(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記第2の取得手段により情報取得がなされた物品の数と前記次に排出される物品の数の合計が前記所定数に満たない場合に、前記次に排出される物品に対応するゲーム内要素を除くゲーム内要素のうちから、抽選により選択されたゲーム内要素を登場させて前記ゲームを前記実行手段に実行させる請求項4に記載のゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、対価の支払いに応じた1回のゲームプレイにつき、ゲームで使用可能な1枚のカードを出力し、単数人のプレイまたは複数人の同時プレイが可能なゲームコンテンツのゲーム処理を実行するゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、対価の支払いに応じた1回のゲームプレイにつき、提供する第1のゲームコンテンツに係る第1の種別の物品を排出することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0010】
また、本実施形態において「ゲームタイトル」とは、少なくとも、各々異なる流れのゲーム体験を提供し、ゲームプレイ中において表示態様が各々異なるゲーム画面を提示させる点で、識別されるゲームコンテンツを指すものとする。また本実施形態では「ゲーム装置」とは、該ゲーム装置におけるゲームプレイにおいて、対応するキャラクタまたはアイテムを登場させるために用いられるカードを出力する、所謂アミューズメント機器・アーケード筐体・業務用ゲーム機器等の装置を指すものとする。また1体のゲーム装置では、1つのゲームタイトルに係るゲーム体験が提供可能であるものとする。
【0011】
しかしながら、本発明の実施においてゲーム装置はこれに限られるものではなく、例えば家庭用ゲームコンソールのような、各々異なる処理を実行することで複数のゲームタイトルに係るゲーム体験を提供可能とし、例えば外部接続されたプリンタ等に実行したゲームコンテンツに係る物品を排出させることが可能な装置を含むものであってもよい。このとき、ゲームコンソールが複数のゲームタイトルの処理を行う場合は、各ゲームタイトルの処理を実行している状態は、本発明において「異なるゲームコンテンツのゲーム処理を行うゲーム装置」として取り扱うものとする。即ち、同一のゲームコンソールであっても、実行する処理によっては異なるゲームコンテンツのゲーム処理を行うゲーム装置として扱う。
【0012】
《ゲーム装置の構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
制御部101は、例えばCPU等であり、ゲーム装置100が備える各ブロックの動作を制御する。制御部101は、例えば記録媒体102に記録されたゲーム処理を含むゲームプログラムや各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。本実施形態のゲーム装置100で処理を実行するゲームタイトル(以下、提供ゲームタイトル)は、単独のプレイヤにより、或いは、複数のプレイヤにより同時操作可能なゲーム体験の提供するものであり、制御部101は複数のプレイヤ各々についての処理を同時並行して実行することが可能である。
【0014】
記録媒体102は、例えば書き換え可能な不揮発性メモリや、HDD、光学ディスクの挿入されたディスクドライブ等の記録装置である。記録媒体102には、ゲームプログラムや動作プログラムに加え、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作に必要なパラメータ等が記憶される。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力された中間データ等を一時的に記憶する記憶領域や作業領域としても用いられる。
【0015】
ゲーム情報DB104は、本実施形態の提供ゲームタイトルにおいて、ゲームに登場する(登場させることが可能な)キャラクタやアイテムについての各種情報を管理するデータベースである。各キャラクタについて情報(以下、キャラクタ情報)は、例えばキャラクタを識別するキャラクタIDに関連付けて、ゲーム上における該キャラクタの基本パラメータ、各種状態変化によるパラメータの変化態様を示した変化情報、使用時や所定の入力受付時に発動する行動を示した行動情報、またゲーム画面の描画において必要となる該キャラクタの各種グラフィックスデータ等を管理するものであってよい。変化情報や行動情報は、後述するように、キャラクタがメイン(主)キャラクタ及びサブ(副)キャラクタのいずれとして使用されるか、メインキャラクタにおいていずれの役割で使用されるか等、使用状態ごとに異なる情報を格納するものであってもよい。
【0016】
