特許第6747168号(P6747168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6747168印刷ジョブスケジューリング装置及び印刷ジョブスケジューリングプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747168
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】印刷ジョブスケジューリング装置及び印刷ジョブスケジューリングプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20200817BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20200817BHJP
   G06F 9/48 20060101ALI20200817BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
   B41J29/38 201
   G06F11/34 152
   G06F9/48 300F
   B65G61/00 544
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-162016(P2016-162016)
(22)【出願日】2016年8月22日
(65)【公開番号】特開2018-30253(P2018-30253A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【弁理士】
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】澤田 尚大
【審査官】 大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−206304(JP,A)
【文献】 特開2013−211007(JP,A)
【文献】 特開2001−312393(JP,A)
【文献】 特開2003−256512(JP,A)
【文献】 特開2000−348296(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0195141(US,A1)
【文献】 特開2014−186389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B65G 61/00
G06F 9/48
G06F 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、
前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、
印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、
前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、
前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、
前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける気象予報情報を取得する、取得手段と、
を有し、
前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、
前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの気象予報情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、
前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの気象予報情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの気象予報情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、
印刷ジョブスケジューリング装置。
【請求項2】
印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、
前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、
印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、
前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、
前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、
前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける渋滞予想情報を取得する、取得手段と、
を有し、
前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、
前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの渋滞予想情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、
前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの渋滞予想情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの渋滞予想情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、
印刷ジョブスケジューリング装置。
【請求項3】
コンピュータを、
印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、
前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、
印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、
前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、
前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、
前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける気象予報情報を取得する、取得手段
として機能させ、
前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、
前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの気象予報情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、
前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの気象予報情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの気象予報情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、
印刷ジョブスケジューリングプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、
前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、
印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、
