(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6745957
(24)【登録日】2020年8月6日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】ボンベ搬送用台車及び自動搬送システム
(51)【国際特許分類】
B60P 1/52 20060101AFI20200817BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20200817BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
B60P1/52 Z
B25J5/00 A
B60P3/00 J
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-139528(P2019-139528)
(22)【出願日】2019年7月30日
【審査請求日】2020年3月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 明之
(72)【発明者】
【氏名】古村 直規
【審査官】
林 政道
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−017291(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0183042(US,A1)
【文献】
中国実用新案第208090310(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/52
B62B 1/00− 5/08
B61B 13/00
B25J 5/00
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベを起立した状態で搬送するボンベ搬送用台車であって、
前記ガスボンベを載置する載置部が設けられた車体と、
前記車体を走行自在に支持する車輪と、
前記載置部に設けられて、前記ガスボンベを起立した状態のままスライド自在に支持するスライド支持機構と、
前記スライド支持機構により前記ガスボンベをスライドさせながら、前記載置部と前記ガスボンベの搬出入先との間で、前記ガスボンベの搬出及び搬入を自動で行う搬出入用ロボットとを備え、
前記スライド支持機構は、前記載置部に載置される前記ガスボンベの高さを調整する高さ調整機構を有し、
前記搬出入用ロボットは、前記ガスボンベを起立した状態で保持する保持機構と、前記保持機構により保持された前記ガスボンベを起立した状態のまま前記車体の前後方向にスライド駆動するスライド駆動機構とを有することを特徴とするボンベ搬送用台車。
【請求項2】
前記スライド支持機構は、前記載置部に載置される前記ガスボンベの前後方向の位置を調整する機構を有することを特徴とする請求項1に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項3】
前記スライド支持機構は、前記載置部に載置される前記ガスボンベの前後左右の傾きを調整する機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項4】
前記保持機構は、前記ガスボンベの胴部を把持する一対のアーム部を有し、
前記一対のアーム部は、上下方向に2つ並んで設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項5】
前記載置部は、前記車体の側面の一部を切り欠くように設けられた凹部の内側に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項6】
前記載置部は、前記車体の背面側に位置することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項7】
前記スライド支持機構は、前記載置部の前後方向に並んで設けられた複数のローラにより構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項8】
前記車輪を回転駆動する回転駆動機構を備え、
前記ガスボンベの搬送を自走で行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のボンベ搬送用台車。
【請求項9】
ガスボンベの搬送を自動で行う自動搬送システムであって、
請求項8に記載のボンベ搬送用台車を備えることを特徴とする自動搬送システム。
【請求項10】
