特許第6747777号(P6747777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747777
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】医用情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20200817BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20200817BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20200817BHJP
   A61B 8/08 20060101ALN20200817BHJP
【FI】
   G16H10/40
   G16H40/20
   A61B6/00 330Z
   !A61B8/08
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-82925(P2015-82925)
(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2016-206693(P2016-206693A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月23日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 真理子
(72)【発明者】
【氏名】杉山 敦子
(72)【発明者】
【氏名】藤本 克彦
(72)【発明者】
【氏名】菅原 通孝
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敬介
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−157527(JP,A)
【文献】 特開2015−027450(JP,A)
【文献】 特開2009−268726(JP,A)
【文献】 特開2000−041977(JP,A)
【文献】 特開2010−039900(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3148683(JP,U)
【文献】 特開2008−293166(JP,A)
【文献】 特開2007−312918(JP,A)
【文献】 特開2014−199557(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/005023(WO,A1)
【文献】 特開2008−250502(JP,A)
【文献】 竹村 玲子,成人病予防のためのホルモン補充療法と副作用,医学のあゆみ,三浦 裕士 医歯薬出版株式会社,2004年 2月21日,第208巻第8号,P.703〜716
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
A61B 6/00
A61B 8/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被検者に対し、先に行われる検査であるマンモグラフィ検査と後に行われる検査である超音波検査とを管理する医用情報処理システムであって、
マンモグラフィ画像に基づいて、乳腺密度の程度を表す乳腺密度指標を算出する乳腺密度指標算出部と、
読影者により入力された、前記マンモグラフィ画像に対する読影に係る所見を表す所見情報を取得する異常所見レベル算出部と、
前記超音波検査に係る複数の検査者について検査能力を表す検査者指標を予め記憶する検査者情報記憶部と、
先に行われる検査である前記マンモグラフィ検査に係る前記乳腺密度指標及び前記所見情報と、後に行われる検査である前記超音波検査に係る前記検査者指標に基づいて、後に行われる検査である前記超音波検査に係る前記検査者を割り当てる検査割当部と、
を有し、
前記検査割当部は、
前記検査者ごとに割り当てられている前記被検者の数及び前記検査者指標に基づいて、前記検査者の検査状況を表す検査状況指標を算出し、
前記検査状況指標に基づいて前記検査者に前記被検者を割り当てることを特徴とする医用情報処理システム。
【請求項2】
前記異常所見レベル算出部は、前記所見情報に基づいて異常所見レベルを算出し、
前記検査割当部は、前記乳腺密度指標、前記所見情報に基づく前記異常所見レベル及び前記検査者指標に基づいて、前記超音波検査に係る前記検査者を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項3】
前記検査割当部は、
前記乳腺密度指標と前記異常所見レベルとに基づいて、当該被検者の検査注意度を算出する検査注意度算出部を含み、
前記検査注意度が高い前記被検者ほど、前記検査能力が高い前記検査者を当該被検者に割り当てることを特徴とする請求項2に記載の医用情報処理システム。
【請求項4】
前記検査割当部は、
割り当てられている前記被検者の数を前記検査者ごとに順次記憶する検査割当人数記憶部と、
前記検査状況指標を順次算出する検査状況指標算出部と、
を含み、
前記検査注意度が高い前記被検者ほど、前記検査状況指標が高い前記検査者を当該被検者に割り当てる
ことを特徴とする請求項3に記載の医用情報処理システム。
【請求項5】
前記検査割当部は、前記乳腺密度指標と前記所見情報及び前記検査者指標に基づいて、注意深く検査される必要がある被検者ほど、前記検査能力が高い前記検査者を当該被検者に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の医用情報処理システム。
【請求項6】
前記被検者の被検者情報を記憶可能であり、且つ、前記被検者が携帯可能な携帯情報端末と、
前記超音波検査の検査室の入口に設けられ、前記検査割当部と通信可能な超音波検査室ゲート装置と、
をさらに有し、
前記検査割当部は、前記検査者に対応する前記超音波検査室ゲート装置へ該検査者に割り当てられた被検者情報を出力し、
前記超音波検査室ゲート装置は、
前記携帯情報端末から前記被検者情報を読み取る読取部と、
読み取られた前記被検者情報が前記検査割当部から受けた前記被検者情報のうちに含まれるか否か判定する判定部と、
読み取られた前記被検者情報が前記検査割当部から受けた前記被検者情報のうちに含まれると判定されたときに通過を許可するゲートと、
を有する請求項1に記載の医用情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
集団乳房検診では、マンモグラフィ検査、超音波検査、の順に検査が行われる場合がある。例えば、日本乳癌検診学会では、乳癌検診について、「マンモグラフィ検査の所見と超音波検査の所見とを総合的に判定(総合判定)することによって、独立判定の場合よりも要精検率を低下させることができる」という見解を示している。また、日本乳癌学会総合判定委員会では、「総合判定基準」が検討されている。この総合判定を行う判定者は、マンモグラフィ画像と超音波画像とを確認し、必要であると判断したときは、過去のマンモグラフィ画像及び超音波画像並びに問診を参照する場合がある。
【0003】
さらに、マンモグラフィ画像の所見を参照しながら超音波検査を行なうことによって、超音波検査の検査者による検査精度のばらつきを低下し、要精検率の低下が期待できると言われている。したがって、先にマンモグラフィ画像を撮影し、このマンモグラフィ画像を参照しながら超音波検査を行なう検査方式である「同時併用方式」の検査が推奨されている。
【0004】
また、集団乳房検診では、例えば、1日に数十人の被検者を検査する場合がある。この場合、被検者がマンモグラフィ検査を受けずに超音波検査室へ行ってしまうこと、マンモグラフィ検査を受けた被検者が超音波検査室に来ても、その超音波検査室に当該被検者のマンモグラフィ画像が届いていないこと、又は、被検者を取り違えてマンモグラフィ検査若しくは超音波検査を行なってしまうことが生じる可能性がある。
【0005】
さらに、高密度乳腺の被検者のマンモグラフィ画像は、読影が困難であると言われている。したがって、放射線科医等の読影者の経験不足により、病変の見落としが生じる可能性がある。また、高密度乳腺の被検者のマンモグラフィ画像の読影に時間がかかることによって、検診の時間が長くなる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−302006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、病変の見落としの防止を図ることができる医用情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
