(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の通知システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る通知システム10は、特定の対象に所定の事象が生じたときに当該所定の事象の発生を予め決められた所定の通知先に対して通知する通知サービスを提供するためのシステムであって、主に、通知管理サーバ20および情報コード管理サーバ30と、後述するサーバデコード用のプログラムがインストールされた携帯端末40とを備えるように構成されている。なお、通知管理サーバ20および情報コード管理サーバ30は、「通知管理部」の一例に相当し得る。
【0022】
通知管理サーバ20は、上記通知サービスを提供する事業者によって管理され、インターネット上の通知サービス用サイトを利用して上記通知サービスの利用を希望する利用者の登録やその解除、後述する通知コード100の発行等に関する処理を行うように機能する。この通知管理サーバ20は、
図2に示すように、CPU等を有し全体的制御を司る制御部21、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部22、操作に応じた情報を入力するための操作部23、インターネット等を介して外部機器と通信する通信インタフェースとして構成される通信部24などを備えている。
【0023】
通信部24は、電話番号を宛先とするショートメッセージサービス(SMS)を利用した通知機能を有しており、登録された事象が生じたときに情報コード管理サーバ30から受信した電話番号を宛先としたSMSを利用して、利用者に対して所定の情報を通知可能に構成されている。
【0024】
情報コード管理サーバ30は、サーバデコード用のアプリケーションプログラム(以下、単にプログラムともいう)がインストールされた携帯端末40にて撮像した情報コードを解読(デコード)するデコードサーバとして機能する。この情報コード管理サーバ30は、通知管理サーバ20と同様に、CPU等を有し全体的制御を司る制御部21、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部22、操作に応じた情報を入力するための操作部23、通信インタフェースとして構成される通信部24などを備えている。
【0025】
また、情報コード管理サーバ30は、通知管理サーバ20から受信した情報に基づいて通知用の情報コード(以下、通知コード100ともいう)を生成するように構成されている。この通知コード100は、仕様未公開であって情報コード管理サーバ30と異なる読取装置等では読み取れない仕様の情報コードであり、情報コード管理サーバ30は、通知コード100の生成・読取プラットフォームとして機能する。通知コード100は、明色セルと暗色セルの2種類のセルが配列されて構成され、例えば、
図3に例示するように、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域101〜103と、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域と、複数種類のセルによってデータが記録されない空き領域104等とを備えるように生成される。
【0026】
特定パターン領域101〜103は、QRコード(登録商標)の位置検出パターンに相当するもので、撮像画像から通知コード100の位置を認識するために利用される。また、空き領域104は、単一のセルのサイズよりも大きいサイズにて当該通知コード100の中央に位置するように設けられ、データ記録領域や誤り訂正符号記録領域を記録する方法とは異なる方法でのデータの記録、或いはデザインの表示が可能となっている。なお、
図3の例では、後述する迷子を連想させるデザインDが空き領域104内に表示されている。そして、誤り訂正符号記録領域は、記録される誤り訂正符号を用いてデータ記録領域でのデータの誤りに対して公知の誤り訂正を行うために利用されるもので、誤り訂正機能を実現するための領域である。なお、
図3では、データ記録領域および誤り訂正符号記録領域を、記録領域105として図示している。
【0027】
携帯端末40は、上述したサーバデコード用のプログラムがインストールされたスマートフォンのような携帯型の情報端末であって、情報コード管理サーバ30を利用して通知コード100や他の情報コードを読み取るように構成されている。この携帯端末40は、
