(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る一実施の形態のコネクタを適用可能な体外式除細動器の正面図であり、
図2は同右側面図である。
【0016】
図1及び
図2に示す体外式除細動器10は、体外式除細動器本体(以下、「除細動器本体」という)20、一対の体外パドル(パドル)30、40、及びパドル30、40に接続された接続コード50を除細動器本体20に接続するコネクタ装置60を有する。
【0017】
パドル30、40は、
図1及び
図2に示すように、電極部(
図2では電極部31のみ図示)及びハンドル部32、42を有する。電極部31は、下面が、患者の体表に接触させるための接触面(図示省略)を有するように形成されている。ハンドル部32、42は、電極部31(
図2では電極部31のみ図示)と一体化されており、電極部31から接触面の反対側の面である上面から突出するように設けられている。ハンドル部32、42には、図示しないが、充電スイッチと、通電スイッチとが設けられている。
【0018】
充電スイッチは、除細動処置者に押下されることにより、制御部に充電指示を示す信号を出力する。この信号を受けて制御部は、除細動パルス出力回路部に対して、電気エネルギ供給部から電気エネルギを充電するよう制御する。また、通電スイッチは、除細動処置者に押下されることにより、コネクタ装置60を介して、制御部に通電開始の信号を出力する。これにより、制御部は、除細動パルス出力回路部に通電を開始させて、パドル30、40に除細動パルスを出力する。
【0019】
また、ハンドル部32、42は、除細動処置者の持ちやすさを考慮してL字状に形成されており、その各先端部には接続コード50が延出されている。接続コード50は、ここでは、形状がらせん状にカールしたカールコードであり、収縮自在なコードである。この接続コード50の端部にはパドルコネクタ(コネクタ)100が取り付けられている。このコネクタ100は、除細動器本体20(詳細には相手コネクタであるソケット)に差し込むことによって、パドル30、40を除細動器本体20に接続している。なお、コネクタ100についての詳細な説明は、コネクタ装置60についての説明とともに後述する。
【0020】
図1及び
図2に示すパドル30、40は、除細動器本体20の上面に設けられたパドル台23に着脱自在に収容されており、使用時には、ハンドル部32、42を掴み、パドル台23から引き抜いて使用できる。
【0021】
体外式除細動器本体20は、除細動器本体20の内部で充電したエネルギを高電圧(高圧)の除細動パルスとして、体外パドルから患者体内へ放電し、患者の心筋に電気ショックを付与する。
【0022】
除細動器本体20は、表示部25と、内部に、図示しない制御部、電気エネルギ供給部、除細動パルス出力回路部、生体情報取得部を含む内部回路と、を有する。
【0023】
電気エネルギ供給部は、交流電源或いはバッテリを有し、交流電源或いはバッテリからの電源供給(電気エネルギの供給)を、除細動器本体内各部に対して行う。
【0024】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、体外式除細動器内各部の動作制御を行う。例えば、制御部は、除細動処理者が操作部、或いは、パドル30、40の通電スイッチ、充電スイッチを操作することにより、除細動パルス出力回路部を制御して、電気エネルギ供給部から供給される電気エネルギを用いて、電気ショックとなる除細動パルスを生成して出力させる。
【0025】
なお、操作部は、除細動器本体20に設けられる充電スイッチと、体外パドル30、40のハンドル部32、42に装備される通電スイッチ等とを有する。充電スイッチは、パドル30、40の充電スイッチと同様の作用効果を有し、除細動処置者に押下されることにより、制御部に充電指示を示す信号を出力する。この信号を受けて制御部は、電気エネルギ供給部からの電気エネルギを除細動パルス出力回路部に充電するよう指示する。また、通電スイッチは、パドル30、40の通電スイッチと同様の作用効果を有し、除細動処置者に押下されることにより、コネクタ装置60を介して、制御部に通電開始の信号を出力する。この信号を受けて、制御部は、除細動パルス出力回路部に通電開始を行わせる。
【0026】
また、制御部は、体外パドル30、40のパドル誘導で入力される患者の生体情報(心電
図ECG等)、つまり、計測信号を、コネクタ装置60を介して取得して、表示部25に表示する処理等を行う。表示部25は、制御部の制御により、パドル30、40、コネクタ装置60を介して入力される患者の心電図(計測信号)等を表示する。
【0027】
