(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成例を示す図である。
画像形成装置1は、画像形成装置本体10と、画像形成装置本体10に用紙Pを供給する供給ユニット20とを備える。
【0009】
画像形成装置本体10は、画像形成の対象となる用紙Pを搬送するための用紙搬送路R0と、用紙搬送路R0に沿って用紙Pを搬送する搬送ロール11,12と、搬送ロール11,12によって搬送されてくる用紙Pに画像を形成する画像形成部13とを備える。
また、画像形成装置本体10には、上記搬送ロール11,12や画像形成部13の制御を行う制御部15が設けられている。
画像形成手段の一例としての画像形成部13は、電子写真方式を用いて、用紙Pへの画像形成を行う。なお、画像形成部13における画像形成は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式などの他の方式を用いてもよい。
【0010】
供給ユニット20は、用紙Pを送り出す第1給紙装置30、用紙Pを送り出す第2給紙装置40、手差しされた用紙Pを送り出す第3給紙装置50を備える。
また、供給ユニット20は、第1給紙装置30、第2給紙装置40、および第3給紙装置50から送り出された用紙Pを画像形成装置本体10に搬送する搬送装置60を備える。
さらに、供給ユニット20は、第1給紙装置30、第2給紙装置40、第3給紙装置50、搬送装置60を制御する制御部70を備える。
【0011】
第1給紙装置30、第2給紙装置40の各々は、装置本体部31と、装置本体部31に収容された用紙Pを順に送り出す給紙部32とを備える。
給紙部32は、積載された用紙Pのうちの最上位の用紙Pに接触し用紙Pを送り出すピックアップロール321と、ピックアップロール321により送り出された用紙Pを一枚ずつ分離して送り出すフィードロール322及びリタードロール323と、フィードロール322及びリタードロール323により送り出された用紙Pを搬送装置60に搬送する搬送ロール324とを備える。
【0012】
第3給紙装置50は、用紙Pを下方から支持する支持部51と、この支持部51に積載された用紙Pを順に供給する給紙部52とを備えている。
給紙部52は、上記と同様、最上位の用紙Pを送り出すピックアップロール521と、ピックアップロール521により送り出された用紙Pを一枚ずつ分離して送り出すフィードロール522及びリタードロール523と、フィードロール522及びリタードロール523により送り出された用紙Pを搬送装置60に搬送する搬送ロール524とを備える。
【0013】
搬送装置60は、第1給紙装置30からの用紙Pを画像形成装置本体10に向けて搬送するための第1搬送路R1と、第2給紙装置40からの用紙Pを画像形成装置本体10に向けて搬送するための第2搬送路R2と、第3給紙装置50からの用紙Pを画像形成装置本体10に向けて搬送するための第3搬送路R3とを備える。
また、第1搬送路R1〜第3搬送路R3を経由して搬送されてきた用紙Pを画像形成装置本体10における用紙搬送路R0へ搬送する第4搬送路R4を備える。
また、搬送装置60は、第1搬送路R1〜第4搬送路R4上に、複数の搬送ロール61を備える。
【0014】
例えば、第1給紙装置30に収容された用紙Pに画像を形成する場合は、まずピックアップロール321により用紙Pが取り出される。そして、取り出された用紙Pは、フィードロール322およびリタードロール323により一枚に捌かれる。そして、捌かれた用紙Pは、搬送ロール324によって搬送装置60における第1搬送路R1に送り込まれる。
次いで、用紙Pは、搬送ロール61によって、第1搬送路R1および第4搬送路R4に沿って搬送され、画像形成装置本体10の用紙搬送路R0へ送り込まれる。
【0015】
そして、用紙Pは、用紙搬送路R0に沿って搬送された後、画像形成部13へと送り込まれ、画像形成部13により、用紙Pへの画像形成がなされる。その後、画像形成がなされた用紙Pは、画像形成装置本体10の外部に設けられた排紙積載部(不図示)に積載される。
なお、画像形成部13では、帯電、露光、現像などのプロセスを経て、感光体ドラムや中間転写体等の像保持体にトナー像が形成される。そして、このトナー像は、転写装置により用紙Pに転写されるとともに、定着器により用紙Pに定着される。
【0016】
第1給紙装置30について詳細に説明する。なお、第2給紙装置40は、第1給紙装置と同様に構成されている。
図2は、第1給紙装置30の斜視図である。