また、実施形態に係る医用情報処理システムは、複数の被検者に対し、先に行われる検査であるマンモグラフィ検査と後に行われる検査である超音波検査とを管理する医用情報処理システムであって、乳腺密度指標算出部と、異常所見レベル算出部と、検査者情報記憶部と、検査割当部とを有する。乳腺密度指標算出部は、マンモグラフィ画像に基づいて、乳腺密度の程度を表す乳腺密度指標を算出する。異常所見レベル算出部は、読影者により入力された、マンモグラフィ画像に対する読影に係る所見を表す所見情報を取得する。検査者情報記憶部は、超音波検査に係る複数の検査者について検査能力を表す検査者指標を予め記憶する。検査割当部は、乳腺密度指標、所見情報及び検査者指標に基づいて、超音波検査に係る検査者を割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る医用情報処理システムの構成を示すブロック図。
図2】実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図。
図3】実施形態に係る乳腺密度指標の概略を示す表。
図4】実施形態に係る読影者指標の概略を示す表。
図5】実施形態に係る問診情報の一例を示す表。
図6】実施形態に係る読影注意度の概略を示す表。
図7】実施形態に係る読影状況指標の概略を示す表。
図8】実施形態に係る読影レポートの一例を示す模式図。
図9】実施形態に係る異常所見レベルの概略を示す表。
図10】実施形態に係る検査注意度の概略を示す表。
図11】実施形態に係る検査者指標の概略を示す表。
図12】実施形態に係る検査状況指標の概略を示す表。
図13A】実施形態に係る医用情報処理システムの動作を示すフローチャート。
図13B】実施形態に係る医用情報処理システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の医用情報処理システムについて図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成を示すブロック図である。実施形態の医用情報処理システムは、複数の被検者に対し、先に行われる検査であるマンモグラフィ検査と後に行われる検査である超音波検査とを順次行う集団検診を管理する。例えば、実施形態の医用情報処理システムは、携帯情報端末1と、情報処理装置2と、マンモグラフィ装置3と、マンモグラフィ検査室ゲート装置4と、読影端末5と、超音波診断装置6と、超音波検査室ゲート装置7とを有する。
【0013】
携帯情報端末1は、被検者情報を記憶可能であり、且つ、被検者が携帯可能に構成される。例えば、携帯情報端末1は、一般的なメモリ、プロセッサ及びディスプレイを含んで構成される。被検者情報には、被検者を特定可能な被検者IDが含まれる。被検者が集団乳房検診の受付に到着すると、当該被検者を特定可能な被検者IDが発行され、携帯情報端末1に入力される。携帯情報端末1は、入力された被検者IDを被検者情報として記憶する。携帯情報端末1は、当該被検者に貸与される。
【0014】
また、携帯情報端末1には、検診に係る問診を行なうためのアプリケーションソフト(アンケートソフト)がインストールされている。このアンケートソフトには、一般的なソフトウェアが適用される。被検者は、アンケートソフトを介して、問診に対する回答を携帯情報端末1へ入力する。この回答の内容は問診結果に相当する。携帯情報端末1は、問診結果を表す問診情報を当該被検者情報とともに情報処理装置2へ送信する。問診情報には、例えば、当該被検者の家族の既往歴(家族歴)若しくは当該被検者の既往歴又はこれら双方が含まれる。
【0015】
なお、問診情報は、アンケートソフトを介して問診情報が入力されるものに限られない。例えば、被検者が印刷されたアンケート用紙に回答を書き込み、そして、バーコードリーダやマークシート読取装置などの一般的な読取装置によって回答の内容が電子情報化されることによって問診情報が生成され、情報処理装置2へ送信されてもよい。
【0016】
図2は、実施形態に係る情報処理装置2の構成を示すブロック図である。この実施形態では、構成要素、乳腺密度指標算出部・異常所見レベル算出部・読影注意度算出部・読影状況指標算出部・検査注意度算出部・検査状況指標算出部にて行なわれる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路21に記憶されている。処理回路22、読影割当回路23及び検査割当回路24は、プログラムを記憶回路21から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路22、読影割当回路23及び検査割当回路24は、図2の処理回路22内、読影割当回路23内及び検査割当回路24内に示された各機能を有することとなる。
【0017】
なお、図2の例では、単一の処理回路22にて乳腺密度指標算出部・異常所見レベル算出部にて行なわれる処理機能が実現され、単一の読影割当回路23にて読影注意度算出部・読影状況指標算出部にて行なわれる処理機能が実現され、単一の検査割当回路24にて検査注意度算出部・検査状況指標算出部にて行なわれる処理機能が実現されるものとして説明する。但し、複数の分離したプロセッサを組み合わせ、各プロセッサがプログラムを実行することにより処理機能が実現されてもよい。また、処理回路22、読影割当回路23及び検査割当回路24を単一のプロセッサとして構成することによって、その機能が実現されてもよい。
【0018】
記憶回路21は、携帯情報端末1からの問診情報及び被検者情報を記憶する。処理回路22は、マンモグラフィ装置3に携帯情報端末1からの被検者情報を割り当てる(マンモグラフィ装置割当機能221)。マンモグラフィ装置3が複数設けられている場合、処理回路22は、各マンモグラフィ装置3に割り当てられ、まだマンモグラフィ画像の撮影が終了していない被検者情報の数の差が少なくなるように新たな被検者情報を割り当てる。それにより、マンモグラフィ装置3の混み具合に応じて、被検者情報がマンモグラフィ装置3に割り当てられる。なお、処理回路22は、問診情報において乳房に傷跡がある等の旨が示され、マンモグラフィ画像の撮影に注意が必要と言われている被検者を優先的に特定のマンモグラフィ装置3に割り当ててもよい。特定のマンモグラフィ装置の例としては、マンモグラフィ撮影について高い能力を有する検査技師(例えば、検診マンモグラフィ撮影認定技師)が担当するマンモグラフィ装置が挙げられる。
【0019】
処理回路22は、被検者情報が割り当てられたマンモグラフィ装置3を特定可能なマンモグラフィ装置IDを当該被検者の携帯情報端末1へ送信する。また、処理回路22は、この被検者情報を当該マンモグラフィ装置3及びマンモグラフィ検査室ゲート装置4へ送信する。携帯情報端末1は、このマンモグラフィ装置IDに応じた案内情報をディスプレイに表示する。このとき携帯情報端末1は、例えば、当該マンモグラフィ装置3が設けられたマンモグラフィ検査室の番号や、当該マンモグラフィ検査室への移動経路を案内情報として表示する。問診に対する回答を入力した被検者は、案内情報を参照することによって、割り当てられたマンモグラフィ装置3が設けられたマンモグラフィ検査室へ行くことができる。例えば、マンモグラフィ検査室の入口には、マンモグラフィ検査室ゲート装置4が設けられる。
【0020】
この実施形態のマンモグラフィ検査室ゲート装置4(図1参照)では、構成要素、読取部・判定部にて行なわれる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路41に記憶されている。処理回路42は、プログラムを記憶回路41から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実行するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路42は、図1の処理回路42内に示された各機能を有することとなる。
【0021】
なお、図1の例では、単一の処理回路42にて読取部・判定部にて行なわれる処理機能が実現されるものとして説明する。但し、複数の分離したプロセッサを組み合わせ、各プロセッサがプログラムを実行することにより処理機能が実現されてもよい。
【0022】
例えば、被検者が、当該検査室に設けられたマンモグラフィ検査室ゲート装置4に携帯情報端末1をかざすと、処理回路42は、当該携帯情報端末1から被検者情報を読み取る(読取機能421)。被検者情報を読み取る技術の例としては、一般的なRFID(Radio Frequency Identifier)技術やバーコード技術が挙げられる。
