検査や治療に必要な電子部品が挙げられる。
【0123】
これにより、
図8A−
図8Bに示すように、電子部品5と、配線回路基板1と、カテーテルチューブ60とを備えるカテーテル61が得られる。
【0124】
<第1実施形態の作用効果>
この配線回路基板1では、複数の配線12のそれぞれが、(1)第1直線方向に延びる第1直線部22と、(2)第1直線部22と同幅であり、第1直線部22の第1直線方向一方側に配置され、第1直線部22に対して所定角度θを有するように第2直線方向に延びる第2直線部23と、(3)第1直線部22と第2直線部23との間に配置され、これら直線部22、23に連続し、これら直線部22、23より広幅である連結部31とを備えている。また、連結部31は、(1)第1直線部22の第1幅方向一端縁24aから、さらに第1直線方向に沿って延びる第1辺32と、(2)第2直線部23の第2幅方向他端縁25bから、さらに第2直線方向に沿って延びる第2辺33と、(3)第1辺32と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの第2直線方向端縁とを結び、第1幅方向に沿って延びる第3辺34と、(4)第2辺33と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの第1直線方向端縁とを結び、第2幅方向に沿って延びる第4辺35とを備える。また、0<y
1<Sの関係、および、0<θ<1degの関係を満足する。なお、y
1は、第1角部36から、第1幅方向に沿って、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bに至る長さを示す。Sは、互いに隣接する2つの配線12において、一方の配線12aの第1直線部22の第1幅方向他端縁24bから、他方の配線12bの第1直線部22の第1幅方向一端縁24aまでの第1幅方向に沿う長さ(配線間幅)を示す。
【0125】
このため、第1角部36から第1直線部22に至る長さy
1と、一方の配線12aの第1直線部22から他方の配線12bの第1直線部22までの長さS(配線間幅)とが、0<y
1<Sを満足する。すなわち、第1直線部22と第2直線部23との間の連結部において、第1直線部22と第2直線部23との幅方向のずれが、配線間幅Sよりも短い。また、所定角度θが、θ<1degを満足する。すなわち、第1直線部22と第2直線部23との角度のずれが小さい。これらの結果、配線12aを長尺に形成しても直線性を担保しつつ、隣接する配線12bとの短絡を抑制でき、接続信頼性に優れる。
【0126】
また、所定角度θが、0<θを満足する。すなわち、第1直線部22の直線方向と第2直線部23の直線方向の角度のずれを僅かに許容している。このため、第1直線部22と第2直線部23との角度における厳密な調整が不要であるため、生産性に優れる。
【0127】
また、この配線回路基板によれば、第1辺32の長さD
1と、長さSとが、D
1×tanθ+y
1<S の関係を満足する。
【0128】
このため、第1直線部22と第2直線部23との間の連結部31において、短絡をより確実に抑制できる。
【0129】
なお、上記式を満足しない場合、すなわち、D
1×tanθ+y
1>Sである場合、一方の配線12aの第2直線部23の第2幅方向他端縁25bが、他方の配線12bの第4角部37に接触する。すなわち、配線12aと配線12bとが短絡する。
【0130】
また、この配線回路基板によれば、長さD
1と、第1直線部22の第1幅方向長さWとが、W≦D
1 の関係を満足する。
【0131】
このため、連結部31において、連結部31の前後方向長さが十分に長い。そのため、電気信号が連結部31において幅方向に移動することを抑制し、前後方向(長尺方向)に移動し易くなる。その結果、電気信号の伝播性に優れる。
【0132】
また、この配線回路基板1によれば、ベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の上面に設けられる導体パターン3と、導体パターン3の上面に設けられるカバー絶縁層4とを備えており、導体パターン3は、配線12を備えている。
【0133】
このため、ベース絶縁層2、配線12およびベース絶縁層2がこの順で接触するように配置されている。よって、接着剤層を要しない。その結果、耐湿熱性が良好であり、薄型化を図れる。
【0134】
また、この配線回路基板1において、配線部9の配線長さが、600mm以上であれば、カテーテル用の配線回路基板として好適に使用することができる。
