【実施例】
【0017】
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。
図1は本発明の棒状寿司の包装方法を示す工程概要説明図、
図2は棒状寿司の包装方法を示す分解斜視図、
図3から
図8は本発明の棒状寿司の包装方法を示す工程説明図、
図9から
図13は棒状寿司の開封手順を示す説明図である。
【0018】
図2は、本発明方法に使用するフィルムシートより構成した包装フィルムを示す。すなわち、裸の棒状寿司本体Bを食する時に海苔シートCを巻くことができるように構成した棒状寿司本体Bの包装用の長方形シートDと、長方形シートDの長辺側縁から外方に延出形成するように長方形シートDに貼着自在とした端面包皮片Eとよりなる。
【0019】
長方形シートDは、扁平袋状に形成されており、外側シート2の中央横方向に切欠した切欠部11を有し内部には海苔シートCを収納している。この長方形シートDで棒状寿司本体Bを包装するように構成している。すなわち、裸の棒状寿司本体Bを長方形シートD上に載置して寿司周面を該シートDで巻回して店頭に縦定置状態で陳列可能な包装形態としている。
【0020】
端面包皮片Eは、長方形シートDの長辺側縁から外方に延出形成されており、予め長方形シートDは別体に作成しておき、包装工程の中途、すなわち、長方形シートDで棒状寿司本体Bを巻回包装する前段階で長方形シートDに貼着することにより、長方形シートDの長辺側縁から延出形成する。
【0021】
他実施例としては、扁平袋状の長方形シートDを形成するとき予め長方形シートDに一体延出状に溶着しておくこともできる。
【0022】
端面包皮片Eは、長方形シートDの短幅員に沿って裸の棒状寿司本体Bを載置し、長方形シートDを外周面で巻回する際に、棒状寿司本体Bの両端面を包皮するために用いる。すなわち、棒状寿司Aの全外周をフィルムシートによる長方形シートD及び端面包皮片Eにより包装した形態とする。
【0023】
このような長方形シートDと端面包皮片Eとで包装する裸の棒状寿司本体Bは、酢味の扁平飯の上面に納豆やシーチキンや野菜等の具材を載置して丸くくるむことにより全体棒状の形態としたものである。
【0024】
図1及び
図3から
図8に基づき長方形シートDと端面包皮片Eとにより裸の棒状寿司本体Bを包装する工程について説明する。
【0025】
図1に示すように海苔シートCを内包した扁平袋状の長方形シートDは長手方向に直列に並列して搬送される。その中途で長方形シートDの長辺側縁から延出するように棒状寿司本体Bに端面包皮片Eを貼着する。
【0026】
図3に示すように、棒状寿司本体Bの端面を被覆するシート状の端面包皮片E上に棒状寿司本体Bを載置する。
【0027】
図4に示すように、シート状の端面包皮片Eの両端部を折り曲げて、棒状寿司本体Bの端面を被覆する。なお、端面包皮片Eの長手方向の中央には、棒状寿司Aを食する際に、長方形シートDと共に端面包皮片Eを抜き取り易くするためのミシン目が形成されている。すなわち、端面包皮片Eはミシン目から上下に2分されて分離されることとなる。
【0028】
図5に示すように、棒状寿司本体Bの端面をシート状の端面包皮片Eで被覆したまま長方形シートD上に載置する。
【0029】
図6に示すように、シート状の端面包皮片Eを棒状寿司本体Bの形状にあわせて折り曲げる。
【0030】
図7に示すように、棒状寿司本体Bを端面包皮片Eで包みつつ長方形シートDでさらに外側を包み込むように巻回する。
【0031】
また、長方形シートDの二長辺側縁のそれぞれに棒状寿司本体Bの端面を被覆可能な大きさの端面包皮片Eを貼着するようにしてもよい。
【0032】
長方形シートDと端面包皮片Eは
図7に示すような形状となって裸の棒状寿司本体Bを外周面及び両端面を包皮する。
【0033】
従って、
図1に示すように海苔シートCと内包の長方形シートDは、従来の工程と同様に海苔シートCを内包しながら扁平袋状の長方形シートDを形成し、かかる長方形シートDは直列に長手方向に並列して搬送されるため、その搬送形態は長方形のシート形成工程の流れと対応して、円滑にかつ迅速に搬送作業が行われる。よって、包装工程において、長方形シートDを長手方向に並列して搬送できるため、従来の工程と比べて、時間あたりの包装効率を向上することができる。
【0034】
