特許第6747643号(P6747643)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747643
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】積層セラミック電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20200817BHJP
【FI】
   H01G4/30 201K
   H01G4/30 201D
   H01G4/30 201L
   H01G4/30 515
   H01G4/30 516
   H01G4/30 512
【請求項の数】23
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-46820(P2016-46820)
(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公開番号】特開2017-28246(P2017-28246A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2019年1月17日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0103745
(32)【優先日】2015年7月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、クム ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、チャン ハク
(72)【発明者】
【氏名】ヨー、ジョン ホーン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドー ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン、ミン ギ
(72)【発明者】
【氏名】リー、チ ファ
(72)【発明者】
【氏名】リー、チュル セウン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジョン ハン
【審査官】 上谷 奈那
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−067418(JP,A)
【文献】 特開2013−236060(JP,A)
【文献】 特開2004−311985(JP,A)
【文献】 特開2011−210826(JP,A)
【文献】 特開2009−260200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層を有し、内部電極が交互に積層されたセラミック本体を含み、
前記誘電体層は短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレインを少なくとも一つ以上含み、前記内部電極は誘電体グレインの粒成長調節成分を含むセラミック共材を含み、前記誘電体層は、前記内部電極と隣接した界面部、及び前記界面部の間に配置される中央部で構成され、前記中央部は粒成長調節成分の濃度が界面部に比べて高い、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
前記短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレインは、一つの誘電体層内の誘電体グレインの総個数対して0.1〜30%の個数で含まれる、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記内部電極は、内部にトラップされたセラミック共材を含み、前記内部電極の全体の断面積において前記セラミック共材が占める断面積は3〜30%である、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記誘電体層の厚さ(T1)に対する前記内部電極と隣接した界面部に存在する誘電体グレインの厚さ(T2)の比(T2/T1)は10〜45%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記界面部の間に配置される中央部の誘電体グレインの平均粒径は、前記界面部に存在する誘電体グレインの平均粒径の85%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
前記誘電体層の厚さ(T1)に対する前記内部電極と隣接した界面部に存在する誘電体グレインの厚さ(T2)の比(T2/T1)は2〜30%である、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項7】
前記界面部に存在する誘電体グレインの平均粒径は、前記界面部の間に配置される中央部の誘電体グレインの平均粒径の85%以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項8】
誘電体層を有し、内部電極が交互に積層されたセラミック本体を含み、
前記誘電体層は短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレインを少なくとも一つ以上含み、前記内部電極は粒成長促進剤及び粒成長抑制剤のいずれか一つ以上である誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、前記誘電体層はセラミック本体の厚さ方向で誘電体グレインの粒成長調節成分の濃度勾配を有し、
前記誘電体層は、前記内部電極と隣接した界面部、及び前記界面部の間に配置される中央部を含み、前記中央部は粒成長抑制剤の濃度が界面部に比べて高い、積層セラミック電子部品。
【請求項9】
前記誘電体層は、前記内部電極と隣接した界面部、及び前記界面部の間に配置される中央部を含み、前記中央部は前記界面部より粒成長促進剤の濃度が低い、請求項8に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項10】
前記界面部は粒成長促進剤の濃度が中央部に比べて高い、請求項8に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項11】
前記誘電体層の厚さ(T1)に対する前記内部電極と隣接した界面部に存在する誘電体グレインの厚さ(T2)の比(T2/T1)は10〜45%である、請求項9または10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項12】
前記界面部の間に配置される中央部の誘電体グレインの平均粒径は、前記界面部に存在する誘電体グレインの平均粒径の85%以下である、請求項9または10に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項13】
誘電体層を有し、内部電極が交互に積層されたセラミック本体を含み、
前記誘電体層は短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレインを少なくとも一つ以上含み、前記内部電極は粒成長促進剤及び粒成長抑制剤のいずれか一つ以上である誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、前記誘電体層はセラミック本体の厚さ方向で誘電体グレインの粒成長調節成分の濃度勾配を有し、
前記誘電体層は、前記内部電極と隣接した界面部、及び前記界面部の間に配置される中央部を含み、前記中央部は粒成長促進剤の濃度が界面部に比べて高い、積層セラミック電子部品。
【請求項14】
前記界面部は粒成長抑制剤の濃度が中央部に比べて高い、請求項13に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項15】
