(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6746295
(24)【登録日】2020年8月7日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】データ収集デバイスを有する圧力調理システム
(51)【国際特許分類】
A47J 27/08 20060101AFI20200817BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20200817BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
A47J27/08 Z
A47J27/00 109Z
H04Q9/00 311J
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-222339(P2015-222339)
(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公開番号】特開2016-127910(P2016-127910A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2018年10月25日
(31)【優先権主張番号】1460967
(32)【優先日】2014年11月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ローラン ブライユ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス デクロゼ
(72)【発明者】
【氏名】ベルカセム アベルバチェ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ ポール アルベルト モルティエ
(72)【発明者】
【氏名】カリム ホウニ
【審査官】
大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】
韓国登録特許第10−1445853(KR,B1)
【文献】
特開昭59−091925(JP,A)
【文献】
特開2010−188122(JP,A)
【文献】
特表2013−545978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J27/00−27/13
G01K1/00−19/00
G01L7/00−23/32,27/00−27/02
H04Q9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ収集デバイス(5)を装着された少なくとも1つの圧力調理器具(1)を備える圧力調理システムであって、前記データ収集デバイス(5)は、前記圧力調理器具(1)に取り付けられ、前記圧力調理器具(1)が使用中である間に前記圧力調理器具(1)の動作を表すデータを収集するように設計されており、前記システムは、前記圧力調理器具(1)に取り付けられた、
− 前記データ収集デバイス(5)によって収集された前記データおよび/または前記収集されたデータから計算されたデータを含む情報を記憶するように設計された不揮発性メモリと、
− 前記メモリに記憶された前記情報をリモートプロセッサデバイス(13)に転送するように設計された送信器と、
− 前記送信器を制御するための制御手段であって、予め定められた瞬間に自動的におよび/またはユーザのコマンド操作に応答して、前記情報の前記転送をトリガするように設計された制御手段と
をさらに備え、
前記圧力調理器具(1)は、前記器具(1)内に存在する圧力を「作動圧力」と称される設定点値に保持するように設計された圧力調整弁を提供され、前記収集デバイスによって収集された前記データは、前記作動圧力で行われた調理の期間を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記計算されたデータが得られることを可能にする計算デバイスを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記計算されたデータは、使用ごとに前記収集デバイスによって収集されたデータを累積することにより生じる累積されたデータを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記収集されたデータは、前記圧力調理器具(1)が使用されるたびに前記収集デバイスによって収集された数値を含み、前記累積されたデータは、前記不揮発性メモリに以前に記憶された値に前記数値を加えて累積された値を得ることによって得られ、前記システムは、前記累積された値を前記不揮発性メモリに記憶して、前記以前に記憶された値と置き換えるように設計されていることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記圧力調理器具(1)に取り付けられたモジュール(16)を含み、前記モジュール(16)はそれ自体で、前記データ収集デバイス(5)、前記不揮発性メモリ、前記送信器、および前記制御手段を組み込むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記モジュール(16)は、前記計算デバイスを組み込むことを特徴とする請求項2及び5に記載のシステム。
【請求項7】
前記モジュール(16)は、前記圧力調理器具(1)に取り外し可能な様式で付着されることを特徴とする請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記累積されたデータは、前記作動圧力で行われた調理の累積された期間を含み、前記期間は、前記圧力調理器具(1)の使用ごとに収集された前記作動圧力で行われた調理の期間の合計に対応することを特徴とする請求項1及び3に記載のシステム。
【請求項9】
前記累積されたデータは、前記作動圧力で行われた調理シーケンスの数を含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
