(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0014】
(実施形態1)
<A.全体構成>
<a1.電源制御システム1の構成>
図1は、実施形態1に基づく電源制御システム1の構成について説明する図である。
【0015】
図1を参照して、電源制御システム1は、給電デバイス(給電制御装置)10と、受電デバイス100とを含む。
【0016】
受電デバイス100は、USBコネクタ102と、パワーデリバリ制御部104と、USBデータ制御部106と、アプリケーション処理部108とを有する。
【0017】
給電デバイス10は、USBコネクタ12、パワーデリバリ電源部14と、パワーデリバリ制御部16と、USBデータ制御部18とを有する。
【0018】
USBコネクタ12とUSBコネクタ102とはUSBバス110とで接続されている。
【0019】
USBバス110は、電源ラインVLと、データラインDLと、制御データラインCLとを含む。
【0020】
受電デバイス100は、USBコネクタ102とUSBコネクタ12とがUSBバス110を介して接続された場合に電源ラインVLを介して給電デバイス10からの電圧の供給を受ける。
【0021】
また、受電デバイス100と給電デバイス10は、USBコネクタ102とUSBコネクタ12とがUSBバス110を介して接続された場合にデータラインDLを介して互いにデータの授受が可能に構成されている。給電デバイス10のUSBデータ制御部18と受電デバイス100のUSBデータ制御部106との間でデータラインDLを介するデータの授受が実行される。
【0022】
また、受電デバイス100と給電デバイス10は、USBコネクタ102とUSBコネクタ12とがUSBバス110を介して接続された場合に制御データラインCLを介して互いに制御データの授受が可能に構成されている。給電デバイス10のパワーデリバリ制御部16と受電デバイス100のパワーデリバリ制御部104との間で制御データラインCLを介する制御データの授受が実行される。
【0023】
パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14を制御する。具体的には、パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14に供給する電圧レベルの設定を指示する。本例においては、パワーデリバリ電源部14は、電源入力として交流電圧(AC)あるいは直流電圧(DC)の入力を受けて、外部に供給する電圧レベルを可変に調整可能な電源装置である。一例として5V〜20Vの範囲で電圧レベルを調整可能である。パワーデリバリ制御部16は、制御データラインCLを介して受電デバイス100と通信し、受電デバイス100からの電圧データに基づいてパワーデリバリ電源部14を制御する。
【0024】
パワーデリバリ制御部104は、電源ラインVLを介して給電デバイス10からの電圧の供給を受けて各部に必要な電力を供給する。また、パワーデリバリ制御部104は、制御データラインCLを介してパワーデリバリ制御部16と通信する。具体的には、パワーデリバリ制御部104は、制御データラインCLを介してパワーデリバリ制御部16に受電デバイス100が必要とする電圧に関する電圧データを送信する。
【0025】
USBデータ制御部106は、USBバス110を介して接続される給電デバイス10のUSBデータ制御部18との間でのデータの授受を実行する。
【0026】
アプリケーション処理部108は、所定のアプリケーションを実行する部位である。CPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより所定のアプリケーションが実行される。USBデータ制御部106は、必要に応じてUSBコネクタ102を介して接続される機器からのデータをアプリケーション処理部108に転送するとともに、アプリケーション処理部108からのデータをUSBコネクタ102を介して接続される機器に送信する。
【0027】
<a2.給電デバイス10の構成>
図2は、実施形態1に基づく給電デバイス10の構成を説明する図である。
【0028】
図2を参照して、給電デバイス10は、USBコネクタ12と、パワーデリバリ電源部14と、パワーデリバリ制御部16とを含む。USBデータ制御部18については省略している。
【0029】
パワーデリバリ電源部14は、電源回路20と、保護回路22と、制御回路24と、レジスタ26と、インタフェース28とを含む。
【0030】
電源回路20は、電源入力として交流電圧(AC)あるいは直流電圧(DC)の入力を受けて、外部に供給する電源電圧を生成する。電源回路20は、電源ラインVLと接続されているUSBコネクタ12を介して他のUSBデバイスに対して生成した電源電圧を供給する。
【0031】
保護回路22は、パワーデリバリ電源部14を安全性を保障するための回路である。たとえば、電源回路20のジャンクション温度が上昇した場合には回路が作動し、異常である旨を制御回路24に通知する。制御回路24は、当該通知に基づいて電源回路20に指示して電源供給を停止させる。
【0032】
制御回路24は、パワーデリバリ電源部14全体を制御する。
インタフェース28は、制御回路24と接続される。インタフェース28は、制御回路24からのデータをパワーデリバリ制御部16に送信したり、あるいはパワーデリバリ制御部16からのデータを受信して、制御回路24に転送する。
【0033】
レジスタ26は、パワーデリバリ電源部14に関する情報を格納する。
具体的には、レジスタ26は、電源回路20の電源電圧の設定に関する情報を格納する電圧設定領域26Aと、電源回路20の内部状態に関する情報を格納するステータス格納領域26Bとを含む。
【0034】
制御回路24は、必要に応じてレジスタ26にデータを書き込むとともに、レジスタ26に格納されたデータを読み出してインタフェース28を介してパワーデリバリ制御部16に送信する。
【0035】
パワーデリバリ制御部16は、インタフェース30と、通信インタフェース32と、マイコン34と、メモリ36とを含む。
【0036】
マイコン34は、パワーデリバリ制御部16全体を制御する。
メモリ36は、各種のプラグラムを格納する。マイコン34は、メモリ36に格納されているプログラムに基づいて所定の機能を実現する。
【0037】
インタフェース30は、パワーデリバリ電源部14とデータの授受を実行するために用いられる。
【0038】
インタフェース30は、マイコン34と接続される。インタフェース30は、マイコン34からのデータをパワーデリバリ電源部14に送信したり、あるいはパワーデリバリ電源部14からのデータを受信して、マイコン34に転送する。
【0039】
通信インタフェース32は、制御データラインCLと接続されているUSBコネクタ12を介して他のUSBデバイスとの間でのパワーデリバリ制御通信を実行するためのインタフェースである。
【0040】
通信インタフェース32は、マイコン34と接続される。通信インタフェース32は、マイコン34からの制御データを他のUSBデバイス(受電デバイス100)に送信したり、あるいは他のUSBデバイス(受電デバイス100)からの制御データを受信して、マイコン34に転送する。
【0041】
<a3.保護回路22の構成>
図3は、実施形態1に基づく保護回路22の構成を説明する図である。
【0042】
図3を参照して、保護回路22は、電源回路20の温度が正常か否かを判断する温度異常判断回路22Aと、電源回路20の電源電圧が正常か否かを判断する電圧異常判断回路22Bとを含む。
【0043】
温度異常判断回路22Aは、比較器120と、温度検出器122とを含む。
温度検出器122は、温度に応じた電圧を出力する。
【0044】
比較器120は、温度検出器122からの電圧と基準値とを比較して、比較結果に基づく制御信号を制御回路24に出力する。
【0045】
温度検出器122は、一例として電源回路20のジャンクション温度を検出するために用いられる。
【0046】
具体的には、比較器120は、温度検出器122からの電圧が基準値を超えた場合に制御回路24に越えたことを示す制御信号(「H」レベル)を出力する。基準値は、電源回路20の安全性を保障する値に設定することが可能である。
【0047】
制御回路24は、比較器120からの制御信号に基づいて電源回路20の動作のオン/オフを制御する。具体的には、制御回路24は、比較器120からの制御信号(「H」レベル)の入力に応答して電源回路20の電源供給の動作を停止させる。制御回路24は、比較器120からの制御信号(「L」レベル)の入力の場合には電源回路20の電源供給の動作を継続させる。
【0048】
電圧異常判断回路22Bは、比較器130と、電圧検出回路132とを含む。
電圧検出回路132は、電源回路20からの電圧を検出する。
【0049】
比較器130は、電圧検出回路132からの電圧と基準値とを比較して、比較結果に基づく制御信号を制御回路24に出力する。
【0050】
具体的には、比較器130は、電圧検出回路132からの電圧が基準値を超えた場合に制御回路24に越えたことを示す制御信号(「H」レベル)を出力する。基準値は、電源回路20の安全性を保障する値に設定することが可能である。
【0051】
制御回路24は、比較器130からの制御信号に基づいて電源回路20の動作のオン/オフを制御する。具体的には、制御回路24は、比較器130からの制御信号(「H」レベル)の入力に応答して電源回路20の電源供給の動作を停止させる。制御回路24は、比較器130からの制御信号(「L」レベル)の入力の場合には電源回路20の電源供給の動作を継続させる。
【0052】
<B.電圧制御シーケンス>
<b1.電圧レベル調整>
図4は、実施形態1に基づく電源制御システム1における旧電圧から新電圧に電圧レベルを調整する場合のシーケンス図である。
【0053】
図4を参照して、消費側である受電デバイス100が電圧を要求する(シーケンスsq1)。パワーデリバリ制御部104は、パワーデリバリ制御部16に対して受電デバイス100が必要な電圧を要求する。
【0054】
パワーデリバリ制御部16は、受電デバイス100からの電圧要求に対して、給電が可能か否かを判断する。要求された電圧レベルの値が給電可能範囲であるか否かを確認する。要求された電圧レベルの値が給電可能範囲であると判断した場合には、電圧を許可する旨の通知をパワーデリバリ制御部104に通知する(シーケンスsq2)。
【0055】
消費側である受電デバイス100は、許可を了解する(シーケンスsq3)。
これにより受電デバイス100は、スタンバイ状態となり給電側からの準備完了の指示待ち状態となる。
