(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
磁気トラック(34,35,36;100,110,120)の形態の磁化を有する強磁性部品(1,19)上の外部磁場および製品関連磁場のうちの少なくとも一方を検出するための装置であって、
強磁性部品(1,19)に作用する前記外部磁場(11,21)を検出することが可能な少なくとも2つの磁場センサ(17,18,41,46)を備え、
各磁場センサ(17,18,41,46)は2つのコイル(27,28,27’,28’)を含み、
各前記コイル(27,28,27’,28’)には少なくとも1つの前記磁気トラック(34,35,36)が割り当てられ、
前記2つのコイル(27,28,27’,28’)は、互いに異なる感度を有するように構成され、
他方の前記コイル(27,28,27’,28’)に対してより高い感度を有する一方の前記コイル(27,28,27’,28’)が、より感度の低い前記コイル(27,28,27’,28’)よりも前記強磁性部品(1,19)の少なくとも1つの端部に近接して配置され、
より高い感度を有する前記コイル(27,28,27’,28’)は、外部磁場の効果が増幅されることを確実にする、装置。
前記磁場センサ(17,18;41,46)が、前記強磁性部品(1,19)に対して互いに軸方向および半径方向のうちの少なくとも一方に離間していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記磁場センサ(17,18;41,46)および前記コイル(27,28,27’,28’)は、前記製品関連磁場を検出するとともに、外部磁場を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記磁気トラック(34,35,36;100,110,120)は、互いに鏡像関係にある2つのデュアルバンド磁気トラックの組み合わせを形成し、中央磁気トラック(35,100)は、前記磁場センサ(17および18または41および46)によって共に使用されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
両方の磁場センサ(17,18;41,46)によって共に使用される前記磁気トラック(35,110)は、正の偏極または負の偏極を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
前記磁場センサ(17,18;41,46)の前記コイル(27,28,27’,28’)によって放出された信号は、評価装置および表示装置のうちの少なくとも一方に伝達されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
磁気トラック(34,35,36;100,110,120)の形態の磁化を有する強磁性部品(1,19)上の外部磁場および製品関連磁場のうちの少なくとも一方を検出する方法であって、
2つの磁場センサ(17および18、または41および46)を配置すること、
前記磁場センサ(17,18,41,46)によって強磁性部品(1,19)に作用する外部磁場(11,21)を検出すること、
ここで、各磁場センサ(17,18,41,46)は2つのコイル(27,28,27’,28’)を含み、
各前記コイル(27,28,27’,28’)に少なくとも1つの前記磁気トラック(34,35,36;100,110,120)を割り当ることを含み、
ここで、前記2つのコイル(27および27’,28および28’)は、互いに対して異なる感度を有するように構成され、
ここで、他の前記コイル(27,28,27’,28’)に対してより高い感度を有する前記コイル(27’,28’)が、より感度の低い前記コイル(27,28,27’,28’)よりも前記強磁性部品の少なくとも1つの端部の近くに配置され、
ここで、より高い感度を有する前記コイル(27,28,27’,28’)は、外部磁場の効果が増幅されるように構成される、方法。
磁気トラック(34,35,36;100,110,120)の形態の磁化を有する強磁性部品(19)上の外部磁場および製品関連磁場のうちの少なくとも一方を検出するための装置の使用方法であって、
前記強磁性部品(1,19)に作用する外部磁場(11,21)を検出することが可能な少なくとも2つの磁場センサ(17,18,41,46)を含み、
各前記磁場センサ(17,18,41,46)は2つのコイル(27,28,27’,28’)を含み、
各前記コイル(27,28,27’,28’)には、少なくとも1つの前記磁気トラック(34,35,36;100,110,120)に割り当てられ、
前記2つのコイル(27,27’,28,28’)は、互いに対して異なる感度を有するように構成され、
他方の前記コイル(27,28)に対してより高い感度を有する前記コイル(27,28,27’,28’)は、より感度の低い前記コイル(27,28)よりも強磁性部品(1,19)の少なくとも1つの端部に近接して配置され、
より高い感度を有する前記コイル(27’,28’)は、外部磁場の効果が増幅されるように構成される、使用方法。
【背景技術】
【0002】
磁場センサは、磁場を測定するために使用される。これらは、磁束または磁場強度を電気量に変換するセンサである。磁場センサは、比較的安価に製造することができる非接触、信頼性の高い、無摩耗センサであるため、圧力、充填レベル、回転速度、電流、回転運動、トルク、方向性変化、その他の物理量の検出に頻繁に使用される。磁場センサには、とりわけ、ホールセンサおよび磁気抵抗センサが含まれる。飽和コアプローブまたはフェルスター(Foerster)プローブとも呼ばれる、いわゆるフラックスゲートセンサは、高感度磁場センサである。磁気弾性技術は、材料の基本的な機械的特性および磁気的特性を使用して、様々なパラメータを測定する。この場合、機械的特性の変化、例えば磁性部品への外力の作用下でのせん断応力に伴う磁場の特性の変化が測定される。この技術は、例えばリングのような追加の要素を取り付ける代わりに機械的要素を直接磁化することによって適用される。磁化された素子の直近に位置する高感度の磁束センサは、加えられた力に比例する磁場の特性の変化を識別する。これらの変化は、材料の弾性限界内で線形かつ再現可能である。これらは通常の使用条件下では正確である。