収集されたデータは、前記圧力調理器具(1)の使用の開始と前記作動圧力への到達との間に経過する期間を表す値を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記圧力調理器具(1)は、前記圧力調理器具(1)の複数の動作状態にそれぞれ対応する複数の位置の間で可動である少なくとも1つの手動制御部材(6)を提供されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記圧力調理器具(1)を使用する際の支援を与えるための利用支援デバイスであって、前記圧力調理器具(1)の利用推奨を前記ユーザに通知するように設計された利用支援デバイスを含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記利用支援デバイスは、前記圧力調理器具(1)を用いて前記ユーザが料理したいと望むレシピに応じて前記手動制御部材(6)が配置されるべき位置を前記ユーザに通知するように設計され、前記収集されたデータは、前記手動制御部材(6)の実際の位置が前記利用支援デバイスによって示される位置に対応しない期間を含むことを特徴とする請求項11及び12に記載のシステム。
【請求項14】
前記圧力調理器具(1)を使用する際の支援を与えるための前記利用支援デバイスは、リモート端末(12)によって実行するためのアプリケーションと、前記圧力調理器具(1)に装着するためのデータ取得ユニットと、前記アプリケーションと前記データ取得ユニットとの間のワイヤレス接続(15)を確立するように設計された遠隔通信手段とを備え、前記支援デバイスは、前記ワイヤレス接続(15)のあり得る喪失を検出するように設計された監視手段をさらに備え、前記データ取得デバイスは、少なくとも、
− 前記監視手段が前記ワイヤレス接続(15)の喪失を検出しない限りアクティブである通常モードであって、前記データ取得ユニットは、前記圧力調理器具(1)の動作に関する第1のデータセットを監視および/または収集および/または生成し、それは、前記ワイヤレス接続(15)を介して前記アプリケーションに対して前記第1のデータセットを完全にまたは部分的に送信して、前記第1のデータセット内のデータの少なくとも一部を前記アプリケーションがそれ自体の実行のために使用することを可能にする、通常モードと、
− 前記監視手段が前記ワイヤレス接続(15)の喪失および/または前記アプリケーションの実行の失敗を検出したときにアクティブである低下モードであって、前記データ取得ユニット(16)は、前記圧力調理器具(1)の動作に関係する第2のデータセットを監視および/または収集および/または生成し、前記第2のデータセットの前記データの少なくとも一部を個別に使用して、前記圧力調理器具(1)の動作に関する情報を視覚的および/または可聴様式で前記ユーザに伝達する、低下モードとにおいて動作するように設計され、
前記収集されたデータは、前記データ取得ユニットが低下モードで動作した期間を含むことを特徴とする請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記リモートプロセッサデバイス(13)を含むことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記リモートプロセッサデバイス(13)は、基準データを含むデータベースと、各圧力調理器具(1)についての前記収集されたデータおよび/または前記計算されたデータを前記基準データと比較するように設計されたプロセッサ手段とを含むことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記基準データは、各圧力調理器具(1)によって前記リモートプロセッサデバイス(13)に転送された前記収集されたデータおよび/または前記計算されたデータに対して前記リモートプロセッサデバイス(13)によって行われる統計処理によって得られた統計データを含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記リモートプロセッサデバイス(13)は、前記比較の結果に応じて前記ユーザに情報メッセージを送るように設計されることを特徴とする請求項16または17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理なべ(cooking pan)タイプの台所用具の一般的技術分野に関し、より詳細には、圧力調理器、すなわち、内部に含まれる食品を蒸気圧下で調理するように設計された圧力下の調理のための鍋(pot)の分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、データ収集デバイスを装着された少なくとも1つの圧力調理器具を備える圧力調理システムであって、データ収集デバイスは、圧力調理器具に取り付けられ、圧力調理器具が使用中である間に圧力調理器具の動作を表すデータを収集するように設計された、システムに関する。
【背景技術】
【0003】
家庭圧力調理器はよく知られている。それらは通常、食品を調理するための金属容器と、容器に嵌合しロックするための同様に金属の蓋とを備え、蓋は、容器、およびエラストマー材料からなる環状シーリングガスケットと協同して、圧力が上昇され得る漏出防止性の調理筐体を形成する。そのような圧力調理器は、(たとえば調理ホブなどの)熱源の影響にさらされて、圧力と温度の両方が筐体内部で上昇することを可能にし、したがって内部に収容された食品が圧力下で調理されることを可能にするように設計されている。
【0004】
そのような従来技術の圧力調理器の動作は、様々な部材によって制御され、たとえば、
− 容器に対して蓋をロックおよびロック解除することができるロックおよびロック解除手段;
− 作動圧力と称される予め定められた設定点レベルで筐体内部の圧力が得られることを可能にする圧力調整弁(その設定点レベルは、弁が調整可能な定格(rating)を有する定格弁(rated valve)である場合に任意選択で調整可能である);
− 許容可能な安全な条件でユーザが蓋を開けられるように、特に調理プロセスの終わりに、筐体内部の圧力を低下させるための減圧部材;
− 様々な過剰圧力安全部材(安全弁、ガスケット内の漏れデバイスなど);
− 調理時間、特に圧力下の調理の期間を監視するための任意選択で取り外し可能なタイマデバイスなど
によって制御される。
【0005】
したがって、圧力調理器は、少なくとも特定のユーザにとって最適な様式で使用するのが困難になり得る比較的洗練された器具である。
【0006】
そのような最適でない使用は、たとえば、以下の状況の1または複数を含み得る。
【0007】
− ユーザが、調理プロセス中に熱源のパワーを適応させない;
