(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レコメンドデータは、前記レコメンドデータの生成後、前記レコメンドデータによって示された加盟店でユーザが実際に購買行動をしたかどうかを示す第3の識別情報を含み、
前記第3の識別情報は、前記レコメンドデータに含まれるカード識別子および加盟店識別子のデータのセットが、前記レコメンドデータの生成後の、前記ユーザに関連付けられる決済データに存在するかどうかを判定し、存在するという判定がなされたことを条件として更新される、
請求項1に記載のデータ処理装置。
前記レコメンドデータは、前記ユーザ端末が前記情報資源位置情報を介して加盟店の情報を参照したかどうかを示す第1の識別情報と、前記レコメンドデータによって示された加盟店にユーザが立ち寄ったかどうかを示す第2の識別情報と、前記レコメンドデータの生成後、前記レコメンドデータによって示された加盟店でユーザが実際に購買行動をしたかどうかを示す第3の識別情報とを含み、
前記レコメンドデータの前記生成は、前記第1の識別情報、前記第2の識別情報、および前記第3の識別情報のうちの少なくとも1つに基づいて行われる、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(全体構成)
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本明細書では、クレジットカード、デビットカードおよびプリペイドカードなどのカード決済の決済データを扱う実施形態を中心に説明するが、本発明の要旨は、このようなカード決済の決済データ以外の決済データ(例えば、二次元コード決済の決済データ、生体認証データ(例えば、人相、指紋、声紋、虹彩、静脈などの身体的特徴に基づく認証データ)に基づく決済の決済データ)を取り扱う実施形態の処理にも適用することができる。
【0013】
図1は、本発明に係るデータ処理装置10を含むシステム全体の構成図である。データ処理装置10は、インターネットなどの既知のネットワークを介してユーザ端末11と相互に通信可能なように接続される。データ処理装置10は、インターネットや専用線などの既知のネットワークを介して、加盟店端末12と相互に通信可能なように接続される。
図1において、ユーザ端末11および加盟店端末12は、説明の便宜上、それぞれ1つずつしか示していないが、複数存在することができる。
【0014】
データ処理装置10は、ユーザ端末11に対し、本発明に係るアプリケーションプログラム(以下、単に「ユーザアプリ」と呼ぶこともある)を提供する。データ処理装置10は、ユーザアプリを介して、ユーザ端末11から位置情報(例えば、GPS情報)や経路情報(例えば、経時的なGPS情報、ルート検索アプリケーション利用時の移動経路情報など)を受信する。
【0015】
データ処理装置10は、加盟店端末12から送信された決済データを受信する。データ処理装置10は、決済データを蓄積して、購買傾向を示すデータとして利用することができる。購買傾向を示すデータは、ユーザの属性(例えば、日本人/外国人、居住地、性別、年代など)に基づいて分類されてもよい。データ処理装置10は、ユーザ端末11から受信した位置情報および経路情報を蓄積して、移動傾向を示すデータとして利用することができる。
【0016】
データ処理装置10は、決済データ、位置情報および移動情報に基づいて、ユーザの目的地を予測し、予測された目的地までの移動経路に関連付けられたレコメンドデータであって、ユーザの嗜好に沿うレコメンドデータを動的に生成し、ユーザ端末11に対して提供することができる。このため、データ処理装置10は、予測した目的地の観光資源についてのレコメンドデータのみならず、目的地の周辺地および移動経路の途中にある観光資源についてのレコメンドデータも提供することができる。本明細書では、「レコメンドデータ」は、ユーザに対するお勧めの商品等の情報および/またはユーザのために選択され、生成された電子クーポンを意味するものとする。
【0017】
ユーザ端末11は、自身の位置情報および経路情報を測定し、取得し、または算出する機能を有する。ユーザ端末11は、ユーザアプリを介して、位置情報および経路情報をデータ処理装置10に送信することができ、また、データ処理装置10によって提供されるレコメンドデータを受信することができる。位置情報は、GPS情報に基づく位置情報であってよい。経路情報は、経時的なGPS情報(例えば、第1の時点のGPS情報、第2の時点のGPS情報、・・・、第Nの時点のGPS情報)やルート検索アプリケーション利用時の移動経路情報などであってよい。経路情報は、移動情報と呼ぶこともできる。
【0018】
ユーザ端末11は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォンやタブレット端末などの通信機能を備えたコンピュータであってよく、特定の装置に限定されることはない。
【0019】
加盟店端末12は、決済データを扱う会社(例えば、カード会社等)と加盟店契約を締結している加盟店の店頭に設置されているカード決済端末機であってもよいし、あるいは加盟店が運用している電子商取引のためのシステムであってもよい。加盟店端末12は、POS端末に組み込まれていてもよい。加盟店端末12は、決済時に決済データをデータ処理装置10に送信し、その結果を受信する。