【0003】
この技術全体の例は、多数の特許明細書に見られる。それらは通常、それぞれの製品の磁場に作用するため、製品関連磁場として指定することができる。
力またはモーメントを測定するための装置は、独国特許出願公開第277521号明細書(A1)(特許文献1)から既に推論されている。これによれば、磁気弾性効果に基づいて固定または回転変形体の力またはモーメントの非接触測定を達成する測定装置が記載されている。装置の変形本体は、変形本体自体、本体の表面に塗布された薄いアモルファス金属層の少なくとも2つのゾーン、およびこれらのゾーンに割り当てられたセンサコイルを含む。測定装置は、カンチレバー、力測定ボルト、トーションシャフトなどに対する力またはモーメントの影響の結果として表面応力を測定する。
【0004】
この場合、変形体の各表面区域にセンサコイルが割り当てられ、このセンサコイルは、被覆された表面区域の領域において変形体を囲むか、または空気コイルの形態で、または表面区域から可能な限り最短の距離に配置される。
【0005】
独国特許出願公開第102005002966号明細書(A1)(特許文献2)には、シャフト部分に存在するトルクを測定するための付加的な冗長センサの使用を提供する操作手段の動力を決定するための装置がさらに記載されている。
【0006】
欧州特許出願公開第2793009号明細書(A1)(特許文献3)には、半径方向に反対方向に磁化された磁気能動場を有する細長いシャフトがさらに記載されている。これらの磁化された磁場には磁気弾性センサが割り当てられる。その磁気弾性場を含むシャフトは、引っ張り荷重および/または圧縮荷重を受ける。
【0007】
米国特許第8,578,794号明細書(A1)(特許文献4)には、本体に直接的または間接的に接続されるか、または本体の一部を形成する細長い本体および磁気弾性作用場を含むトルクセンサが開示されている。本体に作用するトルクは、少なくとも1つの磁気分極磁場を含む能動磁場に比例して伝達される。磁場センサの信号は、磁気近接場の影響が補償されるように処理される。
【0008】
さらに、欧州特許第2799827号明細書(A1)(特許文献5)には、少なくともいくつかの領域において中空の細長い本体と、本体の内面に作用する磁気弾性作用場とを含む磁気弾性トルクセンサが開示されている。トルクセンサは、いくつかの領域において中空体の内部に配置された複数の磁場センサを含む。
【0009】
米国特許第6,553,847号明細書(B2)(特許文献6)では、シャフトに加えられるトルクの測定値を提供するトルクセンサ、特に非接触磁気弾性トルクセンサが設計されている。
【0010】
トルクセンサは、トルクに対して露出されたシャフト上の磁気弾性的に活性な領域と、磁場センサとを含む。
磁場センサは、磁気弾性領域の近傍に取り付けられ、センサ装置の磁場の大きさを検出し、磁気弾性領域に対する応答として出力信号を提供するために磁気弾性領域に対して配向されている。
【0011】
米国特許出願公開第2012/0074933号明細書(A1)(特許文献7)には、トルクセンサのフィールドノイズを除去するための方法および装置が開示されている。この目的のために、3組の磁場センサおよび関連するコイルがシャフト上に配置されている。第1の組は、シャフトの中央領域に配置される。第2および第3の組のフィールドセンサは、中央領域のフィールドセンサの右側および左側にそれぞれ配置されている。すべてのコイルは互いに接続され、共同してセンサ信号を放射する。しかしながら、この先行技術によれば、最終結果のみを識別することができる。例えば、トルク、応力などの基本パラメータに関連して区別化された識別のための用例はない。実際に何が起こっているかを決定するための用例もない。
【0012】
米国特許出願公開第2011/0162464号明細書(特許文献8)から知られている装置は、製品関連磁場に加えて、外部磁場を補償することができる少なくとも2つの磁場センサを含む。この場合、1組のセンサを含み、かつ複数組のセンサを含むセンサ装置が開示されており、1組のセンサは、磁気トラックの領域内または複数の磁気トラックの領域内に局在化され、他の組のセンサは、個々の磁気トラックに個々のコイルを個別に割り当てることなく、近接して局在化されている。
【0013】
米国特許出願公開第2013/0125669号明細書(A1)(特許文献9)にはまた、少なくとも2つの磁場センサを含む装置が開示され、かつ一対のセンサを含むとともに、3つのセンサからなる1組のセンサを含む測定装置が開示されており、各センサにはコイルと付属のトラックとが割当てられ、さらに、他の対のセンサおよび3つのセンサからなる他の組のセンサを有する対応する拡張の可能性について対処している。
【0014】
米国特許第8,001,849号明細書(特許文献10)には、複数のセンサを備えるセンサ装置が開示され、少なくとも1つのセンサが、磁気弾性ゾーンの領域に局在化され、少なくとも1つの別のセンサが、個々のコイルを個々の磁気トラックに個別に割り当てることなしに、近接するか、または離れて配置されている。
【0015】
これまで、欠陥、磁気干渉効果または他の外部の影響の基礎に基づき、かつ磁化された物体の磁場に作用する磁気的影響を決定することが可能な手段は従来技術からは既知ではない。このような外部の影響は、例えば、環境および周囲の影響(例えば、電源ライン及びレールライン)に起因する可能性がある。それによって外部磁場が生成され、これは前述の製品関連磁場への影響、特に製品関連磁場による磁場強度への影響をもたらす可能性がある。このような付加的な影響パラメータは、磁場センサが、製造公差の結果としての検出における望ましくない補助効果を検出する場合、特に関連性がある。
【0016】