【0135】
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例を示す。なお、以降の各図において、上記と同様の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0136】
(1)
図3に示す実施形態では、前側を第1直線部22とし、後側を第2直線部23としているが、例えば、
図9に示すように、後側を第1直線部22とし、前側を第2直線部23としてもよい。また、
図4に示す実施形態では、前側を第1直線部22とし、後側を第2直線部23としているが、例えば、図示しないが、後側を第1直線部22とし、前側を第2直線部23としてもよい。
【0137】
(2)
図3に示す実施形態では、第1角部36および第4角部37の角度は、それぞれ略直角であるが、例えば、
図10に示すように、第1角部36および第4角部37の角度は、それぞれ、鈍角としてもよい。
【0138】
図10に示す実施形態では、第1角部36および第4角部37の角度は、それぞれ、90°を超過し、好ましくは、100°以上であり、また、例えば、160°以下、好ましくは、140°以下である。
【0139】
第3辺34は、第1辺32の端縁と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの端縁とを結び、第1直線方向および第2直線方向と交差する第1交差方向に沿って延びるように形成されている。
【0140】
第4辺35は、第2辺33の端縁と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの端縁とを結び、第1直線方向および第2直線方向と交差する第2交差方向に沿って延びるように形成されている。
【0141】
この実施形態においても、好ましくは、近似値として、式(2)、(3)の関係を満足する。
【0142】
なお、
図10に示す実施形態は、
図5Dに示す露光工程において、光透過部分41の前後方向端部における光の露光角度や露光量を調整することにより、得ることができる。
【0143】
(3)
図2に示す実施形態では、複数の直線部21(21a、21b、21c、21d、21e)は、互いに同一の第1幅方向長さWを有しているが、例えば、図示しないが、複数の直線部21(21a、21b、21c、21d、21e)は、互いに異なる第1幅方向長さWを有していてもよい。
【0144】
この実施形態では、(3)工程において、光透過部分41における複数の直線パターン左右方向長さが互いに異なる配線用フォトマスク40(図示せず)を用いて、露光を実施する。
【0145】
(4)
図2に示す実施形態では、複数の配線間幅Sが、互いに同一の長さを有しているが、例えば、図示しないが、複数の配線間幅Sは、互いに異なっていてもよい。
【0146】
この実施形態では、(3)工程において、隣接する複数の直線パターンの左右方向間隔が互いに異なる配線用フォトマスク40(図示せず)を用いて、露光を実施する。
【0147】
(5)
図1Aに示す実施形態は、支持基板を備えていないが、例えば、図示しないが、ベース絶縁層2の下面(厚み方向他方面)の一部に、金属板などの支持基板を備えていてもよい。具体的には、例えば、電子部品搭載部6および電子部品端子部7に対応するベース絶縁層2の下面に、支持基板を配置する。
【0148】
(6)
図5Dおよび
図5Eに示す実施形態の露光工程および現像工程では、全ての導体パターン3の形成において、フォトマスクを用いて露光し、フォトレジスト51を現像しているが、例えば、図示しないが、導体パターン3の一部の形成において、レーザーダイレクトイメージングを用いて、フォトレジスト51を現像してもよい。
【0149】
具体的には、例えば、電子部品端子部7および/または外部部品端子部8を、レーザーダイレクトイメージングを用いてフォトレジストを現像することにより、形成してもよい。また、配線部9の一部(例えば、複数の領域の一部)を、レーザーダイレクトイメージングを用いてフォトレジスト51を現像することにより、形成してもよい。
【0150】
(7)
図2および
図7において、複数の並列直線部20の全てについて、隣接する2つの並列直線部20の直線部21は、互いに角度θ(0<θ<1deg)を有しているが、例えば、図示しないが、一部の並列直線部20において、隣接する2つの並列直線部20の直線部21がなす角度は、0degであってもよく、1degを超過していてもよい。
【0151】
