(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6746587
(24)【登録日】2020年8月7日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】粒状無機物質を含む泡形成組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 8/035 20060101AFI20200817BHJP
C09K 8/16 20060101ALI20200817BHJP
C09K 8/24 20060101ALI20200817BHJP
C09K 8/12 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
C09K8/035
C09K8/16
C09K8/24
C09K8/12
【請求項の数】25
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-537913(P2017-537913)
(86)(22)【出願日】2016年1月15日
(65)【公表番号】特表2018-507283(P2018-507283A)
(43)【公表日】2018年3月15日
(86)【国際出願番号】EP2016050837
(87)【国際公開番号】WO2016113421
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2019年1月10日
(31)【優先権主張番号】15290008.0
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515003400
【氏名又は名称】イメリス タルク ユーロープ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】グリーンヒル−フーパー ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】コラール ジル
(72)【発明者】
【氏名】ニースリング スティーヴン ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】ブリト パラダ パブロ ラファエル
【審査官】
菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−538281(JP,A)
【文献】
特開平08−253691(JP,A)
【文献】
特開2006−144026(JP,A)
【文献】
特開昭58−199759(JP,A)
【文献】
特開昭62−153382(JP,A)
【文献】
特開2005−133075(JP,A)
【文献】
三洋化成ニュース,2009年,No.456
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 8/035
C09K 8/12
C09K 8/16
C09K 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡を形成するための水性組成物であって、該組成物が、界面活性剤および粒状無機物質を含み、かつ1種以上のポリマーおよび/または沈降防止剤を含んでもよく、前記界面活性剤が、前記粒状無機物質上に吸着しており、前記粒状無機物質が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、およびカオリンのうちの少なくとも1つを含み、前記粒状無機物質対前記界面活性剤の質量比が、500:1〜1:1の範囲にある、前記水性組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤が、1種以上のアニオン性界面活性剤、または1種以上のカチオン性界面活性剤、または1種以上の両性界面活性剤、または1種以上のノニオン性界面活性剤、または1種以上の脂肪酸アミン、またはこれらの組合せを含む、請求項1記載の水性組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、請求項2記載の水性組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤が、エトキシル化C12〜C14-アルコールサルフェートのナトリウム塩である、請求項3に記載の水性組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤が、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、請求項3に記載の水性組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤である、請求項2記載の水性組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤が、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、二水素化タローオイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、またはポリマー状四級アンモニウムエステルである、請求項6記載の水性組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはジココジメチルアンモニウムクロリドである、請求項6記載の水性組成物。
【請求項9】
前記無機粒状物質が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、およびカオリンからなる群から選択される、請求項1〜8の何れかに記載の水性組成物。
【請求項10】
前記無機粒状物質が、タルクである、請求項9記載の水性組成物。
【請求項11】
前記タルクが、10μm以下というd50を有するマイクロ結晶性タルクである、請求項9または10記載の水性組成物。
【請求項12】
水に対する界面活性剤の比が、0.05〜5質量%の範囲にある、請求項1〜11の何れかに記載の水性組成物。
【請求項13】
水に対する粒状無機物質の比が、1〜60質量%の範囲にある、請求項1〜12の何れかに記載の水性組成物。
