特許第6747992号(P6747992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747992
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】車両用内装材
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/08 20060101AFI20200817BHJP
   B60R 13/08 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
   B60R7/08 R
   B60R13/08
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-7375(P2017-7375)
(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公開番号】特開2018-114867(P2018-114867A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000133065
【氏名又は名称】株式会社タケヒロ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 尚徳
(72)【発明者】
【氏名】小林 寿史
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−50250(JP,A)
【文献】 実開昭62−131946(JP,U)
【文献】 実開昭57−90249(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/08
B60R 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能部品を配するための機能部品用開口部が設けられたアッパーバックパネル上に配される車両用内装材であって、
車室と荷室とを仕切る棚状のパッケージトレイであって、アッパーバックパネルのパネル面と平行な板面を有するパッケージトレイと、
前記アッパーバックパネル上に敷設され、前記アッパーバックパネルと前記パッケージトレイとの間に配され、荷室からの騒音を吸収する板状の吸音部材と、を備え、
前記吸音部材が、
多孔質吸音材料からなり、前記パッケージトレイの板面と平行な板面を有し、前記機能部品用開口部を覆う開口被覆部と、前記機能部品用開口部を取り囲む前記アッパーバックパネルの開口外側部を覆う開口外側被覆部とを有する本体と、
硬質材料からなり、前記本体の開口被覆部の板面に対向する対向面を有し、前記対向面が前記本体の開口被覆部の板面の少なくとも一部に取り付けられ、前記本体の開口被覆部と開口外側被覆部の少なくとも一部を補強する補強材と、を備える車両用内装材。
【請求項2】
前記本体は、前記機能部品用開口部の開口縁より内側となる位置に位置決め突部を有し、
前記位置決め突部は、前記本体の板面のうち、前記アッパーバックパネルと対向する下側板面に対して略垂直方向に突出し、当該車両用内装材が前記アッパーバックパネルに配された状態で、外側面が前記機能部品用開口部の開口縁に当接するように形成されている請求項1に記載の車両用内装材。
【請求項3】
前記補強材は、前記本体の厚さ方向に対し、前記開口被覆部と前記位置決め突部の間に配され、
前記吸音部材は、前記本体と前記補強材とを一体成形してなる請求項2に記載の車両用内装材。
【請求項4】
前記本体は、少なくとも一部が車室後部の第1の側壁から反対側の第2の側壁まで延びる一枚板状に形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用内装材。
【請求項5】
前記本体の上側板面は、前記パッケージトレイの下側板面のうち、ほぼ全面と対向している請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用内装材。
【請求項6】
前記機能部品用開口部は、スピーカー取付孔であり、
前記開口被覆部は、スピーカー取付孔を覆う取付孔被覆部である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用内装材。
【請求項7】
スピーカー取付孔は、円形の孔であり、
前記補強材は、中央に貫通孔を有する円盤形状であり、
前記本体は、前記補強材の貫通孔と対向する位置に、前記補強材の貫通孔の形状に倣った開口を有する凹部を有する請求項6に記載の車両用内装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、車両用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、車室の後部座席後方に設けられ、車室と荷室とを仕切るリアトレイを有するものがある。このようなリアトレイの中には、車両構造体としての鉄板と内装材から構成され、鉄板と内装材の間に、シール部材としてのインシュレータが設けられているものもある。また、後部座席後方にスピーカーなどの機能部品が配されている場合があり、この場合、リアトレイには、機能部品を配するための機能部品用開口部が設けられている。このようなリアトレイの一例として、下記特許文献1に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−246932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、同一車種であっても、後部座席後方に機能部品が配されない場合もあり、このような場合、鉄板に設けられた機能部品用開口部を専用の蓋材で塞ぎ、機能部品用開口部が設けられていない内装材で鉄板を覆うことが考えられる。機能部品用開口部を蓋材で塞ぐことによって、内装材の機能部品用開口部に対応する部分に上方から荷重が掛けられた場合でも、当該部分が陥没しないようにすることができる。また、蓋材を使用することによって、機能部品の有無によって車両構造体としての鉄板の仕様を変更する必要がない。
