特許第6746372号(P6746372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友理工株式会社の特許一覧

特許6746372電磁式アクチュエータおよび能動型制振装置と能動型防振装置
<>
  • 特許6746372-電磁式アクチュエータおよび能動型制振装置と能動型防振装置 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6746372
(24)【登録日】2020年8月7日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】電磁式アクチュエータおよび能動型制振装置と能動型防振装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/16 20060101AFI20200817BHJP
   F16F 13/26 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
   H02K33/16 A
   F16F13/26 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-97416(P2016-97416)
(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公開番号】特開2017-204987(P2017-204987A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2019年2月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】特許業務法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】金谷 知宏
(72)【発明者】
【氏名】奥村 圭
【審査官】 池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−283214(JP,A)
【文献】 特開2013−060963(JP,A)
【文献】 特開2012−042017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/16
F16F 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁気による加振力が相互間に及ぼされる固定子と可動子とをインナ軸部材とアウタハウジング部材との各一方へ固定的に組み付けると共に、該インナ軸部材と該アウタハウジング部材を軸方向両側で板ばねにより弾性的に連結せしめた電磁式アクチュエータにおいて、
アウタ筒部材の軸方向両側の開口部に対して第一の蓋部材と第二の蓋部材が組み付けられて前記アウタハウジング部材が構成されていると共に、該アウタ筒部材の軸方向一方の端部に小径の括れ状部が設けられており、該アウタハウジング部材に組み付けられる前記固定子の軸方向一方の側が該括れ状部における軸方向内側の段差状壁部によって軸方向で位置決めされている一方、該括れ状部における軸方向外側の段差状壁部が、該アウタ筒部材の開口部に位置して外向きに平坦に広がるフランジ状部とされており、該フランジ状部の外周部分に対して前記第一の蓋部材が固定されていると共に、該フランジ状部に対する該第一の蓋部材の固定部分によって前記板ばねの外周縁部が支持されており、且つ該フランジ状部の径方向長さが、該括れ状部における軸方向内側の該段差状壁部の径方向長さよりも短いことを特徴とする電磁式アクチュエータ。
【請求項2】
前記アウタ筒部材の軸方向他方の側から内周側に突出し、前記アウタハウジング部材に組み付けられる前記固定子の軸方向他方の側を、該アウタ筒部材の軸方向開口部よりも軸方向内方において位置決めする押え部材が設けられている請求項1に記載の電磁式アクチュエータ。
【請求項3】
前記固定子がコイル部材を含んで構成されており、該固定子が前記アウタハウジング部材に対して組み付けられている請求項1又は2に記載の電磁式アクチュエータ。
【請求項4】
前記アウタ筒部材の前記括れ状部における軸方向内側の前記段差状壁部には弾性スペーサが設けられており、前記固定子の軸方向一方の側が該弾性スペーサを介して該段差状壁部によって位置決めされている請求項1〜3の何れか一項に記載の電磁式アクチュエータ。
【請求項5】
