特許第6746134号(P6746134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6746134
(24)【登録日】2020年8月7日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】ドアストッパー
(51)【国際特許分類】
   E05C 17/56 20060101AFI20200817BHJP
   E05C 17/46 20060101ALI20200817BHJP
   E05C 1/06 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
   E05C17/56
   E05C17/46
   E05C1/06 A
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-164342(P2016-164342)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-31195(P2018-31195A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】592062725
【氏名又は名称】株式会社システックキョーワ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】足立 昌巳
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−26172(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3136212(JP,U)
【文献】 特開2008−057224(JP,A)
【文献】 特開2004−232269(JP,A)
【文献】 特開2003−049574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/00 − 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉するドアに取り付けられ、前記ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、前記ドアの開閉を阻止するドアストッパーであって、
前記ドアに取り付けられるケースと、
前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、前記ドアの開閉を規制する前記磁石と、
前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、
前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して前記係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して前記係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材と、からなり、
前記係止部材は、
前記ストッパー板の係止開口に挿通する係止突起を有し、
前記ケースの底壁と前記係止突起の隙間は、前記ストッパー板の先端が挿通できるように形成され、
前記規制部材は、規制位置において、前記ストッパー板の前記係止開口に前記係止突起を挿通させた状態の前記ストッパー板の動きを規制し、非規制位置において、前記ストッパー板の前記係止開口から前記係止突起を外した状態の前記ストッパー板の動きを規制しないように構成されていることを特徴とするドアストッパー。
【請求項2】
前記係止部材は、
前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板の先端を係止する係止凸部と、
前記係止凸部の下部に設けられ、前記ストッパー板の先端下部が接触するアーム部と、
前記アーム部の先端に設けられ、前記ストッパー板の係止開口に挿通する係止突起と、
からなることを特徴とする請求項1記載のドアストッパー。
【請求項3】
前記ケース及び前記規制部材の一方には係合部が設けられ、前記ケース及び前記規制部材の他方には前記係合部と係合する第1の被係合部及び第2の被係合部が設けられ、
前記規制部材は、前記係合部と前記第1の被係合部が係合すると、非規制位置で位置決めされ、前記係合部と前記第2の被係合部が係合すると、規制位置で位置決めされることを特徴とする請求項1又は2記載のドアストッパー。
【請求項4】
開閉するドアに取り付けられ、前記ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、前記ドアの開閉を阻止するドアストッパーであって、
前記ドアに取り付けられるケースと、
前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、前記ドアの開閉を規制する前記磁石と、
前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、
前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して前記係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して前記係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材と、からなり、
前記ケース及び前記規制部材の一方には係合部が設けられ、前記ケース及び前記規制部材の他方には前記係合部と係合する第1の被係合部及び第2の被係合部が設けられ、
前記規制部材は、前記係合部と前記第1の被係合部が係合すると、非規制位置で位置決めされ、前記係合部と前記第2の被係合部が係合すると、規制位置で位置決めされることを特徴とするドアストッパー。
【請求項5】
前記係合部及び前記被係合部の一方は係合凸部であり、前記係合部及び前記被係合部の他方は係合凹部であることを特徴とする請求項3又は4記載のドアストッパー。
【請求項6】
前記規制部材は、前記ケースに摺動可能に取り付けられたカバーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のドアストッパー。
