(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示部を有し、前記制御部は、前記待機処理において、前記基準日付情報の更新の未完を告知する告知表示を前記表示部に表示する制御をすることを特徴とする請求項1に記載の現金処理装置。
通信手段を有し、前記制御部は、前記通信手段を介して上位装置と通信して互いのシステム日時を同期させると共に、前記上位装置から前記基準日付情報を取得して前記基準日付情報に前記取引日付情報を同期させる制御をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現金処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の現金処理装置を、銀行の支店に設置される現金処理装置を例に、添付の図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0019】
[現金処理装置の内部構成]
図1は、実施例1の現金処理装置10の内部構成を示すブロック図である。
図2は実施例1の現金処理装置を示す構成図である。現金処理装置としての現金処理装置は、
図1、
図2に示すように、主制御部M1、電源部PW、通信部1、カードリーダ部2、操作表示部3、レシートプリンタ部4、紙幣処理部BLL、硬貨処理部CINを備えている。
【0020】
主制御部M1はCPU(Central Processing Unit)、記憶部(例えば、ROM、RAM、EEPROM等)、入出力インタフェース部等を有する回路で構成され、記憶部に格納された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて、電源部PW、通信部1、カードリーダ部2、操作表示部3、レシートプリンタ部4、紙幣処理部BLL及び硬貨処理部CINの各部並びに紙幣及び硬貨の搬送部(図示せず)を制御する。
【0021】
主制御部M1は、操作表示部3を介した操作者の操作を受けて、出金処理、入金処理、集計処理等の機能を実行する。主制御部M1は、カレンダー機能および時計機能を有し、システムの基準となるシステム日時の日付と時刻を計時する共に勘定日を記憶部に記憶して日付を設定する日付設定機能(日付設定部M2)を有する。
【0022】
以下の説明では、主制御部M1及び電源部PWを除く、通信部1、カードリーダ部2、操作表示部3、レシートプリンタ部4、紙幣処理部BLL及び硬貨処理部CINの各部、並びに紙幣及び硬貨の搬送部(図示せず)を処理部P(
図1中破線で囲んだ部分)とする。
【0023】
電源部PWは、外部からの外部電源(VD)の供給を受けて、処理部Pの各部への電力を供給するものである。例えば、電源部PWは、現金処理装置10の電源スイッチ(図示せず)の電源投入(以下、電源オンともいう)の操作、又は、主制御部M1からの電源オン信号に応じて現金処理装置10の処理部Pの各部分への電力の供給を行う。更に、該電源スイッチの電源遮断(以下、電源オフともいう)の操作、又は、主制御部M1からの電源オフ信号に応じて、電源部PWに処理部Pの各部分への電力供給を停止させる。なお、電源部PWは、処理部Pの各部へ電力供給を停止した場合であっても、主制御部M1及び電源部PWに必要な電力を供給する。
【0024】
通信部1は、通信回線としてのネットワークに接続され、該ネットワークを介してホストコンピュータ等の上位装置(図示せず)と主制御部M1との間で通信を行うものである。通信部1と上位装置との通信により、主制御部M1の日付設定部M2は、上位装置から取得したシステム日時及び勘定日を含む日時情報を記憶部に記憶して日時及び日付を設定する。
【0025】
カードリーダ部2は、取引開始時に、操作者のIDカード等の記録媒体に格納されている情報を読み取るものである。カードリーダ部2は、例えば、IDカードの記録媒体に記録されている操作者識別情報(例えば、氏名、ID等の識別情報)等の情報を読み取る。なお、カードリーダ部2は、磁気カード、ICカード等様々な媒体から操作者識別情報等の情報を読取可能であってもよい。
【0026】
操作表示部3は、取引の際に、操作者の操作を受け付ける操作手段や現金処理装置の状態等を表示する表示手段の機能する入力受付部である。これは、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面と、表示画面に設けたタッチパネル等の入力手段とを備えており、表示画面に、操作者が入金処理や出金処理、施封処理等を行うことを指示するための指示ボタン等を表示する機能を有している。
【0027】
レシートプリンタ部4は、現金処理装置による入金処理や出金処理の金額等の取引結果をレシートに印刷して出力する。