前記アウタ筒部材の軸方向両側の開口部に対する前記第一の蓋部材と前記第二の蓋部材の組付部位には、該アウタ筒部材と該第一又は第二の蓋部材との何れか一方の側に設けられて他方の側へかしめ固定された筒状のかしめ固定片が設けられており、該筒状のかしめ固定片の内周面によって前記板ばねの外周端が軸直角方向に位置決めされている請求項1〜4の何れか一項に記載の電磁式アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の電磁式アクチュエータにおいて、前記固定子がコイル部材を含んで構成されて前記アウタハウジング部材に組み付けられていると共に、永久磁石を含んで構成された前記可動子が前記インナ軸部材に組み付けられている一方、前記アウタ筒部材の軸方向両側が前記第一及び第二の蓋部材で覆蓋されることによって形成された閉鎖状内部空間に可動子を備えた該インナ軸部材が収容配置されており、該アウタ筒部材には制振対象部材へ取り付けられる装着部が設けられていることを特徴とする能動型制振装置。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか一項に記載の電磁式アクチュエータにおいて、前記固定子がコイル部材を含んで構成されて前記アウタハウジング部材に組み付けられていると共に、永久磁石を含んで構成された前記可動子が前記インナ軸部材に組み付けられている一方、該インナ軸部材と一体的に設けられた出力部材が該アウタハウジング部材の前記第一の蓋部材を貫通して軸方向外方に突出されており、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を備えた流体封入式防振装置本体に対して該アウタハウジング部材が取り付けられていると共に、該流体封入式防振装置本体における該流体室へ圧力変動を及ぼす加振部材に対して該出力部材が取り付けられていることを特徴とする能動型防振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナ軸部材とアウタ筒部材との間に電磁気による軸方向の駆動力を生ぜしめる電磁式アクチュエータに関連する技術に係り、電磁式アクチュエータとそれを用いた能動型の制振装置および防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、アクティブタイプといわれる能動型の制振装置や防振装置では、加振駆動力を得るために電磁式アクチュエータが採用されている。電磁式アクチュエータは、例えば特開2011−109831号公報(特許文献1)に示されているように、インナ軸部材の軸方向両側をアウタハウジング部材に対して板ばねで弾性支持せしめて軸方向で相対移動可能に組み付けた構造とされている。そして、インナ軸部材とアウタハウジング部材とに対して、固定子と可動子との間に及ぼされる電磁力を作用せしめて軸方向の加振駆動力を得るようになっている。
【0003】
ところが、上記特許文献1に記載の如き従来構造の電磁式アクチュエータでは、有底円筒形状のアウタハウジング金具が用いられており、アウタハウジング金具の底部から板ばねやコイル部材などを重ね合わせるようにして組み付けた構造とされていた。その際、アウタハウジング金具の底部を目視できないことから、板ばねやコイル部材の組付精度の確保が難しかった。
【0004】
しかも、アウタハウジング金具の底部側へ板ばねとコイル部材とを重ね合わせて組み付けると、加振作動時における板ばねのインナ軸部材側への干渉が問題となりやすい。そのために、板ばねとコイル部材との間に別体スペーサを組み込んだり、特許文献1に記載のようにコイル側ヨーク部材を段差形状等の特殊な形状にする必要があり、構造が複雑となって製造も難しかったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−109831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題とするところは、板ばねのインナ軸部材側への干渉を簡単な構造で防止できると共に、板ばねやコイル部材の組付精度も容易に確保することが可能となる、新規な構造の電磁式アクチュエータなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
【0008】
本発明の第一の態様は、電磁気による加振力が相互間に及ぼされる固定子と可動子とをインナ軸部材とアウタハウジング部材との各一方へ固定的に組み付けると共に、該インナ軸部材と該アウタハウジング部材を軸方向両側で板ばねにより弾性的に連結せしめた電磁式アクチュエータにおいて、アウタ筒部材の軸方向両側の開口部に対して第一の蓋部材と第二の蓋部材が組み付けられて前記アウタハウジング部材が構成されていると共に、該アウタ筒部材の軸方向一方の端部に小径の括れ状部が設けられており、該アウタハウジング部材に組み付けられる前記固定子の軸方向一方の側が該括れ状部における軸方向内側の段差状壁部によって軸方向で位置決めされている一方、該括れ状部における軸方向外側の段差状壁部が、該アウタ筒部材の開口部に位置して外向きに平坦に広がるフランジ状部とされており、該フランジ状部の外周部分に対して前記第一の蓋部材が固定されていると共に、該フランジ状部に対する該第一の蓋部材の固定部分によって前記板ばねの外周縁部が支持されており、且つ該フランジ状部の径方向長さが、該括れ状部における軸方向内側の該段差状壁部の径方向長さよりも短い電磁式アクチュエータを、特徴とする。