【0023】
処理回路42は、読み取られた被検者情報と処理回路22から受けた被検者情報とを参照して、読み取られた被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれるか否かを判定する(判定機能422)。集団検診では通常、1つのマンモグラフィ装置3に複数の被検者情報が割り当てられる。処理回路42は、読み取られた被検者情報すなわち当該検査室へ到着した被検者の被検者情報が、当該マンモグラフィ装置3に割り当てられた複数の被検者情報に含まれるか否かを判定する。
【0024】
処理回路42は、読み取られた被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれると判定したとき、ゲート43へ開放信号を出力する。ゲート43は、開放信号を受けて開放する。それにより、被検者は当該マンモグラフィ検査室への入室(通過)が許可される。
【0025】
処理回路42は、読み取られた被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれないと判定したとき、開放信号を出力しない。このとき処理回路42は、当該検査室へ割り当てられていない旨を示す文字情報、又は当該被検者が未だ問診に回答していない旨を示す文字情報をディスプレイ44に表示する。なお、これら文字情報は、携帯情報端末1に表示されてもよい。それにより、被検者は、表示された文字情報を視認することによって、マンモグラフィ検査室を間違えたこと、又は問診に未回答であることを把握することができる。またこの場合、ゲート43は開放されない。したがって、被検者が割り当てられていないマンモグラフィ検査室に誤って入ることを防止することができる。また、問診に回答していない被検者がマンモグラフィ検査室に誤って入ることを防止することができる。なお、ゲート43を実現する技術の例としては、一般的な自動ドア技術が挙げられる。または、物理的に開閉するドアを用いることなく、携帯情報端末1またはマンモグラフィ検査室ゲート装置4からの警告音等により、被検者に注意を促すような技術でもよい。
【0026】
マンモグラフィ装置3は、情報処理装置2と通信可能に接続される。マンモグラフィ装置3のハードウェア及びソフトウェア構成には、一般的なハードウェア及びソフトウェア構成が適用される。マンモグラフィ装置3は、被検者の乳房のマンモグラフィ画像を撮影する。マンモグラフィ画像撮影後、被検者は、マンモグラフィ撮影の検査技師の案内や携帯情報端末が表示する案内情報によって所定の待機室へ行き、待機することができる。マンモグラフィ装置3は、このマンモグラフィ画像を当該被検者情報とともに情報処理装置2へ出力する。集団検診において、このようなマンモグラフィ画像の撮影は、被検者がマンモグラフィ検査室に到着するごとに順次行われる。なお、処理回路42がマンモグラフィ装置3に備えられ、マンモグラフィ検査の前に当該被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれるか否かが判定されてもよい。
【0027】
処理回路22は、マンモグラフィ検査のために順次取得されたマンモグラフィ画像に基づいて、当該被検者の乳腺密度の程度を表す乳腺密度指標を算出する(乳腺密度指標算出機能222)。例えば、処理回路22は、一般的なエッジ検出法によって、マンモグラフィ画像のスキンラインを検出する。スキンラインが検出されることによって、断層画像における乳房領域と非乳房領域とが識別される。処理回路22は、K−means法などの一般的なクラスタリング法によって、乳房領域内を乳腺領域、脂肪領域、及び胸筋領域に分割する。処理回路22は、脂肪領域及び乳腺領域の面積(画素数)に対する乳腺領域の面積の割合(百分率等)を乳腺密度として算出する。
【0028】
また、処理回路22は、乳腺密度の程度を複数のカテゴリに区分した乳腺密度指標を算出する。図3は、乳腺密度指標の概略を示す表である。各カテゴリ(R1,R2,R3,R4)には、乳腺密度の範囲が互いに重複しないように予め設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図3の例では、カテゴリR1、カテゴリR2、カテゴリR3、カテゴリR4の順に、乳腺密度が高くなる順に設定されているとする。
【0029】
また、カテゴリ(R1,R2,R3,R4)ごとに、乳腺密度指標が設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図3の例では、カテゴリR1に乳腺密度指標「10」が設定され、カテゴリR2に乳腺密度指標「20」が設定され、カテゴリR3に乳腺密度指標「50」が設定され、カテゴリR4に乳腺密度指標「100」が設定されている。このことは、乳腺密度が高いほど乳腺密度指標が高く設定されることに相当する。このように設定されたカテゴリ(R1,・・・,R4)と乳腺密度指標とを表す乳腺密度指標設定情報は、記憶回路21に記憶される。
【0030】
処理回路22は、算出した乳腺密度と乳腺密度指標設定情報とを参照して、当該乳腺密度に対応するカテゴリを特定する。そして、処理回路22は、特定されたカテゴリに設定された乳腺密度指標を特定することによって、乳腺密度指標を算出する。処理回路22は、算出された乳腺密度指標を当該マンモグラフィ画像に付帯して、当該被検者情報とともに読影割当回路23へ出力する。
【0031】
読影者情報記憶回路25は、マンモグラフィ画像の読影に係る読影者を表す読影者情報ごとに当該読影者の読影能力を表す読影者指標を予め記憶する。図4は、読影者指標の概略を示す表である。例えば、読影者(医師D1、医師D2、医師D3、医師D4)の読影能力を表す目安としての読影グレード(G1、G2、G3、G4)に応じて読影グレード指標が設定される。読影グレードの例としては、検診マンモグラフィ読影認定医師のグレードが挙げられる。読影グレードの設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図4の例では、読影グレードG1、読影グレードG2、読影グレードG3、読影グレードG4の順に読影能力が高くなっていくように設定されるとする。
【0032】
また、読影グレード(G1、G2、G3、G4)ごとに、読影グレード指標が設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図4の例では、読影グレードG4に読影グレード指標「100」が設定され、読影グレードG3に読影グレード指標「80」が設定され、読影グレードG2に読影グレード指標「50」が設定され、読影グレードG1に読影グレード指標「10」が設定されている。このことは、読影能力が高いほど読影グレード指標が高く設定されることに相当する。図4の例では、医師D1(読影グレードG4)の読影グレード指標が「100」に設定され、医師D2(読影グレードG3)の読影グレード指標が「80」に設定され、医師D3(読影グレードG1)の読影グレード指標が「10」に設定され、医師D4(読影グレードG2)の読影グレード指標が「50」に設定されている。
【0033】
また、読影者(医師D1、・・・、医師D4)の読影能力を表す目安としての経験年数に応じて経験年数指標が設定されてもよい。経験年数の設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図4の例では、「10年以上」「5年以上10年未満」「3年以上5年未満」「1年以上3年未満」「1年未満」という経験年数が設定されている。
【0034】
また、設定された経験年数に応じて経験年数指標が設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図4の例では、経験年数「10年以上」に経験年数指標「10」が設定され、経験年数「5年以上10年未満」に経験年数指標「9」が設定され、経験年数「3年以上5年未満」に経験年数指標「8」が設定され、経験年数「1年以上3年未満」に経験年数指標「5」が設定され、経験年数「1年未満」に経験年数指標「1」が設定されている。このことは、経験年数が長いほど経験年数指標が高く設定されることに相当する。図4の例では、医師D1(経験年数「10年以上」)の経験年数指標が「10」に設定され、医師D2(経験年数「3年以上5年未満」)の経験年数指標が「8」に設定され、医師D3(経験年数「10年以上」)の経験年数指標が「10」に設定され、医師D4(経験年数「3年以上5年未満」)の経験年数指標が「8」に設定されている。
【0035】
このように読影グレード指標及び経験年数指標が設定されることにより、読影者(医師D1、・・・、医師D4)ごとの読影能力を表す読影者指標が定められる。例えば、読影者(医師D1、・・・、医師D4)ごとの読影グレード指標及び経験年数指標が乗算された値が読影者指標として定められている。
