特許第6747991号(P6747991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産コパル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6747991-撮像装置 図000002
  • 特許6747991-撮像装置 図000003
  • 特許6747991-撮像装置 図000004
  • 特許6747991-撮像装置 図000005
  • 特許6747991-撮像装置 図000006
  • 特許6747991-撮像装置 図000007
  • 特許6747991-撮像装置 図000008
  • 特許6747991-撮像装置 図000009
  • 特許6747991-撮像装置 図000010
  • 特許6747991-撮像装置 図000011
  • 特許6747991-撮像装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747991
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20200817BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20200817BHJP
   G03B 17/55 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
   H04N5/225 400
   H04N5/225 700
   G03B17/02
   G03B17/55
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-5481(P2017-5481)
(22)【出願日】2017年1月17日
(65)【公開番号】特開2018-117197(P2018-117197A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】中村 優太
(72)【発明者】
【氏名】久保 浩一
【審査官】 中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−270264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
G03B 17/02
G03B 17/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部を搭載する基板と、
レンズを保持するレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒を保持するレンズフランジと、
前記基板、及び前記レンズフランジを保持するプレートと、を備え、
前記プレートは、前記基板または前記レンズフランジの一方を、光軸方向に付勢しながら固定し、前記基板または前記レンズフランジの他方に対して光軸に垂直な方向に移動可能に保持する第1保持部を有し、
前記基板または前記レンズフランジの他方は、前記プレートに対して固定されており、
前記プレートはさらに、前記基板と電気的に接続された補助基板を保持する、
撮像装置。
【請求項2】
前記プレートが金属であって、前記基板を覆うよう配置される、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1保持部は、前記プレートの板バネ部である、
請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
電子部品をさらに備え、
前記プレートは、前記電子部品に接する熱伝導部をさらに有する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮像部を搭載する基板と、
レンズを保持するレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒を保持するレンズフランジと、
前記基板、及び前記レンズフランジを保持するプレートと、
電子部品と、を備え、
前記プレートは、前記基板または前記レンズフランジの一方を、光軸方向に付勢しながら固定し、前記基板または前記レンズフランジの他方に対して光軸に垂直な方向に移動可能に保持する第1保持部を有し、
前記基板または前記レンズフランジの他方は、前記プレートに対して固定されており、
前記プレートは、前記電子部品に接する熱伝導部をさらに有する、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、撮像装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ鏡筒と、撮像素子を搭載した基板を有する撮像装置では、撮像素子に対してレンズ鏡筒の位置を調整し、光軸及びピントを調整する必要がある。従来の撮像装置では、所定の治具を用いて基板を保持しながら、レンズ鏡筒の光軸位置を調整するなどしていた。このような従来構成の撮像装置は、例えば特許文献1などに開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−259101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、自動車などに用いられる撮像装置では、さらに高精度に光軸及びピントを調整し、位置ずれが生じないような構成が要求されている。しかしながら、上記従来の撮像装置では、高精度に光軸を調整することが容易ではなかった。また、光軸調整に治具が必要であり、光軸調整が煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題などを解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