前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、
前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、
前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける渋滞予想情報を取得する、取得手段
として機能させ、
前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、
前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの渋滞予想情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、
前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの渋滞予想情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの渋滞予想情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、
印刷ジョブスケジューリングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブスケジューリング装置及び印刷ジョブスケジューリングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ジョブの自動監視を通じてその後の重要ジョブの遅延を予測することで、システム全体についての監視運用の厳正化及び効率化をリアルタイムに実現できるジョブ進捗監視システムを提供することを課題とし、ジョブ進捗監視システムでは、監視スケジュールの設定処理において、重要ジョブの基本情報に基づいて先に設定した同一曜日,同一日付又は前日のスケジュールを援用し、このため、オペレータが全ての日程についての監視スケジュールを逐一入力する必要がなくなり、その設定に際して各重要ジョブの基本情報を入力するだけで、自動的に監視スケジュールの全体が作成され、また、実際に実行された重要ジョブの履歴情報を用いて自動的に監視スケジュールの更新が行われ、さらに、重要ジョブの履歴情報を当日の監視スケジュールにも反映させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−005205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷ジョブの重要度に応じて自動で出力までの工程や時間を予測し、ジョブスケジュールを管理する従来技術がある。しかし、配達工程において発生する遅延リスクを考慮した上で印刷ジョブをスケジューリングすることはなされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
請求項1の発明は、印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける気象予報情報を取得する、取得手段と、を有し、前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの気象予報情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの気象予報情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの気象予報情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、印刷ジョブスケジューリング装置である。
【0006】
請求項2の発明は、印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける渋滞予想情報を取得する、取得手段と、を有し、前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの渋滞予想情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの渋滞予想情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの渋滞予想情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、印刷ジョブスケジューリング装置である。
【0007】
請求項3の発明は、コンピュータを、印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける気象予報情報を取得する、取得手段として機能させ、前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの気象予報情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの気象予報情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの気象予報情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、印刷ジョブスケジューリングプログラムである。
【0008】
請求項4の発明は、コンピュータを、印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、該配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する、リスクジョブ抽出手段と、前記リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする、ジョブスケジューリング手段と、印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける、印刷ジョブ受付手段と、前記複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する、配達ルート特定手段と、前記配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する、配達遅延リスク取得手段と、前記配達ルート上の複数の配達エリアにおける渋滞予想情報を取得する、取得手段として機能させ、前記リスクジョブ抽出手段は、前記配達遅延リスクに基づき、前記配達予定日時までに前記印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出し、前記ジョブスケジューリング手段は、配達予定日に前記印刷物を配達する場合に、当該印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの渋滞予想情報に基づき、印刷ジョブをスケジューリングするものであり、前記ジョブスケジューリング手段はさらに、前記複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの渋滞予想情報が前記印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、当該影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの渋滞予想情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、前記影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、当該影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジューリングするものである、印刷ジョブスケジューリングプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の印刷ジョブスケジューリング装置によれば、配達工程において発生する遅延リスクを考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。また、印刷物の配達エリアにおける気象予報情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。そして、配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアにおける気象予報情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。