【請求項7】
開閉するドアに取り付けられ、前記ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、前記ドアの開閉を阻止するドアストッパーであって、
前記ドアに取り付けられるケースと、
前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、前記ドアの開閉を規制する前記磁石と、
前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、
前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して前記係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して前記係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材と、からなり、
前記規制部材は、前記ケースに摺動可能に取り付けられたカバーであることを特徴とするドアストッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ドアの所定位置に取り付けられ、ドアを開くと、床面に設けられた金属製のストッパー板に係止され、ドアの開閉を規制するドアストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のドアストッパーは、開閉するドアに取り付けられ、床面に設けられたストッパー装置に係止されてドアの回転を規制する。ストッパー装置は、床面に固定された基台と、基台に回動可能に取り付けられた金属製のストッパー板とからなる。従来のドアストッパーは、開閉するドアに取り付けられるケースを有し、ケース内には磁石が設けられている。従来のドアストッパーは、ドアを開閉してケースがストッパー装置の上方に位置すると、磁石がストッパー板を引き上げてケースの底壁に当接させてドアの開閉を規制する(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
従来のドアストッパーは、上記したように、ドアを開くと、ドアに取り付けたケースの磁石が、床面に設けられたストッパー装置のストッパー板を引き上げてケースの底壁に当接させ、ドアがこれ以上開くのを規制するが、さらに、ドアを開いた状態で保持することができるものがあった。ドアを開いた状態で保持するドアストッパーは、ケースにロック部材が設けられている。このロック部材は、ケースに設けられた操作部材の操作によって、ケースの底壁から出没する(例えば、特許文献3、4)。
【0004】
ロック部材は、ケースの底壁から突出すると、磁石の磁力により底壁に引き上げられたストッパー板の係止開口を挿通し、ストッパー板を係止してドアを開いた状態で保持する。また、ロック部材は、ケース内に没入すると、磁石の磁力により底壁に引き上げられたストッパー板の係止開口から離脱し、ストッパー板の係止を解除してドアの閉じる方向への回動が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2983530号公報
【特許文献2】特許第2990601号公報
【特許文献3】特許第3553818号公報
【特許文献4】特許第3477154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、従来のドアストッパーは、金属製のストッパー板を磁石により引き上げてケースの底壁に当接させ、ロック部材をケースの底壁から突出させてストッパー板を係止する構成であるが、ストッパー板を磁石により引き上げているだけなので、ストッパー板が下方に回動して底壁から離れる可能性がある。ストッパー板が底壁から離れる可能性として、磁石の磁力の低下の場合、ストッパー板に磁石の磁力以上の負荷がかかった場合、底壁とストッパー板の間に物が詰まった場合等がある。ストッパー板が下方に回動して底壁から離れると、ロック部材からストッパー板が外れて係止が解除され、ドアの開いた状態が保持されなくなり、ドアが回動してしまうという問題点があった。
【0007】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、金属製のストッパー板を係止している状態において、ストッパー板の動きを規制し、ストッパー板の係止を解除できないようにした、従来にない新規な構成のドアストッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、開閉するドアに取り付けられ、前記ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、前記ドアの開閉を阻止するドアストッパーであって、前記ドアに取り付けられるケースと、前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、前記ドアの開閉を規制する前記磁石と、前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して前記係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して前記係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材と、からなり、前記係止部材は、前記ストッパー板の係止開口に挿通する係止突起を有し、前記ケースの底壁と前記係止突起の隙間は、前記ストッパー板の先端が挿通できるように形成され、前記規制部材は、規制位置において、前記ストッパー板の前記係止開口に前記係止突起を挿通させた状態の前記ストッパー板の動きを規制し、非規制位置において、前記ストッパー板の前記係止開口から前記係止突起を外した状態の前記ストッパー板の動きを規制しないように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、前記係止部材は、前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板の先端を係止する係止凸部と、前記係止凸部の下部に設けられ、前記ストッパー板の先端下部が接触するアーム部と、前記アーム部の先端に設けられ、前記ストッパー板の係止開口に挿通する係止突起と、からなることを特徴とする。更に、本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、前記ケース及び前記規制部材の一方には係合部が設けられ、前記ケース及び前記規制部材の他方には前記係合部と係合する第1の被係合部及び第2の被係合部が設けられ、前記規制部材は、前記係合部と前記第1の被係合部が係合すると、非規制位置で位置決めされ、前記係合部と前記第2の被係合部が係合すると、規制位置で位置決めされることを特徴とする。
