(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6747993
(24)【登録日】2020年8月11日
(45)【発行日】2020年8月26日
(54)【発明の名称】制御盤および交換ユニット
(51)【国際特許分類】
H02B 1/20 20060101AFI20200817BHJP
H02B 1/04 20060101ALI20200817BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20200817BHJP
H01R 9/00 20060101ALI20200817BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20200817BHJP
【FI】
H02B1/20 S
H02B1/04 C
H02B1/20 P
H02B3/00 D
H01R9/00 B
H05K7/18 E
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-8286(P2017-8286)
(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公開番号】特開2018-117486(P2018-117486A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】金井 良之
【審査官】
片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−196073(JP,A)
【文献】
特開2005−051861(JP,A)
【文献】
特開2000−050425(JP,A)
【文献】
特開2003−258458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/20
H01R 9/00
H02B 1/04
H02B 3/00
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面矩形状をなす少なくとも一対の配線ダクトが一定間隔で板状のサブパネルに固定されて起立する組立体を有し、前記組立体のうち前記配線ダクトおよび前記サブパネルにより形成される収容スペースに、各種機器を制御する制御装置を収容する制御盤であって、
前記制御盤のうち、前記制御盤に収容されている既設の制御装置の既設端子台と対応する位置に設けられて、既設配線のそれぞれを接続する端子が、これら既設配線が接続されていた前記既設端子台の端子とほぼ同じ並びで配置されている代替端子台と、
前記既設の制御装置と交換して前記制御盤に収容される新たな制御装置の新規端子台の各端子と前記代替端子台の各端子とを中継接続する中継配線と
を備えることを特徴とする制御盤。
【請求項2】
請求項1に記載の制御盤において、
前記サブパネルのうち前記既設の制御装置が取り付けられていた位置に固定される背板と、前記背板の両端から前記配線ダクトの前面より前方位置まで突出する左右の側板とからなる交換ベースと、
前記左右の側板の前端の両方に支持されて、前面に前記新たな制御装置が取り付けられる板状の取付プレートとをさらに備え、
前記代替端子台は、前記背板の前面に固定されている
ことを特徴とする制御盤。
【請求項3】
請求項2に記載の制御盤において、
前記取付プレートは、前記交換ベースに対して上下方向に開閉自在に支持されていることを特徴とする制御盤。
【請求項4】
請求項1に記載の制御盤において、
前記代替端子台は、前記サブパネルの前面に取り付けられていることを特徴とする制御盤。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の制御盤において、
前記組立体を構成する縦配線ダクトから前記制御装置までの横方向配線は、前記取付プレートの裏側のスペースに通線されていることを特徴とする制御盤。
【請求項6】
断面矩形状をなす少なくとも一対の配線ダクトが一定間隔で板状のサブパネルに固定されて起立する組立体を有し、前記組立体のうち前記配線ダクトおよび前記サブパネルにより形成される収容スペースに、各種機器を制御する制御装置を収容する制御盤で用いられて、前記制御盤に収容されている既設の制御装置を前記収容スペースの広さには収まらない新たな制御装置に交換するための交換ユニットであって、
前記サブパネルのうち既設の制御装置が取り付けられていた位置に固定される背板と、前記背板の両端から前記配線ダクトの前面より前方位置まで突出する左右の側板とからなる交換ベースと、
前記左右の側板の前端の両方に支持されて、前面に前記新たな制御装置が取り付けられる板状の取付プレートと、
前記背板の前面のうち、前記既設の制御装置の既設端子台と対応する位置に固定されて、前記既設端子台の端子とほぼ同じ並び順の端子を有する代替端子台と