図4に示すように、CPU等を有し全体的制御を司る制御部41、受光センサ(例えば、C−MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部42、液晶表示器などからなる表示部43、各種操作キーやタッチパネル等(図示略)によって構成される操作部44、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部45、電話回線網の利用等により情報コード管理サーバ30等の外部機器と通信可能な通信インタフェースとして構成される通信部46などを備えている。なお、撮像部42は、「撮像手段」の一例に相当し、通信部46は、「送信手段」の一例に相当し得る。
【0028】
また、携帯端末40は、GPS受信部47を備えており、このGPS受信部47は、周知のGPS衛星から受信して取得したGPS信号を、当該携帯端末40の現在位置を特定する位置特定情報として制御部41に出力するように構成されている。なお、GPS受信部47は、「位置特定情報取得手段」の一例に相当し得る。
【0029】
このように構成される携帯端末40は、制御部41にてサーバデコード用のプログラムに基づいて実施される情報コードの読取処理により、以下のようにして撮像した情報コードを解読した読取結果を取得する。
【0030】
まず、撮像部42により撮像された画像データから情報コードに相当するコード画像が抽出される。次に、この抽出されたコード画像を構成する各セルが所定の閾値に基づいて明レベルと暗レベルとのいずれかに区分け(二値化)されて、各明色セルおよび暗色セルの配列状態に応じたセルの配列データ(二値化データ)がコード情報として生成される。続いて、上述のように生成されたコード情報が、GPS受信部47にて取得されたGPS信号や情報コードを撮像した撮像時刻情報等とともに情報コード管理サーバ30に送信される。そして、この送信に応じて情報コード管理サーバ30から受信した情報が、読取結果として表示部43に表示される。
【0031】
次に、本実施形態に係る通知システム10を利用した通知サービスについて、迷子の発見とその居場所を保護者に通知する迷子通知サービスを例に
図1を参照して詳述する。なお、以下の説明では、子供(被保護者)が「特定の対象」の一例に相当し、迷子の発見が「所定の事象」の一例に相当し得る。
【0032】
まず、上記迷子通知サービスの提供を所望する利用者(保護者)が当該サービスに登録する場合、通知管理サーバ20にて管理される迷子通知サービス用のサイトにアクセスした利用者により、所定の通知先となる電話番号を含めた登録用の情報がパソコン等の通信端末を用いて入力される(
図1のF1a参照)。なお、所定の通知先となる電話番号は、利用者が所持する携帯端末50(
図1参照)のもので、この携帯端末50は、例えば、上述した携帯端末40と同等の機能を有するものである。
【0033】
通知管理サーバ20では、上記登録用の情報の入力が完了すると、所定の通知先となる電話番号が、当該通知管理サーバ20や利用するサービスの種別等を特定するための情報(以下、サービス特定情報ともいう)とともに情報コード管理サーバ30に送信される(
図1のF1b参照)。
【0034】
情報コード管理サーバ30では、通知管理サーバ20から受信した電話番号およびサービス特定情報を含めた通知情報を記録するように通知コード100が生成され、このように生成した通知コード100が通知管理サーバ20に送信される(
図1のF1c参照)。ここで、作成する通知コード100の用途が受信したサービス特定情報から明らかであるため、通知コード100は、
図3に例示するように、その空き領域104内に迷子を連想させるデザインDが用途を示す情報として表示されるように生成される。
【0035】
通知管理サーバ20では、情報コード管理サーバ30から受信した通知コード100が登録完了情報等とともに利用者に対して送信されることで、発行処理が完了する(
図1のF1d参照)。すなわち、通知管理サーバ20は、情報コード管理サーバ30を利用することで通知コード100を発行する発行部として機能する。
【0036】
利用者は、受信した通知コード100を印刷等して迷子札として子供の首にかけるか子供の持ち物などに目立つようにつけるかして、通知コード100を撮像可能とする状態が維持されることで、迷子通知サービスを利用可能な状態となる。なお、通知コード100は、情報コード管理サーバ30では、空き領域104内が空白となるように生成されて、通知管理サーバ20にてその通知サービスの種別を連想させるデザインDが空き領域104内に追加された後、利用者に対して送信されてもよい。
【0037】
次に、通知コード100を身につけて迷子になった子供の情報が利用者に通知される場合について説明する。
