【文献】
F. Le Leannec, T. Poirier and F. Urban,Asymmetric Coding Units in QTBT,Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,4th Meeting: Chengdu, CN,2016年10月,JVET-D0064-r1,pp.1-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニット(CTU)の第1の情報をビットストリームから取得するステップであって、前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ステップと、
前記CTUの分割情報を前記ビットストリームから取得するステップと、
前記第1の情報および前記分割情報に基づいて、前記CTUを1つ以上のCUに分割するステップであって、前記1つ以上のCUの幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれ、前記複数のCUが互いに重ならない、ステップと、
前記1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、前記1つ以上のCUを復号するステップと、
を含み、
前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、
前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、こと
を含む、
復号方法。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、前記第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まず、前記第1の情報および前記分割情報に基づいて、前記1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割する、前記ステップが、
前記第1の情報および前記第1のCUの前記分割タイプに基づいて、前記第1のCUを分割するステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項3に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項3に記載の方法。
前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲によって制限されることを判定する、前記ステップが、
前記ビットストリームから第1のフラグ情報を取得するステップであって、前記第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、前記第1のフラグビットの値が第1の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または前記第1のフラグビットの値が第2の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲によって制限されることを判定するステップと、
を含む、請求項6に記載の方法。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得するステップであって、前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ステップと、
複数の使用可能分割方式から前記CTUのための目標分割方式を判定するステップであって、前記複数の使用可能分割方式で前記CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれる、ステップと、
1つ以上のCUを取得するために前記目標分割方式で前記CTUを分割するステップであって、前記複数のCUが互いに重ならない、ステップと、
ビットストリームを取得するために前記1つ以上のCUを符号化するステップと、
を含み、
前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、
前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、こと
を含む、
符号化方法。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まず、前記1つ以上の処理しようとするCUが、前記CTUを分割することによって取得される、請求項12に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項13に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項13に記載の方法。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中にあり、かつ前記符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得するステップであって、前記第1の情報が、四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つの符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従って前記CTUを分割することによって取得されるCUである、ステップと、
前記CTUの分割情報を前記ビットストリームから取得するステップと、
前記第1の情報および前記分割情報に基づいて、前記CTUを1つ以上のCUに分割するステップであって、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれる、ステップと、
前記1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、前記1つ以上のCUを復号するステップと、
を含み、
前記第1の情報が、四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、
前記第1の情報が、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、こと
を含む、
復号方法。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、前記第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まず、前記第1の情報および前記分割情報に基づいて、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割する、前記ステップが、
前記第1の情報および前記第1のCUの前記分割タイプに基づいて、前記第1のCUを分割するステップ
を含む、請求項20に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項21に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項21に記載の方法。
前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲によって制限されることを判定する、前記ステップが、
前記ビットストリームから第1のフラグ情報を取得するステップであって、前記第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、前記第1のフラグビットの値が第1の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または前記第1のフラグビットの値が第2の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲によって制限されることを判定するステップと、
を含む、請求項24に記載の方法。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項19から26のいずれか一項に記載の方法。
符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得するステップであって、前記第1の情報が、四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つの符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従って前記CTUを分割することによって取得される、ステップと、
複数の使用可能分割方式から前記CTUのための目標分割方式を判定するステップであって、前記複数の使用可能分割方式で前記CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれる、ステップと、
1つ以上のCUを取得するために前記目標分割方式で前記CTUを分割するステップであって、前記複数のCUが互いに重ならない、ステップと、
ビットストリームを取得するために前記1つ以上のCUを符号化するステップと、
を含み、
前記第1の情報が、四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、
前記第1の情報が、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、こと
を含む、
符号化方法。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まない、請求項30に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項31に記載の方法。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項31に記載の方法。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項28から33のいずれか一項に記載の方法。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中にあり、かつ前記符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項28から35のいずれか一項に記載の方法。
復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得し、前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ように構成される取得モジュールであって、
前記取得モジュールが、前記CTUの分割情報を前記ビットストリームから取得するようにさらに構成される、取得モジュールと、
前記第1の情報および前記分割情報に基づいて、前記CTUを1つ以上のCUに分割し、前記1つ以上のCUの幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれ、前記複数のCUが互いに重ならない、ように構成される処理モジュールであって、
前記処理モジュールが、前記1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、前記1つ以上のCUを復号するようにさらに構成される、処理モジュールと、
を備え、
前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、
復号装置。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、前記第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まず、前記処理モジュールが、前記第1の情報および前記第1のCUの前記分割タイプに基づいて、前記第1のCUを分割するように構成される、請求項38に記載の復号装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項39に記載の復号装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項39に記載の復号装置。
前記第1の情報および前記分割情報に基づいて前記CTUを1つ以上のCUに分割することの前に、前記処理モジュールは、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比が、前記第1の情報によって示される前記値の範囲によって制限されることを判定するようにさらに構成される、請求項37から41のいずれか一項に記載の復号装置。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項37から41のいずれか一項に記載の復号装置。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項37から44のいずれか一項に記載の復号装置。
符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得し、前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ように構成される取得モジュールと、
複数の使用可能分割方式から前記CTUのための目標分割方式を判定し、前記複数の使用可能分割方式で前記CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれる、ように構成される処理モジュールであって、
前記処理モジュールが、1つ以上のCUを取得するために前記目標分割方式で前記CTUを分割し、前記複数のCUが互いに重ならない、ようにさらに構成され、
前記処理モジュールが、ビットストリームを取得するために前記1つ以上のCUを符号化するようにさらに構成される、処理モジュールと、
を備え、
前記第1の情報が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、
符号化装置。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まず、前記1つ以上の処理しようとするCUが、前記CTUを分割することによって取得される、請求項48に記載の符号化装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項49に記載の符号化装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項49に記載の符号化装置。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項46から51のいずれか一項に記載の符号化装置。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中にあり、かつ前記符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項46から53のいずれか一項に記載の符号化装置。
復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得し、前記第1の情報が、四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つの符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従って前記CTUを分割することによって取得されるCUである、ように構成される取得モジュールであって、
前記取得モジュールが、前記CTUの分割情報を前記ビットストリームから取得するようにさらに構成される、取得モジュールと、
前記第1の情報および前記分割情報に基づいて、前記CTUを1つ以上のCUに分割し、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比が前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれる、ように構成される処理モジュールであって、
前記処理モジュールが、前記1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、前記1つ以上のCUを復号するようにさらに構成される、処理モジュールと、
を備え、
前記第1の情報が、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、
復号装置。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、前記第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まず、前記処理モジュールが、前記第1の情報および前記第1のCUの前記分割タイプに基づいて、前記第1のCUを分割するように構成される、請求項56に記載の復号装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項57に記載の復号装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項58に記載の復号装置。
前記第1の情報および前記分割情報に基づいて前記CTUを1つ以上のCUに分割することの前に、前記処理モジュールが、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比が、前記第1の情報によって示される前記値の範囲によって制限されることを判定する
ようにさらに構成される、請求項55から59のいずれか一項に記載の復号装置。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項55から59のいずれか一項に記載の復号装置。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項55から61のいずれか一項に記載の復号装置。