を備えることを特徴とする交換ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の交換ユニットにおいて、
前記取付プレートは、前記交換ベースに対して上下方向に開閉自在に支持されていることを特徴とする交換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機器を制御する制御装置を収容するための制御盤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビル空調システムや産業用の自動制御システムなどの制御システムでは、各種フィールド機器の制御に用いるコントローラなどの制御装置を、制御盤と呼ばれる筐体内に設置している(例えば、特許文献1−3など参照)。
図10は、一般的な制御盤を示す斜視図である。
図11は、一般的な組立体の平面図である。
制御盤1は、金属板により形成された筐体90と扉91とから構成されている。筐体90の背板90Aには、組立体2を取り付けるためのフレーム90Bが固定されている。
【0003】
組立体2は、左右一対の縦配線ダクト51A,51Bと複数の横配線ダクト51Cが、板状のサブパネル50に縦横格子状に固定されて、起立した状態でフレーム90Bに取り付けられる。
縦配線ダクト51A,51Bおよび横配線ダクト51Cは、断面矩形状をなす塩化ビニールなどの樹脂なり、筒中の内部空間に各種配線を収容するダクトである。これら配線ダクト51A,51B,51Cは、前面が着脱自在のカバー52A,52B,52Cからなり、側面には筒内部を外部と連通させて配線を通すための窓が連続して形成されている。
【0004】
制御盤1では、このような組立体2のうち、サブパネル50、縦配線ダクト51A,51Bおよび横配線ダクト51Cにより形成された複数の収容スペース53を用いて、各種機器を制御する制御装置を収容するとともに、機器からの外部配線と制御装置への内部配線とを中継端子台で中継接続する。
【0005】
図12は、一般的な制御盤の配線接続系統図である。
図13は、一般的な制御盤の配線例である。
フィールド機器からの外部配線60は、筐体90に導入された後、縦配線ダクト51A,51Bや横配線ダクト51Cを介して、中継端子台61に接続される。中継端子台61は、収容スペース53Aを形成するサブパネル30に固定されており、ここで外部配線60が制御装置63への内部配線62と中継接続される。
【0006】
図12の例では、中継端子台61とは異なる収容スペース53Bを形成するサブパネル30にDINレール54が固定されており、このDINレール54に、制御装置63として4つの制御装置63A,63B,63C,63Dが装着されている。
内部配線62は、縦配線ダクト51A,51Bや横配線ダクト51Cを介して、制御装置63に設けられた既設端子台63Xに接続される。また、制御盤1内に配置された電源装置65からの電源配線64も、縦配線ダクト51A,51Bや横配線ダクト51Cを介して、制御装置63の既設端子台63Xに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−050425号公報
【特許文献2】特開2001−230527号公報
【特許文献3】特開2003−258458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような制御装置は、耐久性、処理能力、機能追加などの観点から、十数年程度で新たな制御装置に交換される。この際、交換コストや交換作業を削減するため、既設の制御盤および組立体を流用し、制御盤に収容されている既設の制御装置を取り外した後、新たな制御装置が取り付けられることが多い。
【0009】
しかしながら、既設の制御装置と新たな制御装置とでは、内部回路の変更などに伴ってそれぞれの制御装置に設けられる端子台の位置や端子の並びが変更される場合が多い。このような場合には、既設の制御装置の既設端子台に合わせて配置されていた、中継端子台からの内部配線や電源配線などの既設配線の端部位置が、新たな制御装置の端子台と整合しなくなり、容易に接続できなくなる。このため、制御装置だけでなく既設配線についても交換や取り回しの変更が必要となり、交換コストや交換作業が大幅に増大するとともに、既設配線の接続変更に伴う配線接続ミスやこれに対応するためのチェック作業が増大するという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、新たな制御装置の端子台の位置や並びが既設の制御装置と異なる場合でも、既設配線と新たな制御装置とを容易に接続できる制御盤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、本発明にかかる制御盤は、断面矩形状をなす少なくとも一対の配線ダクトが一定間隔で板状のサブパネルに固定されて起立する組立体を有し、前記組立体のうち前記配線ダクトおよび前記サブパネルにより形成される収容スペースを用いて、各種機器を制御する制御装置を収容する制御盤であって、前記サブパネルのうち既設の制御装置が取り付けられていた位置に固定される背板と、前記背板の両端から前記配線ダクトの前面より前方位置まで突出する左右の側板とからなる交換ベースと、前記側板の前端に支持されて、前面に新たな制御装置が取り付けられる板状の取付プレートとを備えている。