迷子を見つけた第三者により、迷子が身につけている通知コード100が上記読取処理を実施している携帯端末40にて撮像されると、通知コード100を構成するセルの配列データがコード情報としてGPS信号とともに通信部46により情報コード管理サーバ30に送信される(
図1のF1e参照)。
【0038】
情報コード管理サーバ30では、その制御部21により実施される読取処理により、携帯端末40から受信したコード情報(セルの配列データ)に基づいて携帯端末40が撮像した通知コード100を解読(デコード)することで、電話番号およびサービス特定情報を含めた通知情報が取得される。そして、情報コード管理サーバ30は、取得した通知情報や受信したGPS信号、撮像時刻情報等を、サービス特定情報から特定される通知管理サーバ20に対して送信する(
図1のF1f参照)。なお、情報コード管理サーバ30は、「通知情報取得手段」の一例に相当し得る。
【0039】
通知管理サーバ20では、情報コード管理サーバ30から上記通知情報等を受信することで、その電話番号にて登録した利用者の子供が迷子として見つかったことが認識される。このため、通知管理サーバ20では、迷子として見つかったことを示す迷子発見情報と受信したGPS信号に基づいて作成される迷子の現在位置を示す現在位置情報とが、通知情報に含まれる電話番号を宛先としたSMSを利用して直ちに利用者に通知される(
図1のF1g参照)。なお、通知管理サーバ20は、子供(特定の対象)に迷子およびその発見の事象(所定の事象)が生じたことを通知する「通知手段」の一例に相当し得る。
【0040】
なお、迷子の現在位置を示す現在位置情報は、その迷子の現在位置がマッピングされた地図画像であってもよいし、住所を示す文字情報であってもよい。また、現在位置情報は、通知管理サーバ20にて作成されることに限らず、情報コード管理サーバ30にて作成されてもよい。
【0041】
利用者の携帯端末50では、通知管理サーバ20からの迷子発見情報および現在位置情報がSMSを利用して受信される。これにより、その受信情報を見た利用者は、迷子になっていた子供が見つかったことだけでなく、その子供が今どこにいるかを直ちに把握することができる。
【0042】
その一方で、情報コード管理サーバ30では、電話番号およびサービス特定情報を含めた通知情報が解読されたことから、コード情報等を送信した携帯端末40に対して、通知コード100の読取結果と異なる情報として、予め決められた所定の報知情報が送信される(
図1のF1h参照)。携帯端末40では、受信した所定の報知情報が通知コード100を撮像部42により撮像した結果として表示部43に表示されて報知されることで、携帯端末40を携帯する第三者は、迷子発見の通知がなされたことを把握する。なお、上記所定の報知情報は、例えば、「保護者に現在地を通知しました。ご協力ありがとうございました」等の通知の完了を知らせる情報として設定される。また、表示部43は、「報知手段」の一例に相当し得る。
【0043】
なお、情報コード管理サーバ30では、通知コード100と異なる通常の情報コードのコード情報を携帯端末40から受信すると、その受信したコード情報に基づいて解読した解読結果がその携帯端末40に送信される。この場合、通知管理サーバ20には解読結果等の情報が送信されることはない。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る通知システム10では、特定の対象(子供)において、通知管理サーバ20にて発行された通知コード100を撮像可能とする状態が維持されている。そして、特定の対象に所定の事象が生じたこと(子供が迷子になったこと)を知り得た第三者が携帯する携帯端末40の撮像部42により通知コード100が撮像されると、その通知コード100を撮像することで得られたセルの配列データ(コード情報)が通信部46により情報コード管理サーバ30に送信される。そして、情報コード管理サーバ30にて、携帯端末40から受信したセルの配列データを解読することで電話番号(所定の通知先)およびサービス特定情報を含めた通知情報が取得されると、その所定の通知先に対して特定の対象に所定の事象が生じたことが通知管理サーバ20により通知される。
【0045】
このように、特定の対象に所定の事象が生じたとき(子供が迷子になったとき)に、このことを知り得た第三者が通知コード100を撮像することで、当該所定の事象の発生を所定の通知先に自動的に通知することができる。特に、通知を望む利用者は、特定の対象にて通知コード100を撮像可能にすればよく、所定の事象の発生を知り得た第三者は、通知コード100を撮像するだけなので、本通知システム10の利用者が連絡先等を平時から公開する必要を無くすことができるだけでなく、通報者となる第三者についても個人情報を入力する必要を無くすことができる。
