(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願はハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送方法及びデバイス、並びにクライアント端末を提供し、ウェブページのリダイレクションに起因して送信に失敗したHTTP要求を再送可能とし、これにより従来技術の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施の形態の第1の態様では、ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求の再送方法が提供され、本方法は:
クライアント端末により、サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信し、前記HTTP要求の情報を記録するステップと;
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されると、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得するステップと;
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送するステップと;
前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するステップと;を備える。
【0007】
本願の実施の形態の第2の態様では、ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送デバイスが提供され、本デバイスは:
サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信するように構成された第1の送信部と;
前記HTTP要求の情報を記録するよう構成された第1の記録部と;
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されたら、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得するよう構成された取得部と;
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送するよう構成された転送部と;
前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するように構成された第2の送信部と;を備える。
【0008】
本願の実施の形態の第3の態様では、クライアント端末が提供され、本端末は:
プロセッサと;前記プロセッサの実行可能命令を記憶するよう構成されたメモリと;を備え、
前記プロセッサは:
サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信し、前記HTTP要求の情報を記録し;
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されると、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得し;
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送し;
前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するように構成される。
【0009】
本願の実施の形態において、サーバへHTTP要求を送信する際、クライアント端末はHTTP要求の情報を記録し、第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、クライアント端末は、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在するか否かを判定し、判定が肯定であれば、クライアント端末は送信に失敗した全てのHTTP要求の情報を取得して、前記情報を第2のウェブページへ転送する。したがって、クライアント端末は、第2のウェブページへのリダイレクションの後、転送された、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求の情報に従って、送信に失敗したHTTP要求を再送でき、これによりサーバ端末上のデータロスを回避し従来技術の課題を解決する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここでは例示の実施の形態を詳細に説明し、その実施例を添付の図面に示す。添付の図面に関連して行う以下の説明において、特に指定されない限り、異なる添付の図面における同一の符号は同一又は類似の要素を示す。以下の例示の実施の形態で説明する実施は、本願に適合する全ての実施を表すものではない。むしろこれらは、付帯する特許請求の範囲において詳細に記載される本願の一部の態様に適合するデバイス及び方法の例に過ぎない。
【0012】
本願で用いられる用語は具体的な実施の形態を説明するためだけのものであって、本願を限定するものではない。本願及び添付された特許請求の範囲で用いられる「或る(a(n))」、「前記(said)」、「前記(the)」などの、単数表現の名詞及び同様な指示語の使用は、文脈において別段の意味として明確に特定されない限り、その複数形も包含する。また、本文で用いられる「及び/又は」は、1の又は複数の関連する記載項目の可能な組み合わせのうち、いずれか又は全てを意味し包含するものと理解されるべきである。
【0013】