【0028】
紙幣処理部BLLは、
図1に示すように、紙幣投入部11、紙幣一時保留部12、リサイクルカセット13、退避カセット14、紙幣鑑別部15、リジェクトカセット16、施封部17、紙幣搬送路(図示せず)等で構成される。
【0029】
紙幣投入部11は、紙幣が投入される紙幣投入口と内部に紙幣を収容する空間を有すると共に、紙幣を1枚ずつ紙幣搬送路(図示せず)へ順次送る場所である。また、紙幣投入部11は、入金の取り消しが行なわれたときに返却される紙幣、出金する出金紙幣、偽券等としてリジェクトされた入金リジェクト紙幣が出金(排出)される出金口ともなる。
【0030】
紙幣一時保留部12は、紙幣投入部11から取り込まれた紙幣または紙幣投入部11へ排出される紙幣が一時的に集積、滞留される領域である。紙幣一時保留部12は、例えば、入金紙幣又は出金紙幣の計数時に、一時的に紙幣を集積、滞留させることができる。
【0031】
リサイクルカセット13は、紙幣投入部11から投入された金種毎の紙幣を収納する収納庫である。例えば、リサイクルカセット13として、1万円紙幣を収納する万券カセット13a、5千円紙幣を収納する5千券カセット13b及び千円紙幣を収納する千券カセット13cがセットされている。また、紙幣投入部11から紙幣が出金される場合、リサイクルカセット13に収納されている紙幣が、紙幣投入部11に搬送されて出金される。なお、リサイクルカセット13は、通常時には施錠されており、収納されている紙幣の抜き取りが防止される。
【0032】
退避カセット14は、紙幣の自動計数処理を自動で行う場合に、紙幣を一時的に退避させるカセットである。自動計数処理とは、入金処理時や出金処理時に搬送異常が発生した場合に、リサイクルカセット13に収納されている紙幣の金種と枚数とを確定させる精査処理である。具体的には、自動計数処理は、リサイクルカセット13の各々に収納されている紙幣を全て、一旦、繰り出して、紙幣の識別及び計数をし、その後、その紙幣を再び、収納部に戻すことで行う。
【0033】
紙幣鑑別部15は、現金処理装置10内で搬送される紙幣が正券・偽券であるか、紙幣が損券、重送等であるか、紙幣が表面・裏面であるか等の紙幣の状態を鑑別するものである。紙幣識別部17は、例えば、入金時に紙幣一時保留部12からリサイクルカセット13に紙幣が搬送されるとき、出金時にリサイクルカセット13から紙幣一時保留部12に紙幣が搬送されるとき、自動計数処理においてリサイクルカセット13から退避カセット14に紙幣が搬送されるときに、当該搬送される紙幣を鑑別する。
【0034】
入金時において、紙幣鑑別部15による鑑別結果に応じて、正券の紙幣はリサイクルカセット13に搬送される。また、紙幣鑑別部15により重送等であると判断されたリジェクト紙幣は、後述するリジェクトカセット16に搬送される。
【0035】
リジェクトカセット16は、紙幣鑑別部15により重送等の問題あると鑑別されたリジェクト紙幣を収納するものである。リジェクトカセット16は、例えば、入金時に紙幣一時保留部12からリサイクルカセット13に搬送される際に鑑別されたリジェクト紙幣、リサイクルカセット13から出金する際の搬送時に鑑別されたリジェクト紙幣、自動計数処理においてリサイクルカセット13から退避カセット14に搬送される際に鑑別されたリジェクト紙幣を集積する。なお、リサイクルカセット13、退避カセット14及びリジェクトカセット16は、現金処理装置に着脱可能に装着された収納カセットである。
【0036】
施封部17は、搬送された施封対象の紙幣を例えば100枚等の規定枚数で、積層して集積し、重ねられた状態で紙幣を結束帯で結束する装置である。施封部17は、結束された紙幣を取り出せるように操作者によるアクセスが可能なように構成されている。
【0037】
図2に示さないが、紙幣処理部BLL内の各部の間は搬送路によって接続され、その分岐部には紙幣の搬送方向を切替える図示しない切替機構が設けられ、紙幣搬送路の適切な部位には紙幣の通過を検知する図示しない紙幣検知センサ等が設けられている。
【0038】
硬貨処理部CINは、
図1、
図2に示すように、硬貨投入部21、硬貨鑑別部22、硬貨一時保留部23、硬貨返却箱24、出金ホッパ25、硬貨出金箱26等で構成されている。
【0039】
硬貨投入部21は、入金時に硬貨が投入される硬貨投入口と内部に硬貨を収容する空間を有すると共に、硬貨を1枚ずつ硬貨搬送路(図示せず)へ順次送る場所である。
【0040】
硬貨鑑別部22は、硬貨投入部21から投入された硬貨が正常貨か否か鑑別するものである。
【0041】
硬貨一時保留部23は、入金計数時に、投入された硬貨を一時的に集積、滞留させる領域である。
【0042】