【0012】
また、本発明にかかる上記制御盤の一構成例は、前記取付プレートが、前記交換ベースに対して上下方向に開閉自在に支持されているものである。
【0013】
また、本発明にかかる交換ユニットは、断面矩形状をなす少なくとも一対の配線ダクトが一定間隔で板状のサブパネルに固定されて起立する組立体を有し、前記組立体のうち前記配線ダクトおよび前記サブパネルにより形成される収容スペースを用いて、各種機器を制御する制御装置を収容する制御盤で用いられて、既設の制御装置を前記収容スペースの広さには収まらない新たな制御装置に交換するための交換ユニットであって、前記サブパネルのうち既設の制御装置が取り付けられていた位置に固定される背板と、前記背板の両端から前記配線ダクトの前面より前方位置まで突出する左右の側板とからなる交換ベースと、前記側板の前端に支持されて、前面に新たな制御装置が取り付けられる板状の取付プレートとを備えている。
【0014】
また、本発明にかかる上記交換ユニットの一構成例は、前記組立体を構成する縦配線ダクトから前記制御装置までの横方向配線が、前記取付プレートの裏側のスペースに通線されているものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、既設の制御装置を新たな制御装置に交換する際、既設の制御装置から取り外した外部配線や電源配線などの既設配線を、取り換えることなくその位置で代替端子台に接続することができる。このため、既設配線の接続作業を極めて簡素化できる。また、代替端子台のうちそれぞれの既設配線を接続すべき端子が、既設端子台の端子とほぼ同じ位置、すなわちそれぞれの既設配線の端部位置と整合した位置に配置されることになる。このため、既設配線の接続作業にかかる作業負担をさらに軽減できるとともに、既設配線の配線接続ミスやこれに対応するためのチェック作業を大幅に削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施の形態にかかる制御盤の斜視図である。
【
図2】本実施の形態にかかる制御盤の配線接続系統図である。
【
図3】本実施の形態にかかる交換ユニットの斜視図である。
【
図8】代替端子台および代替コネクタの配置例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[制御盤]
まず、
図1および
図2を参照して、本実施の形態にかかる制御盤1および交換ユニット10について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる制御盤の斜視図である。
図2は、本実施の形態にかかる制御盤の配線接続系統図である。
【0018】
この制御盤1は、複数のフィールド機器(図示せず)を制御する制御装置20を収容し、各フィールド機器からの外部配線60を中継端子台61を介して制御装置20と中継接続する装置である。
制御盤1は、金属板により形成された筐体90と扉91とから構成されている。筐体90の背板90Aには、組立体2を取り付けるためのフレーム90Bが固定されている。
【0019】
組立体2は、左右一対の縦配線ダクト51A,51Bと複数の横配線ダクト51Cが、板状のサブパネル50に縦横格子状に固定されて、起立した状態でフレーム90Bに取り付けられる。
これら配線ダクト51(51A,51B,51C)は、断面矩形状をなす塩化ビニールなどの樹脂からなり、筒中の内部空間に各種配線を収容する柱状のダクトである。これら配線ダクト51は、前面が着脱自在のカバー52(52A,52B,52C)からなり、側面には筒内部を外部と連通させて各種配線を通すための窓が連続して形成されている。
【0020】
この制御盤1では、
図1に示すように、組立体2のうち配線ダクト51およびサブパネル50により形成される収容スペースに、中央部の背板11Cと左右の側板11A,11Bとからなり、組立体2の奥行より大きい奥行を有する箱形状の交換ユニット10を配置し、この交換ユニット10の前面に新たな制御装置20が取り付けられている。
【0021】
本発明では、制御盤1のうち例えば背板11Cの前面に、制御盤1に収容されている既設の制御装置の既設端子台と対応する位置に、内部配線62や電源配線64などの既設配線のそれぞれを接続する端子が、これら既設配線が接続されていた既設端子台の端子とほぼ同じ並びで配置されている代替端子台13を配置し、既設の制御装置と交換して制御盤1に収容される新たな制御装置20の新規端子台20Xと代替端子台13とを中継配線30で中継接続するようにしたものである。