なお、本願において種々の情報を説明するにあたって「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語を用いる場合があるが、それらの情報がこのような用語に限定されるものではないことを理解すべきである。これらの用語は単に同様の種類の情報を互いに区別するために用いられる。例えば、本願の範囲を逸脱せずに、第1の情報を第2の情報としてもよいし、同様に、第2の情報を第1の情報としてもよい。文脈によって、ここで用いる「〜場合」との語は、「〜際」、「〜とき」、「との判定に応じて」の意として説明されてもよい。
【0014】
HTTPは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)モデルにおけるアプリケーション層のプロトコルである。ブラウザとサーバとが相互に通信する必要がある場合、先ずTCP接続が確立され、ブラウザはサーバへ要求(リクエスト)情報を送信する。
【0015】
具体的には、ウェブページ上のリンクをクリックしたり、ウェブページ上でアカウントにログインしたりする等のオペレーションを、ユーザが現在のウェブページ上でクライアント端末から行う際、クライアント端末はオペレーションを監視し、対応するHTTP要求の情報を、記録するためサーバへ送信することになる。
【0016】
サーバは、HTTP要求の情報を受信した後、対応する応答(レスポンス)情報を返信する。クライアント端末がサーバによって返信される正常応答情報を受信した場合、それはHTTP要求の送信に成功したことを示す。クライアント端末が、サーバによって返信される異常応答情報を受信した場合、又は、サーバによって返信される応答情報を受信しない場合、それはHTTP要求の送信に失敗したことを示す。HTTP要求の送信の失敗は、要求が完全に送信される前にブラウザがその要求をキャンセルすることに起因する場合もあり、その場合、サーバはHTTP要求を一切受信しないため、データロスが生ずる。
【0017】
本願の実施の形態は、ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送方法を提供する。この方法は、ウェブページのリダイレクション前に送信に失敗した全てのHTTP要求の情報を記録し、リダイレクション後の次のウェブページへ前記情報を転送できる。したがって、次のウェブページへのリダイレクションの後、クライアント端末は前記情報に従って送信に失敗したHTTP要求を再送でき、これによりサーバ端末上のデータロスの課題を解決する。
【0018】
図1は、本願の実施の形態によるハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送方法のフローチャートである。
図1に示すように、本方法は、以下のステップを備える。
【0019】
ステップS100:クライアント端末は、サーバへHTTP要求を送信し、前記HTTP要求の情報を記録する。
ステップS101:第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると前記クライアント端末が判定すると、前記クライアント端末は、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得する。
ステップS102:前記クライアント端末は、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送する。
ステップS103:前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記クライアント端末は、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送する。
【0020】
本願の実施の形態において、サーバへHTTP要求を送信する際、クライアント端末はHTTP要求の情報を記録し、第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、クライアント端末は第1のウェブページの状態において送信に失敗したHTTP要求が存在するか否かを判定し、判定が肯定であれば、クライアント端末は送信に失敗した全てのHTTP要求の情報を取得して、前記情報を第2のウェブページへ転送する。したがって、クライアント端末は、第2のウェブページへのリダイレクションの後、転送された、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求の情報に従って、送信に失敗したHTTP要求を再送でき、これによりサーバ端末上のデータロスを回避し従来技術の課題を解決する。
【0021】
図2は、本願の他の実施の形態によるハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送方法のフローチャートである。
図2に示すように、前記方法は以下の各ステップを含んでよい。
【0022】
ステップS200:クライアント端末はユーザが第1のウェブページ上で行うオペレーションを監視し、サーバへHTTP要求を送信し、HTTP要求の情報を記録する。
HTTP要求は第1のウェブページ上のオペレーションの監視データを含む。
【0023】
ここでいう第1のウェブページは、クライアント端末によって現在開かれているウェブページを意味するものであってよい。第1のウェブページ上のリンクをクリックしたり、第1のウェブページ上でアカウントにログインしたりする等のオペレーションを、ユーザが第1のウェブページ上でクライアント端末から行う際、クライアント端末はオペレーションを監視し、監視データをHTTP要求の形でサーバ端末へ送信する。