しかも、その途中で別途作成した端面包皮片Eを延出状に貼着する工程を加えるだけであるため、具体的には無理のない長方形シートDの直列搬送中途において端面包皮片Eを貼着して棒状寿司本体Bを載置巻回することができる。
【0035】
このように、両端縁に端面包皮片Eを突出した長方形シートD面上に棒状寿司本体Bを載置して長方形シートDをまるめることにより、棒状寿司本体Bの外周面を長方形シートDが包装した状態とすると共に、同時に、或いはその前段階において端面包皮片Eを折込んで棒状寿司本体Bの両端面を包皮した状態とする。この状態では、長方形シートDの両端部内に折り込むことにより棒状寿司本体Bの全周面がフィルムシートで包装された形態となる(
図8参照)。
【0036】
従って、扁平袋状の長方形シートD中へ海苔シートC内包工程の延長工程において端面包皮片Eを形成しながら、棒状寿司本体Bの端面包皮が可能となる。
【0037】
包装完了した棒状寿司Aは、店頭陳列時には、立った状態となるように長方形シートDを丸める際には長方形シートDの下側縁が端面包皮片Eよりもやや下方に環状に突出するように構成する。このように長方形シートDがまるめられ、下端円環部13を包装した棒状寿司Aのスタンド基部となるように構成しておく。
【0038】
また、
図2に示すように、長方形シートDの内外二枚のシート2,3の両側縁を熱シールし、内側シート3の長手方向の略中央部には一直線の切欠部11を形成し、この切欠部11と相対する外側シート2には切離テープ12(例えば、
図9参照)が溶着されており、切離テープ12を剥離することにより切離テープ12に沿って外側シート2は上下に切離されて分離可能となる。
【0039】
このように、内側シート3は上半シート3aと下半シート3bの上下二分したシートより構成しており、上下半シート3a,3bの対向端縁は互いに重ねた構成としている。
【0040】
このように構成しておくことにより切離テープ12を外側シート2から剥離して外側シート2を上下に分離すると同時に内側シート3の上半シート3aと下半シート3bもこの切欠部11を境に上下分離するようにしている。
【0041】
包装した棒状寿司Aを食するときにはまず、
図9及び
図10に示すように、切離テープ12を剥離することにより棒状寿司Aを丸めた外側シート2を上下に分離する。
【0042】
次いで、この分離した外側シート2の上半部2aを、すなわち、まるめた長方形シートDは、上半部が内包装シートとしての端面包皮片Eをそのまま残して円筒状に上方へ抜き取られる。内側シート3の、上半シート3aと共に、更に棒状寿司Aの上端面を包皮した端面包皮片Eと共に上方に引き抜くと、長方形シートDに内包した海苔シートCの上半部は長方形シートDの上半部から露出して棒状寿司本体Bの上半部周面を囲繞した状態となり、海苔巻きの棒状寿司Aを食することが可能な状態となる。すなわち、端面包皮片Eは、ミシン目より分離されて、上方に引き抜かれることとなる。
【0043】
食する時には、
図11に示すように、未開封の長方形シートDの下半部を把持して棒状寿司Aの上半部を食するが、棒状寿司本体Bの下半部は、
図12及び
図13に示すように、下端の端面包皮片Eを介して長方形シートDの下半部から上方へ徐々に露出しながら食する。
【0044】
この発明は、このように海苔シートC内包の長方形シートDを長手方向に直列に搬送しながら棒状寿司本体Bの外周面及び両端面を包装することが出来るので長方形シートDの長手方向の流れに沿って包装作業が可能となり、包装作業が短時間で行えると共に棒状寿司Aの包装シートも簡略化することができ全体の作業効率及びコスト上有利となる。
【0045】
また、長方形シートDは、切離テープ12で上下に切離した場合に、棒状寿司本体Bの外周面を滑って上方に引き抜きやすいように内周面に滑動加工を施している。
【0046】
すなわち、内側シート3の内周面を微細凹凸面に加工して棒状寿司本体Bの外周面との接触面を可及的に少なくして摩擦抵抗を可及的に少なくして容易に、かつ、簡単に長方形シートの上半部を引き抜き易くしている。
【0047】
長方形シートDの内周面加工技術としては、エンボス処理が内側シート3に施されており、内側シート3には微細凹凸面が形成される。かかる構成によって、棒状寿司本体Bが長方形シートDで包装され、その棒状寿司本体Bを長方形シートDの内側シート3から抜き取る際に、棒状寿司本体Bが内側シート3に付着しない効果がある。
【0048】
[キャップ構造]