符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得し、前記第1の情報が、四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つの符号化ユニットCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従って前記CTUを分割することによって取得されるCUである、ように構成される取得モジュールと、
複数の使用可能分割方式から前記CTUのための目標分割方式を判定し、前記複数の使用可能分割方式で前記CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、前記第1の情報によって示される前記値の範囲内に含まれる、ように構成される処理モジュールであって、
前記処理モジュールが、1つ以上のCUを取得するために前記目標分割方式で前記CTUを分割し、前記複数のCUが互いに重ならない、ようにさらに構成され、
前記処理モジュールが、ビットストリームを取得するために前記1つ以上のCUを符号化するようにさらに構成される、処理モジュールと、
を備え、
前記第1の情報が、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記最大許容幅対高さ比および前記最小許容幅対高さ比を示すために使用される、
符号化装置。
前記分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、前記四分木深さにある前記少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、前記分割情報は、前記第1のCUの分割タイプを含み、かつ前記第1のCUの前記分割方向を含まない、請求項66に記載の符号化装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、前記第1の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む、請求項67に記載の符号化装置。
前記第1のCUの前記分割方向が一意に定まることは、前記第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、前記第2の事前設定値が、前記CTUを分割することによって取得された前記CUの前記幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む、請求項67に記載の符号化装置。
前記第1の情報が第2のフラグビットを含み、前記第2のフラグビットの値が第3の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または前記第2のフラグビットの値が第4の値である場合、前記四分木深さにあり、かつ前記CTUを分割することによって取得された、前記少なくとも1つのCUの前記幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である、請求項64から69のいずれか一項に記載の符号化装置。
前記第1の情報は、前記ビットストリーム中にあり、かつ前記符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる、請求項64から71のいずれか一項に記載の符号化装置。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、符号化および復号の効率を改善するための符号化方法および装置、ならびに復号方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、復号方法が提供される。本方法は、復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得するステップであって、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ステップと、CTUの分割情報をビットストリームから取得するステップと、第1の情報および分割情報に基づいて、CTUを1つ以上のCUに分割するステップであって、1つ以上のCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲内に含まれ、複数のCUが互いに重ならない、ステップと、1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、1つ以上のCUを復号するステップと、を含む。
【0006】
本出願では、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の
許容される値の範囲は、ビットストリームから取得され、その結果、復号時に値の範囲に基づいていくつかの分割方式が除外され、分割方式を示すために以前に使用されたいくつかの分割情報がビットストリームにおいて省かれ、それによって占有されるビットレートを低減することができる。
【0007】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップは、1つ以上の処理しようとするCUを取得するために、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップと、第1の情報および分割情報に基づいて、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップと、を含む。
【0008】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、第1の情報および分割情報に基づいて、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップが、第1の情報および第1のCUの分割タイプに基づいて、第1のCUを分割するステップを含む。
【0009】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0010】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0011】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される、ことを含む。
【0012】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0013】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比(または短辺対長辺比)の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0014】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップの前に、本方法は、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップをさらに含む。
【0015】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、本方法は、ビットストリームから第1のフラグ情報を取得するステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、をさらに含む。CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップは、第1のフラグビットの
値に基づいて、CTUを分割することによって取得されたCUが第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップを含む。
【0016】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1の情報が第2のフラグビットを含み、第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0017】
第1の態様に関連して、第1の態様の一部の実装では、第1の情報は、ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0018】
第2の態様によれば、符号化方法が提供される。本方法は、符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得するステップであって、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ステップと、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップであって、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる、ステップと、1つ以上のCUを取得するために目標分割方式でCTUを分割するステップであって、複数のCUが互いに重ならない、ステップと、ビットストリームを取得するために1つ以上のCUを符号化するステップと、を含む。
【0019】
本出願では、CTUの符号化時に、第1の情報によって示される値の範囲の要件を満たす複数の分割方式からCTUのための目標分割方式を判定することができ、その結果、いくつかの分割方式が符号化中にCTUを分割するために使用されるのを防ぐことができ、それによって目標分割方式を判定するプロセスを単純化し、符号化の複雑さを低減することができる。
【0020】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップは、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップを含む。
【0021】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、本方法は、CTUの分割情報を判定するステップであって、分割情報が、目標分割方式を示すために使用される、ステップと、分割情報をビットストリームに書き込むステップと、をさらに含む。
【0022】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、1つ以上の処理しようとするCUが、CTUを分割することによって取得される。
【0023】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0024】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0025】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される、ことを含む。
【0026】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0027】
具体的には、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容高さ対幅比を示すために使用され得る、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容高さ対幅比を示すために使用され得る、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容高さ対幅比および最小許容幅対高さ比を示すために使用され得る。
【0028】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比の許容される値の範囲を示してもよく、幅対高さ比または高さ対幅比が具体的に示されているか否かは考慮されない。具体的には、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容長辺対短辺比を示すために使用され得る。
【0029】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、本方法は、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、ビットストリームに第1のフラグ情報を書き込むステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、をさらに含む。
【0030】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、第1の情報が第2のフラグビットを含み、第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0031】
第2の態様に関連して、第2の態様の一部の実装では、第1の情報は、ビットストリーム中にあり、かつ符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0032】
第3の態様によれば、復号方法が提供される。本方法は、復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得するステップであって、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、四分木深さにある少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従ってCTUを分割することによって取得されるCUである、ステップと、CTUの分割情報をビットストリームから取得するステップと、第1の情報および分割情報に基づいて、CTUを
1つ以上のCUに分割するステップであって、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる、ステップと、1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、1つ以上のCUを復号するステップと、を含む。
【0033】
本出願では、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の
許容される値の範囲は、ビットストリームから取得され、その結果、復号時に値の範囲に基づいていくつかの分割方式が除外され、分割方式を示すために以前に使用されたいくつかの分割情報がビットストリームにおいて省かれ、それによって占有されるビットレートを低減することができる。
【0034】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップは、四分木深さにある少なくとも1つのCUを取得するために、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップと、第1の情報および分割情報に基づいて、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップと、を含む。
【0035】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、第1の情報および分割情報に基づいて、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップが、第1の情報および第1のCUの分割タイプに基づいて、第1のCUを分割するステップを含む。
【0036】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0037】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0038】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される、ことを含む。
【0039】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0040】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの長辺対短辺比(または短辺対長辺比)の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0041】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップの前に、本方法は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップをさらに含む。
【0042】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、本方法は、ビットストリームから第1のフラグ情報を取得するステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、をさらに含む。四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップは、第1のフラグビットの
値に基づいて、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップを含む。
【0043】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1の情報が第2のフラグビットを含み、第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0044】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1の情報は、ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0045】
第3の態様に関連して、第3の態様の一部の実装では、第1の情報が、複数のサブ情報を含み、複数のサブ情報のうちのいずれか1つが、QT深さにある少なくとも1つのCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0046】