【0005】
上記蓋材は、機能部品用開口部を塞ぐための部品であり、開口部を塞ぐという目的であれば、鉄板と内装材の間に設けられたインシュレータによって機能部品用開口部を塞ぐ構成とすることで達成することができる。しかしながら、インシュレータは、内装材の機能部品用開口部に対応する部分に上方から荷重が掛けられた場合に、当該部分が陥没しないよう内装材を支持する強度を有しておらず、当該部分が陥没してしまうことが懸念される。
【0006】
本明細書によって開示される技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、車両構造体に設けられた機能部品用開口部を蓋材で塞いでいない状態であっても、機能部品用開口部を塞ぐと共に、機能部品用開口部に対向する部分が上方からの荷重によって陥没し難い車両用内装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される車両用内装材は、機能部品を配するための機能部品用開口部が設けられたアッパーバックパネル上に配される車両用内装材であって、車室と荷室とを仕切る棚状のパッケージトレイであって、アッパーバックパネルのパネル面と平行な板面を有するパッケージトレイと、前記アッパーバックパネル上に敷設され、前記アッパーバックパネルと前記パッケージトレイとの間に配され、荷室からの騒音を吸収する板状の吸音部材と、を備え、前記吸音部材が、多孔質吸音材料からなり、前記パッケージトレイの板面と平行な板面を有し、前記機能部品用開口部を覆う開口被覆部と、前記機能部品用開口部を取り囲む前記アッパーバックパネルの開口外側部を覆う開口外側被覆部とを有する本体と、硬質材料からなり、前記本体の開口被覆部の板面に対向する対向面を有し、前記対向面が前記本体の開口被覆部の板面の少なくとも一部に取り付けられ、前記本体の開口被覆部と開口外側被覆部の少なくとも一部を補強する補強材と、を備える。
【0008】
このような車両用内装材によれば、機能部品用開口部を吸音部材本体によって覆い、本体の部位のうち、アッパーバックパネルの機能部品用開口部及び開口外側部の直上に位置する部位を補強材によって補強することで、例えば機能部品用開口部を蓋材で塞いでいない状態であっても、機能部品用開口部を塞ぐと共に、機能部品用開口部の直上に位置する部位が上方からの荷重によって陥没し難い車両用内装材を提供することができる。
【0009】
前記本体は、前記機能部品用開口部の開口縁より内側となる位置に位置決め突部を有し、前記位置決め突部は、前記本体の板面のうち、前記アッパーバックパネルと対向する下側板面に対して略垂直方向に突出し、当該車両用内装材が前記アッパーバックパネルに配された状態で、外側面が前記機能部品用開口部の開口縁に当接するように形成されているものとすることができる。このような構成によれば、開口被覆部を確実に機能部品用開口部の直上に配することができると共に、機能部品用開口部からの音漏れを低減させることができる。
【0010】
前記補強材は、前記本体の厚さ方向に対し、前記開口被覆部と前記位置決め突部の間に配され、前記吸音部材は、前記本体と前記補強材とを一体成形してなるものとすることができる。吸音部材を、補強材を本体の開口被覆部と位置決め突部の間に配し、本体と一体成形した構成とすることで、本体の取付孔被覆部の強度をより高めることができると共に、補強材が本体から剥がれ難くすることができる。
【0011】
前記本体は、少なくとも一部が車室後部の第1の側壁から反対側の第2側壁まで延びる一枚板状に形成されているものとすることができる。このような構成によれば、パッケージトレイに過度の荷重が掛けられていない通常時には、吸音部材によって、パッケージトレイを安定して支持することができる。
【0012】
前記本体の上側板面は、前記パッケージトレイの下側板面のうち、ほぼ全面と対向しているものとすることができる。このような構成によれば、荷室からの雑音の吸音効果を高めることができる。
【0013】
前記機能部品用開口部は、スピーカー取付孔であり、前記開口被覆部は、スピーカー取付孔を覆う取付孔被覆部であるものとすることができる。スピーカー取付孔は、取付具用の取付孔(例えばネジ穴)等と比べ、比較的大きな開口部である。本明細書によって開示される技術によれば、スピーカー取付孔を覆う本体の取付孔被覆部及びその周囲の取付孔外側被覆部の大部分が補強材によって補強されているので、比較的大きな開口部であっても、吸音部材のみで開口部を覆いつつ、パッケージトレイを支持することができる。更に、パッケージトレイの部位のうち、スピーカー取付孔の直上に位置する部位に荷重が掛けられた場合でも、当該部位に陥没が生じることを抑制することができる。
【0014】