【0036】
図4の例では、医師D1の読影者指標は「1000」に定められ、医師D2の読影者指標は「640」に定められ、医師D3の読影者指標は「100」に定められ、医師D4の読影者指標は「400」に定められている。読影者情報記憶回路25は、このように定められた読影者指標を予め記憶する。なお、ここでは、読影グレード指標及び経験年数指標が乗算される例を読影者指標として示したが、これに限定されるものではない、読影者指標は、読影グレード指標及び経験年数指標の加算など、読影能力を表す値として設定されればよい。
【0037】
読影割当回路23は、乳腺密度指標及び読影者指標に基づいて、被検者を表す被検者情報を読影者情報に割り当てる。また、読影割当回路23は、被検者の問診結果を表す問診情報を受信可能に構成される。読影割当回路23は、乳腺密度指標と問診情報とに基づいて、当該被検者の読影注意度を算出し、読影注意度が高い被検者の被検者情報ほど読影能力が高い読影者の読影者情報に割り当てる。
【0038】
図5は、問診情報の一例を示す表である。図5の例では、乳がんに係る当該被検者の家族歴を問診情報の一例として示す。図5の例では、家族歴として、「乳がん血縁者なし」「血縁者に1〜2人」「血縁者に3〜5人」「血縁者に6〜10人」「親又は姉妹」「親及び姉妹」という例が設定されている。
【0039】
また、設定された問診情報(図5の例では家族歴)に応じて問診情報指標が設定される。この設定は、例えば、医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図5の例では、家族歴「乳がん血縁者なし」に問診情報指標「1」が設定され、家族歴「血縁者に1〜2人」に問診情報指標「10」が設定され、家族歴「血縁者に3〜5人」に問診情報指標「50」が設定され、家族歴「血縁者に6〜10人」に問診情報指標「80」が設定され、家族歴「親又は姉妹」に問診情報指標「50」が設定され、家族歴「親及び姉妹」問診情報指標「50」が設定されている。このことは、臨床的に罹患率が高いと言われている問診情報ほど問診情報指標が高く設定されることに相当する。なお、問診情報には、被検者の既往歴や検査歴が含まれてもよい。例えば、過去の検査で異常所見が見られ、定期検査期間を終了した被検者の問診情報に、所定の問診情報指標が設定されてもよい。
【0040】
読影割当回路23は、乳腺密度指標と問診情報とに基づいて、当該被検者の読影注意度を算出する(読影注意度算出機能232)。図6は、読影注意度の概略を示す表である。読影割当回路23は、処理回路22から乳腺密度指標を受けて、当該被検者の乳腺密度指標に対応する乳腺密度指標を特定する。読影割当回路23は、携帯情報端末1から問診情報を受けて、当該被検者の問診情報(図6の例では家族歴)に対応する問診情報指標を特定する。例えば、読影割当回路23は、被検者(E1,E2,E3,E4)ごとの読影注意度を算出する。読影注意度が高い被検者ほど、罹患している可能性が高く、読影者は注意深く読影する必要がある。図6の例では、被検者E1の乳腺密度指標「10」及び問診情報指標「1」が乗算されて、被検者E1の読影注意度「10」が算出されている。また、被検者E2の乳腺密度指標「50」及び問診情報指標「1」が乗算されて、被検者E2の読影注意度「50」が算出されている。また、被検者E3の乳腺密度指標「50」及び問診情報指標「10」が乗算されて、被検者E3の読影注意度「500」が算出されている。また、被検者E4の乳腺密度指標「50」及び問診情報指標「100」が乗算されて、被検者E4の読影注意度「5000」が算出されている。なお、ここでは、乳腺密度指標及び問診情報指標が乗算される例を読影注意度として示したが、これに限定されるものではない。読影注意度は、乳腺密度指標及び問診情報指標の加算など、注意深く読影される必要がある被検者ほど高く算出されればよい。
【0041】
読影割当回路23は、読影注意度が高い被検者の被検者情報ほど、読影者指標が高い読影者の読影者情報に割り当てる。読影割当回路23は、割り当てられた被検者情報及び該被検者のマンモグラフィ画像を当該読影者情報に対応する読影端末5へ送信する。また、読影割当人数記憶回路231は、被検者情報が読影者情報に割り当てられるごとに、割り当てられている被検者情報の数を読影者情報ごとに順次記憶する。また、読影割当人数記憶回路231は、読影者による読影が終了するごとに、当該読影者情報に割り当てられている被検者情報の数を更新して記憶する。割り当てられている被検者情報の数は、読影が終わるまで待機する被検者の人数(読影順番待ち人数)を表す。
【0042】
そして、読影割当回路23は、割り当てられている被検者情報の数及び読影者指標に基づいて、読影者の読影状況を表す読影状況指標を順次算出する。図7は、読影状況指標の概略を示す表である。読影順番待ち人数ごとに読影順番待ち人数指標が設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図7の例では、読影順番待ち人数「0人」に読影順番待ち人数指標「10」が設定され、読影順番待ち人数「1人」に読影順番待ち人数指標「10」が設定され、読影順番待ち人数「2人」に読影順番待ち人数指標「8」が設定され、読影順番待ち人数「3人」に読影順番待ち人数指標「8」が設定され、読影順番待ち人数「4人」に読影順番待ち人数指標「5」が設定され、読影順番待ち人数「5人」に読影順番待ち人数指標「5」が設定されている。このことは、読影順番待ち人数が少ないほど読影順番待ち人数指標が大きく設定されていることに相当する。
【0043】
読影割当回路23は、読影者指標と新たな被検者情報を受けたときの読影順番待ち人数とに基づいて、読影者ごとの読影状況指標を算出する。新たな被検者情報とは、マンモグラフィ装置3から送信され、まだ読影者情報に割り当てられていない被検者情報である。図7では、読影割当回路23が新たな被検者情報を受けたときに、医師D1の読影順番待ち人数が「4人」であり、医師D2の読影順番待ち人数が「1人」であり、医師D3の読影順番待ち人数が「3人」であり、医師D4の読影順番待ち人数が「0人」である例が示されている。
【0044】
例えば、読影割当回路23は、読影者指標と読影順番待ち人数指標とを乗算して、読影者ごとの読影状況指標を算出する。図7の例では、医師D1の読影者指標「1000」と読影順番待ち人数指標「5」とが乗算されて、医師D1の読影状況指標「5000」が算出されている。また、医師D2の読影者指標「640」と読影順番待ち人数指標「10」とが乗算されて、医師D2の読影状況指標「6400」が算出されている。また、医師D3の読影者指標「100」と読影順番待ち人数指標「8」とが乗算されて、医師D3の読影状況指標「800」が算出されている。また、医師D4の読影者指標「400」と読影順番待ち人数指標「10」とが乗算されて、医師D4の読影状況指標「4000」が算出されている。なお、ここでは、読影者指標と読影順番待ち人数指標とが乗算される例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、読影者指標と読影順番待ち人数指標とが加算されてもよい。
【0045】
読影割当回路23は、読影注意度が高い被検者情報ほど、読影状況指標が高い読影者情報に当該被検者情報を割り当てる。例えば、読影割当回路23は、所定のメモリ領域を有し、読影注意度指標に係る所定の閾値を予め記憶する。この閾値は、例えば医療従事者などの操作者によって予め入力される。読影割当回路23は、算出された読影注意度がこの閾値以上又は超であるとき、読影状況指標が高い読影医情報に当該被検者情報を割り当てる。
【0046】
例えば、この閾値が「2000」であるとき、読影割当回路23は、読影注意度が「5000」である被検者E4(図6参照)の被検者情報を、読影状況指標が「6400」である医師D2の読影者情報に割り当てる。このことは、読影注意度が高い被検者すなわち注意深い読影が必要とされる被検者の被検者情報が、読影能力が高くかつ被検者の待ち人数が少ない読影者の読影者情報へ割り当てられることに相当する。それにより、被検者の待ち時間を短縮しつつ、注意深い読影が必要とれる被検者の被検者情報を読影能力が高い読影者へ割り当てることができる。また、二重読影が行われる場合、読影割当回路23は、同様の処理に基づいて1つの被検者情報を読影状況指標が高い2つの読影者情報に割り当てればよい。なお、読影割当回路23は、算出された読影注意度がこの閾値以上又は超でないとき、読影順番待ち人数が読影者間で均等になるように被検者情報を割り当てればよい。
【0047】