【0046】
さらに、携帯端末40において、通知コード100が撮像されたときにGPS受信部47により特定されたGPS信号(位置特定情報)がコード情報とともに通信部46により情報コード管理サーバ30に送信される。そして、情報コード管理サーバ30にて、携帯端末40からコード情報およびGPS信号が受信されると、取得された通知情報に対応する所定の通知先に対して、通知管理サーバ20により、特定の対象に所定の事象が生じたことが通知されるとともに、受信したGPS信号に関連する情報として迷子の現在位置を示す現在位置情報が通知される。
【0047】
これにより、所定の通知先に対して、特定の対象に所定の事象が生じたこと(迷子の子供が発見されたこと)が通知されるだけでなく、所定の事象が生じている位置に関連する情報(迷子の現在位置を示す現在位置情報)が通知されるので、所定の事象が生じている場所を容易に特定でき、所定の事象についてより詳細な情報を取得することができる。
【0048】
また、通知コード100は、情報コード管理サーバ30にて解読可能に生成され、コード情報は、通知コード100を構成するセルの配列データであるため、携帯端末40にて通知コード100を解読するための解読手段が不要となる。これにより、携帯端末40にて通知コード100が解読されることもないので、通知コード100に記録される情報の秘匿性を向上させることができる。
【0049】
なお、通知コード100を構成するセルの配列データ(二値化データ)に代えて、通知コード100の画像データをコード情報として携帯端末40から情報コード管理サーバ30に送信してもよい。このようにしても、携帯端末40にて通知コード100が解読されることもないので、通知コード100に記録される情報の秘匿性を向上させることができる。
【0050】
さらに、通知コード100を解読することで取得される通知情報には所定の通知先(電話番号)が含まれるため、情報コード管理サーバ30や通知管理サーバ20(通知管理部)では、通知管理サーバ20により通知コード100を発行する際に用いられた所定の通知先を記憶しておくことが不要となる。すなわち、所定の通知先は、通知コード100に記録されるだけであり、情報コード管理サーバ30や通知管理サーバ20に記憶する必要がないので、所定の通知先の秘匿性を向上させることができる。
【0051】
また、情報コード管理サーバ30において、コード情報を送信した携帯端末40に対して予め決められた所定の報知情報が送信される(
図1のF1h参照)。そして、携帯端末40では、情報コード管理サーバ30から受信した上記所定の報知情報が、通知コード100を撮像部42により撮像した結果として表示部43に表示されて報知される。
【0052】
これにより、通知コード100を撮像した第三者は、表示部43による所定の報知情報の表示を見ることで、特定の対象に所定の事象が生じたことが上記通知先に対して通知されたことを容易に把握することができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本第2実施形態に係る通知システムについて、
図5を参照して説明する。
本第2実施形態では、特定の対象が送り届けられる送届先に関連する情報を通知する点が、上記第1実施形態に係る通知システムと主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
本実施形態に係る通知システム10aでは、百貨店のように、複数箇所の迷子センターがある所定の管理範囲内にて提供される迷子通知サービスを想定しており、この迷子通知サービスでは、迷子の発見だけでなく、その発見された迷子が送り届けられる迷子センターの場所まで通知する。複数箇所の迷子センターがあるような所定の管理範囲内にて発見された迷子は、通常、発見した第三者かスタッフ等により、最寄りの迷子センターに送り届けられるため、迷子の発見場所を通知してもその情報が不要になる可能性があるからである。
【0055】
以下、百貨店にて提供される迷子通知サービスを例に、
図5を参照して説明する。
百貨店は、運営管理する百貨店サーバ60を備えており、この百貨店サーバ60は、通知管理サーバ20と同様に、CPU等を有し全体的制御を司る制御部21、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部22、操作に応じた情報を入力するための操作部23、通信インタフェースとして構成される通信部24などを備えている。特に、その記憶部22には、顧客名や顧客の通知先等の顧客に関する情報を顧客IDに関連付けて記憶した顧客データベースが設けられており、この顧客データベースを利用して百貨店が提供する迷子通知サービスに登録した利用者に関する情報も記憶される。なお、百貨店サーバ60の記憶部22は、「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0056】