【0010】
本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、開閉するドアに取り付けられ、前記ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、前記ドアの開閉を阻止するドアストッパーであって、前記ドアに取り付けられるケースと、前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、前記ドアの開閉を規制する前記磁石と、前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して前記係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して前記係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材と、からなり、前記ケース及び前記規制部材の一方には係合部が設けられ、前記ケース及び前記規制部材の他方には前記係合部と係合する第1の被係合部及び第2の被係合部が設けられ、前記規制部材は、前記係合部と前記第1の被係合部が係合すると、非規制位置で位置決めされ、前記係合部と前記第2の被係合部が係合すると、規制位置で位置決めされることを特徴とする。
【0011】
本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、前記係合部及び前記被係合部の一方は係合凸部であり、前記係合部及び前記被係合部の他方は係合凹部であることを特徴とする。更に、本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、前記規制部材は、前記ケースに摺動可能に取り付けられたカバーであることを特徴とする。
【0012】
本願発明に係るドアストッパーは、上記目的を達成するため、開閉するドアに取り付けられ、前記ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、前記ドアの開閉を阻止するドアストッパーであって、前記ドアに取り付けられるケースと、前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、前記ドアの開閉を規制する前記磁石と、前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して前記係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して前記係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材と、からなり、前記規制部材は、前記ケースに摺動可能に取り付けられたカバーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係るドアストッパーは、開閉するドアに取り付けられ、ドアが開閉して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方に位置すると、当該ストッパー板を磁石によって引き寄せて係合し、ドアの開閉を阻止する。本願発明に係るドアストッパーは、ドアに取り付けられるケースと、前記ケースに設けられ、前記ストッパー板を引き寄せて前記ケースの底壁に当接させ、ドアの開閉を規制する磁石と、前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板を係止する係止部材と、前記ケースに設けられ、前記係止部材側に移動して係止部材とで前記ストッパー板の動きを規制する規制位置と、反係止部材側に移動して係止部材から離間し前記ストッパー板の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材とからなる。
【0014】
本願発明に係るドアストッパーは、開閉するドアに取り付けられ、規制部材を非規制位置に移動させておく。ドアを開く方向に回動して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方にケースが位置すると、ストッパー板が磁石によって引き寄せられてケースに係合し、ドアの開く方向への回転を阻止し、ドアの閉じる方向への回転を阻止しないようにすることできる。非規制位置では、規制部材が係止部材から離間しており、ストッパー板が係止部材に係止された形態となっている。
【0015】
本願発明に係るドアストッパーは、ケースの係止部材にストッパー板を係止している状態の時に、規制部材を規制位置に移動させると、規制部材と係止部材とでストッパー板の動きを規制するので、ストッパー板の係止を解除することができなくなり、ドアの閉じる方向への回転も阻止され、ドアの開いた状態が保持されることになる。本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を非規制位置に移動させると、規制部材と係止部材とでストッパー板の動きを規制しなくなり、ストッパー板の係止を解除することができるようになり、ドアを閉じる方向へ回転させることができる。本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を規制位置に移動させると、規制部材と係止部材とでストッパー板の動きを規制するので、ストッパー板が係止部材から離れることがなく、ストッパー板の係止が解除不能になるという効果がある。
【0016】