除細動パルス出力回路部は、充電スイッチが押下されたときには、制御部の制御により、電源電圧(電気エネルギ)を高圧トランス(図示せず)で昇圧することにより高電圧を生成し、この高電圧で高圧コンデンサ(図示せず)を充電することにより、充電エネルギを得る。この充電エネルギは、除細動パルスの出力エネルギとなるものであり、そのレベルは、例えば、操作部に出力エネルギ設定ツマミ部を設け、このツマミ部の操作により手動で設定可能とする。また、除細動パルス出力回路部は、通電スイッチが押下されたときには、充電エネルギから高圧の除細動パルスを生成し、この除細動パルスを、コネクタ装置60を介して体外パドル30、40の電極部(図では電極部31のみ図示)に出力する。
【0028】
除細動器本体20の内部回路は、通電スイッチ及び電極部(
図1では電極部31のみ図示)等を有する体外パドル30、40の内部回路に、コネクタ装置60を介して接続されている。このようにコネクタ装置60は、接続コード50を介してパドル30、40を除細動器本体20に連結させるだけでなく、除細動器本体20の内部回路とパドル30、40の内部回路とを接続する。
【0029】
<コネクタ装置60の構成>
図3は、
図1及び3に示すコネクタを相手コネクタから外した状態を示すコネクタ装置の側面図であり、
図4は、
図3に示すコネクタ装置をコネクタの背面側から見た図である。また、
図5は、
図4に示すコネクタ装置のA―A線断面図である。なお、
図4及び
図5では、回転ロック体の位置は、ロック解除位置に位置している。また、
図6は、本発明に係る一実施の形態のコネクタを適用したパドルコネクタの正面図であり、パドルコネクタを挿入方向側から見た図である。また、
図7は、パドルコネクタに接続する相手コネクタの正面図である。
【0030】
図3及び
図4に示すように、コネクタ装置60は、除細動器本体20に取り付けられたソケット(相手コネクタ)70と、ソケット70に対して着脱自在なパドルコネクタ100とを有する。
【0031】
パドルコネクタ100は、パドル30、40に接続された接続コード50の端部に設けられ、ソケット本体72に挿入して、ソケット本体72と嵌合する。
【0032】
図3〜
図6に示すように、パドルコネクタ100は、ソケット本体72の挿入凹部73に挿入して嵌合するコネクタ本体110と、コネクタ本体110内に配設された第1端子130及び第2端子140を含む複数のパドルコネクタ側の接続端子と、回転ロック体150とを有する。
【0033】
コネクタ本体110は、柱状、ここでは円柱状に形成されたインシュレータであり、一端部側の部分(正面側の部分であり挿入方向側の部分)がソケット本体72の挿入凹部73内に挿入される挿入本体部であり、他端部側の部分(挿入方向とは逆側の部分であり基端部ともいう)で接続コード50に接続されている。
【0034】
コネクタ本体110(詳細には挿入本体部)の外周には、筒状の回転ロック体150がロック位置から周方向の一方(ロック解除可能位置)に回転自在に装着されている。
【0035】
回転ロック体150は、コネクタ100をソケット70に挿入して嵌合した際に、その嵌合状態でロックし保持する。なお、回転ロック体150は、コネクタ本体110に対して、挿入方向とは逆側の端部である基端部側に設けられた凸部153(
図8参照)をコネクタ本体110の外周に周方向に形成された溝118に遊嵌させ、この凸部153を介して、挿入方向側ではコネクタ本体110の外周面と離間するように取り付けられている。
【0036】
回転ロック体150は、コネクタ本体110の外周方向の他方に図示しない付勢部材でロック位置側に付勢されている。この回転ロック体150の挿入方向側の端部には、内側に突出する爪部151が設けられている。この爪部151は、コネクタ本体110がソケット本体72の挿入凹部73内に挿入する際に、ソケット本体72のキー溝部77(
図3、
図7参照)に遊嵌する。爪部151は、コネクタ本体110に対して、ロック位置に位置し、周方向の一方に回動自在であるが、ロック位置側に付勢部材により付勢された状態となっている。
【0037】
図5及び
図6に示すように、コネクタ本体110の挿入方向側の端面には、挿入方向側に開口する第1凹状部112、第2凹状部114が形成されている。
【0038】
第1凹状部112及び第2凹状部114のそれぞれの内部には、種類の異なる第1端子130、第2端子140が挿入方向に延在して配置されている。ここで、種類の異なる端子とは、第1端子130と第2端子140で形状の異なる端子であってもよいし、第1端子130と第2端子140で種類の異なる信号を伝送する端子であってもよい。ここでは、第1端子130と第2端子140を、電圧レベルの異なる信号を伝送する端子として説明する。
【0039】
第1凹状部112内には、第1端子130が、底面部から突出して設けられ、第1端子130は、挿入方向に延在して配置された状態となっている。本実施の形態では、2つの第1凹状部112を設け、その第1凹状部112のそれぞれに第1端子130を1本ずつ配置している。