【請求項14】
粒状無機物質対界面活性剤の質量比が、100:1〜10:1の範囲にある、請求項1〜13の何れかに記載の水性組成物。
【請求項15】
前記粒状無機物質が、パーライトとタルクとの混合物である、請求項1〜8の何れかに記載の水性組成物。
【請求項16】
前記組成物が、混入物質を更に含む、請求項1〜15の何れかに記載の水性組成物。
【請求項17】
トンネルの掘削において使用される泡の調製における、粒状無機鉱物の使用であって、前記粒状無機鉱物が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、およびカオリンのうちの少なくとも1つを含み、500:1〜1:1の範囲の前記粒状無機鉱物対界面活性剤の質量比で用いられ、前記界面活性剤は前記粒状無機鉱物上に吸着するものである、前記使用。
【請求項18】
トンネルボーリングにおけるワイドボーリング装置の、掘削された廃物による目詰まりを防止する方法であって、粒状無機物質および界面活性剤を含み、かつ1種以上のポリマーおよび/または沈降防止剤を含んでもよい水性組成物における、前記粒状無機物質の使用を含み、前記界面活性剤が前記粒状無機物質上に吸着しており、前記粒状無機物質が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、およびカオリンのうちの少なくとも1つを含み、前記粒状無機物質対前記界面活性剤の質量比が、500:1〜1:1の範囲にある、前記方法。
【請求項19】
前記水性組成物が、泡の調製において使用される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
請求項1〜16の何れか1項に記載の水性組成物の製造方法であって、以下の工程:
界面活性剤を準備する工程;
粒状無機物質を準備する工程;
水を準備する工程;
任意に、1種以上のポリマーおよび/または沈降防止剤を準備する工程;および
該準備された成分を、任意の順序で混合する工程、
を含む、前記方法。
【請求項21】
水性の泡を安定化する方法であって、界面活性剤を準備する工程;粒状無機物質を準備する工程;任意に、1種以上のポリマーおよび/または沈降防止剤を準備する工程;および該成分を任意の順序で混合して、水性の泡とする工程を含み、前記界面活性剤が前記粒状無機物質上に吸着しており、前記粒状無機物質が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、およびカオリンのうちの少なくとも1つを含み、前記粒状無機物質対前記界面活性剤の質量比が、500:1〜1:1の範囲にある、前記方法。
【請求項22】
水性の泡を安定化するための、界面活性剤および粒状無機物質の使用であって、前記界面活性剤が前記粒状無機物質上に吸着しており、前記粒状無機物質が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、およびカオリンのうちの少なくとも1つを含み、前記粒状無機物質対前記界面活性剤の質量比が、500:1〜1:1の範囲にある、前記使用。
【請求項23】
乾燥組成物、または5質量%以下の水を含む組成物である、請求項1〜16の何れか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記粒状無機物質がタルクであり、かつ前記界面活性剤がカチオン性界面活性剤である、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
前記界面活性剤が、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはジココジメチルアンモニウムクロリドである、請求項24記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡を形成するための水性組成物に関する。該泡は、様々な用途、例えばトンネルの掘削(ボーリング、ドリリング(drilling))等において使用し得る。本発明は、更に泡の形成における粒状無機物質の使用、および泡の安定性を改善する方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
水性の泡は、トンネルボーリングマシン(TBMs)を使用する、粘質土を介するワイドボアトンネル掘削(wide bore tunnel excavation)中に使用される。該泡は、ドリリングチャンバーを満たし、過度の量の水を加えることなしに圧力の維持を助けるために、流体を添加する手段として使用される。更に、これらは、該粘土による、該マシンのカッターヘッドおよび同様に掘削された廃物を撤去するコンベアベルトの目詰まり発生防止を手助けする。該泡が如何に機能するかのメカニズムは、十分には理解されていないが、該泡が、粘土塊の相互の接触を防止し、該粘土を希釈し、かつ該粘土が粘着性となる点にまで塊が水和することを防止するものと思われる。同様に、該泡は、潤滑剤としても作用するものと考えられている。
界面活性剤で安定化された泡に関連する一つの問題は、粘土と接触した際に、該泡と関連する該界面活性剤および水が、該高い表面積を持つ粘土に引付けられかつこれに吸着され、またその結果、つぶれのために、該泡に関する極めて短縮された寿命をもたらすことである。このことは、つぶれた泡と置換えるのに大量の泡が必要とされるという結果をもたらし、掘削孔からの液体の排出に係る問題、該掘削孔への迅速な泡の送出の必要性、および該ドリリング部位における、多量の泡組成物の供給および維持に係る問題を引き起こす。その上に、該トンネルボーリングマシンの休止期間後に、しばしば該泡が、該TBMの始動時には破壊されていることが分かっている。
WO 01/12952 A1は、トンネルの掘削において使用するための発泡水性溶液を開示しており、該水性溶液はアニオン性界面活性剤およびβ-ナフタレンスルホネート-ホルムアルデヒド縮合物(BNS)を含んでいる。恐らく、該発泡溶液の安定性が不足しているために、極めて大量の界面活性剤溶液が、この場合においては必要とされる。
従って、当技術の現状は、問題を生じる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、添付された特許請求の範囲において規定されている。