前記誘電体層の厚さ(T1)に対する前記内部電極と隣接した界面部に存在する誘電体グレインの厚さ(T2)の比(T2/T1)は2〜30%である、請求項13または14に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項16】
前記界面部に存在する誘電体グレインの平均粒径は、前記界面部の間に配置される中央部の誘電体グレインの平均粒径の85%以下である、請求項13または14に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項17】
平行して交互に積層された複数の内部電極と、その間に配置された複数の誘電体層と、を含むセラミック本体を含み、
前記内部電極及び誘電体層は前記セラミック本体の厚さ方向に積層され、各誘電体層は粒成長促進剤及び粒成長抑制剤のうちのいずれか一つ以上である粒成長調節成分を含み、前記誘電体層の厚さ方向で粒成長調節成分の濃度勾配を有し、
前記誘電体層は、前記内部電極と隣接した界面部、及び前記界面部の間に配置される中央部を含み、前記中央部は粒成長抑制剤の濃度が界面部に比べて高い、積層セラミック電子部品。
【請求項18】
前記粒成長調節成分は、Li、Bi、B、Na、K、Mg、Si、V、Yb、Y、Zr及びSのうちのいずれか一つ以上である、請求項17に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項19】
前記複数の内部電極は、前記誘電体層と同一の粒成長調節成分を含む、請求項17または18に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項20】
前記複数の内部電極は、前記誘電体層と同一の粒成長調節成分がドープされたセラミック成分を含む、請求項19に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項21】
前記界面部は粒成長促進剤の濃度が中央部に比べて高い、請求項17から20のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項22】
平行して交互に積層された複数の内部電極と、その間に配置された複数の誘電体層と、を含むセラミック本体を含み、
前記内部電極及び誘電体層は前記セラミック本体の厚さ方向に積層され、各誘電体層は粒成長促進剤及び粒成長抑制剤のうちのいずれか一つ以上である粒成長調節成分を含み、前記誘電体層の厚さ方向で粒成長調節成分の濃度勾配を有し、
前記誘電体層は、前記内部電極と隣接した界面部、及び前記界面部の間に配置される中央部を含み、前記中央部は粒成長促進剤の濃度が界面部に比べて高い、積層セラミック電子部品。
【請求項23】
前記内部電極の間に配置された誘電体層の厚さ方向に少なくとも一層当たり1個〜5個の誘電体グレインを含む、請求項17から22のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシタ、インダクタ、圧電体素子、バリスタまたはサーミスタなどのセラミック材料を用いる電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体と、本体の内部に形成された内部電極、及び上記内部電極と接続されるようにセラミック本体の表面に設置された外部電極と、を備える。
【0003】
このうち、積層セラミックキャパシタは、通常的に内部電極用ペーストと誘電体層用ペーストをシート法や印刷法などによって積層して焼成することで製造される。
【0004】
従来の積層セラミックキャパシタなどに用いられる誘電体材料はチタン酸バリウム(BaTiO)に基づいた誘電体材料を用いてきた。
【0005】
高信頼性を求める分野での多くの機能が電子化され、その需要が増加することにより、これに応じて積層セラミック電子部品にも高信頼性が求められている。
【0006】
一方、積層セラミック電子部品の開発が進行するにつれて、高容量、高信頼性の特性をいかに実現することができるのかが重要な問題として浮び上がっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第1999−0075846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例の目的は、積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、誘電体層を有し、内部電極が交互に積層されたセラミック本体を含み、上記誘電体層は短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレインを少なくとも一つ以上含み、上記内部電極は誘電体グレインの粒成長調節成分を含むセラミック共材を含み、上記誘電体層は、上記内部電極と隣接した界面部、及び上記界面部の間に配置される中央部で構成され、上記界面部と中央部の粒成長調節成分の濃度が異なる積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明の他の実施形態によれば、誘電体層を有し、内部電極が交互に積層されたセラミック本体を含み、上記誘電体層は短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレインを少なくとも一つ以上含み、上記内部電極は粒成長促進剤及び粒成長抑制剤のいずれか一つ以上である誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、上記誘電体層はセラミック本体の厚さ方向で誘電体グレインの粒成長調節成分の濃度勾配を有する積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、誘電率の上昇に伴い、容量が増加した積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することができる。
【0012】
また、本発明の一実施形態によれば、DC−bias特性に優れ、絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage、BDV)が高く、絶縁抵抗(Insulation Resistance、IR)も高いため、信頼性が向上した積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品を示す斜視図である。
図2図1のA−A'線に沿った断面図である。
図3】本発明の第1実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
図4】本発明の第2実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
図5】本発明の第3実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
図6】本発明の第4実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
図7】本発明の一実施形態によって焼成が完了した積層体を切断して内部電極と誘電体層の断面を観察した走査型電子顕微鏡(SEM)の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがあり、図面上において同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0015】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100を示す概略的な斜視図であり、図2図1の積層セラミック電子部品100のA−A'線に沿った断面に対する概略的な断面図である。
【0016】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、セラミック本体110と、上記セラミック本体の外部面に配置される外部電極131、132と、を含む。