本願発明に係るドアストッパーは、前記ケース及び前記規制部材の一方には係合部が設けられ、前記ケース及び前記規制部材の他方には前記係合部と係合する第1の被係合部及び第2の被係合部が設けられている。前記規制部材は、前記係合部と前記第1の被係合部が係合すると、非規制位置で位置決めされ、前記係合部と前記第2の被係合部が係合すると、規制位置で位置決めされる。
【0017】
本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を移動して、前記ケース及び前記規制部材の一方に設けられた係合部を、前記ケース及び前記規制部材の他方に設けられた第1の被係合部に係合すると、規制部材が非規制位置で位置決めされる。本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を移動して、前記ケース及び前記規制部材の一方に設けられた係合部を、前記ケース及び前記規制部材の他方に設けられた第2の被係合部に係合すると、規制部材が規制位置で位置決めされる。このように、本願発明に係るドアストッパーは、確実に切り替え動作をさせることができるという効果がある。
【0018】
本願発明に係るドアストッパーは、前記係合部及び前記被係合部の一方は係合凸部であり、前記係合部及び前記被係合部の他方は係合凹部である。
【0019】
本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を移動して、前記ケース及び前記規制部材の一方に設けられた係合凸部を、前記ケース及び前記規制部材の他方に設けられた第1の係合凹部に係合すると、規制部材が非規制位置で位置決めされる。本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を移動して、前記ケース及び前記規制部材の一方に設けられた係合凸部を、前記ケース及び前記規制部材の他方に設けられた第2の係合凹部に係合すると、規制部材が規制位置で位置決めされる。このように、本願発明に係るドアストッパーは、係合部及び被係合部の一方を係合凸部とし、係合部及び被係合部の他方を係合凹部とすることにより、一層確実に切り替え動作をさせることができるという効果がある。
【0020】
本願発明に係るドアストッパーは、前記係止部材が、前記ケースの底壁に設けられ、前記ストッパー板の先端を係止する係止凸部と、前記係止凸部の下部に設けられ、前記ストッパー板の先端下部が接触するアーム部と、前記アーム部の先端に設けられ、前記ストッパー板の係止開口に挿通する係止突起とからなる。前記ケースの底壁と前記係止突起の隙間は、ストッパー板の先端が挿通できるように形成されている。前記規制部材は、規制位置において、前記ストッパー板の係止開口に前記係止突起を挿通させた状態のストッパー板の動きを規制し、非規制位置において、前記ストッパー板の係止開口から前記係止突起を外した状態のストッパー板の動きを規制しないように構成されている。
【0021】
本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を非規制位置に移動させておく。ドアを開く方向に回動して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板の上方にケースが位置すると、ストッパー板の先端が磁石によって引き寄せられてケースの底壁に摺接する。ストッパー板の先端は、ケースの底壁と係止突起の隙間を通過して、係止凸部に係止される。このように、本願発明に係るドアストッパーは、ストッパー板に係止されて、ドアの開く方向への回転が阻止される。しかし、ドアの閉じる方向への回転は阻止されていないので、ドアを閉じる方向へ回動することができる。非規制位置では、ストッパー板が係止部材の係止凸部に係止される形態となっており、ドアの開く方向への回動は阻止されるが、規制部材が係止部材から離間しているので、ドアの閉じる方向への回動は阻止されない。
【0022】
本願発明に係るドアストッパーは、係止部材の係止凸部にストッパー板の先端を係止している状態の時に、規制部材を規制位置に移動させると、 規制部材がストッパー板を磁石の磁力に抗してケースの底壁から離れる方向に移動させ、ストッパー板の先端下部を係止部材のアーム部に接触させ、ストッパー板の係止開口に係止部材の係止突起を挿通させる。規制部材は、この状態のストッパー板の動きを規制するので、ストッパー板の係止を解除することができなくなり、ドアの閉じる方向への回転も阻止され、ドアの開いた状態が保持されることになる。
【0023】
本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を規制位置に移動させると、ストッパー板の先端を係止部材と規制部材によって完全に保持し、ストッパー板の動きを完全に規制するので、ストッパー板が係止部材から外れることがなく、ストッパー板の係止が解除不能になるという効果がある。本願発明に係るドアストッパーは、規制部材を非規制位置に移動させると、係止開口から係止突起が外れ、ストッパー板の動きが規制されなくなり、ストッパー板の係止を解除することができるようになり、ドアを閉じる方向へ回動させることができる。
【0024】
本願発明に係るドアストッパーは、前記規制部材が前記ケースに摺動可能に取り付けられたカバーであると、操作性が向上し、デザイン面に優れ、部品点数が少なくなり、機能的で安価の構成にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願発明に係るドアストッパーの一実施例を示す分解斜視図である。
図2図1の組立斜視図である。
図3図2の内部を説明する図であって、(a)が斜視断面図、(b)が側面断面図である。
図4図1のドアストッパーのケースを説明する図であって、(a)が正面側斜視図、(b)が背面側斜視図である。
図5図4のケースを説明する図であって、(a)が正面図、(b)が左側面図、(c)が右側面図、(d)がA−A断面図、(e)が背面図、(f)が平面図、(g)が底面図である。
図6図1のドアストッパーのカバーを説明する図であって、(a)が正面側斜視図、(b)が背面側斜視図である。
図7図6のカバーを説明する図であって、(a)が正面図、(b)が左側面図、(c)が右側面図、(d)がA−A断面図、(e)が背面図、(f)が平面図、(g)が底面図である。