好ましくは、互いに隣接する2つの並列直線部21の直線部21が角度θ(0<θ<1deg)を有する領域が、互いに隣接する2つの並列直線部21の全ての領域に対して、好ましくは、50%以上、より好ましくは、80%以上、さらに好ましくは、100%である。
【0152】
これら(1)〜(7)の実施形態においても、上記した
図1A〜
図7に示す実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0153】
<第2実施形態>
図11〜
図14を参照して、本発明の配線回路基板の第2実施形態である配線回路基板1を説明する。なお、以降の各図において、上記と同様の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0154】
配線回路基板1は、前後方向に長尺なフレキシブル配線回路基板(FPC)であって、
図11に示すように、前後方向に延びる平板形状(シート形状)に形成されている。配線回路基板1は、
図1Bが参照されるように、ベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の上に形成される導体パターン3と、導体パターン3の上に形成されるカバー絶縁層4とを備えている。
【0155】
導体パターン3は、ベース絶縁層2の上面に形成されている。導体パターン3は、
図11に示すように、電子部品端子部7と、外部部品端子部8と、配線部9とを備えている。
【0156】
電子部品端子部7は、複数(4つ)の電子部品端子10を備えている。
【0157】
外部部品端子部8は、複数(4つ)の外部部品端子11を備えている。
【0158】
配線部9は、電子部品端子部7と外部部品端子部8との間に、これらを連結するように配置されている。配線部9は、複数(4つ)の電子部品端子部7および複数(4つ)の外部部品端子部8と対応する複数(4つ)の配線12(12a、12b、12c、12d)を備えている。
【0159】
複数の配線12は、前後方向に延びるように形成されている。配線12は、その前端縁が電子部品端子10の後端縁と連続し、その後端縁が外部部品端子11の前端縁と連続するように、電子部品端子10および外部部品端子11と一体的に形成されている。
【0160】
また、配線部9は、製造方法において
図12を参照して後述するように、配線用フォトマスク40を用いて露光および現像を複数回実施することにより得られるパターンを備えている。すなわち、配線部9では、配線用フォトマスク40の1回の露光および現像にパターンに対応した1パターン領域(第1領域、第2領域、第3領域、…)が、前後方向両端において一部重複しながら、前後方向に複数連続している。具体的には、配線部9は、配線用フォトマスク40の遮光部分42の前後方向中央部に対応する並列直線部20と、重複領域43に対応する並列連結部30とを備えている。配線部9は、複数の並列直線部20および複数の並列連結部30から構成されている。すなわち、配線部9は、並列直線部20と並列連結部30とが前後方向に交互に連続するように、形成されている。
【0161】
並列直線部20のそれぞれは、
図12に示すように、左右方向に等間隔で配置される複数(4つ)の直線部21(21a、21b、21c、21d)を備えている。複数の直線部21は、それぞれ、一定の幅を有し、直線状に延びる直線パターンとなるように形成されている。複数の直線部21(21a、21b、21c、21d)は、互いに略同一形状を有している。
【0162】
並列連結部30のそれぞれは、左右方向に等間隔で配置される複数(4つ)の連結部31(31a、31b、31c、31d)を備えている。複数の連結部31は、互いに略同一形状を有しており、その幅さは、直線部21(21a、21b、21c、21d)の幅よりも狭くなるように形成されている。
【0163】
次いで、
図12を参照して、第1領域(第m領域)および第2領域(第m+1領域)における右端の配線12(12a)を一例として、一の直線部(以下、第1直線部22)と、第1直線部22の後側に連続する一の連結部31と、一の連結部31の後側に連続する他の直線部(以下、第2直線部23)を説明する。
【0164】
第1直線部22は、第1直線方向に直線状に延びる直線パターンとなるように形成されている。第1直線部22の幅W(第1幅方向長さ)は、第1直線部22の前端から後端に至るまで、略同一である。また、第1直線部22は、後述する第4辺35を備えている。第1直線部22の幅Wは、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