各アイテムについての情報(以下、アイテム情報)も同様に、例えばアイテムを識別するアイテムキャラクタIDに関連付けて、ゲーム上における該アイテムの基本パラメータ、各種状態変化によるパラメータの変化態様を示した変化情報、使用時や所定の入力受付時に発動する行動を示した行動情報、またゲーム画面の描画において必要となる該アイテムの各種グラフィックスデータ等を管理するものであってよい。
【0017】
描画部106は、例えばGPU等であり、本実施形態の提供ゲームタイトルに係るゲーム画面を描画する。描画部106は、提供ゲームタイトルに係る処理において制御部101から描画命令を受信すると、ゲーム画面の描画に必要となるデータを記録媒体102から読み出して不図示のキャッシュメモリに展開する。そして描画部106は、描画命令に従って該データを処理し、表示用に確保された例えばメモリ103のメモリ領域に順次描画して格納する。完成したゲーム画面は、液晶プロジェクタ等の投影部107による背面投影方式で、スクリーンパネル(投影面)である表示部108に表示(投影)される。なお、ゲーム画面の表示方式はこれに限られるものである必要はなく、例えばLCD等の所定の表示装置に映像信号として出力することにより表示されるものであってもよい。
【0018】
検出部109は、不図示の対価支払部に対してゲームプレイの提供を開始するための対価の支払いがなされたことを検出する。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤは提供ゲームタイトルに係るゲームプレイを行うためには、予め定められた対価の支払いを行う必要がある。検出部109は、予め定められた額の硬貨(金銭)や、それに相当する金銭価値を有するメダル(後述のゲーム用物品ではなく、店舗等の所定の環境における通貨)の対価支払部への挿入がなされたことを検出することにより、対価の支払いがなされたことを検出するものであってよい。もちろん検出部109は、対価支払部として電子マネー等の所定の決済システムを利用することにより、該決済の完了を検出するものであってもよい。
【0019】
操作入力装置110は、本実施形態のゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力装置110は、各プレイヤについて同様の構成を有するインタフェース(コントロールパネル)を提供するものである。本実施形態のゲーム装置100では、
図2(a)に示されるように、表示部108の周囲に各プレイヤについてのユニットとして、操作入力装置110が配置されている。
【0020】
〈操作入力装置の構成〉
ここで、本実施形態の操作入力装置110の例示的構成について、
図2(b)を参照して説明する。
図2(b)に示されるように、コントロールパネル上にはゲームプレイ中にユーザが操作入力を行う操作部材である、方向指示部材111と操作ボタン群112とが離間した領域に設けられている。またコントロールパネル上、方向指示部材111と操作ボタン群112との間には、ゲームプレイにつき使用する物品から情報取得を行うためのカード認識部113及びメダル認識部114が設けられている。
【0021】
本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤは、カード認識部113により情報取得が行われる、本発明に係る第1の種別の物品としてのカードと、メダル認識部114により情報取得が行われる、本発明に係る第2の種別の物品としてのメダルの2種類の物品を、ゲームプレイに使用することができる。本実施形態のゲーム装置100では、1回の対価の支払いにつき1枚のカードを排出するため、プレイヤは排出されたカードにかかるキャラクタを現在の対価の支払いに係るゲームプレイに使用することができる。一方で、メダルは店舗やイベント等において販売または配布される玩具体等の物品であり、ゲーム装置100や他ゲーム装置から排出される物品ではなくてもよい。
【0022】
以下、
図3を参照してゲーム装置100においてゲームプレイに使用可能な物品について説明する。なお、使用可能な物品は、ゲームに登場するキャラクタまたはアイテムに対応しているものとして説明してきたが、以下では説明を簡単にするため、使用可能な物品はゲームに登場するキャラクタに対応している(物品により、登場するキャラクタのうちの1つのキャラクタを一意に特定可能である)ものとして説明する。
【0023】
カード認識部113により情報取得が可能なカードは、例えば
図3(a)及び(b)に示されるように、該カードに対応しているゲーム内のキャラクタを示した画像301または311が付されている。またカードには、ゲーム装置100において該カードを識別するための情報である2次元コード302または312が付されており、カード認識部113は該2次元コードを読み取ることにより、データ列としてカードに付された情報を取得する。