【0015】
請求項2の印刷ジョブスケジューリング装置によれば、配達工程において発生する遅延リスクを考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。また、印刷物の配達エリアにおける渋滞予想情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。そして、配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアにおける渋滞予想情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。
【0016】
請求項3の印刷ジョブスケジューリングプログラムによれば、配達工程において発生する遅延リスクを考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。また、印刷物の配達エリアにおける気象予報情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。そして、配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアにおける気象予報情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。
【0017】
請求項4の印刷ジョブスケジューリングプログラムによれば、配達工程において発生する遅延リスクを考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。また、印刷物の配達エリアにおける渋滞予想情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。そして、配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアにおける渋滞予想情報を考慮した上で印刷をスケジューリングすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図3】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
図5】配達業者による配達例を示す説明図である。
図6】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図7】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図8】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図9】気象予報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図10】渋滞予想テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図11】気象遅延リスク認定条件テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図12】渋滞遅延リスク認定条件テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図13】遅延フラグテーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図14】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図15】遅延フラグテーブルのデータ構造例を示す説明図である。
図16】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図17】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、一つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判定し、Aであると判定した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判定が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、一つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0025】
本実施の形態である画像処理装置100は、印刷ジョブにしたがった印刷を行うものであって、図1の例に示すように、印刷ジョブ処理装置102、印刷モジュール155を有している。
印刷ジョブ処理装置102は、印刷ジョブのスケジューリング(リスケジューリングを含む)を行う。印刷ジョブ(以下、単にジョブともいう)とは、印刷物を印刷するための印刷指示をいう。そして、リスクジョブとは、配達予定日時(希望納期)までに印刷物を配達できない可能性(以下、配達遅延リスクともいう)がある印刷ジョブをいう。配達予定日時の指定は、日時(年、月、日、時、分等、又はこれらの組み合わせであってもよい)による指定であってもよいし、日(翌日、翌々日等)と午前又は午後の組み合わせ等であってもよい。
【0026】
印刷ジョブ処理装置102は、ジョブ受付モジュール105、ジョブスケジューリングモジュール110、ジョブ情報取得モジュール120、ジョブ処理時間見積もりモジュール125、外部情報取得モジュール130を有しており、印刷モジュール155と接続されている。
ジョブ受付モジュール105は、ユーザー端末195と接続されている。接続されているユーザー端末195は複数あってもよい。ジョブ受付モジュール105は、印刷物を印刷するための印刷ジョブを複数受け付ける。ユーザー端末195から複数の印刷ジョブを受け付けるようにしてもよいし、複数のユーザー端末195から印刷ジョブを受け付けるようにしてもよい。
【0027】
ジョブスケジューリングモジュール110は、ジョブ割り込み判定モジュール115を有している。ジョブスケジューリングモジュール110は、ジョブ割り込み判定モジュール115を用いて、以下の処理を行う。
ジョブスケジューリングモジュール110は、印刷ジョブの出力のスケジュールを基本的にFIFO(First In FirstOut、先入れ先出し)処理で作成する。つまり、印刷ジョブの遅延リスクがない場合はジョブをFIFOで処理するようにし、遅延リスクがある場合はその遅延リスクがある印刷ジョブを割り込みませたスケジュールを生成する。
ジョブスケジューリングモジュール110は、新たに受け付けた印刷ジョブは、リスクジョブ(遅延リスクのある印刷ジョブ)であるか否かの判定をする。
ジョブスケジューリングモジュール110は、リスクジョブの割り込みを行う。つまり、FIFO処置で作成されたスケジュールにリスクジョブを差し込む(スケジューリングする)。差し込む先は、本来の位置(FIFOの最後)ではなく、より前方の位置である。これによって、配達遅延リスクのある印刷ジョブを先に出力することができるようになる。
【0028】