【0020】
(システム構成)
図2は、本発明に係るデータ処理装置10のシステム構成図である。データ処理装置10は、一般的なコンピュータと同様に、バス120などによって相互に接続された制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104および出力部105を備える。
【0021】
制御部101は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、データ処理装置10の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部103に格納されている各種プログラムを主記憶部102に読み出して実行することができる。主記憶部102は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶することができる。補助記憶部103は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0022】
図2の実施形態は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を同一のコンピュータ内に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、データ処理装置10は、制御部101、主記憶部102および補助記憶部103を複数個使用することにより、複数のコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成することもできる。また、他の実施形態として、データ処理装置10のための複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部103を共有する実施形態にすることも可能である。
【0023】
IF部104は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供することができる。出力部105は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供することができる。
【0024】
なお、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、インターフェース(IF)部104および出力部105と同様な機能の構成要素は、ユーザ端末11および加盟店端末12にも存在するが、本明細書では説明を省略する。
【0025】
また、データ処理装置10は、補助記憶部103内にファイル/データベースなどの記憶手段の形式で、ユーザマスタ106、加盟店マスタ107、カード利用履歴108、予約・購買情報109、位置・経路情報110、購買傾向111、移動傾向112、およびレコメンドデータ113を備える。これらのファイル/データベースの詳細について、
図3〜
図9、
図11を参照しながら説明する。
【0026】
(
図3:ユーザマスタ106)
ユーザマスタ106は、カード会員についての情報(すなわち、決済手段のユーザの情報)を格納する。
図3は、ユーザマスタ106のデータ構造の一例を説明する図である。ユーザマスタ106は、カード番号301、カード種別302、会員基本情報303、およびカード発行国コード304を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0027】
カード番号301は、カード会員が有するカードの識別子である。なお、カードは、クレジットカード、デビットカード、およびプリペイドカードなどのカードを示すが、本発明の他の実施形態では、カード番号301は、電子マネー、二次元コード決済、生体認証決済などの決済手段におけるユーザ識別子に相当する。また、本実施形態では、カード番号301は、ユーザアプリのユーザIDとしても利用可能である。
【0028】
カード種別302は、カードの種類(例えば、ゴールドカード、女性向けカードなど)を示す。会員基本情報303は、カード会員の情報、例えば、氏名、居住地(住所)、生年月日、年齢(年代)、性別などの情報を示すが、ここに列挙した以外の情報を含むこともできる。カード発行国コード304は、カードのイシュアーの国を示すコードであり、カード発行国コード304の値によって日本人か外国人かを識別し、さらにどの外国からの訪日客であるかを識別する。
【0029】
(
図4:加盟店マスタ107)
加盟店マスタ107は、加盟店についての情報を格納する。
図4は、加盟店マスタ107のデータ構造の一例を説明する図である。加盟店マスタ107は、加盟店ID401、加盟店基本情報402、業種コード403、および加盟店URL404を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0030】