− ユーザが、調整弁の定格を、料理されるレシピに適切でないレベルに設定する;
− 調理時間が不適切である;
− ロックおよびロック解除手段が不正確に取り扱われる。
【0008】
これらの最適でない実施は、圧力調理器設計および対応する技術的プロセスの改良を考慮せずにユーザが長年にわたってまたはさらに世代にわたって獲得した習慣からも生じ得る。圧力調理器のそのような不完全な使用は、当然、料理された食品の風味、それを調理するために必要とされる時間、または消費されるパワーに関して残念な結果につながるが、ユーザは、期待される性能の結果と実際に得られる結果および性能との間のこの差異の原因を明確に識別する立場にない。
【0009】
したがって、この観点から、知られている圧力調理器は、それらのユーザの一部(この一部は少なくない)に十分な満足を与えられるとは限らず、特定のユーザを危険な状況にさらす可能性さえある。
【0010】
圧力調理器の維持および保守に関して同様の考察がされ得る。圧力調理器は、濡れた環境において高い温度および圧力による特に厳しい使用条件にさらされる器具である。したがって、特に使用の安全に関して、圧力調理器を構成する部品および部材のすべてが、常に動作可能であり良好な条件にあって、最適な動作だけでなく十分な安全のレベルを保証することが不可欠である。
【0011】
例として、これは、特定のパーツ(シーリングガスケットなど)がそれらが摩耗する前に交換されること、および特定の部材(たとえば圧力逃し安全弁)が定期的に駆動されることを想定し、それらが適切に動作することを確認し、場合によってはその機会にこの機構の詰まりを除去するようにする。
【0012】
それにもかかわらず、圧力調理器の家庭および家族の文脈では、維持および保守に関して最適な手順を導入することが実施上は難しいと見出されるときがある。この問題に対する最良の実施は、圧力調理器の部品および部材の利用および経時劣化サイクルが綿密に監視されることを必要とするが、これは、特にそのような監視および保守操作の束縛的で退屈な性質のため、家庭および家族の使用の文脈で達成するのが実際には難しいことが見出される。
【0013】
この維持および保守作業の実際の結果はすべてユーザによって無視されることが非常に多く、特に、ユーザは彼らの圧力調理器のシーリングガスケットを良い時期に交換しない。一般的に、多くのユーザは、そのような保守作業を実行するのが必要であることにも気付かず、いずれにせよ、彼らはこの保守作業が何かを知らない。保守および維持に関するこれらの欠点は、当然、圧力調理器の劣化動作、およびさらに特定の極限状況ではユーザに対するあり得るリスクにつながる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】EP 2 204 111
【特許文献2】EP 2 204 112
【特許文献3】国際公開第2010/081994号パンフレット
【特許文献4】EP 1 458 270
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明に与えられた目的は、上に挙げられた様々な欠点に対する改善策を提供し、また、ユーザが圧力調理器具をより良く使用するのを支援するため、および/または器具に対する保守および維持作業を容易にするために適した設計の圧力調理器具を備える新規の圧力調理システムを提案しようとすることである。
【0016】
本発明の別の目的は、単純、迅速、および慎重な様式で圧力調理器具の動作を表すデータにアクセスすることを可能にする圧力調理器具を備える、新規の圧力調理システムを提案しようとすることである。
【0017】
本発明の別の目的は、圧力調理器具の動作を正確におよび連続的に監視し、また独立した信頼性のある様式でそれを行うことを可能にする少なくとも1つの圧力調理器具を備える、新規の圧力調理システムを提案しようとすることである。
【0018】
本発明の別の目的は、ユーザが圧力調理器具をより良く使用し、それにより良い維持を提供するのを支援することを単純および効果的にする設計の圧力調理器具を備える、新規の圧力調理システムを提案することである。
【0019】
本発明の別の目的は、圧力調理器具の設計を改善するのを支援するのに適した情報が提供されるのを可能にする圧力調理器具を備える、新規の圧力調理システムを提案しようとすることである。
【0020】
本発明の別の目的は、調理器具のユーザによって行われる実際の使用の精密な分析に基づいてユーザを支援することが可能であるとともに、コンパクトで廉価で実装が容易な構造を提示する少なくとも1つの圧力調理器具を備える、新規の圧力調理システムを提案しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に与えられた目的は、データ収集デバイスを装着された少なくとも1つの圧力調理器具を備える圧力調理システムであって、データ収集デバイスは、前記圧力調理器具に取り付けられ、圧力調理器具が使用中である間に前記圧力調理器具の動作を表すデータを収集するように設計されており、システムは、前記圧力調理器具に取り付けられた、
− 前記データ収集デバイスによって収集された前記データおよび/または前記収集されたデータから計算されたデータを含む情報を記憶するように設計された不揮発性メモリと、
− 前記メモリに記憶された前記情報をリモートプロセッサデバイスに転送するように設計された送信器と、
− 前記送信器を制御するための制御手段であって、予め定められた瞬間(moments)に自動的におよび/またはユーザのコマンド操作に応答して、前記情報の前記転送をトリガするように設計された制御手段と
をさらに備えることを特徴とするシステムの助けによって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の他の特徴および利点は、例示的および非限定的例として与えられる添付図面を参照して行われる以下の説明を読むことで、より詳細に明らかとなり理解され得る。
【0023】
【