前記ガスボンベを格納するシリンダキャビネットを備え、
前記ボンベ搬送用台車は、前記シリンダキャビネットとの間で前記ガスボンベの搬出及び搬入を行うことを特徴とする請求項9に記載の自動搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ボンベ搬送用台車及び自動搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、シリンダキャビネットは、各種ガスを供給するための設備として広く用いられている(例えば、下記特許文献1を参照。)。シリンダキャビネットでは、扉を開閉し、その内側の格納スペースに一対のガスボンベを並立した状態で格納している。シリンダキャビネットでは、何れか一方のガスボンベからガスを供給している間に、何れか他方のガスボンベを交換することで、ガスの供給を中断することなく行うことが可能となっている。
【0003】
ところで、上述したガスボンベの交換作業では、ボンベ搬送用台車を用いて、ガスボンベの搬送を行うと共に、ボンベ搬送用台車とシリンダキャビネットとの間で、ガスボンベの搬出及び搬入(入れ替え)が行われる。
【0004】
しかしながら、このようなガスボンベの交換作業は、作業者が重量物であるガスボンベを抱え上げて行う必要があり、非常に危険で且つ重労働である。さらに、ガスボンベの交換作業は、シリンダキャビネットの狭い格納スペースに対してガスボンベの搬出及び搬入を行わなければならず、作業性も悪かった。
【0005】
そこで、下記特許文献1に記載の発明では、ガスボンベの交換作業を容易にするため、ガスボンベに搬送用アダプタを装着し、この搬送用アダプタを介してボンベ搬送用台車とシリンダキャビネットとの間でガスボンベの搬出及び搬入を容易に行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−106086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した搬送用アダプタをガスボンベに装着する場合、全てのガスボンベに搬送用アダプタを装着する必要がある。その場合、非常に高コストとなる。また、上述した搬送用アダプタをガスボンベに装着した場合でも、ボンベ搬送用台車とシリンダキャビネットとの間で行われるガスボンベの搬出及び搬入作業には、人手が必要となっている。
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、
ガスボンベの搬送、搬出、搬入を容易に行うことができる
ボンベ搬送用台車、並びに、そのような
ボンベ搬送用台車を好適に用いることができる自動搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕
ガスボンベを
起立した状態で搬送する
ボンベ搬送用台車であって、
前記
ガスボンベを載置する載置部が設けられた車体と、
前記車体を走行自在に支持する車輪と、
前記載置部に設けられて、前記
ガスボンベを
起立した状態のままスライド自在に支持するスライド支持機構と、
前記スライド支持機構により前記
ガスボンベをスライドさせながら、前記載置部と前記
ガスボンベの搬出入先との間で、前記
ガスボンベの搬出及び搬入を自動で行う搬出入用ロボットとを備え
、
前記スライド支持機構は、前記載置部に載置される前記ガスボンベの高さを調整する高さ調整機構を有し、
前記搬出入用ロボットは、前記ガスボンベを起立した状態で保持する保持機構と、前記保持機構により保持された前記ガスボンベを起立した状態のまま前記車体の前後方向にスライド駆動するスライド駆動機構とを有することを特徴とする
ボンベ搬送用台車。
〔2〕 前記スライド支持機構は、前記載置部に載置される前記ガスボンベの前後方向の位置を調整する機構を有することを特徴とする請求項1に記載のボンベ搬送用台車。
〔3〕 前記スライド支持機構は、前記載置部に載置される前記ガスボンベの前後左右の傾きを調整する機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のボンベ搬送用台車。
〔4〕 前記保持機構は、前記ガスボンベの胴部を把持する一対のアーム部を有し、
前記一対のアーム部は、上下方向に2つ並んで設けられていることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕の何れか一項に記載のボンベ搬送用台車。
〔
5〕 前記載置部は、前記車体の側面の一部を切り欠くように設けられた凹部の内側に設けられていることを特徴とする前記〔1〕