第4の態様によれば、符号化方法が提供される。本方法は、符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得するステップであって、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、四分木深さにある少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従ってCTUを分割することによって取得されるCUである、ステップと、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップであって、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる、ステップと、1つ以上のCUを取得するために目標分割方式でCTUを分割するステップであって、複数のCUが互いに重ならない、ステップと、ビットストリームを取得するために1つ以上のCUを符号化するステップと、を含む。
【0047】
本出願では、CTUの符号化時に、第1の情報によって示される値の範囲の要件を満たす複数の分割方式からCTUのための目標分割方式を判定することができ、その結果、いくつかの分割方式が符号化中にCTUを分割するために使用されるのを防ぐことができ、それによって目標分割方式を判定するプロセスを単純化し、符号化の複雑さを低減することができる。
【0048】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップは、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップを含む。
【0049】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、本方法は、CTUの分割情報を判定するステップであって、分割情報が、目標分割方式を示すために使用される、ステップと、分割情報をビットストリームに書き込むステップと、をさらに含む。
【0050】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まない。
【0051】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0052】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0053】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用されることは、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される、ことを含む。
【0054】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0055】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの長辺対短辺比(または短辺対長辺比)の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0056】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、本方法は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、ビットストリームに第1のフラグ情報を書き込むステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、をさらに含む。
【0057】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、第1の情報が第2のフラグビットを含み、第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0058】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、第1の情報は、ビットストリーム中にあり、かつ符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0059】
第4の態様に関連して、第4の態様の一部の実装では、第1の情報が、複数のサブ情報を含み、複数のサブ情報のうちのいずれか1つが、QT木深さにある少なくとも1つのCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0060】
第5の態様によれば、デコーダが提供され、デコーダが、第1の態様または第1の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行するように構成されたモジュールを備える。
【0061】
第6の態様によれば、エンコーダが提供され、エンコーダが、第2の態様または第2の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行するように構成されたモジュールを備える。
【0062】
第7の態様によれば、デコーダが提供され、デコーダが、第3の態様または第3の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行するように構成されたモジュールを備える。
【0063】
第8の態様によれば、エンコーダが提供され、エンコーダが、第4の態様または第4の態様の実装のうちのいずれか1つによる方法を実行するように構成されたモジュールを備える。
【0064】
第9の態様によれば、不揮発性記憶媒体と中央処理装置とを備える、デコーダが提供され、不揮発性記憶媒体が実行可能プログラムを記憶し、中央処理装置が不揮発性記憶媒体に接続され、第1の態様による方法を実施するために実行可能プログラムを実行する。
【0065】
第10の態様によれば、不揮発性記憶媒体と中央処理装置とを備える、エンコーダが提供され、不揮発性記憶媒体が実行可能プログラムを記憶し、中央処理装置が不揮発性記憶媒体に接続され、第2の態様による方法を実施するために実行可能プログラムを実行する。
【0066】
第11の態様によれば、不揮発性記憶媒体と中央処理装置とを備える、デコーダが提供され、不揮発性記憶媒体が実行可能プログラムを記憶し、中央処理装置が不揮発性記憶媒体に接続され、第3の態様による方法を実施するために実行可能プログラムを実行する。
【0067】
第12の態様によれば、不揮発性記憶媒体と中央処理装置とを備える、エンコーダが提供され、不揮発性記憶媒体が実行可能プログラムを記憶し、中央処理装置が不揮発性記憶媒体に接続され、第4の態様による方法を実施するために実行可能プログラムを実行する。
【0068】
第13の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体が、装置によって実行されるプログラムコードを記憶し、プログラムコードが、第1の態様による方法を実行するために使用される命令を含む。
【0069】
第14の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体が、装置によって実行されるプログラムコードを記憶し、プログラムコードが、第2の態様による方法を実行するために使用される命令を含む。
【0070】
第15の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体が、装置によって実行されるプログラムコードを記憶し、プログラムコードが、第3の態様による方法を実行するために使用される命令を含む。
【0071】
第16の態様によれば、コンピュータ可読媒体が提供され、コンピュータ可読媒体が、装置によって実行されるプログラムコードを記憶し、プログラムコードが、第4の態様による方法を実行するために使用される命令を含む。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、本出願の実施形態における技術的解決策を、本出願の実施形態における添付の図面を参照して説明する。
【0074】
本出願の実施形態における符号化方法、復号方法、エンコーダ、およびデコーダをよりよく理解するために、以下、符号化および復号プロセスにおける関連概念をまず簡単に説明する。
【0075】
ピクチャを符号化する場合、エンコーダ側装置は、そのピクチャを複数のCTUに分割することができる。CTUは、通常、N×Nの正方形領域(すなわち、N×Nの画素を含む長方形の画素マトリクス)であり、CTUの大きさは、H.265映像符号化標準では通常64×64である。
【0076】
加えて、CTUは、複数のCUにさらに分割され得る。各CUは、A×Bの矩形領域である。Aは長方形の幅であり、Bは長方形の高さであり、AとBとは同じでも異なっていてもよい。一般に、AおよびBのそれぞれの値は、2の整数乗である。例えば、AおよびBのそれぞれは、4、8、16、32、64、128などであり得る。
【0077】
CTUの分割時に、CTUは、複数の分割タイプに従って分割され得る。以下、
図1〜
図5を参照して分割タイプについて簡単に説明する。
【0079】
四分木は木のような構造であり、1つのノードが4つのサブノードに分割され得る。
図1に示すように、CTUは、四分木分割タイプに従って分割されて、同じ大きさの4つのCU、すなわちa、b、c、およびdを取得する。
【0081】
二分木も木のような構造であり、1つのノードが2つのサブノードに分割され得る。
図2に示されているように、CTUは、二分木分割タイプに従って、垂直方向に2つのCU、すなわち、左側のaおよび右側のbに分割され得る。加えて、
図3に示されているように、CTUは、代替的に、二分木分割タイプに従って、水平方向に上側部分のaおよび下側部分のbに分割され得る。
【0083】
三分木は比較的特殊な木のような構造であり、1つのノードが3つのサブノードに分割され得る。
図4に示されているように、CTUは、三分木分割タイプに従って、垂直方向に合計3つのCU、すなわち、左側のa、右側の
c、および右側のbに分割される。aの大きさはcの大きさと同じであり、aの大きさはbの半分の大きさである。加えて、CTUは、代替的に、三分木分割タイプに従って、水平方向に分割され得る。
図5に示されているように、CTUは、三分木分割タイプに従って、水平方向に合計3つのCU、すなわち、上側部分のa、中央のb、および下側部分のcに分割される。aの大きさはcの大きさと同じであり、aの大きさはbの半分の大きさである。
【0084】
1つのCTUは複数のCUに分割されてもよく、CUのうちの任意の1つ以上がより小さいCUを取得するためにさらに分割されてもよい。例えば、
図6に示されているように、64×64のCTUは、四分木分割タイプに従って、4つの32×32のCUにまず分割され得る。4つの32×32のCUのうち右下部分にあるCUはそれ以上分割されないが、他のCUはさらに分割される。左上部分にあるCUが、二分木分割タイプに従って垂直方向に2つの部分にまず分割され、次いで、左側のCUが、二分木分割タイプに従ってaとbとにさらに分割される。右上部分にあるCUは、二分木分割タイプに従って、水平方向にdとeとに分割される。左下部分にあるCUが、四分木分割タイプに従って、同じ大きさの4つのCUにまず分割され、次いで、左上部分にあるCUおよび右下部分にあるCUがさらに分割されて、f、g、h、i、j、k、およびlを最終的に取得する。
【0085】
図6は、CTUを複数のCUに分割する最終的な分割方式を示している。CTUを分割する場合、エンコーダは、分割される必要がある各
CTUについて、様々な可能な分割タイプ(四分木、二分木、および三分木)および分割方向(水平方向および垂直方向)を試す必要があり、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、様々な分割方式でCTUを複数のCUに分割するためのレート歪みコストを計算し、CTUを分割するための最小レート歪みコストに対応する分割方式を選択する。換言すれば、エンコーダは、CU分割中に様々な可能な分割タイプおよび分割方向を試す必要があり、その結果、エンコーダの計算の複雑さが増大し、符号化効率が低下する。
【0086】
CTUがレート歪み最適化アルゴリズムに従って選択された比較的好ましい分割方式で分割される場合、CTUにおける
長辺対短辺比がより大きい(またはより大きい幅対高さ比もしくは高さ対幅比を有する)CUは、CTUにおいて占有する割合がより小さいことが統計的分析を通して判明している。換言すれば、比較的好ましい分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比は、特定の閾値未満であり、CUの長辺対短辺比を過度に大きくする分割手法は、好ましい分割方式の判定時に直接除外され得る。従って、本出願の実施形態では、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比の許容される値の範囲を設定して、エンコーダによるCTU分割方式を選択する計算の複雑さを軽減し、符号化効率を向上させることができる。以下、
図7を参照して、本出願の実施形態における復号方法について詳細に説明する。
【0087】
図7は、本出願の一実施形態による復号方法の概略的なフローチャートである。
図7の方法は、デコーダ側装置、デコーダ、または復号機能を有する別の装置によって実行され得る。
図7の方法は、以下のステップを含む。
【0088】
110.復号しようとするピクチャ内のCTUの第1の情報をビットストリームから取得し、ここで、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0089】
CUの高さに対する幅の比は、CUの「幅対高さ比」と簡単に呼ばれ得る。CUの幅対高さ比は、CUの高さの値に対する幅の値の比であり得る。幅および高さの値は、画素で表されてもよい。例えば、CUの幅および高さの値は、それぞれ32画素および16画素である(この場合、CUの幅対高さ比は2である)。
【0090】
場合により、CTUは、復号しようとするピクチャ内の1つの特定のCTUであってもよく、この場合、第1の情報は、特定のCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。あるいは、CTUは、復号しようとするピクチャ内の複数のCTUであってもよく、この場合、第1の情報は、複数のCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。換言すれば、第1の情報は、1つのCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示してもよいし、複数のCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示してもよい。
【0091】
場合により、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。最大幅対高さ比は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比であり、最小幅対高さ比は、CTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比である。
【0092】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0093】
具体的には、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容高さ対幅比を示すために使用され得る、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容高さ対幅比を示すために使用され得る、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容高さ対幅比および最小許容幅対高さ比を示すために使用され得る。
【0094】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比(または短辺対長辺比)の許容される値の範囲を示してもよく、幅対高さ比または高さ対幅比が具体的に示されているか否かは考慮されない。具体的には、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容長辺対短辺比を示すために使用され得る。
【0095】
一部の実現可能な実装形態では、代替的に、第1の情報は、CUの高さまたは幅の値の範囲であり得る。例えば、CUの許容される高さはCTUの高さの1/Nであり、ここでNは事前設定された整数であり、CUの許容される幅はCTUの幅の1/Mであり、ここでMは事前設定された整数である。
【0096】
ビットストリームは、符号化側装置またはエンコーダが符号化しようとするピクチャを符号化した後に生成されたビットストリームであり得る。
【0097】
第1の情報は、ビットストリーム中にある、シーケンスパラメータセット(sequence parameter set、SPS)、ピクチャパラメータセット(picture parameter set、PPS)、スライスヘッダ(slice header)、またはスライスセグメントヘッダ(slice segment header)のうちのいずれか1つで運ばれ得る。例えば、第1の情報がシーケンスパラメータセットに含まれる場合、復号しようとするピクチャに
対応するシーケンスパラメータセット内の第1の情報が、復号しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がピクチャパラメータセットに含まれる場合、復号しようとするピクチャに
対応するピクチャパラメータセット内の第1の情報が、復号しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスヘッダに含まれる場合、復号しようとするピクチャ内の各スライスに対応するスライスヘッダ内の第1の情報が、スライス内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスセグメントヘッダに含まれる場合、復号しようとするピクチャ内の各スライスセグメントに対応するスライスセグメントヘッダ内の第1の情報が、スライスセグメント内のすべてのCTUの第1の情報として使用される。