スピーカー取付孔は、円形の孔であり、前記補強材は、中央に貫通孔を有する円盤形状であり、前記本体は、前記補強材の貫通孔と対向する位置に、前記補強材の貫通孔の形状に倣った開口を有する凹部を有するものとすることができる。補強材を円形のスピーカー取付孔に対応した円盤形状とすることで、本体を適切に補強することができる。また、補強材の中央に貫通孔を設けることにより、吸音部材の製造時に、補強材を本体の所定の部位と確実に一体成形することができる。更に、インサート成形によって、本体に取付孔被覆部の下側板面に形成される凹部と補強材の貫通孔とで、本体と補強材とを位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本明細書によって開示される車両用内装材によれば、アッパーバックパネルに設けられた機能部品用開口部を蓋材で塞いでいない状態であっても、機能部品用開口部を塞ぐと共に、機能部品用開口部に対向する部分が上方からの荷重によって陥没し難い車両用内装材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る車両用内装材を示す斜視図
図2】アッパーバックパネルを簡略的に示す平面図
図3】アッパーバックパネルとアッパーバックサイレンサーを簡略的に示す平面図
図4図3におけるIV−IV線に沿って切断した断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
一実施形態を図1ないし図4によって説明する。本実施形態に係わる車両用内装材2は、図1及び図2に示すように、車両後部の荷室上部に設けられたアッパーバックパネル1上に配され、荷室と車室を仕切るものである。
【0018】
車両の荷室とリアウインドウの間には、アッパーバックパネル1が配されている。図2に示すように、アッパーバックパネル1には、スピーカー(機能部品)を配するための円形のスピーカー取付孔(機能部品用開口部)10とスピーカーの縁部が載置される取付孔外側部11(開口外側部)が設けられている。
【0019】
図1から図3に示すように、アッパーバックパネル1上には、パッケージトレイ20及びアッパーバックサイレンサー30からなる車両用内装材2が配されている。具体的には、アッパーバックパネル1上にアッパーバックサイレンサー30が敷設され、アッパーバックサイレンサー30を覆うようにパッケージトレイ20が載置されている。パッケージトレイ20は、車室と荷室を仕切る棚状の部材であり、熱可塑性樹脂や繊維、またはそれらを混合したものを板状に成形した部材である。パッケージトレイ20は、アッパーバックパネル1のパネル面と平行な2つの板面を有している。2つの板面のうち、一方は車両上側を向き、車室内壁を構成する上側板面21、他方は車両下側を向き、アッパーバックパネル1と対向する下側板面22となっている。アッパーバックサイレンサー30は、アッパーバックパネル1とパッケージトレイ20との間に配され、荷室からの騒音を吸収する板状の吸音部材である。アッパーバックサイレンサー30は、多孔質吸音材料からなる本体40と、硬質材料からなる補強材50と、からなる。補強材50は、金属板や硬質樹脂板などとされる。
【0020】
本体40は、パッケージトレイ20の板面と平行な板面を有する板状に形成されている。図1及び図4に示すように、本体40は、少なくともその一部が車室後部の第1の側壁から反対側の第2の側壁まで延びる一枚板状となっており、スピーカー取付孔10を覆う取付孔被覆部41と、取付孔外側部11を覆う取付孔外側被覆部42を有している。更に、本体40は、スピーカー取付孔10の開口縁より内側となる位置に位置決め突部43を、外側となる位置、つまり、取付孔外側部11と対向する位置に載置部44を有している。位置決め突部43は、下側板面22に対して略垂直方向に突出し、車両用内装材2がアッパーバックパネル1上に配され、載置部44が取付孔外側部11に載置された状態で、外側面がスピーカー取付孔10の開口縁に当接するように形成されている。つまり、位置決め突部43をスピーカー取付孔10に嵌め込むことで、取付孔被覆部41が確実にスピーカー取付孔10の直上に配され、スピーカー取付孔10を覆う構成となっている。
【0021】
図3及び図4に示すように、補強材50は、本体40の板面に対向する対向面と、中央に貫通孔51を有する円盤形状に形成されている。補強材50は、本体40の厚さ方向に対し、取付孔被覆部41と位置決め突部43との間に配され、補強材50の対向面が本体40の取付孔被覆部41の板面の少なくとも一部に取り付けられ、本体40の取付孔被覆部41と取付孔外側被覆部42の少なくとも一部を補強している。
【0022】
アッパーバックサイレンサー30は、以下のように、インサート成形によって製造される。まず、硬質材料を中央に貫通孔51を有する所定の板状に成形して補強材50を製造し、成形金型に補強材50を装填する。成形金型には突部が設けられており、装填時に、補強材50の貫通孔51に成形金型の突部を挿入することで、補強材50と本体40の所定の部位とが一体成形されるようにしている。ここで、貫通孔51を、成形金型の突部の補強材50の板面に沿った断面形状に倣った形状とすることで、成形金型の突部を貫通孔51に嵌合させると共に、成形金型の突部の突出端を補強材50の対向面よりも突出させることで、補強材50の位置ずれを抑制することができる。
【0023】
次に、本体40の材料である多孔質吸音材料を成形金型に注入し、補強材50の一部を孔質吸音材料で包み込んで固化する。この工程において、補強材50を包み込んでいる本体40の部位のうち、補強材50の下側であって、スピーカー取付孔10の内側の位置に位置決め突部43を、スピーカー取付孔10の外側の位置に載置部44を形成する。なお、成形金型の突部の突出端を補強材50の対向面よりも突出させることにより、本体40の取付孔被覆部41の下側板面には、凹部45が形成される。