その欠点および欠陥、ならびに例えば自動車技術および/または航空宇宙技術の産業の標的要件を満たすことができるようにする試みにおいて、この先行技術から出発して、本発明の目的は、検査対象の製品に作用する外部磁場を識別することができる磁場センサを提供することにある。
【0017】
これらの外部磁場は、漂遊磁場とも呼ばれる。
製品関連磁場に加えて、製品関連ではなく、かつ環境的な影響、例えば、電力ライン、レールラインに由来する可能性がある外的影響に基づく磁場を識別することが可能であることが特に望ましい。目的は、特に、発生する磁場の発生源を区別することができることである。
【0018】
さらに、本発明の目的は、装置上の外部磁気影響を識別し、これによって生じる異なる信号挙動を検出し、磁化に対する外部影響を決定する可能性を提供する装置を提供することである。
【0019】
さらに、本発明の目的は、装置に関連する製品がその一部が影響を受けているか(例えば、機能障害を引き起こしているか)どうかを装置によって外部磁気影響を検出することによってさらに識別することである。
【0020】
これらの目的は、請求項1に記載の装置によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。このような信号の偏差を決定することにより、自動車および/または航空宇宙工学の分野における安全基準を維持することができる。
【0021】
装置は、磁場効果、例えば、点状の外部磁場を測定することを可能にすべきである。点状磁場は、特に、磁場センサの近傍領域において、特に大きな欠点である。
このような装置が正確に機能し、メンテナンスフリーであることがさらに望ましい。装置は使用が簡単であるべきである。安価で製造が容易であるべきである。
【0022】
この目的は、請求項1の特徴によって解決される。
【発明の概要】
【0024】
[本発明の背景]
例えば、トルクがシャフトに作用している場合、これはトルクセンサで検出することができる。特に、自動車、自転車、家電、工作機械技術及び/又は航空宇宙技術においては、トルク関連のセンサだけでなく、トルクセンサを用いて外部磁場を検出することができる産業上の目標的な要求が課せられている。
【0025】
したがって、産業は、トルク関連の以外の信号または異なる信号挙動を検出することができ、トルクに対しておそらく目的効果に影響を与える可能性のある影響の範囲を定め、そのような目的効果または磁化への他の影響とは独立して発生する磁場の影響をできる限り決定することができる装置を提供することをさらに必要とする。
【0026】
磁気弾性センサおよび磁場センサという用語は、本発明の説明の枠内で同義語として使用される。
[外部磁場]
製品関連のもの以外の磁場および例えば設定されたトルク関連信号は、磁化された領域上の欠陥、干渉効果、および特にチェックされるべき上流または下流の製品の他の影響によって生じる。例えば、電力ライン、レールラインなどの環境影響から生じる可能性のあるこれらの付加的な影響力のあるパラメータは、外部磁場を発生させることができ、磁場の検出に影響を及ぼし、おそらくトルクによって引き起こされる、製品に関連した準ターゲット効果の直接的な結果として上述したように検出されるべき磁場の検出に影響を与える。これらの外部磁場は、特に、磁場センサが、例えば、製造公差の結果として、それ自体が検出において望ましくない付属の影響を検出する場合に関連があり、検出された結果を評価する際に、これらの結果が、おそらくトルクに対する目標効果を再現する結果だけでなく、そのような外部事象の影響を受けた結果であるのかが明確でない。したがって、目的は、特に、発生する磁場の発生源を区別することができることである。
【0027】
本発明の意味において、「検出」という用語は、磁化された波の記録及び/又は評価及び/又は結果として生成された信号を伝達することとして理解されるべきである。
結果として、特に、航空工学および自動車工学、自転車技術、家庭用機器、工作機械およびその他の分野の安全基準からの偏差を決定し、これらの安全基準を守ることができる。
【0028】
非製品関連磁場は、ここでは外部磁気または外部磁場として示される。
これが本発明によりどのように達成されるかについて、装置および関連する磁気弾性基本機能に従った部品の以下の説明の後に説明される。
【0029】
[磁化体−強磁性部品]
製品関連磁場および外部磁場の両方が、磁化された本体と動作関係にある。
磁化された本体は、細長い本体、例えば円筒形本体、円錐形に先細りする本体、またはシャフトであり得る。
【0030】
さらに、着磁体は強磁性体であると想定される。
強磁性部品は、少なくとも部分的に強磁性材料を備えている。このような強磁性材料としては、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)のフラクションを有する硬化性鋼が適している。しかし、他の強磁性材料も使用できることが理解される。
【0031】
強磁性部品は、例えば、駆動軸またはピットマンアーム(Pitman arm)軸として構成することができる。好ましくは、強磁性部品は、航空機、陸上車両または船舶に配置される。強磁性部品は、例えば、工業用機器または家庭用機器に使用することもできる。
【0032】
強磁性部品は、反対方向の磁化を有する少なくとも3つの磁気トラックを有する少なくとも1つの磁化領域を含む。
強磁性部品によって放出され検出される磁場は、強磁性部品に物質内においていわゆる応力を加えることによって生成される。これは、例えばトルクを伴う動作によって達成することができる。
【0033】
磁化のタイプと協働して得られる特に磁気弾性効果と関連する磁場は、強磁性部品において生成され、かつ磁場センサによって軸成分が測定される磁気変化として表される。
しかしながら、このような磁場変動は、直接的な製品関連の影響の結果としてだけでなく、外部からの影響、いわゆる干渉影響の結果としても得られる。
【0034】
[デュアルデュアルバンド磁化(Dual−dual−band magnetization)]
以下、3つの磁気トラックを有する強磁性部品の装置を仮定する。
【0035】
