(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の通信アダプタにおいて、前記第3の異常検出手段は、前記遠隔管理装置宛のデータ送信リクエストに対する前記通信中継部からのレスポンスに、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信の異常を示す情報が含まれている場合に、当該通信の異常であるものと検出することを特徴とする通信アダプタ。
請求項1に記載の通信アダプタにおいて、前記第1〜第3の異常検出手段によって検出されたそれぞれの通信の異常を識別可能に報知する報知部をさらに備えていることを特徴とする通信アダプタ。
請求項1に記載の通信アダプタにおいて、前記第1の異常検出手段は、前記通信アダプタと前記監視対象システムとの間の通信の異常を検出すると、当該通信の異常が発生したことを示す情報を前記遠隔管理装置に対して送信するよう構成されていることを特徴とする通信アダプタ。
請求項5に記載の通信アダプタにおいて、前記制御部は、前記遠隔管理装置宛のデータ送信リクエストに対する前記通信中継部からのレスポンスに、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信の異常を示す情報が含まれている場合に、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信の異常であるものと検出することを特徴とする通信アダプタ。
請求項5に記載の通信アダプタにおいて、前記制御部により検出されたそれぞれの通信の異常を識別可能に報知する報知部をさらに備えていることを特徴とする通信アダプタ。
請求項5に記載の通信アダプタにおいて、前記制御部は、前記通信アダプタと前記監視対象システムとの間の通信の異常を検出すると、当該通信の異常が発生したことを示す情報を前記遠隔管理装置に対して送信するよう構成されていることを特徴とする通信アダプタ。
【背景技術】
【0002】
近年、業務用給湯システムとして、ガス瞬間給湯器を複数台使用するマルチ給湯システムが、ボイラーと貯湯槽とを組み合わせた給湯方式に代わって採用されつつある。マルチ給湯システムは、給湯器の1台が故障しても他の給湯器がバックアップ運転することにより給湯を継続でき、専用の機械室が不要であり、構成機器の搬入・搬出・交換が比較的容易に行え、ボイラー技士などの専門の技術者が不要で簡単なリモコン操作のみで運転させることができるなど、種々の利点がある。
【0003】
本願出願人は、従来より上記のようなマルチ給湯システムの開発を行っており、例えば下記の特許文献1及び2に開示している。
【0004】
また、下記の特許文献3には、熱源機と管理センターとを中継する中継アダプタ(通信中継部)を設けて、熱源機における各種情報を管理センターに対して送信して遠隔で管理する遠隔管理システムが開示されており、この遠隔管理システムの中継アダプタには、熱源機と中継アダプタとの間の通信異常と、中継アダプタと集中伝送盤との間の通信異常とを判定して、その判定結果をLED表示器の点灯形態によって報知することが開示されている(特許文献3の段落番号0098,
図9参照)。また、中継アダプタは、熱源機から取得した熱源機に関する情報を記憶保存する不揮発性メモリを備え、管理センターからの要求に応じて不揮発性メモリに記憶保存された情報を管理センターに対して送信可能に構成されている。
【0005】
なお、特許文献3に記載されている中継装置(36)は、集中伝送盤(38)と中継アダプタ(28)又はマイコンメータ(42)の接続を選択する手段であって(段落番号0041)、通信プロトコルの変換等の通信の中継を行うものではなく切替器的な手段として設けられているものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に開示されている遠隔管理システムでは、熱源機に内蔵された制御部が中継アダプタに接続されており、この中継アダプタとしては通信事業者によって提供されているルータ装置を用いることが通信の信頼性確保と低コスト化とを図るためには好適である。この場合、ルータ装置の接続ポートはLANポートであることが通常であり、熱源機側にLAN通信基板を内蔵する必要がある。
【0008】
一方、本願出願人が開発しているマルチ給湯システムにおいては、複数台の給湯器の運転状態を管理するシステムコントローラが設けられているとともに、このシステムコントローラの接続ポートは電源重畳通信を行う二芯通信ポートとされている。
【0009】
したがって、マルチ給湯システムを遠隔管理センターに接続するためには、システムコントローラの二芯通信ポートとルータ装置のLANポートとを接続するための通信アダプタを上記中継アダプタとは別途設ける必要がある。また、マルチ給湯システムは、例えば最大で24台の給湯器が階層構造の複数のシステムコントローラによって接続されるものであり、各機器(給湯器及びシステムコントローラ)間の接続が複雑となるとともに、施工される各施設毎に給湯器及びシステムコントローラの構成台数が異なり、接続関係も個別に異なるため、施工時に各機器間の誤接続が生じやすい。
【0010】
そのため、中継アダプタ(ルータ装置)とシステムコントローラとの間に通信アダプタを設けると、中継アダプタが熱源機との間の通信異常を検出した場合に、その異常が中継アダプタと通信アダプタとの間で発生したのか、通信アダプタとシステムコントローラとの間で発生したのかの判別が付かず、異常箇所の発見に手間と時間とを要するという問題がある。また、中継アダプタがシステムコントローラからの情報を収集して記憶処理を行うよう構成しても、中継アダプタと通信アダプタとの間で通信異常が発生しても、通信アダプタとシステムコントローラとの間で通信異常が発生しても、情報収集が不可能となり、異常発生に対する耐久性が低下するという問題もある。