そして、読影割当回路23は、被検者情報及びマンモグラフィ画像を、当該読影者情報の読影端末5へ送信する。このとき、読影割当回路23は、さらに当該被検者の問診情報を当該読影者情報の読影端末5へ送信してもよい。読影端末5の構成には、一般的な読影用コンピュータの構成が適用される。読影者は、読影端末5を用いて、読影割当回路23から受信したマンモグラフィ画像に対する読影を行うことができる。
【0048】
図8は、読影レポートの一例を示す模式図である。読影者は、当該マンモグラフィを読影し、各種所見情報を入力する。図8の例では、所見情報の大分類の例として、「所見情報(腫瘤)」「所見情報(石灰化)」「所見情報(その他)」が示されている。また、所見情報の小分類の例「“1.単発”、・・・・・、“2.乳腺内リンパ節”」が示されている。これら所見情報の例は、例えば医療従事者によって適宜設定される。例えば、読影者は、小分類の所見情報ごとに設けられたチェックボックスにチェックを入れる操作を行うことによって所見情報を入力する。それにより、当該被検者に係る所見情報が入力される。読影者は、読影が終了すると、所定の終了操作を行う。そして、読影端末5は、入力された所見情報を当該被検者情報とともに情報処理装置2へ送信する。
【0049】
処理回路22は、マンモグラフィ画像に対する読影に係る所見を表す所見情報を取得し、異常所見レベルを算出する(異常所見レベル算出機能223)。図9は、異常所見レベルの概略を示す表である。図9の例では、異常所見として、「異常所見なし」「局所的非対称陰影」「石灰化」「構築の乱れ」「悪性腫瘍疑い腫瘤」という例が設定されている。これら異常所見は、読影者により入力された所見情報と予め関連付けられている。例えば、異常に係る所見情報が入力されていない場合、処理回路22は、当該被検者について「異常所見なし」と判断する。また、石灰化に係る所見情報が入力されている場合、処理回路22は、当該被検者について「石灰化」と判断する。所見情報と異常所見との関連付けは、例えば医療従事者によって予め設定される。
【0050】
また、設定された異常所見に応じて異常所見レベルが設定される。この設定は、例えば、医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図9の例では、異常所見「異常所見なし」に異常所見レベル「1」が設定され、異常所見「局所的非対称陰影」に異常所見レベル「10」が設定され、異常所見「石灰化」に異常所見レベル「50」が設定され、異常所見「構築の乱れ」に異常所見レベル「80」が設定され、異常所見「悪性腫瘍疑い腫瘤」に異常所見レベル「100」が設定されている。このことは、臨床的に注意深く超音波検査を行なう必要があると言われている異常所見ほど異常所見レベルが高く設定されることに相当する。処理回路22は、この設定に基づいて、当該被検者の異常所見及び異常所見レベルを特定することによって異常所見レベルを算出する。処理回路22は、算出された異常所見レベルを検査割当回路24へ出力する。
【0051】
検査割当回路24は、乳腺密度指標と異常所見レベルとに基づいて、当該被検者情報の検査注意度を算出する(検査注意度算出機能242)。図10は、検査注意度の概略を示す表である。検査割当回路24は、処理回路22から乳腺密度指標を受けて、当該被検者の乳腺密度指標に対応する乳腺密度指標を特定する。検査割当回路24は、特定された乳腺密度指標と算出された異常所見レベルとに基づいて、当該被検者の検査注意度を算出する。
【0052】
図10の例では、被検者E1の乳腺密度指標「10」及び異常所見レベル「1」が乗算されて、被検者E1の検査注意度「10」が算出されている。また、被検者E2の乳腺密度指標「50」及び異常所見レベル「10」が乗算されて、被検者E2の検査注意度「1000」が算出されている。また、被検者E3の乳腺密度指標「50」及び異常所見レベル「50」が乗算されて、被検者E3の検査注意度「2500」が算出されている。また、被検者E4の乳腺密度指標「50」及び異常所見レベル「100」が乗算されて、被検者E4の検査注意度「5000」が算出されている。なお、ここでは、乳腺密度指標及び検査注意度指標が乗算される例を検査注意度として示したが、これに限定されるものではない。検査注意度は、乳腺密度指標及び異常所見レベルの加算など、注意深く検査される必要がある被検者ほど高く算出されればよい。
【0053】
ここで、検査者情報記憶回路26について説明する。検査者情報記憶回路26は、超音波検査に係る検査者を表す検査者情報ごとに当該検査者の検査能力を表す検査者指標を予め記憶する。図11は、検査者指標の概略を示す表である。例えば、検査者(検査技師F1、検査技師F2、検査技師F3、検査技師F4)の検査能力を表す目安としての検査グレード(H1,H2,H3,H4)に応じて検査グレード指標が設定される。検査グレードの例としては、検診マンモグラフィ撮影認定技師のグレードが挙げられる。検査グレードの設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図11の例では、検査グレードH1、検査グレードH2、検査グレードH3、検査グレードH4の順に検査能力が高くなっていくように設定されるとする。
【0054】
また、検査グレード(H1,H2,H3,H4)ごとに、検査グレード指標が設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図11の例では、検査グレードH4に検査グレード指標「100」が設定され、検査グレードH3に検査グレード指標「80」が設定され、検査グレードH2に検査グレード指標「50」が設定され、検査グレードH1に検査グレード指標「10」が設定されている。このことは、検査能力が高いほど検査グレード指標が高く設定されることに相当する。図11の例では、検査技師F1(検査グレードH4)の検査グレード指標が「100」に設定され、検査技師F2(検査グレードH3)の検査グレード指標が「80」に設定され、検査技師F3(検査グレードH1)の検査グレード指標が「10」に設定され、検査技師F4(検査グレードH2)の検査グレード指標が「50」に設定されている。
【0055】
また、検査者(検査技師F1、・・・、検査技師F4)の検査能力を表す目安としての経験年数に応じて経験年数指標が設定されてもよい。経験年数の設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図11の例では、「10年以上」「5年以上10年未満」「3年以上5年未満」「1年以上3年未満」「1年未満」という経験年数が設定されている。
【0056】
また、設定された経験年数に応じて経験年数指標が設定される。この設定では、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図11の例では、経験年数「10年以上」に経験年数指標「10」が設定され、経験年数「5年以上10年未満」に経験年数指標「9」が設定され、経験年数「3年以上5年未満」に経験年数指標「8」が設定され、経験年数「1年以上3年未満」に経験年数指標「5」が設定され、経験年数「1年未満」に経験年数指標「1」が設定されている。このことは、経験年数が長いほど経験年数指標が高く設定されることに相当する。図11の例では、検査技師F1(経験年数「10年以上」)の経験年数指標が「10」に設定され、検査技師F2(経験年数「3年以上5年未満」)の経験年数指標が「8」に設定され、検査技師F3(経験年数「10年以上」)の経験年数指標が「10」に設定され、検査技師F4(経験年数「3年以上5年未満」)の経験年数指標が「8」に設定されている。
【0057】
このように検査グレード指標及び経験年数指標が設定されることにより、検査者(検査技師F1、・・・、検査技師F4)ごとの検査グレード指標及び経験年数指標が乗算された値が検査者指標として定められている。
【0058】
図11の例では、検査技師F1の検査者指標は「1000」に定められ、検査技師F2の検査者指標は「640」に定められ、検査技師F3の検査者指標は「100」に定められ、検査技師F4の検査者指標は「400」に定められている。検査者情報記憶回路26は、このように定められた検査者指標を予め記憶する。なお、ここでは、検査グレード指標及び経験年数指標が乗算される例を検査者指標として示したが、これに限定されるものではない、検査者指標は、検査グレード指標及び経験年数指標の加算など、検査能力を表す値として設定されればよい。
【0059】