【0056】
パワーデリバリ制御部104は、供給側である給電デバイス10からの電圧を許可する旨の通知を受けて、許可を了解した旨の通知を給電デバイス10に出力する。
【0057】
給電デバイス10は、これを受けて、給電デバイス10側の電圧調整動作を開始する。
パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示する(シーケンスsq4)。
【0058】
パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更する(シーケンスsq5)。パワーデリバリ電源部14の制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報を格納する。
【0059】
給電側である給電デバイス10は、パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示してから所定期間経過後において、電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する(シーケンスsq6)。当該所定期間は、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示してから新しい電圧(新電圧)に変更されるまでに必要な期間以上の期間に予め設定されている。
【0060】
消費側である受電デバイス100は、給電デバイス10から電圧準備が完了したことを示す通知を受けて、電圧準備の完了を了解する(シーケンスsq7)。
【0061】
これにより受電デバイス100は、スタンバイ状態から電流消費状態となり給電デバイス10からの電圧の供給を受けて駆動する。
【0062】
<b2.システムエラー時>
図5は、実施形態1に基づく電源制御システム1におけるシステムエラー時の動作を説明する場合のシーケンス図である。
【0063】
図5を参照して、受電デバイス100との間でシステムエラー(例えば通信エラー)が生じた場合、給電側である給電デバイス10は、ハードリセットを通知する(シーケンスsq10)。パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ制御部104にハードリセットを通知する。
【0064】
消費側である受電デバイス100は、ハードリセットの通知を了解する(シーケンスsq11)。これにより受電デバイス100は、給電デバイス10からの電圧供給のスタンバイ状態となる。
【0065】
次に、給電側である給電デバイス10は、リセットを指示する(シーケンスsq12)。パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14にリセットを指示する。
【0066】
パワーデリバリ電源部14は、パワーデリバリ制御部16からのリセットの指示を受けて電圧を変更する(シーケンスsq13)。パワーデリバリ電源部14の制御回路24は、リセット指示を受けて電源回路20からの電圧を0Vに設定する。
【0067】
次に、パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示する(シーケンスsq14)。
【0068】
パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更する(シーケンスsq15)。パワーデリバリ電源部14の制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報を格納する。具体的には、制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報として初期値に設定する。本例においては5Vに設定する。
【0069】
<b3.温度異常時>
図6は、実施形態1に基づく電源制御システム1における温度異常時の動作を説明する場合のシーケンス図である。
【0070】
図6を参照して、パワーデリバリ電源部14において温度異常が生じたとする(シーケンスsq20)。具体的には、温度異常判断回路22Aは、電源回路20のジャンクション温度に従って制御回路24に制御信号(「H」レベル)を出力する。制御回路24は、電源回路20の電源オフ制御を実行し、電源回路20の電源供給の動作を停止させる。具体的には、0Vに設定する。
【0071】
次に、パワーデリバリ電源部14においてレジスタに情報を書き込む(シーケンスsq21)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに温度異常に関する情報を書き込む。
【0072】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を読み出す(シーケンスsq22)。パワーデリバリ制御部16からパワーデリバリ電源部14に所定周期毎に指示して情報を読み出す。
【0073】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を取得して温度異常であることを確認し、ハードリセットを通知する(シーケンスsq23)。パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ制御部104にハードリセットを通知する。
【0074】
消費側である受電デバイス100は、ハードリセットの通知を了解する(シーケンスsq24)。これにより受電デバイス100は、給電デバイス10からの電圧供給のスタンバイ状態となる。
【0075】
次に、パワーデリバリ電源部14において温度が正常に戻ったものとする(シーケンスsq25)。
【0076】
次に、パワーデリバリ電源部14においてレジスタ26に情報を書き込む(シーケンスsq26)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに温度に関する情報を書き込む。本例においては、電源回路20のジャンクション温度が正常であることを示す値を書き込む。
【0077】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を読み出す(シーケンスsq27)。パワーデリバリ制御部16からパワーデリバリ電源部14に所定周期毎に指示して情報を読み出す。
【0078】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を取得して温度が正常であることを確認し、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示する(シーケンスsq28)。
【0079】
パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更する(シーケンスsq29)。パワーデリバリ電源部14の制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報を格納する。具体的には、制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報として初期値に設定する。本例においては5Vに設定する。
【0080】
<b4.電圧異常時>
図7は、実施形態1に基づく電源制御システム1における電圧異常時の動作を説明する場合のシーケンス図である。
【0081】
図7を参照して、パワーデリバリ電源部14において電圧異常が生じたとする(シーケンスsq30)。具体的には、電圧異常判断回路22Bは、電圧検出回路132からの電圧が基準値を超えた場合に制御回路24に制御信号(「H」レベル)を出力する。制御回路24は、電源回路20の電源オフ制御を実行し、電源回路20の電源供給の動作を停止させる。具体的には、0Vに設定する。
【0082】
次に、パワーデリバリ電源部14においてレジスタ26に情報を書き込む(シーケンスsq31)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに電圧異常に関する情報を書き込む。
【0083】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を読み出す(シーケンスsq32)。パワーデリバリ制御部16からパワーデリバリ電源部14に所定周期毎に指示して情報を読み出す。
【0084】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を取得して電圧異常であることを確認し、ハードリセットを通知する(シーケンスsq33)。パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ制御部104にハードリセットを通知する。
【0085】
消費側である受電デバイス100は、ハードリセットの通知を了解する(シーケンスsq34)。これにより受電デバイス100は、給電デバイス10からの電圧供給のスタンバイ状態となる。
【0086】
次に、パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示する(シーケンスsq35)。
【0087】
パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更する(シーケンスsq36)。パワーデリバリ電源部14の制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報を格納する。具体的には、制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報として初期値に設定する。本例においては5Vに設定する。
【0088】
また、パワーデリバリ電源部14は、レジスタ26に情報を書き込む(シーケンスsq37)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに格納された電圧異常を示す情報をリセットする。
【0089】
したがって、電圧異常の場合には、異常を検知した場合に電源回路20の電源供給の動作を停止させるが、一時的な異常である可能性もあるため電源供給の動作を停止させた後、再び電圧を供給する動作を開始する動作を繰り返す。
【0090】
<C.制御フロー>
<c1.電圧レベル調整>
図8は、実施形態1に基づくパワーデリバリ制御部16における電圧レベルを調整する処理を実行する場合のフロー図である。
【0091】
図8を参照して、パワーデリバリ制御部16は、消費側である受電デバイス100からの電圧を要求が有るか否かを判断する(ステップS2)。
【0092】