【0017】
上記セラミック本体110は、電子部品の容量形成に寄与する部分としての活性層と、上下マージン部として活性層の上下部にそれぞれ形成された上部及び下部カバー層と、を含む。上記活性層は、誘電体層111と内部電極121、122を含み、内部電極121、122が印刷された誘電体層111が積層されて形成されることができる。
【0018】
本発明の一実施形態において、セラミック本体110の形状は、特に制限されないが、実質的に六面体形状であることができる。セラミック本体110は、チップの焼成時にセラミック粉末の焼成収縮、内部電極パターンの有無による厚さの差異及びセラミック本体の角部の研磨により、完全な六面体状ではないが、実質的に六面体に近い形状を有することができる。
【0019】
上記内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層されることができ、内部電極の間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に絶縁される。
【0020】
上記内部電極121、122は、第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができ、上記第1内部電極及び上記第2内部電極は上記誘電体層上において互いに交互に積層されることができる。
【0021】
上記内部電極121、122の厚さ及び積層数は用途に応じて決定されることができる。
【0022】
また、これに制限されないが、上記内部電極121、122は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、またはこれらの合金を含むことができる。
【0023】
上記第1及び第2内部電極121、122に含有される導電性材料は、特に限定されないが、ニッケル(Ni)を用いることができる。
【0024】
上記誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック組成を含み、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系誘電体を含むことができる。
【0025】
上記チタン酸バリウム(BaTiO)系誘電体は、純粋なチタン酸バリウム、またはチタン酸バリウムのBaサイト(Aサイト)及びTiサイト(Bサイト)が他の添加元素でドーピングされた化合物を含む意味として理解されることができる。
【0026】
図3は本発明の第1実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
【0027】
図3を参照すると、本発明の第1実施形態による積層セラミック電子部品において、上記誘電体層111は、短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11を少なくとも一つ以上含む。
【0028】
積層セラミック電子部品、特に、積層セラミックキャパシタが超小型及び超薄層化するにつれて、誘電体材料の微粒化が必然的に必要になり、誘電体材料が微粒化する場合、誘電体層内の誘電体グレインのサイズが小さくなる。
【0029】
これにより、従来の積層セラミックキャパシタにおいて、誘電体グレインは誘電体層の厚さ方向に一層当たり5個以上が配置される形状が一般的であった。
【0030】
しかし、誘電体層内の誘電体グレインのサイズが小さい場合、誘電率が低くなるという問題があるため、超高容量の積層セラミックキャパシタを実現するために誘電体グレインのサイズが大きくなければならず、必要な特性を実現するために誘電体グレインの形態を制御できなければならない。
【0031】
本発明の第1実施形態によれば、誘電体層111は、短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11を少なくとも一つ以上含むため、従来に比べて誘電体グレインのサイズが大きくなり超高容量の積層セラミックキャパシタを実現することができる。
【0032】
また、上記誘電体グレイン11は、従来と異なり、誘電体層111の厚さ方向に一層当たり1個または2個〜5個であってよい。
【0033】
特に、短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11の場合は、図3に示されているように、誘電体層111の厚さ方向に一層当たり1個だけが存在することができる。
【0034】
即ち、本発明の一実施形態によれば、一層の誘電体層111には短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が少なくとも一つ以上含まれ、この誘電体グレインの場合は、誘電体層111の厚さ方向に1個だけが配置される形状を有する。
【0035】
本発明の一実施形態において、誘電体グレイン11の短軸と長軸は、図3に示されているように定義されることができる。
【0036】
即ち、上記誘電体グレイン11の長軸と短軸は、誘電体グレインの境界で測定される最長距離と最短距離と定義されることができる。
【0037】
例えば、図3に示されているように、最長距離は誘電体グレイン11の対角線方向の両境界間の距離であることができ、最短距離は誘電体層の厚さ方向の境界間の距離であることができる。
【0038】
上記のように定義されることができる理由は、本発明の一実施形態による誘電体グレイン11の形状が従来と異なって横の長さが縦の長さより長い四角形形状を有するためである。このような形状は、図7に示された誘電体層の断面を観察した走査型電子顕微鏡(SEM)の写真から確認できる。
【0039】
本発明の第1実施形態のように、一層の誘電体層111に短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が少なくとも一つ以上含まれる場合、高誘電率を得ることができる。
【0040】
したがって、超高容量の積層セラミックキャパシタを実現することができ、これは、従来の一般の積層セラミックキャパシタの誘電体層に形成された誘電体グレインに比べて2倍以上の誘電率を実現することができる。
【0041】
具体的には、誘電体グレインが誘電体層の厚さ方向に一層当たり5個以上が配置される一般の積層セラミックキャパシタの場合は誘電率が3000程度実現されることができるが、本発明の一実施形態によれば、誘電率が7000程度実現されることができる。
【0042】
一層の誘電体層111に短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が存在しない場合、即ち、一層の誘電体層111に存在する誘電体グレイン11の短軸に対する長軸の比が3.5未満である場合は、本願発明の第1実施形態と同一の高誘電率を実現することができない。
【0043】
一方、本願発明の第1実施形態のように、一層の誘電体層111に短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が存在する場合、絶縁抵抗が劣化するという現象が発生しかねない。
【0044】
しかし、後述の通り、誘電体層111の界面部の粒成長調節成分の濃度を調節することにより上記問題点を解決することができる。これに対するより詳細な事項は後述する。
【0045】
一方、一層の誘電体層111に短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が少なくとも一つ以上含まれるように誘電体グレインの形状を制御する方法は以下のように行われることができる。
【0046】
即ち、内部電極121、122に含まれるセラミック共材が誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、焼成過程で上記誘電体グレインの粒成長調節成分が誘電体層にスクィーズアウト(Squeeze out)されるとき、誘電体層の位置別の粒成長調節成分の濃度を制御することにより行われることができる。