【0165】
第2直線部23は、第2直線方向に直線状に延びる直線パターンとなるように形成されている。第2直線部23の幅(第2幅方向長さ)は、第1直線部22の幅Wと同一である。第2直線部23の幅は、第2直線部23の前端から後端に至るまで、略同一である。第2直線部23は、第2直線部23が延びる方向を除いて、第1直線部22と略同一形状である。また、第2直線部23は、後述する第3辺34を備えている。
【0166】
第1直線方向と第2直線方向とは、角度θ(0<θ<1deg、好ましくは、0.01deg≦θ≦0.95deg、より好ましくは、0.05deg≦θ≦0.95deg)をなしている。具体的には、第1直線部22の第1幅方向一端縁24aと、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aとなす角度が、θ(0<θ<1deg、好ましくは、0.01deg≦θ≦0.95deg、より好ましくは、0.05deg≦θ≦0.95deg)である。
【0167】
連結部31は、第1直線部22と第2直線部23との間に、これらを連結するように配置されている。連結部31の前端縁は、第1直線部22の後端縁と連続し、連結部31の後端縁は、第2直線部23の前端縁と連続している。
【0168】
連結部31は、第1辺32および第2辺33を備えている。
【0169】
第1辺32は、第1直線部22の第1幅方向一端縁24aから、さらに第1直線方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、第1辺32は、第1幅方向一端縁24aの第1直線方向一方側端縁(後端縁)から、第1直線方向一方側(後側)に向かって延びている。第1辺32の長さD
1は、第1実施形態と同様である。
【0170】
第2辺33は、第2直線部23の第2幅方向他端縁25bから、さらに第2直線方向に沿って延びるように形成されている。すなわち、第2辺33は、第2幅方向他端縁25bの第2直線方向他方側端縁(前端縁)から、第2直線方向他方側(前側)に向かって延びている。第2辺33の長さD
2は、第1実施形態と同様である。
【0171】
第3辺34は、第1辺32の端縁と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの端縁とを結び、第1幅方向(第1直線方向および第2直線方向と交差する第1交差方向の一例)に沿って延びるように形成されている。すなわち、第3辺34は、第1辺32の第1直線方向一方側端縁(後端縁)と、第2幅方向一端縁25aの第2直線方向他方側端縁(前端縁)とを結ぶ線である。第3辺34の長さD
3は、第1実施形態と同様である。
【0172】
第4辺35は、第2辺33の端縁と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの端縁とを結び、第2幅方向(第1直線方向および第2直線方向と交差する第2交差方向の一例)に沿って延びるように形成されている。すなわち、第4辺35は、第2辺33の第2直線方向他方側端縁(前端縁)と、第1幅方向他端縁24bの第1直線方向一方側端縁(後端縁)とを結ぶ線である。第4辺35の長さD
4は、第1実施形態と同様である。
【0173】
第2直線部の第2幅方向一端縁25aは、第3辺34とともに、第2角部38を形成し、その角度は、90°+θである。第2辺33は、第4辺35とともに、第3角部39を形成し、その角度は、略直角である。また、第1辺32と第3辺34とにより形成される第5角部45は、略直角である。
【0174】
連結部31は、第1直線部22および第2直線部23より狭幅である。すなわち、連結部31において、第1辺32と第2辺33との第1幅方向長さが、第1直線部22の幅Wよりも狭い。
【0175】
第2直線部23は、下記式(4)の関係を満足する。
【0176】
0 < y
2 < W (4)
y
2は、第2角部38から、第1幅方向に沿って、第1辺32に至る長さを示す。すなわち、第2角部38と第1辺32との第1幅方向長さの最短距離を示す。y
2は、第1直線部22に対する第2直線部23の第1幅方向におけるずれである。
【0177】
y
2は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。
【0178】
Wは、第1直線部22の第1幅方向長さを示し、第1実施形態で同様である。
【0179】
Wのy
2に対する比(W/y