具体的には、上記迷子通知サービスの提供を所望する百貨店の顧客(利用者)が当該サービスに登録する場合、百貨店サーバ60にて管理される迷子通知サービス用のサイトを利用して申請等することで(
図5のF2a参照)、迷子通知サービスに関してその顧客やその通知先を特定する固有の番号として通知IDが発行される。そして、このように発行された通知IDが百貨店サーバ60から通知管理サーバ20に送信される(
図5のF2b参照)。
【0057】
通知管理サーバ20では、百貨店サーバ60から受信した通知IDがサービス特定情報とともに情報コード管理サーバ30に送信される(
図5のF2c参照)。情報コード管理サーバ30では、通知管理サーバ20から受信した通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報を記録するように通知コード100が生成され、このように生成した通知コード100が通知管理サーバ20に送信される(
図5のF2d参照)。通知管理サーバ20では、情報コード管理サーバ30から受信した通知コード100が百貨店サーバ60に送信される(
図5のF2e参照)。
【0058】
百貨店サーバ60では、通知管理サーバ20から受信した通知コード100が登録完了情報等とともに利用者に対して送信されることで、発行処理が完了する(
図5のF2f参照)。すなわち、百貨店サーバ60は、通知管理サーバ20および情報コード管理サーバ30を利用することで通知コード100を発行する発行部として機能する。このとき、百貨店サーバ60では、発行した通知IDがその顧客の顧客IDに関連付けられるように顧客データベースに記憶される。
【0059】
利用者は、上記第1実施形態と同様に、受信した通知コード100を印刷等して迷子札として子供の首にかけるか子供の持ち物などに目立つようにつけるかして、通知コード100を撮像可能とする状態が維持されることで、迷子通知サービスを利用可能な状態となる。
【0060】
次に、通知コード100を身につけて迷子になった子供の情報が利用者に通知される場合について説明する。
迷子を見つけた第三者により、迷子が身につけている通知コード100が上記読取処理を実施している携帯端末40にて撮像されると、上記第1実施形態と同様に、通知コード100を構成するセルの配列データがコード情報としてGPS信号とともに通信部46により情報コード管理サーバ30に送信される(
図5のF2g参照)。
【0061】
情報コード管理サーバ30では、その制御部21により実施される読取処理により、携帯端末40から受信したコード情報(セルの配列データ等)に基づいて携帯端末40が撮像した通知コード100を解読(デコード)することで、通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報が取得される。そして、情報コード管理サーバ30は、取得した通知情報や受信したGPS信号、撮像時刻情報等を、サービス特定情報から特定される通知管理サーバ20に対して送信する(
図5のF2h参照)。通知管理サーバ20は、情報コード管理サーバ30から受信した通知情報(通知ID)やGPS信号等を、同じく受信したサービス特定情報から特定される百貨店サーバ60に対して送信する(
図5のF2i参照)。
【0062】
百貨店サーバ60では、通知管理サーバ20から上記通知情報等を受信することで、その通知IDにて登録した利用者の子供が迷子として見つかったことが認識される。このため、百貨店サーバ60では、複数箇所の迷子センターのうち受信したGPS信号から特定される迷子発見場所に最も近い迷子センターが推定され、この推定した迷子センターの場所が迷子の送届先として迷子発見情報とともに、通知情報に含まれる電話番号を宛先としたSMSを利用して直ちに利用者に通知される(
図5のF2j参照)。なお、百貨店サーバ60では、その推定された迷子センターにその通知コード100を身につけた子供が送り届けられたことを実際に確認した後に、迷子発見情報および送届先となる迷子センターの場所がSMSを利用して送信されてもよい。また、百貨店サーバ60は、受信したGPS信号(位置特定情報)に基づいて迷子(特定の対象)が送り届けられる送届先を推定する「推定手段」の一例に相当するとともに、子供に迷子およびその発見の事象(所定の事象)が生じたことを通知する「通知手段」の一例に相当し得る。