【0022】
[交換ユニット]
次に、
図3〜
図7を参照して、本実施の形態にかかる交換ユニット10について説明する。
図3は、本実施の形態にかかる交換ユニットの斜視図である。
図4は、交換ベースの正面図である。
図5は、取付プレートの正面図である。
図6は、
図4のA−A断面図である。
図7は、
図4のB−B断面図である。
【0023】
交換ユニット10は、交換ベース11および取付プレート12から構成されている。
交換ベース11は、金属板を折り曲げてなる上面視コの字状をなし、サブパネル50のうち既設の制御装置が取り付けられていた位置に固定される背板11Cと、サブパネル50の両端から配線ダクト51A,51B,51Cの前面より前方位置まで突出する左右の側板11A,11Bとから構成されている。
【0024】
側板11A,11Bの前端の下端には、穴11Dが形成されている。この穴11Dと、取付プレート12の下端に設けられた支持片12Eに形成された穴12Dとを、ピン11Eが連通することにより、側板11A,11Bの前端の下端位置に、交換ベース11に対して取付プレート12が上下方向に開閉自在に支持される。これにより、取付プレート12の裏側のスペースでの作業を容易に行うことが可能となる。
【0025】
また、側板11A,11Bの前端の上端には、左右方向の内側に向かって突出した取付片11Fが設けられており、この取付片11Fに穴11Gが形成されている。この穴11Gと、取付プレート12の上端に形成された穴12Fとを、取付ねじ12Gが連通することにより、側板11A,11Bの前端の上端位置に取付プレート12がねじ止めされる。
【0026】
取付プレート12は、金属板を折り曲げてなる上面視コの字状をなし、新たな制御装置20が取り付けられる前板12Cと、前板12Cから後方に向かって突出する左右の側板12A,12Bとから構成されている。
前板12Cの下端には、後方に向かって突出する支持片12Eが設けられており、この支持片12Eに穴12Dが形成されている。
【0027】
この際、側板11A,11Bが、組立体2すなわち配線ダクト51の奥行より大きい奥行(幅)を有しているため、取付プレート12の前板12Cが、組立体2より手前に位置することになる。これにより、前板12Cの前面に新たな制御装置20を取り付けた場合、組立体2より手前に位置に新たな制御装置20が位置することになるため、新たな制御装置20の取付スペースが、配線ダクト51で形成される収容スペース53の広さ、すなわち幅や高さに制限されなくなる。このため、新たな制御装置20が大型化して、組立体2の収容スペース53に収まらない場合でも、新たな制御装置20を制御盤1内に収容することができる。
【0028】
この際、縦配線ダクト51A,51Bから制御装置20の新規端子台20Xまでの横方向配線は、取付プレート12の裏側のスペース、すなわち取付プレート12と背板11Cとの間のスペースに通線してもよい。通常、縦配線ダクト51A,51Bからの横方向配線は、横配線ダクト51Cを通って制御装置20に通線されるが、取付プレート12の裏側のスペースを通線することで、横配線ダクト51Cを通線する必要がなくなる。これにより、交換ユニット10の上側または下側に位置する横配線ダクト51Cを省くことが可能となり、新たな制御装置20の設置スペースをさらに拡大することが可能となる。
【0029】
なお、穴11D、支持片12E、穴12D、およびピン11Eからなる蝶番構造については、これに限定されるものではなく、他の構造であってもよい。また、取付片11F、穴11G、穴12F、および取付ねじ12Gからなる取付構造については、これに限定されるものではなく、他の構造であってもよい。また、これら蝶番構造や取付構造の位置を、上下逆転させてもよい。
また、取付プレート12は、上面視コの字状に限定されるものではなく、前面に新たな制御装置20が取り付けられる形状であれば、平板状などの他の形状であってもよい。また、新たな制御装置20の形状、大きさ、取付方向についても、本例に限定されるものではない。
【0030】
[代替端子台]
図4に示すように、背板11Cには、代替端子台13として、複数の代替端子台13A,13B,13C,13Dが固定されている。これら代替端子台13(13A,13B,13C,13D)は、既設の制御装置の既設端子台と対応する位置に設けられており、内部配線62や電源配線64などの既設配線を接続する端子が、これら既設配線が接続されていた既設端子台の端子とほぼ同じ並びで配置されている。
【0031】
前述の
図13比較すると、代替端子台13A,13Bが既設の制御装置63A,63Bの背面に設けられていた既設端子台の位置に対応し、代替端子台13C,13Dが既設の制御装置63Bの背面に設けられていた既設端子台の位置に対応していることが分かる。
また、これら代替端子台13A,13B,13C,13Dの端子は、対応する既設端子台において既設配線が接続されていたそれぞれの端子とほぼ同じ並びで配置されていることが分かる。