ジョブ割り込み判定モジュール115は、ジョブ処理時間見積もりモジュール125、外部情報取得モジュール130と接続されている。ジョブ割り込み判定モジュール115は、ジョブ配達情報算出モジュール135によって算出された配達ルート上での配達予定日時までの配達遅延リスクを取得する。つまり、配送後(印刷物を配送依頼してから顧客に到着するまで)の印刷ジョブの遅延リスクを判定するものである。具体的には、配達遅延リスクを、外部情報取得モジュール130から取得した情報を用いて判定する。
そして、ジョブ割り込み判定モジュール115は、印刷ジョブにしたがって印刷される印刷物の配達予定日時までの配達遅延リスクに基づき、その配達予定日時までに印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出する。
そして、ジョブ割り込み判定モジュール115は、リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングする。
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、配達遅延リスクに基づき、配達予定日時までに印刷物を配達できない可能性があるリスクジョブを抽出するようにしてもよい。
【0029】
そして、ジョブ割り込み判定モジュール115は、配達予定日に印刷物を配達する場合に、その印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの気象予報情報に基づき、印刷ジョブをスケジュールするようにしてもよい。
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、さらに、複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの気象予報情報が印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、その影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの気象予報情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、その影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジュールするようにしてもよい。
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、配達エリアにおいて大雨、大雪、暴風(強風を含めてもよい)又は台風が予想される場合に、その配達エリアが影響を受けると特定するようにしてもよい。
【0030】
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、配達予定日に印刷物を配達する場合に、その印刷物が配達エリアを通過すると予想される予想時間におけるそれぞれの配達エリアの渋滞予想情報に基づき、印刷ジョブをスケジュールするようにしてもよい。
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、さらに、複数の配達エリアのうち少なくとも一つの配達エリアの渋滞予想情報が印刷物の輸送手段に影響を与える場合に、その影響を受ける配達エリアの前又は後に通過する他の配達エリアの渋滞予想情報から当該他の配達エリアも影響を受けるか否かを特定し、影響を受けると特定された複数の配達エリアのそれぞれの予想通過時間よりも前に、その影響を受けると予想された複数の配達エリアを通過するように、印刷ジョブをスケジュールするようにしてもよい。
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、前記配達エリアにおいて予め定められた距離より長い又は以上の渋滞が予想される場合に、その配達エリアが影響を受けると特定するようにしてもよい。予め定められた距離として、例えば、20Km等がある。
【0031】
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、印刷物の配達先に応じた集荷期限日時をさらに取得し、その印刷物を印刷する印刷ジョブの受付日時からその集荷期限日時までの間で、リスクジョブにより印刷される印刷物が配達予定日時までに配達されるように印刷ジョブをスケジューリングするようにしてもよい。
【0032】
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、リスクジョブを割り込みませることで、遅延リスクが回避できるか判定する。具体的には、割り込みが発生した場合、割り込み以降の印刷ジョブが翌日発送にならないかを判定する。
また、ジョブ割り込み判定モジュール115は、割り込みが発生した場合、割り込み以降の印刷ジョブに遅延リスクが発生しないかを判定する。なお、割り込み以降の印刷ジョブの遅延リスク判定は、新たに受け付けた印刷ジョブに対する判定と同様に行えばよい。つまり、「新たに受け付けた印刷ジョブ」に対する処理を「割り込み以降の印刷ジョブ」に対して行えばよい。
【0033】
ジョブ情報取得モジュール120は、ジョブ処理時間見積もりモジュール125と接続されている。ジョブ情報取得モジュール120は、ジョブ受付モジュール105が受け付けた印刷ジョブから、印刷物の配達先を示す住所等の宛先情報、印刷にかかる時間を示す印刷ジョブ量情報を取得する。印刷ジョブ量情報は、具体的には、ページ数、用紙サイズ、カラー・白黒印刷の指定、写真の数、写真のサイズ、PDFのサイズ等があり、印刷にかかる時間を予測するための情報である。
ジョブ処理時間見積もりモジュール125は、ジョブスケジューリングモジュール110のジョブ割り込み判定モジュール115、ジョブ情報取得モジュール120と接続されている。ジョブ処理時間見積もりモジュール125は、ジョブ受付モジュール105が受け付けた印刷ジョブにおける印刷時間(印刷指示を行ってから印刷完了までの時間)を、印刷ジョブ量情報から算出する。具体的には、印刷ジョブ量情報、印刷モジュール155の印刷性能(単位時間あたりの処理量)によって算出すればよい。
【0034】
外部情報取得モジュール130は、ジョブ配達情報算出モジュール135、気象予報情報算出モジュール140、渋滞予想情報算出モジュール145を有しており、ジョブスケジューリングモジュール110のジョブ割り込み判定モジュール115と接続されている。
ジョブ配達情報算出モジュール135は、配送管理システム165の配送先ルート/エリア情報算出・管理モジュール167と接続されている。ジョブ配達情報算出モジュール135は、ジョブ受付モジュール105によって受け付けられた複数の印刷ジョブのそれぞれの配達先から配達ルートを特定する。具体的には、配達ルート(地域を含む)を算出し、その配達ルートにおける地域通過時間を算出する。
気象予報情報算出モジュール140は、気象予報システム170の気象予報算出モジュール172と接続されている。気象予報情報算出モジュール140は、ジョブ配達情報算出モジュール135によって算出された配達ルート上の複数の配達エリアにおける気象予報情報を取得する。例えば、配達ルート上における地域毎の通過時間での気象予報を、気象予報システム170から取得する。
渋滞予想情報算出モジュール145は、渋滞予想システム175の渋滞予想算出モジュール177と接続されている。渋滞予想情報算出モジュール145は、ジョブ配達情報算出モジュール135によって算出された配達ルート上の複数の配達エリアにおける渋滞予想情報を取得する。例えば、配達ルート上における地域毎の通過時間での渋滞予想を、渋滞予想システム175から取得する。なお、一般的慣習にしたがって、気象については「予報」、渋滞については「予想」という用語を用いるが、将来のことを事前に推測(予測)することを意味しており、両者の間に格別の差異はない。
