(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747765
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20200817BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20200817BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
H01L27/04 D
H01L21/82 M
H01L21/82 S
H01L21/82 W
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-128166(P2014-128166)
(22)【出願日】2014年6月23日
(65)【公開番号】特開2016-9709(P2016-9709A)
(43)【公開日】2016年1月18日
【審査請求日】2016年8月18日
【審判番号】不服2018-15726(P2018-15726/J1)
【審判請求日】2018年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 勝志
(72)【発明者】
【氏名】尾見 克之
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀和
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信一
(72)【発明者】
【氏名】田村 豊
【合議体】
【審判長】
辻本 泰隆
【審判官】
西出 隆二
【審判官】
小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−329760号公報(JP,A)
【文献】
特開2011−178236号公報(JP,A)
【文献】
特開平11−53040号公報(JP,A)
【文献】
特開2011−160370号公報(JP,A)
【文献】
特開2007−13938号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/822
H01L27/04
H01L21/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが固定の特性と機能を有する素子により構成される要素が複数実装され、それぞれが固定の特性と機能を有する回路により構成される要素が複数実装され、または前記素子と前記回路により構成される要素が複数実装された半導体装置であって、
前記実装された複数の要素の間を接続する複数の配線と、
前記配線に設けられ、配線による経路の接続と遮断とを実現するために開閉する複数のスイッチ手段であって、この複数のスイッチ手段のいずれかのスイッチ手段を開放状態とし、いずれかのスイッチ手段を閉成状態とすることにより、接続された前記複数の要素によって生じる回路機能を複数実現させるスイッチ手段と、
前記複数のスイッチ手段におけるいずれかのスイッチ手段を開放状態とし、前記複数のスイッチ手段におけるいずれかのスイッチ手段を閉成状態とするかのみを指示する1セットの開閉情報が、前記複数の回路機能にそれぞれ対応して、当該半導体の起動時には複数セット記憶された状態となっており、当該半導体の起動時には前記複数セットの開閉情報の各セットがそれぞれ異なる識別情報により読み出し可能に設定された状態となっている記憶手段と、
前記記憶手段に所要の識別情報が与えられることにより読み出される1セットの開閉情報に基づき前記複数のスイッチ手段の開閉を制御して実装された複数の要素により所要回路機能を実現する開閉制御手段と、
電力の供給を受けるための電源端子と、
前記電源端子から電力供給を受ける前記複数の要素及び前記開閉制御手段に至る経路に設けられ、該経路を開放閉成する電源制御スイッチ手段と、
前記複数の要素及び前記開閉制御手段に流れる電流を監視し、過電流を検出する過電流検出手段と、
この過電流検出手段による検出結果に応じて前記電源制御スイッチ手段による開放閉成を制御する電源制御手段と
を具備する半導体装置において、
前記開閉制御手段は、当該半導体装置が起動されたときに、前記記憶手段から出力される1セットの開閉情報に基づき前記スイッチ手段の開閉を制御して実装された複数の要素により所要回路機能を実現することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
端子が実装され、
端子と複数の要素間を結ぶ配線に、前記スイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
複数の素子による素子アレイを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
複数の回路による回路アレイを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、複数の回路機能に対応する複数の開閉情報セットを記憶し、外部からの上記回路機能のいずれかを特定する識別情報を受けて、対応する開閉情報セットを前記開閉制御手段へ出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記開閉制御手段は外部から制御信号に応じて開閉制御を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