【0009】
本態様に従う構造とされた電磁式アクチュエータでは、軸方向両側に開口するアウタ筒部材を採用し、そのアウタ筒部材に設けられた括れ状部を挟んだ軸方向両側に固定子と板ばねとを配した。それ故、固定子と板ばねの軸方向の位置決め精度を、アウタ筒部材の括れ状部への重ね合わせによって何れも良好に確保できる。また、固定子と板ばねとの間のスペースも括れ状部で確保できるから、加振作動時におけるインナ軸部材や可動子の板ばねへの干渉も、別部材のスペーサなどを必要とすることなく回避可能となる。
【0010】
しかも、アウタ筒部材における軸方向両側の開口部分へ板ばねが組み付けられることから、板ばねが組み付けられる状況を目視などで確認することも可能になる。それ故、軸方向両側の板ばねの組付けが容易になると共に、組付精度の向上も図られ得る。また、本態様の電磁式アクチュエータでは、アウタ筒部材のフランジ状部と第一及び第二の蓋部材との固定部位を利用して、板ばねを簡単な構造で強固に支持せしめて組み付けることが可能になる。
【0011】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る電磁式アクチュエータにおいて、前記アウタ筒部材の軸方向他方の側から内周側に突出し、前記アウタハウジング部材に組み付けられる前記固定子の軸方向他方の側を、該アウタ筒部材の軸方向開口部よりも軸方向内方において位置決めする押え部材が設けられているものである。
【0012】
本態様の電磁式アクチュエータでは、アウタ筒部材の軸方向開口部に組み付けられる板ばねとその軸方向内方に配される固定子や可動子との間の軸方向スペースを、押え部材によって容易に確保することができる。なお、押え部材は、例えば外周縁部をアウタ筒部材の軸方向開口部と第二の蓋部材との間でかしめ固定等することで固定され得て、それによって、アウタ筒部材の括れ部と押え部材との間で固定子を軸方向で挟持して、アウタハウジング部材に対して強固に固定することもできる。
【0015】
本発明の第の態様は、前記第一又は第二の態様に係る電磁式アクチュエータにおいて、前記固定子がコイル部材を含んで構成されており、該固定子が前記アウタハウジング部材に対して組み付けられているものである。
【0016】
本態様の電磁式アクチュエータでは、コイル部材を固定子としてアウタハウジング部材に組み付けたことで、コイル部材への給電線の屈曲変形を回避して配索ラインを容易に確保することができる。特にアウタハウジング部材が他の部材へ固定的に取り付けられる場合には、加振作動に伴うコイル部材への給電線の変形も回避されて、耐久性や信頼性の向上が図られ得る。
【0017】
本発明の第四の態様は、前記第一〜三の何れか一つの態様に係る電磁式アクチュエータにおいて、前記アウタ筒部材の前記括れ状部における軸方向内側の前記段差状壁部には弾性スペーサが設けられており、前記固定子の軸方向一方の側が該弾性スペーサを介して該段差状壁部によって位置決めされているものである。
【0018】
本態様の電磁式アクチュエータでは、部品の公差などによる固定子の軸方向固定部分における寸法ばらつきを、弾性スペーサで吸収することができる。なお、本態様に係る軸方向の弾性スペーサに加えて、アウタ筒部材の内周面において径方向の弾性スペーサを設けて、アウタ筒部材に内挿状態で組み付けられる固定子の軸直角方向の組付誤差の吸収やセンタリング性の向上などを図ることも可能である。
【0019】
本発明の第の態様は、前記第一〜の何れか一つの態様に係る電磁式アクチュエータにおいて、前記アウタ筒部材の軸方向両側の開口部に対する前記第一の蓋部材と前記第二の蓋部材の組付部位には、該アウタ筒部材と該第一又は第二の蓋部材との何れか一方の側に設けられて他方の側へかしめ固定された筒状のかしめ固定片が設けられており、該筒状のかしめ固定片の内周面によって前記板ばねの外周端が軸直角方向に位置決めされているものである。
【0020】
本態様の電磁式アクチュエータでは、筒状のかしめ固定片の内周面に対する板ばねの外周面の当接作用により、かしめ固定部分に組み付けられる板ばねを軸直角方向で位置決めし、容易に且つ精度良くセンタリングして、板ばねをアウタハウジング部材に対して組み付けることができる。
【0021】
本発明の第の態様は、本発明に従う能動型制振装置に係り、前記第一〜の何れか一つの態様に係る電磁式アクチュエータにおいて、前記固定子がコイル部材を含んで構成されて前記アウタハウジング部材に組み付けられていると共に、永久磁石を含んで構成された前記可動子が前記インナ軸部材に組み付けられている一方、前記アウタ筒部材の軸方向両側が前記第一及び第二の蓋部材で覆蓋されることによって形成された閉鎖状内部空間に可動子を備えた該インナ軸部材が収容配置されており、該アウタ筒部材には制振対象部材へ取り付けられる装着部が設けられている能動型制振装置を、特徴とする。