第1給紙装置30は、用紙Pが積載される積載部材301を備える。この積載部材301は、板状に形成され、水平方向に沿って延びるように配置されている。さらに、積載部材301は、積載される用紙Pを下方から支持する用紙支持面301Aを有する。
【0017】
また、第1給紙装置30には、用紙支持面301Aに沿って移動可能に設けられ、用紙支持面301A上の用紙Pの側辺に突き当てられるサイドガイド302が設けられている。
突き当て部材の一例としてのこのサイドガイド302は、給紙方向と交差(直交)する方向に沿って移動可能に設けられ、用紙Pの側辺に突き当てられ、給紙方向と交差する方向における、用紙Pの位置を揃える。
また、図示は省略するが、第1給紙装置30には、用紙支持面301Aに沿って移動可能に設けられたエンドガイドが設けられている。エンドガイドは、給紙方向に沿って移動可能に設けられ、用紙Pの側辺(後端部)に突き当てられ、給紙方向における用紙Pの位置を揃える。
【0018】
さらに、本実施形態では、積載部材301が上下方向に移動可能に設けられている。また、積載部材301を上下方向に移動させる移動機構303が設けられている。
移動機構303は、積載部材301を吊り下げて支持するワイヤ303Aと、ワイヤ303Aを巻き取る巻き取り部材303Bと、巻き取り部材303Bを回転させるモータ(不図示)とから構成されている。
本実施形態では、巻き取り部材303Bの一方向への回転、他方向への回転により、積載部材301が上下動する。
【0019】
さらに、積載部材301の上方であって給紙方向における下流側には、給紙部32が設けられている。給紙部32の内部には、ピックアップロール321が設けられている。
さらに、図示は省略するが、給紙部32の内部には、フィードロール322(
図1参照)、リタードロール323、搬送ロール324が設けられている。
【0020】
本実施形態では、ピックアップロール321が上下動可能に設置されている。
また、ピックアップロール321は、用紙Pが押し当てられていないときには、自重で、下方側へ移動している。
さらに、本実施形態では、ピックアップロール321の上方への移動を検知する検知センサS1(
図1参照)が設けられている。
【0021】
本実施形態では、移動機構303によって積載部材301が上方へ移動すると、積載部材301上の用紙Pも上方へ移動し、ピックアップロール321に対してこの用紙Pが押し当てられる。この押し当てにより、ピックアップロール321が上方へ変位し、予め定められた箇所にピックアップロール321が達すると、検知センサS1によりピックアップロール321が検知される。
【0022】
そして、本実施形態では、検知センサS1によりピックアップロール321が検知されると、移動機構303が停止する。これにより、本実施形態では、積載部材301上の用紙Pの量(用紙束の厚み)に関わらず、用紙束の上面が、ピックアップロール321に押し当てられる。
ここで、ピックアップロール321および検知センサS1は、上方へ移動する用紙P(用紙束)を検知する検知部として捉えることができる。
【0023】
また、本実施形態では、
図2に示すように、第1給紙装置30には、フロント側に、フロントカバー333が設けられている。このフロントカバー333には、ユーザ(操作者)による把持が行われる把持部333Aが設けられている。
本実施形態では、この把持部333Aがユーザにより把持され、図中右手前方向に向けてフロントカバー333が引っ張られることで、積載部材301等が露出する。これにより、積載部材301上への用紙Pの補充を行える。
なお、本実施形態では、積載部材301の全体が上下動する場合を一例に説明するが、給紙方向における下流側の端部のみ(ピックアップロール321が設置されている側の端部のみ)を上下動させる構成としてもよい。
【0024】
図3は、第1給紙装置30を上方から眺めた場合の図である。なお、この
図3では、給紙部32の図示を省略している。
第1給紙装置30には、給紙方向に沿う第1側壁341、同じく給紙方向に沿いこの第1側壁341の対向位置に配置される第2側壁342、給紙方向と直交する方向に沿い給紙方向における下流側に位置する下流側側壁343が設けられている。
さらに、サイドガイド302と第2側壁342との間には、用紙Pの側辺が突き当てられ用紙Pの揃えを行う揃え用側壁344が設けられている。
【0025】
本実施形態では、用紙Pは、サイドガイド302と揃え用側壁344との間に収容される。なお、揃え用側壁344は、着脱可能に設けられており、用紙Pのサイズ等によっては、第1給紙装置30から取り外される。