配線は、複数の要素間を結ぶ配線マトリックスにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の素子、複数の回路または素子と回路が実装された半導体装置において、これらの素子、回路を適宜接続して所要回路機能を持たせるようにすることが可能な半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、抵抗、容量、トランジスタなどのアナログ素子を配置したウエハーを用意しておき、顧客の要望に応じた機能とするために、配線層のガラスマスクを変えることで対応するアナログマスタースライス方式の半導体装置が知られている。
【0003】
上術したアナログマスタースライス方式の半導体装置の製造方法を、
図13に示す。素子アレイマスクは一つであるため、S1〜S4、S11〜S12、S21〜S24として示されるアナログ素子それぞれの特性や位置は固定である。配線層マスクにより配線パターンを変更して、所要回路機能を有する半導体装置100を製造することができる。しかしながら、このアナログマスタースライス方式では、幾つかの回路機能を有する半導体装置を製造するためは、対応する数の配線層マスクを用意する必要がある。
【0004】
上記に対し、特許文献1には、ライブラリを使用する場合にも下地上の素子の利用効率を上昇させようとする観点から、素子の定数の変更工程をレイアウト設計に含める半導体集積回路が開示されている。しかしながら、この技術によっても所要回路機能を持たせるようにするためには、幾つかの配線層マスクを用意する必要があることに変わりはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−299448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような半導体装置の現状に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の配線層マスクを必要とせずに、一つの半導体装置によって複数の回路機能を選択的に実現することが可能な半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置は、
それぞれが固定の特性と機能を有する素子
により構成される要素が複数実装され、それぞれが固定の特性と機能を有する回路
により構成される要素が複数実装され、または
前記素子と前記回路により構成される要素が
複数実装された半導体装置であって、
前記実装された複数の要素の間を接続する複数の配線と、
前記配線に設けられ、配線による経路の接続と遮断とを実現するために開閉する複数のスイッチ手段であって、この複数のスイッチ手段のいずれかのスイッチ手段を開放状態とし、いずれかのスイッチ手段を閉成状態とすることにより、接続された前記複数の要素によって生じる回路機能を複数実現させるスイッチ手段と、
前記複数のスイッチ手段におけるいずれかのスイッチ手段を開放状態とし、前記複数のスイッチ手段におけるいずれかのスイッチ手段を閉成状態とするか
のみを指示する1セットの開閉情報が、前記複数の回路機能にそれぞれ対応して、
当該半導体の起動時には複数セット記憶され
た状態となっており、当該半導体の起動時には前記複数セットの開閉情報の各セットがそれぞれ異なる識別情報により読み出し可能に設定された
状態となっている記憶手段と、
前記記憶手段に所要の識別情報が与えられることにより読み出される1セットの開閉情報に基づき前記複数のスイッチ手段の開閉を制御して実装された複数の要素により所要回路機能を実現する開閉制御手段と、
電力の供給を受けるための電源端子と、
前記電源端子から電力供給を受ける前記複数の要素及び前記開閉制御手段に至る経路に設けられ、該経路を開放閉成する電源制御スイッチ手段と、
前記複数の要素及び前記開閉制御手段に流れる電流を監視し、過電流を検出する過電流検出手段と、
この過電流検出手段による検出結果に応じて前記電源制御スイッチ手段による開放閉成を制御する電源制御手段と
を具備する半導体装置において、
前記開閉制御手段は、当該半導体装置が起動されたときに、前記記憶手段から出力される1セットの開閉情報に基づき前記スイッチ手段の開閉を制御して実装された複数の要素により所要回路機能を実現することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る半導体装置では、端子が実装され、端子と
複数の要素間を結ぶ配線に、前記スイッチ手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る半導体装置では、複数の素子による素子アレイを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る半導体装置では、複数の回路による回路アレイを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る半導体装置では、前記記憶手段は、複数の回路機能に対応する複数の開閉情報セットを記憶し、外部からの上記回路機能のいずれかを特定する識別情報を受けて、対応する開閉情報セットを前記開閉制御手段へ出力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る半導体装置では、前記開閉制御手段は外部から制御信号に応じて開閉制御を行うことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る半導体装置では、配線は、