【0047】
粒成長調節成分は、粒成長促進剤または粒成長抑制剤であってよく、粒成長促進剤及び抑制剤の両方であってよい。
【0048】
上記粒成長促進剤は、Li、Bi、B、Na及びKのうちいずれか一つ以上であることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0049】
また、上記粒成長抑制剤は、Mg、Si、V、Yb、Y、Zr及びSのうちいずれか一つ以上であることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0050】
具体的には、本発明の一実施形態によれば、上記内部電極121、122は、誘電体グレイン11の粒成長調節成分を含むセラミック共材を含み、上記誘電体層111は、上記内部電極121、122と隣接した界面部111b、及び上記界面部111bの間に配置される中央部111aで構成され、上記界面部111bと中央部111aの粒成長調節成分の濃度が異なる。
【0051】
特に、本発明の第1実施形態のように、一層の誘電体層111に短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が少なくとも一つ以上含まれるようにする方法は、誘電体層111において界面部111bの粒成長促進剤の濃度を上記中央部111aよりさらに高く調節することで行われることができる。
【0052】
上記のように、誘電体層111の界面部111bと中央部111aの粒成長調節成分の濃度を異なるように調節する方法及びそのメカニズムに対するより詳細な説明は後述する。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、上記短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11は一つの誘電体層111内に0.1〜30%含まれることができる。
【0054】
具体的には、短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が一つの誘電体層111内で誘電体グレイン500個のうち1個存在する場合、一つもない場合に比べて誘電率が2%以上上昇することができる。
【0055】
また、短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が一つの誘電体層111内で誘電体グレイン100個のうち1個存在する場合、一つもない場合に比べて誘電率が13%以上上昇することができる。
【0056】
なお、短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が一つの誘電体層111内で誘電体グレイン10個のうち1個が存在する場合、一つもない場合に比べて誘電率が130%以上上昇することができる。
【0057】
一方、上記短軸に対する長軸の比が2.0以上である誘電体グレイン11は、一つの誘電体層111内に5%以上26%以下含まれることができる。
【0058】
また、上記短軸に対する長軸の比が1.5以上である誘電体グレイン11は、一つの誘電体層111内に30%以上77%以下含まれることができる。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、上記内部電極121、122は、内部にトラップ(trap)されているセラミック共材21を含む。
【0060】
上記セラミック共材21は、添加剤がドーピングされた誘電体で、例えば、添加剤がドーピングされたチタン酸バリウム系誘電体であることができる。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、内部電極121、122の内部にトラップされているセラミック共材21に添加剤がドーピングされているため、純粋なチタン酸バリウム誘電体を共材として用いた場合より共材の耐還元性が向上することができ、焼成後の共材の絶縁特性が向上することができる。
【0062】
これにより、内部電極121、122内にトラップされたセラミック共材21の耐還元性及び絶縁特性の向上により、内部電極に過電流が流れるのを抑制することができ、内部電極が過熱しても電極の玉化及び切れを防いで絶縁劣化の発生を減らすことができるため、積層セラミック電子部品の長期信頼性を向上させることができる。
【0063】
上記添加剤は、カルシウム(Ca)、原子価アクセプタ元素及び希土類元素からなる群より選択される一つ以上の元素であることができる。
【0064】
上記原子価アクセプタ元素は、マグネシウム(Mg)及びマンガン(Mn)の一つ以上を含み、上記希土類元素は、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)のうち一つ以上を含む。
【0065】
特に、上記セラミック共材は誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、粒成長調節成分は、粒成長促進剤または粒成長抑制剤であってよく、粒成長促進剤及び抑制剤の両方であってよい。
【0066】
上記粒成長促進剤は、Li、Bi、B、Na及びKのうちいずれか一つ以上であることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0067】
また、上記粒成長抑制剤は、Mg、Si、V、Yb、Y、Zr及びSのうちいずれか一つ以上であることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0068】
後述するが、本発明の一実施形態によれば、上記内部電極121、122に含まれるセラミック共材21の添加剤組成を通じて上記誘電体層111の組成を調節することができる。
【0069】
したがって、誘電体層111の物性を実現するために、上記添加剤は、適切に選択されることができる。
【0070】
例えば、上記セラミック共材21は、原子価アクセプタ元素のうち一つ以上及びカルシウム(Ca)が共ドーピング(co−doping)された誘電体であることができる。
【0071】
また、上記セラミック共材21は、希土類元素のうち一つ以上及びカルシウム(Ca)が共ドーピングされた誘電体であってよく、または原子価アクセプタ元素のうち一つ以上及び希土類元素のうち一つ以上が共ドーピングされた誘電体であってよい。
【0072】
なお、上記セラミック共材21は、原子価アクセプタ元素のうち一つ以上、希土類元素のうち一つ以上及びカルシウム(Ca)が共ドーピングされた誘電体であってよい。
【0073】
本発明の一実施形態によれば、上記内部電極121、122の断面積において上記セラミック共材21が占める断面積は3〜30%であることができる。
【0074】
上記内部電極の面積においてセラミック共材が占める面積が3%以下である場合、絶縁劣化の発生を減少させるという効果が大きく示されず、セラミック共材が占める面積が30%以上である場合、内部電極内の非伝導性領域の増加で内部電極の連結性が低下して容量が低くなるという問題が発生しかねない。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層111は上記セラミック共材21に含まれた添加剤と同一の添加剤を含み、上記誘電体層は誘電体層の厚さ方向で上記添加剤元素が濃度勾配(gradient)を有する。
【0076】
例えば、上記誘電体層は、内部電極と隣接した界面から厚さ方向の中心部に行くほど添加剤の濃度が次第に減少することができる。
【0077】
また、本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層は、セラミック本体の厚さ方向で誘電体グレインの粒成長調節成分が濃度勾配(gradient)を有する。