硬貨返却箱24は、入金の取り消しが行なわれたときに、返却される硬貨を収納するものである。
【0043】
出金ホッパ25は、入金時に硬貨鑑別部22によって正常貨と鑑別された硬貨を収納しておく領域である。また、出金時には、出金ホッパ25から硬貨出金箱26に硬貨が搬送されて出金される。出金ホッパ25は、通常時には施錠されている。
【0044】
硬貨出金箱26は、出金の際に、出金ホッパ25から搬送されて出金される硬貨の出金口である。なお、硬貨出金箱26、出金ホッパ25及び硬貨返却箱24は、現金処理装置に着脱可能に装着された収納箱である。
【0045】
図2に示さないが、硬貨処理部CIN内の硬貨投入部21から下流の各部は、搬送路(搬送シュート)によって接続されている。
【0046】
[現金処理装置における勘定日の更新]
図3は、実施例1の現金処理装置における勘定日に関する初期設定の手順を示したフローチャートである。なお、以下の実施例においては、上位装置において基準のシステム日時と勘定日の更新処理が完了した時刻(日時情報更新時刻ともいう)を定刻例えば、午前7:30とする。かかる日時情報更新時刻は変更可能である。そして、現金処理装置は、その上位装置から通信回線を介して、基準の日時情報が通知されるものとする。
【0047】
まず、主制御部M1は、電源部PWが、現金処理装置10の電源スイッチ(図示せず)により電源オンであるか否かを判定する(ステップS1)。電源オフの場合(ステップS1:N)、その後手順は終了する。
【0048】
次に、主制御部M1は、電源オンの場合(ステップS1:Y)で、現金処理装置のシステム日時の現在の時刻(処理部Pに電力供給された起動時刻)が定刻の後か否かを判定する(ステップS2)。現金処理装置の当初のシステム日時と勘定日は、工場出荷時にデフォルトの設定として既に入力されていてもよい。また、システム日時と勘定日は、操作表示部3に表示されるメニュー画面を操作することで予め入力されていてもよい。ただし、運用中は、主制御部M1は、通信部1を介して上位装置(図示せず)と通信して、基準の勘定日(基準日付情報)とシステム日時を取得して、自身の勘定日(取引日付情報)とシステム日時として同期させ更新する。
【0049】
ステップS2の判定は、例えば、主制御部M1のシステム日時と日時情報更新時刻とを比較することで行われる。起動時刻が日時情報更新時刻より前であると判定された場合(ステップS2:N)、主制御部M1は電源部PWに電源オフ信号を送信し、電源部PWに処理部Pへの電力供給を停止させる(ステップS3)。そして、現金処理装置のシステム日時の午前7:30(日時情報更新時刻)過ぎの時点で、主制御部M1は電源部PWに電源オン信号を送信し、自動で電源再投入する(ステップS4)。
【0050】
次に、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS5)。日時情報を取得する処理は、例えば、通信部1を介して、上位装置に日時情報の要求し、上位装置からの日時情報の通知を受信することで行われる。
【0051】
実施例1によれば、主制御部M1が日時情報更新時刻過ぎに自動で現金処理装置の電源再投入することで、上位装置の勘定日更新処理の完了を待つことになり、上位装置から現金処理装置に、システム日時が当日で、勘定日が当日で通知されるようになる。
【0052】
また、ステップS2の判定において、起動時刻が日時情報更新時刻より後であると判定された場合(ステップS2:Y)も、ステップS5の日時情報取得処理が実行される。
【0053】
次に、主制御部M1は、取得した基準のシステム日時で自身のシステム日時を設定する処理を実行する(ステップS6)。
【0054】
次に、主制御部M1は、取得した基準の勘定日で自身の勘定日を設定する処理を実行する(ステップS7)。
【0055】
次に、主制御部M1は、例えば
図4に示すような確認キー3aと少なくとも勘定日(取引日付情報)3bを含む確認画面を操作表示部3に表示する処理を実行する(ステップS8)。かかる表示処理により、操作者に勘定日の確認を確認キー3aの押下で実行させることを促すことができる。
【0056】
次に、主制御部M1は、
図4に示す確認画面の確認キー3aの押下の有無を判断する(ステップS9)。主制御部M1は、操作者の確認キー3aの押下まで待つ(ステップS9:N)。
【0057】
ステップS9において、確認キー3aを押下したと判定された場合(ステップS9:Y)、図示しないが所定の待機画面を操作表示部3に表示する処理を実行し(ステップS10)、その後、この初期設定手順は終了する。
【0058】
実施例1によれば、当日に集計されるべき取引が前日に集計されることによる違算を防止することができる。
【実施例2】