端面包皮片Eは上述したように包装工程の中途で、長方形シートDによる棒状寿司まるめる前に貼着して長方形シートDの端部内に折り込む方法以外に、
図14に示すように、予め有底筒状に形成したキャップE’を長方形シートDで丸める前又は同時に裸の棒状寿司本体Bに貼着する方法もある。
【0049】
図15に示すように、棒状寿司本体Bの両端には、キャップE’がそれぞれ貼着される。
【0050】
図16に示すように、長方形シートD上にキャップE’付きの棒状寿司本体Bを載置し、
図17に示すように、棒状寿司本体Bに長方形シートDを巻回する。
【0051】
図18に示すように、棒状寿司Aは棒状寿司本体Bの両端をキャップE’で被覆されつつ棒状寿司本体Bの周面を長方形シートDで被覆された状態となり、包装工程が完了する。
【0052】
かかる構成とすることにより、端面包皮片は棒状寿司端部を被覆可能な有底円筒のキャップ状に形成したことにより、短い時間で棒状寿司端部にキャップE’を取り付けることができ、時間当たりの棒状寿司Aの包装作業をより多く行うことが出来る。棒状寿司端部がキャップE’で被覆されるため、店頭陳列時には、キャップE’が棒状寿司本体Bの底部となり棒状寿司Aを立った状態で陳列し易い効果がある。
【0053】
包装した棒状寿司Aを食する時には、
図19及び
図20に示すように、切欠部11の切離テープ12を剥離することにより棒状寿司Aを丸めた外側シート2を上下に分離する。
【0054】
次いで、この分離した外側シート2の上半部2aを、すなわち、まるめた長方形シートDは、上半部が内包装シートとしてのキャップE’をそのまま残して円筒状に上方へ抜き取られる。内側シート3の、上半シート3aと共に、更に棒状寿司Aの上端面を包皮したキャップE’と共に上方に引き抜くと、長方形シートDに内包した海苔シートCの上半部は長方形シートDの上半部から露出して棒状寿司本体Bの上半部周面を囲繞した状態となり、海苔巻きの棒状寿司Aを食することが可能な状態となる。
【0055】
食する時には、
図21に示すように、未開封の長方形シートDの下半部を把持して棒状寿司Aの上半部を食するが、棒状寿司Aの下半部は、
図22及び
図23に示すように、下端のキャップE’を介して長方形シートDの下半部から上方へ徐々に露出しながら食する。
【0056】
[キャップ構造の変形例]
上述したキャップの包装方法との違いは、棒状寿司本体Bの両端の一方にのみキャップE’を取り付けた点である。
【0057】
図24及び
図25に示すように、棒状寿司本体Bの両端の一方にのみキャップE’を貼着する。
【0058】
図26に示すように、長方形シートD上に棒状寿司本体Bを載置し、
図27に示すように、棒状寿司本体Bに長方形シートDを巻回する。
【0059】
図28に示すように、棒状寿司本体Bの下端がキャップE’で被覆され、上端を開放しつつ棒状寿司本体Bの周面を長方形シートDで被覆された状態となる。
【0060】
図29に示すように、長方形シートDの上端を熱シールして、棒状寿司Aの包装工程が完了する。
【0061】
かかる構成とすることにより、端面包皮片は棒状寿司端部を被覆可能な有底円筒のキャップ状に形成したことにより、短い時間で棒状寿司端部にキャップE’を取り付けることができ、時間当たりの棒状寿司Aの包装作業をより多く行うことが出来る。棒状寿司端部がキャップE’で被覆されるため、店頭陳列時には、キャップE’が棒状寿司本体の底部となり棒状寿司を立った状態で陳列し易い効果がある。
【0062】
包装した棒状寿司Aを食する時には、
図30及び
図31に示すように、切離テープ12を剥離することにより棒状寿司Aを丸めた外側シート2を上下に分離する。
【0063】
次いで、この分離した外側シート2の上半部2aを、すなわち、まるめた長方形シートDは、上半部が上方へ抜き取られる。海苔シートCの上半部は長方形シートDの上半部から露出して棒状寿司本体Bの上半部周面を囲繞した状態となり、海苔巻きの棒状寿司Aを食することが可能な状態となる。
【0064】
食する時には、
図32に示すように、未開封の長方形シートDの下半部を把持して棒状寿司Aの上半部を食するが、棒状寿司Aの下半部は、
図33及び
図34に示すように、下端のキャップE’を介して長方形シートDの下半部から上方へ徐々に露出しながら食する。
【0065】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。