2)は、例えば、2倍以上、好ましくは、5倍以上であり、また、例えば、100倍以下、好ましくは、50倍以下である。
【0180】
第1直線部22は、下記式(5)の関係を満足する。
【0181】
D
1 × tanθ + y
2´ < W (5)
y
2´は、第3角部39から、第1幅方向に沿って、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bに至る長さを示す。すなわち、第3角部39と第1幅方向他端縁24bとの第1幅方向長さの最短距離を示す。y
2´も、第1直線部22に対する第2直線部23の第1幅方向におけるずれである。
【0182】
y
2´は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、15μm以下、好ましくは、10μm以下である。
【0183】
上記では、第1領域および第2領域の右端の配線12aについて詳述したが、配線12a以外の配線(12b〜12d)についても同様である。
【0184】
また、第2領域および第3領域の配線12についても同様である。一例として、左端の配線12の一部拡大図を
図14に示す。この場合、第2領域の配線12の直線部(
図14では、前側)を第1直線部22とし、第3領域の配線12の直線部(
図14では、後側)を第2直線部23とする。
【0185】
なお、
図13(第1領域と第2領域との関係)に示すように、一の直線部の第1直線方向と、他の直線部の第2直線方向とのなす角度θ(0<θ<1deg)において、第2直線方向が第1直線方向に対して、左側に傾く場合、すなわち、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が、反時計回りである場合は、第1幅方向一端縁24aおよび第2幅方向一端縁25aは、左側に位置し、第1幅方向他端縁24bおよび第2幅方向他端縁25bは、右側に位置する。
【0186】
一方、
図14(第2領域と第3領域との関係)に示すように、一の直線部の第1直線方向と、他の直線部の第2直線方向とのなす角度θ(0<θ<1deg)において、第2直線方向が第1直線方向に対して、右側に傾く場合、すなわち、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が時計回りである場合は、第1幅方向一端縁24aおよび第2幅方向一端縁25aは、右側に位置し、第1幅方向他端縁24bおよび第2幅方向他端縁25bは、左側に位置する。
【0187】
配線部9の配線長さは、第1実施形態と同様である。
【0188】
<第2実施形態の製造方法>
図15および
図12を参照して、配線回路基板1の製造方法を説明する。配線回路基板1の製造方法は、セミアディティブ法であって、例えば、ベース絶縁層2を用意する第1工程、ベース絶縁層2の表面に、導体パターン3を形成する第2工程、および、導体パターン3の表面に、カバー絶縁層4を形成する第3工程を備える。
【0189】
(第1工程)
第1工程では、
図15Aに示すように、前後方向に長尺なベース絶縁層2を用意する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0190】
(第2工程)
第2工程では、ベース絶縁層2の表面に、導体パターン3を形成する。すなわち、ベース絶縁層2の上面に、電子部品端子部7、配線部9および外部部品端子部8を形成する。
【0191】
具体的には、第2工程は、(1)ベース絶縁層2の表面に金属薄膜50を形成する工程、(2)金属薄膜50の表面にフォトレジスト51を形成する工程、(3)フォトマスクを介してフォトレジスト51を露光する工程、(4)現像により、金属薄膜50を露出させる工程、(5)露出した金属薄膜50の表面に、めっきにより導体パターン3を形成する工程、(6)残存するフォトレジスト51、および、残存するフォトレジスト51に対向した金属薄膜50を除去する工程を備える。
【0192】
(1)工程
図15Bに示すように、ベース絶縁層2の表面に金属薄膜50を形成する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0193】
(2)工程
図15Cに示すように、金属薄膜50の表面にフォトレジスト51を形成する。
【0194】
フォトレジスト51は、ネガ型のフォトレジスト(ネガティブフォトレジスト)である。ネガ型のフォトレジストは、露光時に光が遮蔽された箇所(所定光量以上の光が照射されなかった箇所、すなわち、所定光量未満の照射が許容された箇所)が、その後の現像で除去され、一方、露光時に所定光量以上の光が照射された箇所が、その後の現像で残存するレジストである。フォトレジスト51は、例えば、ドライフィルムレジストを含んでいる。