【0059】
以下に、本発明の実施例2の現金処理装置及びその勘定日の更新手順(初期設定)について
図5を参照しつつ説明する。なお、実施例2の現金処理装置10は、実施例1の現金処理装置10と主制御部M1の実行機能が異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例2の現金処理装置10の内部構成については説明を省略する。
【0060】
図5は、実施例2の現金処理装置における勘定日に関する初期設定の手順を示したフローチャートである。なお、実施例2の現金処理装置10の初期設定の手順は、実施例1の初期設定の手順のステップS2とステップS5との間のステップが異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例2の初期設定の手順については、ステップS2とステップS5との間以外の構成については説明をほぼ省略する。
【0061】
実施例2として、
図5に示すように、現金処理装置の電源投入時(ステップS1)、現金処理装置のシステム日時が日時情報更新時刻の前だった場合(ステップS2:N)、現金処理装置のシステム日時が日時情報更新時刻過ぎになるまでは、取引実行不可とする。そこで、主制御部M1は、例えば
図6に示すような取引実行不可画面を操作表示部3に表示する処理を実行する(ステップS2−1)。主制御部M1は、システム日時が日時情報更新時刻過ぎになるまで待つ(ステップS2−2:N)。かかる表示処理により、操作者に取引実行不可を告知することができる。
【0062】
主制御部M1が、起動時刻が日時情報更新時刻過ぎたと判定した場合(ステップS2−2:Y)、主制御部M1は電源部PWに電源オフ信号を送信し、電源部PWに処理部Pへの電力供給を停止させる(ステップS3)。そして、主制御部M1は電源部PWに電源オン信号を送信し、自動で電源再投入する(ステップS4a)。
そして、現金処理装置のシステム日時の日時情報更新時刻過ぎに、現金処理装置が自動で電源オフとし、電源再投入する。
【0063】
次に、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS5)。日時情報を取得する処理は、例えば、通信部1を介して、上位装置に日時情報の要求し、上位装置からの日時情報の通知を受信することで行われる。
【0064】
次に実行される現金処理装置のシステム日時設定処理(ステップS6)から待機画面を表示処理(ステップS10)までは実施例1のものと同様である。
【0065】
実施例2によっても、当日に集計されるべき取引が、前日に集計されることによる違算を防止することができる。
【実施例3】
【0066】
以下に、本発明の実施例3の現金処理装置及びその勘定日の更新手順(初期設定)について
図7を参照しつつ説明する。なお、実施例3の現金処理装置10は、実施例1の現金処理装置10と主制御部M1の実行機能が異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例3の現金処理装置10の内部構成については説明を省略する。
【0067】
図7は、実施例3の現金処理装置における勘定日に関する初期設定の手順を示したフローチャートである。なお、実施例3の現金処理装置10の初期設定の手順は、実施例1の初期設定の手順のステップS2とステップS5との間のステップが異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例3の初期設定の手順については、ステップS2とステップS5との間以外の構成については説明をほぼ省略する。
【0068】
実施例3として、
図7に示すように、現金処理装置の電源投入時(ステップS1)、現金処理装置のシステム日時が日時情報更新時刻の前だった場合(ステップS2:N)、主制御部M1は、例えば
図8に示すような勘定日が更新されていない旨の警告表示を操作表示部3に表示する処理を実行する(ステップS3−4)。かかる表示処理により、操作者に勘定日更新が未完であることを告知し、操作者による現金処理装置の再起動を促すことができる。
【0069】
次に、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS5)。日時情報を取得する処理は、例えば、通信部1を介して、上位装置に日時情報の要求し、上位装置からの日時情報の通知を受信することで行われる。
【0070】
次に実行される現金処理装置のシステム日時設定処理(ステップS6)から待機画面を表示処理(ステップS10)までは実施例1のものと同様である。
【0071】