複数の要素間を結ぶ配線マトリックスにより構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の素子、複数の回路、または素子と回路が、複数の要素として実装され、前記実装された要素の間を接続する複数の配線と、前記配線に設けられ、配線による経路の接続と遮断とを実現するために開閉するスイッチ手段と、前記スイッチ手段の開閉を制御して実装された要素により所要回路機能を実現する開閉制御手段とを具備するので、スイッチ手段の開閉により所要回路機能を実現することができ、複数の配線層マスクを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の概略構成図。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図3】本発明の実施形態に係る半導体装置に用いられる配線マトリックスの構成図。
【
図4】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図5】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図6】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図7】本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図8】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図9】本発明の第8の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図10】本発明の第9の実施形態に係る半導体装置の構成図。
【
図11】本発明の第10の実施形態に係る半導体装置の概略構成図。
【
図12】本発明の第11の実施形態に係る半導体装置の概略構成図。
【
図13】アナログマスタースライス方式の半導体装置の製造方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面を参照して、本発明の半導体装置の実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図1は第1の実施形態に係る半導体装置の概略構成ブロック図である。半導体装置10には、開閉制御手段として、制御回路11が備えられている。また、制御回路11には、要素としての素子アレイ部12が接続されている。素子アレイ部12には、トランジスタ、抵抗、容量などの素子が複数配列されて実装されている。上記実装された要素の間は、複数の配線によって接続されるものである。
【0019】
図1の実施形態の、より詳細な第2の実施形態の具体例は、
図2に示されるようである。即ち、素子アレイ部12には、素子S1〜S3と、スイッチ手段SW1〜SW7が備えられている。スイッチ手段SW1〜SW7は、配線に設けられ、配線による経路の接続と遮断とを実現するために開閉するものである。なお、スイッチ手段SW1〜SW7は、複数のスイッチにより構成されているが、
図3以降に示されている1つ1つのスイッチもスイッチ手段である。
【0020】
上記スイッチ手段SW1〜SW7は、制御回路11に接続されている。制御回路11は、開閉制御手段として、一般的に上記スイッチ手段の開閉を制御して、半導体装置10に実装された要素により所要回路機能を実現するものと定義することができる。
図2から
図10までの実施形態では、開閉制御手段である制御回路11は、外部から制御信号に応じて開閉制御を行うように構成されている。
【0021】
スイッチ素子間の配線は、配線マトリックスにより構成しても良い。この
図2の実施形態では、スイッチ素子SW7とスイッチ素子SW4、SW5、SW6の間は、配線マトリックスにより構成されている。
図3は、一般的な配線マトリックスを説明するための図であって、スイッチ素子SW11〜SW13とスイッチ素子SW14〜SW16の間にある楕円形の破線により囲んだ部分内の配線が、配線マトリックスにより構成されている。素子S4〜S6に接続された縦の配線と、素子S1〜S3に接続された横の配線との交差点は、必要に応じて接続した構成としても良い。なお、
図4以降のスイッチ手段には、符号を省略する。
【0022】
図4に、素子を具体化して示した第3の実施形態を示す。この実施形態は、素子としてFETトランジスタT1〜T7、容量C1、抵抗R1を用いている。このFETトランジスタT1〜T7、容量C1、抵抗R1によりアンプ回路を構成可能な構成を備えている。また、この実施形態では、端子M1〜M5が設けられており、端子M1〜M5から延びている配線にもスイッチ手段が設けられている。スイッチ手段は、図示の位置に設けられている。制御回路11のスイッチ手段に対する開閉制御により、所要の回路機能を実現することができる。
【0023】
図5に、第4の実施形態として、素子と回路が実装された半導体装置を示す。素子としては抵抗R1〜R6を用いており、回路としてはオペアンプOP1、OP2及びADコンバータを用いて構成した半導体装置を示す。スイッチ手段は、図示の位置に設けられている。この構成により、ADコンバータ18の入力をオペアンプOP1、OP2のいずれから得る回路機能とするかなどの選択を制御回路11が行い、スイッチング手段の開閉により実現することができる。
【0024】
図6は、ヒステリシスコンバータを回路としての、オペアンプOP1と基準電圧生成を行うBGR(Band Gap Reference)14、素子としての抵抗R1〜R4、FETトランジスタT1により回路を構成した第5の実施形態を示している。この実施形態も、制御回路11のスイッチ手段に対する開閉制御により、所要の回路機能を実現することができる。