ステップS2において、パワーデリバリ制御部16は、消費側である受電デバイス100からの電圧の要求が無い場合(ステップS2においてNO)には、電圧レベルを調整する必要が無いためステップS2の状態を維持する。
【0093】
ステップS2において、パワーデリバリ制御部16は、消費側である受電デバイス100からの電圧の要求があす場合(ステップS2においてYES)には、給電の電圧要求を確認する(ステップS4)。
【0094】
次に、パワーデリバリ制御部16は、電圧の要求がOKか否かを判断する(ステップS6)。具体的には、パワーデリバリ制御部16は、受電デバイス100からの電圧要求に対して、給電が可能か否かを判断する。要求された電圧レベルの値が給電可能範囲であるか否かを確認する。
【0095】
次に、パワーデリバリ制御部16は、電圧の要求がOKであると判断した場合(ステップS6においてYES)には、電圧を許可する旨を通知する(ステップS8)。パワーデリバリ制御部16は、消費側である受電デバイス100のパワーデリバリ制御部104に対して電圧を許可する旨を通知する。これにより受電デバイス100は、スタンバイ状態となり給電側からの準備完了の指示待ち状態となる。
【0096】
次に、パワーデリバリ制御部16は、許可を了解する旨の通知を受けたか否かを判断する(ステップS9)。
【0097】
パワーデリバリ制御部16は、許可を了解する旨の通知を受けるまでステップS9を維持し、受けたと判断した場合(ステップS9においてYES)には、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示する(ステップS10)。パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更する。
【0098】
次に、パワーデリバリ制御部16は、所定期間経過したか否かを判断する(ステップS12)。当該所定期間は、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示してから新しい電圧(新電圧)に変更されるまでに必要な期間以上の期間に予め設定されている。
【0099】
パワーデリバリ制御部16は、所定期間経過したと判断した場合(ステップS12においてYES)には、電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する(ステップS14)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0100】
これにより、受電デバイス100は、電圧準備の完了を了解し、スタンバイ状態から電流消費状態に変更して給電デバイス10からの電圧の供給を受けて駆動する。
【0101】
一方、ステップS6において、パワーデリバリ制御部16は、電圧の要求がOKでないと判断した場合(ステップS6においてNO)には、電圧を許可しない旨(不許可)を通知する(ステップS16)。
【0102】
そして、終了する(エンド)。この場合には、受電デバイス100に対して要求された電源供給は開始されない。
【0103】
<c2.パワーデリバリ電源部14の電圧調整の動作>
図9は、実施形態1に基づくパワーデリバリ電源部14の電圧調整の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14の制御回路24の動作について説明する。
【0104】
図9を参照して、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16から電圧の指示を受けたか否かを判断する(ステップS30)。
【0105】
ステップS30において、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16からの電圧の指示を受けるまでその状態を維持し、受けた場合(ステップS30においてYES)には、レジスタ26に情報を格納する(ステップS32)。具体的には、レジスタ26の電圧設定領域26Aに情報を格納する。
【0106】
次に、制御回路24は、電源回路20に指示された電圧を出力するように指示する(ステップS34)。電源回路20は、制御回路24からの指示に従って生成する電源電圧のレベルを目標電圧となるまで調整する。
【0107】
そして、処理を終了する(エンド)。
<c3.パワーデリバリ電源部14の温度異常の際の動作>
図10は、実施形態1に基づくパワーデリバリ電源部14の温度異常の際の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14の制御回路24の動作について説明する。
【0108】
図10を参照して、制御回路24は、温度異常が有るか否かを判断する(ステップS40)。制御回路24は、温度異常判断回路22Aからの制御信号(「H」レベル)の入力が有るか否かを判断する。
【0109】
ステップS40において、制御回路24は、温度異常があると判断するまでは、その状態を維持し、温度異常が有ると判断した場合(ステップS40においてYES)には、動作を停止させる(ステップS42)。制御回路24は、電源回路20に指示して電源オフ制御を実行し、電源回路20の電源供給の動作を停止させる。具体的には、0Vに設定する。
【0110】
次に、制御回路24は、レジスタ26に情報を格納する(ステップS44)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに情報を格納する。具体的には、温度異常が有る旨を示す情報を格納する。
【0111】
次に、制御回路24は、温度異常が無いか否かを判断する(ステップS46)。制御回路24は、温度異常判断回路22Aからの制御信号(「L」レベル)の入力が有るか否かを判断する。
【0112】
ステップS46において、制御回路24は、温度異常が無いと判断するまでは、その状態を維持し、温度異常が無いと判断した場合(ステップS46においてYES)には、レジスタ26に情報を格納する(ステップS48)。具体的には、レジスタ26のステータス格納領域26Bに情報を格納する。具体的には、温度異常が無い旨を示す情報を格納する。
【0113】
そして、ステップS40に戻る。
<c4.温度異常の場合の復帰動作>
図11は、実施形態1に基づくパワーデリバリ制御部16の温度異常の場合の復帰動作を説明するフロー図である。主にパワーデリバリ制御部16のマイコン34における動作について説明する。
【0114】
図11を参照して、パワーデリバリ制御部16は、所定周期が経過したか否かを判断する(ステップS50)。本例においては、パワーデリバリ制御部16は、所定周期毎にレジスタ26の情報を確認する。
【0115】
パワーデリバリ制御部16は、所定周期が経過したと判断した場合(ステップS50においてYES)には、レジスタ26を確認する(ステップS52)。具体的には、マイコン34は、レジスタ26の情報を要求し、当該要求に従ってパワーデリバリ電源部14から送信されたレジスタ情報のステータス格納領域26Bに格納されている情報を確認する。
【0116】
次に、パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26の情報として温度異常が有るか否かを判断する(ステップS54)。具体的には、マイコン34は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに温度異常が有る旨の情報があるかどうかを判断する。
【0117】
次に、パワーデリバリ制御部16は、ステップS54において、温度異常が有ると判断した場合(ステップS54においてYES)には、復帰の停止を継続する(ステップS56)。この場合には、マイコン34は、パワーデリバリ電源部14に対して電圧を指示しない。
【0118】
そして、ステップS50に戻り、所定周期が経過するか否かを判断する(ステップS50)。
【0119】
一方、ステップS54において、パワーデリバリ制御部16は、温度異常が無いと判断した場合(ステップS54においてNO)には、復帰を指示する(ステップS58)。この場合には、マイコン34は、パワーデリバリ電源部14に対して電圧を指示する。パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更し、復帰動作を実行する。
【0120】
そして、処理を終了する(エンド)。
したがって、レジスタ26に格納されている温度異常の有無を判断する情報に基づいて確実に温度が低下した場合に復帰動作を実行することが可能である。
【0121】
それゆえ、レジスタ26のステータス格納領域26Bに格納されている情報に基づいて、電源回路20に対して異常に応じた適切な動作を実行することが可能である。これにより電源回路20の安全性を高めることが可能である。
【0122】
<c5.パワーデリバリ電源部14の電圧異常の際の動作>
図12は、実施形態1に基づくパワーデリバリ電源部14の電圧異常の際の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14の制御回路24の動作について説明する。
【0123】
図12を参照して、制御回路24は、電圧異常が有るか否かを判断する(ステップS60)。制御回路24は、電圧異常判断回路22Bからの制御信号(「H」レベル)の入力が有るか否かを判断する。
【0124】
ステップS60において、制御回路24は、電圧異常があると判断するまでは、その状態を維持し、電圧異常が有ると判断した場合(ステップS60においてYES)には、動作を停止させる(ステップS62)。制御回路24は、電源回路20に指示して電源オフ制御を実行し、電源回路20の電源供給の動作を停止させる。具体的には、0Vに設定する。
【0125】
次に、制御回路24は、レジスタ26に情報を格納する(ステップS64)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに情報を格納する。具体的には、電圧異常が有る旨を示す情報を格納する。
【0126】
そして、ステップS60に戻る。
<c6.電圧異常の場合の復帰動作>
図13は、実施形態1に基づくパワーデリバリ制御部16の電圧異常の場合の復帰動作を説明するフロー図である。主にパワーデリバリ制御部16のマイコン34における動作について説明する。
【0127】
図13を参照して、パワーデリバリ制御部16は、所定周期が経過したか否かを判断する(ステップS70)。本例においては、パワーデリバリ制御部16は、所定周期毎にレジスタ26の情報を確認する。
【0128】
パワーデリバリ制御部16は、所定周期が経過したと判断した場合(ステップS70においてYES)には、レジスタ26を確認する(ステップS72)。具体的には、マイコン34は、レジスタ26の情報を要求し、当該要求に従ってパワーデリバリ電源部14から送信されたレジスタ情報のステータス格納領域26Bに格納されている情報を確認する。