検査割当回路24は、検査注意度が高い被検者の被検者情報ほど、検査者指標が高い検査者の検査者情報に割り当てる。検査割当回路24は、割り当てられた被検者情報、該被検者のマンモグラフィ画像及び所見情報を当該検査者情報に対応する超音波診断装置6へ送信する。また、検査割当人数記憶回路241は、被検者情報が検査者情報に割り当てられるごとに、割り当てられている被検者情報の数を検査者情報ごとに順次記憶する。また、検査割当人数記憶回路241は、検査者による超音波検査が終了するごとに、当該検査者情報に割り当てられている被検査情報の数を更新して記憶する。割り当てられている被検査情報の数は、読影が終わってから超音波検査が始まるまで待機する被検者の人数(検査順番待ち人数)を表す。
【0060】
そして、検査割当回路24は、割り当てられている被検者情報の数及び検査者指標に基づいて、検査者の検査状況を表す検査状況指標を順次算出する。図12は、検査状況指標の概略を示す表である。検査順番待ち人数ごとに検査順番待ち人数指標が設定される。この設定は、例えば医療従事者などの操作者が予め入力することによって行なわれる。図12の例では、検査順番待ち人数「0人」に検査順番待ち人数指標「10」が設定され、検査順番待ち人数「1人」に検査順番待ち人数指標「10」が設定され、検査順番待ち人数「2人」に検査順番待ち人数指標「8」が設定され、検査順番待ち人数「3人」に検査順番待ち人数指標「8」が設定され、検査順番待ち人数「4人」に検査順番待ち人数指標「5」が設定され、検査順番待ち人数「5人」に検査順番待ち人数指標「5」が設定されている。このことは、検査順番待ち人数が少ないほど検査順番待ち人数指標が大きく設定されていることに相当する。
【0061】
検査割当回路24は、検査者指標と新たな被検者情報を受けたときの検査順番待ち人数とに基づいて、検査者ごとの検査状況指標を算出する。新たな被検者情報とは、読影端末5から送信され、まだ検査者情報に割り当てられていない被検者情報である。図12では、検査割当回路24が新たな被検者情報を受けたときに、検査技師F1の検査順番待ち人数が「4人」であり、検査技師F2の検査順番待ち人数が「1人」であり、検査技師F3の検査順番待ち人数が「3人」であり、検査技師F4の検査順番待ち人数が「0人」である例が示されている。
【0062】
例えば、検査割当回路24は、検査者指標と検査順番待ち人数指標とを乗算して、検査者毎の検査状況指標を算出する。図12の例では、検査技師F1の検査者指標「1000」と検査順番待ち人数指標「5」とが乗算されて、検査技師F1の検査状況指標「5000」が算出されている。また、検査技師F2の検査者指標「640」と検査順番待ち人数指標「10」とが乗算されて、検査技師F2の検査状況指標「6400」が算出されている。また、検査技師F3の検査者指標「100」と検査順番待ち人数指標「8」とが乗算されて、検査技師F3の検査状況指標「800」が算出されている。また、検査技師F4の検査者指標「400」と検査順番待ち人数指標「10」とが乗算されて、検査技師F4の検査状況指標「4000」が算出されている。なお、ここでは、検査者指標と検査順番待ち人数指標とが乗算される例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、検査者指標と検査順番待ち人数指標とが加算されてもよい。
【0063】
検査割当回路24は、検査注意度が高い被検者情報ほど、検査状況指標が高い検査者情報に当該被検者情報を割り当てる。例えば、検査割当回路24は、所定のメモリ領域を有し、検査注意度指標に係る所定の閾値を予め記憶する。この閾値は、例えば医療従事者などの操作者によって予め入力される。検査割当回路24は、算出された検査注意度がこの閾値以上又は超であるとき、検査状況指標が高い読影医情報に当該被検者情報を割り当てる。
【0064】
例えば、この閾値が「3000」であるとき、検査割当回路24は、検査注意度が「5000」である被検者E4(図10参照)の被検者情報を、検査状況指標が「6400」である検査技師F2の検査者情報に割り当てる。このことは、検査注意度が高い被検者すなわち注意深い検査が必要とされる被検者の被検者情報が、検査能力が高くかつ被検者の待ち人数が少ない検査者の検査者情報へ割り当てられることに相当する。それにより、被検者の待ち時間を短縮しつつ、注意深い検査が必要とされる被検者の被検者情報を検査能力が高い検査者へ割り当てることができる。なお、検査割当回路24は、算出された検査注意度がこの閾値以上又は超でないとき、検査順番待ち人数が検査者間で均等になるように被検者情報を割り当てればよい。
【0065】
そして、検査割当回路24は、被検者情報、マンモグラフィ画像及び所見情報を当該検査者情報の超音波診断装置6へ送信する。また、検査割当回路24は、被検者情報が割り当てられた超音波診断装置6を特定可能な超音波診断装置IDを当該被検者の携帯情報端末1へ送信する。さらに、検査割当回路24は、この被検者情報を当該超音波診断装置6が設けられた超音波検査室ゲート装置7へ送信する。携帯情報端末1は、この超音波診断装置IDに応じた案内情報をディスプレイに表示する。このとき、携帯情報端末1は、例えば、当該超音波診断装置6が設けられた超音波検査室の番号や、当該マンモグラフィ検査室への移動経路を案内情報として表示する。被検者は、案内情報を参照することによって、割り当てられた検査者に応じた超音波診断装置が設けられた超音波検査室へ行くことができる。例えば、超音波検査室の入口には、超音波検査室ゲート装置7が設けられる。
【0066】
この実施形態の超音波検査室ゲート装置7(図1参照)では、構成要素、読取部・判定部にて行なわれる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路71に記憶されている。処理回路72は、プログラムを記憶回路71から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実行するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路72は、図1の処理回路72内に示された各機能を有することとなる。
【0067】
なお、図1の例では、単一の処理回路72にて読取部・判定部にて行なわれる処理機能が実現されるものとして説明する。但し、複数の分離したプロセッサを組み合わせ、各プロセッサがプログラムを実行することにより処理機能が実現されてもよい。
【0068】
例えば、被検者が、当該検査室に設けられた超音波検査室ゲート装置7に携帯情報端末1をかざすと、処理回路72は、当該携帯情報端末1から被検者情報を読み取る(読取機能721)。被検者情報を読み取る技術の例としては、一般的なRFID技術やバーコード技術が挙げられる。
【0069】
処理回路72は、読み取られた被検者情報と検査割当回路24から受けた被検者情報とを参照して、読み取られた被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれるか否かを判定する(判定機能722)。集団検診では通常、1つの超音波診断装置6に複数の被検者情報が割り当てられる。処理回路72は、読み取られた被検者情報すなわち当該検査室へ到着した被検者の被検者情報が、当該超音波診断装置6に割り当てられた複数の被検者情報に含まれるか否かを判定する。
【0070】
処理回路72は、読み取られた被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれると判定したとき、ゲート73へ開放信号を出力する。ゲート73は、開放信号を受けて開放する。それにより、被検者は当該超音波検査室への入室(通過)が許可される。
【0071】
処理回路72は、読み取られた被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれないと判定したとき、開放信号を出力しない。このとき処理回路72は、当該検査室へ割り当てられていない旨を示す文字情報、当該被検者が未だマンモグラフィ検査を受けていない旨を示す文字情報、又は当該被検者が未だ問診に回答していない旨を示す文字情報をディスプレイ74に表示する。なお、これら文字情報は、携帯情報端末1に表示されてもよい。それにより、被検者は、表示された文字情報を視認することによって、超音波検査室を間違えたこと、未だマンモグラフィ検査を受けていないこと、又は問診に未回答であることを把握することができる。またこの場合、ゲート73は開放されない。したがって、被検者が割り当てられていない超音波検査室に誤って入ることを防止することができる。また、未だマンモグラフィ検査を受けていない被検者が超音波検査室に誤って入ることを防止することができる。また、問診に回答していない被検者が超音波検査室に誤って入ることを防止することができる。なお、ゲート73を実現する技術の例としては、一般的な自動ドア技術が挙げられる。または、物理的に開閉するドアを用いることなく、携帯情報端末1または超音波検査室ゲート装置7からの警告音等により、被検者に注意を促すような技術でもよい。