図1】不揮発性メモリおよび送信器を有する圧力調理器具、送信器とワイヤレス接続する独立したコンピュータ端末、ならびに独立したコンピュータ端末と具体的にはインターネットを介して通信するリモートサーバを備える、本発明の圧力調理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、蒸気圧下で食品を調理するように特に意図された少なくとも1つの圧力調理器具1を備える圧力調理システムに関する。圧力調理器具1は、したがって、圧力調理器を形成し、好ましくはさらに、特にそれは可搬であって(すなわち、手によって移動され得る)独立していることを想定する家庭圧力調理器を形成する。有利には、圧力調理器具1は、熱的に受動的であり、すなわち、それは、調理ホブのようなそれの外部の熱源の効果の下で圧力を上昇するように設計される。それにもかかわらず、本発明の範囲を超えることなく、熱源が圧力調理器具1(たとえば電気圧力調理器)の部分を形成すると想定することが完全に可能である。
【0025】
そのようによく知られているように、本発明のシステムの圧力調理器具1は、有利には実質的に中心垂直軸X−X’を中心に円対称である調理コンテナを形成する容器2を備える。たとえば、容器2は、(たとえば、アルミニウムまたはステンレス鋼の)金属シートをスタンピングすることによって従来の様式で作られてよい。有利には、熱伝導底部が、スタンピングによって、たとえば熱間鍛造によって得られるようにコンテナの底部に嵌合され得る。本発明のシステムの圧力調理器具1はまた、容器2に嵌合するための蓋3を有し、それと蓋3は(たとえばエラストマー材料からなる)環状シーリングガスケットを介して協同して調理筐体を形成し、調理筐体は、実質的に密閉され、すなわち、たとえば、4キロパスカル(kPa)から150kPaの範囲に存在する値で大気圧を超えるレベルまで、圧力が内部で大きく上昇することを可能にするように十分に気密密閉されている。蓋3は、有利には金属材料(たとえばステンレス鋼)からなり、それは、好ましくは概ね円盤形状であり、調理筐体を形成するためにそれが関連付けられた容器2の形状に対して相補的である。蓋3は、容器2に対して随意にロックおよびロック解除されるように設計され、蓋3のロックは、圧力調理器具1内の圧力の上昇の効果で蓋3が外れることなく筐体内部の圧力が上昇することを可能にする。この目的のため、圧力調理器具1は、有利には、蓋3を容器2にロックおよびロック解除するための手段を含み、この手段は、具体的に本技術分野で知られている任意のタイプ(クランプ、バヨネット締結、ジョー、セグメントなどを使用するロックシステム)であってよい。従来の様式において、ロックおよびロック解除手段は、容器2に対して蓋3をロックするための構成であって、圧力が上昇するのを可能にするように蓋3が容器2に付着される、構成と、容器2に対して蓋3をロック解除するための構成であって、蓋3がユーザによって手動で容器2から自由に分離され得る、構成との間で移動するのに適することができる。図に示される例では、ロックおよびロック解除手段は、(
図1に示される)引っ込められた(retracted)ロック位置と展開されたロック解除位置との間で蓋3上を並進して移動するように取り付けられたジョーの対を備え、ジョーの移動は、ロックに対応する折り畳まれた位置(
図1に示される)とロック解除に対応する展開された位置(図示せず)との間で移動するように取り付けられた手動制御ハンドル4によって制御される。
【0026】
そのような設計は、特に、参照によりその内容が組み込まれる特許文献1および特許文献2により知られている。圧力下で食品を調理するための器具1は、好ましくは、作動圧力と称される設定点値に器具1内の圧力を保持するように設計された圧力調整弁を提供される。圧力調整弁は、好ましくは、調節可能な定格を有する定格圧力調整弁であり、したがって、設定点レベルは定格を調節することによって調節可能である。また、圧力下で食品を調理するための器具1は、好ましくは、許容可能な安全な条件でユーザが蓋3を開けられるように、特に調理プロセスの終わりに、ユーザが調理筐体内の圧力を低下させることを可能にする減圧部材を含む。有利には、圧力調理器具1は、圧力調理器具1の複数の動作状態にそれぞれ対応する複数の位置の間で可動である少なくとも1つの手動制御部材6を提供される。言い換えれば、手動制御部材6は、たとえば、非限定的例示として、調理筐体を減圧し、および/または作動圧力を調節する(圧力下で食品を調理するための器具1上に好ましくは提供される調節可能な定格の定格調整弁の定格を調節する)ことなどによって、圧力調理器具1の1または複数の機能をユーザが制御することを可能にする。図示された例では、手動制御部材6は、具体的には中心垂直軸X−X’を中心に枢動して移動して様々な予め定められた位置の間で移動するように取り付けられたスライダ6Aの形態であり、各位置は、それぞれの識別マーク7、8、9、10、または11に関連付けられ、それらのマークは、圧力調理器具1上に、たとえば、予め定められた配置において(ユーザに明確に見えるように)蓋3の表面上に配置されている。位置のそれぞれは、特定の機能に対応し、識別マーク7、8、9、10、および11は、スライダ6Aの各インデックス付けされた位置にどの機能が関連付けられているかをユーザが識別することを可能にするように設計され、スライダ6Aは、この例で手動制御部材6を形成する役割をする。たとえば、第1の識別マーク7は、器具の減圧を有効にすることに対応し、また、第2、第3、第4、および第5の識別マーク8、9、10、および11は、異なるタイプの食品(たとえば、野菜、澱粉食品、食肉、および魚)に適した4つの異なる作動圧力設定点値(すなわち、調整弁に対する4つの定格レベル)に対応する。したがって、可動手動制御部材6を形成するスライダ6Aが識別マーク7を指しているとき、圧力下で食品を調理するための器具の減圧が行われ、調理筐体の内部が外部と連通して、筐体内部に存在する圧力が低下され大気圧に戻される。対照的に、スライダ6Aが第2、第3、第4、および第5の識別マーク8、9、10、または11のいずれか1つを指すとき、圧力調理器具は圧力下の調理のための構成に配置され、すなわち、調理筐体は漏出防止様式で閉じられ、筐体の内部は調整弁を介してのみ外部と連通することができ、調整弁の(作動圧に対する設定点値を決定する)定格は、手動制御部材6を形成するスライダの予め定められた位置に関連付けられた予め定められたレベルに設定される。
【0027】