【0011】
そこで、本発明は、マルチ給湯システムなどの監視対象システムの情報を遠隔管理装置に送信する通信アダプタにおいて、監視対象システムの情報を通信中継部を介して遠隔管理装置に通信可能に接続する構成とした場合でも容易に通信異常箇所の特定を行えるようにし、情報収集処理の信頼性を向上することを目的とする。また、本発明は、マルチ給湯システムなどの監視対象システムの情報を遠隔管理する遠隔管理装置において、監視対象システムまでの通信経路に複数の構成機器が存在しても容易に通信異常箇所の特定を行える遠隔管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。
【0013】
すなわち、本発明は、監視対象システムとの通信により該監視対象システムの情報を収集するとともに通信中継部を介して遠隔管理装置と通信する通信アダプタにおいて、前記通信アダプタと前記監視対象システムとの間の通信の異常を検出する第1の異常検出手段と、前記通信アダプタと前記通信中継部との間の通信の異常を検出する第2の異常検出手段と、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信の異常を検出する第3の異常検出手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0014】
かかる本発明の通信アダプタによれば、監視対象システムの情報を収集して、収集した情報を通信中継部を介して遠隔管理装置に送信するので、監視対象システム自体に遠隔管理装置との通信機能が内蔵されている必要がなく、既存の監視対象システムの情報を遠隔管理装置で管理することが可能となる。また、通信アダプタと遠隔管理装置との間に通信中継部が設けられるので、通信中継部と遠隔管理装置との間の通信の物理層として例えば携帯電話網による無線通信を用い、通信中継部と通信アダプタとの間の通信の物理層として例えば100BASE−TX通信を用い、通信アダプタと監視対象システムとの間の通信の物理層として例えば二芯通信を用いることができ、監視対象システム側の通信回路は既存の二芯通信回路などを用いながら、通信中継部として無線通信事業者が提供するルータ装置などを用いて通信の中継を行うことができる。また、通信中継部は通信アダプタよりも遠隔管理装置側に設けられるので、通信中継部の異常は通信アダプタと監視対象システムとの間の通信には影響がなく、システム全体の可用性を向上できる。さらに、通信アダプタに第1〜第3の異常検出手段を備えたので、本発明の通信アダプタを設置した後に何らかの通信異常が発生した場合に、その通信異常が、通信アダプタと監視対象システムとの間の通信の異常によるものであるか、通信アダプタと通信中継部との間の通信の異常によるものであるか、若しくは、通信中継部と遠隔管理装置との間の通信の異常によるものであるかを判別することが可能となり、異常発生時の異常箇所の特定を容易化することができる。
【0015】
上記本発明の通信装置において、前記第3の異常検出手段は、前記遠隔管理装置宛のデータ送信リクエストに対する前記通信中継部からのレスポンスに、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信の異常を示す情報が含まれている場合に、当該通信の異常であるものと検出するものであってよい。これによれば、通信中継部が遠隔管理装置との間の通信の異常を検出した場合に、当該異常を示す情報を含むレスポンスを通信アダプタに対して行うことによって、通信中継部と遠隔管理装置との間の通信の異常を通信アダプタで検出することが可能となる。
【0016】
さらに、前記第1〜第3の異常検出手段によって検出されたそれぞれの通信の異常を識別可能に報知する報知部をさらに備えることができる。これによれば、第1〜第3の異常検出手段によって検出されたそれぞれの通信の異常を施工業者や修理業者やユーザに対して、どの箇所の通信異常であるかを識別可能に報知することができる。
【0017】
また、前記第1の異常検出手段は、前記通信アダプタと前記監視対象システムとの間の通信の異常を検出すると、当該通信の異常が発生したことを示す情報を前記遠隔管理装置に対して送信するよう構成されていてよい。これによれば、遠隔管理装置が監視対象システムと通信しない構成であっても、遠隔管理装置側で、通信アダプタと前記監視対象システムとの間の通信の異常が発生した旨の情報を記憶管理することができる。
【0018】
また、本発明は、監視対象システムとの通信により該監視対象システムの情報を収集する情報収集部と通信中継部を介して通信する遠隔管理装置であって、前記情報収集部と前記監視対象システムとの間の通信の異常発生を判定する第1の異常判定手段と、前記情報収集部と前記通信中継部との間の通信の異常発生を判定する第2の異常判定手段と、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信の異常発生を判定する第3の異常判定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0019】