【0022】
本発明の第の態様は、本発明に従う能動型防振装置に係り、前記第一〜の何れか一つの態様に係る電磁式アクチュエータにおいて、前記固定子がコイル部材を含んで構成されて前記アウタハウジング部材に組み付けられていると共に、永久磁石を含んで構成された前記可動子が前記インナ軸部材に組み付けられている一方、該インナ軸部材と一体的に設けられた出力部材が該アウタハウジング部材の前記第一の蓋部材を貫通して軸方向外方に突出されており、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を備えた流体封入式防振装置本体に対して該アウタハウジング部材が取り付けられていると共に、該流体封入式防振装置本体における該流体室へ圧力変動を及ぼす加振部材に対して該出力部材が取り付けられている能動型防振装置を、特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電磁式アクチュエータにおいて、アウタ筒部材の括れ状部を利用することにより、板ばねと固定子とを軸方向で相互間に所定のスペースを確保しつつ、アウタハウジング部材に対して精度良く組み付けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態としての電磁式アクチュエータを利用した能動型制振装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1には、本発明の一実施形態である電磁式アクチュエータ10を備えた、自動車用の能動型制振装置12が示されている。かかる能動型制振装置12は、主振動系となる制振対象部材である自動車ボデーなどに固定的に取り付けられるアウタハウジング部材14に対して、マス部材16が収容状態で配設されて、板ばね18,20で弾性連結されることにより、副振動系となるマス−バネ系が構成されている。また、アウタハウジング部材14には固定子22が取り付けられている一方、上記マス部材16がインナ軸部材24と可動子26とを含んで構成されていると共に、インナ軸部材24に可動子26が取り付けられており、固定子22に対して可動子26が、軸方向に相対変位可能な状態で内外挿配置されている。以下の説明において、特に記載がない限り、上下方向および軸方向とは、電磁式アクチュエータ10の駆動作用方向であって、能動型制振装置12による能動的制振効果が発揮される振動の入力方向となる、図1中の上下方向を言う。
【0027】
より詳細には、アウタハウジング部材14は、大径の略円筒形状とされたアウタ筒部材28を備えている。アウタ筒部材28の上下の両開口部には、外周側に向かって広がる外向きの平坦な形状をもって上下のフランジ状部30,32が一体形成されている。そして、アウタ筒部材28の上下の開口部に対して、略円板形状を有する第一の蓋部材34と第二の蓋部材36がそれぞれ重ね合わされている。これら第一及び第二の蓋部材34,36の外周縁部がアウタ筒部材28の上下の開口部に対して固定されることにより、閉鎖状内部空間としての収容領域38を内部に備えたアウタハウジング部材14が構成されている。
【0028】
ここにおいて、アウタ筒部材28は軸方向上部が小径とされており、当該アウタ筒部材28の上側には、小径筒部40と該小径筒部40の軸方向両側から外周側に向かって広がる軸方向外側の段差状壁部および軸方向内側の段差状壁部42とからなる括れ状部44が形成されている。
【0029】
特に本実施形態では、軸方向外側の段差状壁部および軸方向内側の段差状壁部42がそれぞれ、軸直角方向に広がる円環板形状とされている。そして、軸方向外側の段差状壁部によって、アウタ筒部材28の上端開口部に位置するフランジ状部30が構成されている。
【0030】
また、アウタ筒部材28の軸方向下部は大径とされており、アウタ筒部材28の軸方向中間部分に位置する段差部46と、該段差部46の外周縁部から下方に向かって延びる大径筒部48が形成されている。そして、大径筒部48の下端には、アウタ筒部材28の下側開口部に位置するフランジ状部32が形成されている。また、フランジ状部32の外周端部には、下方(第二の蓋部材36側)に向かって突出する円筒形状のかしめ固定片としてのかしめ部52が一体的に形成されている。
【0031】
このようなアウタ筒部材28には、固定子22が収容されている。固定子22は、全体として厚肉の略円筒形状を呈しており、アウタ筒部材28における軸方向の略中央部分に位置して内周面に沿うようにして固定的に組み付けられている。
【0032】
詳細には、固定子22は、上下二段に配されたコイル部材54,54を備えている。コイル部材54は、樹脂製のボビン56に導電性の金属線材を巻回してなるコイル58に対して、アウタヨーク60が組み付けられた構造とされて、全体として厚肉大径の略円筒形状を呈している。