圧力調理器具1はまた、データ収集デバイス5を装着され、データ収集デバイス5は、圧力調理器具1が使用中である間に圧力調理器具1の動作を表すデータを収集するように設計されている。データ収集デバイス5は、取り外し可能または永続的な様式で圧力調理器具1に取り付けられ、すなわち、それは圧力調理器具1に装着され、たとえば、それは蓋3に取り付けられてよい。用語「圧力調理器具の動作を表すデータ」は、本明細書では、好ましくは圧力調理器具1の動作に関係する1または複数のパラメータ(圧力、温度、期間など)の数値の形態の、特に定量化可能データである、データを示すために使用される。したがって、データ収集デバイス5は、センサ、検出器などの適切な技術手段、ならびに測定および処理手段を提供され、それらの手段は、圧力調理器具1が使用されている間、たとえば、熱源(調理ホブ)から来る熱の供給にされている間、それがデータを収集することを可能にする。
【0028】
好ましくは、手動制御部材6の瞬時位置が、データ収集デバイス5によって収集されたデータの部分を形成する。言い換えれば、この好ましい実施形態では、データ収集デバイス5は、手動制御部材6の位置を継続的に監視するように設計され、それは、(たとえば、参照によりその内容が組み込まれる特許文献3の教示に従って、手動制御部材6に取り付けられた磁石によって励起されるように設計された、たとえば相補型金属酸化膜半導体(C−MOS)タイプの位置センサによって、)手動制御部材6が見つけられる予め定められた位置をリアルタイムで決定することができる。
【0029】
有利には、圧力調理器具1は、設定点圧力値で調理が開始する時点(instant)を検出するためのデバイスを含む。好ましくは、圧力下で調理するステップが開始する時点を検出するためのデバイスは、少なくとも、第1に、調理器具1内(すなわち、蓋3を容器2と関連付けることによって形成された調理筐体内)の圧力レベルおよび/または温度レベルをそれぞれ測定するための圧力センサおよび/または温度センサと、第2に、測定された圧力および/または温度レベルに応じて、圧力下で調理するステップが開始する時点を自動的に決定するための計算手段とを含む。検出デバイスは、好ましくは、圧力調理器内部に存在する圧力がユーザによって(具体的には制御部材6を使用することによって)選択された設定点値に初めて到達する時点を検出するように設計され、その時点は、したがって圧力下で調理するステップの開始を示す。検出デバイスは、好ましくは、参照によりその内容が組み込まれる特許文献4に説明された原理に基づいて、そのような状況下で動作するように設計される。好ましい実施形態では、検出デバイスは、圧力調整弁の下流に配置された蒸気逃がしダクトまたはその付近に有利には配置された温度センサを含み、それにより、温度センサが、ダクトを通して蒸気が逃げることで生じる温度の増加を検出し、トリガ信号を生成することによって応答することを可能にする。
【0030】
圧力調理システムは、好ましくは、手動制御部材6を用いてユーザによって選択された作動圧力において圧力下で調理するステップを開始する時点からの予め定められた期間を測定するように設計されたタイマを含む。タイマは、有利には、トリガ信号が発行されたことに応答して予め定められた期間の測定をトリガするように、検出デバイスに接続される。タイマは、たとえば、圧力調理器具1に取り外し可能または永続的な様式で取り付けられてよく、逆に、それは圧力調理器具1とは別個で独立していてもよい(ただし、たとえばワイヤレス接続によって、依然として圧力調理器具1に機能的に接続されている)。上述されたように、上述されたトリガ信号は、タイマに即座に送信されるように設計されており、タイマは、トリガ信号の受信に対して、動作圧力で食品を調理するための所望される期間に特に対応する予め定められた期間の測定を開始することによって応答する。
【0031】
図に示された好ましい実施形態では、本発明によるシステムは、圧力調理器具1を使用する際の支援を提供するための利用支援デバイスを含み、そのデバイスは、好ましくは、圧力調理器具1を使用することの推奨をユーザに通知するように設計される(たとえば、利用支援デバイスは、ユーザが圧力調理器具1を使用して料理したいレシピに応じて、手動制御部材6が配置されるべき位置をユーザに通知することができる)。好ましくは、圧力調理器具1を使用する際の支援を提供するためのデバイスは、圧力調理器具1のユーザに特に利用可能であるリモート端末12上で実行されるアプリケーションを備える。リモート端末12は、好ましくは、圧力調理器具1とは完全に別個で独立している。それは、有利には、性質的に可搬であり、好ましくは、片手または両手を使用してユーザにより運ばれ取り扱われることが可能であるように設計される。好ましくは、リモート端末12は、スマートフォン、(Apple iPad(登録商標)などの)タブレット、またはラップトップコンピュータによって構成され、有利には、Bluetooth(登録商標)通信技術、特にBluetooth 4.0「low energy」(登録商標)技術を装着される。本明細書では、用語「アプリケーション」は、アプリケーションソフトウェアを意味するために使用され、このソフトウェアは、リモート端末12によって実行されたとき、「推奨」を生成することにより、圧力調理器具1を使用する際の支援を提供するように特に設計され、この推奨は、たとえば、仮想コーチの様式で、好ましくはリアルタイムで、ホームアプリケーション1の使用の際にユーザをガイドするための、たとえば、利用支援を提供するために適した任意の種類の情報(可聴および/または視覚、任意選択で対話型)である。リモート端末12は、好ましくは表示画面12Aを提供され、有利にはスピーカを提供されて、それが、視覚および/または可聴様式で利用支援情報をユーザに伝達することを可能にする。リモート端末12は、圧力調理器具1とリモート端末12との間のデータの交換を設定できるように、好ましくは、ワイヤレス接続15を介して圧力調理器具1に接続される。ワイヤレス接続15は、好ましくは、電磁波を介する接続であり、好ましくは、無線、赤外線、または他の波を介して、端末12と送信器との間のワイヤまたはケーブルのようないかなる物理接続もなしに、送信器と端末12との間でアナログおよび/またはデジタルデータを転送することを可能にする。好ましい様式では、送信器と端末12との間のワイヤレス接続15は、「Bluetooth 4.0 low energy」(登録商標)規格に従う。これは、当然、この好ましい構成において、送信器と端末12との両方が、端末12と送信器との間の接触または有線接続なしに通信を提供するためにBluetooth(登録商標)技術に準拠する遠隔通信手段(telecommunications means)を含むことを意味する。通信は、好ましくは双方向であり、この場合、送信器は受信器に関連付けられ、端末12はトランシーバ手段も提供され、したがって、端末12と圧力調理器具1に取り付けられたトランシーバとの間でデジタルまたはアナログデータが両方向に転送されることを可能にする。