印刷モジュール155は、印刷ジョブ処理装置102と接続されている。印刷モジュール155は、印刷ジョブ処理装置102によって生成されたスケジュールにしたがって、印刷ジョブによる印刷を行う(印刷物を生成する)。
【0035】
配送部160は、配送管理システム165からの指示にしたがって、印刷物を配送する。具体的には、印刷物を配達業者に渡す。この配送の作業は、人間が行ってもよいし、ロボット(産業用ロボットを含む)等が行うようにしてもよい。
配送管理システム165は、配送先ルート/エリア情報算出・管理モジュール167を有している。
配送先ルート/エリア情報算出・管理モジュール167は、外部情報取得モジュール130のジョブ配達情報算出モジュール135と接続されている。配送先ルート/エリア情報算出・管理モジュール167は、配送物(印刷物)の配送ルートや配送時間を管理する。
気象予報システム170は、気象予報算出モジュール172を有している。
気象予報算出モジュール172は、外部情報取得モジュール130の気象予報情報算出モジュール140と接続されている。気象予報算出モジュール172は、天気予報を算出する。例えば、気象庁の天気予報(気象警報、注意報、指定河川洪水予報、土砂災害警戒情報、津波予報、地震情報、噴火警報・予報等を含む)サービス(http://www.jma.go.jp/jp/yoho/)等がある。
渋滞予想システム175は、渋滞予想算出モジュール177を有している。
渋滞予想算出モジュール177は、外部情報取得モジュール130の渋滞予想情報算出モジュール145と接続されている。渋滞予想算出モジュール177は、渋滞予想を算出する。例えば、渋滞予想システム(http://www.drivetraffic.jp/map.html?t=p&pmode=cal)等がある。
【0036】
ユーザー端末195は、印刷ジョブ処理装置102のジョブ受付モジュール105と接続されている。ユーザー端末195は、印刷ジョブを画像処理装置100に送信する。ユーザー端末195は、顧客であるユーザーの操作にしたがって、印刷依頼を行うものであって、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報通信機器等である。具体的には、画像処理装置100が用意しているホームページをブラウザを用いて表示し、印刷対象である電子文書、印刷物の配達先を示す宛先情報、配達予定日時等の指定を含む印刷依頼を行う。
【0037】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
画像処理装置100、配送管理システム165、気象予報システム170、渋滞予想システム175、ユーザー端末195A、ユーザー端末195B、ユーザー端末195C、ユーザー端末195Dは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、画像処理装置100、配送管理システム165、気象予報システム170、渋滞予想システム175による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
【0038】
概要を説明する。なお、この説明は、本実施の形態の理解を容易にすることを目的とするものである。
画像処理装置100は、複数のユーザー端末195から印刷ジョブを受け付け、印刷物を印刷し、それぞれの配達先にその印刷物を配達するための指示を行う。
画像処理装置100内の印刷ジョブ処理装置102は、配達業者の配送業務で発生する配達遅延のリスクを考慮して、印刷ジョブのスケジューリングを行う。配達遅延のリスクを考慮していない場合(つまり、本実施の形態を用いない場合)、出荷までの納品スケジュールを守って印刷したとしても、配達工程で遅れが出たときは顧客(印刷ジョブの指示を行った者)の満足度を下げることとなる。
画像処理装置100においては、納期どおりに印刷が完了するだけでなく、顧客へ印刷物が届くまでの工程を管理し、配達遅延リスク低減させる。具体的には、印刷システムである画像処理装置100は、
・配送時間について配送エリアと配送ルート情報から算出すること、
・配送時間の算出について、気象予報システム170と渋滞予想システム175からの気象状況・渋滞状況も考慮した配送時間を算出すること、
を行う。
そして、その配送時間を考慮した上で、画像処理装置100は、
・印刷ジョブの完了時間をジョブ情報から算出し、印刷ジョブのスケジュールに反映すること、
・配送完了に遅延のリスクがある印刷ジョブをリスクジョブ(重要ジョブ)として管理し、印刷完了時間をリスク軽減するように変更すること、
を行う。
つまり、画像処理装置100は、配送時の遅延リスクを事前に予想し、それをもとに配送遅延リスクを抑えた印刷ジョブのスケジュールを組むものである。これによって、顧客のもとへ遅延なく商品を届けることとなり、満足度が向上する。
【0039】
図3図4は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、ジョブ受付モジュール105は、ジョブを受け付ける。
ステップS304では、ジョブ情報取得モジュール120は、ジョブの「宛先情報」、「印刷ジョブ量情報」を取得する。
ステップS306では、ジョブ処理時間見積もりモジュール125は、ジョブ処理時間を見積もる。「印刷ジョブ量情報」、印刷モジュール155の性能情報から算出する。
ステップS308では、ジョブ配達情報算出モジュール135は、配達ルート/地域を算出し、配達ルート/地域通過時間を算出する。「宛先情報」から算出する。
ステップS310では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、気象リスクを判定する。そのために、気象予報情報算出モジュール140は、気象予報システム170から気象予報情報を取得して、ジョブ割り込み判定モジュール115に渡す。そして、ジョブ割り込み判定モジュール115は、気象予報情報から「配達ルート/エリア」における「通過時間」時の気象予報を取得する。
ステップS312では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、配達ルート/地域通過時の気象予報で「大雨・大雪・暴風・台風のいずれか一つ以上」があるか否かを判定し、ある場合はステップS314へ進み、それ以外の場合はステップS316へ進む。
ステップS314では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、そのジョブに「気象リスク」フラグ(気象リスクのある無しを示す情報)を立てる。
【0040】
ステップS316では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、渋滞リスクを判定する。そのために、渋滞予想情報算出モジュール145は、渋滞予想システム175から渋滞予想情報を取得して、ジョブ割り込み判定モジュール115に渡す。そして、ジョブ割り込み判定モジュール115は、渋滞予想情報から「配達ルート/エリア」における「通過時間」時の渋滞予想を取得する。
ステップS318では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、配達ルート/地域通過時の渋滞予想で20Km以上の渋滞予想があるか否かを判定し、ある場合はステップS320へ進み、それ以外の場合はステップS322へ進む。
ステップS320では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、そのジョブに「渋滞リスク」フラグ(渋滞リスクのある無しを示す情報)を立てる。
ステップS322では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、ジョブ差し込みを判定する。そのために、「気象リスク」フラグ、「渋滞リスク」フラグを確認する。