【0033】
アウタヨーク60は、鉄などの強磁性体で形成されており、コイル58を軸方向外面から外周面にわたって覆うように重ね合わされた第一のヨーク62と、コイル58の軸方向内面を覆うように重ね合わされた第二のヨーク64とを備えている。
【0034】
また、コイル58の軸方向両面に重ね合わされた第一のヨーク62と第二のヨーク64の各内周縁部は、コイル58の内周面を覆うように上下両方からそれぞれ所定長さで軸方向に延びている。そして、コイル58の内周面上で軸方向で上下から接近した第一のヨーク62と第二のヨーク64の各端部は、軸方向に所定距離を隔てて対向せしめられている。
【0035】
これにより、上下の各コイル58,58の周囲には、コイル58,58への通電によって生じる磁束を導く磁路が、第一及び第二のヨーク62,64を含むアウタヨーク60によって形成されている。また、かかる磁路上には、コイル58,58の内周面側に位置して、第一のヨーク62と第二のヨーク64の軸方向対向面間に磁気ギャップ66,66が形成されている。かかる磁気ギャップ66,66は、略一定の間隔で周方向の全周に亘って連続して広がっている。
【0036】
そして、外部からコイル58,58に給電されることにより、コイル58,58の周囲に磁束が発生すると共に、発生した磁束がアウタヨーク60,60で構成された磁路によって導かれて、磁気ギャップ66,66の軸方向両側に磁極が形成されるようになっている。
【0037】
なお、本実施形態では、上側のコイル部材54のコイル58と、下側のコイル部材54のコイル58は、線材がボビン56に対して互いに逆向きに巻回されており、通電によって逆向きの磁束を生じるようになっている。かかる上下のコイル部材54,54のコイル58,58は、相互に連続した線材で構成されていても良い。
【0038】
また、本実施形態では、上下のコイル部材54,54が、略対称な構造とされており、一体形成されたボビン56,56を有する一体構造とされている。更に、下側のボビン56には、下方で且つ外周に突出した給電用スペーサ68が一体形成されている。給電用スペーサ68は、大径の円環形状とされており、周上の一箇所には、上下のコイル58,58に対して外部から給電するための端子金具を備えたコネクタ部70が形成されている。
【0039】
そして、このようなコイル部材54,54を有する固定子22は、アウタ筒部材28に対して下方から内挿されて組み付けられている。コイル部材54,54は、アウタ筒部材28の軸方向中間部分に配されていると共に、給電用スペーサ68は、アウタ筒部材28の大径筒部48内に配されている。
【0040】
また、上側のコイル部材54の上端面は、アウタ筒部材28の括れ状部44における軸方向内側の段差状壁部42に対して重ね合わされており、それによって、固定子22がアウタ筒部材28内で軸方向位置を設定されている。
【0041】
また、給電用スペーサ68は、アウタ筒部材28の段差部46に重ね合わされている。更にまた、給電用スペーサ68のコネクタ部70が、大径筒部48に貫通された挿通孔72に挿通されており、先端部分がアウタ筒部材28の外周面上に突出している。
【0042】
更にまた、アウタ筒部材28の内周面には、所定厚さのゴム層が固着形成されており、括れ状部44における軸方向内側の段差状壁部42の下面において、軸方向の弾性スペーサ74が形成されている。なお、本実施形態では環状の弾性スペーサ74が設けられている。また、アウタ筒部材28の軸方向中間部分の内周面にも径方向の弾性スペーサが形成されていてもよい。そして、固定子22の上側が括れ状部44における軸方向内側の段差状壁部42に対して、軸方向の弾性スペーサ74を介して押し当てられて軸方向に位置決めされている。また、固定子22がアウタ筒部材28の内周面に対して、径方向の弾性スペーサを介して当接されて径方向に位置決めされていてもよい。
【0043】
さらに、アウタ筒部材28には、下側の開口部分から押え部材76が嵌め入れられて組み付けられている。押え部材76は、全体として段付の円筒形状とされており、アウタ筒部材28における大径筒部48と略同じ軸方向長さを有している。また、押え部材76には、軸方向で上端に位置する部分が環状の押え板部78とされていると共に、軸方向下端に位置する部分が環状の固定板部80とされている。更にまた、これら押え板部78と固定板部80とが、それぞれの内周端部において筒状部82により相互につながっている。
【0044】
押え部材76の固定板部80は、アウタ筒部材28における下方のフランジ状部32に重ね合わされており、アウタ筒部材28のかしめ部52によって、第二の蓋部材36の外周縁部と共にフランジ状部32にかしめ固定されている。そして、押え板部78が、コイル部材54,54を有する固定子22の軸方向下面に対して重ね合わされており、アウタハウジング部材14の軸方向で、固定子22が、括れ状部44の軸方向内側の段差状壁部42と押え板部78との間で挟持されてアウタハウジング部材14に対して固定的に組み付けられている。