【0040】
第2凹状部114内には、複数の第2端子140が、底面部から突出して設けられ、複数の第2端子140は、挿入方向に延在して配置された状態となっている。
【0041】
第1凹状部112と第2凹状部114は、コネクタ本体110の向きを誤ってソケット本体72の挿入凹部73に挿入する場合、挿入できないように、異なる開口形状で形成されている。
【0042】
本実施の形態では、第1凹状部112は、円形の開口形状を有し、コネクタ本体110の挿入側の円形の端面の半分の半円状の領域内に2つ形成されている。
【0043】
また、第2凹状部114は、コネクタ本体110の挿入側の円形の端面の残り半分の半円状の領域内に形成され、台形状の開口形状を有する。
【0044】
第1端子130及び第2端子140は、導電性を有する棒状体である。第1端子130及び第2端子140は、コネクタ本体110を挿入凹部73内に挿入して嵌合した際に、ソケット側の端子(ソケット側第1端子及び第2端子74、75)に対して、ソケット側の端子の延在方向で接続可能に形成されている。ここでは第1端子130及び第2端子140は、外径の異なるピン形状の端子である。
【0045】
第1端子130及び第2端子140は、接続コード50を介してパドル30、40(
図1及び
図2参照)の電極部の接触面に接続されている。第1端子130は、電気ショックである高圧の除細動パルスを伝送する高圧ピンであり、第2端子140よりも太い。
【0046】
また、第2端子140は、除細動パルスとは異なる信号を伝送する端子であり、第1端子130で伝送する信号とは電圧レベルが異なる信号を伝送する。具体的には、複数の第2端子140は、それぞれ通電スイッチからの通電開始の操作(制御信号)、充電スイッチからの充電開始の操作(制御信号)等の制御系の信号、及び、生体情報(心電図)を示す信号等を伝送する信号ピンである。このように、本実施の形態では、第1端子130は、電気ショックのための、除細動パルスを伝送する端子であるのに対し、複数の第2端子140は、除細動パルス以外の信号、ここでは、電気ショックのための充電操作、通電操作(電気ショック付与操作)等の制御系の信号、心電図等の測定した生体情報を示す信号(計測信号)を伝送する端子としている。
【0047】
第2端子140は、第2凹状部内で複数の列をなすように配置されている。ここでは、第2端子140は、台形状の凹状部114内に、台形の上底及び下底に沿う列で、且つ、各列で複数本並べて配置されている。
【0048】
第2端子140が配置される第2凹状部114内には、複数の第2端子140間を仕切る仕切壁部120が配設されている。仕切壁部120は、複数の第2端子140において複数で並ぶ第2端子140の各列を、ここでは水平方向で仕切っている。
【0049】
図8は、パドルコネクタにおける仕切壁部と各端子の挿入方向の位置関係を示す部分断面図である。
【0050】
図8に示すように仕切壁部120における挿入方向側の端部121は、第2端子140における挿入方向側の端部142(ラインL3で示す位置)よりも挿入方向側(先端側)に位置(ラインL2で示す位置)する。また、仕切壁部120の端部121は、凹状部114の開口縁(ラインL1で示す位置)よりも奥側に位置、つまり、凹状部114の開口縁(コネクタ本体110の挿入方向側の面)から離れて位置する。
【0051】
さらに、第2端子140の端部142は、第1端子130における挿入方向側の端部132(ラインL2で示す位置)よりも奥側に位置(ラインL3で示す)、つまり、凹状部114の開口縁から離れて位置する。
【0052】
これにより、コネクタ本体110をソケット本体72の挿入凹部73内に挿入して双方の端子を接続する際に、まず、最も挿入方向側に端部132が位置する第1端子130が、接続され、次いで、第2端子140が接続可能となる。なお、ここでは、仕切壁部120における挿入方向側の端部121は、凹状部114、112の開口縁から奥側へと向かう位置が、第1端子130における挿入方向側の端子132と同じ位置(ラインL2で示す位置)となっている。
【0053】
ソケット70は、
図3及び
図5に示すように、取付板部71と、取付板部71の一面に突設され、且つ、パドルコネクタ100と嵌合するソケット本体72と、ソケット本体72内に設けられるソケット側第1端子74及び複数のソケット側第2端子75(
図7参照)とを有する。
【0054】
ソケット70は、ソケット本体72を、除細動器本体20(
図1及び
図2参照)の筐体の側面部21に形成された開口22に挿通して、取付板部71の一面を側面部21の内側に固定している。これにより、ソケット70は、ソケット本体72を側面部21の外部に突出させた状態で、除細動器本体20に取り付けられている。