揃え用側壁344が取り外されている場合、用紙Pの側辺は、第2側壁342に突き当てられる。
【0026】
さらに、本実施形態では、積載部材301の用紙支持面301Aに、用紙支持面301Aの上方と下方とを通じさせる開口301Bが形成されている。
本実施形態では、サイドガイド302の根元の部分は、用紙支持面301Aよりも下方に位置しており、サイドガイド302は、この開口301Bを通じて上方に向かって突出する。開口301Bの下方には、サイドガイド302の案内を行う案内部材301Cが設けられている。
【0027】
さらに、本実施形態では、開口301Bを開閉可能に塞ぐ塞ぎ部材308(後述)が設けられている。この塞ぎ部材308は、サイドガイド302の図中矢印3Aに示す方向への移動に伴い現れて開口301Bを塞ぐ。
また、第1給紙装置30には、用紙支持面301A上に設置され、用紙支持面301A上の用紙Pの一部を持ち上げこの一部を上方へ変位させる第1変位部材410が設けられている。さらに、用紙支持面301A上に設置され、用紙支持面301A上の用紙Pの他の一部を上方へ変位させる第2変位部材420が設けられている。
【0028】
第1変位部材410は、サイドガイド302に沿うように設けられている。言い換えると、第1変位部材410は、給紙方向に沿うように設けられている。また、第1変位部材410は、サイドガイド302に突き当てられて位置決めされている。また、第1変位部材410は、サイドガイド302の隣に配置されている。さらに、第1変位部材410は、サイドガイド302と第2側壁342との間に配置されている。
【0029】
第2変位部材420は、下流側側壁343に沿うように設けられている。言い換えると、第2変位部材420は、給紙方向と直交する方向に沿うように設けられている。また、第2変位部材420は、下流側側壁343の隣に配置されている。さらに、第2変位部材420は、下流側側壁343および第2側壁342の両者に突き当てられている。
なお、本実施形態では、第1変位部材410と第2変位部材420との間に間隙が設けられた状態で、第1変位部材410および第2変位部材420の両者は設置されている。
【0030】
また、本実施形態では、第1変位部材410は、一方向(給紙方向)に沿って延びるように配置され、第2変位部材420は、この一方向と交差(直交)する方向に延びるように配置され、これにより、第1変位部材410および第2変位部材420は、L字状に配置されている。
これにより、本実施形態では、ユーザは、第1変位部材410および第2変位部材420の設置位置を把握しやすくなり、第1変位部材410および第2変位部材420の設置誤りが減る。具体的には、本実施形態では、第1変位部材410および第2変位部材420は、着脱可能となっており、第1変位部材410、第2変位部材420の装着誤りが起きにくくなる。
【0031】
また、図示は省略するが、用紙支持面301Aには、第1変位部材410、第2変位部材420の設置位置を示すためのラベルが貼付されている。さらに、用紙支持面301Aのうちの、第1変位部材410、第2変位部材420の設置箇所には、第1変位部材410、第2変位部材420の設置箇所を取り囲む線(第1変位部材410、第2変位部材420の輪郭形状を示す線(ケガキ線))が形成されている。これにより、ユーザは、第1変位部材410、第2変位部材420の設置箇所をより明確に把握しうる。
【0032】
図4は、第1変位部材410を表面側から眺めた場合の斜視図である。
図5は、第1変位部材410を裏面側から眺めた場合の斜視図である。
図4に示すように、第1変位部材410には、給紙方向(サイドガイド302)に沿って配置される直方体状の基体411が設けられている。さらに、この基体411の一端部および他端部の各々には、突出部412が設けられている。各突出部412は、基体411が延びる方向と直交する方向に向かって突出する。
本実施形態では、
図3に示すように、第1給紙装置30に対して第1変位部材410が設置されると、第1変位部材410が有する2つの上記突出部412の間にサイドガイド302が位置する。
【0033】
また、
図4に示すように、基体411の側壁411A(基体411の長手方向に沿った側壁411A)の下部には、切り欠き411Bが形成されている。本実施形態では、この切り欠き411Bを通じて、基体411の内部側に、ユーザの指が入れられる。
本実施形態では、第1給紙装置30から第1変位部材410が取り外される際、この切り欠き411Bを通じて、基体411の内部に、ユーザの指が入れられる。そして、基体411の底面に指が掛けられて、第1変位部材410が取り外される。