撮像部を搭載する基板(5a)と、
レンズを保持するレンズ鏡筒(3)と、
前記レンズ鏡筒を保持するレンズフランジ(4)と、
前記基板、及び前記レンズフランジを保持するプレート(6)と、を備え、
前記プレートは、前記基板または前記レンズフランジの一方を、光軸方向に付勢しながら固定し、前記基板または前記レンズフランジの他方に対して光軸に垂直な方向に移動可能に保持する第1保持部(例えば、基板後方付勢部6f、6j)を有し、
前記基板または前記レンズフランジの他方は、前記プレートに対して固定されており、
前記プレートはさらに、前記基板と電気的に接続された補助基板を保持する、
撮像装置である。
【0007】
上記構成の撮像装置では、基板またはレンズフランジの一方(例えば基板)を光軸に垂直な方向に移動させて光軸調整を行う際に、基板またはレンズフランジの一方(例えば基板)の位置を安定させ、ずれてしまうことを抑制することができる。これにより、従来よりも容易かつ高精度に、光軸調整を行うことが可能となる。また、複数の基板を有する構成において、複数の基板をプレートが保持する構成とするため、比較的組立容易な構成にすることができる。
【0008】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記プレートが金属であり、前記基板を覆うよう配置される。
【0009】
上記構成の撮像装置によれば、基板に搭載された電子部品等から発せられる電磁気が外部に漏れることを防止したり、電子部品または撮像素子に対して外部からノイズが混入することを防止したりすることができる。
【0010】
上記撮像装置において、好ましくは、
前記第1保持部は、前記プレートの板バネ部(例えば、基板後方付勢部6f、6j)、である。
【0011】
上記構成の撮像装置によれば、プレートの一部の板バネ部により基板またはレンズフランジの一方を付勢するため、部品点数を増加させることなく、基板またはレンズフランジの一方を安定的に保持する構成にすることができる。
【0012】
上記撮像装置において、好ましくは、
電子部品をさらに備え、
前記プレートは、前記電子部品に接する熱伝導部(6b)をさらに有する。
【0013】
上記構成の撮像装置によれば、電子部品から発せられる熱がプレートを介して放熱可能な構成にすることができる。
【0014】
本発明の他の手段は、
撮像部を搭載する基板(5a)と、
レンズを保持するレンズ鏡筒(3)と、
前記レンズ鏡筒を保持するレンズフランジ(4)と、
前記基板、及び前記レンズフランジを保持するプレート(6)と、
電子部品と、を備え、
前記プレートは、前記基板または前記レンズフランジの一方を、光軸方向に付勢しながら固定し、前記基板または前記レンズフランジの他方に対して光軸に垂直な方向に移動可能に保持する第1保持部(例えば、基板後方付勢部6f、6j)を有し、
前記基板または前記レンズフランジの他方は、前記プレートに対して固定されており、
前記プレートは、前記電子部品に接する熱伝導部(6b)をさらに有する、
撮像装置である。
【0015】
上記構成の撮像装置では、基板またはレンズフランジの一方(例えば基板)を光軸に垂直な方向に移動させて光軸調整を行う際に、基板またはレンズフランジの一方(例えば基板)の位置を安定させ、ずれてしまうことを抑制することができる。これにより、従来よりも容易かつ高精度に、光軸調整を行うことが可能となる。また、電子部品から発せられる熱を、プレートを介して放熱可能な構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】撮像装置の分解斜視図。
図2】撮像装置の外観斜視図。
図3】撮像素子を光軸方向前方から見た平面図。
図4】撮像素子を側方から見た平面図。
図5】撮像素子を光軸方向後方から見た平面図。
図6】フロントケース、リアケース及びコネクタを取り外した撮像装置の斜視図。
図7】フロントケース、リアケース及びコネクタを取り外した撮像装置を光軸方向前方から見た平面図。
図8】フロントケース、リアケース及びコネクタを取り外した撮像装置を側方から見た平面図。
図9】フロントケース、リアケース及びコネクタを取り外した撮像装置を光軸方向後方から見た平面図。
図10図3のA−Aの位置における断面図。
図11図7のB−Bの位置における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の撮像装置は、撮像素子を覆うように金属製のプレートが配置され、このプレートが基板を光軸方向に付勢しながら固定しつつ、光軸に垂直な方向には移動可能に保持した構成が特徴の一つである。
【0018】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態
2.補足事項
【0019】
<1.実施形態>
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の撮像装置の分解斜視図である。図2図5はいずれも撮像装置の外観図であり、図2は外観斜視図、図3は光軸方向前方から見た平面図、図4は側方(光軸に対して垂直な方向)から見た平面図であり、図5は光軸方向後方から見た平面図である。図6図9は、フロントケース1、リアケース8及びコネクタ9を取り外した状態の撮像装置を示している。図6は斜視図、図7は光軸方向前方から見た平面図、図8は側方から見た平面図、図9は光軸方向後方から見た平面図である。図における「C」は、光軸を示している。