かかる本発明の遠隔管理装置によれば、第1〜第3の異常判定手段を備えたので、何らかの通信異常が発生した場合に、その通信異常が、情報収集部と監視対象システムとの間の通信の異常によるものであるか、情報収集部と通信中継部との間の通信の異常によるものであるか、若しくは、通信中継部と遠隔管理装置との間の通信の異常によるものであるかを遠隔管理装置側で判別することが可能となり、異常発生時の異常箇所を容易に遠隔で特定できる。
【0020】
上記本発明の遠隔管理装置において、前記第1の異常判定手段は、前記情報収集部と前記監視対象システムとの間の通信の異常が発生したことを示す情報を前記情報収集部から受信すると、前記情報収集部と前記監視対象システムとの間の通信に異常が発生したと判定するよう構成されていてよい。これによれば、遠隔管理装置が監視対象システムと通信せず、通信中継部を介して情報収集部とのみ通信するよう構成されている場合においても、情報収集部と監視対象システムとの間の通信の異常発生を遠隔管理装置で判定可能となる。
【0021】
また、前記第3の異常判定手段は、前記通信中継部との間の定期通信が不通になると、前記通信中継部と前記遠隔管理装置との間の通信に異常が発生したと判定するよう構成されていてよい。これによれば、遠隔管理装置と通信中継部との間の通信異常判定を適確に行うことができる。なお、上記定期通信は、遠隔管理装置側からの定期的な通信要求、例えばIP接続確認のための通信要求によるものであってよく、この場合、遠隔管理装置側からの通信要求に対する応答が無いことをもって不通になったと判定できる。また、定期通信は、通信中継部側からの定期的な通信要求によるものであってもよく、この場合、通信中継部側からの通信要求が所定時間以上途絶えていることをもって不通になったと判定できる。
【0022】
さらに、前記情報収集部は、第1の所定時間毎(例えば60分毎)に所定の情報を遠隔管理装置に対して送信するよう構成されており、前記第2の異常判定手段は、前記第3の異常判定手段による通信異常判定がなされておらず、且つ、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間(例えば90分間)継続して前記情報収集部からの情報を受信していない場合に、前記情報収集部と前記通信中継部との間の通信に異常が発生したと判定するよう構成されているものとすることができる。これによれば、情報収集部と通信中継部との間の通信異常の発生を、通信中継部と遠隔管理装置との間の通信異常とは切り分けて適確に判定できる。
【0023】
また、前記第1〜第3の異常判定手段によって判定されたそれぞれの通信の異常を識別可能に表示する表示端末をさらに備えることができる。これによれば、それぞれの通信の異常が発生したことを表示端末を確認することによって容易に管理者やメンテナンス事業者等が把握できる。なお、表示端末は、遠隔管理装置に付設されていてもよく、また、インターネット等の通信回線を介して遠隔管理装置に対して遠隔地に設けられていてもよい。また、表示端末は、ノートパソコンやタブレット端末などの携帯情報端末であってもよく、これによれば上記本発明の通信装置の設置場所に持ち込んで、遠隔管理装置で管理されている情報を確認できる。
【0024】
なお、本発明の遠隔管理装置は、監視対象システムの動作を制御乃至管理するものでなくともよく、監視対象システムから収集した監視対象システムに関する各種情報(システム構成情報や動作履歴情報等)を遠隔で管理するものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係るマルチ給湯システム(監視対象システム)並びにその遠隔監視システムの概略システム構成図であり、本実施形態のマルチ給湯システムは、1台の最上位のシステムコントローラ1(以下、「親シスコン」という。)と、該親シスコン1の階層下位側に並列に接続される最大4台の最下位のシステムコントローラ2(以下、「子シスコン」という。)と、各子シスコン2の階層下位側に最大6台ずつ接続される計24台(最大)の給湯器3とを備えて、これら構成機器が親シスコン1を頂点として階層的に接続され、親シスコン1並びに子シスコン2によって給湯器3の運転台数制御がなされるよう構成されている。親シスコン1並びに子シスコン2による運転台数制御の内容はどのようなものであってもよく、本発明においては運転台数制御の内容は特定のものに限定されないが、例えば上記特許文献1又は2に開示したものとすることができる。
【0028】
なお、
図1は一例として示したものであって、各施設に設置されるマルチ給湯システム毎に、要求される最大給湯能力等に応じて子シスコン2の接続台数、並びに、給湯器3の接続台数は任意である。また、給湯器3の台数が6台以下であれば、親シスコン1を設置せず、1台の子シスコン2(この場合、単に、シスコンSCと呼ぶこともできる。)のみで給湯器3の運転台数制御を行うシステム構成を許容することもできる。また、
図1に示す例では親シスコン1の配下に子シスコン2を1階層設けた構成としているが、各子シスコン2の配下にさらに子シスコンを階層的に接続した多階層構造のマルチ給湯システムとして構築することもできる。
【0029】