【0032】
利用支援デバイスを使用するこの有利な実施形態では、上述されたタイマは、有利には利用支援デバイスの部分を形成し、「仮想」タイマを構成し、すなわち、端末12それ自体によって実行されるアプリケーションがタイミング機能を実施する。たとえば、逃がしダクトを通して蒸気が逃げることで生じる温度の増加を温度センサが検知したときに生成される上述されたトリガ信号は、ワイヤレス接続15を介してアプリケーションに伝達されるように設計され、そのアプリケーションは、有利には、圧力調理器具1からトリガ信号を受け取ると、作動圧力で食品を調理するための所望される期間に特に対応する予め定められた期間の測定を開始することによって応答するように設計されている。
【0033】
この予め定められた期間は、有利には、たとえば、アプリケーションによって制御される適切なインターフェースを介して、ユーザによって直接プログラムされ端末12の画面12Aに表示される、および/または、たとえば、端末12の画面12Aに表示される適切なインターフェースを用いて、圧力下で調理するための予め定められた期間に対応する特定のレシピを選択するように行動するユーザに応答して、システムによって自動的にプログラムされる。当然ながら、上述された仮想タイマに加えてまたは代えて、圧力調理器具1に直接(取り外し可能にまたは永続的に)取り付けられたタイマユニットによってタイマが形成されることも完全に可能である。
【0034】
好ましくは、収集デバイスによって収集されたデータは、作動圧力で行われる調理のための期間を含む。
【0035】
収集デバイスによって収集されたデータは、好ましくは、圧力調理器具1の使用の開始と作動圧力が到達される時点との間を経過する期間も含み、その期間は、たとえば上述されたタイマを使用して、または任意の他の時間測定デバイスによって測定され得る。
【0036】
本発明によれば、圧力調理システムはまた、圧力調理器具1上(たとえば蓋3上)に(取り外し可能にまたは永続的に)取り付けられた不揮発性メモリを含む。用語「不揮発性メモリ」は、それが電力供給されないときでもそれが記憶するデータを保持することができるコンピュータメモリを意味するために使用される。メモリは、データ収集デバイス5によって収集されたデータおよび/または収集されたデータに基づき計算されたデータを含む情報を記憶するように設計されている。この目的のために、システムは、好ましくは、収集されたデータを数学的に処理することによって計算されたデータが得られることを可能にする計算デバイスを含み、上述されたように、計算されたデータは不揮発性メモリに記憶されることになる。計算デバイスは、好ましくは、同様に圧力調理器具1に取り外し可能または永続的な様式で取り付けられる。有利には、収集されたまたは計算されたデータは、圧力調理器具1の動作を表す生データを含む。言い換えれば、データは、複雑な処理または分析(たとえば統計分析)を受けず、それは、収集された生データ、または、好ましくは収集された生データに対して行われる単純な計算(たとえば、加算、減算など)の結果である計算されたデータを含む。
【0037】
本発明の圧力調理システムはまた、不揮発性メモリに記憶された情報をリモートプロセッサデバイス13に転送するように設計された送信器を含み、リモートプロセッサデバイス13は、たとえば、そうした情報を処理するのに専用化されたアプリケーションを実行するコンピュータサーバまたは複数のコンピュータサーバの形態であってよい。端末12は、場合によってはプロセッサデバイス13の部分を形成するとみなされ得る。したがって、(収集または計算される)生データの処理、分析、または実際の計算は、好ましくは、圧力調理器具1それ自体においてではなくリモートプロセッサデバイス13によって実行される。言い換えれば、実際、リモートプロセッサデバイスは、好ましくはそうした情報をコンパイルおよび/または処理するために使用される。有利には、リモートプロセッサデバイス13は圧力調理システムに含まれる。
【0038】
図に示された例では、送信器は、電子ユニットによって形成され、電子ユニットは、圧力調理器具1に永続的または取り外し可能に取り付けられ、ワイヤレス接続、たとえば、Bluetooth 4.0 low energy(登録商標)プロトコルで動作するワイヤレス接続などを介して、独立した端末、具体的にはリモート端末12と通信するように設計されている。したがって、情報は、送信器によってリモート端末12に転送されることが可能であり、リモート端末12は、有利には、たとえばインターネット接続14を介して、情報をリモートプロセッサデバイス13に転送するように設計されている。
【0039】
不揮発性メモリに記憶された情報の送信器を介したリモートプロセッサデバイス13への転送を制御するために、本発明の圧力調理システムはまた、圧力調理器具1に永続的または取り外し可能に取り付けられた送信器制御手段を含み、この送信器制御手段は、予め定められた瞬間に自動的におよび/またはユーザによって行われたコマンド操作に応答して、情報の転送をトリガするように設計されている。言い換えれば、制御手段は、ユーザから隠される様式でバックグラウンドタスクとして情報を転送することができ、逆に、それは、与えられた時点でそのような転送を実行することを望むユーザからの肯定コマンドに応答して情報を転送することもできる。例として、制御手段は、リモート端末12によって実行される利用支援アプリケーションに依存することができる。好ましい実施形態では、アプリケーションが開始されるたびに、それは、リモート端末12を圧力調理器具1と接続するワイヤレス接続15を介して、制御信号を制御手段に送り、制御手段による制御信号の受信は、応答として、不揮発性メモリに記憶された情報の送信器およびワイヤレス接続15を介したリモート端末12への送信をトリガすることになる。例として、次いで、情報は、リモート端末12によって、リモートプロセッサデバイス13を形成する1または複数のサーバへ転送され、次いで、リモートプロセッサデバイス13が、有利には匿名の計算および処理を行う役割をする。
【0040】