特に、本発明は、泡を形成するための水性組成物により具体的に示され、該組成物は、界面活性剤および粒状無機物質、および場合により1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマー、および/または粘度上昇ポリマー、および/または沈降防止剤を含有する。本発明に係る特定の態様によれば、該水性組成物中の該界面活性剤は、該粒状無機物質に吸収される。本発明によれば、その泡の安定性は、従来技術の組成物と比較して高められていることが分かった。この改善された安定性は、該粒状無機物質の存在に起因するものと考えられる。
一態様によれば、本発明に係る組成物の上記界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤、または1種以上のカチオン性界面活性剤、または1種以上の両性界面活性剤、または1種以上のノニオン性界面活性剤、1種以上の脂肪酸アミン、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。このような界面活性剤は、トンネルドリリング(drilling)用の泡としての用途において特に有用である。
一態様によれば、上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、例えばエトキシル化C
12〜C
14-アルコールサルフェートのナトリウム塩、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。
一態様によれば、上記界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、例えばアルキルトリメチルアンモニウムハライド、例えばテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはジココジメチルアンモニウムクロリド、または二水素化(dihydrogenated)タローオイル(tallowoyl)エチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、またはポリマー状の四級アンモニウムエステル等である。
【0004】
一態様によれば、上記粒状物質はパーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物(aluminium trihydrate)、酸化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される。これらの微粒子は、上記形成された泡の安定性を改善するのに有用であることが分かった。
一態様によれば、上記無機粒状物質はタルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、酸化亜鉛およびカオリンからなる群から選択される。これら微粒子は、良好な特性を持つ一方で、同時に要求される量および特性にて容易に入手できることが分かった。一態様によれば、該無機粒状物質はタルク、例えばマイクロ結晶性(microcrystalline)タルク、マクロ結晶性(macrocrystalline)タルク、マイクロラメラタルクまたはこれらの混合物である。
一態様によれば、上記無機粒状物質は10μmまたはそれ以下、例えば5μmまたはそれ以下、例えば0.5〜3.0μmの範囲、例えば約1.0μmまたは約2.0μmのd
50を有し、例えばこれは10μmまたはそれ以下、例えば5μmまたはそれ以下、例えば0.5〜3.0μmの範囲、例えば約1.0μmまたは約2.0μmのd
50を持つタルクである。これら粒子は、特別に有利な特性を有していることが分かった。
一態様によれば、界面活性剤対水の比は、0.05〜5質量%の範囲にある。このようなレベルの界面活性剤は、特に安定な泡をもたらすことが分かった。
【0005】
一態様によれば、粒状無機粉末対水の比は、1〜60質量%の範囲にある。このようなレベルの粒状無機粉末は、特に安定な泡を結果としてもたらし、また使用される界面活性剤のレベルは、同時に減じ得ることが分かった。
一態様によれば、粒状無機粉末対界面活性剤の質量比は、500:1〜1:1の範囲にある。このようなレベルの粒状無機粉末は、特に安定な泡を結果としてもたらし、また使用される界面活性剤のレベルは、同時に減じ得ることが分かった。幾つかの態様によれば、粒状無機粉末対界面活性剤の質量比は、250:1〜2:1の範囲内、例えば150:1〜5:1の範囲内、例えば約100:1、または約100:3、または約30:1にある。
本発明の一態様によれば、上記水性組成物は、例えば粘土等の混入物質を含んでいてもよい。
同様に、本発明の一部は、トンネル掘削用の泡の製造における、または水性の泡の他の最終的用途、例えば化粧品において使用するための泡の製造における、粒状無機鉱物の使用である。この態様に従えば、該粒状無機鉱物は、本発明の上記の他の態様に従って議論された如く定義することができ、例えばこれはパーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、酸化亜鉛およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0006】
同様に、本発明の一部は、トンネルボーリングにおけるワイドボーリング(wide boring)装置の掘削された廃物による目詰まりを防止するための方法であり、該方法は、水性組成物中の無機粒状物質の、例えば水性懸濁液または水性の泡を形成するための使用工程を含む。該水性組成物は、発泡させることなしに直接、または泡を形成した後に使用することができる。この態様によれば、該粒状無機鉱物は、本発明の上記他の態様に従って論じられた如く定義することができ、例えばこれはパーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、酸化亜鉛およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