【0055】
ソケット本体72は、インシュレータであり、
図5及び
図7に示すように、一端面側(正面側)に開口した挿入凹部73を備える柱状、ここでは円柱状に形成されている。
【0056】
ソケット本体72の外周には、パドルコネクタ側の回転ロック体150の爪部151が遊嵌するキー溝部77が形成されている。キー溝部77は、開口側から挿入方向でスプライン状に湾曲し、ソケット本体72の奥側(挿入方向側)で周方向に折曲している。これにより、キー溝部77は、挿入凹部73内へのパドルコネクタ100のコネクタ本体110の挿入に伴い、回転ロック体150の爪部151を、折曲部分(ロック位置に相当)に案内して、引き抜き方向(挿入方向とは逆方向)への移動を規制する。
【0057】
挿入凹部73内には、パドルコネクタ100のコネクタ本体110が挿入して嵌合する。なお、ソケット本体72は、絶縁性を有する材料、例えば樹脂により取付板部71に一体に形成されている。
【0058】
挿入凹部73の底面には、正面側に向かってソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75が、端子被覆壁部722、724に囲まれた状態で、且つ互いに離間した位置で突設されている。ソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75は、パドルコネクタ100の第1端子130及び第2端子140の配置位置に対応して配置されている。
【0059】
また、端子被覆壁部722は、第1凹状部112に対応して形成され、コネクタ本体110が挿入凹部73内に挿入する際に、第1凹状部112内に挿入する。このとき、ソケット側第1端子74は、第1端子130に嵌合して接続する。
【0060】
また、端子被覆壁部724は、仕切壁部120により仕切られる第2凹状部114に対応して形成され、コネクタ本体110が挿入凹部73内に挿入する際に、仕切壁部120間に挿入する。このとき、ソケット側第2端子75は、対応する第2端子140にそれぞれ嵌合して接続する。
【0061】
つまり、端子被覆壁部722で被覆されたソケット側第1端子74と、端子被覆壁部724で被覆されたソケット側第2端子75の配置位置は、パドルコネクタ100の第1端子130及び第1凹状部112と、第2端子140及び第2凹状部114の配置位置に対応した位置である。
【0062】
開口形状が円形である挿入凹部73の半分の半円状の領域に、端子被覆壁部722で被覆されたソケット側第1端子74が2つ配置され、コネクタ本体110における第1凹状部112内の第1端子130に対応している。残り半分の半円状の領域に端子被覆壁部724で被覆された複数のソケット側第2端子75が、第2凹状部114内の第2端子140の形成位置に対応して配置されている。
【0063】
ソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75は、挿入方向に移動するパドルコネクタ側の第1端子130及び第2端子140と接続可能に形成されている。ここではソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75は、開口側の端部が管状に形成された管状接点部を備える棒状のソケット端子である。
【0064】
ソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75は、除細動器本体20の内部回路に接続されている。ここでは、ソケット側第1端子74は、電気ショックとなる高電圧の除細動パルスを伝送する端子であり、除細動パルス出力回路部に接続されている。
【0065】
これらソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75は、対応する第1端子130及び第2端子140で伝送する信号を伝送する。すなわち、ソケット側第2端子75は、除細動パルスとは異なる信号を伝送する端子であり、ソケット側第1端子74で伝送する信号とは電圧レベルが異なる信号を伝送する。ここでは、複数のソケット側第2端子75は、除細動パルスとは異なる信号を伝送し、それぞれ通電スイッチからの通電開始の制御信号、充電スイッチからの充電開始の制御信号等の制御系の信号及び生体情報(心電図)等の計測信号等を伝送する端子であり、制御部に接続されている。
【0066】
<パドルコネクタ100とソケット70の接続動作>
ソケット70とパドルコネクタ100とを接続する際には、コネクタ本体110の正面側の端部(挿入方向側の端部)をソケット本体72の挿入凹部73の開口縁に合わせて、挿入凹部73内に挿入する。その際、回転ロック体150の爪部151をキー溝部77内に挿入させる。
【0067】