【0024】
なお、本願の実施の形態では、HTTP要求を送信する際、クライアント端末は、要求方法、URL(Uniform Resource Locator)アドレス、HTTPプロトコルのバージョン等を含む、HTTP要求の完全な情報を記録することにより、HTTP要求が送信に失敗したと判定した後、クライアント端末は、記録されたHTTP要求の完全な情報に従ってHTTP要求を再送できる。よって、サーバ端末上のデータロスを回避する。
【0025】
ステップS201:クライアント端末はHTTP要求を送信に失敗した要求のリストに記録する。
本願の実施の形態において、クライアント端末は、サーバへHTTP要求を送信する際、送信に失敗した要求のリストにHTTP要求の情報を書き込む。送信に失敗した要求のリストは、クライアント端末に記憶される。
【0026】
ステップS202:サーバにより返信される正常応答メッセージを受信すると、クライアント端末は送信に失敗した要求のリストからHTTP要求を削除する。そうではなく、クライアント端末が、サーバにより返信される異常応答メッセージを受信すると、又は、サーバにより返信される応答メッセージを受信しないと、クライアント端末は送信に失敗した要求のリストに記録されたHTTP要求をそのまま維持する。
【0027】
具体的には、クライアント端末から送信されたHTTP要求に対してサーバが応答メッセージを返信するとき、一般的な場合、以下の各状況が存在する。
応答メッセージのステータスコードが200であり、メッセージは正常応答メッセージであると、HTTP要求の送信は成功であることを示す;応答メッセージのステータスコードが200ではなく、メッセージは異常応答メッセージであると、HTTP要求の送信は失敗であることを示す;応答メッセージが受信されず、それはHTTP要求が完全に送信される前にウェブページのリダイレクションが発生したことに起因する場合もあり、その場合は、HTTP要求はクライアント端末によって直接キャンセルされ、サーバ端末はHTTP要求を一切受信せず、この状況はHTTP要求の送信に失敗したことを示す。
【0028】
サーバ端末上のデータの保全性を確保するためには、上述した各状況のいずれにおいても、送信に失敗したHTTP要求についてデータを再送する必要がある。よって、HTTP要求の送信に失敗したと判定した場合には、クライアント端末は、送信に失敗した要求のリスト上のHTTP要求の関連情報をそのまま維持する。これによりクライアント端末は、リダイレクションが行われた後のウェブページ上で、送信に失敗したHTTP要求を、送信に失敗した要求のリストの記録に従って再送できる。
【0029】
ステップS203:現在のウェブページが第1のウェブページから第2のウェブページへリダイレクトされることを検出すると、クライアント端末は送信に失敗した要求のリストが空であるか否かを判断し、肯定であればステップS205が直接実行され、否定であればステップS204が実行される。
【0030】
ステップS204:クライアント端末は、送信に失敗した要求のリストにあるHTTP要求の情報を記録して、前記情報を第2のウェブページへ転送する。そしてステップS205が実行される。
【0031】
実際のアプリケーションにおいては、第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクション等、ウェブページのリダイレクションがクライアント端末上で発生すると、クライアント端末は第1のウェブページのコンテンツをオフロードして第2のウェブページのコンテンツをロードする。クライアント端末が第1のウェブページをオフロードする処理中、第1のウェブページの状態で送信されたHTTP要求が送信に失敗した場合、又は完全には送信されていない場合、HTTP要求はキャンセルされる可能性が高い。よって、サーバ端末はHTTP要求に含まれる監視データを受信できないため、データロスが発生する。
【0032】
本願の実施の形態においては、現在のウェブページが、例えば、第1のウェブページから第2のウェブページへリダイレクトされることを検出すると、クライアント端末は、ウェブページがリダイレクトされる前に、送信に失敗した要求のリストをチェックして要求のリストが空であるか否かを判定する。
【0033】
要求のリストが空であれば、それは、第1のウェブページの状態で送信した全てのHTTP要求が送信に成功したこと、データロスの現象がサーバ端末上で存在しないこと、データを再送する必要がないこと、及び第2のウェブページへのリダイレクションが直接行われてよいことを示す。
【0034】
要求のリストが空でない場合、それは、第1のウェブページの状態において要求のリストに含まれるHTTP要求の送信が失敗したこと又は完全には送信されなかったこと、及び、サーバがHTTP要求に含まれる監視データを受信していないおそれがあることを示す。データロスを防止するため、クライアント端末は要求のリストに含まれるHTTP要求の情報を第2のウェブページへ転送し、これにより、第2のウェブページへのリダイレクションの後、クライアント端末はHTTP要求の情報に従ってHTTP要求を再送できる。
【0035】
なお、本願の実施の形態においては、送信に失敗した要求のリストは、送信に失敗した全てのHTTP要求の完全な情報を記録しており、これによりHTTP要求の再送に確実に成功する。
また、本願の実施の形態においては、クライアント端末により、送信に失敗した要求のリスト上のHTTP要求の情報を記録して前記情報を第2のウェブページへ転送するステップは、クライアント端末により、送信に失敗した要求のリスト上のHTTP要求の情報を記録して前記情報を第2のウェブページに対応するウィンドウ名に書き込むステップを含んでもよい。