本実施形態では、親シスコン1は、マイクロプロセッサを備える制御部1aと、階層下位側に最大4台の子シスコン2を接続するための4つの下位側接続ポートを備える階層下位側2芯通信回路部1bと、階層上位側に複数の機器を接続するための複数の上位側接続ポートを備える階層上位側2芯通信回路部1cとを備えている。各下位側接続ポートには子シスコン2が2芯通信線などの通信線L1を介してそれぞれ接続され、該通信線L1を介して親シスコン1と各子シスコン2とが相互に各種情報(各種指令信号を含む。)を送受信可能に構成されている。また、親シスコン1の制御部1aは、各下位側接続ポートに下位側機器として子シスコン2が接続されているか否かの接続確認処理を所定時間毎若しくは所定のタイミング(例えば、給湯運転開始時や終了時など)で行うとともに、接続が確認された下位側機器との接続情報を記憶保持する。親シスコン1の制御部1aが記憶保持する下位側機器との接続情報は、例えば、4つの下位側接続ポートのそれぞれに下位側機器が接続されているか否かを示す4ビットのデジタルデータを含むことができる。具体的には、4つのポートすべてに下位側機器2が接続されていれば「1111」、いずれにも接続されていなければ「0000」、図示例のように1番目と2番目と4番目のポートに接続されていれば「1101」のように設定されるデジタルデータを含むことができる。
【0030】
また、親シスコン1は、自身の機種を特定するための所定の機器情報(例えば、型番やソフトウェアバージョン番号など)をも記憶保持している。さらに、自身が親シスコンであることを示す識別符号として「1」が設定記憶されており、かかる識別符号を上記接続情報に付加して、図示例では「1 1101」を接続情報として記憶保持している。親シスコン1は、起動中は常時すべてのポートを監視して、例えば所定の時間間隔で上記接続情報を更新するよう構成されている。また、親シスコン1は、接続されている子シスコン2との通信によって各子シスコン2の機器情報を各子シスコン2から取得して記憶保持しておくこともできる。
【0031】
各子シスコン2は、マイクロプロセッサを備える制御部2aと、階層下位側に最大6台の給湯器3を接続するための6つの下位側接続ポートを備える階層下位側2芯通信回路部2bと、階層上位側の親シスコン1と接続するための上位側接続ポートを備える階層上位側2芯通信回路部2cとを備え、この上位側接続ポートに上記通信線L1が接続されている。また、各下位側接続ポートには給湯器3が2芯通信線などの通信線L2を介してそれぞれ接続され、該通信線L2を介して子シスコン2と給湯器3とが相互に各種情報(各種指令信号を含む。)を送受信可能に構成されている。子シスコン2の制御部2aもまた、親シスコン1と同様、各階層下位側接続ポートに給湯器3が接続されているか否かの接続確認処理を所定時間毎若しくは所定のタイミングで行うとともに、接続が確認された給湯器3との接続情報を記憶保持する。子シスコン2が記憶保持する給湯器3との接続情報は、例えば、6つの下位側接続ポートのそれぞれに給湯器3が接続されているか否かを示す6ビットのデジタルデータを含むことができる。具体的には、6つのポートすべてに給湯器3が接続されていれば「111111」、いずれにも接続されていなければ「000000」、
図1において上から2つめの子シスコン2のように2番目と3番目と5番目と6番目のポートに接続されていれば「011011」のように設定されるデジタルデータを含むことができる。また、各子シスコン2も、自身の機種を特定するための所定の機器情報を記憶保持しているとともに、自身が子シスコンであることを示す識別符号として「0」が設定記憶されており、かかる識別符号を上記接続情報に付加して、例えば
図1において上から2つめに示された子シスコン2では「0 011011」を接続情報として記憶保持している。子シスコン2は、起動中は常時すべてのポートを監視して、例えば所定の時間間隔で上記接続情報を更新するよう構成されている。また、子シスコン2は、接続されている給湯器3との通信によって各給湯器3の機器情報を各給湯器3から取得して記憶保持しておくこともできる。
【0032】
給湯器3は、子シスコン2と接続するための接続ポートを備えており、該接続ポートに上記通信線L2が接続されている。各給湯器3もまた、自身の機種を特定するための所定の機器情報を記憶保持している。また、給湯器3は、自機から給湯した過去の総供給熱量情報、自機のエラー情報及び自機の故障情報を含む給湯器状態情報をも記憶保持している。給湯器状態情報としては、その他適宜の情報を含むことができ、例えば燃料ガスの種類(都市ガスやプロパンガスの種類など)や総運転時間に関する情報などを含むこともできる。また、給湯器3には下位システムは接続されないが、本実施形態では、各給湯器3にも子シスコン2と同様のフォーマットの接続情報が記憶保持されており、具体的には「0 000000」のデータ、即ち給湯器3が一台も接続されていない子シスコン2が記憶保持する接続情報と同じデータが各給湯器3が記憶保持する接続情報として設定されている。
【0033】
また、本実施形態のマルチ給湯システムは、システム全体の運転操作を行うためのリモコン4を備えており、該リモコン4は、親シスコン1の階層上位側接続ポートに2芯通信線L3を介して接続されている。親シスコン1の階層上位側接続ポートは複数並列に設けられており、後述する通信アダプタ11(情報収集部)もまた2芯通信線L3を介して親シスコン1の階層上位側接続ポートに接続され、而して、親シスコン1、リモコン4並びに通信アダプタ11がそれぞれ通信線L3を介して相互に通信可能となされている。
【0034】
遠隔監視システムは、インターネットに接続された遠隔管理サーバ6(遠隔管理装置)と、マルチ給湯システムのエラー確認やサービス手配等を行うコールセンターに設けられた監視端末7(第1の表示端末)と、メンテナンス業者が携行する携帯端末8(第2の表示端末)と、各マルチ給湯システム毎に設置された通信装置10とから主構成され、各端末7,8は遠隔管理サーバ6とインターネットを介して通信可能に接続されている。
【0035】