図8図1のドアストッパーの動きを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願発明に係るドアストッパーの概要について説明する。ドアストッパー11は、図2に示すように、開閉するドアDに取り付けられ、ドアDが開閉して、図8(b)に示すように、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板3の上方に位置すると、当該ストッパー板3を磁石21によって引き寄せて係合し、図8(c)に示すように、ドアDの開閉を阻止する。ドアストッパー11は、図1,3に示すように、ドアDに取り付けられるケース12と、前記ケース12に設けられ、前記ストッパー板3を引き寄せて前記ケース12の底壁25に当接させ、ドアDの開閉を規制する磁石21と、前記ケース12の底壁25に設けられ、前記ストッパー板3を係止する係止部材40と、前記ケース12に設けられ、前記係止部材40側に移動して係止部材40とで前記ストッパー板3の動きを規制する規制位置と、反係止部材40側に移動して係止部材40から離間し前記ストッパー板3の動きを規制しない非規制位置に移動可能となるように構成された規制部材41とからなる。
【0027】
ドアストッパー11は、開閉するドアDに取り付けられ、図8(a)に示すように、規制部材41を非規制位置に移動させておく。図8(b)に示すように、ドアDを開く方向Aに回動して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板3の上方にケース12が位置すると、ストッパー板3が磁石21によって引き寄せられてケース12に係合し、ドアDの開く方向Aへの回転を阻止し、ドアDの閉じる方向Bへの回転を阻止しないようにすることできる。非規制位置では、規制部材41が係止部材40から離間しており、ストッパー板3が係止部材40に係止された形態となっている。
【0028】
ドアストッパー11は、ケース12の係止部材40にストッパー板3を係止している状態の時に、図8(d)に示すように、規制部材41を規制位置に移動させると、規制部材41と係止部材40とでストッパー板3の動きを規制するので、ストッパー板3の係止を解除することができなくなり、ドアDの閉じる方向Bへの回転も阻止され、ドアDの開いた状態が保持されることになる。
【0029】
ドアストッパー11は、図8(e)に示すように、規制部材41を非規制位置に移動させると、規制部材41と係止部材40とでストッパー板3の動きを規制しなくなり、ストッパー板3の係止を解除することができるようになるので、ドアDを閉じる方向Bへ回転させることができる。ドアストッパー11は、規制部材41を規制位置に移動させると、規制部材41と係止部材40とでストッパー板3の動きを規制するので、ストッパー板3が係止部材40から離れることがなく、ストッパー板3の係止が解除不能になる一方、規制部材41を非規制位置に移動させると、規制部材41と係止部材40とでストッパー板3の動きを規制しなくなるので、ストッパー板3の係止が解除可能になる。
【0030】
ドアストッパー11は、図4に示すように、前記ケース12及び前記規制部材41の一方に係合部31,32が設けられ、図6に示すように、前記ケース12及び前記規制部材41の他方に前記係合部31,32と係合する第1の被係合部53,54及び第2の被係合部55,56が設けられている。前記規制部材41は、前記係合部31,32と前記第1の被係合部53,54が係合すると、非規制位置で位置決めされ、前記係合部31,32と前記第2の被係合部55,56が係合すると、規制位置で位置決めされる。
【0031】
ドアストッパー11は、規制部材41を移動して、前記ケース12及び前記規制部材41の一方に設けられた係合部31,32を、前記ケース12及び前記規制部材41の他方に設けられた第1の被係合部53,54に係合すると、規制部材41が非規制位置で位置決めされる。また、ドアストッパー11は、規制部材41を移動して、前記ケース12及び前記規制部材41の一方に設けられた係合部31,32を、前記ケース12及び前記規制部材41の他方に設けられた第2の被係合部55,56に係合すると、規制部材41が規制位置で位置決めされる。このように、ドアストッパー11は、確実に切り替え動作をさせることができる。
【0032】
ドアストッパー11は、前記係合部31,32及び前記被係合部53〜56の一方が係合凸部であり、前記係合部31,32及び前記被係合部53〜56の他方が係合凹部であることが望ましい。
【0033】
即ち、ドアストッパー11は、規制部材41を移動して、前記ケース12及び前記規制部材41の一方に設けられた係合凸部31,32を、前記ケース12及び前記規制部材41の他方に設けられた第1の係合凹部53,54に係合すると、規制部材41が非規制位置で位置決めされる。また、ドアストッパー11は、規制部材41を移動して、前記ケース12及び前記規制部材41の一方に設けられた係合凸部31,32を、前記ケース12及び前記規制部材41の他方に設けられた第2の係合凹部55,56に係合すると、規制部材41が規制位置で位置決めされる。このように、ドアストッパー11は、係合部31,32及び被係合部53〜56の一方を係合凸部とし、係合部31,32及び被係合部53〜56の他方を係合凹部とすることにより、一層確実に切り替え動作をさせることができる。
【0034】
ドアストッパー11は、図5に示すように、前記係止部材40が、前記ケース12の底壁25に設けられ、前記ストッパー板3の先端3bを係止する係止凸部26と、前記係止凸部26の下部に設けられ、前記ストッパー板3の先端3b下部が接触するアーム部24と、前記アーム部24の先端に設けられ、前記ストッパー板3の係止開口5に挿通する係止突起27とからなる。前記ケース12の底壁25と前記係止突起27の隙間Hは、ストッパー板3の先端3bが挿通できるように形成されている。前記規制部材41は、図8(d)に示すように、規制位置において、前記ストッパー板3の係止開口5に前記係止突起27を挿通させた状態のストッパー板3の動きを規制し、図8(e)に示すように、非規制位置において、前記ストッパー板3の係止開口5から前記係止突起27を外した状態のストッパー板3の動きを規制しないように構成されている。
【0035】