【0045】
このように、アウタ筒部材28の下側開口部に押え部材76が組み付けられることで、押え部材76がアウタ筒部材28に対して内周側に突出している。また、かかる押え部材76の押え板部78により、固定子22の下方が、アウタ筒部材28の下側開口部よりも軸方向内方において、軸方向で位置決めされている。
【0046】
また、押え部材76の外周側には、給電用スペーサ68が配されており、押え部材76とアウタ筒部材28の段差部46や大径筒部48との間で挟持されることにより、外方に突出するコネクタ部70の基端側がアウタハウジング部材14で支持されている。
【0047】
なお、固定子22を軸方向に挟んで支持する段差状壁部42と押え板部78との間の挟持面間の寸法誤差などは、段差状壁部42上に設けられた弾性スペーサ74によって吸収されて、固定子22に対する安定した挟持力が発揮され得る。また、固定子22の外周面も、アウタ筒部材28の内周面に対して、弾性スペーサを介して当接位置決めされることにより、部材寸法誤差を吸収しつつ、固定子22がアウタハウジング部材14に対して良好にセンタリングされて組み付けられることも可能となる。
【0048】
特に本実施形態では、アウタ筒部材28の段差部46の内面にも環状の弾性スペーサ84が固着形成されていると共に、押え部材76における固定板部80の上面にも環状の弾性スペーサ86が固着形成されている。そして、給電用スペーサ68がアウタ筒部材28の段差部46と押え部材76における固定板部80との間で、弾性スペーサ84,86を介して軸方向で挟持されることで、両部材間のシール性が確保されている。
【0049】
なお、アウタ筒部材28に対する押え部材76の軸方向の組付位置は、フランジ状部32で決定される。それ故、給電用スペーサ68の挟持部分は、固定子22に対する軸方向の挟持力の作用経路から外れる。従って、固定子22に対する軸方向の挟持固定力を十分に確保しつつ、給電用スペーサ68の組付部位における保持力やシール性能などを適切に設定することが可能となる。
【0050】
一方、インナ軸部材24は、アウタハウジング部材14の中心軸上を同軸的に上下方向へストレートに延びるロッド形状とされている。そして、アウタハウジング部材14に組み付けられた固定子22で囲繞された領域(閉鎖状内部空間38)に配される可動子26が、インナ軸部材24に対して固定的に組み付けられている。なお、本実施形態では、インナ軸部材24の長さ寸法が、第一および第二の蓋部材34,36のそれぞれの対向面間の軸方向寸法より短くされており、インナ軸部材24の全体が収容領域(閉鎖内部空間)38内に収容されている。
【0051】
可動子26は、永久磁石88の上下両側にインナヨークとしての上ヨーク90と下ヨーク92を重ね合わせた構造のアーマチャを備えている。これら永久磁石88と上下ヨーク90,92には、中心軸上を軸方向に延びる貫通孔94が形成されており、インナ軸部材24が貫通孔94に挿通されている。そして、インナ軸部材24に螺着された固定ナット96により、永久磁石88と上下ヨーク90,92に対して重ね合わせ方向の締付力が及ぼされてインナ軸部材24に固定されている。
【0052】
また、上下ヨーク90,92の各軸方向端面には、板ばね18,20が重ね合わされている。板ばね18,20には、中心軸上にインナ軸部材24が貫通されており、板ばね18,20の中央部分が、上下ヨーク90,92の各一方に対して重ね合わされて固定されている。
【0053】
そして、これら上下の板ばね18,20の外周縁部が、アウタハウジング部材14に対して固定されていることにより、可動子26を有するインナ軸部材24が、軸方向両端付近において、板ばね18,20を介して、アウタハウジング部材14によって弾性的に支持されている。なお、板ばね18,20は、うずまき状に延びる複数の貫通窓が形成されており、軸直角方向の大きなばね剛性を確保しつつ、軸方向のばね特性が調節されている。
【0054】
具体的には、アウタ筒部材28の上方開口部に設けられたフランジ状部30に対して上側の板ばね18と第一の蓋部材34の外周縁部が重ね合わされて、第一の蓋部材34の外周端部に設けられた後述するかしめ部97によりかしめ固定がなされている。これにより、板ばね18がアウタハウジング部材14に固定されている。一方、アウタ筒部材28の下方開口部に設けられたフランジ状部32に対して下側の板ばね20と第二の蓋部材36の外周縁部が重ね合わされて、フランジ状部32の外周端部に設けられたかしめ部52によりかしめ固定がなされている。これにより、板ばね20がアウタハウジング部材14に固定されている。
【0055】