【0098】
120.ビットストリームからCTUの分割情報を取得する。
【0099】
130.第1の情報および分割情報に基づいて、CTUを1つ以上のCUに分割し、ここで、1つ以上のCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲内に含まれ、複数のCUが互いに重ならない。
【0100】
場合により、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップは、1つ以上の処理しようとするCUを取得するために、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割するステップと、第1の情報および分割情報に基づいて、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップと、を含み得る。
【0101】
換言すれば、CTUの分割時に、CTUは、処理しようとするCUを取得するために少なくとも1回まず分割され得る。処理しようとするCUは、互いに重ならず、かつCTUを分割することによって取得されたCUであり、処理しようとするCUは、さらに分割される必要があるCUを含んでいてもよく、またさらに分割される必要のないCUを含んでいてもよい。第1のCUは、処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要があるCUである。
【0102】
場合により、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み得る。第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプのみを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まない。第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、第1の情報および分割情報に基づいて、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップが、第1の情報および第1のCUの分割タイプに基づいて、第1のCUを分割するステップを含む。
【0103】
処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要があるCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、CUの分割方向を示さずに、CUの分割タイプのみを示してもよい。このようにして、分割情報によって占有されるビット数が低減され、それにより占有ビットレートが低減される。
【0104】
分割情報は、CTU内の各判定しようとするCUの分割情報を含み得ることを理解されたい。
【0105】
分割タイプは、非分割、四分木分割タイプ、二分木分割タイプ、および三分木分割タイプのうちの少なくとも2つを含むことができ、分割方向は、水平方向および垂直方向を含むことができる。本明細書における分割タイプは、分割を行う必要があるか否か、またはどの分割タイプを用いるのかを示すものであり、分割を水平方向で行うのか垂直方向で行うのかを示すものではないことを理解されたい。加えて、本明細書における水平方向は、CUの幅と平行な方向とすることができ、垂直方向は、CUの高さと平行な方向とすることができる。四分木分割タイプは比較的特殊であり、分割方向が存在しない。従って、CUの分割タイプが四分木分割タイプである場合、CUの分割情報は、分割方向を示すことなく、CUを四分木分割タイプに従ってさらに分割するか否かだけを示す。
【0106】
第1のCUの分割方向が一意に定まることは、以下のいくつかの場合を含み得る。
【0107】
(1)第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しい。
【0108】
第1の事前設定値は、最大幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最大許容値であり得る。例えば、第1のCUの幅対高さ比は4であり、最大幅対高さ比も4であり、CTUの使用可能分割タイプは、二分木分割タイプおよび/または三分木分割タイプのみを含む。この場合、第1のCUの分割時には、第1のCUは、二分木分割タイプが使用されるか三分木分割タイプが使用されるかに関わらず、垂直方向にしか分割できず、水平方向に分割することができない(分割が水平方向に行われると、幅対高さ比がさらに大きくなるため)。従って、第1のCUの分割情報は、分割方向を含む必要はない。
【0109】
(2)第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しい。
【0110】
第2の事前設定値は、最小幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最小許容値であり得る。例えば、第1のCUの幅対高さ比は1/4であり、最小幅対高さ比も1/4であり、CTUの分割タイプは、二分木分割タイプおよび/または三分木分割タイプのみを含む。この場合も、同様に、第1のCUの分割時には、どの分割タイプが使用されるかに関わらず、第1のCUは、水平方向にのみ分割することができる。従って、同様に、第1のCUの分割情報は、分割方向を含む必要はない。
【0111】
幅対高さ比は、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために、(1)および(2)において例として使用されている。実際には、代替的に、高さ対幅比が、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために使用されてもよい。具体的な指示方式は同様であり、簡潔にするために、ここでは細部を繰り返し説明しない。
【0112】
以下、具体例を参照しながら、上記(1)および(2)の2つの場合を詳細に説明する。
【0113】
例1:第1のCTUの使用可能分割タイプは、二分木分割タイプおよび四分木分割タイプを含む。第1のCTUの分割時、第1のCTUは、四分木分割タイプに従って少なくとも1つの葉ノードCUにまず分割され、四分木葉ノードCUは、二分木分割タイプに従ってさらに分割されてもよいし、分割されなくてもよい。第1のCUは、二分木にさらに分割され得るCUである(具体的には、第1のCUの二分木深さ(BT深さ)は、最大の二分木深さよりも小さく、第1のCUの長辺は、CUの最短辺よりも長い)。第1のCUの幅対高さ比が最大幅対高さ比に等しいときに、第1のCUが二分木分割タイプに従って分割される場合、第1のCUは垂直方向にのみ分割することができ、分割情報は第1のCUの分割方向を含まない。第1のCUの幅対高さ比が最小幅対高さ比に等しいときに、第1のCUが二分木分割タイプに従って分割される場合、第1のCUは水平方向にのみ分割することができ、分割情報は第1のCUの分割方向を含まない。
【0114】
例2:第1のCTUは、四分木分割タイプに従って少なくとも1つの葉ノードCUにまず分割され、四分木葉ノードCUは、二分木分割タイプまたは三分木分割タイプに従ってさらに分割されてもよいし、分割されなくてもよい。第1のCUは、二分木または三分木にさらに分割され得るCUである(具体的には、第1のCUの二分木深さおよび三分木深さ(TT深さ)は、最大の二分木深さおよび最大の三分木深さよりも小さく、第1のCUの長辺は、CUの最短辺よりも長く、CUの二分木深さおよび三分木深さがNであることは、CUが四分木葉ノードCU上でN回の二分木分割または三分木分割を実行することによって取得されることを示す)。第1のCUの幅対高さ比が最大幅対高さ比に等しいときに、第1のCUが二分木分割タイプまたは三分木分割タイプに従ってさらに分割される場合、第1のCUは垂直方向にのみ分割することができ、
第1のCUの分割情報は第1のCUの分割方向を含まない。第1のCUの幅対高さ比が最小幅対高さ比に等しいときに、第1のCUが二分木分割タイプまたは三分木分割タイプに従って分割される場合、第1のCUは水平方向にのみ分割することができ、同様に、
第1のCUの分割情報は第1のCUの分割方向を含まない。
【0115】
場合により、第1のCUの幅対高さ比が最大幅対高さ比よりも小さく、最小幅対高さ比よりも大きい場合、第1のCUの分割情報は、第1のCUの分割タイプおよび分割方向を含む。
【0116】
換言すれば、一部の場合では、第1の情報に基づいて第1のCUの分割方向を一意に定めることができない場合、第1のCUの分割情報は、第1のCUの分割タイプだけでなく、第1のCUの分割方向も含める必要がある。
【0117】
分割情報と第1の情報とに基づいてCTUに含まれる複数のCUを判定するステップは、分割情報と第1の情報とに基づいてCTUを複数のCUに最終的に分割する目標分割方式を判定するステップと、複数の最終的なCUを取得するために、目標分割方式でCTUを分割するステップと、であり得ることを理解されたい。
【0118】
140.1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために1つ以上のCUを復号する。
【0119】
CU復号は、エントロピー復号、逆量子化、逆変換、予測、およびループフィルタリングなどの処理を含む。
【0120】
本出願では、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の
許容される値の範囲は、ビットストリームから取得され、その結果、復号時に値の範囲に基づいていくつかの分割方式が除外され、分割方式を示すために以前に使用されたいくつかの分割情報がビットストリームにおいて省かれ、それによって占有されるビットレートを低減することができる。
【0121】
場合により、
図7の方法は、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップをさらに含む。
【0122】
場合により、
図7の方法は、ビットストリームから第1のフラグ情報を取得するステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含み、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限される、ステップをさらに含む。CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップは、第1のフラグビットの
値に基づいて、CTUを分割することによって取得されたCUが第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップを含む。
【0123】
CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることは、分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が、十分に大きい最大幅対高さ比と十分に小さい最小幅対高さ比との間に含まれることであり得ることを理解されたい。最大幅対高さ比および最小幅対高さ比は予め設定されてもよい。
【0124】
具体的には、ビットストリームが第1のフラグ情報を含む場合、第1のフラグ情報における第1のフラグビットの値がまず判定される必要があり、次いで、第1のフラグビットの値に基づいて、第1の情報を解析するか否かかが判定される必要がある。第1のフラグビットの値が第1の値(例えば、0)である場合、CUの幅対高さ比の値の範囲をCTUの分割時に考慮する必要はない。従って、第1の情報を解析する必要はない。第1のフラグビットの値が第2の値(例えば、1)である場合、CTUの分割時に、CUの幅対高さ比の値の範囲を考慮する必要がある。この場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を判定するために第1の情報を解析する必要がある。
【0125】
代替的に、第1の情報は第2のフラグビットのみを含み得る。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。第1の値の範囲は、
事前設定されたデフォルトの値の範囲であり得る。第3の値および第4の値は、それぞれ0および1、または1および0とすることができる。
【0126】
例えば、第2のフラグビットが0である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比は無制限である。第2のフラグビットが1である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の範囲は、[1/4,4]である(すなわち、幅対高さ比は、1/4以上かつ4以下である)。この場合、第1の値の範囲は、最小幅対高さ比1/4から最大幅対高さ比4までである。
【0127】
上記のビットストリームは、エンコーダまたは符号化側装置が符号化しようとするピクチャを符号化した後に生成されたビットストリームであり得る。
【0128】
加えて、シンタックス要素を用いて、第1の情報を具体的に表現することができ、固定長符号またはゴロム符号を用いて、シンタックス要素を符号化することができ、デコーダ側装置は、第1の情報を取得するためにビットストリームを解析することにより、シンタックス要素の値を取得する。
【0129】
第1の情報がシンタックス要素で表される実装は次のとおりである:長辺対短辺比が、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比の許容される値の範囲を示すために使用される場合、最大長辺対短辺比は、第1の情報を表すシンタックス要素Aを用いることによって取得され得る。例えば、シンタックス要素Aの値が0、1、および2であるとき、最大長辺対短辺比はそれぞれ4、8、および16である、またはシンタックス要素Aの値が0、1、および2であるとき、最大長辺対短辺比はそれぞれ16、8、および4である、またはシンタックス要素Aの値が0、1、2、および3であるとき、最大長辺対短辺比はそれぞれ4、8、16、および
32である。長辺短辺比と1との差が大きいほど矩形が細いことを示し、長辺短辺比と1との差が小さいほど矩形が正方形に近いことを示す。
【0130】
最大幅対高さ比、最小幅対高さ比、最大高さ対幅比、最小高さ対幅比などは、本明細書で第1の情報を表すシンタックス要素Aを用いることによって同様に取得され得ることを理解されたい。
【0131】
第1の情報がシンタックス要素によって表される別の実装は次のとおりである:最大幅対高さ比および最小幅対高さ比が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために特に使用される場合、最大幅対高さ比および最小幅対高さ比は、それぞれ、第1の情報を表すシンタックス要素Aおよびシンタックス要素Bを用いることによって取得され得る。例えば、シンタックス要素Aの値が0、1、および2であるとき、最大幅対高さ比はそれぞれ16、8、および4であり、シンタックス要素Bの値が0、1、および2であるとき、最小幅対高さ比はそれぞれ1/16、1/8、および1/4である。
【0132】
第1の情報がシンタックス要素によって表されるさらに別の実装は次のとおりである:最大幅対高さ比および最小幅対高さ比が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために特に使用される場合、最大幅対高さ比および最小幅対高さ比は、第1の情報を表すシンタックス要素Aを用いることによって取得され得る。例えば、シンタックス要素Aの値0は、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が無制限であることを示し(または、この場合、最大幅対高さ比は64などの十分に大きい値であり、最小幅対高さ比は1/64などの十分に小さい値であると考えられ得る)、シンタックス要素Aの値1は、最大幅対高さ比が4であり、最小幅対高さ比が1/4であることを示し、シンタックス要素Aの値2は、最大幅対高さ比が8であり、最小幅対高さ比が1/8であることを示す。ここで、シンタックス要素Aの値が0の場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲は無制限である。シンタックス要素Aの他の値は異なる値の範囲に対応し、これらの値の範囲は事前設定されてもよい。
【0133】
以上、
図7を参照して、デコーダ側の観点から本出願の本実施形態における復号方法について詳細に説明した。以下、
図8を参照して、エンコーダ側の観点から本出願の一実施形態における符号化方法について説明する。以下で
図8を参照して説明される符号化方法のステップは、
図7を参照して上で説明された復号方法のステップに対応することを理解されたい。簡潔にするために、繰り返しの説明は適宜省略する。
【0134】
図8は、本出願の一実施形態による符号化方法の概略的なフローチャートである。
図8の方法は、エンコーダ側装置、エンコーダ、または符号化機能を有する別の装置によって実行され得る。
図8の方法は、以下のステップを含む。
【0135】
210.符号化しようとするピクチャ内のCTUの第1の情報を取得し、ここで、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0136】
CUの高さに対する幅の比は、CUの「幅対高さ比」と簡単に呼ばれ得る。
【0137】
場合により、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。最大幅対高さ比は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比であり、最小幅対高さ比は、CTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比である。
【0138】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0139】