ドアストッパー11は、図8(a)に示すように、規制部材41を非規制位置に移動させておく。図8(b)に示すように、ドアDを開く方向Aに回動して、床面に回動可能に設けられた金属製のストッパー板3の上方にケース12が位置すると、ストッパー板3の先端3bが磁石21によって引き寄せられてケース12の底壁25に摺接する。図8(c)に示すように、ストッパー板3の先端3bは、ケース12の底壁25と係止突起27の隙間を通過して、係止凸部26に係止される。このように、ドアストッパー11は、ストッパー板3に係止されて、ドアDの開く方向Aへの回転が阻止される。しかし、ドアDの閉じる方向Bへの回転は阻止されていないので、ドアDを閉じる方向Bへ回動することができる。
【0036】
ドアストッパー11は、非規制位置では、図8(c)に示すように、ストッパー板3が係止部材40の係止凸部26に係止される形態となっており、ドアDの開く方向Aへの回動は阻止されるが、規制部材41が係止部材40から離間しているので、ドアDの閉じる方向Bへの回動は阻止されない。即ち、ストッパー板3の先端3bは、磁石21の磁力により底壁25に当接しており、非係止位置にあるため、係止凸部26には係止されるが、係止突起27には係止されず、ドアDの開く方向Aへの回動は阻止されるが、ドアDの閉じる方向Bへの回動は阻止されない。
【0037】
図8(d)に示すように、ドアストッパー11は、係止部材40の係止凸部26にストッパー板3の先端3bが係止している状態の時に、規制部材41を規制位置に移動させると、 規制部材41がストッパー板3を磁石21の磁力に抗してケース12の底壁25から離れる方向に移動させ、ストッパー板3の先端3b下部を係止部材40のアーム部24に接触させ、ストッパー板3の係止開口5に係止部材40の係止突起27を挿通させる。規制部材41は、この状態のストッパー板3の動きを規制するので、ストッパー板3の係止を解除することができなくなり、ドアDの閉じる方向Bへの回転も阻止され、ドアDの開いた状態が保持されることになる。即ち、ストッパー板3の先端3bは、磁石21の磁力に抗して押し下げられて底壁25から離間しており、係止位置にあるため、係止凸部26及び係止突起27に係止され、ドアDの開く方向A及び閉じる方向Bへの回動が阻止される。
【0038】
ドアストッパー11は、図8(d)に示すように、規制部材41を規制位置に移動させると、ストッパー板3の先端3bを係止部材40と規制部材41によって完全に保持し、ストッパー板3の動きを完全に規制するので、ストッパー板3が係止部材40から外れることがなく、ストッパー板3の係止が解除不能になる。ドアストッパー11は、規制部材41を非規制位置に移動させると、係止開口5が係止突起27から外れ、ストッパー板3の動きが規制されなくなり、ストッパー板3の係止を解除することができるので、ドアDを閉じる方向Bへ回動させることができる。
【0039】
ドアストッパー11は、規制部材41がケース12に摺動可能に取り付けられたカバーであると、操作性が向上し、デザイン面に優れ、部品点数が少なくなり、機能的で安価の構成にすることができる。
【0040】
さらにドアストッパーについて詳細に説明する。ドアストッパー11は、図2に示すように、開閉するドアDに取り付けられ、ドアDが開閉して、床面に設けられたストッパー装置1の上方に位置すると、ストッパー装置1の金属製のストッパー板3に係止されてドアDの開閉を規制する。このストッパー装置1は、図1に示すように、床面にネジ、接着剤等によって固定される基台2と、基台2に回動可能に取り付けられた金属製のストッパー板3と、基台2を覆うカバー4とからなる。ストッパー板3は、板状に形成され、一方に係止開口5が形成されている。金属製のストッパー板3は、カバー4に形成された矩形状凹部6内に収納されており、他方端3aに形成された軸7が基台2に形成された軸受け部8,8に回動可能に取り付けられている。
【0041】
図1に示すように、ドアストッパー11は、ケース12と、ケース12に摺動可能に取り付けられたカバー41とを有する。ケース12は、図4,5に示すように、合成樹脂によって一体成形され、背面壁13と、背面壁13の正面側略中央の位置であって、背面壁13と略直角に設けられた中央壁15とを有する。中央壁15は、矩形体状に形成されている。中央壁15の左面15aには、背面壁13と略直角の水平壁16が形成されている。また、中央壁15の右面15b下部には、背面壁13と略直角の磁石収納部17が形成されている。磁石収納部17は、略矩形体状に形成され、内部に略直方体状の磁石収納室19が形成されている。背面壁13には、磁石収納室19と連通する開口20が形成され、図1に示すように、開口20から直方体状の磁石21を磁石収納室19内に収納することができる。
【0042】
中央壁15の下端22と磁石収納部17の下端23は、略平面状に連続し、ケース12の底壁25を構成する。底壁25は、後方から前方に向かって下降傾斜しており、磁石収納室19も同様に下降傾斜している。図4,5に示すように、ケース12の底壁25から背面壁13の下部26が突出し、この突出部(下部)26が係止凸部を形成する。
【0043】
係止凸部26の下部略中央には、アーム部材24が形成されている。アーム部材24は、背面壁13と略直角に設けられ、補強のため三角状のリブ24A,24Bが背面壁13に連接されて設けられている。アーム部材24の先端には、係止突起27が形成されている。係止突起27は、底壁25側(上方)に突出し、前部にテーパ27Aが形成され、後部にテーパ27Bが形成されている。テーパ27Aは、前部から後部に向かって上昇傾斜しており、テーパ27Bは、前部から後部に向かって下降傾斜している。テーパ27Aとテーパ27Bの連結点が頂点27Cを形成し、ケース12の底壁25と係止突起27の頂点27Cとの間の隙間Hが、ストッパー板3の先部が挿通できる程度に形成されている。前記係止凸部26とアーム部材24と係止突起27によって、ストッパー板3の係止部材40を構成する。
【0044】
前記中央壁15には、上下方向に向かって貫通したガイド路28が形成されている。ガイド路28の左右両側には、中央壁15の左右側面が切り欠かれて係合片29,30が形成されている。係合片29,30の上部外側には、係合爪(係合凸部)31,32が形成されている。係合片29,30の下部内側には、係止段部33,34が設けられている。