図3(a)及び(b)はそれぞれ、提供ゲームタイトルの処理を行うゲーム装置100により排出されたカードを例示している。本実施形態のカード認識部113では、これら複数のゲームタイトルに係るカードから情報取得が可能なように、カードの形状や少なくとも図内横方向の寸法、及びカード内において2次元コードの配置される位置(印刷位置)が共通であるように構成されている。もちろん、カードの印刷や製造において誤差は生じうるため、カード内における2次元コードの印刷位置は同一と判断される位置、即ちカード認識部113により該コードが認識可能な位置に配置されているものであればよい。
【0024】
本実施形態のカード認識部113は、コントロールパネル上にカードに適合する形状に形成された凹面(溝)201にカードが載置されたことを検出し、情報取得を行う。凹面201は光透過性の部材で構成されており、2次元コードの読み取りは操作入力装置110内部に配置され、該凹面201を撮像する不図示の撮像装置により行われる。従って、プレイヤはゲームプレイに使用するカードを認識させるためには、
図3(a)及び(b)に示したカードの面を凹面201に接触させるように載置することで、カード認識部113に該カードの情報取得を行わせることができる。なお、本実施形態では2次元コードの読み取りが操作入力装置110内部に配置された撮像装置により行われるものとして説明するが、撮像装置の配置される位置は該態様に限定されるものではないことは容易に理解されよう。
【0025】
またメダル認識部114により情報取得が可能なメダルは、例えば
図3(c)に示されるようにメダルのオモテ面にキャラクタを示した画像321と、メダル認識部114にメダルを挿入する際の挿入方向を示すマーク322が付されている。またメダルのウラ面には、例えば
図3(d)に示されるように挿入方向に延設された溝部331が形成され、該溝部331内に該メダルを識別するための情報である凸部パターン332が形成されている。メダル認識部114は、コントロールパネル上にメダルに適合した形状を有するカバー202内に、ガイドレール203に沿ってメダルが挿入されることにより、該メダルの凸部パターン332を読み取る。このとき、スイッチ群204がメダルの凸部パターン332により順に操作され、ビットパターンの情報を取得することができる。
【0026】
このようにしてカード認識部113またはメダル認識部114によりカードまたはメダルから取得された情報は、制御部101に出力される。制御部101は、該情報を解析することにより、物品に対応するキャラクタのキャラクタIDの特定を行う。
【0027】
なお、本実施形態のゲーム装置100では、提供ゲームタイトルのゲームプレイに使用可能な2つの種別の物品がカード及びメダルであるものとして説明するが、本発明の実施において物品がカード及びメダルに限られないことは容易に理解されよう。またカードに情報を付す態様は、2次元コードに限られる必要はなく、例えばカードが有するチップ等の記憶媒体にデータとして記憶され、カード認識部113が専用のリーダを介して該データを取得可能に構成されていてもよい。この場合であっても、カードにおけるチップの配置される位置は、他ゲーム装置により排出されるカードと共通の位置であるものとする。またメダルに情報を付す態様も、凸部パターンに限られる必要はなく、カードと同様に2次元コードをウラ面またはオモテ面に設ける構成であってもよいし、内蔵した所定の記憶媒体を用いるものであってもよい。
【0028】
排出部120は、対価の支払いに応じて提供ゲームタイトルに係るカードを排出する。カードは例えば鉛直方向にカードを堆積するストッカに保持され、排出部120は制御部101からの排出命令に応じて、1回の対価の支払いにつき、最下部に保持されているカードを1枚排出する機構を有していてよい。
【0029】
ここで
図5を参照して、ゲーム装置100内の設置台501上に配置されたストッカ502について説明する。ストッカ502は、印刷済みの複数のカードを積層状態でカード収容部503に収容し、1枚ずつ排出することができる。排出されたカードは、ゲーム装置100の前面扉に設けられたカード取出口105へ搬送され、プレイヤはカード取出口105からカードを回収することができる。
図5ではストッカ502が2台設置された例を示しているが、より多くの台数のストッカ502を設置してもよい。ストッカ502が有するカード排出機構には、次に排出される(これから排出される)カードの情報を読み取るためのカード認識部121が設けられている。カード認識部121は、次に排出されるカードの2次元コードを読み取り、データ列としてカードに付された情報を取得し、制御部101に出力する。複数台のストッカがある場合、制御部101は、どのストッカからカード排出を行うかを制御することができる。例えば、各ストッカが所定枚数ずつ順に排出するように制御してもよいし、保持しているカードを全て排出するまで同一ストッカからの排出を継続するように制御してもよい。
【0030】