具体的には、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容高さ対幅比を示すために使用され得る、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容高さ対幅比を示すために使用され得る、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容高さ対幅比および最小許容幅対高さ比を示すために使用され得る。
【0140】
あるいは、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比の許容される値の範囲を示してもよく、幅対高さ比または高さ対幅比が具体的に示されているか否かは考慮されない。具体的には、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容長辺対短辺比を示すために使用され得る。
【0141】
場合により、第1の情報は、符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれ得る。
【0142】
具体的には、シーケンス、ピクチャ、スライス、またはスライスセグメント内のCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲をまず設定することができ(換言すれば、第1の情報がまず判定される)、次いで、第1の情報が、SPS、PPS、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つに書き込まれる。
【0143】
例えば、第1の情報がシーケンスパラメータセットに含まれる場合、符号化しようとするピクチャに
対応するシーケンスパラメータセット内の第1の情報が、符号化しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がピクチャパラメータセットに含まれる場合、符号化しようとするピクチャに
対応するピクチャパラメータセット内の第1の情報が、符号化しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスヘッダに含まれる場合、符号化しようとするピクチャ内の各スライスに対応するスライスヘッダ内の第1の情報が、スライス内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスセグメントヘッダに含まれる場合、符号化しようとするピクチャ内の各スライスセグメントに対応するスライスセグメントヘッダ内の第1の情報が、スライスセグメント内のすべてのCTUの第1の情報として使用される。
【0144】
220.複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定し、ここで、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる。
【0145】
230.1つ以上のCUを取得するために目標分割方式でCTUを分割し、ここで、複数のCUが互いに重ならない。
【0146】
複数の使用可能分割方式のそれぞれが、1つの分割木構造に対応することができ、分割木構造を用いて、CTUを互いに重ならない複数のCUに分割することができる。
図6に示すように、CTUは、
図6の右側に示す分割木構造を用いて、互いに重ならない複数のCU(a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、およびm)に分割される。
【0147】
場合により、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップは、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップを含む。
【0148】
具体的には、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することができ、各分割方式に対応するレート歪コストを
レート歪み最適化アルゴリズムに従って計算し、最小レート歪コストに対応する分割方式をCTUのための目標分割方式として選択する。
【0149】
複数の使用可能分割方式でCTUを分割することは、第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるため、目標の分割方式が
レート歪み最適化アルゴリズムに従って判定されるとき、第1の情報によって示される値の範囲の要件を満たすことができる分割方式のみが考慮される必要がある。これにより、目標分割方式の判定の複雑さが軽減される。
【0150】
240.ビットストリームを取得するために1つ以上のCUを符号化する。
【0151】
本出願の本実施形態では、CTUの符号化時に、第1の情報によって示される値の範囲の要件を満たす複数の分割方式からCTUのための目標分割方式を判定でき、その結果、いくつかの分割方式が符号化中にCTUを分割するために使用されるのを防ぐことができ、それによって目標分割方式を判定するプロセスを単純化し、符号化の複雑さを低減する。
【0152】
場合により、一実施形態では、
図8の方法は、CTUの分割情報を判定するステップであって、分割情報が、目標分割方式を示すために使用される、ステップと、分割情報をビットストリームに書き込むステップと、をさらに含む。
【0153】
目標分割方式を判定した後、エンコーダ側は、目標分割方式を示す分割情報をビットストリームに書き込み、その結果、デコーダ側も復号時にCTUを目標分割方式で分割することができる。
【0154】
場合により、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み得る。1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まない。1つ以上の処理しようとするCUが、CTUを分割することによって取得され、かつさらに分割される必要があり得るCUである。
【0155】
処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要があるCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、CUの分割方向を示さずに、CUの分割タイプのみを示してもよい。このようにして、分割情報によって占有されるビット数が低減され、それにより占有ビットレートが低減される。
【0156】
分割情報は、CTU内の各判定しようとするCUの分割情報を含み得ることを理解されたい。
【0157】
第1のCUの分割方向が一意に定まることは、以下のいくつかの場合を含み得る。
【0158】
(3)第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しい。第1の事前設定値は、最大幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最大許容値であり得る。
【0159】
(4)第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しい。第2の事前設定値は、最小幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最小許容値であり得る。
【0160】
幅対高さ比は、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために、(3)および(4)において例として使用されている。実際には、代替的に、高さ対幅比が、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために使用されてもよい。具体的な指示方式は同様であり、簡潔にするために、ここでは細部を繰り返し説明しない。
【0161】
場合により、
図8の方法は、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップと、第1のフラグ情報をビットストリームに書き込むステップと、をさらに含む。第1のフラグ情報は、第1のフラグビットを含む。第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限される。
【0162】
ビットストリームが第1のフラグ情報を含む場合、第1のフラグ情報における第1のフラグビットの値がまず判定される必要があり、次いで、第1のフラグビットの
値に基づいて、第1の情報を解析するか否かかが判定される必要がある。第1のフラグビットの値が第1の値(例えば、0)である場合、CUの幅対高さ比の値の範囲をCTUの分割時に考慮する必要はない。従って、第1の情報を解析する必要はない。第1のフラグビットの値が第2の値(例えば、1)である場合、CTUの分割時に、CUの幅対高さ比の値の範囲を考慮する必要がある。この場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を判定するために第1の情報を解析する必要がある。
【0163】
代替的に、第1の情報は第2のフラグビットのみを含み得る。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。第1の値の範囲は、
事前設定されたデフォルトの値の範囲であり得る。第3の値および第4の値は、それぞれ0および1、または1および0とすることができる。
【0164】
以上、
図7および
図8を参照して、本出願の実施形態における符号化方法および復号方法について詳細に説明した。以下、
図9および
図10を参照して、本出願の実施形態における符号化方法および復号方法について詳細に説明する。
【0165】
図9は、本出願の一実施形態による復号方法の概略的なフローチャートである。
図9の方法は、デコーダ側装置、デコーダ、または復号機能を有する別の装置によって実行され得る。
図9の方法は、以下のステップを含む。
【0166】
310.復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得し、ここで、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、四分木深さにおける少なくとも1つのCUは、四分木分割タイプに従って、CTUを分割することによって取得されたCUである。
【0167】
CUの高さに対する幅の比は、CUの「幅対高さ比」と簡単に呼ばれ得る。CUの幅対高さ比は、CUの高さの値に対する幅の値の比であり得る。幅および高さの値は、画素で表されてもよい。
【0168】
一部の実現可能な実装では、代替的に、第1の情報は、CUの高さまたは幅の値の範囲であり得る。例えば、CUの許容される高さは以前の四分木深さにあるCUの高さの1/Nであり、ここでNは事前設定された整数であり、CUの許容される幅は以前の四分木深さにあるCUの幅の1/Mであり、ここでMは事前設定された整数である。
【0169】
図7および
図8に示す方法において、第1の情報は、CTU全体を分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示してもよく、
図9に示す方法において、第1の情報は、四分木深さにおける少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すことを理解されたい。
【0170】
一部の実装では、四分木の深さは、実装の一例であり、CTUをCUに反復的に分割するプロセスにおける深さを示し、その深さで別の分割方式で取得されたCU、例えば二分木分割または三分木分割によって取得されたCUにも適用可能であることを理解されたい。
【0171】
320.ビットストリームからCTUの分割情報を取得する。
【0172】
場合により、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0173】
具体的には、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。
【0174】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0175】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの長辺対短辺比(または短辺対長辺比)の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0176】
ビットストリームは、符号化側装置またはエンコーダが符号化しようとするピクチャを符号化した後に生成されたビットストリームであり得る。
【0177】
第1の情報は、ビットストリーム中にある、SPS、PPS、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれ得る。具体的には、第1の情報がSPSに含まれる場合、復号しようとするピクチャに
対応するSPS内の第1の情報が、復号しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がPPSに含まれる場合、復号しようとするピクチャに
対応するPPS内の第1の情報が、復号しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスヘッダに含まれる場合、復号しようとするピクチャ内の各スライスに対応するスライスヘッダ内の第1の情報が、スライス内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスセグメントヘッダに含まれる場合、復号しようとするピクチャ内の各スライスセグメントに対応するスライスセグメントヘッダ内の第1の情報が、スライスセグメント内のすべてのCTUの第1の情報として使用される。
【0178】
330.第1の情報および分割情報に基づいてCTUを分割し、ここで、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された少なくとも1つのCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる。
【0179】
340.1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために1つ以上のCUを復号する。
【0180】
CU復号は、エントロピー復号、逆量子化、逆変換、予測、およびループフィルタリングなどの処理を含む。
【0181】
本出願では、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の
許容される値の範囲は、ビットストリームから取得され、その結果、復号時に値の範囲に基づいていくつかの分割方式が除外され、分割方式を示すために以前に使用されたいくつかの分割情報がビットストリームにおいて省かれ、それによって占有されるビットレートを低減することができる。
【0182】
場合により、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
少なくとも1つのCUに分割するステップは、四分木深さにある少なくとも1つのCUを取得するために、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
少なくとも1つのCUに分割するステップと、第1の情報および分割情報に基づいて、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップと、を含み得る。
【0183】
換言すれば、CTUの分割時に、四分木分割タイプに従って、CTUを四分木深さにある少なくとも1つのCUにまず分割することができ(これは、CTUを四分木深さにある4つのCUに特に分割することができる)、次いで、さらに分割される必要がある四分木深さにあるCUをさらに分割する。
【0184】
例えば、四分木分割タイプに従ってCTUが四分木深さにある4つのCUに分割され、四分木深さにある1つのCUのみがさらに分割される必要がある場合、第1の情報は、さらに分割される必要がある四分木深さにあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示し得る。
【0185】
場合により、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み得る。第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、第1の情報および分割情報に基づいて、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割するステップが、第1の情報および第1のCUの分割タイプに基づいて、第1のCUを分割するステップを含む。
【0186】
処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要があるCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、CUの分割方向を示さずに、CUの分割タイプのみを示してもよい。このようにして、分割情報によって占有されるビット数が低減され、それにより占有ビットレートが低減される。
【0187】
第1のCUの分割方向が一意に定まることは、以下のいくつかの場合を含み得る。
【0188】
(5)第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しい。
【0189】
第1の事前設定値は、最大幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最大許容値であり得る。例えば、第1のCUの幅対高さ比は8であり、最大幅対高さ比も8であり、CTUの使用可能分割タイプは、二分木分割タイプおよび/または三分木分割タイプのみを含む。この場合、第1のCUの分割時には、第1のCUは、二分木分割タイプが使用されるか三分木分割タイプが使用されるかに関わらず、垂直方向にしか分割できず、水平方向に分割することができない(分割が水平方向に行われると、幅対高さ比がさらに大きくなるため)。従って、第1のCUの分割情報は、分割方向を含む必要はない。