本発明によれば、4つの磁気コイルの強磁性部品に対して互いに反対方向を向く3つの磁気トラックが軸方向に検出され、4つの磁気コイルのうち2つが1つの(第1および第2の)磁場センサ(デュアルデュアルバンド磁化)に割当てられている。したがって、2つの磁場センサの1つの磁気コイルは、少なくとも1つの磁気トラック、すなわち、通常は互いに反対方向を向く3つの磁気トラックの中心の磁気トラックを検出し、反対方向を向く隣接する磁気トラックは磁化される。
【0036】
磁場センサまたは磁気コイルは、互いから距離をおいて、強磁性部品に対して半径方向に配置されている。
デュアルデュアルバンドセンサ装置は、例えば、試験される製品の欠陥および欠陥の結果として、実際の状態または可能性のある偏差のより優れた差別化された評価のために使用される。この理由は、少なくとも2つの比較量が、少なくとも2つの磁気トラックの個々の電圧が磁場センサによって検出され、少なくとも2つの磁気トラックの電圧が別の磁場センサによって検出される手段によって得られるからである。
【0037】
さらに、後述する磁気トラックの空間的に狭い配置の結果として、磁気トラックチャネルの位置間の外部磁場差は可能な限り小さくすることができる。
以下では、第1の外側磁気トラックおよび中央磁気トラックに関連する第1のグループ、ならびに中央磁気トラックおよび第3のしたがって第2の外側磁気トラックに関連する第2のグループについても説明される。
【0038】
互いに反対方向を向く3つの磁気トラックの配置は、2つのデュアルデュアルバンド磁気トラックの有利な組み合わせを構成する。2つのデュアルバンドトラックの組み合わせは、第2のデュアルバンド配置を軸方向に変位させ、中央トラックを共有することによって達成される。
【0039】
この結果、1つの磁気トラックを省くことができ、結果としてより均一な測定画像が生成され、かつ軸方向設置スペースがより少なくなるように、磁気トラックの空間的合成を提供することができるという利点が得られる。
【0040】
3つの円周磁気トラックを有する磁化の場合、左に空間的に配置された磁気トラックは、例えば正に磁化され、中央磁気トラックは負に磁化され、右の磁気トラックは再び正に磁化される。
【0041】
強磁性部品の応力によって生じる磁気弾性効果の結果として、磁気トラックの反対方向を向く磁化に差が生じる。この差は、磁場変化によって表され、その軸方向成分は、磁場センサによって測定される。応力の発生は、これに関連する先行技術において十分に知られており、したがって以下ではさらに説明しない。
【0042】
好ましくは各場合において、第1の磁場センサの少なくとも1つのコイルが第1の外側トラックおよび中央磁気トラックに割り当てられて、強磁性部品に対してそれぞれ半径方向に1つの信号が検出される。続いて、簡略化のために、第1の外側磁気トラックに関連する第1の外側磁気トラックについて説明する。
【0043】
好ましくは各場合において、第2の磁場センサの少なくとも1つのコイルが中央磁気トラック及び第3の磁気トラックに割り当てられて、強磁性部品に対して半径方向に信号が検出される。この第3磁気トラックは、ここで説明される磁化において第2外側磁気トラックとも呼ばれる。
【0044】
トラック関連の部分信号となり得る第1の外側磁気トラックおよび中央磁気トラックの評価から得られる一組の情報は、互いに関連付けることができる。同様に、トラック関連の部分信号となり得る中央磁気トラック及び第3の磁気トラックの評価から得られる一組の情報は、互いに関連付けることもできる。
【0045】
これらの2組のトラック関連情報から、第1の磁場センサが信号を評価する。同様に、第2の磁場センサは、2組のトラック関連情報からそのような信号を評価する。
第1の磁場センサによって検出された信号は、第2の磁場センサによって検出された信号と関連することができ、2つの信号は、測定された磁場が部品に加えられる応力によって生成される限り、常に逆の挙動を示す。
【0046】
[磁場センサとコイルの相互作用]
これに関連して、少なくとも2つの磁場センサと少なくとも2つのコイルとの後述する相互作用およびそれらの空間的配置が、強磁性構成と比較して原則的には製品関連磁場の検出に関して、および上記の外部磁場の検出に関して明らかとなる。
【0047】
デュアルデュアルバンドセンサ装置では、第1の外側磁気トラックおよび中央磁気トラックには、磁気弾性効果の結果として生成される磁場の軸方向成分を測定するコイルがそれぞれ割り当てられている。
【0048】
第1の磁気トラックおよび中央磁気トラックには、強磁性部品に対して半径方向に第1の磁場センサの少なくとも1つのコイルがそれぞれ割り当てられる。設定されたように、少なくとも1つのコイルは、強磁性部品から半径方向に離間されている。このことは、中央コイルおよび第2の磁気コイルにそれぞれ割り当てられた少なくとも1つのコイルにも当てはまる。一方で第1磁気トラックおよび中央磁気トラックに割り当てられたコイルと、他方で中央磁気トラックおよび第2の磁気トラックに割り当てられたコイルとは、互いに対して軸方向に互いに距離をおいて配置されている。それらは、強磁性部品から同じ距離で半径方向に配置されなければならない。2つのセンサチャネルを強磁性部品に対して互いに対して角度をなして配置することも可能である。
【0049】
それにもかかわらず、各磁場センサの第1のコイルは、強磁性部品の表面上の第1の方向の磁気トラックの磁場の変化を検出するように配置される。
各磁場センサの第2のコイルは、強磁性部品の表面上の第2の反対方向の磁気トラックの磁場の変化を検出するように配置される。磁場センサの評価電子装置は信号を出力する。
【0050】
したがって、3つの磁気トラックの配置において、第1の磁場センサの第2のコイルおよび第2の磁場センサの第1のコイルはそれぞれ、中央磁気トラックを検出する。
このように、磁場センサは、コイルによる少なくとも1つの信号を受信し、これを評価し、場合によっては別個のディスプレイユニットに送信する。
【0051】