加盟店ID401は、加盟店を識別する識別子である。加盟店基本情報402は、加盟店名称、加盟店所在地情報(郵便番号、住所、緯度・経度)、連絡先、加盟店口座(銀行振込用)などの情報を示すが、ここに列挙した以外の情報を含むこともできる。加盟店の所在地は、広域自治体(都道府県)や基礎自治体(市区町村)の情報ごとに分かれていてもよい。
【0031】
業種コード403は、VJAグループによって定義されている加盟店業種(大分類49種類・小分類362種類)であってもよいし、あるいは、加盟店の業種を示す別の分類体系であってもよい。なお、加盟店端末12から送信される決済データにも業種コード403、あるいは業種コード403に対応する情報が含まれている。加盟店URL404は、加盟店を紹介するサイトのURL(Uniform Resource Locator)を示す。本明細書では、URLを「情報資源位置情報」と呼ぶこともある。
【0032】
(
図5:カード利用履歴108)
カード利用履歴108は、それぞれのユーザのカード決済データを格納する。
図5は、カード利用履歴108のデータ構造の一例を説明する図である。カード利用履歴108は、カード番号301、利用日時501、利用額502、加盟店ID401、業種コード403、会員基本情報303、およびカード発行国コード304を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。例えば、カード利用履歴108は、加盟店の実際の店舗でカード決済が行われたのか、あるいは電子商取引でカード決済が行われたのかを示すデータ項目、すなわち、対面販売/非対面販売を識別するデータ項目を含むこともできる。なお、カード利用履歴108は、オーソリゼーションデータまたは売上データのいずれかに含まれる情報を含むことができる。
【0033】
カード番号301、加盟店ID401、業種コード403、会員基本情報303、およびカード発行国コード304は、上記で説明した通りである。利用日時501は、加盟店にて決済が行われた日時を示し、利用額502は、決済金額を示す。本発明の一実施形態では、加盟店ID401に対応する加盟店基本情報402の一部または全部(例えば、加盟店名称、住所)がカード利用履歴108に含まれていてもよい。
【0034】
(
図6:予約・購買情報109)
予約・購買情報109は、ユーザアプリを介してユーザ端末11によって予約された商品やサービス、あるいは購入された商品やサービスの情報を格納する。上述したように、データ処理装置10は、ユーザアプリを介して、様々な電子商取引のサイトをユーザ端末11に提供することができ、ユーザ端末11は、ユーザアプリを介して、所望の商品やサービスを予約し、あるいは購入することができる。
図6は、予約・購買情報109のデータ構造の一例を説明する図である。予約・購買情報109は、カード番号301、加盟店ID401、日時601、品目602、金額603、会員基本情報303、および加盟店基本情報402を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0035】
カード番号301、加盟店ID401、会員基本情報303、および加盟店基本情報402は、上記で説明した通りである。日時601は、ユーザ端末11がユーザアプリを介して、所望の商品やサービスを予約した日時、あるいは購入した日時を示す。品目602は、ユーザが予約し、あるいは購入した商品やサービスの個々の品目を示す。よく知られているように、加盟店によっては、決済データを参照したとしても具体的な購入品目を知ることが困難である。予約・購買情報109は、ユーザが予約し、あるいは購入した商品やサービスの個々の品目の情報を有するため、具体的な購入品目を示すことができる。金額603は、ユーザ端末11がユーザアプリを介して、所望の商品やサービスを予約し、あるいは購入した金額を示す。
【0036】
(
図7:位置・経路情報110)
位置・経路情報110は、ユーザ端末11の位置情報および経路情報を格納する。上述したように、ユーザ端末11は、ユーザアプリを介して、位置情報(例えば、GPS情報)や経路情報(例えば、経時的なGPS情報、ルート検索アプリケーション利用時の移動経路情報など)をデータ処理装置10に送信し、データ処理装置10は、それらの情報を位置・経路情報110に格納する。
図7は、位置・経路情報110のデータ構造の一例を説明する図である。位置・経路情報110は、カード番号301、日時情報701、現在地702、移動方向703、推定移動手段704、および候補目的地705を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0037】
カード番号301は、カード会員が有するカードの識別子であるが、本実施形態では、カード番号301は、ユーザアプリのユーザIDとしても利用可能である。日時情報701は、ユーザ端末11が位置情報および経路情報を取得した日時を示す。現在地702は、ユーザ端末11が取得した位置情報を示す。位置情報は、例えば、GPS情報に基づく経度および緯度、住所(例えば、東京都、港区)、高度などの情報であってよい。
【0038】