なお、排出する物品はカードでなくてもよく、例えば、排出部120が所謂3Dプリンタ等の立体造形物を生成可能な装置である場合は、物品はキャラクタに係るフィギュア等の造形物であってよい。この場合、排出部120は造形物に、提供ゲームタイトルの情報を含む、対応するキャラクタのキャラクタIDの情報を付して排出するよう構成されてよい。この場合、カード認識部121は造形物に付された情報を制御部101に出力する。
【0031】
また例えば、排出部120が複数種類の玩具体のソータを有し、所定のキャラクタに係る玩具体を選択的に排出可能に構成されている場合は、物品は該玩具体であってよく、排出部120は排出前に対象の玩具体に同様の情報を付して排出するよう構成されてよい。この場合も、カード認識部121は玩具体に付された情報を制御部101に出力する。
【0032】
通信部130は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部130は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わない通信媒体を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。本実施形態ではゲーム装置100は、プレイヤにより上述した記録カードを用いてゲーム経過のセーブやロードが所望された場合に、通信部130を介してセーブDB200と接続し、必要な情報の送受信を行う。以下、本実施形態では簡単のため、ゲーム経過の情報として、初期パラメータからの上昇率を示す成長度の情報が、キャラクタごとにセーブIDに関連付けられてセーブDB200に管理されるものとして説明する。ゲーム経過のセーブを行う場合には、ゲームプレイの終了後、例えば制御部101は今回のゲームプレイに使用したキャラクタの成長度の情報を生成して通信部130を介してセーブDB200に送信し、記録カードから取得されたセーブIDに関連付けて記録させる。またゲーム経過のロードを行う場合には、対価の支払いの検出後、例えば制御部101は、記録カードから取得されたセーブIDに関連付けて記録されている成長度の情報の送信を通信部130を介してセーブDB200に要求し、取得すればよい。
【0033】
また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを通信部130を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部130により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
【0034】
《スタンバイ処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において実行されるスタンバイ処理について、
図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。本スタンバイ処理は、次に排出されるカードのカード情報を事前に読み取っておくと共に、対価の支払いを受け付け、最終的にゲーム処理が実行されるまでの処理を、プレイヤごとに行う処理である。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本スタンバイ処理は、例えばゲーム装置100が起動されて、対価の支払いがあればプレイヤによるゲームプレイを開始できる状態(スタンバイ状態)となった際に開始されるものとして説明する。また、スタンバイ状態には、1回のゲームプレイが完了した場合にも至るものであり、その度に本スタンバイ処理が開始される。
【0035】
また、ゲーム装置100がスタンバイ状態であるか否かは、表示部108への通知を含むゲーム画面の表示により、ゲーム装置100を観賞しているユーザに提示される。スタンバイ状態であるかの通知は、例えばゲーム装置100に設けられたいずれの操作入力装置110においてもプレイヤが操作を行ってない(対価の支払いがなされていない)場合は、各操作入力装置110の位置に対応する領域に、提供ゲームタイトルのロゴ表示画面やデモンストレーション画面とともに、スタンバイ状態(対価の支払いによりゲームプレイ可能)であることの通知がなされるものであってよい。またいずれかの操作入力装置110においてプレイヤが操作を開始している(対価の支払いを行った)場合には、該プレイヤに対応する領域が、ゲームプレイの進行状況に対応した画面に変更されるが、他の領域には依然としてスタンバイ状態であることの通知がなされる。
【0036】
S401で制御部101は、カード認識部121を認識可能な状態に制御し、排出部120の各ストッカから次に排出されるカードのカード情報を取得する。当該カード情報は、提供ゲームタイトルの処理を実行するゲーム装置から排出されたものであることを示す情報、及びカードに対応するゲーム内要素(キャラクタやアイテム)を特定するための情報を含むことができる。ストッカが複数存在する場合、制御部101は、取得したカード情報をストッカの識別情報(ストッカID)と関連づけてメモリ103に保持する。