ステップS324では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、ジョブに「気象リスク」「渋滞リスク」があるか否かを判定し、ある場合はステップS326へ進み、それ以外の場合はステップS336へ進む。具体的には、「気象リスク」フラグ、「渋滞リスク」フラグが立っているか否かを判定する。
【0041】
ステップS326では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、対象のジョブを、現状のスケジュールにある遅延リスクのないジョブの前に差し込むことで、対象のジョブの遅延リスクがなくなるか判定する。
ステップS328では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、割り込みむことで、割り込みジョブの遅延リスクのフラグが立たなくなるか否かを判定し、立たなくなる場合(ステップS326でリスクがなくなると判定した場合)はステップS330へ進み、それ以外の場合はステップS336へ進む。
ステップS330では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、割り込みむことで、割り込み後にある本日発送対象ジョブが翌日発送にならないか否かを判定し、翌日発送にならない場合はステップS332へ進み、それ以外の場合はステップS336へ進む。
【0042】
ステップS332では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、割り込みむことで、割り込み後にあるジョブに新たな遅延リスクが発生しないか否かを判定し、発生しない場合はステップS334へ進み、それ以外の場合はステップS336へ進む。
ステップS334では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、ジョブ差し込みのスケジューリングを行い、ステップS338へ進む。例えば、対象となっているジョブを、スケジュールの先頭(つまり、FIFOの先頭、次に行うジョブ)に差し込む(割り込みませる)。
ステップS336では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、ステップS324、ステップS328、ステップS330、ステップS332のいずれかでNo判定が出たジョブについて、FIFO処理によるスケジューリングを行う。
ステップS338では、ジョブ割り込み判定モジュール115は、スケジュールにしたがったジョブの印刷をする。
【0043】
以下に、具体例を用いた説明を行う。
画像処理装置100が提供する印刷サービスは、具体的には、「14時までにWeb受け付けをした場合は、当日の発送」を約束しており、ユーザーは、配達業者のA便、B便のいずれかを指定する。つまり、この約束にしたがって、配達業者のA便、B便のいずれかを指定することが、配達予定日時を指定することになる。
図5は、配達業者による配達例を示す説明図である。
この配達業者における配達サービスの内容は以下の通りである。
・1日2回集荷する(12時頃、17時頃)
・2回目の集荷に間に合えば当日発送扱い
・目的地が遠いところほど集荷の時間の影響が出やすい
例えば、東京から北海道への配達の場合、当日の午前発送で翌日の午後配達となり、当日の午後発送で翌々日の午前配達等のように、ユーザーの希望納期に間に合わない可能性がある。
そして、A便では、注文日(当日)の13:59までに注文を受け付けた場合は、その日に発送し、3日目以降がお届け予定日となり、注文日(当日)の14:00以降に注文を受け付けた場合は、翌日に発送し、4日目以降がお届け予定日となる。
B便では、注文日(当日)の13:59までに注文を受け付けた場合は、その日に発送し、1日目又は2日目がお届け予定日となり、注文日(当日)の14:00以降に注文を受け付けた場合は、翌日に発送し、2日目又は3日目がお届け予定日となる。なお、以下の説明では、「1日目又は2日目がお届け予定日」を「1日目(翌日)午前中を配達予定日時」とし、「2日目又は3日目がお届け予定日」を「2日目(翌々日)午前中を配達予定日時」として説明する。
【0044】
図6は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。図5の例に示した配達サービスを用いた場合のタイムテーブルを示したものである。
図6(a)の例は、ジョブ受付締め切り2回目を示したものである。具体的には、14時を「ジョブ受付締め切り」とし、その後の2時間で「印刷・梱包」の作業をし、16時に「出荷」し、その後の1時間で「集荷センターへ配送」し、17時の「集荷締切」に間に合わせることを示している。
図6(b)の例は、図6(a)の例をもとに逆算した1回目のジョブ受付締め切りを示したものである。具体的には、9時を「ジョブ受付締め切り」とし、その後の2時間で「印刷・梱包」の作業をし、11時に「出荷」し、その後の1時間で「集荷センターへ配送」し、12時の「集荷締切」に間に合わせることを示している。
【0045】
本実施の形態で実施するサービス例は、モデルケースとして以下のものとなる。
10時に受け付けた静岡への配達のジョブを通常通りFIFO処理すると、午後発送になり(図6(a)参照)、到着予定は翌日午前になる。しかし、静岡の明日午前の天気は大雨・暴風予想である。つまり、大雨・暴風の影響で配達に遅れが出るかもしれない状況である(遅延リスクがある)。一方、本日午後の静岡の天気は曇りであり、配達時の遅延リスクはない。つまり、午前発送に間に合えば遅延リスクなく配達できることとなる。
そこで、印刷ジョブ処理装置102は、そのジョブを割り込み印刷して、午前発送させる(図6(b)参照)ようにスケジューリングを行う。
【0046】
図7は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図7(a)に示す例は、図6(a)の例に示すタイムテーブルと図6(b)の例に示すタイムテーブルを組み合わせたものである。
受け付けるジョブは、以下に示すように3ケースに分類される。
ケース(1)
図7(b1)に示す例のように、9時までに受け付けたジョブを、11時までの時間で、印刷、梱包等の作業を行い、11時に集荷センターへ配送し、12時までの集荷(集荷1)に間に合わせるケースである。これは、当日の午前発送として扱われる。
ケース(2)
図7(b2)に示す例のように、9時から14時までに受け付けたジョブを、16時までの時間で、印刷、梱包等の作業を行い、16時に集荷センターへ配送し、17時までの集荷(集荷2)に間に合わせるケースである。これは、当日の午後発送として扱われる。
ケース(3)
図7(b3)に示す例のように、14時から翌日の9時までに受け付けたジョブを、翌日の11時までの時間で、印刷、梱包等の作業を行い、翌日の11時に集荷センターへ配送し、翌日の12時までの集荷に間に合わせるケースである。これは、翌日の午前発送として扱われる。なお、ケース(3)は、ケース(1)として扱えばよい。
本実施の形態は、これらのケースにおける配達(集荷後の配達)の遅延リスクを考慮して、ジョブのスケジューリングを行うものである。
【0047】
(1)ジョブ処理時間見積もりモジュール125は、受け付けたジョブ量からジョブ処理時間を算出する。例えば、ジョブ受付モジュール105が受け付けたジョブの印刷ジョブ量情報は、カラー10ページ冊子を100部とする。この場合、ジョブ処理時間(梱包作業を含む)は、30分と算出されたとする。
【0048】
(2)ジョブ配達情報算出モジュール135は、ジョブを受け付けた時刻と配送先情報から以下を算出する。
ジョブを受け付けた時刻から集荷時間を算出する。そして、配送先情報から配達ルート(エリアを含む)とそのエリアにおける通過時刻を算出する。