【0020】
なお、本明細書では、レンズの中心位置であって、撮像素子に入射する光の中心位置を「光軸」と称する。レンズに対して撮像素子とは反対側に位置する撮像対象を「被写体」と称する。レンズに対して被写体が位置する方向を、「光軸方向の前方」または「被写体側」と称することがある。レンズに対して撮像素子が位置する方向を、「光軸方向の後方」または「撮像素子側」と称することがある。
【0021】
主に図1に示されるように、本実施形態の撮像装置は、フロントケース1、防水ゴム2、レンズ鏡筒3、レンズフランジ4、基板5a、補助基板5b、プレート6、防水ゴム7、リアケース8、及びコネクタ9を含んで構成される。防水ゴム2、レンズ鏡筒3、レンズフランジ4、基板5a、補助基板5b、プレート6、及び防水ゴム7は、フロントケース1及びリアケース8からなるケースに覆われ保持される。
【0022】
<フロントケース1、リアケース8>
フロントケース1は、撮像装置のうち、光軸方向前方に配置されたケースである。リアケース8は、撮像装置のうち、光軸方向後方に配置されたケースである。フロントケース1とリアケース8とは、連結ネジ8a〜8dによって連結される。フロントケース1及びリアケース8は、それぞれ連結ネジ8a〜8dが挿入されるネジ孔を有する。リアケース8のネジ孔は貫通孔である。リアケース8とコネクタ9とは、連結ネジ9a及び9bにより連結される。
【0023】
<レンズ鏡筒3>
レンズ鏡筒3は、光軸方向に伸びる円筒状の部材である。レンズ鏡筒3は、レンズ3aを含む1以上の光学部材を保持する。
【0024】
レンズ鏡筒3に保持される光学部材には、レンズ3aの他に、レンズ、スペーサ、口径板、及び光学フィルタ(図示省略)などが含まれる。レンズ3aを含むレンズは、ガラスまたはプラスチック等の透過性を有する素材で形成され、光軸方向前方からの光を屈折させながら光軸方向後方に透過させる。スペーサは、光軸方向に適度な厚みを有する円板状の部材であり、各レンズの光軸方向の位置を調整する。スペーサは、光軸を含む中心部に開口部を有する。口径板は、通過する光の最外位置を決める。光学フィルタは、所定の波長の光を抑制または遮蔽する。光学フィルタは、例えば、通過する赤外線を抑制する赤外線カットフィルタなどが含まれる。これらの光学部材の数は、任意に変更可能である。
【0025】
レンズ鏡筒3は、径方向外側の外周位置である、図10及び図11のDの位置に、ネジ山を有する。このネジ山は、レンズフランジ4の径方向内側の内周に形成されたネジ孔と嵌合する。レンズフランジ4に対してレンズ鏡筒3を回転させることで、レンズフランジ4に対するレンズ鏡筒3のねじ込み量が変化する。後述するように、レンズフランジ4に対して、撮像素子5cが搭載された基板5aが光軸方向に固定されるため、レンズフランジ4に対するレンズ鏡筒3のねじ込み量を変化させることで、撮像素子5cに対するレンズ鏡筒3の光軸方向の位置が変化する。これによりピントを調整することができる。
【0026】
<レンズフランジ4>
レンズフランジ4は、上記のとおり、径方向内側の位置である、図10及び図11のDの位置にネジ山を有する。レンズフランジ4は、このネジ山でレンズ鏡筒3とねじ嵌合して連結される。これにより、レンズフランジ4はレンズ鏡筒3を保持する。また、レンズフランジ4はプレート6により保持される。
【0027】
レンズフランジ4は、フロントケース1と対向する外側の位置にフック部4a〜4cを有する(図6図8図10及び図11参照)。フック部4a〜4cは、それぞれ外側に向かって突出し、プレート6に形成された孔部から突出する。フック部4a〜4cの光軸方向前方の面は、プレート6の孔部の光軸方向後方の端面と接している。これにより、レンズフランジ4は光軸方向前方への移動が規制される。
【0028】
レンズフランジ4の光軸方向後方の面は、図10及び図11のEの位置で、基板5aの光軸方向前方の面と接する。後述するように、基板5aは光軸方向前方に向かう付勢力を受けており、この付勢力によりレンズフランジ4が光軸方向前方に付勢される。つまり、レンズフランジ4は、フック部4a〜4c及び基板5aにより光軸方向前方に付勢されながら光軸方向の位置が固定される。
【0029】
<基板5a>
基板5aは、リジッド基板であって、撮像素子5cを含む電子部品が搭載される。基板5aの光軸方向前方の面は、図10及び図11のEの位置で、レンズフランジ4の光軸方向後方の面と接する。基板5aは、光軸方向後方の面で、プレート6の基板後方付勢部6f、及び6jに接している。つまり、基板5aは、基板後方付勢部6f、及び6jにより光軸方向前方に弾性的に付勢される。
【0030】
撮像素子5cは、照射された光を電気信号に変換する光電変換素子であり、例えばC−MOSセンサやCCDなどであるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
光軸調整及びピント調整が完了した撮像装置では、レンズフランジ4と基板5aとは、当接位置に接着剤などが塗布され位置固定される。
【0032】
<補助基板5b>
補助基板5bは、リジッド基板であって、電子部品等が搭載される。補助基板5bは、基板5aと、フレキシブル基板などで電気的に接続される。
【0033】
図10に示された、補助基板5bに搭載された電子部品5fは、半導体装置などの、動作時に熱を発する、発熱性を有する部品である。電子部品5fの表面には、プレート6から突出した熱伝導部6bが接する。熱伝導部6bは、光軸に垂直な方向に延び、電子部品5f及び補助基板5bの光軸方向前方への移動を規制する。熱伝導部6bは、電子部品5fの熱を伝導させることで、電子部品5fが高温になることを抑制することができる。