通信装置10は、マルチ給湯システムの親シスコン1との通信によって親シスコン1の制御部1aが記憶保持しているマルチ給湯システムに関する各種情報を収集する通信アダプタ11(情報収集部)と、該通信アダプタ11と遠隔管理サーバ6との間の通信を中継するルータ装置12(通信中継部)とを備えている。
【0036】
通信アダプタ11は、マイクロプロセッサを備える制御部11aと、親シスコン1と通信するための2芯通信回路部11bと、ルータ装置12とEthernet(登録商標)通信するための10BASE−T/100BASE−TX通信回路部11cとを備えて、ルータ装置12・携帯電話通信網並びにインターネットを介して管理サーバ6と相互に通信可能に接続されているとともに、2芯通信線などの通信線L3を介して親シスコン1と相互に通信可能に接続されている。制御部11aには複数、例えば4つのLED表示器9(報知部)が設けられており、好ましくは各LED表示器9の発行色を、緑・橙・赤・黄のように異ならせておくことができる。なお、通信アダプタ11への電源は、2芯通信線を介して親シスコン1から供給することができる。また、各通信回路部11b,11cの規格は適宜のものであって良い。
【0037】
通信アダプタ11の制御部11aは、親シスコン1の制御部1aと定期的に(例えば5分毎に)所定の通信を行うように構成されており、親シスコン1からの通信の応答が無ければ、通信アダプタ11と親シスコン1(監視対象システム)との間の通信の異常であると検出するよう構成されている。而して、かかる通信異常検出処理を行う通信アダプタ11の制御部11aによって、通信アダプタ11と親シスコン1との間の通信の異常を検出する第1の異常検出手段が構成されている。通信アダプタ11と親シスコン1との間の通信の異常を検出した場合には、制御部11aは、LED表示器9(報知部)を用いて、通信アダプタ11と親シスコン1との間の通信異常であることを示す所定の報知、例えば、赤色のLED表示器を点滅させることによる報知を行うことができる。また、通信アダプタ11の制御部11aは、通信アダプタ11と親シスコン1との間の通信異常を検出すると、遠隔管理サーバ6に対して「2芯通信異常」のエラー通知を送信するよう構成されている。
【0038】
ルータ装置12は、マイクロプロセッサを備える制御部12aと、通信アダプタ11とEthernet(登録商標)通信するための10BASE−T/100BASE−TX通信回路部12bと、遠隔管理サーバ6と通信するための3G無線通信回路部12cとを備えている。なお、ルーター装置12には電源基板(図示せず)から電源供給することができる。
【0039】
通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信プロトコルは、例えばTCP/IP通信を採用でき、通信アダプタ11の制御部11aは、定期的に(例えば1分毎に)ICMP通信などの所定の通信を試行することによってルータ装置12との通信が正常であるか否かを確認するよう構成され、ICMP通信に対するルータ装置12からの返信がなければ通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信異常であると検出するよう構成されている。而して、かかる通信確認処理を行う通信アダプタ11の制御部11aによって、通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信の異常を検出する第2の異常検出手段が構成されている。通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信の異常を検出した場合には、制御部11aは、LED表示器9(報知部)を用いて、通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信の異常であることを示す所定の報知、例えば、緑色のLED表示器を点滅させることによる報知を行うことができる。
【0040】
また、ルータ装置12の制御部12aは、通信アダプタ11から遠隔管理サーバ6宛のデータ送信リクエストを受信すると、該リクエストに添付されている情報を遠隔管理サーバ6に対して送信する。遠隔管理サーバ6は、ルータ装置12から送信された情報を受信すると、ルータ装置12に対して所定の正常受信メッセージを送信する。ルータ装置12は、遠隔管理サーバ6から正常受信メッセージを受信すると、該メッセージを添付して通信アダプタ11に対してレスポンスを返信する。一方、遠隔管理サーバ6に対する上記通信が正常に行えなかった場合には、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常を示す所定の情報を添付して通信アダプタ11に対するレスポンスを返信する。通信アダプタ11の制御部11aは、ルータ装置12からのレスポンスに、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常を示す情報が含まれている場合に、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常であると検出するよう構成されており、而して、かかる異常検出処理を行う制御部11aによって、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常を検出する第3の異常検出手段が構成されている。ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常を検出した場合には、制御部11aは、LED表示器9(報知部)を用いて、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常であることを示す所定の報知、例えば、橙色のLED表示器を点滅させることによる報知を行うことができる。