【0190】
(6)第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しい。
【0191】
第2の事前設定値は、最小幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最小許容値であり得る。例えば、第1のCUの幅対高さ比は1/8であり、最小幅対高さ比も1/8であり、CTUの分割タイプは、二分木分割タイプおよび/または三分木分割タイプのみを含む。この場合も、同様に、第1のCUの分割時には、どの分割タイプが使用されるかに関わらず、第1のCUは、水平方向にのみ分割することができる。従って、同様に、第1のCUの分割情報は、分割方向を含む必要はない。
【0192】
幅対高さ比は、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために、(5)および(6)における例として使用されている。実際には、代替的に、高さ対幅比が、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために使用されてもよい。具体的な指示方式は同様であり、簡潔にするために、ここでは細部を繰り返し説明しない。
【0193】
場合により、第1のCUの幅対高さ比が最大幅対高さ比よりも小さく、最小幅対高さ比よりも大きい場合、第1のCUの分割情報は、第1のCUの分割タイプおよび分割方向を含む。換言すれば、一部の場合では、第1の情報に基づいて第1のCUの分割方向を一意に定めることができない場合、第1のCUの分割情報は、第1のCUの分割タイプだけでなく、第1のCUの分割方向も含める必要がある。
【0194】
場合により、
図9の方法は、四分木深さにあり、CTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップをさらに含む。
【0195】
場合により、
図9の方法は、ビットストリームから第1のフラグ情報を取得するステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含み、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限される、ステップをさらに含む。四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するステップは、第1のフラグビットの
値に基づいて、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップを含む。
【0196】
従って、ビットストリームが第1のフラグ情報を含む場合、第1のフラグ情報における第1のフラグビットの値がまず判定される必要があり、次いで、第1のフラグビットの値に基づいて、第1の情報を解析するか否かかが判定される必要がある。第1のフラグビットの値が第1の値(例えば、0)である場合、CUの幅対高さ比の値の範囲をCTUの分割時に考慮する必要はない。従って、第1の情報を解析する必要はない。第1のフラグビットの値が第2の値(例えば、1)である場合、CTUの分割時に、CUの幅対高さ比の値の範囲を考慮する必要がある。この場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を判定するために第1の情報を解析する必要がある。
【0197】
場合により、一実施形態では、第1のフラグ情報は複数のフラグサブ情報を含む。複数のフラグサブ情報のうちのいずれか1つが、QT深さにおける少なくとも1つのCUの幅対高さ比の範囲が制限されているか否かを示すために使用される。いずれかのフラグサブ情報の値が第1の値である場合、QT深さにおける少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲は無制限である。いずれかのフラグサブ情報の値が第2の値である場合、QT深さにおける少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲は制限される。
【0198】
代替的に、第1の情報は第2のフラグビットのみを含み得る。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0199】
例えば、第2のフラグビットが0である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比は無制限である。第2のフラグビットが1である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の範囲は、[1/8,8]である(すなわち、幅対高さ比は、1/8に以上かつ8以下である)。この場合、第1の値の範囲は、最小幅対高さ比1/8から最大幅対高さ比8までである。
【0200】
場合により、第1の情報は、CTU内のなんらかのQT深さにあるCU、例えば、CTU内の1以下のQT深さにあるCU、またはCTU内の0より大きいQT深さにあるCU、またはCTU内の2以上のQT深さにあるCU、または0および2に等しいQT深さにあるCUについてのみ有効であり得る。有効なQT深さはデフォルトの値として事前定義されてもよい。例えば、有効なQT深さはデフォルトで0および1である、または有効なQT深さはデフォルトで2以上である。あるいは、有効なQT深さは、ビットストリーム中のシンタックス要素を解析することによって明示的に取得され得る。例えば、ビットストリーム内のシンタックス要素が解析され、シンタックス要素の値0、1、および2はそれぞれ、有効なQT深さが0、0および1、ならびに0、1、および2であることを示す。別の例では、ビットストリーム内の4つの隣接するビットが解析され、第1のビットから第4のビットはそれぞれ、QT深さ0、QT深さ1、QT深さ2、およびQT深さ3が有効であるか否かを示す(0は「無効」を示し、1は「有効」を示す)。
【0201】
場合により、一実施形態では、第1の情報は複数のサブ情報を含む。複数のサブ情報のうちのいずれか1つが、QT深さにおける少なくとも1つのCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0202】
複数のサブ情報は、複数のQT深さと1対1に対応していてもよいし、複数のサブ情報のうちの1つが、少なくとも2つのQT深さに対応していてもよい。
【0203】
例えば、第1の情報は、2つのサブ情報を含む。第1のサブ情報は、QT深さ0にあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、第2のサブ情報は、QT深さ1にあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0204】
別の例では、第1の情報は、2つのサブ情報を含む。第1のサブ情報は、QT深さ0および1にあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、第2のサブ情報は、QT深さが1よりも大きいCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0205】
別の例では、第1の情報は、3つのサブ情報を含む。第1のサブ情報は、QT深さ0にあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、第2のサブ情報は、QT深さ1にあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、第3のサブ情報は、QT深さ2にあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される。
【0206】
第1の情報は、異なるQT深さにあるCUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲をより柔軟に示すために使用することができ、その結果、CTUをより適切に分割することができる。例えば、幅対高さ比の比較的大きな値の範囲が、比較的小さいQT深さにあるCUに対して設定されてもよく、その結果、
CUをより多くの異なる形状のCUに分割すれることができ、幅対高さ比の比較的小さい値の範囲が、比較的大きいQT深さにあるCUに対して設定されてもよく、その結果、
CUをより少ない形状のCUに分割することができ、それによって分割を示すために使用されるビットを削減する。
【0207】
場合により、シンタックス要素を用いて、第1の情報を具体的に表現することができ、固定長符号またはゴロム符号を用いて、シンタックス要素を符号化することができ、デコーダ側装置は、第1の情報を取得するためにビットストリームを解析することにより、シンタックス要素の値を取得する。
【0208】
第1の情報は、1つ以上のシンタックス要素によって表すことができる。例えば、長辺対短辺比が、CTUを分割することによって取得されたCUの長辺対短辺比の許容される値の範囲を示すために使用される場合、最大長辺対短辺比は、第1の情報を表すシンタックス要素Aを用いることによって取得され得る。例えば、シンタックス要素Aの値が0、1、および2であるとき、最大長辺対短辺比はそれぞれ4、8、および16である、またはシンタックス要素Aの値が0、1、および2であるとき、最大長辺対短辺比はそれぞれ16、8、および4である。
【0209】
最大幅対高さ比、最小幅対高さ比、最大高さ対幅比、最小高さ対幅比などは、本明細書で第1の情報を表すシンタックス要素Aを用いることによって同様に取得され得ることを理解されたい。
【0210】
例えば、最大幅対高さ比および最小幅対高さ比が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために特に使用される場合、最大幅対高さ比および最小幅対高さ比は、それぞれ、第1の情報を表すシンタックス要素Aおよびシンタックス要素Bを用いることによって取得され得る。例えば、シンタックス要素Aの値が0、1、および2であるとき、最大幅対高さ比はそれぞれ16、8、および4であり、シンタックス要素Bの値が0、1、および2であるとき、最小幅対高さ比はそれぞれ1/16、1/8、および1/4である。
【0211】
例えば、最大幅対高さ比および最小幅対高さ比が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために特に使用される場合、最大幅対高さ比および最小幅対高さ比は、第1の情報を表すシンタックス要素Aを用いることによって取得され得る。例えば、シンタックス要素Aの値0は、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が無制限であることを示し(または、この場合、最大幅対高さ比は64などの十分に大きい値であり、最小幅対高さ比は1/64などの十分に小さい値であると考えられ得る)、シンタックス要素Aの値1は、最大幅対高さ比が4であり、最小幅対高さ比が1/4であることを示し、シンタックス要素Aの値2は、最大幅対高さ比が8であり、最小幅対高さ比が1/8であることを示す。
【0212】
以上、
図9を参照して、デコーダ側の観点から本出願の本実施形態における復号方法について詳細に説明した。以下、
図10を参照して、エンコーダ側の観点から本出願の一実施形態における符号化方法について説明する。以下で
図10を参照して説明される符号化方法のステップは、
図9を参照して上で説明された復号方法のステップに対応することを理解されたい。簡潔にするために、繰り返しの説明は適宜省略する。
【0213】
図10は、本出願の一実施形態による符号化方法の概略的なフローチャートである。
図10の方法は、エンコーダ側装置、エンコーダ、または符号化機能を有する別の装置によって実行され得る。
図10の方法は、以下のステップを含む。
【0214】
410.符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得し、ここで、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、四分木深さにおける少なくとも1つのCUは、四分木分割タイプに従って、CTUを分割することによって取得されたCUである。
【0215】
場合により、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。
【0216】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの高さ対幅比の許容される値の範囲を示すために使用され得る。
【0217】
あるいは、第1の情報は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの長辺対短辺比の許容される値の範囲を示してもよく、幅対高さ比または高さ対幅比が具体的に示されているか否かは考慮されない。具体的には、第1の情報は、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容長辺対短辺比を示すために使用され得る。
【0218】
場合により、第1の情報は、符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれ得る。
【0219】
具体的には、シーケンス、ピクチャ、スライス、またはスライスセグメント内のCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲をまず設定することができ(換言すれば、第1の情報がまず判定される)、次いで、第1の情報が、SPS、PPS、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つに書き込まれる。
【0220】
例えば、第1の情報がシーケンスパラメータセットに含まれる場合、符号化しようとするピクチャに
対応するシーケンスパラメータセット内の第1の情報が、符号化しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がピクチャパラメータセットに含まれる場合、符号化しようとするピクチャに
対応するピクチャパラメータセット内の第1の情報が、符号化しようとするピクチャ内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスヘッダに含まれる場合、符号化しようとするピクチャ内の各スライスに対応するスライスヘッダ内の第1の情報が、スライス内のすべてのCTUの第1の情報として使用される、または第1の情報がスライスセグメントヘッダに含まれる場合、符号化しようとするピクチャ内の各スライスセグメントに対応するスライスセグメントヘッダ内の第1の情報が、スライスセグメント内のすべてのCTUの第1の情報として使用される。
【0221】
420.複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定し、ここで、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる。
【0222】
430.1つ以上のCUを取得するために目標分割方式でCTUを分割し、ここで、複数のCUが互いに重ならない。
【0223】
場合により、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップは、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するステップを含む。具体的には、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することができ、各分割方式に対応するレート歪コストを
レート歪み最適化アルゴリズムに従って計算し、最小レート歪コストに対応する分割方式をCTUのための目標分割方式として選択する。
【0224】
複数の使用可能分割方式でCTUを分割することは、第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるため、目標の分割方式が
レート歪み最適化アルゴリズムに従って判定されるとき、第1の情報によって示される値の範囲の要件を満たすことができる分割方式のみが考慮される必要がある。これにより、目標分割方式の判定の複雑さが軽減される。
【0225】
440.ビットストリームを取得するために1つ以上のCUを符号化する。
【0226】
本出願の本実施形態では、CTUの符号化時に、第1の情報によって示される値の範囲の要件を満たす複数の分割方式からCTUのための目標分割方式を判定でき、その結果、いくつかの分割方式が符号化中にCTUを分割するために使用されるのを防ぐことができ、それによって目標分割方式を判定するプロセスを単純化し、符号化の複雑さを低減する。
【0227】
場合により、一実施形態では、
図10の方法は、CTUの分割情報を判定するステップであって、分割情報が、目標分割方式を示すために使用される、ステップと、分割情報をビットストリームに書き込むステップと、をさらに含む。
【0228】
場合により、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含むことができ、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まない。
【0229】
処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要があるCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、CUの分割方向を示さずに、CUの分割タイプのみを示してもよい。このようにして、分割情報によって占有されるビット数が低減され、それにより占有ビットレートが低減される。
【0230】
第1のCUの分割方向が一意に定まることは、以下のいくつかの場合を含み得る。
【0231】