【0195】
具体的には、ネガ型のフォトレジストを用いる以外は、第1実施形態と同様である。
【0196】
(3)工程
図15Dに示すように、フォトマスクを介してフォトレジスト51を露光する。
【0197】
フォトマスクは、配線用フォトマスク40および端子用フォトマスク(図示せず)をそれぞれ用意する。
【0198】
配線用フォトマスク40は、
図16に示すように、平面視略矩形状に形成されている。
【0199】
配線用フォトマスク40は、例えば、遮光部分42と、光透過部分41とを有する。
【0200】
遮光部分42は、並列配置される複数(4つ)の直線パターンとして形成されている。
【0201】
遮光部分42は、複数(4つ)の配線12に対応するように、並列配置される複数(4つ)の直線パターンとして形成されている。具体的には、遮光部分42は、前後方向に直線状に延びる平面視略矩形状の遮光領域を複数(4つ)備えており、複数の遮光領域は、互いに同一形状であり、左右方向に間隔を隔てて並列配置されている。遮光部分42は、金属板などの遮光材料から形成されている。
【0202】
光透過部分41は、配線用フォトマスク40において、遮光部分42以外の部分を区画しており、例えば、ガラス板などの光透過材料から形成されている。
【0203】
次いで、フォトレジスト51の表面にフォトマスクを対向配置し、フォトマスクを介してフォトレジスト51を露光する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0204】
配線用フォトマスク40を介して配線部9のパターンを露光する場合、
図12に示すように、各配線12において連結部31が形成されるように、配線用フォトマスク40を前後方向に(例えば、第1直線方向に)順次ずらしながら複数回(n回)露光を実施する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0205】
これにより、後の工程(現像工程、配線形成工程)を経ることによって、先のフォトマスクと後のフォトマスクとが重複する領域(重複領域43)に、第1幅方向長さにおいて直線パターンよりも狭幅である連結部31が形成される。また、隣接する2つの重複領域43の間に、直線パターンに対応する直線部21が形成される。
【0206】
なお、第2直線方向が第1直線方向に対して、先の配線用フォトマスク40の前端が、後の配線用フォトマスク40の後端に対して、左右方向に少しずらすように(すなわち、長さy
2または長さy
2´の範囲で)配置する。特に、第2直線方向が第1直線方向に対して、左側に傾く場合、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が
図12において反時計回りである場合は、好ましくは、先の配線用フォトマスク40の前端は、後の配線用フォトマスク40の後端に対して左側(第1幅方向他方側)に少しずらすように(すなわち、長さy
2または長さy
2´となるように)配置する(
図13参照)。一方、右側に傾く場合、第1直線方向から第2直線方向に向かう円周方向が
図12において時計回りである場合は、好ましくは、先の配線用フォトマスク40の前端は、後の配線用フォトマスク40の後端に対して右側(第1幅方向一方側)に少しずらすように(すなわち、長さy
2または長さy
2´となるように)配置する(
図14参照)。好ましくは、
図13の配置と
図14の配置とが略同数の露光回数(n/2回)となるように実施する。
【0207】
配線部9の露光回数nは、第1実施形態と同様である。
【0208】
(4)工程
図15Eに示すように、現像により、金属薄膜50を露出させる。
【0209】
すなわち、遮光部分42に対向したフォトレジスト51を除去する。
【0210】
具体的には、まず、必要により、露光後のフォトレジスト51を加熱する(露光後加熱)。
【0211】
続いて、フォトレジスト51を現像液によって現像する。これによって、フォトレジスト51において遮光部分42以外の部分(露光部分)を残しつつ、遮光部分42のみ(未露光部分)を除去する。つまり、フォトレジスト51において、遮光部分42に対応する開口部52を形成する。開口部52は、フォトレジスト51を厚み方向に貫通する。
【0212】
これによって、遮光部分42に対応する金属薄膜、つまり、開口部52に臨む金属薄膜50を露出する。