【0041】
遠隔管理サーバ6は、各マルチ給湯システムの通信アダプタ11から、個々のマルチ給湯システムを構成する複数台の給湯器3、親シスコン1並びに子シスコン2のそれぞれの接続関係を示すシステム構成情報を取得して各マルチ給湯システム毎に管理するものであり、ファイルサーバの形態で構成されていてもよいし、リレーショナルデータベースサーバの形態で構成されていてもよく、その他適宜の形態であってよい。本実施形態では、遠隔管理サーバ6は、各マルチ給湯システム毎に、最上位の構成機器を筆頭に階層的に接続されてなる接続関係を特定可能な態様のデータベース様式のシステム構成情報として管理しているとともに、各マルチ給湯システムにおける燃料使用量やピーク台数等の運転履歴情報を管理している。
【0042】
監視端末7並びに携帯端末8は、遠隔管理サーバ6が管理する上記システム構成情報を参照して、
図2に示すように、エラーが発生しているマルチ給湯システムの一覧表と、全てのマルチ給湯システムの一覧表とを、表示可能に構成されている。また、図示していないが、特定のマルチ給湯システムを指定して、指定されたマルチ給湯システムにおける複数台の給湯器3、親シスコン1並びに子シスコン2のそれぞれの接続関係を階層構造のダイアグラムを用いて表示画面に表示可能にも構成されている。なお、各端末7,8に、遠隔管理サーバ6が管理するシステム構成情報を参照して所望のマルチ給湯システムにおける構成機器の接続関係を表示するためのプログラムをインストールしておくこともできるし、各端末7,8を単なる表示端末とし、管理サーバ6側で生成した上記一覧表やシステム構成図を各端末7,8に転送して表示させることも可能である。
【0043】
また、監視端末7並びに携帯端末8は、所定の操作を行うことによって指定したマルチ給湯システムの通信アダプタ11に対し、インターネットを介して直接、或いは、遠隔管理サーバ6を介して間接的に構成情報取得要求を発行可能に構成されている。
【0044】
通信アダプタ11は、親シスコン1、リモコン4及び子シスコン2と相互に通信可能に構成されており、通信アダプタ11が子シスコン2と通信する際には親シスコン1が通信の中継機器として機能する。なお、通信アダプタ11は、各システムコントローラ1,2及び給湯器3に対し接続箇所毎に固有の機器IDを付与しており、具体的には、例えば、通信アダプタ11の接続ポートにID01、親シスコン1の1番目から4番目の下位側接続ポートにID02〜ID05、ID02の子シスコン2の下位側接続ポートにID06〜ID11、ID03の子シスコン2の下位側接続ポートにID12〜ID17、ID04の子シスコン2の下位側接続ポートにID18〜ID23、ID05の子シスコン2の下位側接続ポートにID24〜ID29を付与して、各ポートに接続された機器をこれら機器IDを用いて管理する。
【0045】
また、通信アダプタ11の制御部11aは、親シスコン1と複数の子シスコン2との接続関係、並びに、各子シスコン2と複数台の給湯器3との接続関係がそれぞれ正常であるか否かを親シスコン1及び子シスコン2のそれぞれに対する通信によって取得したシステム構成情報に基づいて判定する誤接続判定処理部としても機能する。
【0046】
一実施例において、通信アダプタ11の制御部11aによる誤接続判定処理は、通信アダプタ11に設けられた操作部(図示せず)の所定の試運転開始操作を行うことで実行される通信アダプタ11の試運転時に上記接続関係の判定処理を行うよう構成できる。制御部11aは、試運転が開始されると、マルチ給湯システムを構成するシステムコントローラ1,2に対して接続情報取得要求を発行し、各システムコントローラ1,2との通信結果ならびに各システムコントローラ1,2から返信された情報を集約することによってマルチ給湯システムのシステム構成情報を取得する。
【0047】
かかるシステム構成情報取得処理の一例を
図1に示すシステム構成に基づいて具体的に説明すると、通信アダプタ11の制御部11aは、まず、ID01の機器、すなわち、通信アダプタ11に直接接続された親シスコン1に対して、接続情報取得要求を発行する。
【0048】
親シスコン1の制御部1aは、通信アダプタ11から接続情報取得要求を受信すると、自機が管理している接続情報「1 1101」を要求元、すなわち通信アダプタ11に対して返信する。なお、接続情報の返信の際に、自機が記憶保持している自機の機種情報をも付加することもできる。
【0049】
通信アダプタ11の制御部11aは、親シスコン1からの返信があれば、親シスコン1から返信された接続情報「1 1101」を解析することにより、ID01の機器は親シスコン1であるとともに、親シスコン1の1番目、2番目及び4番目の下位側接続ポートに下位側機器が接続され、3番目の下位側接続ポートには下位側機器が接続されていないと判定する。
【0050】
一方、接続情報取得要求発行後所定時間を経過しても親シスコン1からの返信がない場合、並びに、返信された接続情報が「1 0000」であった場合、すなわち子シスコン2が1台も接続されていない場合には、接続関係に異常があると判定する。通信アダプタ11の制御部11aは、接続関係に異常があると判定されると試運転を中断し、通信アダプタ11に設けられた複数のLED表示器9やブザー(図示せず)などを用いて接続関係に異常があることを施工者に報知する。なお、異常の種類によって報知態様、例えばLED表示器の点滅回数や点滅速度や表示する数字など、を変えることによって、どのような種類の異常であるかを判別可能とすることもでき、例えば上記の例においては、親シスコン1からの返信がない場合と、子シスコン2が1台も接続されていない場合とで報知態様を異ならせることが可能である。