同様に、本発明の一部は、本発明に従う水性組成物の製造方法であり、該方法は、界面活性剤を準備する工程、粒状無機物質を準備する工程、水を準備する工程、場合により1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマー、および/または粘度上昇ポリマーおよび/または沈降防止剤を準備する工程、および該準備された成分を任意の順序で混合する工程を含む。この態様によれば、該混合は、任意の所望の順序にて行うことができる。例えば、該準備された界面活性剤を、先ず水と混合し、その後で該粒状無機物質と混合することができる。例えば、該準備された粒状無機物質を、先ず水と混合し、また該界面活性剤を、その後で混合することができる。例えば、該粒状無機物質および該界面活性剤を乾燥状態で混ぜ合わせ、およびこれらを該水に添加することができる。例えば、準備された該随意成分の何れかを、乾燥状態または湿潤または水性状態で、任意の工程において混合することができる。
【0007】
同様に、本発明の一部は、水性の泡を安定化する方法であり、該方法は、界面活性剤を準備する工程、粒状無機物質を準備する工程、場合により1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマーおよび/または粘度上昇ポリマーおよび/または沈降防止剤を準備する工程、および該成分を混合して水性の泡とする工程を含む。該準備された成分は、任意の順序で混合して、該泡とすることができる。
同様に、本発明の一部は、水性の泡を安定化するための、界面活性剤および粒状無機物質の使用である。
同様に、本発明の一部は、界面活性剤および粒状無機物質、および場合により1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマー、および/または粘度上昇ポリマーおよび/または沈降防止剤を含む組成物であり、ここにおいて該組成物は5質量%以下の水、例えば3質量%以下の水、例えば1質量%以下の水、例えば0.5質量%以下の水、例えば0.3質量%以下の水、例えば0.1質量%以下の水を含む。例えば、該組成物は、本質的に乾燥状態にあってもよい。一態様によれば、該乾燥組成物は、該粒状無機物質としてタルクを含むことができ、また該界面活性剤はカチオン性界面活性剤、例えばテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはジココジメチルアンモニウムクロリドである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明は、本発明に係る典型的な態様に関連するものであり、また特許請求の範囲を何ら限定するものではないことが理解される。
添付された特許請求の範囲に従う本発明は、泡、特にトンネルの掘削において使用するための泡を形成するための水性組成物を提供する。水性の泡は、掘削された廃物の排出を補助するために、粘土質の地中でのトンネル掘削において使用される。泡は、粘土塊が相互に接触するのを防止し、また該排出システムを目詰まりさせる恐れのある凝集塊の形成を防止するのに役立つものと考えられる。
本発明によれば、より安定な泡が、上記水性の泡-形成組成物に粒状無機物質を添加することによって形成し得ることが見出された。特に、本発明に従って形成される泡は、最高技術水準の泡と同程度に容易につぶれることはなく、またその泡状の構造をより長期間に渡って維持することを見出した。研究室におけるテストでは、最高技術水準の泡は、水の排液により、形成後10分以内にその初期質量の約80%以上を失うことが見出されたが、本発明に従って形成された泡は、60分後にその初期質量の90%までを維持していることが分かった。これらの値は、本説明の実施例部分において記載されている如き方法を用いることにより得られた。
理論に拘泥するつもりはないが、上記粒状無機物質は、上記泡バブルの水-空気界面に留まって、その泡の安定性を改善するものと考えられる。従って、界面活性剤対粒状無機物質の比は、均衡を保っている必要がある。著しく大量の界面活性剤が存在する場合、これは該無機粒状物質に吸収され、またその界面から離れた該水相内への移動を生じる。一特定の態様において、該界面活性剤は、良好な泡形成のためには、臨界ミセル濃度以上である。
【0009】
本発明によれば、上記界面活性剤は、上記水性組成物中で上記無機粒状物質に吸収される。このような界面活性剤は、また捕集剤としても知られている。例えば、カチオン性界面活性剤は、タルク等の無機粒子の負に帯電した表面に付着する可能性がある。
本発明によれば、泡を形成するための水性組成物が提供され、該組成物は界面活性剤、粒状無機物質、および場合により1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマーおよび/または粘度上昇ポリマーを含む。該組成物はいつでも形成し得る状態にあり、あるいはこれは発泡に先立って追加の水による希釈を要する濃縮物であってもよい。同様に、該組成物は、泡の形成またはその安定化において使用し得る水性組成物を形成するために、水の添加を要する乾燥組成物であってもよい。
【0010】
土壌調整ポリマー
土壌調整ポリマーは当分野において公知であり、また粘土が掘削場所から排出される際に、該粘土の膨潤を防ぐことを意図するものである。これらは、当業者には公知の量の、ポリアクリレートまたはその他のポリマーから選択することができる。典型的には、部分的に加水分解されたポリアクリルアミドポリマー(PHPA)、例えば「ドリラムMV(Drillam MV)」(ランベルティ(Lamberti) SpAにより供給されている)、並びにポリアルケンオキサイドポリマー、例えば「マスターロック(MasterRoc) SLF P1」(バスフ(BASF)社により提供されている)等が使用される。
【0011】
界面活性剤
例えば、トンネル掘削用の泡において使用するための、界面活性剤または起泡剤は、当分野において公知である。特定の態様において、該界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤、または1種以上の両性界面活性剤、または1種以上のカチオン性界面活性剤、または1種以上のノニオン性界面活性剤、またはこれらの組合せであり、またはこれらを含む。