第1磁気トラックおよび中央磁気トラックに関連する、いわゆるデュアルデュアルバンド構成の信号がある場合、この信号が評価され、第1の信号として送信される。第1の信号は、2つの対向する磁気トラック(第1の磁気トラックと中央磁気トラック)から得られた情報の第1の差分評価から得られる。例えば、第1の信号は、ボルトまたはミリボルトで測定された量だけでなく、他の測定された量でもよい。
【0052】
中央磁気トラックおよび第3の磁気トラックに関連するデュアルデュアルバンド構成における磁場センサのさらなる信号も評価され、第2の信号として送信される。第2の信号はまた、2つの対向する磁気トラックから得られた情報の第1の差分評価から得られる。測定された量は、通常、「ボルト」または「ミリボルト」の単位であるが、他の測定量であってもよい。
【0053】
一方の群が差の負の偏極を測定し、他方の群が差の正の偏極を測定するという結果として、個々の磁場センサの出力信号は反対方向に向けられる。
外部磁場および干渉効果の検出が引き続き説明される前に、このような検出は、さらなるコイルが、強磁性部品の周囲の側面の異なる位置に配置される磁場センサの場合にも可能であることに留意すべきである。したがって、完全を期すために、この構成的な構造について最初に説明する。
【0054】
同じ磁場センサのためのこれらのさらなるコイルは、強磁性部品の外周囲の側面の異なる位置に配置され、好ましくは180度オフセットされている。この手段によって、センサの測定は、トラックの周囲の側面の様々な位置で行うことができ、結果として、より高い精度を提供する平均値を決定することができる。
【0055】
その結果、付加的な測定値が得られる。これらの付加的な測定値は、おそらくは回転運動によるものであるか、またはおそらくは製造公差によるものである、磁場センサの前述のコイルからの強磁性部品の特に半径方向の距離による磁場センサへの磁力の影響の減少を補償することができる。
【0056】
個々のセンサの追加のコイルは、半径方向の平面内の強磁性部品の横方向の動きおよび関連する磁気強度の影響があっても信頼性のある測定が可能であるように、周囲の側面の領域に配置することができる。したがって、それら追加のコイルは、強磁性部品の360°の周囲の側面の領域内の任意の位置において周方向に配置することができる。
【0057】
好ましくは、それぞれ異なる磁場センサの2つのコイルが、それぞれ異なる磁場センサの次の好ましくは2つのコイルに対して90°だけ互いに離間している場合に、特に有利であることが指摘されるべきである。この結果、4対のコイルの配置が得られ、それぞれのコイルは、周方向に90°、360°の距離で異なるセンサに割り当てられる。
【0058】
この場合、コイルは、同じもののみならず、当業者の裁量において、特に使用される電子機器を考慮して他の磁場センサに対して使用することもできる。
[磁場センサ]
磁場センサは、非常に小さな磁場を検出するための高感度の測定装置である。
【0059】
磁場センサは、好ましくは、フラックスゲート(fluxgate)ベースで動作する。フラックスゲートセンサは、非常に小さな磁場を検出するための高感度の測定装置である。
【0060】
例えば、ホールセンサは、本発明の意味において磁場センサとして使用することもできる。
しかしながら、本発明によれば、任意の適切なタイプの磁場センサを使用することができることに留意されたい。
【0061】
本発明の範囲内でコイルについての説明がある限り、ここでは、測定コイルとして使用されるアモルファスコアを有するワイヤ巻線が好ましい。したがって、コイルは、応力の印加によって生成される製品関連磁場および干渉効果によって生じる可能性のある外部磁場の両方を検出できるように、強磁性部品に対して軸方向(平行)および半径方向に配置される。しかしながら、それらコイルは、これらの磁場を互いに区別することができるように構成することができる。このことについては、以下で詳細に説明する。
【0062】
個々の磁場センサのコイルは、装置の別の場所に空間的に配置することができる評価電子回路に接続されている。
[感度の異なるコイル]
電力ラインやレールラインなどの環境影響に起因する影響力のあるパラメータは、外部磁場を生成する。外部磁場は、製品関連磁場と同様に、磁気トラックに割り当てられたセンサに影響を与える。
【0063】
本発明によれば、強磁性部品に関連する外部漂遊磁場および製品関連磁場を検出する装置であって、
− 既に上述したように、強磁性部品に作用する外部磁場および製品関連磁場を検出することができる少なくとも2つの磁場センサを備え、
− 少なくとも2つのコイルが各磁場センサに割り当てられ、
− 情報を伝送するための1つのチャネルが各コイルに割り当てられ、
− コイルは磁場を検出するように適合され、かつ意図されており、
− コイルはさらに好適には磁場の異なる強度を検出するように適合され、かつ意図されており、
− 磁場センサの他のコイルと比較して、外部磁場または製品関連磁場のより低い強度を検出することができる磁場センサのコイルは、外部磁場または製品関連磁場のより高い強度を検出することができる他のコイルの感度とは異なる感度を有することができる。
【0064】
外部磁場の強度がより高い領域に配置された磁場センサのこれらのコイルは、より高い感度を有する。これは、2つの磁場センサから入来する信号に関連して磁場の影響による信号の調整された増幅をもたらす。
【0065】
より感度の高いコイルは、他のコイルに比べて強磁性部品の空間的な端部に最も近くに配置される。このことは、磁場センサの軸方向配置の互いの空間的関係においても同様に当てはまる。
【0066】
磁場センサの各チャネルを形成するために、少なくとも2つのコイルがそれぞれ設けられている。磁場センサの各チャネルにおいて、チャネルの他のコイルよりも外部磁場の影響を大きく受けるコイルは、チャネルの他のコイルよりも高い感度を有する。磁場センサの第2のチャネルについても同様に当てはまる。従って、外部磁場は、原理的には、両方の磁場センサのそれぞれに対して調整された影響を及ぼす。
【0067】