【0129】
次に、パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26の情報として電圧異常が有るか否かを判断する(ステップS74)。具体的には、マイコン34は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに電圧異常が有る旨の情報があるかどうかを判断する。
【0130】
パワーデリバリ制御部16は、ステップS74において、
電圧異常が無いと判断した場合(ステップS74においてNO)には、ステップS70に戻る。
【0131】
一方、パワーデリバリ制御部16は、ステップS74において、
電圧異常が有ると判断した場合(ステップS74においてYES)には、電圧異常による復帰回数を確認する(ステップS76)。電圧異常による復帰回数は、パワーデリバリ制御部16のメモリ36に格納されているものとする。マイコン34は、メモリ36に格納されている電圧異常による復帰回数を取得する。
【0132】
次に、パワーデリバリ制御部16は、電圧異常による復帰回数が所定回数以上であるか否かを判断する(ステップS78)。マイコン34は、メモリ36に格納されている電圧異常による復帰回数が所定回数以上であるか否かを判断する。
【0133】
ステップS78において、電圧異常による復帰回数が所定回数以上で無いと判断した場合(ステップS78においてNO)には、復帰を指示するとともに、レジスタ26をリセットする(ステップS80)。具体的には、マイコン34は、パワーデリバリ電源部14に対して電圧を指示する。パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更し、復帰動作を実行する。また、パワーデリバリ電源部14に対して電圧異常に関する情報のリセットを指示する。これによりパワーデリバリ電源部14のレジスタ26のステータス格納領域26Bに格納されている電圧異常を示す情報がリセットされる。
【0134】
次に、パワーデリバリ制御部16は、電圧異常による復帰回数をカウントアップする(ステップS82)。パワーデリバリ制御部16のマイコン34は、メモリ36に電圧異常による復帰回数としてカウントアップした値を格納する。
【0135】
そして、ステップS70に戻る。
一方、ステップS78において、電圧異常による復帰回数が所定回数以上であると判断した場合(ステップS78においてYES)には、復帰を停止する(ステップS84)。
【0136】
そして、処理を終了する(エンド)。具体的には、マイコン34は、パワーデリバリ電源部14に対して電圧を指示せずに、処理を終了する。したがって、この場合には復帰動作は実行されない。
【0137】
本例においては、復帰回数が所定回数未満の場合には、単なる突発的な電圧異常である可能性があるため復帰動作を実行し、復帰回数が所定回数以上の場合には、単なる突発的な電圧異常ではなく他の不良原因(例えば短絡)が考えられるため復帰動作を実行しない。
【0138】
したがって、レジスタ26のステータス格納領域26Bに格納されている情報に基づいて、電源回路20に対して異常に応じた適切な動作を実行することが可能である。これにより電源回路20の安全性を高めることが可能である。
【0139】
<変形例>
<b5.温度異常時の他の例>
図14は、実施形態1の変形例に基づく電源制御システム1における温度異常時の動作を説明する場合のシーケンス図である。本変形例においては、パワーデリバリ電源部14からパワーデリバリ制御部16に対して通知信号が出力される場合について説明する。
【0140】
図14を参照して、パワーデリバリ電源部14において温度異常が生じたとする(シーケンスsq40)。具体的には、温度異常判断回路22Aは、電源回路20のジャンクション温度に従って制御回路24に制御信号(「H」レベル)を出力する。制御回路24は、電源回路20の電源オフ制御を実行し、電源回路20の電源供給の動作を停止させる。具体的には、0Vに設定する。
【0141】
次に、パワーデリバリ電源部14においてレジスタに情報を書き込む(シーケンスsq41)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに温度異常に関する情報を書き込む。
【0142】
次に、パワーデリバリ電源部14は、パワーデリバリ制御部16に対して通知処理を実行する。具体的には、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16に対して割込通知信号を出力する(シーケンスsq42)。
【0143】
次に、パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号を受けて、レジスタ26からの情報を読み出す(シーケンスsq43)。パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号に応答してパワーデリバリ電源部14にレジスタ26の情報を要求する。
【0144】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を取得して温度異常であることを確認し、ハードリセットを通知する(シーケンスsq44)。パワーデリバリ制御部16は、パワーデリバリ制御部104にハードリセットを通知する。
【0145】
消費側である受電デバイス100は、ハードリセットの通知を了解する(シーケンスsq45)。これにより受電デバイス100は、給電デバイス10からの電圧供給のスタンバイ状態となる。
【0146】
次に、パワーデリバリ電源部14において温度が正常に戻ったものとする(シーケンスsq46)。
【0147】
次に、パワーデリバリ電源部14においてレジスタ26に情報を書き込む(シーケンスsq47)。具体的には、制御回路24は、レジスタ26のステータス格納領域26Bに温度に関する情報を書き込む。本例においては、電源回路20のジャンクション温度が正常であることを示す値を書き込む。
【0148】
次に、パワーデリバリ電源部14は、パワーデリバリ制御部16に対して通知処理を実行する。具体的には、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16に対して割込通知信号を出力する(シーケンスsq48)。
【0149】
パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号を受けて、レジスタ26からの情報を読み出す(シーケンスsq49)。パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号に応答してパワーデリバリ電源部14のレジスタ26の情報を要求する。
【0150】
パワーデリバリ制御部16は、レジスタ26からの情報を取得して温度が正常であることを確認し、パワーデリバリ電源部14に電圧を指示する(シーケンスsq50)。
【0151】
パワーデリバリ電源部14は、電圧指示を受けて、電圧を変更する(シーケンスsq51)。パワーデリバリ電源部14の制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報を格納する。具体的には、制御回路24は、レジスタ26の電圧設定領域26Aに供給する電圧に関する情報として初期値に設定する。本例においては5Vに設定する。
【0152】
本変形例においては、パワーデリバリ電源部14のレジスタ26への書込の際に、パワーデリバリ制御部16にレジスタ26への書込があったことを通知する割込通知信号を出力する。これにより、所定周期毎にレジスタ26の情報を取得する必要がなく、割込通知信号の入力に応答してレジスタ26の情報を取得するようにすればよいため、パワーデリバリ制御部16におけるレジスタ26の情報の監視の負荷が軽減される。
【0153】
<c7.パワーデリバリ電源部14の温度異常の際の別の動作>
図15は、実施形態1の変形例に基づくパワーデリバリ電源部14の温度異常の際の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14の制御回路24の動作について説明する。
【0154】
図15を参照して、
図10のフロー図と比較して、ステップS45,S49を追加した点が異なる。
【0155】
ステップS44において、パワーデリバリ電源部14は、レジスタ26に情報を格納した後、パワーデリバリ制御部16に割込信号を通知する(ステップS45)。具体的には、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16に割込通知信号を出力する。
【0156】
また、ステップS48において、パワーデリバリ電源部14は、レジスタ26に情報を格納した後、パワーデリバリ制御部16に割込信号を通知する(ステップS49)。具体的には、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16に割込通知信号を出力する。
【0157】
そして、ステップS40に戻る。その他の部分については
図10のフロー図と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0158】
<c8.温度異常の場合の別の復帰動作>
図16は、実施形態1の変形例に基づくパワーデリバリ制御部16の温度異常の場合の復帰動作を説明するフロー図である。主にパワーデリバリ制御部16のマイコン34における動作について説明する。
【0159】
図16を参照して、
図11のフロー図と比較して、ステップS50をステップS51に置換した点が異なる。
【0160】
具体的には、パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号が有るかどうかを判断する(ステップS51)。本例においては、パワーデリバリ制御部16のマイコン34は、パワーデリバリ電源部14から割込通知信号を受信したか否かを判断する。
【0161】
パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号が有るまでステップS
51の状態を維持し、割込通知信号が有ると判断した場合(ステップS51においてYES)には、レジスタ26を確認する(ステップS52)。具体的には、マイコン34は、レジスタ26の情報を要求し、当該要求に従ってパワーデリバリ電源部14から送信されたレジスタ情報のステータス格納領域26Bに格納されている情報を確認する。
【0162】