【0036】
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが、例えば、ユーザが「新しいタブで開く」をクリックするオペレーションや、ユーザが第1のウェブページ上でアカウント及びパスワードを入力した後に行うログインオペレーション等、同一のウィンドウ内でのリダイレクションである場合、第2のウェブページに対応するウィンドウ名は、第1のウェブページに対応するウィンドウ名と同一である、即ち、クライアント端末によって現在開かれているウィンドウの名前と同一である。この時、送信に失敗した要求のリスト上のHTTP要求の情報のみが現在開かれているウィンドウの名前に書き込まれればよい。
【0037】
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが、例えば、ユーザが「新しいウィンドウで開く」をクリックするオペレーション等、異なるウィンドウ間のリダイレクションである場合、第2のウェブページに対応するウィンドウ名は第1のウェブページに対応するウィンドウ名とは異なる。この時、クライアント端末は、リダイレクション指示に応じて第2のウェブページに対応するウィンドウ名、即ちリダイレクト先のウィンドウの名前を取得し、リダイレクト先のウィンドウの名前に、送信に失敗した要求のリスト上のHTTP要求の情報を書き込む。
【0038】
ステップS205:第2のウェブページへのリダイレクションの後、クライアント端末は、第1のウェブページから送信に失敗した要求のリスト上のHTTP要求の情報を取得し、HTTP要求の情報に従ってHTTP要求を再送する。
【0039】
本願の実施の形態において、ステップS204では、送信に失敗した要求のリストにあるHTTP要求の情報が、第2のウェブページに対応するウィンドウ名に書き込まれた状態にある。クライアント端末上でウェブページのリダイレクションが完了した状態にある場合、即ち、第2のウェブページへのリダイレクションが行われた状態にある場合、クライアント端末は、第2のウェブページに対応するウィンドウ名から、送信に失敗した要求のリスト上の第1のウェブページに対応するHTTP要求の情報を取得できる。前記HTTP要求の情報は、第1のウェブページ上で送信に失敗した全てのHTTP要求の情報である、即ち、第1のウェブページの状態でサーバが監視データを受信していないHTTP要求の情報である。クライアント端末は、HTTP要求の情報に従って、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求を再送でき、これにより、サーバ端末が受信するデータの保全性を確保し、従来技術における課題を解決する。
【0040】
図2に示される本願の実施の形態では、送信に失敗した要求のリストにHTTP要求が記録される。サーバにより返信される正常応答メッセージを受信すると、クライアント端末は送信に失敗した要求のリストからHTTP要求を削除する。そうではなく、クライアント端末がサーバにより返信される異常応答メッセージを受信すると、又は、サーバにより返信される応答メッセージを受信しないと、クライアント端末は送信に失敗した要求のリストに記録されたHTTP要求をそのまま維持する。現在のウェブページが第1のウェブページから第2のウェブページへリダイレクトされることを検出すると、クライアント端末は、送信に失敗した要求のリストが空であるか否かを判断することによって送信に失敗したHTTP要求が第1のウェブページの状態で存在するか否かを判定し、送信に失敗した要求のリストが空でない場合、クライアント端末は、送信に失敗した要求のリスト上の全てのHTTP要求の情報を第2のウェブページへ転送する。したがって、クライアント端末は、第2のウェブページへ転送されたHTTP要求の情報に従って、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求を再送できる。
【0041】
本願の他の実施の形態において、HTTP要求はHTTP要求キャッシュプールに記録されてもよい。サーバにより返信される正常応答メッセージを受信する。クライアント端末はHTTP要求キャッシュプールからHTTP要求を削除する。そうではなく、クライアント端末がサーバにより返信される異常応答メッセージを受信すると、又は、サーバにより返信される応答メッセージを受信しないと、クライアント端末はHTTP要求キャッシュプールに記録されたHTTP要求をそのまま維持する。現在のウェブページが第1のウェブページから第2のウェブページへリダイレクトされることを検出すると、クライアント端末は、HTTP要求キャッシュプールが空であるか否かを判断することによって送信に失敗したHTTP要求が第1のウェブページの状態で存在するか否かを判定し、HTTP要求キャッシュプールが空でない場合、クライアント端末は、HTTP要求キャッシュプール内の全てのHTTP要求の情報を第2のウェブページへ転送する。したがって、クライアント端末は、第2のウェブページへ転送されたHTTP要求の情報に従って、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求を再送できる。
【0042】