【0037】
次にS402で、制御部101は、各操作入力装置110について、対応する対価支払部への対価の支払いがなされたか否かを判断する。具体的には制御部101は、検出部109が対価の支払いがなされたことを検出したか否かにより、本ステップの判断を行う。制御部101は、対価の支払いがなされたと判断した場合は該操作入力装置110のプレイヤ(対象プレイヤ)に対応する処理をS403に進め、なされていないと判断した対象プレイヤに対応する処理は本ステップの処理を繰り返す。即ち、本スタンバイ処理においてS401〜S406までの処理は、各操作入力装置110に対応するプレイヤごとに制御されるものであり、同時プレイが可能な最大人数のプレイヤについて並行して実行される。
【0038】
S403で、排出部120は制御部101の制御の下、カードの排出を行う。本ステップで排出されるカードには、上述のカード情報が付されているが、当該カード情報はS401の処理により既に取得済みである。
【0039】
S404で、制御部101は、カード認識部113を認識可能な状態に制御し、対価の支払いに応じたゲームプレイに使用されるメインキャラクタの登録を行う登録処理を実行する。メインキャラクタとは、後述のゲーム処理に登場するキャラクタであって、かつ、対象プレイヤが使用し続けることが可能なキャラクタである。プレイヤは、所有するカードを凹面201に載置してカード認識部113に情報取得させることにより、1回のゲームプレイにつき3体までのメインキャラクタを登録することができる。この登録処理では、S402において排出されたカードのカード情報に基づくキャラクタも登録することができる。その場合、制御部101はS401において既にカード情報を取得しているため、プレイヤはS402で排出されたカードについてはカード認識部113を使って情報を入力する必要はない。
【0040】
〈登録処理〉
ここで、本実施形態の登録処理について、
図6のフローチャートを参照してより詳細に説明する。
【0041】
S601において、制御部101は、表示部108に、S403で排出されたカードのキャラクタを使用するか否かの問い合せ通知を表示する。このとき、通知画面には、S401で取得したカード情報に基づくキャラクタの情報を表示することができる。その際、制御部101は、取得済みのカード情報に基づきキャラクタのキャラクタIDを特定し、ゲーム情報DB104から該キャラクタIDに関連付けて記録されているキャラクタ情報を取得し、これを表示に利用する。プレイヤは、この通知に対して操作入力装置110を操作することにより、排出カードのキャラクタを使用するか否かを決定することができる。制御部101は、プレイヤから排出カードのキャラクタを使用するとの操作を受付けた場合、処理をS602に移す。一方、制御部101は、プレイヤから排出カードのキャラクタを使用しないとの操作を受付けた場合、処理をS603に移す。
【0042】
S602において、制御部101はS601で取得したキャラクタ情報をメインキャラクタの情報としてメモリ103に登録し、処理をS603に移す。S603では、制御部101は、カード認識部113によりカードからの情報取得がなされたか否かを判断する。制御部101は、カードからの情報取得がなされたと判断した場合は処理をS604に移し、なされていないと判断した場合は処理をS605に移す。
【0043】
S604で、制御部101はカード認識部113により取得された情報に基づき、情報取得が行われたカードに対応するキャラクタのキャラクタIDを特定する。そして制御部101は、キャラクタDB104から該キャラクタIDに関連付けて記録されているキャラクタ情報を取得し、メインキャラクタの情報としてメモリ103に登録する。このときメモリ103にゲーム経過を示す情報が格納されている場合、制御部101はゲーム経過を示す情報のうちの対応するキャラクタの成長度の情報を参照して、登録するキャラクタ情報を変更して登録を行えばよい。制御部101は、その後処理をS605に移す。
【0044】
S605で、制御部101は、メインキャラクタの登録を終了するか否かを判断する。具体的には制御部101は、最大数のメインキャラクタが登録されたか否か、または最大数に満たなくともメインキャラクタの登録を終了する指示がなされたか否かを判断する。このとき、制御部101は、最大数の記録カードの情報取得がなされていない場合は、記録カードの情報取得が不要であるか否かの確認を行い、不要である場合は登録を終了すると判断する。制御部101は、メインキャラクタの登録を終了すると判断した場合は処理をS606に移し、終了しないと判断した場合は処理をS603に戻す。
【0045】