本実施形態では、基体411の底面が指掛け部となっており、この指掛け部が設けられることで、第1給紙装置30からの第1変位部材410の取り外しを行いやすくなる。
【0034】
また、
図5に示すように、第1変位部材410の底面には、磁石414が取り付けられている。具体的には、第1変位部材410が有する2つの突出部412の裏側に、磁石414が取り付けられている。本実施形態では、この磁石414によって(磁力によって)、
図3に示したように、用紙支持面301Aに対して第1変位部材410が固定される。
【0035】
ここで、本実施形態では、
図3に示すように、第1変位部材410は、用紙支持面301Aのうちの開口301Bの周囲に位置する部分に対して固定される。用紙支持面301Aのうちの開口301Bの周囲に位置する部分は、金属により形成されており、本実施形態では、この金属の部分に対し、磁力によって、第1変位部材410が固定される。
なお、本実施形態では、第1変位部材410に磁石414を設けたが、用紙支持面301Aに磁石を設けてもよい。また、第1変位部材410、用紙支持面301Aの両者に磁石を設けてもよい。
【0036】
図6は、第2変位部材420を表面側から眺めた場合の斜視図である。
図7は、第2変位部材420を裏面側から眺めた場合の斜視図である。
図6に示すように、第2変位部材420は、平板状且つ矩形状の基部421を備える。さらに、この基部421の上面から上方に向かって突出した突出部422を備える。
【0037】
また、
図7に示すように、第2変位部材420の側壁420Aにも切り欠き420Bが形成され、この切り欠き420Bを通じて、第2変位部材420の内部側に、ユーザの指が入れられる。
本実施形態では、第1給紙装置30から第2変位部材420が取り外される際、この切り欠き420Bを通じて、第2変位部材420の内部に、ユーザの指が入れられる。そして、第2変位部材420(の上面の裏側の部分)に指が掛けられ、第2変位部材420の取り外しが行われる。
本実施形態では、第2変位部材420の上面の裏側の部分が指掛け部となっており、この指掛け部があることで、第1給紙装置30からの第2変位部材420の取り外しが行いやすくなる。
【0038】
さらに、
図7に示すように、第2変位部材420の底面には、磁石424が取り付けられている。具体的には、第2変位部材420のうちの、突出部422が設けられている端部とは反対側の端部に、磁石424が取り付けられている。
本実施形態では、この磁石424によって(磁力によって)、
図3に示したように、用紙支持面301Aに対して第2変位部材420が固定される。用紙支持面301Aは金属により形成され、本実施形態では、用紙支持面301Aに対し、磁力によって、第2変位部材420が固定される。
なお、上記と同様、本実施形態では、第2変位部材420に磁石424を設けたが、用紙支持面301Aに磁石を設けてもよい。また、第2変位部材420、用紙支持面301Aの両者に磁石を設けてもよい。
【0039】
ここで、本実施形態では、第1変位部材410のうちの磁石414(
図5参照)が設けられている部分が、被固定部となっており、この被固定部が、用紙支持面301Aに対して固定される。また、第2変位部材420のうちの磁石424(
図7参照)が設けられている部分が、被固定部となっており、この被固定部が、用紙支持面301Aに対して固定される。
さらに、本実施形態では、第1変位部材410、第2変位部材420の上面が支持部として機能し、第1変位部材410、第2変位部材420は、この上面で、用紙Pを下方から支持する(詳細は後述)。
【0040】
図8(A)、(B)は、
図3の矢印VIII方向から第1変位部材410、第2変位部材420を眺めた場合の図である。
本実施形態では、
図8(A)に示すように、第2変位部材420の突出部422の上面422Aの方が、第1変位部材410の上面410Eよりも上方に位置している。
言い換えると、本実施形態では、第2変位部材420の突出部422の上面422A、および、第1変位部材410の上面410Eが、用紙Pを下方から支持する用紙支持部分となるが、第2変位部材420の用紙支持部分の方が、第1変位部材410の用紙支持部分よりも上方に位置する。
【0041】
なお、本実施形態では、このように、第2変位部材420の用紙支持部分の方を、第1変位部材410の用紙支持部分よりも上方に位置させたが、
図8(B)に示すように、第2変位部材420の用紙支持部分(突出部422の上面422A)の高さ方向における位置と、第1変位部材410の用紙支持部分(上面410E)の高さ方向における位置とを一致させてもよい(揃えてもよい)。