外部磁場の強さに対して磁場センサの他のコイルと比較して感度が低い磁場センサのコイルは、外部磁場の強さに対してより感度が高い磁場センサのコイルよりも強磁性部品の端部から空間的に遠くに配置される。この理由は、予測通りに、遠くの位置でのより小さな外部影響が予想されるからである。
【0068】
外部磁場の磁場強度は、強磁性部品の空間的な端部の領域において、そこから遠い距離に位置する強磁性部品の領域よりも大きい。
磁場センサは、外部磁場の集中が増大している領域において、強磁性部品に対して軸方向に配置されている。
【0069】
したがって、外部磁場の発生源との空間的近接度がより小さくなる結果、大部分が磁場の影響にさらされる磁場センサのコイルは、他のコイルに対してより高い感度を有する。
強磁性部品に対して軸方向に配置された磁場センサおよびそれに応じて強磁性部品に対して軸方向に配置されたコイルにおいて、磁場センサのコイルにおける外部磁場の増大した影響は、例えば、磁場センサの1つのコイルが、より大きな距離で軸方向に配置された同じ磁場センサの他のコイルよりも外部磁場の発生源に空間的により近く配置されるという事実に基づく。
【0070】
磁場センサのコイルによって測定された磁場は、評価ユニットおよび/または表示ユニットに伝達される。
[磁場センサの空間配置]
磁場センサは、強磁性部品の磁気平衡によって形成された空間の好適には外側で利用可能な空間関係に従って配置される。この場合、距離は空間関係によってのみ決定される。
【0071】
磁場センサは、例えば、空間的に少し離れて、例えば、強磁性部品、特にシャフトの空間的な端部から軸方向に離間して配置することができる。強磁性部品の空間的な端部は、実際には、外部磁場に対してアンテナチップとして作用する。
【0072】
磁場センサは、好ましくは、最初に、応力によって生成される磁場の磁束密度および磁場強度を検出または測定し、好ましくは信号処理および/または表示のために電子装置に評価され得る形態で結果を伝達する。
【0073】
磁化された本体または強磁性部品に対する磁場センサの軸方向配置では、さらに、2つの磁場センサのそれぞれが、外部磁場の異なる強度の磁場にさらされる。
2つの磁場センサが磁化された本体または強磁性部品に対して軸方向に配置される場合、より高い磁束密度を有する磁場に最も近い磁場センサがより強い磁場にさらされる。これは、しばしば、強磁性部品の部品端部により近い磁場センサである。
【0074】
[製品関連磁場と外部漂遊磁場の影響の検出]
外部の漂遊磁場は、磁場の局所的な集中による磁場勾配の形成をもたらす。
外部の漂遊磁場の影響を検出し、それにより、構成部品の幾何学的形状に起因する磁場勾配の影響を検出するために、かつ異なる感度を達成する目的で、本発明は2つの個別チャネルを有する。
【0075】
コイルを有する個々のチャネルは、信号伝送が行われる媒体と、送信機から受信機への伝送経路全体とを含む。
2つの磁場センサに対する外部磁場の効果は、そのコイルの感度に依存する。ここでは、コイルの巻き数の変化によって個々のコイルの感度を制御することが可能である。
【0076】
各磁場センサの少なくとも2つのコイルが、力の作用の結果として生成される磁場の影響を検出することができるのと同様に、外部の漂遊磁場も検出することができる。
この目的のために、各チャネルに割り当てられた磁場センサのコイルは、応力の適用、例えばトルクの適用の結果として強磁性部品の表面上に形成される磁場を好ましくは最初に検出する。
【0077】
応力および応力に基づく磁場は直線的に振る舞う。これは、大きさが変動する力の影響を視野に入れて適用している。
強磁性部品へのトルクの適用は、一方のコイルに関して反対方向に磁化された磁気トラックの結果としての磁場の増加と、他方のコイルにおける磁場の減少とをもたらす。適用されたトルクの程度は、磁場の結果的に生じる勾配の結果として導き出すことができる。
【0078】
強磁性部品がさらに外部磁場にさらされると、これは両方のコイル(すなわち、トルクの適用時に磁場応力の減少が生じるコイル)の磁場における対応する増加が生じる。
一つのコイルの許容誤差の可能性がある場合には、外部磁場が発生すると、反対方向の外部磁場を検出したときに磁場の増加を示すチャネルが、再び減少を示し、したがって、製品に関連するトルクの増加のみが強磁性部品に作用したことを示唆していると思われる状況が生じる可能性がある。製造公差の結果として生じるこの結果を回避するために、センサは、既に説明したように、強磁性部品の端部により近く配置された磁場センサのコイルがより高い感度を有するように配置される。
【0079】
コイルが、一方では強磁性部品の端部の近くに配置され、他方では他方のコイルよりも高い感度を有していない場合には、外部磁場によって生じる信号は検出の過程で間違った方向に向う。従って、本発明の本質的な態様は、強磁性部品の領域に配置された少なくとも1つのコイルを有して、外部磁場が生じた場合に、少なくとも1つのコイルが他のコイルと比較してこの磁場に最も近接するようにする装置を構成することにより得られる。
【0080】
この装置は、説明したように、通常、強磁性部品に対して偏心的に配置されている。なぜなら、この位置は、記録される外部磁場に空間的に近いからである。外部磁場に最も近接して配置される両方のチャネルのコイルは、より高い感度を有する。この手段により、外部磁場の効果が増幅され、磁場センサの許容誤差にもかかわらず、磁場センサの全体の両方のチャネルが外部磁場に正しく反応することが保証される。これにより、外部磁気コイルの影響を確実に検出することができる。
【0081】
その結果、信号が意図的に増幅される。漂遊磁場により近く配置されたコイルは、より大きな磁場を測定する。
より高い感度を有するセンサの選択またはより高い感度へのセンサの調整は、当業者によって容易に行うことができ、デバイスの予想される使用条件、強磁性部品の材料等に実質的に依存して行われる。
【0082】
一例として、前述のことは、本発明がそのような例示的な実施形態にほぼ制限されることなく、架空の値によって説明される。