【0025】
図7は、非反転増幅回路をオペアンプOP1抵抗R1、R2により構成した半導体装置に、外部のセンサ15とDAコンバータ16の出力を与える構成の第6の実施形態を示す。この実施形態も、制御回路11のスイッチ手段に対する開閉制御により、所要の回路機能を実現することができる。
【0026】
図8は、複数の回路が実装された第7の実施形態の構成例であり、素子は実装されていない。回路として、増幅器17とADコンバータ18と基準電圧生成を行うBGR(Band Gap Reference)19を備えた回路の実施形態である。外部にセンサ21が設けられ、センサ21の出力を増幅器17により増幅してADコンバータ18によりディジタル化して外部の演算装置22へ送る構成となっている。増幅器17を、BGR19を用いた比較器として機能させることもできる。即ち、制御回路11のスイッチ手段に対する開閉制御によって、所要の回路機能を実現することが可能である。
【0027】
図9は、異常電流を検出した場合に電流を遮断する機能を持った第8の実施形態である。この実施形態では、要素である素子アレイ部・回路アレイ部23、24に流れる電流を監視し、過電流を検出する過電流検出手段として、検出器25を備える。素子アレイ部・回路アレイ部23、24には、少なくとも1の素子、少なくとも1の回路、配線及びスイッチ手段が含まれる。電力を供給する端子M1から素子アレイ部・回路アレイ部23、24に至る経路に検出素子としての抵抗26を接続し、この抵抗26に流れる電流を検出器25により監視し、検出結果に応じて電源制御スイッチ手段SW01による開放閉成を制御する。この構成によって、素子アレイ部・回路アレイ部23、24に含まれる回路や素子の破壊を防ぐことができる。また、素子アレイ部・回路アレイ部23、24内部のスイッチ手段に対する開閉制御を制御回路11が実行するによって、所要の回路機能を実現することが可能である。
【0028】
図10は、増幅器01、02、03を回路アレイとして備え、この増幅器01、02、03と端子M1〜M6間のスイッチ手段を制御回路11によって制御する構成を採用した第9の実施形態を示す。端子M1〜M3を演算装置31に接続し、演算装置31がゲートドライバ32を介してモータドライバ33を制御してモータ34の回転駆動制御を行う。また、モータ34の回転をホールセンサ及びエンコーダ35により検出して、演算装置31にフィードバックして回転の駆動制御に用いる構成を採用している。図示のスイッチ手段に対する開閉制御を制御回路11が実行するによって、所要の回路機能を実現することが可能である。
【0029】
図11に第10の実施形態を示す。この半導体装置10Aには、素子アレイ部・回路アレイ部25、制御回路11A、更に、記憶手段40が備えられている。素子アレイ部・回路アレイ部25は、既に説明してきた通り、素子アレイや回路アレイ、配線、スイッチ手段を含むものである。また、記憶手段40は、いずれのスイッチ手段を開放状態とし、いずれのスイッチ手段を閉成状態とするかを示す開閉情報が記憶された構成とすることができる。そして、制御回路11Aは、開閉制御手段であり、上記記憶手段40に記憶されている開閉情報に基づき開閉制御を行う構成とすることができる。
【0030】
以上の通りに構成されている半導体装置10Aでは、この装置が起動すると、制御回路11Aは、上記記憶手段40に記憶されている開閉情報に基づき開閉制御を行うので、いずれかのスイッチ手段が開放状態とされ、いずれかのスイッチ手段が閉成状態とされる。これにより、半導体装置10Aでは、所要の回路機能が実現される。回路機能の変更を行うときには、記憶手段40の内容を書き換えることにより行うことができる。これによって、所要の回路機能を実現することが可能である。
【0031】
図12に第11の実施形態を示す。この半導体装置10Bには、素子アレイ部・回路アレイ部25、制御回路11B、更に、記憶手段50が備えられている。素子アレイ部・回路アレイ部25は、既に説明してきた通り、素子アレイや回路アレイ、配線、スイッチ手段を含むものである。また、記憶手段50は、いずれのスイッチ手段を開放状態とし、いずれのスイッチ手段を閉成状態とするかを示す開閉情報(1セット)が複数セット記憶された構成とすることができる。従って、記憶手段50は、複数の回路機能に対応する複数の開閉情報セットを記憶している。記憶手段50は、外部からの上記回路機能のいずれかを特定する識別情報(
図12では、識別符号)を受けて、対応する開閉情報セットを開閉制御手段である制御回路11Bへ出力する。
【0032】
この構成により、所望の回路機能に対応する識別情報を記憶手段50へ送出することにより、記憶手段50は、対応する開閉情報セットを制御回路11Bへ出力する。制御回路11Bは、開閉情報に基づき開閉制御を行うので、いずれかのスイッチ手段が開放状態とされ、いずれかのスイッチ手段が閉成状態とされる。従って、外部から識別情報を変更することで、何時でも回路機能を状況に合わせて変更することができる。
【0033】
なお、
図11、
図12の実施形態の素子アレイ部・回路アレイ部25においても、
図9のように異常電流を検出した場合に電流を遮断する機能を持った第8の実施形態の構成を採用することができる。この構成の採用により、素子アレイ部・回路アレイ部25に含まれる回路や素子の破壊を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0034】
10、10A、10B 半導体装置
11、11A、11B 制御回路
12 素子アレイ部
23〜25 素子アレイ部・回路アレイ部
SW1〜SW7 スイッチ手段