適当なアニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、トリエチルアミンラウリルサルフェート、トリエチルアミンラウレスサルフェート、トリエタノールアミンラウリルサルフェート、トリエタノールアミンラウレスサルフェート、モノエタノールアミンラウリルサルフェート、モノエタノールアミンラウレスサルフェート、ジエタノールアミンラウリルサルフェート、ジエタノールアミンラウレスサルフェート、ラウリン酸モノグリセライド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ナトリウムメチルラウロイルタウレート、ナトリウムラウロイルイセチオネート、ナトリウムラウレススルホサクシネート、ナトリウムラウロイルスルホサクシネート、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムラウリルアンホアセテート、ナトリウムラウリルスルホアセテート、ナトリウムココイルイセチオネート、ナトリウムメチルココイルタウレートおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。該アニオン性界面活性剤は、例えば脂肪族スルホネート、例えば一級C
8-C
22アルカンスルホネート、一級C
8-C
22アルカンジスルホネート、C
8-C
22アルケンスルホネート、C
8-C
22ヒドロキシアルカンスルホネートまたはアルキルグリセリルエーテルスルホネートであり得る。
【0012】
適当なカチオン性界面活性剤は、アルキル基が8〜24個の炭素原子、例えば10または12または14または16または18または20または22個の炭素原子を含むことができる、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、またはジアルキルジメチルアンモニウムハライド、例えばテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、またはジココジメチルアンモニウムクロリドを含むが、これらに限定されない。その他の適当なカチオン性界面活性剤は、四級アンモニウム種、例えば二水素化タローオイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、またはUS 8,936,159 B2に記載されているようなポリマー状四級アンモニウムエステルである。該文献の内容を、言及することによりここに組入れる。理論に拘泥するつもりはないが、カチオン性の界面活性剤は、浮選システムにおいて捕集剤が行う作用とより類似するように作用しているものと考えられる。従って、ほぼ中性pH条件において粒子表面に負の電荷を与えることにより、カチオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤よりも一層強力に該粒子に吸着され得る。
適当な両性界面活性剤は脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウム化合物の誘導体であって、そこにおいてその脂肪族基は直鎖または分岐鎖であり得、また該脂肪族置換基の一つは約8〜約18個の炭素原子を含み、かつ一置換基はアニオン性の基、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、またはホスホン酸基を含む該誘導体を含むが、これらに限定されない。実例となる両性界面活性剤はココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ-カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)α-カルボキシエチルベタイン、およびこれらの混合物である。該スルホベタインは、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインおよびこれらの混合物を含むことができる。
【0013】
適当なノニオン性界面活性剤は、アルケンオキサイド、特にエチレンオキサイドを単独でまたはプロピレンオキサイドと共に反応させた、アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールを含む。模範的なノニオン性界面活性剤は、C
6-C
22アルキルフェノール-エチレンオキサイド縮合物、C
8-C
18脂肪族一級または二級の直鎖または分岐鎖アルコールとエチレンオキサイドとの縮合生成物、およびエチレンオキサイドと、プロピレンオキサイドおよびエチレンジアミンの反応生成物とを縮合することにより製造される生成物である。他のノニオン性界面活性剤は、長鎖tert-アミンオキサイドを含む。その他のノニオン性界面活性剤は、ココアミドをベースとする界面活性剤およびココアミドとエタノールアミン等のアルコールアミンとの反応により生成される界面活性剤である。模範的なノニオン性界面活性剤は、ココアミドMEAおよびココアミドDEAを含む。他の適当なノニオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、例えばデシルグルコシド、ラウリルグルコシドおよびオクチルグルコシドを含む。
特定の態様において、上記界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、SDS)、またはラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)である。特定の態様において、該界面活性剤はテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(TTAB)、またはジココジメチルアンモニウムクロリドである。
【0014】
上記界面活性剤は、本発明の一局面に従う水性組成物中に、その臨界ミセル濃度(CMC)以下またはそれ以上の量で存在すべきである。CMCとは、それ以上においてミセルが形成され、また該系に添加された全ての追加の界面活性剤がミセル形成へと進む、界面活性剤の濃度として定義される。上記組成物中に存在する界面活性剤が多すぎる場合、これは上記粒状無機物質を上記水性相に移動させ、このことは、該界面活性剤がその泡を安定化する特性を果たすのを妨げる可能性がある。界面活性剤対無機粒状物質の比は、従って均衡を保っていなければならない。最新技術の組成物は、5.0質量%までの界面活性剤対水の比を必要とする可能性がある。