〜〔3〕の何れか一項に記載の
ボンベ搬送用台車。
〔
6〕 前記載置部は、前記車体の背面側に位置することを特徴とする前記〔1〕〜〔
5〕の何れか一項に記載の
ボンベ搬送用台車。
〔
7〕 前記スライド
支持機構は、前記載置部の前後方向に並んで設けられた複数のローラにより構成されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔
6〕の何れか一項に記載の
ボンベ搬送用台車
。
〔
8〕 前記車輪を回転駆動する回転駆動機構を備え、
前記
ガスボンベの搬送を自走で行うことを特徴とする前記〔1〕〜〔
7〕の何れか一項に記載の
ボンベ搬送用台車。
〔
9〕
ガスボンベの搬送を自動で行う自動搬送システムであって、
前記〔
8〕に記載の
ボンベ搬送用台車を備えることを特徴とする自動搬送システム
。
〔10〕 前記ガスボンベを格納するシリンダキャビネットを備え、
前記
ボンベ搬送用台車は、前記シリンダキャビネットとの間で前記ガスボンベの搬出及び搬入を行うことを特徴とする前記〔9〕に記載の自動搬送システム。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、
ガスボンベの搬送、搬出、搬入を容易に行うことができる
ボンベ搬送用台車、並びに、そのような
ボンベ搬送用台車を好適に用いることができる自動搬送システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る自動搬送システムの構成を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す自動搬送システムが備えるボンベ搬送用台車とシリンダキャビネットとの間でガスボンベを搬出又は搬入する状態を示す上面図である。
【
図3】ボンベ搬送用台車の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示すボンベ搬送用台車の透視斜視図である。
【
図5】
図3に示すボンベ搬送用台車の側面図である。
【
図6】
図3に示すボンベ搬送用台車の上面図である。
【
図7】
図3に示すボンベ搬送用台車の下面図である。
【
図8】
図3に示すボンベ搬送用台車の正面図である。
【
図9】
図3に示すボンベ搬送用台車の背面図である。
【
図10】
図3に示すボンベ搬送用台車が備える搬出入用ロボットの動作を説明する斜視図である。
【
図11】本発明を適用した別のボンベ搬送用台車の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(自動搬送システム)
先ず、本発明の一実施形態として、例えば
図1及び
図2に示す自動搬送システム1について説明する。
なお、
図1は、自動搬送システム1の構成を示す側面図である。
図2は、自動搬送システム1が備えるボンベ搬送用台車2とシリンダキャビネット3との間でガスボンベBを搬出又は搬入する状態を示す上面図である。
【0013】
本実施形態の自動搬送システム1は、
図1及び
図2に示すように、重量物であるガスボンベBの搬送を自動で行うシステムとして、ガスボンベB内に充填されたガスを半導体製造装置に供給する設備に適用したものである。
【0014】
具体的に、この自動搬送システム1は、ガスボンベBを自走で搬送するボンベ搬送用台車2と、ガスボンベBの搬出入先となるシリンダキャビネット3とを備えている。
【0015】
シリンダキャビネット3は、ガスボンベB内に充填されたガスを半導体製造装置に供給する設備として、フロアFの上に設置されている。シリンダキャビネット3は、全体として略直方体状を為すと共に、正面側に左右一対の扉3aを有している。
【0016】
シリンダキャビネット3では、扉3aを開閉し、その内側の格納スペースSに一対のガスボンベBを幅方向に並立した状態で格納している。また、シリンダキャビネット3では、何れか一方のガスボンベBからガスを供給している間に、何れか他方のガスボンベBを交換することで、ガスの供給を中断することなく行うことが可能となっている。
【0017】
また、格納スペースSの底部には、一対のガスボンベBが各々載置される一対のフリーローラ4が設けられている。フリーローラ4は、格納スペースSの前後方向に並んで設けられた複数のローラ4aと、複数のローラ4aを回転自在に支持するフレーム4bとを有している。これにより、フリーローラ4の上に載置されたガスボンベBを起立した状態のまま、複数のローラ4aを介して格納スペースSの前後方向にスライドさせることが可能となっている。
【0018】