ここで、本実施形態では、対価の支払時に排出されたカードのキャラクタをメインキャラクタとして登録することができるので、排出カードのキャラクタが登録される場合は、プレイヤは(最大数-1)枚のカードをS603でスキャンしてメインキャラクタ登録を行うことができる。その一方で、仮にプレイヤが排出カードのキャラクタをメインキャラクタとして登録しない場合は、プレイヤは最大数に相当する枚数のカードをS603でスキャンしてメインキャラクタ登録を行うことができる。また、プレイヤが最大数のメインキャラクタの登録を終えていない場合であって、かつ、情報取得の対象となる追加のカードを保有していない場合には、制御部101は所定のキャラクタを任意に選択(例えば、抽選による)してプレイヤが利用可能としてもよい。
【0046】
S606で、制御部101は、登録されたメインキャラクタの各々の操作を、操作ボタン群112のいずれのボタンに設定するかを決定する。本実施形態のゲーム装置100ではプレイヤは、方向指示部材111を操作することにより登録した複数のメインキャラクタ群の移動操作を行うことが可能であり、移動した先においていずれのキャラクタの行動を行うかを容易に可能ならしめるため、操作ボタン群112が有する複数のボタンの各々に異なるメインキャラクタを対応付ける。メインキャラクタの操作をいずれのボタンに割り当てるかは、例えば対象プレイヤによる設定要求に係る操作入力に基づいて決定されてもよいし、カード認識部113により情報が取得された順や、ボタンごとに割り当てられた役割の適合度(ゲーム内で該役割を担うことが好適であるかの度合い)に応じて決定されるものであってもよい。制御部101は、本ステップのボタン設定が終了すると、本登録処理を完了する。
【0047】
このように登録処理を行うことで、各プレイヤについてゲームプレイに使用するメインキャラクタを登録することができる。S404における登録処理が完了すると、制御部101は続くS405で、ゲーム処理を開始する。本実施形態のゲーム装置100では、単数のプレイヤによるゲームプレイ、又は、複数人のプレイヤが参加したゲームプレイ、特に複数のプレイヤが協力して敵キャラクタと交戦する対戦ゲームを実行することができる。S405で、制御部101は、対象プレイヤについて対戦ゲームに係るゲーム処理を実行する。なお、本実施形態のゲーム装置100が実施する対戦ゲームは、ゲーム装置100においてゲームプレイを行っている全てのプレイヤについて、例えば、少なくとも敵キャラクタに係り発生するイベントが共通するように実行することができる。S405におけるゲーム処理の完了後、制御部101はS406で、終了シーケンスを実行し、スタンバイ処理を完了する。ここでの終了シーケンスには、例えばゲーム経過のセーブ処理などが含まれる。
【0048】
以上によれば、ゲーム装置100は、プレイヤの対価の支払いに応じて排出されたカードの情報を予め読み取っておき、当該情報に基づきメインキャラクタの登録処理を実行することができる。これにより、プレイヤは対価の支払いに応じて排出されたカードを改めてスキャンする等してカード情報をゲーム装置100に読み取らせる必要がなくなるため、操作の煩雑性が改善される。
【0049】
<変形例1>
上述の実施形態では、カード情報として、カードに対応するキャラクタを特定するための情報が含まれる場合を説明したが、カード情報にはキャラクタ以外に、例えば当該キャラクタがゲーム中に使用可能なアイテムを特定するための情報が含まれていてもよい。
【0050】
その場合、制御部101は、スタンバイ処理において取得したカード情報をS602におけるキャラクタ登録処理において利用するのではなく、S405におけるゲーム処理において利用する。例えば、ゲーム処理において、制御部101は、表示部108に、排出カードのアイテムをゲーム中に使用するか否かの問い合せ通知を表示する。このとき、通知画面には、S401で取得したカード情報に基づくアイテムの情報を表示することができる。その際、制御部101は、取得済みのカード情報に基づきアイテムのアイテムIDを特定し、ゲーム情報DB104から該アイテムIDに関連付けて記録されているアイテム情報を取得する。プレイヤは、この通知に対して操作入力装置110を操作することにより、当該アイテムを使用するか否かを決定することができる。
【0051】
<変形例2>
上記実施形態のS405におけるゲーム処理では、カード認識部113により追加のカード情報の読取りを行って、当該カード情報に基づきゲームの進行を制御するイベントが発生する場合がある。そのようなイベントでは、S403で排出されたカードのカード情報をカード認識部113により再度読み取らせることも可能である。その場合、制御部101はゲーム処理中における当該カードのキャラクタのパラメータを変更(例えば、増強)し、ゲームを有利に進行できるようにしてもよい。該追加のカード情報の読み取りにおいては、制御部101は、S403で排出されたカードが使用される場合に、他のカードが使用される場合に比べて、ゲームをより有利に進行できるよう制御してもよい。また、1枚のカードにキャラクタ情報とアイテム情報とが含まれている場合、S401ではキャラクタ情報を取得してS404の登録処理にてこれを利用する一方、ゲーム処理中に発生したイベントにおいてはアイテム情報を取得して、同様の効果を実現してもよい。これにより、カードの所有枚数が少ないプレイヤであっても、カードを利用するタイミングによりゲームを有利に進めることが可能となり、遊技性を向上させることができる。