その他の部分については
図11のフロー図と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0163】
上記においては、温度異常の場合の割込信号の通知について説明したが、温度異常についても同様に適用可能である。
【0164】
<c9.パワーデリバリ電源部14の電圧異常の際の別の動作>
図17は、実施形態1の変形例に基づくパワーデリバリ電源部14の電圧異常の際の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14の制御回路24の動作について説明する。
【0165】
図17を参照して、
図12のフロー図と比較して、ステップS65を追加した点が異なる。
【0166】
ステップS64において、制御回路24は、レジスタ26に情報を格納した後、パワーデリバリ制御部16に割込信号を通知する(ステップS65)。具体的には、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16に割込通知信号を出力する。
【0167】
そして、ステップS60に戻る。その他の部分については
図12のフロー図と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0168】
<c10.電圧異常の場合の別の復帰動作>
図18は、実施形態1の変形例に基づくパワーデリバリ制御部16の電圧異常の場合の復帰動作を説明するフロー図である。主にパワーデリバリ制御部16のマイコン34における動作について説明する。
【0169】
図18を参照して、
図13のフロー図と比較して、ステップS70をステップS71に置換した点が異なる。
【0170】
具体的には、パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号が有るかどうかを判断する(ステップS71)。本例においては、パワーデリバリ制御部16のマイコン34は、パワーデリバリ電源部14から割込通知信号を受信したか否かを判断する。
【0171】
パワーデリバリ制御部16は、割込通知信号が有るまでステップS71の状態を維持し、割込通知信号が有ると判断した場合(ステップS71においてYES)には、レジスタ26を確認する(ステップS72)。具体的には、マイコン34は、レジスタ26の情報を要求し、当該要求に従ってパワーデリバリ電源部14から送信されたレジスタ情報のステータス格納領域26Bに格納されている情報を確認する。
【0172】
その他の部分については
図13のフロー図と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0173】
本変形例においては、パワーデリバリ電源部14のレジスタ26への書込の際に、パワーデリバリ制御部16にレジスタ26への書込があったことを通知する割込通知信号を出力する。これにより、所定周期毎にレジスタ26の情報を取得する必要がなく、割込通知信号の入力に応答してレジスタ26の情報を取得するようにすればよいため、パワーデリバリ制御部16におけるレジスタ26の情報の監視の負荷が軽減される。
【0174】
<他の形態>
上記の受電デバイス100においては、給電デバイス10からの電源電圧の供給を受ける構成について説明したが、受電デバイス100においても、給電デバイス10と同様のパワーデリバリ電源部14を備えた構成とすることも可能である。すなわち、受電デバイス100も給電デバイス10としての機能を有し、さらに別のUSBデバイスに電源電圧を供給する構成とすることも可能である。
【0175】
(実施形態2)
次に、高電圧での給電に対する安全性を保障することが可能な方式について説明する。
【0176】
<a4.電源制御システム1#の構成>
図19は、実施形態2に基づく電源制御システム
1#の構成について説明する図である。
【0177】
図19を参照して、電源制御システム1#は、給電デバイス(給電制御装置)10#と、受電デバイス100とを含む。
【0178】
図1の構成と比較して、給電デバイス10を給電デバイス10#に置換した点が異なる。その他の構成については同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0179】
給電デバイス10#は、給電デバイス10と比較して、パワーデリバリ電源部14をパワーデリバリ電源部14#に置換し、パワーデリバリ制御部16をパワーデリバリ制御部16#に置換した点が異なる。その他の構成については
図1で説明した点と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0180】
<a5.給電デバイス10#の構成>
図20は、実施形態2に基づく給電デバイス10#の構成を説明する図である。
【0181】
図20を参照して、給電デバイス10#は、USBコネクタ12と、パワーデリバリ電源部14#と、パワーデリバリ制御部16#とを含む。USBデータ制御部18については省略している。
【0182】
パワーデリバリ電源部14#は、電源回路20と、電圧判定回路23と、制御回路24と、タイマ25と、レジスタ27と、インタフェース28とを含む。
【0183】
パワーデリバリ電源部14#は、パワーデリバリ電源部14と比較して、保護回路22の代わりに電圧判定回路23を設け、レジスタ26の代わりにレジスタ27を設け、タイマ25をさらに設けた点が異なる。その他の構成については同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0184】
電圧判定回路23は、電源回路20で調整された電圧の値が設定電圧になっているか否かを判断する。そして、電圧判定回路23は、判断結果を制御回路24に出力する。制御回路24は、電圧判定回路23からの判断結果に基づいて、電源回路20で調整された電圧の値が設定電圧になったと判断した場合には外部であるパワーデリバリ制御部16#に通知信号を出力する。
【0185】
制御回路24は、パワーデリバリ電源部14#全体を制御する。
レジスタ27は、パワーデリバリ電源部14#に関する情報を格納する。
【0186】
具体的には、レジスタ27は、電源回路20の電源電圧の設定に関する情報を格納する。
【0187】
制御回路24は、必要に応じてレジスタ27にデータを書き込む。
タイマ25は、計時機能を有しており、制御回路24からの指示に従って時間を測定する。
【0188】
パワーデリバリ制御部16#は、インタフェース30と、通信インタフェース32と、マイコン34と、タイマ35と、メモリ36とを含む。
【0189】
パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ制御部16と比較してタイマ35をさらに含む点で異なる。その他の構成についてはパワーデリバリ制御部16と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0190】
タイマ35は、計時機能を有しており、マイコン34からの指示に従って時間を測定する。
【0191】
<a6.電圧判定回路23の構成>
図21は、実施形態2に基づく電圧判定回路23の構成を説明する図である。
【0192】
図21を参照して、電圧判定回路23は、判定器200を含む。
具体的には、判定器200は、電源回路20で調整される出力電圧と、基準値とを比較して、電源回路20で調整される出力電圧が基準値になった(到達した)か否かを判断する。基準値は、レジスタ27に格納された電源回路20の電源電圧の設定に関する情報に基づいて算出される。
【0193】
なお、電源回路20で調整される出力電圧が基準値になったか(到達したか)否かについては、当該電圧が基準値と一致した場合のもならず、電圧が基準値近傍である場合も含まれる。具体的には、電圧の値と基準値との差が所定の範囲内である場合に基準値に到達したと判断する。
【0194】
判定器200は、電源回路20で調整される出力電圧と、基準値とを比較して、電源回路20で調整される出力電圧が基準値になった(到達した)と判断した場合にその旨を制御回路24に出力する。
【0195】
制御回路24は、判定器200の判断結果に基づいてパワーデリバリ制御部16#に通知信号を出力する。
【0196】
パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ制御部104へ電圧準備完了を通知する。受電デバイス100は、当該通知を受けて電流消費を開始する。
【0197】
<b5.電圧レベル調整>
図22は、実施形態2に基づく電源制御システム1#における旧電圧から新電圧に電圧レベルを調整する場合のシーケンス図である。
【0198】
図22を参照して、消費側である受電デバイス100が電圧を要求する(シーケンスsq1)。パワーデリバリ制御部104は、パワーデリバリ制御部16#に受電デバイス100が必要な電圧を要求する。
【0199】
パワーデリバリ制御部16#は、受電デバイス100からの電圧要求に対して、給電が可能か否かを判断する。要求された電圧レベルの値が給電可能範囲であるか否かを確認する。要求された電圧レベルの値が給電可能範囲であると判断した場合には、電圧を許可する旨の通知をパワーデリバリ制御部104に通知する(シーケンスsq2)。
【0200】
消費側である受電デバイス100は、許可を了解する(シーケンスsq3)。
これにより受電デバイス100は、スタンバイ状態となり給電側からの準備完了の指示待ち状態となる。
【0201】
パワーデリバリ制御部104は、供給側である給電デバイス10#からの電圧を許可する旨の通知を受けて、許可を了解した旨の通知を給電デバイス10#に出力する。
【0202】
給電デバイス10#は、これを受けて、給電デバイス10#側の電圧調整動作を開始する(シーケンスsq61)。
【0203】
パワーデリバリ制御部16#は、インタフェース30とインタフェース28とを介してパワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達する。パワーデリバリ電源部14#の制御回路24は、レジスタ27に供給する電圧に関する情報を格納する(シーケンスsq62)。
【0204】
パワーデリバリ電源部14#の制御回路24は、電源回路20に対してレジスタ27に設定された電圧に関する情報に基づいて当該電圧を出力するように指示する。これにより出力電圧は、旧電圧から新電圧に変更される(シーケンスsq63)。
【0205】
次に、電圧判定回路23は、電源回路20において指示された電圧が基準値になった(到達した)と判断した場合にその旨を制御回路24に出力する。制御回路24は、電源回路20において指示された電圧が基準値になった(到達した)と判断した場合にパワーデリバリ制御部16#に通知信号を通知する(シーケンスsq64)。