移動方向703は、同一のユーザ端末11の直前の位置情報から算出した移動方向を示す。例えば、ユーザ端末11に保持されている、現在および直前の位置情報から西の方向に移動していることが判定できるときは、移動方向の情報として「西」が格納される。推定移動手段704は、推定される移動手段(例えば、徒歩、電車など)を示す。移動手段は、現在および直前の位置情報によって示される地点がどの程度離れているかを所定の閾値に基づいて判定することにより推定することができる。また、位置情報が鉄道などの公共交通機関の路線上にあることを示す場合には、移動手段を「電車」であると推定してよく、位置情報が空港を示す場合には、移動手段を「飛行機」であると推定してよい。
【0039】
候補目的地705は、ユーザアプリによって提供されるルート検索アプリで検索した目的地情報を示す。例えば、ルート検索アプリで東京から福岡までの経路検索がなされた場合、候補目的地705は「福岡」を示す。なお、候補目的地705は、経路検索がなされていない場合、Null値であってよい。
【0040】
(
図8:購買傾向111)
購買傾向111は、カード利用履歴108に格納されているデータを所定の期間(例えば、1ヶ月)ごとに集計して生成する、購買傾向の情報を格納する。購買傾向111に格納されているデータは、都道府県ごと、市区町村ごと、業種ごと、国ごと、および加盟店ごとに所定の期間(例えば、1ヶ月)の決済金額の合計値を示すことができる。
図8は、購買傾向111のデータ構造の一例を説明する図である。購買傾向111は、年月801、広域自治体802、基礎自治体803、カード発行国コード304、業種コード403、加盟店ID401、および決済金額合計804を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0041】
カード発行国コード304、業種コード403、および加盟店ID401は、上記で説明した通りである。年月801は、カード利用履歴108に格納されている利用日時501から導出される年月情報を示す。広域自治体802は、加盟店所在地の広域自治体(都道府県)の情報を示し、基礎自治体803は、加盟店所在地の基礎自治体(地区町村)の情報を示す。広域自治体802および基礎自治体803は、加盟店ID401に関連付けられる加盟店基本情報402に含まれる住所の情報から生成される。決済金額合計804は、年月801によって示される年月に決済された加盟店ID401に関連付けられる決済金額(利用額502)の合計値を示す。
【0042】
(
図9:移動傾向112)
移動傾向112は、多数のユーザ端末11から受信した位置情報および経路情報(経時的なGPS情報)を蓄積し、編集した、人間(すなわち、ユーザ端末11)の移動傾向の統計情報を示す。移動傾向112は、位置・経路情報110に格納されているデータを所定の期間(例えば、1ヶ月)ごとに集計・編集して生成する、移動傾向の統計情報を格納する。移動傾向112は、日本人あるいは訪日外国人(例えば、観光客)の国内での移動傾向を示すことができる。また、移動傾向112は、他の属性(例えば、年代、性別、居住地など)に基づく移動傾向を示してもよい。
図9は、移動傾向112のデータ構造の一例を説明する図である。移動傾向112は、カード発行国コード304、年月901、出発地902、目的地903、移動方向904、および移動手段905を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0043】
カード発行国コード304は、カードのイシュアーの国を示すコードであり、カード発行国コード304の値によって日本人か外国人かを識別し、さらにどの外国からの訪日客であるかを識別する。年月901は、位置・経路情報110に格納されている日時情報701から導出される年月情報を示す。出発地902および目的地903は、ユーザ端末11の実際の移動経路の出発地点および到着地点をそれぞれ示す。出発地902および目的地903は、決済データが発生する度に位置・経路情報110に格納されているデータを一まとめにして生成されてもよい。移動方向904は、出発地902および目的地903から導き出せる移動方向を示す。移動手段905は、推定移動手段704の情報に基づいて設定されることが可能である。
【0044】
(レコメンドデータ生成処理)
図10は、データ処理装置10がレコメンドデータを生成してユーザ端末11に送信し、ユーザがレコメンドに従って購買行動をする際の処理を説明する図である。この処理フローの前提として、ユーザは、ユーザ端末11にてユーザアプリを起動し、ユーザ認証を完了しているものとする。ユーザのユーザIDは、ユーザのカード番号301と関連付けられて使用されてよい。データ処理装置10がレコメンドデータを生成する処理は、一通りではなく、
図10の処理プロセスは、処理順序が変更されてもよい。
【0045】
S1001にて、データ処理装置10は、本処理フローの処理開始のトリガーが発生したかどうかを判定する。より詳細に言えば、データ処理装置10は、位置・経路情報110にアクセスし、ログインユーザのカード番号301に関連付けられたデータのうち、日時情報701が現在時間から最も近いデータ(第1のデータ)を取得する。データ処理装置10は、第1のデータの候補目的地705に具体的な目的地情報が含まれているかどうかを判定し、含まれている場合には、S1002に処理が進み、含まれていない場合には、所定時間の経過後、再び、S1001の処理を実行する。あるいは、データ処理装置10は、第1のデータの推定移動手段704に「立ち止まり」「徒歩」以外の値(例えば「電車」など、所定の閾値以上の距離を移動していることを示す値)が含まれている場合には、S1002に処理が進み、含まれていない場合には、所定時間の経過後、再び、S1001の処理を実行する。