例えば、図8に示すように、10時にジョブを受け付け、配送先は静岡であるとする。この場合、FIFO処理によるスケジューリングであるとすると、印刷・梱包の作業が終了するのに、16時までかかり、17時の集荷に間に合わせるようになる。したがって、ジョブ配達情報算出モジュール135は、配達ルートとして、18時(東京集積所)から21時(静岡集積所)まではエリア1(東海)、翌日の8時(静岡集積所)から翌日の10時(届け先である客先)まではエリア2(東海)であることを算出する。
【0049】
(3)気象予報情報算出モジュール140、渋滞予想情報算出モジュール145は、エリア通過時刻からその時刻の気象予報、渋滞情報を取得する。
気象予報情報算出モジュール140は、気象予報システム170から、例えば、気象予報テーブル900を取得する。図9は、気象予報テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。気象予報テーブル900は、地方欄910、日時欄920、気象予報欄930を有している。地方欄910は、地方(配達エリア)を記憶している。日時欄920は、日時を記憶している。気象予報欄930は、その日時におけるその地方の気象予報を記憶している。例えば、「東海東地方で、当日午後は曇り、翌日午前は大雨・暴風予報」を取得する。
渋滞予想情報算出モジュール145は、渋滞予想システム175から、例えば、渋滞予想テーブル1000を取得する。図10は、渋滞予想テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。渋滞予想テーブル1000は、道路欄1010、日時欄1020、渋滞予想欄1030を有している。道路欄1010は、道路(配達ルート)を記憶している。日時欄1020は、日時を記憶している。渋滞予想欄1030は、その日時におけるその道路の渋滞予想を記憶している。例えば、「当日午後から明日午前にかけて、首都高速自動車道は、渋滞予想なし。当日午後から明日午前にかけて、中央高速自動車道は、渋滞予想なし」を取得する。
【0050】
(4)ジョブ割り込み判定モジュール115は、気象予報情報、渋滞予想情報から「遅延リスク」を算出し、フラグを立てる。
例えば、気象遅延リスク認定条件テーブル1100を参照して、遅延リスクがあるか否かを判定する。図11は、気象遅延リスク認定条件テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。気象遅延リスク認定条件テーブル1100は、条件ID欄1110、気象遅延リスク対象欄1120を有しており、気象における予め定められた遅延リスク発生の条件を記憶している。条件ID欄1110は、本実施の形態において、条件を一意に識別するための情報(条件ID:IDentification)を記憶している。気象遅延リスク対象欄1120は、気象遅延リスク対象を記憶している。例えば、大雪予報、大雨予報、暴風予報、台風予報等がある場合は、「遅延リスク」があるとし、「気象リスク」フラグを立てる。
【0051】
また、例えば、渋滞遅延リスク認定条件テーブル1200を参照して、遅延リスクがあるか否かを判定する。図12は、渋滞遅延リスク認定条件テーブル1200のデータ構造例を示す説明図である。渋滞遅延リスク認定条件テーブル1200は、条件ID欄1210、渋滞リスク対象欄1220を有しており、渋滞における予め定められた遅延リスク発生の条件を記憶している。条件ID欄1210は、条件IDを記憶している。渋滞リスク対象欄1220は、渋滞リスク対象を記憶している。例えば、「配達ルートで20Km以上の渋滞が予想された場合」等は、「遅延リスク」があるとし、「渋滞リスク」フラグを立てる。
そして、「遅延リスク」(「気象リスク」フラグ、「渋滞リスク」フラグ)が一つでも立った場合、(5)の手順に移る。これらのフラグが立たない場合は、通常通りFIFO処理によるスケジューリングを行う。
【0052】
前述の場合は、図13の例に示す遅延フラグテーブル1300のようなフラグの状態となる。図13は、遅延フラグテーブル1300のデータ構造例を示す説明図である。遅延フラグテーブル1300は、(2)で算出したエリア毎に大雪予報欄1310、大雨予報欄1320、暴風予報欄1330、台風予報欄1340、渋滞予想欄1350を有している。大雪予報欄1310は、大雪予報が出ているか否かを示すフラグ記憶している。大雨予報欄1320は、大雨予報が出ているか否かを示すフラグを記憶している。暴風予報欄1330は、暴風予報が出ているか否かを示すフラグを記憶している。台風予報欄1340は、台風予報が出ているか否かを示すフラグを記憶している。渋滞予想欄1350は、渋滞予想が出ているか否かを示すフラグを記憶している。
遅延フラグテーブル1300内にフラグが立っているので、前述の例では、次の(5)の処理に移る。
【0053】
(5)ジョブ割り込み判定を行う。
(5.1)判定処理(A)を行う。
ジョブ割り込み判定モジュール115は、割り込みを実施することによって遅延リスクが回避できるか否かの判定を行う。
(5.1.1)ジョブ配達情報算出モジュール135は、割り込みんだ場合を仮定して、配達ルートにおけるエリアの通過時間を再計算する。
例えば、図14に示すように、10時にジョブを受け付け、配送先は静岡であるとする。この場合、対象としているジョブを割り込みませたスケジューリングであり、印刷・梱包の作業が終了するのを、11時に早め、12時の集荷に間に合わせるようになる。したがって、ジョブ配達情報算出モジュール135は、配達ルートとして、13時(東京集積所)から16時(静岡集積所)まではエリア1(東海)、17時(静岡集積所)から19時(届け先である客先)まではエリア2(東海)であることを算出する。
【0054】
(5.1.2)気象予報情報算出モジュール140、渋滞予想情報算出モジュール145は、エリア通過時刻からその時刻の気象予報、渋滞情報を取得する。
気象予報情報算出モジュール140は、例えば、「東海地方で、当日午後は曇り」を取得する。
渋滞予想情報算出モジュール145は、例えば、「当日午後、首都高速自動車道は、渋滞予想なし。当日午後、中央高速自動車道は、渋滞予想なし。」を取得する。
【0055】
(5.1.3)ジョブ割り込み判定モジュール115は、気象予報情報、渋滞予想情報から「遅延リスク」を算出し、フラグを立てる。
例えば、気象遅延リスク認定条件テーブル1100、渋滞遅延リスク認定条件テーブル1200を参照して、遅延リスクがあるか否かを判定する。
この場合は、図15の例に示す遅延フラグテーブル1500のようなフラグの状態となる。図15は、遅延フラグテーブル1500のデータ構造例を示す説明図である。遅延フラグテーブル1500は、遅延フラグテーブル1300と同等のデータ構造である。
遅延フラグテーブル1500内にフラグは立っていない状態となる。
【0056】
(5.1.4)割り込みを実施することで「遅延リスク」のフラグが全てなくなる場合、次の(5.2)の判定処理を実施する。
なお、「遅延リスク」がある場合(遅延フラグテーブル1500内にフラグが立っている場合)は、通常のFIFO処理によるスケジューリングを行う。つまり、割り込みを実施する前の状態での、スケジューリングを行う。割り込みを実施したとしても、対象としているジョブの印刷物は配達予定日時までに配達できないので、他のジョブに影響を及ぼさないようにするためである。
【0057】
(5.2)判定処理(B)を行う。
割り込みを実施することで、当日発送対象のジョブが、翌日発送とならないかの判定を行う。
図16(a)の例に示すように、FIFO処理によるスケジュールがあったとする。10時にジョブ7を受け付けた場合、10時以降のスケジュールは、ジョブ3、ジョブ4、ジョブ5、ジョブ6、ジョブ7の順番となる。各ジョブの処理時間は30分とする。ここで、ジョブ7は、当日の午後の発送対象となる。なお、ジョブ3〜6は、遅延リスク無しであったとする。