【0206】
パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから所定期間経過後において、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号を受信しているか否かを判断し、受信している場合に電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する(シーケンスsq65)。当該所定期間は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから新しい電圧(新電圧)に変更されるまでに必要な期間以上の期間に予め設定されている。
【0207】
消費側である受電デバイス100は、給電デバイス10#から電圧準備が完了したことを示す通知を受けて、電圧準備の完了を了解する(シーケンスsq66)。
【0208】
これにより受電デバイス100は、スタンバイ状態から電流消費状態となり給電デバイス10#からの電圧の供給を受けて駆動する。
【0209】
本方式において、パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから所定期間経過後において、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号を受信しているか否かを判断し、受信している場合に電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する。したがって、新電圧に変更されていることを確認した上で給電されるため給電デバイスの給電に対する安全性を高めることが可能である。
【0210】
図23は、実施形態2に基づく電源回路20において電圧を変更する動作を説明する図である。
【0211】
図23(A)に示されるように、時刻T1の電圧の変更指示に従って、初期電圧から電圧が上昇して設定電圧近傍に調整される。
【0212】
時刻T2において、電源回路20で調整される電圧と、目標とする設定電圧との間の差が所定範囲内になった場合に通知信号が出力される。
【0213】
時刻T3においては、電圧の変更指示がされてから所定期間が経過したタイミングが示されている。パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから当該所定期間経過後において、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号を受信しているか否かを判断し、受信している場合に電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する。
【0214】
図23(B)に示されるように、時刻T4の電圧の変更指示に従って、初期電圧から電圧が下降して設定電圧近傍に調整される。
【0215】
時刻T5において、電源回路20で調整される電圧と、目標とする設定電圧との間の差が所定範囲内になった場合に通知信号が出力される。
【0216】
時刻T6においては、電圧の変更指示がされてから所定期間が経過したタイミングが示されている。パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから当該所定期間経過後において、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号を受信しているか否かを判断し、受信している場合に電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する。
【0217】
<b6.電圧レベル調整の異常時>
図24は、実施形態2に基づく電源制御システム1#における電圧レベル調整の異常時の動作を説明する場合のシーケンス図である。
【0218】
図24を参照して、シーケンスsq1〜sq3,sq61〜sq63については
図22で説明した動作と同様である。
【0219】
パワーデリバリ電源部14#の制御回路24は、電源回路20に対してレジスタ27に設定された電圧に関する情報に基づいて当該電圧を出力するように指示する。これによりシーケンスsq63において、出力電圧は、旧電圧から新電圧に変更される。
【0220】
本例においては、電源回路20に異常が生じた場合について説明する。
電圧判定回路23は、電源回路20において指示された電圧が基準値になった(到達した)旨を制御回路24に出力しない。したがって、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16#に通知信号を通知しない。
【0221】
パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから所定期間経過後において、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号を受信しているか否かを判断する。パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#から所定期間経過後において通知信号を受信していないと判断した場合には、パワーデリバリ制御部104にハードリセットを通知する(シーケンスsq70)。
【0222】
消費側である受電デバイス100は、ハードリセットの通知を了解する(シーケンスsq71)。これにより受電デバイス100は、給電デバイス10#からの電圧供給のスタンバイ状態となる。
【0223】
次に、給電側である給電デバイス10#は、リセットを指示する(シーケンスsq72)。パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#にリセットを指示する。
【0224】
パワーデリバリ電源部14#は、パワーデリバリ制御部16#からのリセットの指示を受けて電圧を変更する(シーケンスsq73)。パワーデリバリ電源部14#の制御回路24は、リセット指示を受けて電源回路20からの電圧を0Vに設定する。
【0225】
本方式において、パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから所定期間経過後において、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号を受信しているか否かを判断し、受信していない場合にリセットを指示して電圧の供給を遮断する。したがって、電圧異常が生じた場合には、電圧を遮断することにより給電デバイスの給電に対する安全性を高めることが可能である。
【0226】
<c11.電圧レベル調整>
図25は、実施形態2に基づくパワーデリバリ制御部16#における電圧レベルを調整する処理を実行する場合のフロー図である。
【0227】
図25を参照して、パワーデリバリ制御部16#は、消費側である受電デバイス100からの電圧の要求が有るか否かを判断する(ステップS2)。
【0228】
ステップS2において、パワーデリバリ制御部16#は、消費側である受電デバイス100からの電圧の要求が無い場合(ステップS2においてNO)には、電圧レベルを調整する必要が無いためステップS2の状態を維持する。
【0229】
ステップS2において、パワーデリバリ制御部16#は、消費側である受電デバイス100からの電圧の要求がある場合(ステップS2においてYES)には、給電の電圧要求を確認する(ステップS4)。
【0230】
次に、パワーデリバリ制御部16#は、電圧の要求がOKか否かを判断する(ステップS6)。具体的には、パワーデリバリ制御部16#は、受電デバイス100からの電圧要求に対して、給電が可能か否かを判断する。要求された電圧レベルの値が給電可能範囲であるか否かを確認する。
【0231】
次に、パワーデリバリ制御部16#は、電圧の要求がOKであると判断した場合(ステップS6においてYES)には、電圧を許可する旨を通知する(ステップS8)。パワーデリバリ制御部16#は、消費側である受電デバイス100のパワーデリバリ制御部104に対して電圧を許可する旨を通知する。これにより受電デバイス100は、スタンバイ状態となり給電側からの準備完了の指示待ち状態となる。
【0232】
次に、パワーデリバリ制御部16#は、許可を了解する旨の通知を受けたか否かを判断する(ステップS9)。
【0233】
パワーデリバリ制御部16#は、許可を了解する旨の通知を受けるまでステップS9を維持し、受けたと判断した場合(ステップS9においてYES)には、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達する(ステップS10#)。パワーデリバリ電源部14#は、電圧情報の伝達(変更指示)を受けて、電圧を変更する。
【0234】
次に、パワーデリバリ制御部16#は、所定期間経過したか否かを判断する(ステップS12)。当該所定期間は、パワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達してから新しい電圧(新電圧)に変更されるまでに必要な期間以上の期間に予め設定されている。
【0235】
パワーデリバリ制御部16#は、所定期間経過したと判断した場合(ステップS12においてYES)には、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号が有るかどうかを判断する(ステップS13)。
【0236】
ステップS13において、パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号が有ると判断した場合(ステップS13においてYES)には、電圧準備が完了したことを消費側である受電デバイス100に通知する(ステップS14)。そして、処理を終了する(エンド)。
【0237】
これにより、受電デバイス100は、電圧準備の完了を了解し、スタンバイ状態から電流消費状態に変更して給電デバイス10#からの電圧の供給を受けて駆動する。
【0238】
一方、ステップS6において、パワーデリバリ制御部16#は、電圧の要求がOKでないと判断した場合(ステップS6においてNO)には、電圧を許可しない旨(不許可)を通知する(ステップS16)。
【0239】
そして、終了する(エンド)。この場合には、受電デバイス100に対して要求された電源供給は開始されない。
【0240】
また、ステップS13において、パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#からの通知信号がないと判断した場合(ステップS13においてNO)には、ハードリセットを消費側である受電デバイス100に通知する(ステップS17)。