【0042】
図9は、サイドガイド302を第1側壁341側に移動させた状態の第1給紙装置30を示した図である。なお、
図9では、第1給紙装置30を上方から眺めた場合の状態を示している。
本実施形態では、サイドガイド302を第1側壁341側に移動させると、
図9に示すように、塞ぎ部材308が現れ、用紙支持面301Aに形成された開口301Bが塞がれる。
【0043】
図3に示すように、サイドガイド302が第2側壁342側に位置する状態では、塞ぎ部材308は、用紙支持面301Aの下方に退避している。
一方、
図9に示すように、サイドガイド302が第1側壁341側に移動すると、サイドガイド302により塞ぎ部材308が引っ張られて塞ぎ部材308が現れ、開口301Bが塞がれる。
【0044】
ここで、本実施形態では、第1変位部材410は、
図9の符号9Aで示す部位に対して固定される。言い換えると、第1変位部材410は、用紙支持面301Aのうちの、開口301Bの周囲に位置する部位に対して固定される。本実施形態では、符号9Aで示す箇所が、第1変位部材410の被取り付け部(第1の被取り付け部)となっており、この被取り付け部に、第1変位部材410が固定される。
付言すると、本実施形態では、サイドガイド302の位置や用紙Pのサイズに応じて、第1変位部材410の設置位置が変更されることもあり、本実施形態では、符号9Aで示す箇所の何れかに第1変位部材410が固定される。
【0045】
本実施形態では、このように、第1変位部材410は開口301Bの周囲に位置する部位に対して固定される。これにより、第1給紙装置30に対する第1変位部材410の固定が安定的になされる。
ここで、例えば、第1変位部材410を塞ぎ部材308に対して固定する構造であると、サイドガイド302を移動させた際に、第1変位部材410の位置ずれが起きやすくなる。
【0046】
また、本実施形態では、
図9にて符号9Bで示す部分が、第2変位部材420が取り付けられる被取り付け部(第2の被取り付け部)となっており、本実施形態では、この符号9Bで示す被取り付け部に、第2変位部材420が固定される。
第2変位部材420が取り付けられるこの被取り付け部は、検知部として機能するピックアップロール321(
図2参照)、検知センサS1(
図1参照)の直下に位置する。
【0047】
図10は、
図2の矢印X方向から第1給紙装置30を眺めた場合の図である。なお、この
図10では、用紙Pの一例としての封筒が、第1給紙装置30に積載された状態を示している。また、
図10では、第1側壁341等の図示を省略している。
また、
図11は、第1給紙装置30に積載される封筒の構造を示した図である。
【0048】
図11に示すように、一般的に、封筒には、開口を塞ぐフラップFが設けられ、封筒の厚みは部分的に異なるようになる。
このような封筒を第1給紙装置30に積載すると、
図10に示すように、封筒束の厚みが封筒束の部位によって異なるようになる。この例では、封筒束のうちの図中右側の部位が厚く、逆に、封筒束の図中左側の部位が薄くなる。そして、この場合、封筒束の上面が傾斜する。
【0049】
封筒束の上面が傾斜すると、ピックアップロール321が封筒束に対して片当たりしやすくなり、封筒が真っ直ぐに送り出されにくくなる。
言い換えると、封筒束の上面が傾斜すると、ピックアップロール321の軸方向における一端と封筒との接触圧と、ピックアップロール321の軸方向における他端と封筒との接触圧とが異なるようになり、本来の給紙方向とは異なる方向へ封筒が送り出されやすくなる。
【0050】
図12は、第1変位部材410を設置した状態の第1給紙装置30を示した図である。
図12に示す状態では、第1変位部材410が設けられる結果、封筒束のうちの厚さが小さい部分が上方に持ち上げられ、この厚さが小さい部分が上方に変位する。
これにより、
図12に示すように、封筒束の上面は水平に近くなり、ピックアップロール321による封筒の送り出しが安定的になされるようになる。
【0051】
ここで、封筒束の厚みが大きい場合(封筒束を構成する封筒の枚数が多い場合)には、第1変位部材410を設置することで、上記のように、封筒束の上面を水平に近づけられる。
これに対し、封筒束の厚みが小さい場合(枚数が少ない場合)には、第1変位部材410が設置されていると、
図13(封筒が少ない場合の第1給紙装置30の状態を示した図)に示すように、封筒束の上面が傾斜してしまう。
【0052】