また、コネクタ本体110を挿入凹部73内に挿入すると、第1凹状部112内に端子被覆壁部722が挿入し、第2凹状部114内に端子被覆壁部724が挿入する。
【0068】
そして、第1端子130がソケット側第1端子74に接続した後で、第2端子140がソケット側第2端子75に接続する。
【0069】
この挿入凹部73内へのコネクタ本体110の挿入に伴い、回転ロック体150の爪部151は、キー溝部77内に侵入する。さらに、コネクタ本体110が挿入凹部73の奥側に挿入されていくと、回転ロック体150の爪部151はキー溝部77に案内されて、図示しない付勢部材の付勢力に抗して周方向の一方向(キー溝部77により案内されるスプライン方向)に移動する。
【0070】
次いで、第1端子130及び第2端子140がソケット側第1端子74及びソケット側第2端子75に接続する位置まで移動する。この移動に伴い、コネクタ本体110の外周側に位置する爪部151は、キー溝部77において、スプライン状の部分を移動した後、周方向に折曲した位置に位置する。すると、爪部151に対して、キー溝部77のスプライン状の部分による案内が解除され、爪部151は付勢力により、周方向に沿った折曲部分内を移動してロック位置まで戻る。この状態では爪部151は、折曲部分によって、引き抜き方向(挿入方向とは逆方向)への移動が規制される。これにより、コネクタ本体110は、回転ロック体150を介してソケット本体72から抜けないようにソケット本体72に係合し、パドルコネクタ100はソケット70に固定される。
【0071】
ソケット70とパドルコネクタ100の接続により、除細動器本体20側から体外パドル30、40側への高電圧な除細動パルス(高圧信号)、制御信号の伝送、取得した心電図を示す信号の伝送等が可能となる。すなわち、これらソケット70とパドルコネクタ100は互いを接続することにより、それぞれ除細動パルス用の経路と、制御及び心電図用の経路とが確立される。なお、パドルコネクタ100をソケット70から取り外す際には、回転ロック体150を付勢力に抗して回転して、爪部151を、折曲部分からスプライン部分に挿入可能な位置(ロック解除可能位置)に移動する。そして、パドルコネクタ100をソケットから挿入方向とは逆方向に引き抜くことで、パドルコネクタ100を、除細動器本体20から外すことができる。
【0072】
コネクタ装置60では、パドルコネクタ100は、ソケット70に挿入して嵌合するコネクタ本体110と、第1端子130と、複数の第2端子140とを有する。第1端子130、第2端子140は、コネクタ本体110とソケット70との嵌合により、ソケット70のソケット側第1端子74、ソケット側第2端子75にそれぞれ接続する。第2端子140は、第1端子130が伝送する信号とは種類の異なる信号を伝送する。
【0073】
コネクタ本体110は、ソケット70への挿入方向側の面で開口して設けられ、且つ、内部に前記挿入方向に延在して前記複数の第2端子140が配置される第2凹状部114を有し、第2凹状部114内には、複数の第2端子140間を仕切る仕切壁部120が設けられている。この仕切壁部120により、第2凹状部114内に複数の第2端子140が配置されていても、第2端子140間にゴミや指等の異物が入り込むことがない。また、ソケット70に接続する際に、ソケット70側の端子(ソケット側第1端子74、ソケット側第2端子75)が誤って第2端子140間に侵入しようとする場合でも、仕切壁部120により、その侵入を防止して、第2端子140の損傷を防ぐことができる。
【0074】
また、パドルコネクタ100において、第1端子130における挿入方向側の端部132は、複数の第2端子140における挿入方向側の端部142よりも挿入方向側に位置する。つまり、複数の第2端子140における挿入方向側の端部142は、第1端子130における挿入方向側の端部132よりも奥側に位置する。
【0075】
一方、ソケット70のソケット側第1端子74、ソケット側第2端子75は、挿入凹部73の開口縁から略同じ深さとなる位置に配置されている。
【0076】
これにより、パドルコネクタ100側の第1端子130及び複数の第2端子140端子は、種類別に順番で、それぞれ相手側の端子(ソケット側第1端子74、ソケット側第2端子75)に挿入して接続される。
【0077】
この構成では、必然的に挿入深さは第1端子130が深く、奥に配置された第2端子140は浅くなるので、第2端子140の導通が認識されない場合は、第1端子130も規定の深さまで挿し込まれていないことが判別できる。これにより、除細動器本体20側で、ソケット70に対しパドルコネクタ100がどの段階の深さまで挿しこまれているのかを認識できる。
【0078】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。