【0078】
上記誘電体層111内に存在する添加剤は、内部電極ペーストに含まれたセラミック共材が焼成過程で内部電極ペーストから抜け出て誘電体層の一部を形成する過程で誘電体層に含まれることができる。
【0079】
これにより、上記誘電体層111内で添加剤及び誘電体グレインの粒成長調節成分の濃度は、誘電体層の厚さ方向の中心付近と、誘電体層111と内部電極121、122の界面付近(内部電極と隣接した領域)で異なる。
【0080】
上述の通り、誘電体層111内で添加剤及び誘電体グレインの粒成長調節成分の濃度が位置別に異なるため、誘電体グレインの形状を制御することができ、誘電体層の中央部と界面部における誘電体グレインの形状を異なるように制御することもできる。
【0081】
例えば、図3に示されているように、一層の誘電体層111に短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11が少なくとも一つ以上含まれる場合、誘電体層111において界面部111bの粒成長促進剤の濃度が上記中央部111aよりさらに高い。
【0082】
上記界面部111bと中央部111aは、誘電体層内で区分されるのではなく、一体で形成されるものであり、内部電極との距離で区分されることができる。
【0083】
本発明の一実施形態において、上記界面部111bは、上記内部電極と上記誘電体層との界面からの距離が上記誘電体層の厚さの20%以内の領域と定義される。
【0084】
誘電体層の材料として用いられるチタン酸バリウム(BaTiO)は、高誘電率を実現することができるが、耐還元性がよくないため、誘電体層及び内部電極を薄層化する場合、信頼性の確保が困難であるという問題がある。
【0085】
また、誘電体層の耐還元性及び信頼性の向上のために添加剤を含む誘電体層を用いる場合、誘電率が低下し、誘電損失(DF)が増加するという問題がある。
【0086】
したがって、本発明の一実施形態は、誘電体層が添加剤元素を含み、且つ、誘電体層の厚さ方向で均一に含まれず、内部電極と隣接した誘電体層の界面部で添加剤元素がさらに多く含まれるようにする。
【0087】
積層セラミック電子部品の使用過程で、誘電体層の損傷によって発生する絶縁劣化は主に内部電極と隣接した誘電体層の界面部に酸素空孔がたまるようになって発生する。したがって、本発明の一実施形態のように、チタン酸バリウムの耐還元性及び信頼性を向上させる添加剤が誘電体層の界面部111bに主に存在するようにする場合、高誘電率、低誘電損失を実現しながら信頼性を向上させることができる。
【0088】
また、本発明の一実施形態によれば、誘電体層で酸素空孔が主にたまる内部電極の境界から全体の厚さの20%に該当する界面部における添加剤の濃度をさらに高くすることにより、効率的に高誘電率、低誘電損失を実現しながら信頼性を向上させることができる。
【0089】
本発明の一実施形態によれば、添加剤元素が誘電体層111の界面部111bに主に含まれるため、上記誘電体層の界面部111bは中央部111aより添加剤元素の濃度が高くてよい。
【0090】
本発明の一実施形態のように、添加剤元素が誘電体層に均一に含まれずに、中央部111aより界面部111bにさらに多く含まれることにより、誘電率の減少を防止し、誘電損失を減らしながら、信頼性が向上した積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0091】
後述する積層セラミック電子部品の製造方法でもう一度説明するが、上記誘電体層111及び内部電極121、122は、誘電体層を形成するセラミックグリーンシート上に内部電極ペーストを塗布した後、これらを積層した積層体を焼成して形成されることができる。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、内部電極の形成のための内部電極ペーストが添加剤元素がドーピングされたセラミック共材を含み、且つ、上記セラミック共材は誘電体グレインの粒成長調節成分を含むことにより、内部電極と隣接した誘電体層の界面部の添加剤の濃度が誘電体層の中央部の添加剤の濃度より高くてよい。また、上記誘電体層は、セラミック本体の厚さ方向で誘電体グレインの粒成長調節成分が濃度勾配(gradient)を有する。
【0093】
上記内部電極ペーストに含まれたセラミック共材は、内部電極ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを含む積層体の焼成過程で、内部電極から抜け出てセラミックグリーンシートに移動し、誘電体層の一部を形成することができる。このとき、内部電極と隣接した誘電体層の界面部に主に配置されることができる。
【0094】
同様に、上記のようなメカニズムにより、誘電体グレインの粒成長調節成分が内部電極と隣接した誘電体層の界面部に主に配置されることができる。
【0095】
上記のような方法の他にも、スパッタ(Sputtering)工法を用いて誘電体グレインの粒成長調節成分である粒成長促進剤または粒成長抑制剤を意図的に誘電体層の界面部に主に配置させることもできる。
【0096】
本発明の一実施形態によれば、内部電極ペーストに含まれるセラミック共材は、添加剤元素がドーピングされた誘電体を含むことにより、添加剤元素をドーピングさせずに別途の添加剤で内部電極ペーストに添加した場合、または添加剤を表面にコーティングしたセラミック共材を内部電極ペーストに添加した場合に比べて誘電体層の界面部に添加剤元素を均一に分布させることができる。
【0097】
本発明の一実施形態と異なり、セラミック共材で添加剤元素がチタン酸バリウム系化合物にドーピングされずに別途で存在する場合、内部電極の焼成過程で添加剤がセラミック共材または誘電体層を形成する母材誘電体の主成分に完全に固溶されないため偏析として存在する可能性がある。この場合、内部電極の連結性を低下させ、誘電体内の電気的特性を悪化させる二次相を形成して容量及び信頼性の低下を誘発しかねない。
【0098】
しかし、本発明の一実施形態のように、内部電極ペーストより焼成温度が高いセラミック共材として添加剤元素がドーピングされた誘電体を用いる場合、内部電極の焼成過程で添加剤の偏析及び添加剤による二次相の生成が抑制されて、容量の低下を防止し、信頼性を向上させることができる。
【0099】
また、焼成過程で内部電極とセラミックグリーンシートとの界面に押し出された共材は、セラミックグリーンシートに含まれた化合物とともに誘電体層を形成して誘電体層の誘電損失を減らすとともに、信頼性を向上させることができる。
【0100】
上記添加剤は、カルシウム(Ca)、原子価アクセプタ元素及び希土類元素からなる群より選択される一つ以上の元素であることができる。
【0101】
上記原子価アクセプタ元素は、マグネシウム(Mg)及びマンガン(Mn)の一つ以上を含み、上記希土類元素は、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ユーロピウム(Eu)、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)のうち一つ以上を含む。
【0102】
上記セラミック共材21にカルシウム(Ca)がドーピングされた場合、耐還元性が高く、酸素空孔の移動を抑制させて信頼性を向上させることができる。
【0103】
上記セラミック共材21に原子価アクセプタ元素(Mg、Mn)の一つ以上がドーピングされた場合、還元雰囲気の焼成時に誘電体が還元されて半導体化することを防止することができる。
【0104】
上記セラミック共材21に希土類元素(Y、Gd、Dy、Ho、Eu、Er、Yb)の一つ以上がドーピングされた場合、希土類元素がチタン酸バリウム系誘電体のAサイト及びBサイトですべて置換されることができるため、焼成中のバランスを維持することができ、これにより、積層セラミック電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0105】