【0024】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、アッパーバックサイレンサー30でスピーカー取付孔10を覆うことができるので、蓋材などの別部材でスピーカー取付孔10を塞ぐ必要がない。また、本体40の部位のうち、スピーカー取付孔10及び取付孔外側部11の直上に位置する部位が補強材50で補強されているので、パッケージトレイ20の部位のうち、スピーカー取付孔10の直上に位置する部位に上方から荷重が掛けられた場合でも、当該部分の陥没を抑制することができる。
【0025】
また、本体40に設けられた位置決め突部43をスピーカー取付孔10に嵌め込むことで、取付孔被覆部41を確実にスピーカー取付孔10の直上に配することができると共に、スピーカー取付孔10からの音漏れを低減させることができる。
【0026】
また、アッパーバックサイレンサー30は、補強材50が本体40と一体成形された構成となっているので、取付孔被覆部41の強度をより高めることができると共に、補強材50が本体40から剥がれ難くなっている。
【0027】
また、アッパーバックサイレンサー30の本体40は、少なくともその一部が車両後部の第1の側壁から第2の側壁まで延びる一枚板状であるため、パッケージトレイ20に過度の荷重が掛けられていない通常時には、パッケージトレイ20を安定して支持することができる。
【0028】
また、スピーカー取付孔10は、取付具用の取付孔(例えばネジ穴)等と比べ、比較的大きな開口部であるが、スピーカー取付孔10を覆う本体40の取付孔被覆部41及びその周囲の取付孔外側被覆部42の大部分が補強材50によって補強されているので、比較的大きな開口部であっても、アッパーバックサイレンサー30のみで開口部を覆いつつ、パッケージトレイ20を支持することができる。更に、パッケージトレイ20の部位のうち、スピーカー取付孔10の直上に位置する部位に荷重が掛けられた場合でも、当該部位に陥没が生じることを抑制することができる。
【0029】
また、補強材50を円形のスピーカー取付孔10に対応した円盤形状とすることで、本体40を適切に補強することができる。また、補強材50の中央に貫通孔51を設けることにより、アッパーバックサイレンサー30の製造時に、補強材50を本体40の所定の部位と確実に一体成形することができる。更に、インサート成形によって、本体40に取付孔被覆部41の下側板面に形成される凹部45と補強材50の貫通孔51とで、本体40と補強材50とを位置決めすることができる。
【0030】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術の範囲は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術の範囲に含まれる。
【0031】
(1)上記実施形態では、アッパーバックサイレンサー30の敷設範囲を具体的に規定していないが、吸音効果の観点から、アッパーバックサイレンサー30は、パッケージトレイ20の下側板面22のほぼ全面に対向する構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、アッパーバックサイレンサー30の吸音効果を向上させるだけでなく、パッケージトレイ20をより安定して支持することができる。
【0032】
(2)補強材50の形状は、円盤形状に限定されない。本体40の取付孔被覆部41及び取付孔外側被覆部42の少なくとも一部を補強できる構成であれば、どのような形状であってもよい。
【0033】
(3)上記実施形態では、補強材50は、本体40の厚さ方向に対し、取付孔被覆部41と位置決め突部43との間に配される構成としたが、これに限定されない。補強材50は、本体40の取付孔被覆部41と取付孔外側被覆部42の少なくとも一部を補強することができれば、本体40の厚さ方向のどの位置に設けられていてもよい。
【0034】
(4)上記実施形態では、円形のスピーカー取付孔10を例示したが、円形以外のスピーカー取付孔以外にも本明細書によって開示される技術は適用可能である。この場合、補強材50の形状は、本体40の取付孔被覆部41及び取付孔外側被覆部42の少なくとも一部を補強できる構成であれば、どのような形状であってもよい。
【0035】
(5)本明細書によって開示される技術は、スピーカー取付孔以外の機能部品用取付孔にも適用することができる。例えば、空気清浄器を配するための取付孔にも本明細書によって開示される技術は適用可能である。また、取付孔以外にも、空気清浄器の吹出口などの、比較的大きな開口部にも本明細書によって開示される技術は適用可能である。このような開口部を覆う開口被覆部及び開口縁外側部を覆う開口外側被覆部を有する本体と、本体の開口被覆部と開口外側被覆部の少なくとも一部を補強する補強材を備える吸音部材も本明細書によって開示される技術の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1…アッパーバックパネル、2…車両用内装材、10…スピーカー取付孔(機能部品用開口部)、11…取付孔外側部(開口外側部)、20…パッケージトレイ、21…上側板面、22…下側板面、30…アッパーバックサイレンサー(吸音部材)、40…本体、41…取付孔被覆部(開口被覆部)、42…取付孔外側被覆部(開口外側被覆部)、43…位置決め突部、44…載置部、45…凹部、50…補強材、51…貫通孔
図1
図2
図3
図4