(7)第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しい。第1の事前設定値は、最大幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最大許容値であり得る。
【0232】
(8)第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しい。第2の事前設定値は、最小幅対高さ比、すなわち、第1の情報によって示される、CUの幅対高さ比の最小許容値であり得る。
【0233】
幅対高さ比は、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために、(7)および(8)において例として使用されていることを理解されたい。実際には、代替的に、高さ対幅比が、第1のCUの分割方向が一意に定まることを示すために使用されてもよい。具体的な指示方式は同様であり、簡潔にするために、ここでは細部を繰り返し説明しない。
【0234】
場合により、
図10の方法は、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、ビットストリームに第1のフラグ情報を書き込むステップであって、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含む、ステップと、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることを判定するステップ、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するステップと、をさらに含む。
【0235】
代替的に、第1の情報は第2のフラグビットのみを含み得る。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。第3の値および第4の値は、それぞれ0および1、または1および0とすることができる。
【0236】
以上、
図1〜
図10を参照して、本出願の実施形態における符号化方法および復号方法について詳細に説明した。以下、
図11〜
図14を参照して、本出願の実施形態における符号化装置および復号装置について説明する。
【0237】
図11〜
図14に示す符号化装置および復号装置は、
図7〜
図10に示す符号化方法および復号方法の各ステップをそれぞれ実行することができることを理解されたい。簡潔にするために、繰り返しの説明は適宜省略する。
【0238】
図11は、本出願の一実施形態による復号装置の概略的なブロック図である。
図11の復号装置1100は、
復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得し、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ように構成される取得モジュール1110であって、
取得モジュール1110が、CTUの分割情報をビットストリームから取得するようにさらに構成される、取得モジュール1110と、
第1の情報および分割情報に基づいて、CTUを1つ以上のCUに分割し、1つ以上のCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲内に含まれ、複数のCUが互いに重ならない、ように構成される処理モジュール1120であって、
処理モジュール1120が、1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、1つ以上のCUを復号するようにさらに構成される、処理モジュール1120と、
を備える。
【0239】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1120が、1つ以上の処理しようとするCUを取得するために、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを分割し、第1の情報および分割情報に基づいて、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割する、ように特に構成される。
【0240】
場合により、一実施形態では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、
処理モジュール1120が、第1の情報および第1のCUの分割タイプに基づいて、第1のCUを分割するように特に構成される。
【0241】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0242】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0243】
場合により、一実施形態では、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。
【0244】
場合により、一実施形態では、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
少なくとも1つのCUに分割することの前に、処理モジュール1120が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するようにさらに構成される。
【0245】
場合により、一実施形態では、取得モジュール1110が、ビットストリームから第1のフラグ情報を取得し、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含み、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることが判定される、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることが判定される、ようにさらに構成される。処理モジュール1120が、第1のフラグビットの
値に基づいて、CTUを分割することによって取得されたCUが第1の情報によって示される値の範囲によって制限されるか否かを判定するように特に構成される。
【0246】
場合により、一実施形態では、第1の情報が第2のフラグビットを含む。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0247】
場合により、一実施形態では、第1の情報は、ビットストリーム中にある、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0248】
図12は、本出願の一実施形態による符号化装置の概略的なブロック図である。
図12の符号化装置1200は、
符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得し、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用される、ように構成される取得モジュール1210と、
複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定し、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる、ように構成される処理モジュールで1220あって、
処理モジュール1220が、1つ以上のCUを取得するために目標分割方式でCTUを分割し、複数のCUが互いに重ならない、ようにさらに構成され、
処理モジュール1220が、ビットストリームを取得するために1つ以上のCUを符号化するようにさらに構成される、処理モジュール1220と、
を備える。
【0249】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1220が、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するように特に構成される。
【0250】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1220が、CTUの分割情報を判定し、分割情報が、目標分割方式を示すために使用され、分割情報をビットストリームに書き込む、ようにさらに構成される。
【0251】
場合により、一実施形態では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、1つ以上の処理しようとするCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、1つ以上の処理しようとするCUが、CTUを分割することによって取得される。
【0252】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0253】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0254】
場合により、一実施形態では、第1の情報が、CTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、またはCTUを分割することによって取得されたCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。
【0255】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1220が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定し、第1のフラグ情報をビットストリームに書き込み、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含み、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることが判定される、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることが判定される、ようにさらに構成される。
【0256】
場合により、一実施形態では、第1の情報が第2のフラグビットを含む。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0257】
場合により、一実施形態では、第1の情報は、ビットストリーム中にあり、かつ符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0258】
図13は、本出願の一実施形態による復号装置の概略的なブロック図である。
図13の復号装置1300は、
復号しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報をビットストリームから取得し、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、四分木深さにある少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従ってCTUを分割することによって取得されるCUである、ように構成される取得モジュール1310であって、
取得モジュール1310が、CTUの分割情報をビットストリームから取得するようにさらに構成される、取得モジュール1310と、
第1の情報および分割情報に基づいて、CTUを
1つ以上のCUに分割し、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる、ように構成される処理モジュール1320であって、
処理モジュール1320が、1つ以上のCUの再構成された画素を取得するために、1つ以上のCUを復号するようにさらに構成される、処理モジュール1320と、
を備える。
【0259】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1320が、四分木深さにある少なくとも1つのCUを取得するために、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを分割し、第1の情報および分割情報に基づいて、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUを分割する、ように特に構成される。
【0260】
場合により、一実施形態では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まず、処理モジュール1320が、第1の情報および第1のCUの分割タイプに基づいて、第1のCUを分割するように特に構成される。
【0261】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0262】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0263】
場合により、一実施形態では、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。
【0264】
場合により、一実施形態では、第1の情報および分割情報に基づいてCTUを
1つ以上のCUに分割することの前に、処理モジュール1320が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された少なくとも1つのCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定するようにさらに構成される。
【0265】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1320が、ビットストリームから第1のフラグ情報を取得し、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含み、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることが判定される、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることが判定され、第1のフラグビットの
値に基づいて、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定する、ようにさらに構成される。
【0266】
場合により、一実施形態では、第1の情報が第2のフラグビットを含む。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0267】
場合により、一実施形態では、第1の情報は、ビットストリーム中にある、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0268】
図14は、本出願の一実施形態による符号化装置の概略的なブロック図である。
図14の符号化装置1400は、
符号化しようとするピクチャ内の符号化ツリーユニットCTUの第1の情報を取得し、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の許容される値の範囲を示すために使用され、四分木深さにある少なくとも1つのCUが、四分木分割タイプに従ってCTUを分割することによって取得されるCUである、ように構成される取得モジュール1410と、
複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定し、複数の使用可能分割方式でCTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比が、第1の情報によって示される値の範囲内に含まれる、ように構成される処理モジュール1420であって、
処理モジュール1420が、1つ以上のCUを取得するために目標分割方式でCTUを分割し、複数のCUが互いに重ならない、ようにさらに構成され、
処理モジュール1420が、ビットストリームを取得するために1つ以上のCUを符号化するようにさらに構成される、処理モジュール1420と、
を備える。
【0269】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1420が、レート歪み最適化アルゴリズムに従って、複数の使用可能分割方式からCTUのための目標分割方式を判定するように特に構成される。
【0270】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1420が、CTUの分割情報を判定し、分割情報が、目標分割方式を示すために使用され、分割情報をビットストリームに書き込む、ようにさらに構成される。
【0271】
場合により、一実施形態では、分割情報は、分割タイプおよび分割方向のうちの少なくとも1つを含み、四分木深さにある少なくとも1つのCUにおいてさらに分割される必要がある第1のCUの分割方向が一意に定まる場合、分割情報は、第1のCUの分割タイプを含み、かつ第1のCUの分割方向を含まない。
【0272】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第1の事前設定値に等しいことであって、第1の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最大許容値である、ことを含む。
【0273】
場合により、一実施形態では、第1のCUの分割方向が一意に定まることは、第1のCUの幅対高さ比が第2の事前設定値に等しいことであって、第2の事前設定値が、CTUを分割することによって取得されたCUの幅対高さ比の事前設定された最小許容値である、ことを含む。
【0274】
場合により、一実施形態では、第1の情報が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最小許容幅対高さ比を示すために使用される、または四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの最大許容幅対高さ比および最小許容幅対高さ比を示すために使用される。
【0275】
場合により、一実施形態では、処理モジュール1420が、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることを判定し、ビットストリームに第1のフラグ情報を書き込み、第1のフラグ情報が第1のフラグビットを含み、第1のフラグビット