【0052】
また、上記の実施形態では、カード情報がキャラクタかアイテムという2つのゲーム内要素に対応する場合を説明したが、カード情報は、これ以外の任意のゲーム内要素であって、ゲームの進行に関する情報であれば、どのようなものに対応していてもよい。その際、排出時に取得するカード情報は、複数種類のゲーム内要素のうち特定の種類のみに限定してもよい。また、排出時に取得したカード情報を利用するタイミングは、キャラクタ登録時に限定されず、それ以外の任意のタイミングであってもよいし、特定のタイミングにおいて利用する場合には、キャラクタやアイテムのパラメータを変更するなどの特典を付与するようにしてもよい。
【0053】
<変形例3>
上述の実施形態では、対価の支払いが行われるとカードが排出されることになっていた。しかし、発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、カードの排出はゲーム終了時か、ゲームの途中(少なくとも一部のゲームの終了後)であってもよい。その場合であっても、排出されるカードのキャラクタの情報をゲーム処理に利用可能とすることができる。例えば、カードが排出されていなくてもS404の登録処理において排出されるはずのカードのキャラクタをメインキャラクタに登録可能とすることができる。カード情報を登録処理において利用可能としない場合であっても、その後のゲーム処理において利用可能としてもよく、更にカード情報を利用可能とするタイミングとカード排出のタイミングが異なっていてもよい。
【0054】
また、S404の登録処理が終わるまではカードの排出も、カード情報の利用も制限するようにしてもよい。但し、登録処理において登録されたメインキャラクタ数が最大数に満たない場合は、排出カード(排出されるはずのカード)のキャラクタをメインキャラクタに登録可能に制御してもよい。それでもメインキャラクタ数が足りない場合は、上述のように抽選により制御部101が選択した任意のキャラクタをメインキャラクタとして登録可能とする。
【0055】
<変形例4>
上述の実施形態では、対価の支払いが行われるまで、次に排出されるカードのカード情報に関する何らかの情報がプレイヤに提供されることはなかった。これに対し、対価の支払いがなされていない状況で、表示部108に提供ゲームタイトルのロゴ表示画面やデモンストレーション画面を表示する際に、その背景に、次に排出されるカードのカード情報から特定されたキャラクタに関する情報を表示してもよい。例えば、当該キャラクタのシルエットやキャラクタを想起させる情報(キャラクタが使用するアイテム等)を背景に表示する等してもよい。また、映像での情報提示以外にも、に当該キャラクタに関する音声情報を出力してもよい。
【0056】
[実施形態2]
次に、発明の第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態では、主として、対価の支払時に排出されたカードから予め取得しておいたキャラクタやアイテムなどの情報を、カードスキャン無しにゲームで使用するキャラクタやアイテムとして登録する際に利用可能とする形態を説明した。これに対し、本実施形態では、カードの排出はゲーム終了時、或いは、一部のゲームの終了時としつつ、ゲーム進行を排出予定のカードの情報に基づいてプレイヤが選択可能とする。
【0057】
本実施形態に対応するゲーム装置100の構成は
図1及び
図2に示したものと同様である。但し、
図1のゲーム情報DB104には、第1の実施形態で説明したキャラクタやアイテムの各種情報に加えて、ゲーム進行を制御するためのシナリオ情報が登録される点で異なる。シナリオ情報は、当該シナリオ情報を識別するためのシナリオID、シナリオを構成する各種パラメータ等のシナリオデータの他、当該シナリオに基づきゲーム進行を制御するための各種情報を含む。各種情報には、例えば、キャラクタ情報、アイテム情報、マップ情報、経路情報、イベント情報等が含まれる。シナリオ情報に含まれるキャラクタ情報、アイテム情報には、当該シナリオ進行に関連するキャラクタIDやアイテムIDが含まれる。従って、キャラクタIDが特定されると、当該キャラクタIDと関連づけられたシナリオを特定することが可能となる。それ以外の構成については、ここでの説明は省略する。
【0058】
図7は、本実施形態のゲーム装置100において実行されるスタンバイ処理の一例を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおける本スタンバイ処理は、次に排出されるカードのカード情報を事前に読み取っておくと共に、対価の支払いを受け付け、最終的にゲーム処理が実行されるまでの処理を、プレイヤごとに行う処理である。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