【0072】
超音波診断装置6は、情報処理装置2と通信可能に接続される。超音波診断装置6のハードウェア及びソフトウェア構成には、一般的なハードウェア及びソフトウェア構成が適用される。超音波検査技師は、超音波診断装置6を用いて被検者の乳房の超音波画像を撮影する。超音波検査技師は、撮影された超音波画像並びに情報処理装置2から受けた所見情報及びマンモグラフィ画像を視認しながら、当該被検者の乳房検診を行うことができる。なお、処理回路72が超音波診断装置6に備えられ、超音波検査の前に当該被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれるか否かが判定されてもよい。
【0073】
本明細書において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(central processing unit)arithmetic circuit(circuitry)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Dvice:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、メモリに保存された、若しくはプロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムを記憶するメモリはプロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは図1及び図2における各記憶回路(21,41,71)が各プロセッサの機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。なお、本実施例の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1及び図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0074】
特許請求の範囲における乳腺密度指標算出部は、実施形態における乳腺密度算出機能に対応する。特許請求の範囲における読影者情報記憶部は、実施形態における読影者情報記憶回路に対応する。特許請求の範囲における読影割当部は、実施形態における読影割当回路に対応する。特許請求の範囲における読影注意度算出部は、実施形態における読影注意度算出機能232に対応する。特許請求の範囲における読影割当人数記憶部は、実施形態における読影割当人数記憶回路に対応する。特許請求の範囲における読影状況指標算出部は、実施形態における読影状況指標算出機能233に対応する。特許請求の範囲における読取部は、実施形態における読取機能に対応する。特許請求の範囲における判定部は、実施形態における判定機能に対応する。特許請求の範囲における表示部は、実施形態におけるディスプレイに対応する。特許請求の範囲における異常所見レベル算出部は、実施形態における異常所見レベル算出機能223に対応する。特許請求の範囲における検査者情報記憶部は、実施形態における検査者情報記憶回路に対応する。特許請求の範囲における検査割当部は、実施形態における検査割当機能に対応する。特許請求の範囲における検査割当人数記憶部は、実施形態における検査割当人数記憶回路に対応する。特許請求の範囲における検査状況指標算出部は、実施形態における検査状況指標算出機能243に対応する。特許請求の範囲におけるマンモグラフィ装置割当部は、実施形態におけるマンモグラフィ装置割当機能221に対応する。
【0075】
図13A及び図13Bは、実施形態に係る医用情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS101:被検者は、アンケートソフトを介して、問診に対する回答を携帯情報端末1へ入力する。携帯情報端末1は、問診結果を表す問診情報を当該被検者情報とともに情報処理装置2へ送信する。
【0077】
ステップS102:ステップS102は、マンモグラフィ装置割当機能221に対応するステップである。このステップは、処理回路22がメモリからマンモグラフィ装置割当機能221に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、マンモグラフィ装置割当機能221が実現されるステップである。処理回路22は、マンモグラフィ装置3に携帯情報端末1からの被検者情報を割り当てる。処理回路22は、被検者情報が割り当てられたマンモグラフィ装置3を特定可能なマンモグラフィ装置IDを当該被検者の携帯情報端末1へ送信する。また、処理回路22は、この被検者情報を当該マンモグラフィ装置3及びマンモグラフィ検査室ゲート装置4へ送信する。
【0078】
ステップS103:ステップS103は、読取機能421及び判定機能422に対応するステップである。このステップは、処理回路42がメモリから読取機能421及び判定機能422に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、読取機能421及び判定機能422が実現されるステップである。処理回路42は、当該携帯情報端末1から被検者情報を読み取る。処理回路42は、読み取られた被検者情報と処理回路22から受けた被検者情報とを参照して、読み取られた被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれるか否かを判定する。
【0079】
ステップS104:処理回路42は、読み取られた被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれると判定したとき(ステップS103;YES)、ゲート43へ開放信号を出力する。ゲート43は、開放信号を受けて開放する。それにより、被検者は当該マンモグラフィ検査室に入室することができる。
【0080】
ステップS105:処理回路42は、読み取られた被検者情報が処理回路22から受けた被検者情報に含まれないと判定したとき(ステップS103;NO)、開放信号を出力しない。このとき処理回路42は、当該検査室へ割り当てられていない旨を示す文字情報、又は当該被検者が未だ問診に回答していない旨を示す文字情報をディスプレイ44に表示する。
【0081】
ステップS106:マンモグラフィ装置3は、被検者の乳房のマンモグラフィ画像を撮影する。マンモグラフィ装置3は、このマンモグラフィ画像を当該被検者情報とともに情報処理装置2へ出力する。
【0082】
ステップS107:ステップS107は、乳腺密度指標算出機能222に対応するステップである。このステップは、処理回路22がメモリから乳腺密度指標算出機能222に対応する所定のプログラムを呼び出し実行することにより、乳腺密度指標算出機能222が実現されるステップである。処理回路22は、マンモグラフィ検査のために順次取得されたマンモグラフィ画像に基づいて、当該被検者の乳腺密度の程度を表す乳腺密度指標を算出する。例えば、処理回路22は、脂肪領域及び乳腺領域の面積(画素数)に対する乳腺領域の面積の割合(百分率等)を乳腺密度として算出する。そして、処理回路22は、算出した乳腺密度と乳腺密度指標設定情報とを参照して、当該乳腺密度に対応するカテゴリを特定する。そして、処理回路22は、特定されたカテゴリに設定された乳腺密度指標を特定することによって、乳腺密度指標を算出する。処理回路22は、算出された乳腺密度指標を当該マンモグラフィ画像に付帯して、当該被検者情報とともに読影割当回路23へ出力する。
【0083】
ステップS108:ステップS108は、読影注意度算出機能232に対応するステップである。このステップは、読影割当回路23がメモリから読影注意度算出機能232に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、読影注意度算出機能232が実現されるステップである。読影割当回路23は、処理回路22から乳腺密度指標を受けて、当該被検者の乳腺密度指標に対応する乳腺密度指標を特定する。読影割当回路23は、携帯情報端末1から問診情報を受けて、当該被検者の問診情報に対応する問診情報指標を特定する。そして、読影割当回路23は、乳腺密度指標と問診情報とに基づいて、当該被検者の読影注意度を算出する。
【0084】
ステップS109:ステップS109は、読影状況指標算出機能233に対応するステップである。このステップは、読影割当回路23がメモリから読影状況指標算出機能233に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、読影状況指標算出機能233が実現されるステップである。読影割当回路23は、読影者指標と新たな被検者情報を受けたときの読影順番待ち人数とに基づいて、読影者ごとの読影状況指標を算出する。