また、「診断」モードがアプリケーションで利用可能であることを想定することができ、それにより、ユーザの要求に応じて(アプリケーションが開始される機会ごとに自動的にではなく)、制御信号が制御手段に送られ、制御手段は、リモート端末12への情報の転送をトリガすることによって応答する。次いで、リモート端末12およびそれが実行しているアプリケーションは、有利には、受け取られた情報を処理して、それを理解しやすい様式でユーザに提示することができる。この観点から、リモート端末12は、リモートサーバと共にリモートプロセッサデバイス13の部分を形成するとみなすことも可能である。
【0041】
有利には、本発明のシステムは、圧力調理器具1に取り付けられたモジュール16を含み、このモジュール16それ自体で、データ収集デバイス5、不揮発性メモリ、送信器、および制御手段を組み込む。好ましくは、モジュール16はまた、計算されたデータが得られることを可能にする計算デバイスを組み込む。したがって、モジュール16は、好ましくは、有利には圧力調理器具1に取り外し可能または永続的な様式で付着される、単体のユニットのサブアセンブリの形態である。モジュール16は、好ましくは、手動で随意に圧力調理器具1に対して付着および分離され得る。
【0042】
有利には、計算デバイスを用いて得られる計算されたデータは、圧力調理器具1が使用される機会ごとにデータ収集デバイス5によって収集されたデータを累積することにより生じる累積されたデータを含む。言い換えれば、そのとき、不揮発性メモリは、好ましくは器具1の最初の使用から、累積されているデータを特にまたは排他的に記憶するように設計されている。
【0043】
そのような状況下において、収集されたデータは、有利には、圧力調理器具1が使用される機会ごとに収集デバイスによって収集された数値を含む。そして、累積されたデータは、その数値を不揮発性メモリに既に記憶された値に加えて累積された値を得ることによって得られ、システムは、累積された値を不揮発性メモリに記憶して、以前に記憶された値と置き換えるように設計されている。したがって、システムは、自律的様式でデータを取得することができ、そのとき、圧力調理器具1およびより具体的にはモジュール16が使用されていて、データの値は、以前の使用中に収集された累積された値に加えられ、モジュール16の不揮発性メモリに記憶される。
【0044】
有利には、累積されたデータは、作動圧力で行われた調理の累積された期間を含み、累積された期間は、圧力調理器具1が使用される機会ごとに収集される作動圧力で行われた調理の期間の合計に対応する。したがって、システムは、有利には、各圧力設定点値について、その作動圧力での調理の累積された期間を記録することを可能にする。圧力下の調理のこの合計時間は、有利にはリモートプロセッサデバイス13によって処理され、リモートプロセッサデバイス13は、たとえば、それを閾値と比較することができ、閾値を超えると、たとえば、ガスケットの経時劣化が圧力下の調理に費やされた時間の長さに特に相関されるとして、シーリングガスケットの変更することが推奨される。したがって、リモートプロセッサデバイス13は、有利には、(ソフトウェアのような)プロセッサ手段と共に基準データを含むデータベースを含み、プロセッサ手段は、各圧力調理器具1についての収集されたおよび/または計算されたデータを基準データと比較し、また、ユーザに伝達される警告を、たとえばリモート端末12の画面12A上に生成することが適切な場合に、(たとえばシーリングガスケットを変更することである)修正操作および/または保守操作および/または維持操作を実行するようにユーザに勧めるように設計されている。
【0045】
有利には、累積されたデータは、作動圧力で実行された調理シーケンスの数を含む。
【0046】
言い換えれば、各圧力設定点レベルについて、不揮発性メモリは、対応する作動圧力で請け負われた調理シーケンスの数を記憶する。この調理シーケンスの数はまた、リモート端末12を介してユーザに示され得る何らかの修正および/または維持および/または保守操作を行う必要性を評価する目的のために、有利にはリモートプロセッサユニット13に提供されたプロセッサ手段によって使用され得る。図に示され上述された好ましい実施形態では、調理シーケンスの数は、圧力調理器具1内部に存在する圧力が初めて選択された設定点値に到達する回数に対応する。好ましくは、モジュール16は、モジュール16に組み込まれた検出デバイスの温度センサによって測定される温度を監視する動作を自動的に実行するように設計されている。この監視動作の終わりに、モジュール16は、有利には、たとえば「スロープ検出(slope detection)」と称されるブール変数を生成し、この変数は、規定で「偽」状態にあり、測定された温度の突然の変化(たとえば、x℃/分より大きい、ここでxは調整弁開放と相関された予め定められた値である)を検出したときのみ「真」状態に移る。そのような状況下において、作動圧力で行われた調理シーケンスの数は、「スロープ検出」ブール変数が「偽」状態から「真」状態に移った回数に対応する。
【0047】
有利には、累積されたデータは、調理サイクルのそれぞれの予熱期間の合計に対応する(「圧力を待機する」時間とも称される)合計予熱時間を含む。予熱期間は、圧力調理器具1を使用するサイクルの開始(たとえば、モジュール16をオンにする)と、調整弁の開放の検出(「スロープ検出」ブール変数が「偽」状態から「真」状態に移る)との間に経過する時間の長さを表す。この累積されたデータの目的は、場合によっては上述された調理シーケンスの数と組み合わされた後、またリモート処理デバイス13による処理の後、
− 調理の平均期間;
− 平均圧力上昇期間;
− 最も使用される圧力設定(すなわち圧力設定点値)、したがって圧力調理器具1が使用されている好ましい様式を表す;
− および、平均圧力上昇時間と組み合わされることによる、関連する食品の量の概算、および/または圧力調理器具1がさらされる熱源のパワー
を表しまたはこれらに相関された値を得ることを可能にすることである。
【0048】
好ましくは、計算デバイスは、上述された温度の突然の変化が検出される温度の平均を計算するように設計され、その結果、不揮発性メモリは、このスロープ検出温度平均に対応する計算されたデータを記憶する。その後、この計算されたデータは、リモートプロセッサデバイス13に転送された後、基準試験により得られた基準データと比較されて、圧力調理器具1が技術的問題を提示するかどうかを識別することが可能であり、技術的問題は、たとえば、調整弁の漏れまたは故障が、通常より低い値での温度センサの温度の急激な上昇を招くことなどである。
【0049】