磁場センサの1つのチャネル(2つのコイル)は、シャフトのニュートラル状態では2.5Vの電圧値を記録し、他のチャネルは2.5Vも記録すると仮定する。シャフトにトルクが加えられると、第1のチャネルの電圧値は、この例では3.0Vに増加するが、第2のチャネルの電圧値は、反対に磁化された磁気トラックが割り当てられた結果として2.0Vに低減される。このようにして生成された勾配の結果として、シャフトに対するトルクの作用が行われたことが当業者には明らかとなる。
【0083】
トルクの作用後に、このシャフトが外部磁場の領域に追加的に入る場合、この例の場合、両方のチャネルの電圧値が0.2Vだけ増加して、第1のチャネルでは3.2Vとなり、第2のチャネルでは2.2Vとなる。結果的に生じる勾配の結果として、当業者は、磁場が外部の影響によって変化したことを識別する。この結果は、製造公差の影響を受けない磁場センサを正確に動作させることによって得られるであろう。
【0084】
製造公差の影響を受ける磁場センサの場合、最後に記載した例は、第2のチャネルが電圧値の増加を記録しないという結果となり、電圧の(さらなる)減少、すなわち可能性のある2.0V(トルクの作用後の)から例えば1.8Vへの減少を表示する。この第2のチャネルが割り当てられた(記載された)反対方向に磁化された磁気トラックの結果として、当業者は、シャフト上のトルクの(増幅された、または付加的な)作用が生じたとの誤った見方をもつこととなる。
【0085】
この誤りのある効果は、強磁性部品の端部に近接して配置されたコイル(磁場集中/アンテナ効果)によって除去され、実用的な適用の場合に、コイルが漂遊磁場に空間的に最も近に位置し、より高い感度を有し、外部漂遊磁場によって引き起こされる誤差信号の目標とされた増幅をもたらす。
【0086】
本発明は、製品関連磁場が存在しないが、外部磁場のみが決定できる場合にも機能する。しかしながら、この場合、両方のセンサに作用する信号は、差動ではなく平行に変化する。
【0087】
外部磁場が生じる、信号のパラレルシフトが発生する。製品関連磁場の場合、信号の反対の動きが検出される。
外部磁場が1つだけ存在する場合、本発明は原理的には上記のように正確に機能する。
【0088】
本発明のさらなる態様および特徴は、
図1〜
図3による本発明の好ましい実施形態の以下の説明から得られる。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、磁化領域33を有する強磁性部品32を示している。磁化領域33は、3つの磁気トラック34,35,36を含む。隣接する磁気トラック34,35,36はそれぞれ反対の周方向磁化39,40を有する。磁気トラック34および磁気トラック36は、周方向磁化40を有する。共通磁気トラック35は、40とは反対の磁化39を有する。
【0091】
磁化領域33は、2つのグループ37,38に分割されている。
磁気トラック34および35は、磁化領域33の第1グループ37に割り当てられている。
【0092】
磁気トラック35および36は、磁化領域33の第2グループ38に割り当てられている。磁気トラック34,35および36の両方のグループ37および38は、磁気トラック35を共通に有する。
【0093】
第1の磁場センサ41は、磁気トラック34,35に割り当てられている。第1の磁場センサ41は、コイル42,43を備え、強磁性部品32の半径方向の移動を検出することが可能でなければならない場合には、任意にコイル44,45を備える。これにより、距離の変化に対する補償が達成される。言い換えれば、強磁性部品32の表面に対するコイルの距離の全体は一定に保たれる。
【0094】
第2のグループ38の第2の磁場センサ46は、少なくともコイル47,48を備え、任意選択的に、コイル49,50は半径方向の動きを補償し、回転に依存する誤差を改善する働きをするために必要である。
【0095】
磁場センサ41,46は、好ましくはシャフトである強磁性部品32がコイル42または44,43または45,47または49および48または50の間に延在するように配置される。
【0096】
コイル42,43,47,48とコイル44,45,49,50との間の強磁性部品32の配置は、コイル42,43,47,48から離れてコイル42,43,47,48と44,45,49,50との間で強磁性部品32が半径方向運動51の間で移動できるようにし、同時にコイル44,45,49,50に対してその逆に同様のアプローチが行われる。
【0097】
強磁性部品32の半径方向運動51にかかわらず、磁気トラック34,35,36は、コイル42,43,47,48またはコイル44,45,49,50のいずれかの作用領域内に常に維持される。磁場センサ41または46の機能性は、コイル42,43,47,48および44,45、49,50内の強磁性部品32の半径方向運動51とは独立して維持されている。
【0098】
磁気トラック35が第1の磁気トラック群37と第2の磁気トラック群38とに共同で割り当てられているので、第1の磁場センサ41の2つのコイル43と45と磁場センサ46の2つのコイル47と49は磁気トラック35に割り当てられている。
【0099】
図2において、一方のコイル43,47と他方のコイル45,49は、互いに上下にあり、垂直に示されている。これらの中心コイルは、必要な設置スペースに応じて回転するように配置されている点を除いて、軸方向の同じ位置に正確に配置されている。強磁性部品1、特にシャフト表面までの距離は同一である。
【0100】
図1において、磁場センサ46は、冗長磁場センサの機能を担う。
図2は、上部に配置されたコイル42および43を有する磁場センサ41と、上部に配置されたコイル47および48を有する第2の磁場センサ46とともに強磁性部品32の断面図を示す。
【0101】
追加のコイル49および50を有する第2の磁場センサ46は、強磁性部品32に対してその下側にオフセットして配置することができる。コイル44および45を備えた第1の磁場センサ41もまた、強磁性部品32の下側に対向して示されている。これらは、シャフトの半径方向の動きが予想される場合の任意選択である。
【0102】