【0241】
次に、パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#にリセットを指示する(ステップS18)。パワーデリバリ電源部14#は、リセット指示を受けて、電圧を0Vに設定する。そして、処理を終了する(エンド)。
【0242】
<c12.パワーデリバリ電源部14#の電圧調整の動作>
図26は、実施形態2に基づくパワーデリバリ電源部14#の電圧調整の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14#の制御回路24の動作について説明する。
【0243】
図26を参照して、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16#から電圧の指示で出力電圧を格納するレジスタ値に変更があったか否かを判断する(ステップS130)。
【0244】
ステップS130において、制御回路24は、パワーデリバリ制御部16#からの電圧の指示で出力電圧を格納するレジスタ値に変更があった場合(ステップS130においてYES)には、レジスタ27に格納された電圧値を出力するよう電源回路20に指示する(ステップS131)。
【0245】
そして、処理を終了する(エンド)。
<b7.給電中の異常判定動作>
図27は、実施形態2に基づくパワーデリバリ電源部14#から受電デバイス100への給電中の正常動作について説明する場合のシーケンス図である。
【0246】
図27を参照して、給電側であるパワーデリバリ制御部16#は、所定周期毎にパワーデリバリ電源部14#に対してタイマ25をリセットさせるタイマリセット指令を出力する(シーケンスsq80,sq81,sq82,sq83)。
【0247】
パワーデリバリ電源部14#は、パワーデリバリ制御部16#からのタイマリセット指令を受けてタイマ値を初期化してカウントを開始する。当該処理をタイマリセット指令毎に繰り返す。
【0248】
図28は、実施形態2に基づくパワーデリバリ電源部14#から受電デバイス100への給電中に異常が生じた場合の動作について説明する場合のシーケンス図である。
【0249】
図28を参照して、給電側であるパワーデリバリ制御部16#は、所定周期毎にパワーデリバリ電源部14#に対してタイマ25をリセットさせるタイマリセット指令を出力する(シーケンスsq90)。
【0250】
パワーデリバリ電源部14#は、パワーデリバリ制御部16#からのタイマリセット指令を受けてタイマ値を初期化してカウントを開始する。
【0251】
本例においては、タイマ25のタイマ値が所定値を超えた場合が示されている(タイマオーバフロー)。
【0252】
パワーデリバリ電源部14#は、タイマ値が所定値を超えたと判断した場合にパワーデリバリ制御部16#に対してリセット動作を指示する(シーケンスsq91)。
【0253】
パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ電源部14#からのリセット動作の指示に従って所定の初期起動動作を実行する(シーケンスsq92)。初期起動動作は、メモリ36に格納されている所定のリセットプログラムに基づいてパワーデリバリ制御部16#全体のリセット動作を実行する。
【0254】
また、パワーデリバリ制御部16#は、初期起動動作とともに給電側である給電デバイス10#に対してハードリセットを通知する(シーケンスsq93)。パワーデリバリ制御部16#は、パワーデリバリ制御部104にハードリセットを通知する。
【0255】
消費側である受電デバイス100は、ハードリセットの通知を了解する(シーケンスsq94)。これにより受電デバイス100は、給電デバイス10#からの電圧供給のスタンバイ状態となる。
【0256】
給電デバイス10#は、これを受けて、給電デバイス10#側の電圧調整動作を開始する(シーケンスsq95)。
【0257】
パワーデリバリ制御部16#は、インタフェース30とインタフェース28とを介してパワーデリバリ電源部14#に電圧情報を伝達する。パワーデリバリ電源部14#の制御回路24は、レジスタ27に供給する電圧に関する情報を格納する(シーケンスsq96)。具体的には、制御回路24は、レジスタ27に供給する電圧に関する情報として初期値に設定する。本例においては5Vに設定する。
【0258】
パワーデリバリ電源部14#の制御回路24は、電源回路20に対してレジスタ27に設定された電圧に関する情報に基づいて当該電圧を出力するように指示する。これにより出力電圧は、旧電圧から新電圧に変更される(シーケンスsq97)。
【0259】
本方式において、パワーデリバリ電源部14#は、所定条件が満たされた場合にパワーデリバリ制御部16#に対してリセット動作を指示する。具体的には、パワーデリバリ電源部14#は、パワーデリバリ制御部16#から周期的に入力されるタイマリセット指令の入力が無い場合にはパワーデリバリ制御部16#に何らかの異常が発生したと判断して、初期起動動作を実行するように指示するリセット動作を指示する。これにより、パワーデリバリ電源部14#もパワーデリバリ制御部16#の状態を監視することが可能となる。また、パワーデリバリ制御部16#は、電圧判定回路23からの通知信号に従ってパワーデリバリ電源部14#の状態を判断することが可能である。したがって、パワーデリバリ制御部16#およびパワーデリバリ電源部14#が相互に互いの状態を監視し、異常が有る場合にリセット動作を実行することが可能であるため給電デバイスの給電に対する安全性を高めることが可能である。
【0260】
<c13.パワーデリバリ制御部16#のタイマリセット指令の動作>
図29は、実施形態2に基づくパワーデリバリ制御部16#のタイマリセット指令の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ制御部16#のマイコン34の動作について説明する。
【0261】
図29を参照して、マイコン34は、所定周期が経過したか否かを判断する(ステップS140)。マイコン34は、所定周期が経過したか否かについてタイマ35を用いて判断するようにしても良い。
【0262】
ステップS140において、マイコン34は、所定周期が経過したと判断した場合(ステップS140においてYES)には、タイマリセット指令を出力する(ステップS142)。
【0263】
そして、ステップS140に戻り、当該処理を繰り返す。
<c14.パワーデリバリ電源部14#のタイマリセット指令の動作>
図30は、実施形態2に基づくパワーデリバリ電源部14#のタイマリセット指令の動作を説明するフロー図である。ここでは、パワーデリバリ電源部14#の制御回路24の動作について説明する。
【0264】
図30を参照して、制御回路24は、タイマリセット指令の入力が有るかどうかを判断する(ステップS150)。
【0265】
ステップS150において、制御回路24は、タイマリセット指令の入力が有ると判断した場合(ステップS150においてYES)には、タイマ25をリセットする(ステップS152)。
【0266】
そして、ステップS150に戻る。
一方、ステップS150において、制御回路24は、タイマリセット指令の入力が無いと判断した場合(ステップS150においてNO)には、タイマ25をカウントする(ステップS154)。
【0267】
そして、タイマ25のタイマ値が所定期間を超えたか否か(タイマーオーバーか)を判断する(ステップS156)。
【0268】
ステップS156において、タイマ25のタイマ値が所定期間を超えたと判断した場合(ステップS156においてYES)には、リセット動作を指示する(ステップS158)。
【0269】
そして、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS156において、タイマ25のタイマ値が所定期間を超えていないと判断した場合(ステップS156においてNO)には、ステップS150に戻り、上記処理を繰り返す。
【0270】
(実施形態3)
図31は、実施形態3に基づく給電デバイス11の構成について説明する図である。
【0271】
図31を参照して、給電デバイス11は、複数のUSBコネクタ12A,12Bを有する。なお、USBデータ制御部については、省略している。
【0272】
また、USBコネクタ12Aに対応してパワーデリバリ電源部14#Aと、パワーデリバリ制御部16#Aとを含む。
【0273】
また、USBコネクタ12Bに対応してパワーデリバリ電源部14#Bと、パワーデリバリ制御部16#Bとを含む。
【0274】
各パワーデリバリ電源部14#A,14#Bの構成については、
図20のパワーデリバリ電源部14#の構成と基本的に同様であり、その詳細な説明については繰り返さない。なお、
図20のパワーデリバリ電源部14#の各構成要素の符号に「A」および「B」を付している。
【0275】
各パワーデリバリ制御部16#A,16#Bの構成については、
図20のパワーデリバリ制御部16#の構成と基本的に同様であり、その詳細な説明については繰り返さない。なお、
図20のパワーデリバリ制御部16#の各構成要素の符号に「A」および「B」を付している。
【0276】
なお、マイコン34Aとマイコン34Bとは互いにデータを授受している。
<c15.電圧レベル調整>
図32は、実施形態3に基づくパワーデリバリ制御部16#A,16#Bのそれぞれにおける電圧レベルを調整する処理を実行する場合のフロー図である。
【0277】
図32を参照して、
図25のフロー図と比較して、給電の電圧要求を確認するステップS4をステップS4#に変更した点が異なる。その他の部分については、
図25で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0278】
図33は、ステップS4#における給電の電圧要求を確認するサブルーチン処理を説明するフロー図である。
【0279】
図33に示されるように、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、別ポートが使用されているか否かを判断する(ステップS160)。たとえば、パワーデリバリ制御部16#Bは、対応するポートであるUSBコネクタ12Bとは異なる別のポートであるUSBコネクタ12AにUSBデバイスが接続されているか否かを判断する。マイコン34Bは、マイコン34AにアクセスしてUSBコネクタ12AにUSBデバイスが接続されているか否かを確認する。
【0280】