そして、ジョブ7は、遅延リスクがあったので、図16(b)の例に示すように、ジョブ7をスケジュールの先頭に割り込みませる。したがって、スケジュールは、10時以降のスケジュールは、ジョブ7、ジョブ3、ジョブ4、ジョブ5、ジョブ6の順番となる。ジョブ7は、遅延リスクがなくなる。そして、17時が当日発送のリミット(期限)であるので、ジョブ6においても、ジョブ6の終了時には、そのリミットを超えないので、翌日発送とはならないと判定することになる。
この(5.2)の判定で、当日発送予定であったジョブが、翌日発送とはならない場合、次の(5.3)の判定処理を実施する。
なお、当日発送予定であったジョブが、翌日発送となってしまった場合(ジョブの終了時が17時のリミットを超えた場合)は、通常のFIFO処理によるスケジューリングを行う。つまり、割り込みを実施する前の状態での、スケジューリングを行う。先に受け付けたジョブが、後に受け付けたジョブによって不利益を受けないようにさせるためである。
【0058】
(5.3)判定処理(C)を行う。
割り込みを実施することで、割り込み後のジョブに新たな遅延リスクが発生しないかの判定を行う。
図6(b)の例では、ジョブ7の割り込みを実施することで、ジョブ6が午後発送となる。ジョブ6に関して、割り込みを実施した場合の遅延リスクの再判定を行う。なお、この再判定は、(5.1.1)〜(5.1.3)と同等の処理を行う。ただし、対象となるジョブはジョブ6となる。
例えば、図6(c)に示すように、ジョブ6においても新たな遅延リスクが発生しないと判定される。
このように、(5.3)の判定処理で、割り込み後のスケジュールにおけるジョブに新たな遅延リスクが発生しない場合は、割り込み印刷のスケジュールを組む。このスケジュールは、ジョブ7、ジョブ3、ジョブ4、ジョブ5、ジョブ6の順番となる。
新たな遅延リスクが発生する場合は、通常のFIFO処理によるスケジューリングを行う。つまり、割り込みを実施する前の状態での、スケジューリングを行う。先に受け付けたジョブが、後に受け付けたジョブによって不利益を受けないようにさせるためである。
【0059】
図17を参照して、本実施の形態の画像処理装置100、配送管理システム165、気象予報システム170、渋滞予想システム175のハードウェア構成例について説明する。図17に示す構成は、例えばPC等によって構成されるものであり、スキャナ等のデータ読み取り部1717と、プリンタ等のデータ出力部1718を備えたハードウェア構成例を示している。
【0060】
CPU(Central Processing Unit)1701は、前述の実施の形態において説明した各種のモジュール、すなわち、ジョブ受付モジュール105、ジョブスケジューリングモジュール110、ジョブ割り込み判定モジュール115、ジョブ情報取得モジュール120、ジョブ処理時間見積もりモジュール125、外部情報取得モジュール130、ジョブ配達情報算出モジュール135、気象予報情報算出モジュール140、渋滞予想情報算出モジュール145、印刷モジュール155、配送先ルート/エリア情報算出・管理モジュール167、気象予報算出モジュール172、渋滞予想算出モジュール177等の各モジュールの実行シーケンスを記述したコンピュータ・プログラムにしたがった処理を実行する制御部である。
【0061】
ROM(Read Only Memory)1702は、CPU1701が使用するプログラムや演算パラメータ等を格納する。RAM(Random Access Memory)1703は、CPU1701の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を格納する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス1704により相互に接続されている。
【0062】
ホストバス1704は、ブリッジ1705を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス1706に接続されている。
【0063】
キーボード1708、マウス等のポインティングデバイス1709は、操作者により操作されるデバイスである。ディスプレイ1710は、液晶表示装置又はCRT(Cathode Ray Tube)等があり、各種情報をテキストやイメージ情報として表示する。また、ポインティングデバイス1709とディスプレイ1710の両方の機能を備えているタッチスクリーン等であってもよい。
【0064】
HDD(Hard Disk Drive)1711は、ハードディスク(フラッシュ・メモリ等であってもよい)を内蔵し、ハードディスクを駆動し、CPU1701によって実行するプログラムや情報を記録又は再生させる。ハードディスクには、印刷ジョブ、印刷情報、スケジュール、各モジュールによる処理結果等が格納される。さらに、その他の各種データ、各種コンピュータ・プログラム等が格納される。
【0065】
ドライブ1712は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体1713に記録されているデータ又はプログラムを読み出して、そのデータ又はプログラムを、インタフェース1707、外部バス1706、ブリッジ1705、及びホストバス1704を介して接続されているRAM1703に供給する。なお、リムーバブル記録媒体1713も、データ記録領域として利用可能である。
【0066】
接続ポート1714は、外部接続機器1715を接続するポートであり、USB、IEEE1394等の接続部を持つ。接続ポート1714は、インタフェース1707、及び外部バス1706、ブリッジ1705、ホストバス1704等を介してCPU1701等に接続されている。通信部1716は、通信回線に接続され、外部とのデータ通信処理を実行する。データ読み取り部1717は、例えばスキャナであり、ドキュメントの読み取り処理を実行する。データ出力部1718は、例えばプリンタであり、ドキュメントデータの出力処理を実行する。
【0067】
なお、図17に示す画像処理装置100、配送管理システム165、気象予報システム170、渋滞予想システム175のハードウェア構成は、一つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図17に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図17に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0068】
前述の実施の形態においては、気象予報情報と渋滞予想情報の両方を用いた例を示したが、気象予報情報、渋滞予想情報のいずれか一方を用いるようにしてもよい。
【0069】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
100…画像処理装置
102…印刷ジョブ処理装置
105…ジョブ受付モジュール
110…ジョブスケジューリングモジュール
115…ジョブ割り込み判定モジュール
120…ジョブ情報取得モジュール
125…ジョブ処理時間見積もりモジュール
130…外部情報取得モジュール
135…ジョブ配達情報算出モジュール
140…気象予報情報算出モジュール
145…渋滞予想情報算出モジュール
155…印刷モジュール
160…配送部
165…配送管理システム
167…配送先ルート/エリア情報算出・管理モジュール
170…気象予報システム
172…気象予報算出モジュール
175…渋滞予想システム
177…渋滞予想算出モジュール
195…ユーザー端末
290…通信回線
図1
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