なお、シリンダキャビネット3には、それ以外にも、例えば、ガスボンベBと接続される配管や、弁の開閉や圧力の監視、ガス漏れの監視等を行うための機器を収納した制御ボックス、半導体製造装置等に接続するための配管を収納した配管用ボックス(何れも図示せず。)などが設けられている。
【0019】
(ボンベ搬送用台車)
次に、上記ボンベ搬送用台車2について、
図3〜
図10を参照しながら説明する。
なお、
図3は、ボンベ搬送用台車2の外観を示す斜視図である。
図4は、ボンベ搬送用台車2の透視斜視図である。
図5は、ボンベ搬送用台車2の側面図である。
図6は、ボンベ搬送用台車2の上面図である。
図7は、ボンベ搬送用台車2の下面図である。
図8は、ボンベ搬送用台車2の正面図である。
図9は、ボンベ搬送用台車2の背面図である。
図10は、ボンベ搬送用台車2が備える搬出入用ロボット20の動作を説明する斜視図である。
【0020】
本実施形態のボンベ搬送用台車2は、
図3〜
図9に示すように、ガスボンベBの搬送を自走で行う搬送車両10と、ガスボンベBの搬出及び搬入を自動で行う搬出入用ロボット20とを備えている。
【0021】
搬送車両10は、AGV(Automated Guided Vehicle)と呼ばれる無人搬送車であり、自動運転によりガスボンベBの搬送を行うものである。具体的に、この搬送車両10は、ガスボンベBを載置する載置部11が設けられた車体12と、車体12を走行自在に支持する複数(本実施形態では6つ)の車輪13とを有している。
【0022】
車体12は、ガスボンベBよりも幅広であり、幅方向よりも前後方向に長く、ガスボンベBの1/2程度の高さで、全体として略直方体状を為している。載置部11は、車体12の背面側に位置している。車体12の背面には、車体12の側面の一部を上下方向に切り欠くように凹部14が設けられている。載置部11は、この凹部14の内側に設けられている。
【0023】
載置部11には、ガスボンベBを前後方向にスライド自在に支持するスライド支持機構15が設けられている。スライド支持機構15は、フリーローラからなり、載置部11の前後方向に並んで設けられた複数のローラ15aと、複数のローラ15aを回転自在に支持するフレーム15bとを有している。これにより、スライド支持機構15の上に載置されたガスボンベBを起立した状態のまま、複数のローラ15aを介して載置部11の前後方向にスライドさせることが可能となっている。
【0024】
なお、スライド支持機構15については、このようなフリーローラからなるものに必ずしも限定されるものではなく、例えばベルトコンベアなどを用いることも可能である。
【0025】
また、搬送車両10は、上述したシリンダキャビネット3側に設けられたフリーローラ4の高さに合わせて、載置部11側に設けられたフリーローラ(スライド支持機構15)の高さを調整する高さ調整機構を備えた構成であってもよい。
【0026】
さらに、搬送車両10では、このような高さ調整機構の他にも、載置部11側に設けられたフリーローラ(スライド支持機構15)の前後方向の位置や、前後左右の傾きなどを調整する機構を設けた構成としてもよい。
【0027】
なお、車体12には、それ以外にも、非常時に搬送車両10を停止させる非常停止ボタン16aや、各種の表示を行う表示機器16b、各種の操作を行う操作スイッチ16c、外部との通信を行うアンテナ16dなどが設けられている。
【0028】
複数の車輪13は、車体12の下面に回転自在に取り付けられている。このうち、車体12の四隅には、旋回自在に取り付けられた4つのキャスター車輪12aが設けられている。一方、車体12の中央には、モータなどの回転駆動機構(図示せず。)を介して回転駆動される2つの駆動車輪12bが幅方向に並んで設けられている。
【0029】
搬送車両10では、これら2つの駆動車輪12bに伝達される駆動力の配分を切り替えることで、この搬送車両10の走行及び操舵を制御することが可能となっている。なお、搬送車両10において、ガスボンベBの搬送を自動運転により行うための誘導方式については特に限定されるものではなく、従来より公知の誘導方式を採用することが可能である。
【0030】
また、搬送車両10には、例えば、光電センサや磁気センサ、リミットスイッチなどの位置検出器を設けたり、搬送用台車2と外部との通信を行う通信器などを設けたりすることが可能である。
【0031】
搬出入用ロボット20は、搬送車両10の上部に設置されて、載置部11に対するガスボンベBの搬出及び搬入を自動で行うものである。具体的に、この搬出入用ロボット20は、ガスボンベBを保持する保持機構21と、保持機構21により保持されたガスボンベBを車体12の前後方向にスライド駆動するスライド駆動機構22とを有している。