【0032】
このように、代替端子台13を、背板11Cのうち、既設の制御装置63の既設端子台63Xと対応した位置に設けるようにしたので、既設の制御装置63を新たな制御装置20に交換する際、既設の制御装置63から取り外した内部配線62や電源配線64などの既設配線を、取り換えることなくその位置で代替端子台13に接続することができる。このため、既設配線の接続作業を極めて簡素化できる。
【0033】
また、代替端子台13において、既設配線を接続する端子として、これら既設配線を接続していた既設端子台63Xの端子とほぼ一致した並びに配置するようにしたので、代替端子台13のうちそれぞれの既設配線を接続すべき端子が、既設端子台63Xの端子とほぼ同じ位置、すなわちそれぞれの既設配線の端部位置と整合した位置に配置されることになる。このため、既設配線の接続作業にかかる作業負担をさらに軽減できるとともに、既設配線の配線接続ミスやこれに対応するためのチェック作業を大幅に削減することが可能となる。
【0034】
図8は、代替端子台および代替コネクタの配置例である。前述では、代替端子台13のうち、中継配線30を接続する接続部が、既設配線を接続する場合と同様に、これら配線を1本ずつ接続する端子台からなる場合を例として説明したが、配線コネクタで構成してもよい。これは、既設配線とは独立して、中継配線30が新たな制御装置20とともに新規に追加されるからである。
【0035】
図8では、代替端子台13A,13B,13C,13Dに沿って、配線コネクタ14A,14B,14C,14Dが配置されている。これにより、中継配線30の接続作業を極めて簡素化できるとともに、配線の接続誤りを抑止できる。なお、配線コネクタ14(14A,14B,14C,14D)については、複数の代替端子台13を1つの配線コネクタ14に集約しても良く、製品コストや接続作業負担を軽減できる。また、代替端子台13と配線コネクタ14との回路接続については印刷配線基板を用いればよく、中継配線30については予め工場で作成しておいてもよい。
【0036】
図9は、新たな制御装置の取付例である。取付プレート12の前板12Cに新たな制御装置20を取り付ける場合、新たな制御装置20がDINレール対応であれば、
図9に示すように、前板12Cに固定されたDINレール12Hを介して、新たな制御装置20を前板12Cに取り付けてもよい。これにより、新たな制御装置20をねじ止めする場合と比較して、作業負担を大幅に削減できる。
【0037】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、制御盤1のうち、制御盤1に収容されている既設の制御装置63の既設端子台63Xと対応する位置に設けられて、既設配線のそれぞれを接続する端子が、これら既設配線が接続されていた既設端子台63Xの端子とほぼ同じ並びで配置されている代替端子台13と、既設の制御装置63と交換して制御盤1に収容される新たな制御装置20の新規端子台20Xの各端子と代替端子台13の各端子とを中継接続する中継配線30とを備えるものである。
【0038】
これにより、既設の制御装置63を新たな制御装置20に交換する際、既設の制御装置63から取り外した内部配線62や電源配線64などの既設配線を、取り換えることなくその位置で代替端子台13に接続することができる。このため、既設配線の接続作業を極めて簡素化できる。また、代替端子台13のうちそれぞれの既設配線を接続すべき端子が、既設端子台63Xの端子とほぼ同じ位置、すなわちそれぞれの既設配線の端部位置と整合した位置に配置されることになる。このため、既設配線の接続作業にかかる作業負担をさらに軽減できるとともに、既設配線の配線接続ミスやこれに対応するためのチェック作業を大幅に削減することが可能となる。
【0039】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…制御盤、2…組立体、10…交換ユニット、11…交換ベース、11A,11B…側板、11C…背板、11D…穴、11E…ピン、11F…取付片、11G…穴、12…取付プレート、12A,12B…側板、12C…前板、12D…穴、12E…支持片、12F…穴、12G…取付ねじ、12H…DINレール、13,13A,13B,13C,13D…代替端子台、14,14A,14B,14C,14D…配線コネクタ、20…制御装置(新たな制御装置)、20X…新規端子台、50…サブパネル、51…配線ダクト、51A,51B…縦配線ダクト、51C…横配線ダクト、52,52A,52B,52C…カバー、53,53A,53B…収容スペース、60…外部配線、61…中継端子台、62…内部配線、63,63A,63B,63C,63D…制御装置(既設の制御装置)、63X…既設端子台、64…電源配線、65…電源装置、90…筐体、90A…背板、90B…フレーム、91…扉。