一方、本発明の一実施形態によれば、これに制限されないが、上記誘電体層は、厚さ方向で一つの誘電体グレインで形成されることができ、上記誘電体層が一つの誘電体グレインで形成されても、上記誘電体グレインのコア部よりシェル部で添加剤元素の含量が高くてよい。
【0106】
また、上記誘電体層が一つの誘電体グレインで形成される場合、上記誘電体グレインのシェル部のうち、上記誘電体層の界面部に該当する領域が中央部に含まれた領域より添加剤元素の含量が高くてよい。
【0107】
上述の通り、内部電極ペーストに含まれたセラミック共材が焼成工程でセラミックグリーンシートとの界面に押し出されて誘電体層を形成する場合、上記セラミック共材を形成する添加剤がドーピングされた誘電体は、上記セラミックグリーンシートに含まれた誘電体粉末を取り囲んで誘電体グレインのシェル部を形成することができる。
【0108】
これにより、本発明の一実施形態によれば、上記界面部111bに含まれた誘電体グレインのシェル部は添加剤がドーピングされた誘電体を含み、上記誘電体層の界面部に含まれた誘電体グレインのシェル部はコア部より添加剤の含量が高くてよい。
【0109】
内部電極ペースト及びセラミックグリーンシートの焼成工程で内部電極ペーストから抜け出さない共材は、焼成後に内部電極内に残存して絶縁劣化の発生を減少させることができる。
【0110】
本発明の一実施形態によれば、焼成後に内部電極にトラップされたセラミック共材のサイズが1〜300nmであることができる。
【0111】
再び図1及び図2を参照すると、セラミック本体に含まれた上部及び下部カバー層は、単一の誘電体層または2つ以上の誘電体層を活性層の上下面にそれぞれ上下方向に積層して形成されたものであるとみなすことができ、物理的または化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を行うことができる。
【0112】
上記第1及び第2外部電極131、132は、セラミック本体110の両端部にそれぞれ配置されることができ、第1及び第2内部電極121、122の露出端部とそれぞれ電気的に連結されてキャパシタ回路を構成することができる。
【0113】
これに制限されるものではないが、上記外部電極は、導電性物質として銅(Cu)を含むことができる。また、これに制限されないが、上記外部電極131、132は、ガラスをさらに含むことができ、導電性物質及びガラスを含む外部電極用ペーストによって形成されることができる。上記外部電極用ペーストにおいてガラスはガラスフリットの形態で含まれることができる。
【0114】
上記外部電極は上記外部電極用ペーストを焼成して形成することができる。
【0115】
本発明の一実施形態によれば、厚さ方向で添加剤の濃度が異なる誘電体層を含むことにより、容量が高く、誘電損失が低く、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0116】
図4は本発明の第2実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
【0117】
図4を参照すると、誘電体層111は、厚さ方向で2つの誘電体グレインで形成されることが分かる。
【0118】
上記のような誘電体グレインの形状またはその配置を調節する方法は、誘電体層の中央部111aで粒成長促進剤の濃度が低く、粒成長促進剤の濃度が誘電体層111の界面部111bで高く、界面部111bと中央部111aの間の粒成長促進剤の濃度差が大きくなるように調節することで行われることができる。
【0119】
図4のような誘電体グレインの構造を有する場合、誘電率が高く、且つ、DC−bias特性に優れることができる。
【0120】
また、絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage、BDV)が図3に示された上述の本発明の第1実施形態に比べてさらに高く、例えば、約10%以上上昇することができる。
【0121】
具体的には、本発明の第2実施形態によれば、誘電率は約6000程度であってよく、DC 3V以上で容量変化率が70%以内であってよい。
【0122】
図5は本発明の第3実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
【0123】
図5を参照すると、誘電体層111は、厚さ方向で3つの誘電体グレインで形成され、且つ、誘電体層111の界面部111bの誘電体グレイン11bのサイズが中央部111aの誘電体グレイン11aのサイズに比べて大きく形成されることが分かる。
【0124】
上記のような誘電体グレインの形状またはその配置を調節する方法は、誘電体層111の中央部111aに粒成長抑制剤が含まれ、誘電体層111の界面部111bに粒成長促進剤が含まれるように調節して行われることができる。
【0125】
図5のような誘電体グレインを含む誘電体層の構造を有する場合、誘電率が高く、且つ、DC−bias特性に優れることができる。
【0126】
また、絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage、BDV)が図3に示された上述の本発明の第1実施形態に比べてさらに高く、例えば、約10%以上上昇することができる。
【0127】
具体的には、本発明の第3実施形態によれば、誘電率は約5000程度であってよく、DC 3V以上で容量変化率が60%以内であってよい。
【0128】
一方、本発明の第3実施形態によれば、上記誘電体層111の厚さ(T1)に対する上記内部電極121、122と隣接した界面部111bに存在する誘電体グレイン11bの厚さ(T2)の比(T2/T1)は10〜45%であってよい。
【0129】
また、上記界面部111bの間に配置される中央部111aの誘電体グレイン11aの平均粒径は、上記界面部111bに存在する誘電体グレイン11bの平均粒径の85%以下であってよい。
【0130】
図6は本発明の第4実施形態による図2のP領域に対する拡大図である。
【0131】
図6を参照すると、誘電体層111は、厚さ方向で3つの誘電体グレインで形成され、且つ、誘電体層111の界面部111bの誘電体グレイン11b'のサイズが中央部111aの誘電体グレイン11a'のサイズに比べて小さく形成されることが分かる。
【0132】
上記のような誘電体グレインの形状またはその配置を調節する方法は、誘電体層の中央部111aに粒成長促進剤が含まれ、誘電体層111の界面部111bには内部電極からスクィーズアウト(Squeeze−out)された粒成長抑制剤が含まれて、誘電体の粒成長を抑制することによって行われることができる。
【0133】
図6のような誘電体グレインを含む誘電体層の構造を有する場合、誘電率は上記第1〜第3実施形態に比べて相対的に低いが、一般の積層セラミックキャパシタの構造より高く、DC−bias特性に優れることができる。
【0134】
また、絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage、BDV)が図3に示された上述の本発明の第1実施形態に比べてさらに高く、例えば、約10%以上上昇することができる。
【0135】
なお、絶縁抵抗(Insulation Resistance、IR)が高く、偏差が少ないため信頼性に優れ、高温で静電容量の変化が少ない。
【0136】
具体的には、本発明の第4実施形態によれば、誘電率は約4000程度であってよく、DC 3V以上で容量変化率が60%以内であってよい。
【0137】
一方、本発明の第4実施形態によれば、上記誘電体層111の厚さ(T1)に対する上記内部電極121、122と隣接した界面部111bに存在する誘電体グレイン11b'の厚さ(T2)の比(T2/T1)は2〜30%であることができる。
【0138】