【0051】
また、返信された接続情報が親シスコン1のものでない場合、すなわち、上記接続情報に含まれる識別符号が「1」でない場合も接続関係に異常があると判定させることもできるが、必要に応じて通信アダプタ11に1台の子シスコン2のみを直接接続することを許容することもでき、この場合は、返信された接続情報の解析によって、ID01の機器が子シスコン2であり、子シスコン2の何番目のポートに給湯器3が接続されているかを判定できる。
【0052】
親シスコン1からの返信があると、次に、通信アダプタ11の制御部11aは、親シスコン1から返信された上記接続情報に基づき、親シスコン1に接続されているすべての2階層目の下位側機器、すなわち子シスコン2に対して機器IDを用いて順次接続情報取得要求を発行する。図示例では、ID02,ID03及びID05の下位側接続ポートに下位側機器が接続されていることが判明しているため、これら親シスコン1の下位側接続ポートを介して各下位側機器に対して接続情報取得要求を発行する。
【0053】
子シスコン2の制御部2aは、通信アダプタ11から接続情報取得要求を受信すると、自機が管理している接続情報を通信アダプタ11に対して返信する。この場合も、接続情報の返信の際に、自機が記憶保持している自機の機種情報をも付加することができる。
【0054】
通信アダプタ11の制御部11aは、各下位側機器からの返信があれば、返信された接続情報を解析し、接続情報が「0 000000」である場合には、当該下位側機器は、給湯器3であるか、若しくは、給湯器3が一台も接続されていない子シスコン2であると判定できるので、この場合も接続関係が異常であると判定して、同様の報知を行う。さらに、下位側機器から返信された接続情報に含まれる識別符号が「1」であるとき、すなわち下位側機器として親シスコン1が接続されている場合にも、接続関係が異常であると判定して報知することができる。
【0055】
さらに、各子シスコン2の下位にさらにシステムコントローラが接続されている場合にも、接続関係が異常であると判定して報知を行わせることも可能であり、各子シスコン2の下位に接続されている機器がシステムコントローラであるか否かの判定は、当該機器から取得する機器情報を用いて行ってもよいし、また、子シスコン2から取得した接続情報に基づいてさらに下位の3階層目の機器に対する接続情報取得要求の発行を行い、3階層目の機器から返信される接続情報に基づいて4階層目の機器の存在が確認されたことをもって各子シスコン2の下位に接続されている機器がシステムコントローラであると判定させることもできる。
【0056】
なお、通信アダプタ11の制御部11aは、子シスコン2に対する接続情報取得要求処理の後、接続されているすべての給湯器3と通信することによって、各給湯器3の機種を特定するための機器情報、並びに、上記した運転状態情報を収集して、システム構成情報に付加することもできる。
【0057】
親シスコン1及び接続されているすべての子シスコン2から返信される接続情報に異常を検知しなければ、接続関係が正常であることを報知するとともに、取得したすべての接続情報を集約して、マルチ給湯システム全体のシステム構成情報を含む遠隔管理サーバ6宛のデータ送信リクエストをルータ装置12に対して送信することにより、該ルータ装置12を介してシステム構成情報を遠隔管理サーバ6に送信し、試運転を終了する。
【0058】
試運転を終了すると、通信アダプタ11の制御部11aは通常運転を開始し、所定時間毎、例えば60分毎に上記試運転と同様にシステム構成情報を親シスコン1との通信によって取得して遠隔管理サーバ6に送信するよう構成されている。また、通常運転中に、いずれかの端末7,8から構成情報取得要求が発行されると、より短い時間間隔、例えば1分毎にシステム構成情報を親シスコン1に送信するように通信アダプタ11の制御部11aを構成することによって、マルチ給湯システムのシステム構成の変更作業に応じてリアルタイムに各端末7,8の表示を更新することができる。これら通常運転時の60分毎、或いはリアルタイム更新中の1分毎のシステム構成情報の送信時にも、通信アダプタ11の制御部11aは、上述したように通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信の異常検出と、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常検出とを行って、いずれかの異常が検出された場合には異常の種類に応じた報知を行うことができる。
【0059】
上記実施形態に係る通信アダプタ11によれば、親シスコン1と通信アダプタ11との間の通信異常、通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信異常、並びに、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信異常のいずれが発生したのかを適確に検出して、異常箇所に応じて識別可能なように色を変えてLED表示器9を用いて報知することによって、施工業者や修理業者やユーザに対して故障箇所を分かりやすく報知することができる。
【0060】
また、本発明は、遠隔管理サーバ6によって通信異常箇所を判定させるよう構成させることもでき、かかる判定のための制御構成について以下説明する。
【0061】