本願の他の実施の形態において、HTTP要求はHTTP要求のリストに記録されてもよく、HTTP要求の状態は、送信成功していないとマークされる。サーバにより返信される正常応答メッセージを受信すると、クライアント端末はHTTP要求のリストにあるHTTP要求の状態を、送信成功に変更する。そうではなく、クライアント端末がサーバにより返信される異常応答メッセージを受信すると、又はサーバにより返信される応答メッセージを受信しないと、クライアント端末はHTTP要求の状態をHTTP要求のリスト上で、送信に成功しなかったものとしてそのまま維持する。現在のウェブページが第1のウェブページから第2のウェブページへリダイレクトされることを検出すると、クライアント端末は、送信成功していないとマークされた状態のHTTP要求がHTTP要求のリスト上に存在するか否かを判断することによって、送信に失敗したHTTP要求が第1のウェブページの状態で存在するか否かを判定し、送信成功していないとマークされた状態のHTTP要求が存在する場合、クライアント端末は、送信成功していないとマークされた状態のHTTP要求の情報を第2のウェブページへ転送する。したがって、クライアント端末は、第2のウェブページへ転送されたHTTP要求の情報に従って、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求を再送できる。
【0043】
なお、本願の実施の形態において、クライアント端末は、サーバ端末から返信される正常応答情報を受信する毎に送信に失敗した要求のリストを更新でき、正常応答情報に対応するHTTP要求を要求のリストから削除できる。
【0044】
当然ながら、実際のアプリケーションにおいて、サーバ端末によって返信される正常応答情報を受信する毎にクライアント端末が要求のリストを更新すれば、クライアント端末が過度に頻繁に動作することになる。本願の実施の形態では、ウェブページのリダイレクションを行うと決定すると、クライアント端末は要求の完了の確認を開始し、要求のリストを一様に更新できる。
図2に示す実施の形態を考慮すると、ウェブページのリダイレクションを行うと決定するにあたって、クライアント端末は、現在のウェブページの状態で送信された全てのHTTP要求のうち、どのHTTP要求が、サーバによって返信された正常応答情報を受信したHTTP要求であるかを判断する。そして、サーバによって返信された正常応答情報を受信したHTTP要求を、送信に失敗した要求のリストから削除する。
【0045】
本願の方法の実施の形態に対応して、本願は更にデバイス及びサーバの実施の形態を提供する。
本願に係るハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送デバイスの実施の形態は、サーバに適用できる。デバイスの実施の形態はソフトウェア、ハードウェア、又は両者の組み合わせによって実行されてよい。ソフトウェアによる実行を例にとると、論理デバイスとしての再送デバイスは次のように構成される。即ち、再送デバイスが設けられた装置のプロセッサが、不揮発性メモリ内の対応するコンピュータプログラムの命令を、実行のためメモリに読み出す。ハードウェアの態様から、
図3は、本願に係るハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送デバイスが設けられた装置のハードウェア構造図である。
図3に示すプロセッサ、メモリ、ネットワークインターフェース、及び不揮発性メモリに加え、実施の形態のデバイスが設けられた装置は、装置の実際の機能に応じて他のハードウェアを含んでもよい。例えば、クライアント端末装置については、装置が、カメラ、タッチスクリーン、通信のための構成要素等を含んでもよく、サーバについては、装置がパケット等の処理を担う転送チップを含んでもよい。
【0046】
図4は、本願の実施の形態によるハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送デバイスのブロック図である。デバイスはサーバに適用できる。
デバイスは、第1の送信部400と、第1の記録部401と、取得部402と、転送部403と、第2の送信部404とを含んでもよい。
前記第1の送信部400は、サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信するように構成される。
前記第1の記録部401は、前記HTTP要求の情報を記録するよう構成される。
前記取得部402は、第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されたら、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得するよう構成される。
前記転送部403は、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送するよう構成される。
前記第2の送信部404は、前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するように構成される。
前記送信に失敗した前記HTTP要求は、前記サーバによって返信される成功応答情報が受信されないHTTP要求である。
【0047】
前記デバイスは、第2の記録部を更に備えてもよい。
前記第2の記録部は、前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されない全てのHTTP要求を前記第1のウェブページの状態で記録するよう構成される。
【0048】
前記第2の記録部は、第1の副要求記録部と第1の副削除部を更に備えてもよい。
前記第1の副要求記録部は、HTTP要求が送信されると、送信に失敗した要求のリストに前記HTTP要求の記録するよう構成される。
第1の副削除部は、前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されると、前記送信に失敗した要求のリストから前記HTTP要求を削除するように構成される。