【0063】
利用者の携帯端末50では、百貨店サーバ60からの迷子発見情報および送届先と推定される迷子センターの場所がSMSを利用して受信される。これにより、その受信情報を見た利用者は、迷子になっていた子供が見つかったことだけでなく、その子供がどの迷子センターに送り届けられるかを直ちに把握することができる。
【0064】
その一方で、情報コード管理サーバ30では、通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報が解読されたことから、上記第1実施形態と同様に、コード情報等を送信した携帯端末40に対して、通知コード100の読取結果と異なる情報として、予め決められた所定の報知情報が送信される(
図5のF2k参照)。携帯端末40では、受信した所定の報知情報が通知コード100を撮像部42により撮像した結果として表示部43に表示されて報知されることで、携帯端末40を携帯する第三者は、迷子発見の通知がなされたことを把握する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態に係る通知システム10aでは、携帯端末40において、通知コード100が撮像されたときにGPS受信部47により特定されたGPS信号(位置特定情報)がコード情報とともに通信部46により情報コード管理サーバ30に送信される。そして、情報コード管理サーバ30にて、携帯端末40からコード情報およびGPS信号が受信されると、取得された通知情報に対応する所定の通知先に対して、百貨店サーバ60により、特定の対象に所定の事象が生じたことが通知されるとともに、受信したGPS信号に基づいて推定された送届先に関連する情報(迷子センターの場所)が通知される。
【0066】
これにより、所定の通知先に対して、特定の対象に所定の事象が生じたこと(迷子の子供が発見されたこと)が通知されるだけでなく、所定の事象が生じたために特定の対象が送り届けられる可能性が高い送届先に関連する情報(迷子センターの場所)が通知されるので、特定の対象の状態を早期に確認でき、所定の事象についてより詳細な情報を取得することができる。
【0067】
また、通知コード100に記録される通知情報には、所定の通知先に関する情報として当該所定の通知先を特定するための通知ID(固有の番号)が含まれ、百貨店サーバ60では、所定の通知先が通知IDに関連付けられてその記憶部22に記憶されている。そして、通知管理サーバ20から通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報が取得されると、百貨店サーバ60の記憶部22において当該通知情報に含まれる通知IDから特定される所定の通知先に対して、特定の対象に所定の事象が生じたことが百貨店サーバ60により通知される。
【0068】
これにより、仮に、通知コード100を解読できたとしても、通知IDしか取得できずに所定の通知先が不正に取得されることもないので、所定の通知先の秘匿性を向上させることができる。
【0069】
なお、本実施形態に係る通知システム10aを利用した通知サービスは、百貨店におけるサービスとして利用されることに限らず、テーマパーク等、複数箇所の迷子センターがある所定の管理範囲内にて提供されるサービスとして利用されてもよい。
【0070】
また、通知コード100には所定の通知先が記録されずに通知IDが記録されるので、携帯端末40は、通知コード100を構成するセルの配列データや通知コード100の画像データ等をコード情報として情報コード管理サーバ30に送信することに限らず、通知コード100を解読して得られた通知ID等の解読結果を情報コード管理サーバ30に送信するように構成されてもよい。
【0071】
[第3実施形態]
次に、本第3実施形態に係る通知システムについて、
図6を参照して説明する。
本第3実施形態では、交通事故に関する情報を通知する点が、上記第2実施形態に係る通知システムと主に異なる。したがって、第2実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
本実施形態に係る通知システム10bでは、保険会社等が提供する事故通知サービスであって、交通事故にあった利用者に代わって第三者が通知コード100を撮像することで、その利用者の家族等に交通事故の発生を通知するサービスを想定しており、この事故通知サービスでは、交通事故の発生だけでなく、その事故状況等の情報が家族等に通知される。
【0073】
以下、保険会社等にて提供される事故通知サービスを例に、
図6を参照して説明する。