ステップS160において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、別ポートが使用されていると判断した場合(ステップS160においてYES)には、別ポートの使用電力量を取得する(ステップS162)。たとえば、パワーデリバリ制御部16#Bのマイコン34Bは、マイコン34Aにアクセスして、USBコネクタ12AにUSBデバイスが接続されていると判断した場合には、当該USBデバイスの使用電力量に関する情報を取得する。
【0281】
次に、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、供給可能電力量を算出する(ステップS164)。パワーデリバリ制御部16#Bは、電源入力ACあるいはDCの電源入力の最大供給可能電力量から使用電力量を減算した供給可能電力量を算出する。
【0282】
そして、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、要求電力量を取得する(ステップS166)。パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、対応するUSBコネクタ12A,12Bにそれぞれ接続されているUSBデバイスの電圧要求に基づいて要求電力量を取得する。
【0283】
パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、取得したUSBデバイスの要求電力量が供給可能電力量範囲内か否かを判断する(ステップS168)。
【0284】
ステップS168において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、要求電力量が供給可能電力量範囲内であると判断した場合(ステップS168においてYES)には、要求OKと判断する(ステップS170)。
【0285】
そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、ステップS6に進む。
一方、ステップS168において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、要求電力量が供給可能電力量範囲内でないと判断した場合(ステップS
168においてNO)には、リクエスト要求する(ステップS
172)。具体的には、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、供給可能電力量の電力のみ給電可能である旨の情報を受電デバイス100に送信する。受電デバイス100は、供給可能電力量の電力のみ給電可能である旨の情報に基づいて当該電力量での給電を要求するか否かを判断する。受電デバイス100でのパワーセーブモード等での駆動であれば消費電力を低減することが可能であるためモード変更等により給電が可能であるか否かを判断し、受電デバイス100は、給電が可能であれば了解通知を給電デバイス10#に出力する。
【0286】
次に、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、受電デバイス100からの了解通知があったかどうかを判断する(ステップS174)。パワーデリバリ制御部16#A,16#Bのマイコン34A,34Bは、受電デバイス100からの了解通知を受信したか否かを判断する。
【0287】
ステップS
174において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、了解通知があったと判断した場合(ステップS174においてYES)には、供給可能電力量の要求OKと判断する(ステップS176)。パワーデリバリ制御部16#A,16#Bのマイコン34A,34Bは、供給可能電力量の要求OKと判断する。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、ステップS6に進む。
【0288】
ステップS
174において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、了解通知がないと判断した場合(ステップS174においてNO)には、要求NGと判断する(ステップS178)。この場合には、受電デバイス100に対する給電は行なわれない。
【0289】
そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、ステップS6に進む。
ステップS160において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、別ポートが使用されていないと判断した場合(ステップS160においてNO)には、要求電力量を取得する(ステップS180)。パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、対応するUSBコネクタ12A,12Bにそれぞれ接続されているUSBデバイスの電圧要求に基づいて要求電力量を取得する。
【0290】
パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、要求電力量が供給可能電力量範囲内か否かを判断する(ステップS182)。
【0291】
ステップS182において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、供給可能電力量範囲内であると判断した場合(ステップS182においてYES)には、要求OKと判断する(ステップS184)。
【0292】
そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、ステップS6に進む。
一方、ステップS182において、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、供給可能電力量範囲内でないと判断した場合(ステップS182においてNO)には、要求NGと判断する(ステップS186)。そして、処理を終了する(リターン)。すなわち、ステップS6に進む。
【0293】
本方式においては、複数のUSBコネクタ12A,12Bが設けられている場合に、例えば、USBコネクタ12Aに対してUSBデバイスが装着された後に、USBコネクタ12Bに対してUSBデバイスが装着される場合に当該USBデバイスに給電が可能であるか否を判断する。供給可能電力量の範囲内であるか否かを判断し、供給可能電力範囲内を超えている場合には、USBデバイスに対して供給可能電力での給電が可能か否かのリクエスト要求する。
【0294】
USBデバイスがリクエスト要求に対して了解通知を出力した場合には、当該供給可能電力量での給電を実行する。これに伴い、パワーデリバリ電源部14#から当該供給可能電力量に基づく電圧供給を実行する。
【0295】
これにより、複数のUSBデバイスが要求する電力量の合計が最大供給可能電力量を超える場合であっても、リクエスト要求により供給可能電力での給電が可能か否かを確認し、可能であれば当該供給可能電力での給電を実行することにより高電圧での給電に対する安全性を保障して給電デバイスから複数のUSBデバイスへの給電を実行することが可能である。
【0296】
(実施形態4)
上記の実施形態3においては、パワーデリバリ制御部16#Aとパワーデリバリ制御部16#Bとの間でデータの授受を実行して上記処理を実行する構成について説明したが、当該構成に限られず、例えば、パワーデリバリ制御部16#Aとパワーデリバリ制御部16#Bとを共に管理する構成としても良い。
【0297】
図34は、実施形態4に基づく給電デバイス11#の構成について説明する図である。
図34を参照して、給電デバイス11#は、複数のUSBコネクタ12A,12Bを有する。
【0298】
また、USBコネクタ12Aに対応してパワーデリバリ電源部14#Aと、パワーデリバリ制御部16#Aとを含む。
【0299】
また、USBコネクタ12Bに対応してパワーデリバリ電源部14#Bと、パワーデリバリ制御部16#Bとを含む。
【0300】
また、本例においては、パワーデリバリ制御部16#A,16#Bを管理するパワーデリバリ管理部19をさらに設ける。
【0301】
各パワーデリバリ電源部14#A,14#Bの構成については、図
20のパワーデリバリ電源部14#の構成と基本的に同様であり、その詳細な説明については繰り返さない。なお、
図20のパワーデリバリ電源部14#の各構成要素の符号に「A」および「B」を付している。
【0302】
各パワーデリバリ制御部16#A,16#Bの構成については、
図20のパワーデリバリ制御部16#の構成と基本的に同様であり、その詳細な説明については繰り返さない。なお、
図20のパワーデリバリ制御部16#の各構成要素の符号に「A」および「B」を付している。
【0303】
なお、マイコン34Aとマイコン34Bとは互いにパワーデリバリ管理部19とデータを授受する。
【0304】
上記で説明した電圧レベルの調整の一部の処理に関して、パワーデリバリ管理部19で実行するようにしても良い。
【0305】
具体的には、
図33で説明した給電の電圧要求を確認する処理をパワーデリバリ管理部19で実行するようにしても良い。
【0306】
パワーデリバリ制御部16#A,16#Bは、消費側である受電デバイス100からの電圧要求があった場合には、その旨をパワーデリバリ管理部19に対して出力する。
【0307】
そして、パワーデリバリ管理部19において給電の電圧要求を確認する。
パワーデリバリ管理部19における給電の電圧要求を確認する処理については、
図15で説明したフロー図と同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0308】
そして、パワーデリバリ管理部19は、給電の電圧要求を確認し、給電が可能であれば要求OKとしてパワーデリバリ制御部16#A,16#Bにそれぞれ出力する。
【0309】
以降の処理は、
図32で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0310】
<他の形態>
上記の受電デバイス100においては、給電デバイス10#からの電源電圧の供給を受ける構成について説明したが、受電デバイス100においても、給電デバイス10#と同様のパワーデリバリ電源部14#およびパワーデリバリ制御部16#を備えた構成とすることも可能である。すなわち、受電デバイス100も給電デバイス10#としての機能を有し、さらに別のUSBデバイスに電源電圧を供給する構成とすることも可能である。
【0311】
以上、本開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。