【0046】
S1002にて、データ処理装置10は、ユーザの目的地を予測する処理を行う。本発明の一実施形態では、データ処理装置10は、予約・購買情報109にアクセスし、ログインユーザのカード番号301に関連付けられたデータのうち、日時601の値が現在時よりも未来を示すデータ(すなわち、予約データ)を取得する。データ処理装置10は、取得した予約データの日時601の値が現在時から所定の範囲内しか離れていない場合、当該加盟店ID401から導出される加盟店の所在地が目的地であると予測する。
【0047】
本発明の他の実施形態では、データ処理装置10は、ユーザマスタ106にアクセスし、カード発行国コード304に基づいて、日本人であるか訪日外国人であるかを特定し、さらに、訪日外国人である場合にはその出身国を特定する。データ処理装置10は、移動傾向112にアクセスし、第1のデータの現在地702の場所に相当する出発地902を特定する。出発地902を特定する際、特定した国によって絞り込みをしてもよい。さらに、データ処理装置10は、第1のデータの移動方向703、推定移動手段704、および候補目的地705の一部または全部の情報に基づいて、特定した出発地902に対応する目的地903を予測する。
【0048】
本発明の他の実施形態では、データ処理装置10は、S1001で取得した第1のデータの候補目的地705に具体的な目的地情報が含まれている場合には、そこを目的地と予測する。
【0049】
本発明のさらなる他の実施形態では、このような予測処理を人工知能(AI)を利用して行ってもよい。なお、予測処理は、上記した手法の1または複数を組み合わせて行ってもよく、あるいは、他の方法を利用して行ってもよい。
【0050】
S1003にて、データ処理装置10は、ユーザの購買傾向や趣味嗜好を予測する処理を行う。本発明の一実施形態では、データ処理装置10は、S1002で取得した予約データに含まれている加盟店ID401および品目602に基づいて、ユーザがどのような業種の加盟店に興味を持っているか、あるいはどのような商品・サービスに興味を持っているかを予測する。
【0051】
本発明の他の実施形態では、データ処理装置10は、カード利用履歴108にアクセスし、ログインユーザのカード番号301に関連付けられたデータを取得し、業種コード403ごとのデータ件数を算出し、算出したデータ件数の多い順に、1または複数の業種コード403を特定することによって、ユーザがどのような業種の加盟店に興味を持っているかを予測する。
【0052】
本発明のさらなる他の実施形態では、このような予測処理を人工知能(AI)を利用して行ってもよい。なお、予測処理は、上記した手法の1または複数を組み合わせて行ってもよく、あるいは、他の方法を利用して行ってもよい。
【0053】
S1004にて、データ処理装置10は、レコメンドデータを動的に生成し、ユーザ端末11に送信する。より詳細に言えば、データ処理装置10は、加盟店マスタ107にアクセスし、S1002にて予測した目的地およびその周辺地域を所在地とする加盟店であって、S1003にて予測したユーザの購買傾向や趣味嗜好(例えば、業種)に該当する加盟店の加盟店URL404の情報を取得する。さらに、データ処理装置10は、予測した目的地までの移動経路上の地点(例えば、鉄道であれば駅のある地点)を所在地とする加盟店であって、S1003にて予測したユーザの購買傾向や趣味嗜好(例えば、業種)に該当する加盟店の加盟店URL404の情報を取得してもよい。
【0054】
データ処理装置10は、取得した加盟店URL404の情報を使用して、ログインユーザ向けのレコメンドデータを動的に生成し、生成したレコメンドデータをレコメンドデータ113に格納するとともに、ユーザ端末11に送信する。ここで、
図11を参照しながら、レコメンドデータ113について説明する。
【0055】
図11は、レコメンドデータ113のデータ構造の一例を説明する図である。レコメンドデータは、ユーザに対するお勧めの商品等の情報および/またはユーザのために選択され、生成された電子クーポンを含む。例えば、レコメンドデータは、加盟店の情報(加盟店URL404を含みうる)、加盟店が扱う商品の情報、および/または加盟店で使用可能な電子クーポンを含む。レコメンドデータ113は、カード番号301、作成日時1101、加盟店ID401、加盟店基本情報402、加盟店URL404、参照有無1102、訪問有無1103、および購買有無1104を含むが、これらのデータ項目に限定されることはなく他のデータ項目も含むことが可能である。
【0056】