【0049】
前記第2の記録部は、第2の副要求記録部と第2の副削除部を備えてもよい。
前記第2の副要求記録部は、HTTP要求が送信されると、前記HTTP要求をHTTP要求キャッシュプールに記録するよう構成される。
前記第2の副削除部は、サーバによって返信される正常応答情報が受信されると、前記HTTP要求キャッシュプールから前記HTTP要求を削除するよう構成される。
【0050】
前記転送部は、副書込部を備えてもよい。
前記副書込部は、前記第2のウェブページに対応するウィンドウ名に、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を書き込むよう構成される。
【0051】
デバイスの各部の機能の実施及び作用については、方法において対応する各ステップの実施を参照できる。ここでは詳細を繰り返さない。
【0052】
本願は、クライアント端末を更に供給し、本端末は:プロセッサと;前記プロセッサの実行可能命令を記憶するよう構成されたメモリと;を備える。
【0053】
前記プロセッサは:サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信し、前記HTTP要求の情報を記録し;第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されると、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得し;前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送し;前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するように構成される。
【0054】
本願の実施の形態において、サーバへHTTP要求を送信する際、クライアント端末はHTTP要求の情報を記録し、第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生すべき際、クライアント端末は第1のウェブページの状態において送信に失敗したHTTP要求が存在するか否かを判定し、肯定であれば、クライアント端末は送信に失敗した全てのHTTP要求の情報を取得して、前記情報を第2のウェブページへ転送する。したがって、クライアント端末は、第2のウェブページへのリダイレクションの後、転送された、第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求の情報に従って、送信に失敗したHTTP要求を再送でき、これによりサーバ端末上のデータロスを回避し従来技術の課題を解決する。
【0055】
なお、本願の実施の形態に係る方法及びデバイスは、ブラウザや、例えば、携帯デバイスで一般に用いられるウェブビュー・コンテナ(WebView container)等、ブラウザに類似するコンテナに適用できる。
【0056】
デバイスの実施の形態は、基本的には方法の実施の形態に対応しており、関連する部分については、方法の実施の形態の部分の説明を参照できる。以上で説明したデバイスの実施の形態は単に例示であって、別個の要素として説明された各部は物理的に分離されていてもされていなくてもよく、各部として示された各要素は物理的なユニット(部)であってもそうでなくてもよく、それらは同一の箇所に配置されても、複数のネットワーク部に分散されてもよい。本願の解決の目的は、実際の要求に応じて、デバイスの一部のモジュール又は全てのモジュールを選択することによって達成され得る。当業者であれば、創作努力をすることなく本願を理解し実施できるであろう。
【0057】
当業者であれば、本明細書を検討し、本明細書に開示された本発明を実施した後に、本願の他の実施の態様を容易に得ることができる。本願は、本願の任意の変形、用途、又は適応性のある変更を包含することが意図されており、これらの変形、用途、又は適応性のある変更は、本願の一般的な原理に従うものであり、この技術分野における、本願では開示されていない共通の知識又は従来の技術的手段を含む。本明細書及び実施の形態は単に例示的なものとみなされ、本願の真の範囲および精神は、以下の請求項によって定義される。
【0058】
本願は、上記で説明され、添付の図面に示されている正確な構造に限定されず、本願の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を有することができることを理解されたい。本願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
[第1の局面]
ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送方法であって:
クライアント端末により、サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信し、前記HTTP要求の情報を記録するステップと;
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されると、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得するステップと;
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送するステップと;
前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するステップと;を備える、
再送方法。
[第2の局面]