遠隔管理サーバ6は、通信アダプタ11から、上述した「2芯通信異常」のエラー通知を受信すると、当該マルチ給湯システムの通信アダプタ11と親シスコン1との間の通信に異常が発生したと判定して、当該マルチ給湯システムのエラー情報として登録する。而して、かかる判定処理を行う遠隔管理サーバ6によって第1の異常判定手段が構成されている。上記エラー情報が登録されると、各端末7,8で
図2に示す一覧表示を行った場合に、異常が発生したマルチ給湯システムがエラー発生状況一覧リストに表示されるとともに、通信アダプタ11と親シスコン1との間の通信異常であることを示すエラーコード(例えば「X60」)が表示されるようになっている。なお、エラー発生状況一覧リストには何らかのエラー通知がなされているマルチ給湯システムのみが表示される。また、全システム運転状況一覧リストにはすべてのマルチ給湯システムの情報が一覧表示される。
【0062】
また、遠隔管理サーバ6は、定期的に(例えば5分毎)に、ルータ装置12と正常に通信可能か否か確認するための通信確認処理を行うように構成されている。これは例えば、ICMPメッセージなどの適宜のリクエストをルータ装置12に対して定期的に行い、その応答が正常になされるか否かによって確認できる。そして、ルータ装置12からの応答が正常になされなければ、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信に異常が発生したと判定して、当該マルチ給湯システムのシステム情報として登録する。而して、かかる判定処理を行う遠隔管理サーバ6によって、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信の異常発生を判定する第3の異常判定手段が構成されている。ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信異常情報が登録されると、各端末7,8で
図2に示す一覧表示を行った場合、全システム運転状況一覧リストの当該マルチ給湯システムに関するレコードのルータ接続の欄に「×」が表示されるようになっている。
【0063】
さらに、遠隔管理サーバ6は、各マルチ給湯システムからシステム構成情報を受信した最新の日時を各マルチ給湯システムのシステム構成情報に関連付けて記憶しており、90分間以上システム構成情報を受信しておらず、かつ、ルータ接続状況が「○」である場合には、当該マルチ給湯システムの通信アダプタ11とルータ装置12との間のEthenet通信に異常が発生したと判定して、当該マルチ給湯システムのレコード全体の表示色を変える(例えば背景色を赤色にするなど)ように構成されている。
図2に示す例では、システムIDが「R90212」のマルチ給湯システムのレコード全体が異なる色で表示されており、これにより通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信異常の発生を分かりやすく報知できる。
【0064】
上記実施形態に係る遠隔管理サーバ6によれば、親シスコン1と通信アダプタ11との間の通信異常と、通信アダプタ11とルータ装置12との間の通信異常と、ルータ装置12と遠隔管理サーバ6との間の通信異常とを遠隔で適確に判定することができ、各端末7,8を用いて遠隔管理サーバ6で管理されているシステム構成情報を確認することによってどの箇所で通信異常が発生しているのかを容易に把握できるため、遠隔での電話サポートによる修理指示などを的確に行えるとともに、現場に携帯端末8を持ち込むことによってより詳細なシステム構成情報を現場で確認することもでき、メンテナンスのスピードと品質とを向上できる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。例えば、通信アダプタ11と親シスコン1及びリモコン4との間の通信プロトコル、親シスコン1と子シスコン2との間の通信プロトコル、並びに、子シスコン2と給湯器3との間の通信プロトコルは適宜のものであってよいが、これら各階層の通信プロトコルは共通のものであってよい。
【0066】
また、通信アダプタは、所定のタイミングで自律的にシステム構成情報の取得及び遠隔管理サーバへの送信を行うものであってもよいし、また、遠隔管理サーバやその他の端末からの情報取得要求に応じてシステム構成情報の取得及び遠隔管理サーバへの送信を行うものであってもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、通信装置10は、通信アダプタ11とルータ装置12とを一体に備えて構成したが、
図3に示すように、通信装置10を、別ユニットとして構成された通信アダプタ11(情報収集部)とルータ装置12(通信中継部)とを相互に無線通信可能に組み合わせたものとすることもできる。例えば、ルータ装置12としては、各家庭や施設に既設の無線LANルータなどを用いることができる。この場合、通信アダプタ11の通信回路部11cは、無線LAN/有線LANコンバータを内蔵することで、ルータ装置12と無線通信可能に接続され、好ましくは、無線LAN自動設定機能を具備させることにより、簡単な操作で容易に通信装置10とルータ装置12との通信を確立できる。
【0068】
また、
図3に示す実施形態では、ルータ装置12の通信回路部12cは、例えば光回線終端装置(ONU)やターミナルアダプタ(TA)などにより構成でき、光回線や電話回線等を介してインターネットに有線接続されている。なお、これら光回線終端装置やターミナルアダプタは、ルータ装置12とは別個のユニットとしてさらに構成されていてもよい。