【0213】
(5)工程
図15Fに示すように、露出した金属薄膜50の表面に、めっきにより導体パターン3を形成する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0214】
(6)工程
図15Gおよび
図15Hに示すように、残存するフォトレジスト51、および、残存するフォトレジスト51に対向した金属薄膜50を除去する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0215】
(第3工程)
第3工程では、
図15Iに示すように、配線部9の表面に、カバー絶縁層4を形成する。具体的には、第1実施形態と同様である。
【0216】
これにより、ベース絶縁層2と、導体パターン3と、カバー絶縁層4とを備える配線回路基板1を得る。
【0217】
このような配線回路基板1は、例えば、
図8A−
図8Bが参照されるように、カテーテル用の配線回路基板として好適に用いられる。
【0218】
<第2実施形態の作用効果>
この配線回路基板では、複数の配線のそれぞれが、(1)第1直線方向に延びる第1直線部22と、(2)第1直線部22と同幅であり、第1直線部22の第1直線方向一方側に配置され、第1直線部22に対して所定角度θを有するように第2直線方向に延びる第2直線部23と、(3)第1直線部22と第2直線部23との間に配置され、これら直線部22、23に連続し、これら直線部22、23より広幅である連結部31とを備えている。また、連結部31は、(1)第1直線部22の第1幅方向一端縁24aから、さらに第1直線方向に沿って延びる第1辺32と、(2)第2直線部23の第2幅方向他端縁25bから、さらに第2直線方向に沿って延びる第2辺33とを備える。また、第2直線部23は、(3)第1辺32と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの第2直線方向端縁とを結び、第1幅方向に沿って延びる第3辺34を備える。また、第1直線部22は、(4)第2辺33と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの第1直線方向端縁とを結び、第2幅方向に沿って延びる第4辺35とを備える。また、0<y
2<Wの関係、および、0<θ<1degの関係を満足する。なお、y
2は、第2角部38から、第1幅方向に沿って、第1辺32に至る長さを示す。Wは、第1直線部22の第1幅方向長さWを示す。
【0219】
このため、第2角部38から第1辺32に至る長さy
2と、第1直線部22の第1幅方向長さWとが、0<y
2<Wの関係を満足する。すなわち、第1直線部22と第2直線部23との間の連結部31において、第1直線部22と第2直線部23との幅方向のずれが、第1直線部22の幅Wよりも短い。また、所定角度θが、θ<1degを満足する。すなわち、第1直線部22と第2直線部23との角度のずれが少ない。これらの結果、配線12aを長尺に形成しても直線性を担保しつつ、前後方向に連続する配線12において、連結部31における断線を抑制でき、接続信頼性に優れる。
【0220】
また、所定角度θが、0<θを満足する。すなわち、第1直線部22の直線方向と第2直線部23の直線方向との角度のずれを僅かに許容している。よって、第1直線部22と第2直線部23との角度における厳密な調整が不要であるため、生産性に優れる。
【0221】
また、この配線回路基板によれば、D
1×tanθ+y
2´<W の関係を満足する。ただし、y
2´は、第3角部39から、第1幅方向に沿って、第1直線部23の第1幅方向他端縁25bに至る長さを示す。
【0222】
このため、第1直線部22と第2直線部23との間の連結部31において、断線をより確実に抑制できる。
【0223】
なお、上記式を満足しない場合、すなわち、D
1×tanθ+y
2´≧Wである場合、第1辺32と第3辺34とにより形成される第5角部45(
図13参照)が、第2直線部23の第2幅方向他端縁25bに接触する。すなわち、連結部31と第2直線部23とが断線する。
【0224】
また、この配線回路基板1によれば、ベース絶縁層2と、ベース絶縁層2の上面に設けられる導体パターン3と、導体パターン3の上面に設けられるカバー絶縁層4とを備えており、導体パターン3は、配線12を備えている。
【0225】
このため、ベース絶縁層2、配線12およびベース絶縁層2がこの順で接触するように配置されている。よって、接着剤層を要しない。その結果、耐湿熱性が良好であり、薄型化を図れる。