実施例3によれば7:30過ぎに繰作者が現金処理装置の電源再投入することで、上位装置の勘定日更新処理の完了を待つことになり、上位装置から現金処理装置に、システム日時が当日、勘定日が当日で通知されるようになる。これにより、当日に集計されるべき取引が、前日に集計されることによる違算を防止する。
【0072】
実施例3の実施例1〜2との違いは、現金処理装置の再起動を現金処理装置が自動で行うか、操作者が手動で行うかということである。
【実施例4】
【0073】
以下に、本発明の実施例4の現金処理装置及びその勘定日の更新手順(初期設定)について
図9を参照しつつ説明する。なお、実施例4の現金処理装置10は、実施例1の現金処理装置10と主制御部M1の実行機能が異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例4の現金処理装置10の内部構成については説明を省略する。
【0074】
図9は、実施例4の現金処理装置における勘定日に関する初期設定の手順を示したフローチャートである。なお、実施例4の現金処理装置10の初期設定の手順は、実施例1の初期設定の手順のステップS1とステップS3との間のステップが異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例4の初期設定の手順については、ステップS1とステップS3との間以外の構成については説明をほぼ省略する。
【0075】
実施例4として、
図9に示すように、現金処理装置の電源投入時(ステップS1)、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS2a)。日時情報を取得する処理は、例えば、通信部1を介して、上位装置に日時情報の要求し、上位装置からの日時情報の通知を受信することで行われる。
【0076】
次に、主制御部M1は取得した上位装置のシステム日時の日付と勘定日とが同一か又は上位装置の日時情報の更新時刻の後か否かを判定する(ステップS2b)。ここで、上位装置から通知されたシステム日時と勘定日が同日でなく且つ上位装置から通知されたシステム日時が日時情報更新時刻の前だった場合(ステップS2b:N)、主制御部M1は、取得した基準のシステム日時で自身のシステム日時を設定する処理を実行する(ステップS2c)。次に、主制御部M1は電源部PWに電源オフ信号を送信し、電源部PWに処理部Pへの電力供給を停止させる(ステップS3)。そして、現金処理装置のシステム日時の午前7:30の日時情報更新時刻過ぎの時点で、主制御部M1は電源部PWに電源オン信号を送信し、自動で電源再投入する(ステップS4)。
【0077】
次に、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS5)。
【0078】
また、ステップS2bの判定において、主制御部M1が、取得した上位装置のシステム日時の日付と勘定日とが同一か又は上位装置の日時情報の更新時刻の後であると判定する場合(ステップS2b:Y)、ステップS6のシステム日時設定処理が実行される。
【0079】
次に実行される現金処理装置のシステム日時設定処理(ステップS6)から待機画面を表示処理(ステップS10)までは実施例1のものと同様である。
【0080】
実施例4によれば、第1の実施例の効果に加え、以下の効果が得られる。
【0081】
上位装置と現金処理装置のシステム日時のズレにより勘定日が更新されない場合においても、上位装置と現金処理装置のシステム日時を一致させた後の日時情報更新時刻過ぎに現金処理装置の電源再投入していることで、当日に集計されるべき取引が、前日に集計されることによる違算を防止する。
【実施例5】
【0082】
以下に、本発明の実施例5の現金処理装置及びその勘定日の更新手順(初期設定)について
図10を参照しつつ説明する。なお、実施例5の現金処理装置10は、実施例1の現金処理装置10と主制御部M1の実行機能が異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例5の現金処理装置10の内部構成については説明を省略する。
【0083】
図10は、実施例5の現金処理装置における勘定日に関する初期設定の手順を示したフローチャートである。なお、実施例5の現金処理装置10の初期設定の手順は、実施例2の初期設定の手順のステップS1とステップS2−1との間のステップに変えて実施例4のステップS2a,2b,2cを適用したものである。
【0084】
実施例5として、
図10に示すように、現金処理装置の電源投入時(ステップS1)、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS2a)。
【0085】