かかる場合、ピックアップロール321による封筒の送り出しが不安定となる。
また、この場合、
図13にて符号13Aで示す部分がピックアップロール321に突き当たり、この部分(以下、「被検知部分」)が検知センサS1(
図1参照)により検知されるが、
図13に示すように、封筒束が傾斜すると、封筒束の他の一部(符号13Bで示す部分)が被検知部分よりも上方に位置する。
かかる場合、被検知部分が検知センサS1により検知される前に、この上方に位置する部分(符号13Bで示す部分)が、第1給紙装置30の天井などに接触し、第1給紙装置30の損傷や用紙Pの損傷などを招くおそれがある。
【0053】
これに対し、本実施形態の構成では、
図14(第1変位部材410、第2変位部材420を設置した状態の第1給紙装置30を示した図)に示すように、検知部の一部として機能するピックアップロール321の直下に、第2変位部材420が設置され、封筒束の検被知部分(符号14Aで示す部分)が上方に変位する。
これにより、被検知部分が検知センサS1により検知される前に、被検知部分以外の他の部分が第1給紙装置30の天井などに接触することが抑制され、第1給紙装置30の損傷や用紙Pの損傷などが抑えられる。
【0054】
なお、本実施形態の第1変位部材410、第2変位部材420は、第1給紙装置30に対して着脱可能となっており、普通紙の搬送を行う場合には、ユーザによって第1給紙装置30から取り外される。
普通紙の場合、用紙Pの厚みはほぼ一定であり、第1変位部材410、第2変位部材420を設置したままだと、逆に用紙束の上面が傾斜してしまう。このため、普通紙などの給紙を行う場合は、第1給紙装置30から第1変位部材410、第2変位部材420が取り外される。
【0055】
また、第1変位部材410、第2変位部材420の位置を変更する際には、用紙支持面301A(
図3参照)に沿って第1変位部材410、第2変位部材420を移動させ、あるいは、用紙支持面301Aから第1変位部材410、第2変位部材420を一旦外したうえで、用紙支持面301Aに対して第1変位部材410、第2変位部材420を再び設置する。
【0056】
ここで、用紙支持面301Aへの第1変位部材410、第2変位部材420への固定は、ねじなどの締結部材を用いて行ってもよいが、この場合、第1変位部材410、第2変位部材420を移動させる際に手間を要する。
これに対し、本実施形態では、磁力を用いて第1変位部材410、第2変位部材420の固定を行っており、第1変位部材410、第2変位部材420の移動をより簡易に行える。
【0057】
付言すると、封筒のサイズによっては、サイドガイド302、第1変位部材410を移動させる必要が生じ、この場合に、締結部材が用いられて第1変位部材410が固定されていると、締結を解除する必要が生じて手間を要する。
これに対し、本実施形態のように、磁力を用いて第1変位部材410、第2変位部材420の固定を行っていると、締結の解除が不要となり、第1変位部材410、第2変位部材420の移動をより簡易に行える。
【0058】
図15(A)、(B)は、第1給紙装置30の他の構成例を示した図である。なお、
図15では、サイドガイド302、第1変位部材410のみを図示している。また、
図15は、サイドガイド302、第1変位部材410を上方から眺めた場合の状態を示している。
図15(A)に示すように、この構成例では、サイドガイド302に対して第1変位部材410が固定され、サイドガイド302に連動して第1変位部材410が移動する。
具体的には、サイドガイド302は、図中上下方向に移動するが、この上下方向への移動に連動して、第1変位部材410も上下方向に移動する。
【0059】
これにより、サイドガイド302をスライド移動させることで、第1変位部材410も移動するようになり、第1変位部材410を直接操作して第1変位部材410を移動させる場合に比べ、第1変位部材410の移動を行いやすくなる。
また、この構成例では、サイドガイド302に対して第1変位部材410が固定され、第1変位部材410の位置ずれも起きにくくなる。
【0060】
図15(A)に示すように、第1変位部材410には、第1変位部材410の両端に設けられた突出部412のそれぞれに、被固定部419が設けられており、この被固定部419が、サイドガイド302(の長手方向の両端部)に対して固定される。
また、本実施形態では、符号15Aで示す部分(第1変位部材410の上面)が、支持部として機能し、この支持部で、用紙Pを下方から支持する(用紙Pを下方から持ち上げる)。
【0061】