図7における処理のうち、
図4と共通する処理については同一の参照番号を付してある。参照番号が同一の処理については、
図4との関連で説明した処理と同じ内容が実行されるだけであるので、以下では説明を省略する。
【0059】
S402における対価の支払いの後、
図7のスタンバイ処理ではシナリオ選択処理を実行する。当該シナリオ選択処理の詳細を
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
S801において、制御部101は、表示部108に、シナリオ選択画面を表示する。このとき、選択対象のシナリオは少なくとも2つ以上が表示される。また選択対象のシナリオは、S401で取得された、各ストッカが次に排出することとなっているカードのカード情報から特定されたキャラクタIDと関連づけられている。より具体的に制御部101は、取得済みのカード情報に基づきキャラクタのキャラクタIDを特定し、ゲーム情報DB104から該キャラクタIDを含む(或いは、該キャラクタIDと関連付けて記録されている)シナリオ情報を取得する。例えば、排出部120がストッカを4台有する場合には、4つのシナリオ情報が提示されることとなる。このとき制御部101は、特定した各シナリオ情報と、対応するストッカのストッカIDとを関連づけてメモリ103に保持しておく。
【0061】
なお、ストッカが次に排出することとなっているカードがアイテムカードである場合であっても、制御部101は、取得済みのカード情報に基づきアイテムIDを特定し、ゲーム情報DB104から該アイテムIDを含む(或いは、該アイテムIDと関連付けて記録されている)シナリオ情報を取得する。
【0062】
続くS802では、制御部101は、プレイヤからのシナリオ選択を受付けたか否かを判定する。シナリオ選択をプレイヤから受付けたと判定した場合は、処理をS803に移す。シナリオ選択をプレイヤから受付けていないと判定した場合は、S802の処理を継続する。続くS803では、制御部101は、S802でプレイヤから選択されたシナリオに対応するシナリオ情報をメモリ103に登録する。この時、選択されたシナリオ情報に対応するストッカIDも一緒に登録される。その後、シナリオ選択処理を終了する。
【0063】
図7の説明に戻り、上述のようにしてS701におけるシナリオ選択処理が終了すると、制御部101はS702において登録処理を実行する。当該登録処理では、
図6のフローチャートに示した登録処理のうち、S603からS606を実行する。本実施形態では、メインキャラクタの登録処理の段階では、これから排出されるべきカードのキャラクタを利用可能としていない。従って、プレイヤは手持ちのカードを使ってメインキャラクタを登録するか、或いは、制御部101が上述のように抽選により任意のキャラクタをメインキャラクタとして登録可能とする。
【0064】
登録処理が完了すると、制御部101は続くS405でゲーム処理を開始する。このとき、制御部101は、S701において選択されたシナリオ情報に基づいてゲーム処理を進行する。S405におけるゲーム処理の完了後、制御部101はS406で、終了シーケンスを実行した後、S703においてカード排出を行う。このとき、制御部101は、シナリオ選択処理のS803の処理で登録されたシナリオ情報に対応するストッカIDをメモリ103から取得し、当該ストッカIDを有するストッカを制御してカード排出を行う。制御部101は、カード排出すると、スタンバイ処理を完了する。
【0065】
<変形例1>
上述の実施形態では、ゲーム装置100内の全てのストッカが次に排出するカードのカード情報を予め取得して、これに基づきシナリオ選択を可能とした。しかし、発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、複数のストッカのうち、一部のストッカが次に排出するカードのカード情報は取得しないように制御してもよい。その場合、S801において提示される選択対象のシナリオは、取得されたカード情報の範囲内で特定可能とするか、または、当該範囲の他に、追加で任意のシナリオを選択対象に含めてもよい。後者の場合、プレイヤが任意に追加されたシナリオを選択した場合には、カード情報の取得対象外のストッカからカード排出を行うことができる。
【0066】
以上によれば、ゲーム装置100は、プレイヤの対価の支払いに応じて排出される予定のカードの情報を予め読み取っておき、当該情報に基づきプレイヤにゲーム進行シナリオの候補を提供することができる。プレイヤは、候補の中から選択したシナリオに従ってゲーム処理を行った後、当該シナリオに対応したキャラクタやアイテムのカードを取得することができる。