カード番号301、加盟店ID401、加盟店基本情報402、および加盟店URL404は、上記で説明した通りである。作成日時1101は、カード番号301に関連付けられるユーザ向けのレコメンドデータを生成した日時を示す。参照有無1102は、ユーザがレコメンドデータに含まれる加盟店URL404を介して加盟店の情報にアクセスしたかどうかを示す。ユーザ端末11から加盟店URL404を介して加盟店の情報へのアクセスがあると、データ処理装置10は、当該加盟店に関連付けられる参照有無1102の値を「有」に変更する。
【0057】
訪問有無1103は、レコメンドデータによって示された加盟店にユーザが立ち寄ったかどうかを示す。データ処理装置10は、ユーザ端末11から位置情報を受信すると、ユーザ端末11の位置が加盟店の所在地から所定の距離以内に入ったことを条件として、訪問有無1103の値を「有」に変更する。両者が所定の距離以内に入ったかどうかは、例えば、GPS情報によって特定される経度・緯度の情報から判定されてよい。
【0058】
購買有無1104は、レコメンドデータの生成後、ユーザがその加盟店で実際に購買行動をしたかどうかを示す。データ処理装置10は、レコメンドデータ113にアクセスして取得したカード番号301および加盟店ID401のデータのセットが、作成日時1101が示す日時以降にカード利用履歴108に追加されたデータに存在するかどうかを判定する。存在すると判定された場合に、データ処理装置10は、購買有無1104の値を「有」に変更する。
【0059】
図10に戻って説明すると、本発明の一実施形態では、S1004にて、データ処理装置10は、ログインユーザのカード番号301を検索キーにしてレコメンドデータ113にアクセスして、過去のレコメンドデータを取得し、取得したレコメンドデータの参照有無1102、訪問有無1103、および購買有無1104のいずれかが「有」となっている加盟店の情報を優先的に使用して新たなレコメンドデータを動的に生成することができる。あるいは、データ処理装置10は、取得したレコメンドデータの参照有無1102、訪問有無1103、および購買有無1104のいずれかが「有」となっている加盟店の情報を使用せずに、新たなレコメンドデータを動的に生成してもよい。
【0060】
S1005にて、データ処理装置10は、ユーザがレコメンドデータに従った行動を取ったかどうかを判定する。詳細に言えば、データ処理装置10は、ユーザ端末11が、レコメンドデータに含まれる加盟店URL404を介して加盟店の情報にアクセスしたかどうかを判定する。ユーザ端末11から加盟店の情報へのアクセスがあったと判定されると、データ処理装置10は、当該加盟店に関連付けられるレコメンドデータ113の参照有無1102の値を「有」に変更する(S1006)。
【0061】
また、データ処理装置10は、ユーザ端末11から位置情報を受信したことに応答して、ユーザ端末11の位置が加盟店の所在地から所定の距離以内に入ったかどうかを、現在地702の情報(例えば、緯度・経度)と加盟店の加盟店基本情報402の情報(例えば、緯度・経度)とを比較することによって判定する。所定の距離以内に入ったと判定されると、データ処理装置10は、当該加盟店に関連付けられるレコメンドデータ113の訪問有無1103の値を「有」に変更する(S1006)。
【0062】
また、データ処理装置10は、レコメンドデータ113にアクセスして取得したカード番号301および加盟店ID401のデータのセットが、作成日時1101が示す日時以降にカード利用履歴108に追加されたデータに存在するかどうかを判定する。存在すると判定された場合に、データ処理装置10は、購買有無1104の値を「有」に変更する(S1006)。
【0063】
なお、S1005にて、ユーザがレコメンドデータに従っていないと判定された場合には、データ処理装置10は、この処理フローを終了する。
【0064】
本発明の一実施形態では、ユーザ端末11は、ユーザアプリを介してレコメンドデータ113にアクセスし、レコメンドされた加盟店に対する評価、当該加盟店が扱う商品・サービスに対する評価などの感想を書き込むこともできる。このような書き込みは、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)からデータを受信して行ってもよい。かかる場合、レコメンドデータ113は、ユーザ評価を格納するためのデータ項目を有することができる。
【0065】
本発明の一実施形態では、加盟店端末12は、レコメンドデータに含まれている電子クーポンが使用されたことを示す情報をデータ処理装置10に送信することができる。レコメンドデータ113は、電子クーポンが使用されたことを示す情報を格納するためのデータ項目を有することができる。
【0066】
上述のように、データ処理装置10は、決済データ、位置情報および移動情報に基づいて、ユーザの目的地を予測し、予測された目的地までの移動経路に関連付けられたレコメンドデータであって、ユーザの嗜好に沿うレコメンドデータを動的に生成して提供することができるようになる。ユーザは、このようなレコメンドデータを受信することにより、目的地およびその周辺地、並びに移動経路の周辺にある観光資源に容易にアクセスすることができるようになる。
【0067】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。