特定の態様において、本発明に従う組成物における界面活性剤対水の比は、0.01〜5質量%の範囲にある。例えば、該組成物中の界面活性剤対水の比は0.05〜4質量%、例えば0.1〜3質量%の範囲内、例えば約0.05質量%、約0.3質量%、約0.5質量%、約1質量%、約2質量%、約3質量%、約4質量%、または約5質量%であり得る。
【0015】
粒状無機物質
本発明によれば、本発明の水性組成物から形成される泡の安定性は、粒状無機物質の存在により改善される。
特に述べられていない限り、上記無機粒状物質に関してここで言及される粒度特性は、周知の方法で、ここにおいては「マイクロメリティックスセディグラフ5100装置(Micromeritics Sedigraph 5100 unit)」と呼ばれる、米国ジョージア州ノルクロス(Norcross, Georgia, USA)のマイクロメリティックスインスツルメンツ社(Micromeritics Instruments Corporation)(ウエブサイト(web-site):www.micromeritics.com)によって供給されているようなセディグラフ5100(Sedigraph 5100)機械装置を用いて、水性媒体中に完全に分散された状態にある該粒状物質の沈降により測定されるようなものである。このような機械装置は、当分野において「球相当径(equivalent spherical Diameter)」(e.s.d)と呼ばれている値で、与えられたこのe.s.d値よりも小さな大きさを持つ粒子の測定値およびその累積質量%のプロットを与える。その平均粒度d
50は、このようにして決定された該粒子e.s.dの値であり、そこにおいて、d
50値よりも小さな球相当径を持つ粒子が50質量%存在する。そのトップカット(top cut)粒度d
90は、該粒子e.s.dに係るこのようにして決定された値であり、そこにおいて、このd
90値に満たない球相当径を持つ粒子が90質量%存在する。
【0016】
上記粒状無機物質は、粒度を泡の形成にとって適切なものとする、粒度範囲を持つべきであるが、該粒度範囲は、明確に限定されるものではない。例えば、該無機粒状物質は、約0.01μm〜約1mmという平均粒度d
50を持つことができるが、安定な泡がこのような粒状物質で形成し得ることを条件とする。例えば、該粒状無機物質は約500μm以下、例えば約250μm以下、または約100μm以下、または約50μm以下のd
50を持つことができる。特定の態様において、該無機粒状物質は約25μm以下、例えば約10μm以下、または約5μm以下、または約1μm以下のd
50を持つ。特定の態様において、例えば該無機粒状物質は、約0.05μm〜約5μm、または約0.1μm〜約2.5μm、または約0.5μm〜約1μmのd
50を持つ。
特定の態様において、上記粒状無機物質は、約1mm以下、例えば約500μm以下、または約400μm以下、または約300μm以下、または約200μm以下、または約100μm以下のd
90を持つことができる。特定の態様において、該無機粒状物質は、約50μm以下、例えば約20μm以下、または約10μm以下、または約5μm以下のd
90を持つ。特定の態様において、該無機粒状物質は、例えば約0.5μm〜約10μm、または約1μm〜約7.5μm、または約2.5μm〜約5μmのd
90を持つ。
特定の態様において、上記無機粒状物質は、パーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、酸化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0017】
特定の態様において、上記無機粒状物質はタルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、カオリン、酸化亜鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される。
特定の態様において、上記無機粒状物質はタルク、例えばマクロ結晶性タルク、またはマイクロ結晶性タルク、またはマクロラメラタルク、またはこれらの組合せである。個々のタルク板状体(数千の基本シート(elementary sheets))に係る、個々の板状体の大きさ、即ち上記セディグラフ法により測定されるような中央粒径は、堆積物の形成条件に依存して、約1μmから100μm以上にまで変えることができる。該個々の板状体の大きさは、該タルクのラメラリティー(lamellarity)を決定する。高度に板状のタルクは大きな個々の板状体を含むであろうが、一方でマイクロ結晶性タルクは小さな板状体を含むであろう。全てのタルクは板状と称することが可能であるが、該板状体の大きさは、堆積物毎に異なっている。小さな結晶は、マイクロ結晶性タルクとして知られている、緻密で高密度の鉱石を与える。大きな結晶は、マクロ結晶性タルクとして知られている、紙様の層として現れる。公知のマイクロ結晶性タルク鉱床は、モンタナ(イエローストーン(Yellowstone))およびオーストラリア(スリースプリングズ(Three Springs))において発見されている。マイクロ結晶構造において、タルクの基本粒子は、大きな板状体で構成されるマクロ結晶構造に比して、小さな平板で構成されている。
【0018】
特定の態様によれば、上記無機粒状物質は、約50μm以下、例えば30μm以下、例えば20μm以下、例えば10μm以下、例えば約5μmというd
90および約20μm以下、例えば10μm以下、例えば5μm以下、例えば3μm以下、例えば約3μmまたは約1μmというd
50を持つマイクロ結晶性タルクである。
上で論じたように、界面活性剤および無機粒状物質の量は、該無機粒状物質が、該界面活性剤により上記水性相内へと、その泡バブルの水-空気界面から遠くに移動するのを防止し、該物質によるその泡安定化特性の発現を妨害するのを回避するために、均衡を保っている必要がある。