【0045】
前記中央壁15の正面略中間部には、前後方向に向かって連通孔35が形成されている。連通孔35は、上下方向に縦長に形成され、外部から中央壁15の正面を貫通してガイド路28内に連通している。背面壁13の上部両側には、縦長のネジ挿通穴36,37が形成されている。背面壁13の上端には、被覆板39が設けられている。背面壁13の裏面両側には、略L字状の段凹部14,18が形成されている。
【0046】
カバー41は、ケース12と同様に合成樹脂素材によって形成され、図6,7に示すように、正面板42と、正面板42の左端に略直角に設けられた左面板43と、正面板42の右端に略直角に設けられた右面板44と、正面板42、左面板43及び右面板44の上端に設けられた上面板45とからなる。上面板45は、正面(前部)から背面(後部)に向かって肉厚が厚くなり、上面46が背面(後部)に向かって上昇傾斜している。左面板43の後端縁には、内側に向かって左係合縁47が形成され、右面板44の後端縁には、内側に向かって右係合縁48が形成されている。左係合縁47は、前記ケース12の背面壁13に形成された左段凹部18に摺動可能に係合する。右係合縁48は、前記ケース12の背面壁13に形成された右段凹部14に摺動可能に係合する。
【0047】
正面板42の裏面及び上面板45の下面には、一対のガイド壁51,52が形成されている。一対のガイド壁51,52の間隔は、前記ケース12の中央壁15の幅と略同じに形成され、左側のガイド壁51によって中央壁15の左面15aが案内され、右側のガイド壁52によって中央壁15の右面15bが案内される。左側のガイド壁51及び右側のガイド壁52は、中空状に形成されており、対向する内側の面には、略中央に第1の係合凹部53,54が形成され、上部に第2の係合凹部55,56が形成されている。第1の係合凹部53,54は短く形成され、第2の係合凹部55,56は長く形成されている。
【0048】
左側のガイド壁51に形成された第1の係合凹部53及び第2の係合凹部55には、ケース12の中央壁15の左面15aに形成された係合爪(係合凸部)31が係合する。右側のガイド壁52に形成された第1の係合凹部54及び第2の係合凹部56には、ケース12の中央壁15の右面15bに形成された係合爪(係合凸部)32が係合する。カバー41は、第1の係合凹部53,54が中央壁15の係合爪(係合凸部)31,32に係合すると、ケース12に位置決めされる。カバー41は、第2の係合凹部55,56が中央壁15の係合爪(係合凸部)31,32に係合すると、第2の係合凹部55,56内の上端55a,56aと下端55b,56bに係合爪(係合凸部)31,32が当接する範囲で係合爪(係合凸部)31,32が上下動可能であり、カバー41がケース12に上下方向に摺動可能となる。
【0049】
カバー41は、正面板42の裏面左下部に、断面コ字状の補助部材49が設けられている。補助部材49は、カバー41をケース12に取り付けた際、ケース12の背面壁13正面に当接し、カバー41とケース12の位置関係を保持する。また、正面板42の裏面略中央には、一対のガイド壁51,52間に位置して係止軸58が形成されている。係止軸58は、ケース12の中央壁15の連通孔35を挿通してガイド路28内に突出する。
【0050】
ドアストッパー11は、上記構成を有し、次のようにしてドアDに取り付けられる。ケース12の磁石収納室19に開口20から磁石21を収納する。ケース12の背面壁13をドアDの所定位置に接触させ、ネジ挿通穴36,37に図示しないネジを挿通してドアDにねじ込み、ケース12をドアDに固定する。
【0051】
カバー41をケース12に取り付ける。カバー41は、左係合縁47がケース12の背面壁13に形成された左段凹部18に摺動可能に係合し、右係合縁48が背面壁13に形成された右段凹部14に摺動可能に係合して、ケース12に上下動可能に取り付けられる。カバー41は、第1の係合凹部53,54又は第2の係合凹部55,56が中央壁15の係合爪(係合凸部)31,32に係合する。図3に示すように、カバー41に形成され係止軸58が、ケース12の中央壁15の連通孔35を挿通してガイド路28内に突出する。このようにして、ドアストッパー11は、ドアDに取り付けられる。
【0052】
カバー41は、第1の係合凹部53,54を係合爪(係合凸部)31,32に係合すると、図8(a)に示すように、正面板42の下端42a、左面板43の下端43a、右面板44の下端44aがケース12の底壁25よりも上方に位置し、ケース12の底壁25と係止突起27の頂点27Cとの間の隙間Hが開放されている。この位置は、ストッパー板3の先端3bが規制されずに隙間Hを通過することができ、カバー41の非規制位置となる。
【0053】
カバー41は、第2の係合凹部55,56を係合爪(係合凸部)31,32に係合すると、図8(d)に示すように、正面板42の下端42a、左面板43の下端43a、右面板44の下端44aがケース12の底壁25よりも下方に位置し、ケース12の底壁25と係止突起27の頂点27Cとの間の隙間Hが塞がれている。この位置は、ストッパー板3の先端3bが規制されて隙間Hを通過することができず、カバー41の規制位置となる。従って、カバー41は、ストッパー板3の動きを規制する規制部材として機能する。
【0054】
ドアストッパー11は、次のようにして使用することができる。カバー41を上方に引き上げて、第1の係合凹部53,54をケース12の係合爪(係合凸部)31,32に係合させる。カバー41は、正面板42の下端42a、左面板43の下端43a、右面板44の下端44aがケース12の底壁25よりも上方に位置し(非規制位置)、ケース12の底壁25と係止突起27の頂点27Cとの間の隙間Hが開放されている。
【0055】
ドアストッパー11は、図8(a)に示すように、ドアDを開いてケース12がストッパー装置1の上方に位置すると、図8(b)に示すように、ケース12内の磁石21の磁力によってストッパー板3が引き上げられ、ストッパー板3の先端3bがケース12の底壁25に当接する。カバー41の正面板42の下端42a、左面板43の下端43a及び右面板44の下端44aがケース12の底壁25から突出していないので、ストッパー板3の先端3bが底壁25に沿って摺接する。