図15(A)に示すように、被固定部419は、弾性片419Aとこの弾性片419Aの側面から突出した突出部419Bとを備え、本実施形態では、突出部419Bがサイドガイド302の裏面に引っ掛かることで、サイドガイド302に対し第1変位部材410が固定される。なお、サイドガイド302からの第1変位部材410の取り外しは、
図15(B)に示すように、サイドガイド302から離れる方向に第1変位部材410を引っ張ることで行う。
【0062】
図16は、第1給紙装置30の他の構成例を示した図であって、
図3の矢印XVI方向からサイドガイド302および第1変位部材410を眺めた場合の図である。
この構成例においても、第1変位部材410の両端に設けられた突出部412のそれぞれに、被固定部419が設けられており、この被固定部419が、サイドガイド302(の長手方向の両端部)に対して固定される。
【0063】
ここで、サイドガイド302の長手方向における両端部には、サイドガイド302の側壁302Eから突出した突出部302Fが設けられている。一方で、第1変位部材410の被固定部419には、図中下端部が開放された溝419Eが形成されている。
本実施形態では、この溝419Eに対して突出部302Fが入れられることで、サイドガイド302への第1変位部材410の固定が行われる。
この構成例でも、上記と同様、サイドガイド302に連動して第1変位部材410が移動する。
なお、サイドガイド302からの第1変位部材410の取り外しは、図中上方へ第1変位部材410を移動させることで行う。
【0064】
ここで、
図15、16にて示した被固定部419は、磁石414を有した第1変位部材410(
図5参照)に対して追加で設けるようにしてもよい。言い換えると、第1変位部材410には、被固定部419および磁石414の両者を設置してもよい。
また、第1変位部材410では、磁石414に換えて、被固定部419のみを設けるようしてもよい。
【0065】
図17は、第1給紙装置30の他の構成例である。なお、
図17は、第1給紙装置30の上面図である。
この構成例では、第1変位部材410と第2変位部材420との間に、弾性部材の一例としてのばね500が設けられ、このばね500によって、サイドガイド302に対して第1変位部材410が押し当てられ、第2側壁342に対して第2変位部材420が押し当てられている。これにより、予め定められた位置に、第1変位部材410、第2変位部材420が配置されるようになる。また、この構成例では、第1変位部材410、第2変位部材420の位置ずれが起きにくくなる。
【0066】
ここで、第1変位部材410、第2変位部材420は、ユーザによって第1給紙装置30に設置されるが、設置誤り等によって、第1変位部材410、第2変位部材420が本来の位置からずれた状態で設置されることが起こりうる。
本実施形態のようにばね500を設け、第1変位部材410、第2変位部材420を予め定められた箇所に突き当てると、予め定められた設置位置に、第1変位部材410、第2変位部材420が設置される可能性が高まる。
【0067】
なお、ばね500は、第1変位部材410、第2変位部材420に磁石が設けられた構成例(
図4〜7にて示した構成例)において、第1変位部材410と第2変位部材420との間に設置してもよいし、第1変位部材410に被固定部419が設けられた構成例(
図15、16にて示した構成例)において、第1変位部材410と第2変位部材420との間に設置してもよい。
【0068】
図18は、第1変位部材410の他の構成例を示した図である。なお、
図18は、第1変位部材410等を上方から眺めた場合の状態を示している。
この構成例では、第1変位部材410の底面(下面、用紙支持面301Aに接触する部分)に、複数本のリブ418を形成している。より具体的には、サイドガイド302の移動方向に沿って延びるリブ418を形成している。
【0069】
本実施形態では、第1変位部材410の移動の際に、第1変位部材410をスライド移動させることがある。この場合に、第1変位部材410の底面にリブ418が形成されていると、用紙支持面301Aと第1変位部材410との間の摺動抵抗が減り、第1変位部材410を移動しやすくなる。
【0070】
なお、上記のばね500の場合と同様、リブ418は、第1変位部材410、第2変位部材420に磁石が設けられた構成例(
図4〜7にて示した構成例)において、第1変位部材410に設けてもよい。また、第1変位部材410に被固定部419が設けられた構成例(
図15、16にて示した構成例)において、第1変位部材410にリブ418を設けてもよい。