【0032】
保持機構21は、ガスボンベBの胴部を把持する一対のアーム部21aを有している。一対のアーム部21aは、互いに円弧状に湾曲した形状を有して、ヒンジ部21bを介して基端側が回動自在に支持されている。
【0033】
保持機構21では、これら一対のアーム部21aを互いに逆向きに回動操作しながら、一対のアーム部21aの間でガスボンベBの胴部を両側から把持する。また、保持機構21では、ガスボンベBの上部側と下部側とを把持するため、一対のアーム部21aが上下方向に2つ並んで設けられている。これにより、起立した状態のガスボンベBを安定した状態で保持することが可能となっている。
【0034】
なお、保持機構21については、このようなガスボンベBの胴部を一対のアーム部21aにより把持する構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば、ガスボンベBを吸着しながら保持する構成であってもよい。
【0035】
スライド駆動機構22は、保持機構21と連結されたスライド軸22aを前後方向にスライド駆動するものである。スライド軸22aの駆動については、モータ等による駆動であっても、エアシリンダや油圧シリンダ等による駆動であってもよい。
【0036】
搬出入用ロボット20では、
図10に示すように、起立した状態のガスボンベBを保持機構21により保持しながら、スライド駆動機構22により車体12の前後方向にスライド駆動する。これにより、載置部11に設けられたスライド支持機構15を介してガスボンベBをスライドさせながら、この載置部11とシリンダキャビネット3側のフリーローラ4との間で、ガスボンベBの搬出及び搬入を自動で行うことが可能となっている。
【0037】
以上のような構成を有する本実施形態の自動搬送システム1では、
図1及び
図2に示すように、ボンベ搬送用台車2がフロアFの上を自走しながら、使用前又は使用後のガスボンベBが保管されるボンベストッカ(図示せず。)と、ガスボンベBの搬出入先となるシリンダキャビネット3との間で、ボンベ搬送用台車2によるガスボンベBの搬送と、ガスボンベBの搬出及び搬入とを自動で行うことが可能である。
【0038】
したがって、本実施形態の自動搬送システム1では、上述したボンベ搬送用台車2を用いることによって、シリンダキャビネット3に対するガスボンベBの搬送、搬出、搬入を容易に行うことができ、その作業性を大幅に向上させることが可能である。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明を適用したボンベ搬送用台車としては、上述したガスボンベBの搬送を自走で行う搬送車両10を備えた構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば
図11に示すようなガスボンベBの搬送を手動で行う搬送車両10Aを備えた構成であってもよい。
【0040】
具体的に、この
図11に示す搬送車両10Aは、上述した2つの駆動車輪12bを省略し、車体12の正面側にハンドル部17が設けられた構成となっている。この構成の場合、搬送車両10Aの走行及び操舵をオペレータにより行うことが可能である。
【0041】
また、本発明を適用した搬送用台車については、上述したガスボンベBを搬送するボンベ搬送用台車1に好適に用いられるものの、ガスボンベBを搬送するものに必ずしも限定されるものではなく、人手で搬出及び搬入を行うことが困難な重量物を搬送する搬送用台車に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1…自動搬送システム 2…ボンベ搬送用台車 3…シリンダキャビネット 4…フリーローラ 10,10A…搬送車両 11…載置部 12…車体 13…車輪 14…凹部 15…スライド支持機構 20…搬出入用ロボット 21…保持機構 22…スライド駆動機構 B…ガスボンベ(重量物)
【要約】
【課題】重量物の搬送、搬出、搬入を容易に行うことができる搬送用台車を提供する。
【解決手段】重量物Bを搬送する搬送用台車2であって、重量物Bを載置する載置部11が設けられた車体12と、車体12を走行自在に支持する車輪13と、載置部11に設けられて、重量物Bをスライド自在に支持するスライド支持機構15と、スライド支持機構15により重量物Bをスライドさせながら、載置部11と重量物Bの搬出入先3との間で、重量物Bの搬出及び搬入を自動で行う搬出入用ロボット20とを備える。
【選択図】
図1