の値が第1の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限であることが判定される、または第1のフラグビット
の値が第2の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比が第1の情報によって示される値の範囲によって制限されることが判定される、ようにさらに構成される。
【0276】
場合により、一実施形態では、第1の情報が第2のフラグビットを含む。第2のフラグビット
の値が第3の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が無制限である、または第2のフラグビット
の値が第4の値である場合、四分木深さにあり、かつCTUを分割することによって取得された、少なくとも1つのCUの幅対高さ比の値の範囲が事前設定された第1の値の範囲である。
【0277】
場合により、一実施形態では、第1の情報は、ビットストリーム中にあり、かつ符号化しようとするピクチャに対応する、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、スライスヘッダ、またはスライスセグメントヘッダのうちのいずれか1つで運ばれる。
【0278】
図15〜図
17を参照して、以下、符号化および復号装置、ならびに符号化装置と復号装置とを備える符号化および復号システムについて詳細に説明する。
【0279】
図15および
図16は、映像符号化および復号装置(apparatus)50(または映像符号化および復号機能を有する電子装置(device))の概略図である。本装置または電子装置は、本出願の符号化装置および復号装置におけるデコーダに組み込まれてもよい。以下、添付の図面を参照して、
図15および
図16のユニットを説明する。
【0280】
符号化および復号装置50は、無線通信システムにおける移動端末またはユーザ機器であり得る。本出願の実施形態は、映像ピクチャを符号化および/または復号することを必要とし得る任意の電子装置(device)または装置(apparatus)において実施され得ることを理解されたい。
【0281】
符号化および復号装置50は、装置に組み込まれ、装置を保護するように構成されたハウジング30と、ディスプレイ32(具体的には液晶ディスプレイであり得る)と、キーパッド34と、を備え得る。符号化および復号装置は、マイクロフォン36または任意の適切な音声入力を備えることができ、音声入力は、デジタルまたはアナログ信号入力であり得る。符号化および復号装置50は、以下の音声出力装置をさらに備えていてもよい。本出願の本実施形態では、音声出力装置は、以下、すなわち、ヘッドセット38、スピーカ、およびアナログ音声もしくはデジタル音声出力接続のうちのいずれか1つであり得る。符号化および復号装置50はまた、バッテリ40を備え得る。本出願の別の実施形態では、装置は、太陽電池、燃料電池、または機械式発電装置などの任意の適切なモバイルエネルギー装置によって電力を供給されてもよい。本装置は、別の装置との近距離見通し内通信のために使用される赤外線ポート42をさらに備え得る。別の実施形態では、符号化および復号装置50は、Bluetooth(登録商標)無線接続またはUSB/ライブワイヤ有線接続などの任意の適切な近距離通信ソリューションをさらに備え得る。
【0282】
符号化および復号装置50は、符号化および復号装置50を制御するように構成されたコントローラ56またはプロセッサを備え得る。コントローラ56は、メモリ58に接続することができる。本出願の本実施形態では、メモリは、ピクチャデータおよび音声データを記憶してもよい、および/またはコントローラ56上で実行される命令を記憶してもよい。コントローラ56は、コントローラ56を用いて、音声および/または映像データを符号化および復号するのに適したコーデック54にさらに接続され得る。
【0283】
符号化および復号装置50は、ユーザ情報を提供するように構成され、かつネットワーク認証およびユーザ認証に使用される認証情報を提供するのに適したカードリーダ48およびスマートカード46、例えばユニバーサル集積回路カード(Universal Integrated Circuit Card、UICC)およびUICCリーダをさらに備え得る。
【0284】
符号化および復号装置50は、無線インターフェース回路52をさらに備えることができ、無線インターフェース回路は、コントローラに接続され、例えばセルラ通信ネットワーク、無線通信システム、または無線ローカルエリアネットワークと通信するために使用される無線通信信号を生成するのに適している。符号化および復号装置50は、アンテナ44をさらに備え、アンテナは、無線インターフェース回路52によって生成された無線周波数信号を1つ以上の他の装置に送信し、1つ以上の他の装置から無線周波数信号を受信するために、無線インターフェース回路52に接続される。
【0285】
本出願の一部の実施形態では、符号化および復号装置50は、単一フレームを記録または検出することができるカメラを備え、コーデック54またはコントローラは、単一フレームを受信し処理する。本出願の一部の実施形態では、符号化および復号装置50は、データを送信および/または記憶する前に、別の装置から処理しようとする映像ピクチャデータを受信することができる。本出願の一部の実施形態では、符号化および復号装置50は、無線または有線接続を介してピクチャを受信し、そのピクチャを符号化/復号するように構成され得る。
【0286】
図17は、本出願の一実施形態による映像符号化および復号システム10の概略的なブロック図である。
図17に示すように、映像符号化および復号システム10は、送信元装置12と送信先装置14とを備える。送信元装置12は、符号化映像データを生成し、従って、送信元装置12は、映像符号化装置(apparatus)または映像符号化装置(device)と呼ばれ得る。送信先装置14は、送信元装置12によって生成された符号化映像データを復号することができ、従って、送信先装置14は、映像復号装置(apparatus)または映像復号装置(device)と呼ばれ得る。送信元装置12および送信先装置14は、映像符号化および復号装置(apparatus)または映像符号化および復号装置(device)の一例であり得る。送信元装置12および送信先装置14は、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピューティング装置、ノートブックコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ)、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、スマートフォンなどの手持ち用装置、テレビ、カメラ、表示装置、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲーム機、車載コンピュータ、または別の類似の装置を含み得る。
【0287】
送信先装置14は、チャネル16を使用することによって、送信元装置12からの符号化映像データを受信し得る。チャネル16は、送信元装置12から送信先装置14へ符号化映像データを移動することができる1つ以上の媒体および/または装置を含み得る。例えば、チャネル16は、送信元装置12が符号化映像データを送信先装置14にリアルタイムで直接送信することを可能にする1つ以上の通信媒体を含み得る。この例では、送信元装置12は、通信規格(例えば、無線通信プロトコル)に従って符号化映像データを変調し、変調された映像データを送信先装置14に送信することができる。1つ以上の通信媒体は、無線周波数(RF)スペクトルまたは1つ以上の物理伝送線などの無線通信媒体および/または有線通信媒体を含むことができる。1つ以上の通信媒体は、パケットベースのネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、またはグローバルネットワーク(インターネットなど))の一部を形成し得る。1つ以上の通信媒体は、ルータ、スイッチ、基地局、または送信元装置12から送信先装置14への通信を容易にする別の装置を含み得る。
【0288】
別の例では、チャネル16は、送信元装置12によって生成された符号化映像データを記憶する記憶媒体を含み得る。この例では、送信先装置14は、ディスクアクセスまたはカードアクセスを介して記憶媒体にアクセスすることができる。記憶媒体は、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD、CD−ROM、およびフラッシュメモリなどの複数のローカルアクセスデータ記憶媒体、または符号化映像データを記憶するための他の適切なデジタル記憶媒体を含むことができる。
【0289】
別の例では、チャネル16は、送信元装置12によって生成された符号化映像データを記憶するファイルサーバ
または中間記憶装置を含み得る。この例では、送信先装置14は、ファイルサーバ
または中間記憶装置に記憶されている符号化映像データにストリーミング送信またはダウンロードを介してアクセスすることができる。ファイルサーバは、符号化映像データを記憶することができ、符号化映像データを送信先装置14に送信することができるサーバであり得る。例えば、ファイルサーバは、(例えば、ウェブサイトに使用される)ウェブサーバ、ファイル転送プロトコル(FTP)サーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)装置、およびローカルハードディスクドライブを含み得る。
【0290】
送信先装置14は、標準のデータ接続(例えば、インターネット接続)を介して符号化映像データにアクセスすることができる。データ接続の例は、無線チャネル(例えば、Wi−Fi(登録商標)接続)、有線接続(例えば、DSLまたはケーブルモデム)、またはファイルサーバに記憶された符号化映像データにアクセスするのに適したそれらの組み合わせを含む。符号化映像データは、ストリーミング送信、ダウンロード送信、またはそれらの組み合わせを介してファイルサーバから送信され得る。
【0291】
本出願における符号化方法および復号方法は、無線アプリケーションのシナリオに限定されない。例えば、符号化方法および復号方法は、以下のアプリケーション、すなわち、地上波テレビ放送、ケーブルTV伝送、衛星TV伝送、(例えばインターネットを介した)ストリーミング伝送映像伝送、データ記憶媒体に記憶された映像データの符号化、またはデータ記憶媒体に記憶された映像データの復号などの複数のマルチメディアアプリケーションをサポートする映像符号化および復号に適用することができる。一部の例では、映像符号化および復号システム10は、映像ストリーミング伝送、映像再生、映像放送、および/または映像電話通信などのアプリケーションをサポートするために、単方向または双方向映像伝送をサポートするように構成され得る。
【0292】
図17の例では、送信元装置12は、映像ソース18と、映像エンコーダ20と、出力インターフェース22と、を備える。一部の例では、出力インターフェース22は、変調器/復調器(モデム)および/または送信機を含み得る。映像ソース18は、映像撮像装置(例えば、ビデオカメラ)、以前に撮影された映像データを含む映像ファイル、映像コンテンツプロバイダから映像データを受信するように構成された映像入力インターフェース、および/または映像データを生成するように構成されたコンピュータグラフィックシステム、または上記の映像データソースの組み合わせを含み得る。
【0293】
映像エンコーダ20は、映像ソース18からの映像データを符号化し得る。一部の例では、送信元装置12は、出力インターフェース22を使用することによって符号化映像データを送信先装置14に直接送信する。符号化映像データはまた、記憶媒体またはファイルサーバに記憶され、その結果、送信先装置14は、その後、復号および/または再生のために映像データにアクセスすることができる。
【0294】
図17の例では、送信先装置14は、入力インターフェース28と、映像デコーダ30と、表示装置32と、を備える。一部の例では、入力インターフェース28は、受信機および/またはモデムを含む。入力インターフェース28は、チャネル16を使用することによって符号化映像データを受信することができる。表示装置32は、送信先装置14と一体化されていてもよいし、送信先装置14の外部にあってもよい。一般に、表示装置32は、復号された映像データを表示する。表示装置32は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別の種類の表示装置などの複数の表示装置を含むことができる。
【0295】
映像エンコーダ20および映像デコーダ30は、映像圧縮標準(例えば、H.265
高能率映像符号化標準)に従って動作することができ、HEVCテストモデル(HM)に準拠し得る。H.265標準のテキスト記述ITU−T H.265(V3)(2015年4月)は、2015年4月29日にリリースされ、http://handle.itu.int/11.1002/1000/12455からダウンロードでき、このファイルのすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0296】
本出願において提供される実装では、「Aに対応するB」は、BがAに関連付けられ、かつBがAに基づいて判定され得ることを示すことを理解されたい。しかしながら、Aに基づいてBを判定することは、BがAのみに基づいて判定されることを意味するものではなく、Bは、Aおよび/または他の情報に基づいて判定されてもよいことも理解されたい。
【0297】
当業者であれば、本明細書で開示した各実施形態において説明した例と組み合わせて、電子的ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子的ハードウェアとの組み合わせによって、ユニットおよびアルゴリズムステップを実施してよいことを承知しているはずである。機能をハードウェアで行うかソフトウェアで行うかは、技術的解決策の具体的なアプリケーションと設計制約条件とによって決まる。当業者は、異なる方法を使用して、それぞれの具体的なアプリケーションに対して、説明された機能を実施できるが、こうした実施が、本出願の範囲を超えるものであるとみなすべきではない。
【0298】
当業者であれば、説明を簡便にする目的で、上記のシステム、装置およびユニットの詳細な動作プロセスについては、上記方法実施形態における対応するプロセスを参照することを明確に理解するはずであり、ここでは細部を繰り返し説明しない。
【0299】
本出願において提供されるいくつかの実施形態においては、本開示のシステム、装置、および方法を他のやり方で実装することもできることを理解されたい。例えば、説明された装置実施形態は単なる例に過ぎない。例えば、ユニットの分割は単なる論理的機能分割に過ぎず、実際の実装に際しては他の分割も可能である。例えば、複数のユニットもしくはコンポーネントが組み合わされ、または統合されて別のシステムになる場合もあり、いくつかの特徴が無視されたり実行されなかったりする場合もある。加えて、表示された、または論じられた相互結合または直接結合または通信接続を、いくつかのインターフェースを使用して実現することもできる。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電気的形態、機械的形態、または他の形態として実現することができる。
【0300】
別々の部品として記述されたユニットは物理的に分離している場合もそうでない場合もあり、ユニットとして表示された部品は、物理的ユニットである場合もそうでない場合もあり、一箇所に位置する場合もあり、複数のネットワークユニット上に分散される場合もある。ユニットの一部または全部を、各実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に応じて選択することもできる。
【0301】
加えて、本出願の実施形態における機能ユニットが1つの処理ユニットへ統合される場合もあり、ユニットのそれぞれが物理的に独立して存在する場合もあり、または少なくとも2つのユニットが1つのユニットへ統合される場合もある。
【0302】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、独立した製品として販売される場合、機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。そうした理解に基づき、本出願の技術解決策を本質的に、または従来技術に寄与する部分を、または技術的な解決策の一部を、ソフトウェア製品の形態で実現することができる。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶されており、(パーソナルコンピュータ、サーバ、もしくはネットワーク装置などとすることができる)コンピュータデバイスに、本出願の各実施形態で記述されている方法のステップの全部または一部を実行するよう命令するためのいくつかの命令を含む。上記記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、取り外し可能ハードディスク、読取り専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、光ディスクといった、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0303】
上記の説明は、単に本出願の具体的な実装に過ぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願において開示された技術的範囲内に含まれ、当業者によって容易に想到される、あらゆる変形や置き換えは、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に属する。