また、上記界面部111bに存在する誘電体グレイン11b'の平均粒径は、上記界面部111bの間に配置される中央部111aの誘電体グレイン11a'の平均粒径の85%以下であってよい。
【0139】
本発明の他の実施形態によれば、誘電体層111を有し、内部電極121、122が交互に積層されたセラミック本体110を含み、上記誘電体層111は短軸に対する長軸の比が3.5以上である誘電体グレイン11を少なくとも一つ以上含み、上記内部電極121、122は粒成長促進剤及び粒成長抑制剤のいずれか一つ以上である誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、上記誘電体層111はセラミック本体110の厚さ方向で誘電体グレインの粒成長調節成分が濃度勾配を有する積層セラミック電子部品を提供する。
【0140】
本発明のさらに他の実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法は、チタン酸バリウム系粉末を含むセラミックグリーンシートを設ける段階S1と、上記セラミックグリーンシート上に誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、添加剤元素がドーピングされたセラミック共材を含む内部電極ペーストを塗布する段階S2と、上記内部電極ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する段階S3と、上記積層体を焼成してセラミック本体を設ける段階S4と、を含む。
【0141】
上記複数のセラミックグリーンシートを設ける段階S1は、チタン酸バリウム系粉末を含む誘電体スラリーをキャリアフィルム上に塗布及び乾燥して行われることができる。
【0142】
上記セラミックグリーンシートは、上記セラミック共材に含まれる添加剤元素を含まないか、または含んでもセラミック共材に含まれる添加剤元素より低い濃度で含まれて焼成後に誘電体層で濃度勾配を形成する。
【0143】
本発明の一実施形態によれば、上記セラミック共材に含まれた誘電体母材に対する添加剤元素の濃度は、上記セラミックグリーンシートを形成する誘電体スラリーに含まれた誘電体母材に対する添加剤元素の濃度より高い。
【0144】
上記内部電極ペーストを塗布する段階S2は、内部電極を形成するためのペーストを上記セラミックグリーンシートに印刷して行われることができるが、内部電極パターンの形成方法はこれに限定されない。
【0145】
上記内部電極を形成するためのペーストは、これに制限されるものではないが、電極物質としてニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、またはこれらの合金を含むことができる。
【0146】
本発明の一実施形態によれば、上記内部電極ペーストはセラミック共材を含み、上記セラミック共材は、誘電体グレインの粒成長調節成分を含み、誘電体層で求められる物性によって添加剤がドーピングされた誘電体を含む。
【0147】
上記添加剤は、カルシウム(Ca)、原子価アクセプタ元素及び希土類元素からなる群より選択される一つ以上を含むことができる。
【0148】
例えば、上記セラミック共材は、カルシウムがドーピングされたチタン酸バリウム(Ba1−xCaTiO)であってよい。また、これに制限されないが、上記xは0.01≦x≦0.2であってよい。
【0149】
本発明の一実施形態によれば、内部電極ペーストに含まれるセラミック共材の粒径は1〜50nmであってよく、好ましくは1〜30nmであってよい。
【0150】
上記セラミック共材の粒径が1nm未満である場合、焼成過程で内部電極ペーストに含まれた導電性物質(例えば、ニッケル)間のネッキング(necking)の抑制効果がわずかであるため内部電極の連結性が低下する可能性がある。
【0151】
また、上記セラミック共材の粒径が50nmを超過すると、焼成過程で内部電極ペーストに含まれたセラミック共材が内部電極とセラミックグリーンシートとの界面に速やかに押し出されて内部電極の焼結抑制の機能を十分に行うことができず内部電極の連結性が低下するおそれがある。
【0152】
上記セラミック共材の粒径が1〜50nmである場合、内部電極の連結性が向上し、これにより、積層セラミック電子部品の誘電特性が向上することができる。
【0153】
焼成過程で界面に押し出されないセラミック共材は内部電極内に残存する。焼成後に、上記内部電極内にトラップされて残存するセラミック共材の粒径は焼成過程中のセラミック共材間の粒成長によって1〜300nmであってよく、より好ましくは、1〜100nmであってよい。
【0154】
その後、上記内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する(S3)。また、上部及び下部カバー層の形成のために、内部電極パターンが形成されないセラミックグリーンシートを内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート積層体の上部及び下部に積層することができる。
【0155】
次に、上記積層体を焼成して内部電極及び誘電体層を含むセラミック本体を形成(S4)することができる。
【0156】
本発明の一実施形態によれば、セラミック積層体の焼成工程の前に、上記積層体を圧着し、内部電極パターンの一端が切断面に交互に露出するように個別のチップの形態で切断する工程をさらに含むことができる。
【0157】
本発明の一実施形態によれば、上記積層体の焼成工程で内部電極ペーストに含まれたセラミック共材の一部が内部電極とセラミックグリーンシートの界面に抜け出てセラミックグリーンシートとともに誘電体層を形成することができる。
【0158】
これにより、上記誘電体層で中央部と界面部における誘電体グレインの粒成長調節成分と添加剤の濃度が異なるように形成されることができる。即ち、濃度勾配が形成されることができる。
【0159】
本発明の一実施形態によれば、焼成プロファイルを制御して内部電極ペーストに含まれたセラミック共材の10〜90%が焼成過程で内部電極ペーストから抜け出し、誘電体層の一部(主に界面に配置)を形成し、残りのセラミック共材は内部電極内に残存することができる。
【0160】
例えば、焼成過程の一定の領域で急速昇温して内部電極に含まれた電極物質とセラミック共材の焼結性の差異を用いて内部電極ペーストに含まれたセラミック共材が界面に抜け出ることを円滑にすることができる。
【0161】
図7は本発明の一実施形態によって焼成が完了した積層体を切断し、内部電極と誘電体層の断面を観察した走査型電子顕微鏡(SEM)の写真である。
【0162】
焼成中には、内部電極ペーストに含まれたセラミック共材が誘電体層の界面に押し出されることができる。
【0163】
図7を参照すると、焼成が完了した後は、セラミック共材を形成する添加剤がドーピングされた誘電体は、グリーンシートに含まれた誘電体グレインのシェル部に吸収されて誘電体層を形成することができる。
【0164】
また、誘電体層が厚さ方向において一つの誘電体グレインで形成されることが分かる。
【0165】
続いて、上記セラミック本体の外部面に外部電極用ペーストを塗布して外部電極を形成することができる。上記外部電極用ペーストの塗布は、上記セラミック本体を外部電極用ペーストにディッピング(dipping)して行われることができるが、これに限定されない。
【0166】
本発明の一実施形態によれば、上記外部電極用ペーストは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、またはこれらの合金を含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0167】
上記外部電極は、セラミック本体に塗布された外部電極用ペーストを焼成して形成されることができる。
【0168】