保険会社等は、運営管理する保険サーバ70を備えており、この保険サーバ70は、通知管理サーバ20と同様に、CPU等を有し全体的制御を司る制御部21、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部22、操作に応じた情報を入力するための操作部23、通信インタフェースとして構成される通信部24などを備えている。特に、その記憶部22には、顧客名や顧客の通知先、契約車種等の顧客に関する情報を顧客IDに関連付けて記憶した顧客データベースが設けられており、この顧客データベースを利用して保険会社等が提供する事故通知サービスに登録した利用者に関する情報も記憶される。なお、保険サーバ70の記憶部22は、「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0074】
具体的には、上記事故通知サービスの提供を所望する利用者が当該サービスに登録する場合、保険サーバ70にて管理される事故通知サービス用のサイトを利用して申請等することで(
図6のF3a参照)、事故通知サービスに関してその顧客やその通知先を特定する固有の番号として通知IDが発行される。本実施形態では、登録される所定の通知先は、利用者が交通事故にあった時に連絡したい家族等の電話番号となる。そして、このように発行された通知IDが保険サーバ70から通知管理サーバ20に送信される(
図6のF3b参照)。
【0075】
通知管理サーバ20では、保険サーバ70から受信した通知IDがサービス特定情報とともに情報コード管理サーバ30に送信される(
図6のF3c参照)。情報コード管理サーバ30では、通知管理サーバ20から受信した通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報を記録するように通知コード100が生成され、このように生成した通知コード100が通知管理サーバ20に送信される(
図6のF3d参照)。通知管理サーバ20では、情報コード管理サーバ30から受信した通知コード100が保険サーバ70に送信される(
図6のF3e参照)。なお、本実施形態における通知コード100は、事故発生時の通報を促す文字情報Wが空き領域104内に表示されるように生成される。上記文字情報Wは、事故発生時の通報を促すため、例えば、
図6に例示するように、「事故発生時、通報下さい」として設定されてもよい。また、事故発生時の通報を促すデザインが空き領域104内に表示されるように通知コード100が生成されてもよい。
【0076】
保険サーバ70では、通知管理サーバ20から受信した通知コード100が登録完了情報等とともに利用者に対して送信されることで、発行処理が完了する(
図6のF3f参照)。すなわち、保険サーバ70は、通知管理サーバ20および情報コード管理サーバ30を利用することで通知コード100を発行する発行部として機能する。このとき、保険サーバ70では、発行した通知IDがその顧客の顧客IDに関連付けられるように顧客データベースに記憶される。
【0077】
利用者は、受信した通知コード100を印刷等して車室内の外から見える車体やヘルメット等に目立つように貼り付けて、通知コード100を撮像可能とする状態が維持されることで、事故通知サービスを利用可能な状態となる。
【0078】
次に、通知コード100をヘルメットに貼り付けた利用者が交通事故にあった情報が利用者の家族等に通知される場合について説明する。
交通事故を見つけた第三者により、交通事故にあった利用者のヘルメットに貼り付けられている通知コード100が上記読取処理を実施している携帯端末40にて撮像されると、上記第2実施形態と同様に、通知コード100を構成するセルの配列データがコード情報としてGPS信号とともに通信部46により情報コード管理サーバ30に送信される(
図6のF3g参照)。
【0079】
情報コード管理サーバ30では、その制御部21により実施される読取処理により、携帯端末40から受信したコード情報(セルの配列データ等)に基づいて携帯端末40が撮像した通知コード100を解読(デコード)することで、通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報が取得される。そして、情報コード管理サーバ30は、取得した通知情報や受信したGPS信号、撮像時刻情報等を、サービス特定情報から特定される通知管理サーバ20に対して送信する(
図6のF3h参照)。通知管理サーバ20は、情報コード管理サーバ30から受信した通知情報(通知ID)やGPS信号等を、同じく受信したサービス特定情報から特定される保険サーバ70に対して送信する(
図6のF3i参照)。
【0080】