【0226】
また、この配線回路基板1において、配線部9の配線長さが、600mm以上であれば、カテーテル用の配線回路基板として好適に使用することができる。
【0227】
<第2実施形態の変形例>
次に、第2実施形態の変形例を示す。なお、以降の各図において、上記と同様の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0228】
(1)
図13に示す実施形態では、前側を第1直線部22とし、後側を第2直線部23としているが、例えば、
図17に示すように、後側を第1直線部22とし、前側を第2直線部23としてもよい。また、
図14に示す実施形態では、前側を第1直線部22とし、後側を第2直線部23としているが、例えば、図示しないが、後側を第1直線部22とし、前側を第2直線部23としてもよい。
【0229】
(2)
図13に示す実施形態では、第3角部39および第5角部45の角度は、それぞれ略直角であるが、例えば、
図18に示すように第3角部39および第5角部45の角度は、それぞれ、鈍角としてもよい。
【0230】
図18に示す実施形態では第3角部39および第5角部45の角度は、それぞれ、90°を超過し、好ましくは、100°以上であり、また、例えば、160°以下、好ましくは、140°以下である。
【0231】
第3辺34は、第1辺32の端縁と、第2直線部23の第2幅方向一端縁25aの端縁とを結び、第1直線方向および第2直線方向と交差する第1交差方向に沿って延びるように形成されている。
【0232】
第4辺35は、第2辺33の端縁と、第1直線部22の第1幅方向他端縁24bの端縁とを結び、第1直線方向および第2直線方向と交差する第2交差方向に沿って延びるように形成されている。
【0233】
この実施形態においても、好ましくは、近似値として、式(5)の関係を満足する。
【0234】
なお、
図18に示す実施形態は、
図15Dに示す露光工程において、光透過部分41の前後方向端部における光の露光角度や露光量を調整することにより、得ることができる。
【0235】
(3)
図12に示す実施形態では、複数の直線部21(21a、21b、21c、21d)は、互いに同一の第1幅方向長さWを有しているが、例えば、図示しないが、複数の直線部21(21a、21b、21c、21d)は、互いに異なる第1幅方向長さWを有していてもよい。
【0236】
この実施形態では、(3)工程において、遮光部分42における複数の直線パターンの左右方向長さが互いに異なる配線用フォトマスク40(図示せず)を用いて、露光を実施する。
【0237】
(4)
図12に示す実施形態では、複数の配線間幅Sが、互いに同一の長さを有しているが、例えば、図示しないが、複数の配線間幅Sは、互いに異なっていてもよい。
【0238】
この実施形態では、(3)工程において、光透過部分41における複数の直線パターンの左右方向間隔が互いに異なる配線用フォトマスク40(図示せず)を用いて、露光を実施する。
【0239】
(5)
図11に示す実施形態は、支持基板を備えていないが、例えば、図示しないが、ベース絶縁層2の下面(厚み方向他方面)の一部に、金属板などの支持基板を備えていてもよい。具体的には、第1実施形態の変形例と同様である。
【0240】
(6)
図15Dおよび
図15Eに示す実施形態の露光工程および現像工程では、全ての導体パターン3の形成において、フォトマスクを用いて露光し、フォトレジスト51を現像しているが、例えば、図示しないが、導体パターン3の一部の形成において、レーザーダイレクトイメージングを用いて、フォトレジスト51を現像してもよい。具体的には、第1実施形態の変形例と同様である。
【0241】
(7)
図12において、複数の並列直線部20の全てについて、隣接する2つの並列直線部20の直線部21は、互いに角度θ(0<θ<1deg)を有しているが、例えば、図示しないが、一部の並列直線部20において、隣接する2つの並列直線部20の直線部21がなす角度は、0degであってもよく、1degを超過していてもよい。
【0242】
好ましくは、互いに隣接する2つの並列直線部21の直線部21が角度θ(0<θ<1deg)を有する領域が、互いに隣接する2つの並列直線部21の全ての領域に対して、好ましくは、50%以上、より好ましくは、80%以上、さらに好ましくは、100%である。
【0243】
これら(1)〜(7)の実施形態においても、上記した
図11〜
図15に示す実施形態と同様の作用効果を奏する。