特定の態様によれば、本発明に従う水性組成物中の粒状無機粉末対水の比は、1〜60質量%の範囲、例えば2質量%〜50質量%の範囲、または3質量%〜20質量%の範囲、または4〜10質量%の範囲、例えば約4質量%、または約5質量%、または約6質量%、または約8質量%、または約10質量%、または約12質量%であり得る。
【0019】
更なる成分
粘度上昇ポリマーは、当業者にとっては公知である。沈降防止剤は、当業者にとって公知である。例えば、アタパルジャイト(「アタゲル(Attagel) 40」、バスフ(BASF)社)を使用することができる。
本発明が、ここにおいて言及した特徴および/または限定の任意の組合せを、相互に相容れないこのような特徴の組合せを除いて、含むことができることに留意すべきである。上記説明は、本発明を説明する目的で、その特定の態様を対象としている。しかし、ここに記載された態様に対する多くの改良および変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。このような改良および変更の全てが、添付された特許請求の範囲において規定されたような、本発明の範囲内に入るものと意図されている。
泡膨張比(FER)
更に、本発明による組成物が、優れた発泡特性に対して満足性を示すことも見出した。12.5に近いまたはこれを超える泡膨張比(FER)を、標準的な水道水について、また更には脱イオン水について12.5〜ほぼ18という該比を得ることができた。
【実施例】
【0020】
実施例1〜4
様々な無機粒状物質を、その泡安定化特性についてテストした。
多数の無機粒状物質(10質量%)を、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(バスフ(BASF)社により供給されているメイコ(MEYCO) SLF 30)の0.3質量%発泡水溶液に混合し、また得られたこの組成物を、実験室用の泡発生装置を用いて混合した。この得られた泡(60g)を、底部にフリットおよび捕集剤を備えたファンネルセル(funnel cell)に入れ、かつ放置した。あらゆる泡の分解を、該ファンネルセルの底面において集められた水の量を計ることにより測定した。
テストされた上記粒状無機物質を、以下の表Iに示す。
【0021】
【表1】
集められる水の量は、30分間に渡り観測された。結果を以下の表IIに示す。示された値は、上記ファンネルセル内に残留している泡の百分率値であり、また時間の経過に伴う泡の安定性に係る一尺度であることが理解できる。
【0022】
【表2】
全ての無機粒状物質が、改善された泡安定性をもたらすことが分かった。実施例4(タルク)に関連して、60分後の該安定性は、91%であった。実施例4において使用されたタルクは、5μmというd
90および1μmというd
50を持つマイクロ結晶性タルクである。
【0023】
実施例5
実施例4由来のタルクを、様々な界面活性剤濃度において更にテストした。そのテスト手順は、実施例1〜4におけるものと同一であり、また使用された発泡剤は、ここでもラウリルエーテル硫酸ナトリウム(バスフ社により提供されているメイコ(MEYCO) SLF 30)であった。変動するテストパラメータを、以下の表IIIに示す。
【0024】
【表3】
集められた水の量を、30分に渡り観察した。その結果を以下の表IVに示す。示された値は、上記ファンネルセル内に残留している泡の百分率値であり、また時間の経過に伴う泡の安定性に係る一尺度として理解することができる。
【0025】
【表4】
タルクの使用が、何れの界面活性剤濃度においても、改善された泡の安定性をもたらすことが分かった。しかし、実施例5c(高い界面活性剤濃度)に関連して、該安定性は、対応する比較例5cにおけるよりもほんの僅かに高いだけである。これと共に、界面活性剤使用に対する要求は、タルクを使用する場合には減じられることが分かる。更に、過剰量の界面活性剤の添加は、タルクの安定化効果を減じる可能性がある。
【0026】
実施例6および7
脱イオン水(実施例6)または標準的な水道水(実施例7)の何れかを使用して、様々な量のタルクおよびテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(TTAB)の存在下で、泡をテストした。使用したタルクは、21m
2/g(ISO 9277)というBET表面積および1.1μm(セディグラフによる、ISO13317-3)という中央値粒度を持つ、イメリーズタルク(Imerys Talc)により提供された、マイクロ結晶性タルクであった。TTBAは、5%の水性原液として使用した。該泡は、タルクとTTBA原液とを混ぜ合せ、かつ脱イオン水または水道水を用いて100gとすることにより製造した。得られた該組成物は、研究室用泡発生器を使用して混合された。これらの得られた泡を、底部にフリットおよび捕集剤を備えたファンネルセルに充填し、また放置した。あらゆる泡の分解を、該ファンネルセルの底面に集められた水の量を計ることにより測定した。変動するテストパラメータを、以下の表Vに示す。
【0027】
【表5】
集められる水の量を、30分間に渡り観測した。その結果を以下の表VIに示す。示された値は、上記ファンネルセル内に残留している泡の百分率値であり、またこれは、時間の経過に伴う泡安定性の一尺度として理解し得る。「FER」と名付けた欄に示された値は、得られた泡の膨張比を示す。
【0028】
【表6】
上記全ての実施例が、比較例(上記表IIを参照のこと)を超えて改善された泡の安定性をもたらすことが分かった。
【0029】
実施例8
上述の実施例6dにおいて得た泡水性液(0.10質量%のTTABおよび5質量%のタルクを含む)を、粘土と混合した。その泡の安定性は、65質量%までの粘土の添加によって大幅に低下されることはないことが分かった。この発見は、以下の表VIIに示されているように、水、TTAB、タルクおよび/または粘土を含む発泡された組成物における表面張力の測定値によって支持された。粘土を添加した際の表面張力における増加は、タルク上に吸着されなかったあらゆる残留する泡が、該粘土により吸取られ、またその空気/水界面またはバブル表面から脱着されることを示す可能性がある。
【0030】