また、可動子26を構成する永久磁石88は、上下両面が軸直角方向に広がる平面とされた略円環板形状を有しており、軸方向に着磁されることで上下両面にN/Sの各一方の磁極が形成されている。なお、永久磁石88は、フェライト系磁石やアルニコ系磁石なども採用可能であるが、好適には希土類コバルト系磁石が採用される。
【0056】
上下ヨーク90,92は、鉄などの強磁性体で形成されており、互いに同じ部材を用いることができる。上下ヨーク90,92は、永久磁石88への重ね合わせ面が、永久磁石88に対応した平坦面形状とされており、永久磁石88に対して広い面で略密接状態に重ね合わされるようになっている。
【0057】
なお、上下ヨーク90,92は、軸方向外方に向かって次第に小径となる外周面形状とされており、軸方向に変位せしめられた際の板ばね18,20への干渉が回避されるようになっている。また、アウタ筒部材28の軸方向両側に組み付けられて上下の板ばね18,20を外方から覆う第一及び第二の蓋部材34,36は、中央部分が軸方向外方に膨らんだ逆皿形又は皿形とされており、上下の板ばね18,20の干渉を回避しつつ、アウタハウジング部材14内での可動子26の軸方向変位を許容するようになっている。なお、第一の蓋部材34の外周端部には、下方(アウタ筒部材28側)に向かって突出する円筒形状のかしめ固定片としてのかしめ部97が一体的に形成されている。また、各蓋部材34,36の内面は薄肉のゴム層で覆われていてもよく、例えば中央部分には、インナ軸部材24の軸方向変位を緩衝的に制限するストッパゴムが形成されてもよい。
【0058】
さらに、上下ヨーク90,92は、最も大径とされた円環状の最外周部分98,100が、永久磁石88への重ね合わせ側の端部付近に設けられている。特に本実施形態では、永久磁石88の外径寸法と略等しい外径寸法をもって最外周部分98,100が形成されている。かかる永久磁石88の軸方向両端面に設定された磁極により、上下ヨーク90,92の最外周部分98,100の外周面に対して、N/Sの各一方の磁極が与えられるようになっている。
【0059】
また、永久磁石88の軸方向厚さ寸法が、固定子2における上下の磁気ギャップ66,66の軸方向間距離と略同じとされており、上下ヨーク90,92において磁極が形成される最外周部分98,100の外周面が、磁気ギャップ66,66に対して径方向で隙間を隔てて対向配置されている。
【0060】
これにより、固定子22のコイル58,58への通電によって上下の磁気ギャップ66,66に磁界が生ぜしめられると、上下一方のヨーク90(92)の最外周部分98(100)に対して軸方向の磁気吸引力が及ぼされると共に、上下他方のヨーク92(90)の最外周部分100(98)に対して軸方向の磁気排斥力が及ぼされるようになっている。これらの磁力の作用に基づいて、可動子26には、固定子22のコイル58,58への通電方向に応じて、何れかの軸方向への駆動力が作用せしめられるのであり、コイル58,58への通電間隔や通電方向を制御することにより、所定の周期で可動子26ひいてはインナ軸部材24に対して軸方向の加振力を及ぼすことができる。
【0061】
なお、本実施形態では、上下の板ばね18,20の弾性により、可動子26が固定子22に対して軸方向の初期位置に保持されており、外部からの給電による駆動力が解除された際には速やかに初期位置に戻るようになっている。
【0062】
このような構造とされたアクチュエータ10は、主振動系たる制振対象部材に対してアウタハウジング部材14のアウタ筒部材28が、図示しない装着部を介して、またはアウタ筒部材28の一部からなる装着部を介して、固定的に取り付けられて装着されることにより、能動型制振装置を構成する。そして、かかる装着状態下、固定子22のコイル58,58への給電を、軸方向の制振すべき振動に対応して制御することにより、副振動系を構成する可動子26およびインナ軸部材24を固定子22およびアウタハウジング部材14に対して軸方向で加振変位せしめて目的とする制振効果を得ることができる。
【0063】
ここにおいて本実施形態のアクチュエータ10では、軸方向両側に開口するアウタ筒部材28に対して、軸方向両側から板ばね18,20を組み付けてかしめ固定するようになっていることから、例えば特許文献1に記載の有底円筒形状のアウタハウジング金具を採用する場合に比して、各部品の組付作業が容易になると共に、各部材の組付状態を目視などで確認することも容易となる。
【0064】
また、アウタ筒部材28の軸方向両側における第一及び第二の蓋部材34,36の組付部位において、かしめ固定片としてのかしめ部52,97を利用して上下の板ばね18、20を位置決めすることができる。即ち、かしめ曲げ加工される前の円筒形状とされたかしめ部52,97の内周面をガイド面として利用することで、両蓋部材34,36を容易にセンタリングしつつセットすることができる。そして、センタリング状態で組み付けた両蓋部材34,36の存在下でかしめ部52,97をかしめ加工することで、アウタハウジンク部材14に対して上下の板ばね18,20を軸直角方向で位置精度良く固定することが可能になる。