【0085】
ステップS110:ステップS110は、読影割当回路23がメモリから所定のプログラムを読み出し実行することにより実現されるステップである。読影割当回路23は、読影注意度が高い被検者情報ほど、読影状況指標が高い読影者情報に当該被検者情報を割り当てる。読影割当回路23は、被検者情報及びマンモグラフィ画像を、当該読影者情報の読影端末5へ送信する。
【0086】
ステップS111:読影者は、読影端末5を用いて、読影割当回路23から受信したマンモグラフィ画像に対する読影を行うことができる。読影者は、当該被検者に係る所見情報を入力する。読影者は、読影が終了すると、所定の終了操作を行う。そして、読影端末5は、入力された所見情報を当該被検者情報とともに情報処理装置2へ送信する。読影割当人数記憶回路231は、読影者による読影が終了するごとに、当該読影者情報に割り当てられている被検者情報の数を更新して記憶する。
【0087】
ステップS112:ステップS112は、異常所見レベル算出機能223に対応するステップである。このステップは、処理回路22がメモリから異常所見レベル算出機能223に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、異常所見レベル算出機能223が実現されるステップである。処理回路22は、マンモグラフィ画像に対する読影に係る所見を表す所見情報を取得し、当該被検者の異常所見及び異常所見レベルを特定することによって異常所見レベルを算出する。処理回路22は、算出された異常所見レベルを検査割当回路24へ出力する。
【0088】
ステップS113:ステップS113は、検査注意度算出機能242に対応するステップである。このステップは、検査割当回路24がメモリから検査注意度算出機能242に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、検査注意度算出機能242が実現されるステップである。検査割当回路24は、検査割当回路24は、乳腺密度指標と異常所見レベルとに基づいて、当該被検者情報の検査注意度を算出する。検査割当回路24は、検査割当回路24は、処理回路22から乳腺密度指標を受けて、当該被検者の乳腺密度指標に対応する乳腺密度指標を特定する。検査割当回路24は、特定された乳腺密度指標と算出された異常所見レベルとに基づいて、当該被検者の検査注意度を算出する。
【0089】
ステップS114:ステップS114は、検査状況指標算出機能243に対応するステップである。このステップは、検査割当回路24がメモリから検査状況指標算出機能243に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、検査状況指標算出機能243が実現されるステップである。検査割当回路24は、検査者指標と新たな被検者情報を受けたときの検査順番待ち人数とに基づいて、検査者ごとの検査状況指標を算出する。
【0090】
ステップS115:ステップS115は、検査割当回路24がメモリから所定のプログラムを読み出し実行することにより実現されるステップである。検査割当回路24は、検査注意度が高い被検者情報ほど、検査状況指標が高い検査者情報に当該被検者情報を割り当てる。検査割当回路24は、被検者情報、マンモグラフィ画像及び所見情報を当該検査者情報の超音波診断装置6へ送信する。また、検査割当回路24は、被検者情報が割り当てられた超音波診断装置6を特定可能な超音波診断装置IDを当該被検者の携帯情報端末1へ送信する。さらに、検査割当回路24は、この被検者情報を当該超音波診断装置6が設けられた超音波検査室ゲート装置7へ送信する。携帯情報端末1は、この超音波診断装置IDに応じた案内情報をディスプレイに表示する。
【0091】
ステップS116:ステップS116は、読取機能721及び判定機能722に対応するステップである。このステップは、処理回路72がメモリから読取機能721及び判定機能722に対応する所定のプログラムを読み出し実行することにより、読取機能721及び判定機能722が実現されるステップである。処理回路72は、当該携帯情報端末1から被検者情報を読み取る。処理回路72は、読み取られた被検者情報と検査割当回路24から受けた被検者情報とを参照して、読み取られた被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれるか否かを判定する。
【0092】
ステップS117:処理回路72は、読み取られた被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれると判定したとき(ステップS116;YES)、ゲート73へ開放信号を出力する。ゲート73は、開放信号を受けて開放する。それにより、被検者は当該超音波検査室に入室することができる。
【0093】
ステップS118:処理回路72は、読み取られた被検者情報が検査割当回路24から受けた被検者情報に含まれないと判定したとき(ステップS116;NO)、開放信号を出力しない。このとき処理回路72は、当該検査室へ割り当てられていない旨を示す文字情報、当該被検者が未だマンモグラフィ検査を受けていない旨を示す文字情報、又は当該被検者が未だ問診に回答していない旨を示す文字情報をディスプレイ74に表示する。
【0094】
ステップS119:超音波検査技師は、超音波診断装置6を用いて被検者の乳房の超音波画像を撮影する。超音波検査技師は、撮影された超音波画像並びに情報処理装置2から受けた所見情報及びマンモグラフィ画像を視認しながら、当該被検者の乳房検診を行うことができる。検査割当人数記憶回路241は、検査者による超音波検査が終了するごとに、当該検査者情報に割り当てられている被検査情報の数を更新して記憶する。
【0095】
実施形態の医用情報処理システムによれば、被検者の乳腺密度や問診情報に基づいて、注意深く読影される必要がある被検者ほど、読影能力が高い読影者に割り当てる。それにより、病変の見落としの防止を図ることができる。
【0096】
また、実施形態の医用情報処理システムによれば、読影順番待ち人数に基づいて、注意深く読影される必要がある被検者を読影能力が高くかつ被検者の待ち人数が少ない読影者へ割り当てる。それにより、検診の時間が長くなることを防ぎつつ、病変の見落としの防止を図ることができる。
【0097】
また、実施形態の医用情報処理システムによれば、マンモグラフィ検査室ゲート装置を含み、被検者に貸与された携帯情報端末からの被検者情報とマンモグラフィ装置へ送信された被検者情報とを照合及び判定する。それにより、被検者の取り違えの防止を図ることもできる。
【0098】
また、実施形態の医用情報処理システムによれば、被検者の乳腺密度や所見情報に基づいて、注意深く検査される必要がある被検者ほど、検査能力が高い検査者に割り当てる。それにより、病変の見落としの防止を図ることができる。
【0099】
また、実施形態の医用情報処理システムによれば、検査順番待ち人数に基づいて、注意深く検査される必要がある被検者を検査能力が高くかつ被検者の待ち人数が少ない検査者へ割り当てる。それにより、検診の時間が長くなることを防ぎつつ、病変の見落としの防止を図ることができる。
【0100】
また、実施形態の医用情報処理システムによれば、超音波検査室ゲート装置を含み、被検者に貸与された携帯情報端末からの被検者情報と超音波診断装置へ送信された被検者情報とを参照及び判定する。それにより、被検者の取り違えの防止を図ることもできる。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 携帯情報端末
2 情報処理装置
3 マンモグラフィ装置
4 マンモグラフィ検査室ゲート装置
5 読影端末
6 超音波診断装置
7 超音波検査室ゲート装置
21、41、71 記憶回路
22、42、72 処理回路
23 読影割当回路
24 検査割当回路
25 読影者情報記憶回路
26 検査者情報記憶回路
43、73 ゲート
44、74 ディスプレイ
221 マンモグラフィ装置割当機能
222 乳腺密度指標算出機能
223 異常所見レベル算出機能
231 読影割当人数記憶回路
232 読影注意度算出機能
233 読影状況指標算出機能
241 検査割当人数記憶回路
242 検査注意度算出機能
243 検査状況指標算出機能
421、721 読取機能
422、722 判定機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B