好ましくは、不揮発性メモリに記憶される累積されたデータは、圧力調理器具1内の温度が予め定められた閾値を超えた回数を含む。この累積されたデータは、基準試験の結果と相関されると、調理が既に熱い物質に対して行われた回数、すなわち、調理が圧力下で調理する複数のステップを必要とした回数に関する情報を与えることができる。
【0050】
好ましくは、収集されたデータは、手動制御部材6の実際の位置が利用支援デバイスによって指定された位置と一致しない期間を含む。また有利には、不揮発性メモリによって記憶される累積されたデータが、手動制御部材6の実際の位置が利用支援デバイスによって指定された位置にそのように対応していない累積された期間を含む。たとえば、不揮発性メモリによって記憶される累積されたデータは、(特に手動制御部材6に対応する)圧力選択器の設定がレシピによって推奨された位置と一致していない合計期間を含むことができ、たとえば、ユーザはリモート端末12によって実行されるアプリケーションを介して通知されてよい。この「合計誤り位置時間」は、このユーザがシステムをどのように使用するかを理解していないことを表すことができる。たとえば、この合計誤り位置時間が予め定められた基準値を超えると、システムは、たとえばアプリケーションが端末12の画面12A上に利用アドバイスを表示する形態で、技術的支援をユーザに与えることができる。
【0051】
モジュール16は、好ましくは、たとえばモジュール16に含まれる区画に配置された1または複数のバッテリに基づいた、独立した電力供給を有する。好ましくは、不揮発性メモリに記憶される累積されたデータは、バッテリが交換されるのを必要とした回数(バッテリ交換回数)を含む。このデータがリモートプロセッサデバイス13に転送された後、それは、したがって、場合によっては、作動圧力で行われた調理シーケンスの数、および圧力下での調理の合計時間に関連付けられて使用されて、モジュール16が電気を消費し過ぎることに関する潜在的な技術的問題を識別することができる。
【0052】
有利には、上述された利用支援デバイスは、リモート端末12によって実行するためのアプリケーションに加えて、
− 圧力調理器具1に装着するための上述されたモジュール16に好ましくは対応するデータ取得ユニット;
− 一緒に、アプリケーションとデータ取得ユニットとの間のワイヤレス接続(具体的には上述されたワイヤレス接続15を含む)を確立するように設計された遠隔通信手段;
− ワイヤレス接続15のあらゆる喪失(loss)を検出するように設計された監視手段
を含む。
【0053】
データ取得ユニットは、少なくとも、
− 監視手段がワイヤレス接続15の喪失を検出しない限りアクティブである通常モードであって、データ取得ユニットは、圧力調理器具の動作に関する第1のデータセットを監視および/または収集および/または生成し、それは、ワイヤレス接続15を介してアプリケーションに対して第1のデータセットを完全にまたは部分的に送信して、第1のデータセット内のデータの少なくとも一部をアプリケーションがそれ自体の実行のために使用することを可能にする、通常モード;
− 監視手段がワイヤレス接続15の喪失および/またはアプリケーションの実行の失敗を検出したときにアクティブである低下されたモード(degraded mode:以下、低下モード)であって、データ取得ユニットは、圧力調理器具1の動作に関係する第2のデータセットを監視および/または収集および/または生成し、第2のデータセットのデータの少なくとも一部を個別に使用して、圧力調理器具1の動作に関する情報を視覚的および/または可聴様式でユーザに伝達する、低下モード
で動作するように設計される。
【0054】
有利には、収集されたデータは、データ取得ユニットが低下モードで動作した期間を含む。
【0055】
好ましくは、不揮発性メモリに記憶される累積されたデータは、データ取得ユニットが低下モードですなわちリモート端末12との接続なしに独立して動作した、累積された合計期間を含む。
【0056】
例として、不揮発性メモリに記憶された情報は、以下に定義されるフレームを用いて、リモートプロセッサデバイス13に転送され得る。
【0058】
このようにしてリモートプロセッサデバイス13によって得られた情報のすべて、特に上述された累積されたデータは、システムから構成される実際の使用をより良く理解すること、およびシステムを監視することを可能にし、したがって、特に、システムの動作を調節および最適化するために行われるべき操作を必要に応じてユーザに通知することができる。
【0059】
この目的のため、リモートプロセッサデバイス13に送られる情報は、有利には、以下の2つの代替的モードで、すなわち、
− 実験室で作られた典型的状況と比較して;
− システムの部分を形成する圧力調理器具1のすべてからリモートプロセッサデバイス13により収集されたデータのすべてを処理することによって得られた統計値と比較して、
分析されることができる。
【0060】
両方のモードにおいて、「非標準」動作または使用は潜在的故障が検出されることを可能にすることがあり、それにより、有利には、アラートをトリガし、またはこのユーザに連絡することができる。したがって、基準データは、有利には、
− リモートプロセッサデバイス13により行われた統計処理によって得られた統計データ;および/または
− システムの部分を形成する各圧力調理器具1からリモートプロセッサデバイス13に転送された収集および/または計算されたデータ
を含む。
【0061】
したがって、この好ましい実施形態では、システムは、上記の説明に従った複数の圧力調理器具1に共通するリモートプロセッサデバイス13を有し、各圧力調理器具1は、その不揮発性メモリに記憶された情報をリモートプロセッサデバイス13に伝達するように設計され、したがって、リモートプロセッサデバイス13は、データのすべてを集中化し、それを統計処理にかけることができ、たとえば、それが基準データを決定することを可能にする。
【0062】
したがって、リモートプロセッサデバイス13は、それに送信された圧力調理器具1のそれぞれについての収集されたデータ/または計算されたデータを、上述されたような実験室試験または統計処理からもたらされる基準データと比較することができる。比較の結果に応じて、リモートプロセッサデバイス13は、有利には、たとえば端末12の画面12Aを介して、情報メッセージを関連ユーザに送って、たとえば修正および/または維持および/または保守操作に取り掛かるようにユーザに勧めるように設計される。