次に、主制御部M1は取得した上位装置のシステム日時の日付と勘定日とが同一か又は上位装置の日時情報の更新時刻の後か否かを判定する(ステップS2b)。ここで、上位装置から通知されたシステム日時と勘定日が同日でなく且つ上位装置から通知されたシステム日時が日時情報更新時刻の前だった場合(ステップS2b:N)、主制御部M1は、取得した基準のシステム日時で自身のシステム日時を設定する処理を実行する(ステップS2c)。
【0086】
次に、主制御部M1は、例えば
図6に示すような取引実行不可画面を操作表示部3に表示する処理を実行する(ステップS2−1)。主制御部M1は、システム日時が日時情報更新時刻過ぎになるまで待つ(ステップS2−2:N)。かかる表示処理により、操作者に取引実行不可を告知することができる。
【0087】
次に、主制御部M1は再起動(ステップS3〜ステップS4a)の処理をして、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS5)。
【0088】
ステップS5の次に実行される現金処理装置のシステム日時設定処理(ステップS6)から待機画面を表示処理(ステップS10)までは実施例1のものと同様である。また、ステップS2bの判定において、主制御部M1が、取得した上位装置のシステム日時の日付と勘定日とが同一か又は上位装置の日時情報の更新時刻の後であると判定する場合(ステップS2b:Y)、ステップS6のシステム日時設定処理が実行される。
【実施例6】
【0089】
以下に、本発明の実施例6の現金処理装置及びその勘定日の更新手順(初期設定)について
図11を参照しつつ説明する。なお、実施例6の現金処理装置10は、実施例1の現金処理装置10と主制御部M1の実行機能が異なる以外、同様の構成を有している。従って、実施例5の現金処理装置10の内部構成については説明を省略する。
【0090】
図11は、実施例6の現金処理装置における勘定日に関する初期設定の手順を示したフローチャートである。なお、実施例6の現金処理装置10の初期設定の手順は、実施例3の初期設定の手順のステップS2に変えて実施例4のステップS2a,2b,2cを適用し、実施例3の手順のステップS5を削除したものである。
【0091】
実施例6として、
図11に示すように、現金処理装置の電源投入時(ステップS1)、主制御部M1は、上位装置から日時情報(基準のシステム日時と勘定日)を取得する処理を実行する(ステップS2a)。
【0092】
次に、主制御部M1は取得した上位装置のシステム日時の日付と勘定日とが同一か又は上位装置の日時情報の更新時刻の後か否かを判定する(ステップS2b)。ここで、上位装置から通知されたシステム日時と勘定日が同日でなく且つ上位装置から通知されたシステム日時が日時情報更新時刻の前だった場合(ステップS2b:N)、主制御部M1は、取得した基準のシステム日時で自身のシステム日時を設定する処理を実行する(ステップS2c)。そして、主制御部M1は、例えば
図8に示すような勘定日が更新されていない旨の警告表示を操作表示部3に表示する処理を実行する(ステップS3−4)。かかる表示処理により、操作者に勘定日更新が未完であることを告知し、操作者による現金処理装置の再起動を促すことができる。
【0093】
また、ステップS2bの判定において、主制御部M1が、取得した上位装置のシステム日時の日付と勘定日とが同一か又は上位装置の日時情報の更新時刻の後であると判定する場合(ステップS2b:Y)、ステップS6のシステム日時設定処理が実行される。この実行される現金処理装置のシステム日時設定処理(ステップS6)から待機画面を表示処理(ステップS10)までは実施例1のものと同様である。
【0094】
実施例6によれば、実施例3の効果に加え、以下の効果がある。上位装置と現金処理装置のシステム日時のズレにより勘定日が更新されない場合においても、上位装置と現金処理装置のシステム日時を一致させた後の日時情報更新時刻過ぎに現金処理装置の電源再投入していることで、当日に集計されるべき取引が、前日に集計されることによる違算を防止する。
【0095】
また、上記実施例1〜6の現金処理装置はネットワークに接続されて、金融機関の管理システム等の上位サーバまたは他の機器と連携してオンラインで運用されるが、操作表示部3を介する操作により日時情報更新(特に勘定日)を実行して単体でオフラインで運用されてもよい。
【0096】
また、上記実施例1〜6では金融機関における現金処理装置を例として説明したが、上記構成及び手順は小売店やスーパーマーケット等の流通及び商業施設等に設置されるキャッシュレジスタ等、出金及び入金を行う店舗に設置される様々な現金処理装置に適用可能である。
【0097】
上述した実施例における種々の構成、手順は例示に過ぎず、用途等に応じて適宜選択及び変更可能である。