図2は、第1の磁場センサ41のコイル42,43が、強磁性部品32の下側の第1の磁場センサ41のコイル44,45と対角線上に対向して強磁性部品32の上側に配置される磁場センサの構造オフセットを示す。
【0103】
同様に、強磁性部品32の上側では、第2の磁場センサ46のコイル47,48は、強磁性部品1の下側の第2の磁場センサ15のコイル49,50に対して180°で対角線上に配置されている。
【0104】
図3において、強磁性部品1は、回転軸4を中心に回転可能である。強磁性部品1の前端5の領域には、磁化された金属体(図示せず)が配置されている。
外部漂遊磁場(発生源は図示せず)は、磁場線11,8,13,21,12によって磁場を放出する。
【0105】
強磁性部品1は磁場アンテナ10として機能し、磁場線(図示せず)は、領域14のその前端5に集中する。
磁場アンテナ10は、磁場線11,8,13,15を受け取り、同時に外部磁場の磁場線12を解放する。
【0106】
したがって、強磁性部品1は、強磁性部品の少なくとも一端に少なくとも1つの磁場勾配を有する磁場13を含む。
即ち、一端に勾配がある場合、他端にも勾配がある。
【0107】
2つの磁場センサ17,18は、強磁性部品1(強磁性部品)に対して軸方向に配置されている。磁場センサ18は、外部磁場源(図示せず)へのより大きな近接の結果として、磁場センサ17よりも強い外部磁場にさらされる。
【0108】
これは、強磁性部品1が磁場アンテナ10として作用し、強磁性部品1の磁場が、磁場線8,11の交差の結果として領域24内で圧縮されるという事実に基づいている。
参照番号21は、強磁性部品1に作用する小さな勾配を有する磁場領域を示す。
【0109】
強磁性部品1の領域において増幅された磁場24からの磁場センサ17のより大きな空間距離の結果として、磁場センサ17は増幅された磁場24にさらされることは少ない。
磁場センサ17,18によって検出された信号は、評価ユニットおよび/または表示ユニット(図示せず)に伝達される。
【0110】
図3では、強磁性部品1がピットマンアームシャフト19として示されている。
強磁性部品1は、前端5および前端5とは反対側の後端25を有する。
強磁性部品1は磁場21を含む。磁場21の前端23は磁場集中領域22として構成される。
【0111】
外部から発せられた磁場線11,21は、磁場アンテナとして動作する強磁性部品1に導かれる。
これにより、強磁性部品1の前端23および後端25に集中磁場24が生じる。
【0112】
強磁性部品1の磁場領域24は、ピットマンアームシャフト19の残りの磁場21と比較して、磁場線11によってより高く集中される。
強磁性部品1の磁場は、領域24においては、残りの領域21よりも密度が高いため、
図2では、ピットマンアームシャフト19において端部から中心に向かって磁場勾配が存在する。
【0113】
磁場センサ17,18は、
図3および
図4の両方における磁気平衡の外側に配置されている。
図3において、ピットマンアームシャフト19のより高度に集中した磁場24への磁場センサの配置の近接の結果として、磁場センサ18は、磁場センサ17よりも強い磁場にさらされる。
【0114】
図4は、その前端5および反対側の後端部25を有するピットマンアームシャフト19を示す。
図3と比較して、
図4においては、ピットマンアームシャフト19も強磁性部品1である。ピットマンアームシャフト19は磁場21を含み、ピットマンアームシャフト19の前端23は磁場集中領域22として示されている。
【0115】
外部磁場から放出される磁場線11および21は、
図3における磁場アンテナ10として構成されたピットマンアームシャフト19に導かれる。
磁場線11,21がピットマンアームシャフト19に移行する結果、ピットマンアームシャフト19の両端23,25に集中磁場24,25が形成される。
【0116】
磁場線11は、ピットマンアームシャフト19の磁場領域24を、ピットマンアームシャフト19の残りの磁場21に対して増幅する。
ピットマンアームシャフト19の磁場24の密度が、ピットマンアームシャフト19の残りの磁場線21と比較して高密度になる結果、
図4のピットマンアームシャフト19の端部から中心に向かってピットマンアームシャフト19に磁場勾配が形成される。
【0117】
図4によれば、
図5における磁場センサ41,46は、磁気平衡の外側に位置する。
ピットマンアームシャフト19のより高度に集中した磁場24に装置が近接する結果、磁場センサ46は磁場センサ41よりも強い磁場にさらされる。
【0118】
図4には、2つの磁場センサ41および46が示されている。
図4において、磁場センサ41,46の各々は2つのコイルを有する。強磁性部品1から半径方向に離れて配置された各センサを形成するために2つのコイルが設けられている。
【0119】
磁場センサ41は、
図4における構造に関してコイル27,28を備える、
図4の磁場センサ46は、
図4における構造に関してコイル27’および28’を備える。
図4において、デュアルデュアルバンド磁化の3つの磁気トラック100,110,120が強磁性部品1上に示されている。磁気トラック100,110,120のそれぞれには、磁場センサ41,46のコイルの27,28,27’,28’が割当てられている。磁場センサのコイル27,28,27’,28’は、強磁性部品1の表面上の磁気トラック100,110,120の変化を検出するように配置されている。
【0120】
磁場センサ46のコイル28は、ピットマンアームシャフト19に関して磁場センサ41のコイル27’と同じ高さに軸方向に存在し、磁場センサのコイル27’によって占有されている位置だけオフセットされている。磁場センサ46の第2のコイル28’は、磁化120と同じ高さでピットマンアームシャフト19に対して軸方向に存在する。
【0121】
図4において、強磁性部品1の高圧縮磁場線の領域24に対する距離が大きいため、磁場センサ41のコイル27および磁場センサ46のコイル27’は、ピットマンアームシャフト19の集中磁場線24の前方領域に地理的により近く位置する磁場センサ41のコイル28および磁場センサ46のコイル28’よりも低い感度を有する。