【0065】
さらに、本実施形態のアクチュエータ10では、アウタ筒部材28の上部に設けた括れ状部44を巧く利用することにより、特別な別部品を必要とすることなく簡単な構造で、固定子22の軸方向一方側への位置決めを精度良く実現すると共に、固定子22と軸方向一方側の板ばね18との間に所定スペースを設定せしめ得たのである。
【0066】
特に本実施形態では、アウタ筒部材28の下部に押え部材76を組み付けたことで、固定子22の軸方向他方側においても、板ばね20との間に所定スペースを確保しつつ、固定子22を安定して位置決めすることができる。また、アウタ筒部材28と押え部材76との径方向間には、給電用スペーサ68を配設支持するための空間が確保され得て、コネクタ部70もアウタハウジング部材14によって安定して保持され得る。
【0067】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、固定子を構成するコイル部材は、上下二段に重ね合わされて設けられた構造に限定されず、1つだけが設けられていても良いし、3つ以上を軸方向に多段に重ね合わせることも可能である。また、前記実施形態における上下のコイル部材54,54では、互いに逆巻きのコイル58,58が採用されていたが、同じ方向に巻かれた上下コイルを採用することも可能である。
【0068】
一方、可動子についても、採用される固定子の構造に応じて、コイル部材への通電によって生ぜしめられる磁力作用で軸方向の駆動力を生ずる各種構造が採用可能である。例えば、複数段に永久磁石とヨークを重ね合わせて複数段の磁極を設定することも可能である。また、永久磁石は必須でなく、強磁性材からなる可動子を採用し、コイル部材に生ぜしめられる磁極に対する磁気吸引力を利用して軸方向駆動力を生ずる構造を採用しても良い。
【0069】
さらに、前記実施形態では、固定子22側にコイル部材54,54が配されていると共に、可動子26側に永久磁石88が配されていたが、それと反対に、可動子側にコイル部材を配すると共に、固定子側に永久磁石を配することも可能である。このような構造は、例えば特開2000−234645号公報に示されている構成を採用することによって実現され得る。
【0070】
また、前記実施形態では、副振動系のマス部材16として可動子26(永久磁石88および上下ヨーク90,92)およびインナ軸部材24が用いられていたが、例えばWO2010/116704号公報に記載されているように、インナ軸部材を軸方向外方に突出させて、その突出先端部分に対して付加マスを装着することも可能である。更にまた、かかる公報に示されているように、上下の板ばねに加えて、インナ軸部材とアウタ筒部材を相互に弾性連結する付加ばねをゴム弾性体などで構成して採用することも可能である。
【0071】
更にまた、前記実施形態では、本発明に従う構造とされた電磁式アクチュエータ10を能動型制振装置12へ適用した態様を例示したが、例えばエンジンマウントやボデーマウントなどとして用いられる能動型防振装置への適用も可能である。具体的には、例えば特開2000−337427号公報に示されている公知の能動型防振装置におけるアクチュエータとして、上述の如き電磁式アクチュエータ10を適用することによって実現され得る。即ち、流体封入式防振装置本体は、内部に非圧縮性流体が封入された流体室を備えていると共に、かかる流体室の壁部の一部が圧力変動を及ぼす加振部材とされる。それ故、前記実施形態に記載の電磁式アクチュエータ10において、例えばアウタハウジング部材14を流体封入式防振装置の取付部材へ固定して、インナ軸部材24に及ぼされる軸方向の加振駆動力を流体封入式防振装置の加振部材に及ぼすことができる。より具体的には、例えば、前記実施形態に記載の電磁式アクチュエータ10において、インナ軸部材24と一体的に設けられて軸方向に延びる出力部材を採用し、かかる出力部材を、アウタハウジング部材14の第一の蓋部材34を貫通して軸方向外方に突出させて駆動力を外部に取り出すことにより、流体封入式防振装置本体の加振部材を加振駆動せしめることが可能である。
【0072】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
10:電磁式アクチュエータ、12:能動型制振装置、14:アウタハウジング部材、18,20:板ばね、22:固定子、24:インナ軸部材、26:可動子、28:アウタ筒部材、30:フランジ状部(軸方向外側の段差状壁部)、32:フランジ状部、34:第一の蓋部材、36:第二の蓋部材、38:収容領域(閉鎖状内部空間)、42:軸方向内側の段差状壁部、44:括れ状部、52,97:かしめ部(かしめ固定片)、54:コイル部材、74:弾性スペーサ、76:押え部材、88:永久磁石
図1