保険サーバ70では、通知管理サーバ20から上記通知情報等を受信することで、その通知IDにて登録した利用者が交通事故にあったことが認識される。このため、保険サーバ70では、受信したGPS信号から特定される事故現場の位置情報やその通知ID(顧客ID)に関連付けられる契約車種等の情報をもとに救急隊や病院等に確認して得た利用者の状況、例えば、搬送された病院の情報等が、利用者の搬送先(送届先)として事故発生情報とともに、通知情報に含まれる電話番号を宛先としたSMSを利用して直ちに利用者の家族等に通知される(
図6のF3j参照)。なお、保険サーバ70は、利用者(特定の対象)が交通事故(所定の事象)にあったことを通知する「通知手段」の一例に相当し得る。
【0081】
利用者の家族等の携帯端末50では、保険サーバ70からの交通事故発生および搬送された病院の情報等がSMSを利用して受信される。これにより、その受信情報を見た利用者は、利用者が交通事故にあっていることだけでなく、病院の搬送先等を直ちに把握することができる。
【0082】
その一方で、情報コード管理サーバ30では、通知IDおよびサービス特定情報を含めた通知情報が解読されたことから、上記第2実施形態と同様に、コード情報等を送信した携帯端末40に対して、通知コード100の読取結果と異なる情報として、予め決められた所定の報知情報が送信される(
図6のF3k参照)。携帯端末40では、受信した所定の報知情報が通知コード100を撮像部42により撮像した結果として表示部43に表示されて報知されることで、携帯端末40を携帯する第三者は、交通事故発生の通知がなされたことを把握する。なお、上記所定の報知情報は、例えば、「○×保険会社へ通知しました。ご協力ありがとうございました」等の通知の完了を知らせる情報として設定される。
【0083】
このようにしても、上記各実施形態と同様に、特定の対象に所定の事象が生じたとき(利用者が交通事故にあったとき)に、このことを知り得た第三者が通知コード100を撮像することで、当該所定の事象の発生を所定の通知先に自動的に通知することができる。特に、通知を望む利用者は、特定の対象にて通知コード100を撮像可能にすればよく、所定の事象の発生を知り得た第三者は、通知コード100を撮像するだけなので、本通知システム10bの利用者が連絡先等を平時から公開する必要を無くすことができるだけでなく、通報者となる第三者についても個人情報を入力する必要を無くすことができる。
【0084】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)上記各実施形態において、通知手段によって通知される所定の通知先は、電話番号に限らず、例えば、メールアドレスであってもよい。また、所定の通知先は、1つ設定されることに限らず、例えば、電話番号およびメールアドレスの2つや、複数の電話番号のように複数設定されてもよい。
【0085】
(2)情報コード管理サーバ30は、登録されていない通知コード100や管理が終了している通知コード100を解読した場合には、コード情報等を送信し携帯端末40に対して、例えば、「この通知コードは未登録です。警察等へご連絡お願いします」などの情報を所定の報知情報として送信してもよい。
【0086】
(3)携帯端末40は、GPS受信部47を用いて取得したGPS信号に代えて、無線通信等を利用して当該携帯端末40の位置を特定する位置特定情報取得手段を用いて取得した位置特定情報を、情報コード管理サーバ30に送信するように構成されてもよい。
【0087】
(4)通知コード100は、空き領域104を有するように生成されることに限らず、情報コード管理サーバ30と異なる読取装置等では読み取れない仕様未公開の情報コードであればよく、その通知サービスに適した仕様・形状にて生成してもよい。
【0088】
(5)本発明は、迷子通知サービスや事故通知サービスに利用することに限らず、例えば、落し物通知時や救急救命時など、特定の対象に所定の事象が生じたときに当該所定の事象の発生を予め決められた所定の通知先に対して通知するサービスにも利用することができる。このようにしても、通知を望む利用者は、特定の対象にて通知用の情報コードを撮像可能にすればよく、所定の事象の発生を知り得た第三者は、通知用の情報コードを撮像するだけなので、本通知システムの利用者が連絡先等を平時から公開する必要を無くすことができるだけでなく、通報者となる第三者についても個人情報を入力する必要を無くすことができる。また、本発明は、特定の対象に所定の事象が生じたことを通知しその所定の事象が生じた場所を通知する必要がないサービスにも利用することができる。この場合、携帯端末40では、コード情報を情報コード管理サーバ30に送信する際に、GPS信号等の位置特定情報の送信が不要となる。