【表7】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕泡を形成するための水性組成物であって、該組成物が、界面活性剤および粒状無機物質を含み、かつ1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマー、および/または粘度上昇ポリマーおよび/または沈降防止剤を含んでもよく、前記界面活性剤が、前記粒状無機物質上に吸収している、前記水性組成物。
〔2〕前記界面活性剤が、1種以上のアニオン性界面活性剤、または1種以上のカチオン性界面活性剤、または1種以上の両性界面活性剤、または1種以上のノニオン性界面活性剤、1種以上の脂肪酸アミン、またはこれらの組合せを含む、前記〔1〕記載の水性組成物。
〔3〕前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、例えばエトキシル化C12〜C14-アルコールサルフェートのナトリウム塩、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウムである、前記〔2〕記載の水性組成物。
〔4〕前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤、例えばアルキルトリメチルアンモニウムハライド、例えばテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはジココジメチルアンモニウムクロリド、または二水素化タローオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、またはポリマー状四級アンモニウムエステルである、前記〔2〕記載の水性組成物。
〔5〕前記粒状無機物質が、パーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノシリケート、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、酸化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の水性組成物。
〔6〕前記無機粒状物質が、タルク、炭酸カルシウム、ドロマイト、酸化亜鉛、およびカオリンからなる群から選択される、前記〔1〕〜〔5〕の何れかに記載の水性組成物。
〔7〕前記無機粒状物質が、タルク、例えばマイクロ結晶性タルク、マクロ結晶性タルク、マイクロラメラタルクまたはこれらの混合物である、前記〔6〕記載の水性組成物。
〔8〕前記タルクが、10μm以下、例えば5μm以下、例えば0.5〜3.0μmの範囲、例えば約1.0μm、または約2.0μmというd50を有するマイクロ結晶性タルクである、前記〔6〕または〔7〕記載の水性組成物。
〔9〕界面活性剤対水の比が、0.05〜5質量%の範囲にある、前記〔1〕〜〔8〕の何れかに記載の水性組成物。
〔10〕粒状無機粉末対水の比が、1〜60質量%の範囲にある、前記〔1〕〜〔9〕の何れかに記載の水性組成物。
〔11〕粒状無機粉末対界面活性剤の質量比が、500:1〜1:1の範囲にある、前記〔1〕〜〔10〕の何れかに記載の水性組成物。
〔12〕前記粒状無機物質が、パーライトまたはパーライトとタルクとの混合物である、前記〔1〕〜〔11〕の何れかに記載の水性組成物。
〔13〕前記組成物が、混入物質、例えば粘土を更に含む、前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の水性組成物。
〔14〕トンネルの掘削において使用される泡の調製における、粒状無機鉱物の使用。
〔15〕前記粒状無機鉱物が、パーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノシリケート、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、酸化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔14〕記載の使用。
〔16〕トンネルボーリングにおけるワイドボーリング装置の、掘削された廃物による目詰まりを防止する方法であって、水性組成物、例えば水性懸濁液または水性泡における、無機粒状物質の使用を含む、前記方法。
〔17〕前記水性組成物が、泡の調製において使用される、前記〔16〕記載の方法。
〔18〕前記粒状無機鉱物が、パーライト、ベントナイト、ウォラストナイト、アルカリ土類金属炭酸塩または硫酸塩、例えば炭酸カルシウム、例えば天然炭酸カルシウムおよび/または沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、石膏、アルミノシリケート、例えばカオリン、タルク、マイカ、珪藻土、バーミキュライト、軽石、水酸化マグネシウム、アルミニウム三水和物、酸化亜鉛、およびこれらの組合せからなる群から選択される、前記〔16〕または〔17〕記載の方法。
〔19〕前記〔1〕〜〔13〕の何れか1項に記載の水性組成物の製造方法であって、以下の工程:
界面活性剤を準備する工程;
粒状無機物質を準備する工程;
水を準備する工程;
任意に、1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマー、および/または粘度上昇ポリマーおよび/または沈降防止剤を準備する工程;および
該準備された成分を、任意の順序で混合する工程、
を含む、前記方法。
〔20〕水性の泡を安定化する方法であって、界面活性剤を準備する工程;粒状無機物質を準備する工程;任意に、1種以上のポリマー、例えば土壌調整ポリマー、および/または粘度上昇ポリマーおよび/または沈降防止剤を準備する工程;および該成分を任意の順序で混合して、水性の泡とする工程を含む、前記方法。
〔21〕水性の泡を安定化するための、界面活性剤および粒状無機物質の使用。
〔22〕乾燥組成物、または実質上水を含まない、例えば5質量%以下の水を含む組成物である、前記〔1〕〜〔13〕の何れか1項に記載の組成物。
〔23〕前記粒状無機物質がタルクであり、かつ前記界面活性剤がカチオン性界面活性剤、例えばテトラデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはジココジメチルアンモニウムクロリドである、前記〔22〕記載の組成物。