前記送信に失敗したHTTP要求は、前記サーバによって返信される成功応答情報が受信されないHTTP要求である、
第1の局面に記載の方法。
[第3の局面]
前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されない全てのHTTP要求を前記第1のウェブページの状態で記録するステップを更に備える、
第2の局面に記載の方法。
[第4の局面]
前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されない全てのHTTP要求を記録する前記ステップは:
前記クライアント端末がHTTP要求を送信すると、前記HTTP要求を、送信に失敗した要求のリストに記録するステップと;
前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されると、前記送信に失敗した要求のリストから前記HTTP要求を削除するステップと;を備える、
第3の局面に記載の方法。
[第5の局面]
前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されない全てのHTTP要求を記録する前記ステップは:
前記クライアント端末がHTTP要求を送信すると、前記HTTP要求をHTTP要求キャッシュプールに記録するステップと;
前記サーバによって返信される正常応答情報を受信すると、前記HTTP要求キャッシュプールから前記HTTP要求を削除するステップと;を備える、
第3の局面に記載の方法。
[第6の局面]
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送する前記ステップは:
前記第2のウェブページに対応するウィンドウ名に、送信に失敗した前記HTTP要求の前記情報を書き込むステップを備える、
第1の局面に記載の前記方法。
[第7の局面]
ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送デバイスであって:
サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信するように構成された第1の送信部と;
前記HTTP要求の情報を記録するよう構成された第1の記録部と;
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されたら、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得するよう構成された取得部と;
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送するよう構成された転送部と;
前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するように構成された第2の送信部と;を備える、
ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル要求の再送デバイス。
[第8の局面]
前記送信に失敗した前記HTTP要求は、前記サーバによって返信される成功応答情報が受信されないHTTP要求である、
第7の局面に記載の再送デバイス。
[第9の局面]
前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されない全てのHTTP要求を前記第1のウェブページの状態で記録するよう構成された第2の記録部を更に備える、
第8の局面に記載の再送デバイス。
[第10の局面]
前記第2の記録部は:
HTTP要求が送信されると、前記HTTP要求の送信に失敗した要求のリストに記録するよう構成された第1の副要求記録部と;
前記サーバによって返信される正常応答情報が受信されると、前記送信に失敗した要求のリストから前記HTTP要求を削除するように構成された第1の副削除部と;を備える、
第9の局面に記載の再送デバイス。
[第11の局面]
前記第2の記録部は:
HTTP要求が送信されるとき、前記HTTP要求をHTTP要求キャッシュプールに記録するよう構成された第2の副要求記録部と;
サーバによって返信される正常応答情報が受信されると、前記HTTP要求キャッシュプールから前記HTTP要求を削除するよう構成された第2の副削除部と;を備える、
第9の局面に記載の再送デバイス。
[第12の局面]
前記転送部は:
前記第2のウェブページに対応するウィンドウ名に、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を書き込むよう構成された副書込部を備える、
第7の局面に記載の再送デバイス。
[第13の局面]
クライアント端末であって:
プロセッサと;
前記プロセッサの実行可能命令を記憶するよう構成されたメモリと;を備え、
前記プロセッサは:
サーバへハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル(HTTP)要求を送信し、前記HTTP要求の情報を記録し;
第1のウェブページから第2のウェブページへのリダイレクションが発生する場合に、前記第1のウェブページの状態で送信に失敗したHTTP要求が存在すると判定されると、前記送信に失敗したHTTP要求の情報を取得し;
前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報を前記第2のウェブページへ転送し;
前記第2のウェブページへのリダイレクションの後、前記送信に失敗したHTTP要求の前記情報に従って、前記送信に失敗したHTTP要求を再送するように構成された、
クライアント端末。