【0034】
補助基板5bの光軸方向前方の面には、補助基板前方支持部6a、6c及び6iが接しており、補助基板5bの光軸方向前方への移動を規制する。
【0035】
補助基板5bの光軸方向後方の面には、補助基板後方付勢部6e、及び6gが接している。補助基板5bは、補助基板後方付勢部6e、及び6gにより光軸方向前方に弾性的に付勢される。
【0036】
補助基板5bの光軸方向後方には、円筒状の突出部を有している。この突出部は、コネクタ9の孔部に挿入される。
【0037】
<プレート6>
プレート6は、板状の金属で形成されており、基板5a及び補助基板5bを、光軸に対して外側から覆うよう配置される。プレート6は、基板5a及び補助基板5bから発せられる電磁気などが外部に漏れることを防止したり、外部からノイズが混入することを防止したりする機能を有する。そのため、プレート6はシールドプレートとも呼ばれる。
【0038】
プレート6は、各部が内側に向かって屈曲した屈曲板部を有しており、この屈曲板部が、基板後方付勢部6f及び6j、補助基板前方支持部6a、6c及び6i、補助基板後方付勢部6e及び6g、補助基板付勢部6h、並びに熱伝導部6bとなる。基板後方付勢部6f及び6j、補助基板後方付勢部6e及び6g、並びに補助基板付勢部6hは、それぞれ板バネ形状になり付勢力を有している。
【0039】
基板後方付勢部6f及び6jは、基板5aの光軸方向後方に接し、光軸方向前方に向かって付勢する。補助基板後方付勢部6e及び6gは、補助基板5bの光軸方向後方に接し、光軸方向前方に向かって付勢する。補助基板付勢部6hは、補助基板5bを内側に向かって付勢しながら支持する。基板後方付勢部6f及び6jは、本発明の「第1保持部」の構成の一例である。
【0040】
<防水ゴム2、7>
防水ゴム2は、フロントケース1とレンズ鏡筒3との間に配置され、内部に水分が侵入することを防止する。防水ゴム7は、フロントケース1とリアケース8との間に配置され、内部に水分が侵入することを防止する。防水ゴム2及び7は、樹脂などに置き換えても良いし、備えない構成とすることもできる。
【0041】
<コネクタ9>
コネクタ9は、光軸方向前方の中心部に孔部を有しており、この孔部に補助基板5bの光軸方向後方の突出部が挿入される。コネクタ9は、リアケース8と連結される。コネクタ9は、撮像装置が搭載される機器に接続される。
【0042】
<光軸調整及びピント調整>
上記構成の撮像装置では、以下のように光軸調整及びピント調整が行われる。図10及び図11に示されるように、プレート6に対して、レンズフランジ4は、光軸方向及び光軸に垂直な方向に固定される。レンズフランジ4にはレンズ鏡筒3がねじ嵌合する。レンズフランジ4に対してレンズ鏡筒3を回転させると、レンズフランジ4に対してレンズ鏡筒3が光軸方向に移動する。つまり、レンズ鏡筒3は、プレート6に対して光軸方向に移動可能である。
【0043】
一方、プレート6は、基板5aを、光軸方向には移動しないよう固定し、光軸に垂直な方向に移動可能に支持する。
【0044】
したがって、プレート6に対して、基板5aは光軸に垂直な方向に移動可能であり、レンズ鏡筒3は光軸方向に移動可能である。よって、基板5aを移動させることで光軸の位置を調整し、レンズ鏡筒3を回転させることでピントを調整することができる。光軸の位置及びピントの調整が完了したら、レンズフランジ4と基板5aとの当接位置を接着する。また、必要に応じてその他の箇所を接着する。
【0045】
これにより、本実施形態の撮像装置では、従来構成よりも容易かつ高精度に、光軸調整及びピント調整を行うことが可能となる。
【0046】
また、本実施形態の撮像装置では、プレート6の一部を板バネ形状とし、基板5aを光軸方向に付勢しながら支持する構成としているため、部品点数を増加させることなく、基板5aを安定的に保持する構成とすることができる。
【0047】
<2.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明では、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0048】
実施形態では、プレート6に対して、レンズフランジ4が固定され、基板5aが光軸に垂直な方向に移動可能であったが、プレート6に対して基板5aが固定され、レンズフランジ4が光軸に垂直な方向に移動可能な構成としても良い。このような構成であっても、基板を光軸に垂直な方向に移動させて光軸調整することが可能となる。
【0049】
本発明の撮像装置は、特に高精度に光軸の調整を行う必要がある、自動車などに搭載される車載用の撮像装置として特に有用である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、車載用の撮像装置などとして好適に利用される。
【符号の説明】
【0051】
1…フロントケース
2…防水ゴム
3…レンズ鏡筒
3a…レンズ
4…レンズフランジ
4a〜4c…フック部
5a…基板
5b…補助基板
5c…撮像素子
5f…電子部品
6…プレート
6a、6c、6i…補助基板前方支持部
6b…熱伝導部
6e、6g…補助基板後方付勢部
6f、6j…基板後方付勢部
6h…補助基板付勢部
7…防水ゴム
8…リアケース
8a〜8d…連結ネジ
9…コネクタ
9a…連結ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11