【0056】
ストッパー板3の先端3bは、係止部材40内に底壁25と係止突起27の間の隙間Hから進入し、図8(c)に示すように、係止凸部26に当接すると、ドアDの回転が阻止され、それ以上開くことはない。係止部材40の進入側には、係止突起27にテーパ27Aが形成されているので、ストッパー板3の先端3bを隙間Hへスムーズに案内する。ドアDは、開く方向Aへの回動がストッパー板3によって阻止されるが、閉じる方向Bへの回動がストッパー板3によって阻止されないので、閉じることができる。即ち、ストッパー板3の先端3bは、底壁25に当接しており、係止部材40の係止突起27に係止されない非係止位置(非規制位置)にあり、隙間Hから進入・進出することが可能な状態になっている。
【0057】
図8(d)に示すように、カバー41を下方(規制位置)に押し下げ、第2の係合凹部55,56をケース12の係合爪(係合凸部)31,32に係合させる。正面板42の下端42a、左面板43の下端43a及び右面板44の下端44aがケース12の底壁25から下方に突出し、ストッパー板3の先端3b上部を磁石21の磁力に抗して押し下げる。ストッパー板3の係止開口5内に係止突起27が挿通し、ストッパー板3の先端3b下部がアーム部材24に接触する。なお、磁石21の磁力により、ストッパー板3が上方に引き寄せられており、ストッパー板3にカバー41が押し上げられて、カバー41も上方に移動しようとするが、第2の係合凹部55,56の下端55b,56bがケース12の係合爪(係合凸部)31,32に圧接係合するので、カバー41の規制位置は保持される。
【0058】
ストッパー板3の先端3bは、カバー41の下端43a,44aに当接し、係止凸部26と係止突起27間に位置する。ドアDを閉じようとすると、ストッパー板3の係止開口5の縁部5aに係止突起27が係止するため、ドアDを閉じることができない。このように、ドアストッパー11は、係止凸部26と係止突起27により、ドアDの開閉方向の回動を完全に阻止することができる。即ち、ストッパー板3の先端3bは、磁石21の磁力に抗して底壁25から離間しており、係止部材40の係止突起27に係止される係止位置(規制位置)にあり、隙間Hから進入・進出することが不可能な状態になっている。カバー41は、正面板42の下端42a、左面板43の下端43a、右面板44の下端44aがケース12の底壁25よりも下方に位置し(規制位置)、ケース12の底壁25と係止突起27の頂点27Cとの間の隙間Hが塞がれる。
【0059】
ドアDは、図8(d)に示すように、開く方向Aへの回動が、ストッパー板3の先端3bが係止凸部26に当接するので、ストッパー板3によってドアDの回転が阻止され、それ以上開くことはない。また、ドアDは、閉じる方向Bへの回動が、ストッパー板3の係止開口5の縁部5aが係止突起27に当接するので、ストッパー板3によってドアDの回転が阻止され、それ以上閉じることはない。このように、ドアDは、開く方向A及び閉じる方向Bへの回動がストッパー板3によって阻止され、開いた状態が保持されている。なお、磁石21の磁力により、ストッパー板3が上方に引き寄せられており、カバー41も上方に移動しようとするが、第2の係合凹部55,56の下端55b,56bがカバー41の係合爪(係合凸部)31,32に圧接係合するので、ケース12の規制位置は保持される。また、第2の係合凹部55,56は、第1の係合凹部53,54より長く形成されているが、第1の係合凹部53,54と同様に短く形成されていても構わない。係る場合、カバー41は、第2の係合凹部55,56が中央壁15の係合爪(係合凸部)31,32に係合すると、ケース12に位置決めされる。
【0060】
図8(e)に示すように、カバー41を上方に引き上げて、第1の係合凹部53,54をケース12の係合爪(係合凸部)31,32に係合させる。正面板42の下端42a、左面板43の下端43a及び右面板44の下端44aがケース12の底壁25から上方に位置する。カバー41は、正面板42の下端42a、左面板43の下端43a、右面板44の下端44aがケース12の底壁25よりも上方に位置し(非規制位置)、ケース12の底壁25と係止突起27の頂点27Cとの間の隙間Hが開放される。ストッパー板3の先端3b上部が磁石21の磁力により引き寄せられてケース12の底壁25に当接する。ストッパー板3の係止開口5から係止突起27が外れる。ストッパー板3は、先端3bが係止突起27から外れて非係止位置に移動し、ドアDの閉じる方向Bへの回動を阻止しなくなり、ドアDを閉じることができる。
【0061】
ドアDは、開く方向Aへの回動がストッパー板3によって阻止されるが、閉じる方向Bへの回動がストッパー板3によって阻止されないので、閉じることができる。ドアDを閉じると、ストッパー板3の先端3bが、係止部材40内に底壁25と係止突起27の間の隙間Hから進出し、図8(a)に示すように、ドアDの回転が阻止されることなく閉じられる。係止部材40の進出側には、係止突起27にテーパ27Bが形成されているので、ストッパー板3の先端3bを隙間Hへスムーズに案内する。
【0062】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、ドアの所定位置に取り付けられ、ドアを開くと、床面に設けられた金属製のストッパー板に係止され、ドアの開閉を規制するドアストッパーに利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
D ドア、H 隙間、1 ストッパー装置、3 ストッパー板、3b 先端、5 係止開口、11 ドアストッパー、12 ケース、19 磁石収納室、21 磁石、 24 アーム部材(アーム部)、25 底壁、26 突出部(係止凸部、下部)、27 係止突起、31 係合爪(係合部、係合凸部)、32 係合爪(係合部、係合凸部)、33 係止段部、34 係止段部、40 係止部材、41 カバー(規制部材)、51 ガイド壁、52 ガイド壁、53 第1の係合凹部(第1の被係合部)、54 第1の係合凹部(第1の被係合部)、55 第2の係合凹部(第2の被係合部)、56 第2の係合凹部(第2の被係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8