その他、本実施形態による積層セラミック電子部品の製造方法に関する説明のうち、上述の本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品と重複する説明はここでは省略する。
【0169】
実験例
実施例1)粒成長促進剤であるリチウム(Li)5%を含み、10nmのサイズの粒径を有するチタン酸バリウム(BaTiO)粉末を含む内部電極ペーストを製作した。また、粒成長促進剤であるリチウム(Li)0.1%が含まれたチタン酸バリウム(BaTiO)粉末を含む誘電体原料粉末に、焼結助剤、バインダー及びエタノールなどの有機溶媒を添加し、湿式混合して誘電体スラリーを設けた後、上記誘電体スラリーをキャリアフィルム上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを形成した。
【0170】
次に、上記粒成長促進剤が含まれたBT粉末を共材とする内部電極ペーストを上記セラミックグリーンシートに印刷した後、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成してから上記積層体を圧着及び切断した。
【0171】
その後、切断された積層体を加熱してバインダーを除去した後、高温の還元雰囲気で焼成してセラミック本体を形成した。本焼成過程では、一定の領域で急速昇温して内部電極ペーストに存在していたBT粉末(共材)が、内部電極が焼結されるにつれて、内部電極と誘電体層との界面に押し出されるようにした。また、BT粉末が押し出された後は、セラミックグリーンシートが速やかに焼結されるようにすることで内部電極とセラミックグリーンシートとの界面に押し出されたBT粉末が誘電体層の中央部に拡散しないようにした。
【0172】
上記のような方法で得られたセラミック本体の両端面にガラスフリット及び銅を含む外部電極ペーストを塗布し焼成して内部電極と連結される外部電極を形成した。
【0173】
比較例1)粒成長促進剤を含まずに、10nmのサイズのBaTiO(以下、BT)粉末を共材として含む内部電極ペーストを製作した。粒成長促進剤を含まないBT粉末を内部電極ペーストにセラミック共材で混合したこと以外に、他のすべての条件は実施例1と同一にした。
【0174】
比較例2)粒成長促進剤を含まずに、10nmのサイズのBaTiO(以下、BT)粉末を共材として含む内部電極ペーストを製作した。チップの全体の粒成長促進剤の含量が同一になるように誘電体材料であるBT粉末に含まれたLiの含量を増加させた。その他の条件は比較例1と同一にした。
【0175】
下記表1は、上記実施例1、比較例1及び比較例2によって製造された積層セラミック電子部品に対して、誘電率(相対誘電率)、容量変化率(DC−bias)及び絶縁破壊電圧(break−down voltage、BVD)の特性を測定して示すデータである。
【0176】
常温誘電率及び容量変化率(DC−bias)は、アジレント(Agilent)4284Aで1KHz、1Vの条件で測定した。BDVはケースレー(Keithley)測定器で測定し、0Vから1.00000Vずつのスウィープ(Sweep)方式で電圧を印加して、電流値が10mAになる瞬間の電圧(voltage)値をBDV値と測定した。
【0177】
【表1】
【0178】
上記表1を参照すると、内部電極と隣接した誘電体層の界面部と中央部で粒成長促進剤の濃度が高く、特に、界面部における粒成長促進剤の濃度がさらに高いため、誘電体グレインの短軸に対する長軸の比が3.5以上であるものが一つ以上存在する実施例1の場合、誘電体層が粒成長促進剤を含まない比較例1または比較例2に比べて高誘電率を示す。これにより、積層セラミック電子部品の容量が上昇することが確認できる。
【0179】
また、実施例1の場合、内部電極の共材に粒成長促進剤を含まない場合(比較例2)に比べて容量変化率(DC−bias)の特性に優れる。
【0180】
なお、実施例1の場合、誘電体層が粒成長促進剤を含まない比較例1または比較例2に比べて絶縁破壊電圧は向上することが確認できる。
【0181】
実施例2)粒成長抑制剤であるマグネシウム(Mg)5%を含み、カルシウム(Ca)が10%でドーピングされた10nmのサイズの粒径を有するCaドーピングされたBT粉末(Ba0.99Ca0.01TiO)を含む内部電極ペーストを製作した。また、チタン酸バリウム(BaTiO)粉末を含む誘電体原料粉末に、焼結助剤、バインダー及びエタノールなどの有機溶媒を添加し、湿式混合して誘電体スラリーを設けた後、上記誘電体スラリーをキャリアフィルム上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを形成した。
【0182】
次に、上記粒成長抑制剤であるマグネシウムを含み、CaドーピングされたBT粉末を共材として含む内部電極ペーストを上記セラミックグリーンシートに印刷した後、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成してから上記積層体を圧着及び切断した。
【0183】
その後、切断された積層体を加熱してバインダーを除去した後、高温の還元雰囲気で焼成してセラミック本体を形成した。本焼成過程では、一定の領域で急速昇温して内部電極ペーストに存在していたCaドーピングされたBT粉末(共材)が、内部電極が焼結されるにつれて、内部電極と誘電体層との界面に押し出されるようにした。また、粒成長抑制剤であるマグネシウムも誘電体層の界面に押し出されるようにした。
【0184】
マグネシウムとCaドーピングされたBT粉末が押し出された後、セラミックグリーンシートが速やかに焼結されるようにして内部電極とセラミックグリーンシートの界面に押し出されたマグネシウムとCaドーピングされたBT粉末が誘電体層の中央部に拡散しないようにした。
【0185】
上記のような方法で得られたセラミック本体の両端面にガラスフリット及び銅を含む外部電極ペーストを塗布し焼成して内部電極と連結される外部電極を形成した。
【0186】
比較例3)粒成長抑制剤であるマグネシウム(Mg)を含まない10nmのサイズのBaTiO(以下、BT)粉末を共材として含む内部電極ペーストを製作した。粒成長抑制剤であるマグネシウム(Mg)を含まないBT粉末を内部電極ペーストにセラミック共材として混合したこと以外に、他のすべての条件は実施例2と同一にした。
【0187】
下記表2は、上記実施例2及び比較例3によって製造された積層セラミック電子部品に対して、誘電率(相対誘電率)、容量変化率(DC−bias)及び絶縁破壊電圧(break−down voltage、BVD)の特性を測定して示すデータである。
【0188】
常温誘電率及び容量変化率(DC−bias)は、アジレント(Agilent)4284Aで1KHz、1Vの条件で測定した。BDVはケースレー(Keithley)測定器で測定し、0Vから1.00000Vずつのスウィープ(Sweep)方式で電圧を印加して、電流値が10mAになる瞬間の電圧(voltage)値をBDV値と測定した。
【0189】
【表2】
【0190】
上記表2を参照すると、内部電極と隣接した誘電体層の界面部で粒成長抑制剤であるマグネシウム(Mg)の含量が高い実施例2の場合、誘電体層がマグネシウム(Mg)を含まない比較例3に比べて高誘電率を示す。これにより、積層セラミック電子部品の容量が上昇することが確認できる。また、絶縁破壊電圧が向上することも確認できる。
【0191】
また、DC−bias特性も実施例2が比較例3に比べて優れることが分かる。
【0192】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0193】
100 積層セラミック電子部品
110 セラミック本体
111 誘電体層
121、122 内部電極
131、132 外部電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7