【実施例1】
【0030】
本発明のシート収納容器は、
図1に示すように、従来の正面開閉蓋2を有する直方体状のシート収納容器本体26に、更に、開閉自在な側面開閉蓋27を設ける。
該側面開閉蓋27は、例えば、該シート収納容器本体26の一方の側面板である右面板15(又は/及び左面板14)に設けられた切り取り線を切り取ることにより形成され、例えば、上記シート収納容器本体1に一部が連設される。
又は、該側面開閉蓋27は、例えば、上記シート収納容器本体26の上面板9から上記一方の側面板である右面板15(又は/及び左面板14)に渡って設けられた切り取り線を切り取ることにより形成され、例えば、上記シート収納容器本体26に一部が連設される。
【0031】
なお、該側面開閉蓋27は、上記シート収納容器本体26に一部を連設せずに、上記シート収納容器本体26から全てを切り取ることにより、形成するようにしてもよい。
【0032】
また、上記側面開閉蓋27は、上記シート収納容器本体26の上面板9の、上記正面開閉蓋2に対して右側部分(又は/及び左側部分)のみに形成してもよい。
【0033】
また、上記側面開閉蓋27の代わりに、又は、上記側面開閉蓋27に加えて、
図6に示すように、上記シート収納容器本体26の底面板11から上記他方の側面板である左面板14(又は/及び右面板15)に渡って設けられた切り取り線を切り取ることにより形成した開閉自在な側面開閉蓋46を設けてもよい。
なお、該側面開閉蓋46は、例えば、上記シート収納容器本体1に一部を連設させる。
【0034】
なお、上記直方体状のシート収納容器本体26の幅(W)は、例えば、150mm〜1000mmであってもよく、また、取扱い性から200mm〜500mmが好ましく、また、250mm〜350mmがより好ましい。
【0035】
また、奥行き(D)は、例えば、50mm〜1000mmであってもよく、また、取扱い性から100mm〜300mmが好ましく、また、150mm〜250mmがより好ましい。
【0036】
また、高さ(H)は、例えば、10mm〜1000mmであってもよく、また、取扱い性から20mm〜500mmが好ましく、また、30mm〜250mmがより好ましい。
【0037】
そして、例えば、シート収納容器本体26の大きさとして、それぞれ幅(W)×奥行(D)×高さ(H)が、313mm×189mm×149mmや、315mm×169mm×145mmや、315mm×190mm×30mmや、315mm×190mm×51mmなどがある。
【0038】
図2は、本発明の上記シート収納容器本体26を組み立てる前の一枚の略矩形状の厚紙シート28の一例を示す。該厚紙シート28は、上記従来の厚紙シート3に、側面開閉蓋27を設けたものである。該側面開閉蓋27は、例えば、上記厚紙シート28の上記上面板9から上側右側板15aに渡って設けた、略コ字状の側面開閉蓋部切り取り線を切り取ることにより、開閉自在となる。
また、上記側面開閉蓋27は、例えば、折り目線29を介して、上記シート収納容器本体26に連設される。
そして、該折り目線29は、例えば、上記上面板9の右端縁の折り目13と上記正面開閉蓋2の右側の上記側部切り取り線21との間の略中央に、上記シート収納容器本体1の短手方向に直線状に延びて、所望の長さに形成される。
【0039】
なお、上記正面開閉蓋2を形成するための切り取り線と、上記側面開閉蓋27を形成するための切り取り線とは、共通しないことが好ましいが、一部が共通する切り取り線であってもよい。
【0040】
そして、該側面開閉蓋部切り取り線は、左右の側部切り取り線30、30と、左右の先端部切り取り線31、31と、指入れ開口部形成用切り取り線32とによりなる。
上記左右の側部切り取り線30、30は、上記折り目29の両端からそれぞれ直角に折れ曲がって、上記上側右面板15aの略中央部まで延びて形成される。
また、上記左右の先端部切り取り線31、31は、上記側部切り取り線30、30の各先端から、それぞれ互いに接近する方向に略直角に折れ曲がって、所望の長さ延びて形成される。
また、指入れ開口部形成用切り取り線32は、該各先端部切り取り線31、31の各端部を連結する上方(内側)に凹む凹状に形成される。
【0041】
そして、上記左右の側部切り取り線30、30と、上記先端部切り取り線31、31と、上記指入れ開口部形成用切り取り線32とで囲まれた部分により、上記側面開閉蓋27の蓋本体27aが形成される。また、該蓋本体27aの先端部に形成された、上記指入れ開口部形成用切り取り線32で切り取られた部分により、略指が挿入できる程度の大きさの上記側面開閉蓋27の指入れ開口部33が形成される。
【0042】
なお、上記切り取り線32が切り取られた後は、上記指入れ開口部形成用切り取り線32で囲まれた部分は、上記上側右面板15aに連設された突出片34となる。なお、35は、上記突出片34の折り目である。
【0043】
なお、上記側面開閉蓋27の先端部、即ち、先端部切り取り線31及び上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、上記上側右面板15aの端縁36から所望の距離、離間して、内側に形成されている。即ち、厚紙シート28を組み立てた時に、上記上側右面板15aと、上記下側右面板15bとが重ね合される部分よりも、上記側面開閉蓋27が上方の位置に設けられる。
【0044】
かかる構成とすることにより、シート収容容器本体を組み立てる組立装置として、上記下側右面板15bが、上記上側右面板15aの表側に重ね合わせて接着するタイプの組立装置を用いた場合であっても、上記側面開閉蓋27は、上記下側右面板15bと上記上側右面板15aとが重ね合される部分に位置しないので、側面開閉蓋を形成することができるようになる。
また、上記下側右面板15bが、上記上側右面板15aの裏側に重ね合わせて接着するタイプの組立装置を用いた場合であっても、上記側面開閉蓋27は、上記下側右面板15bと上記上側右面板15aとが重ね合される部分に位置しないので、側面開閉蓋を形成することができるようになる。
【0045】
従って、側面板の折り畳み方式において、従来において使用していたいずれのタイプの組立装置を利用しても、本願発明の厚紙シートを組み立てることができるようになる。従って、本発明のシート収納容器を製造するために、従来使用していた組立装置を用いることができ、経済性、利便性に優れるようになる。
【0046】
なお、上記指入れ開口部形成用切り取り線32の凹状は、指が挿入できる大きさ、形状であれば良い。そして、上記指入れ開口部形成用切り取り線32の形状は、例えば、円弧状、又は、矩形状であってもよい。
【0047】
また、上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、凸状としてもよい。この場合には、上記突出片34は、上記側面開閉蓋27に、折り目を介して、連設される。
【0048】
また、上記側面開閉蓋27を設ける代わりに、又は、上記側面開閉蓋27に加えて、上記上面板9から上記上側左面板14aに渡って他の側面開閉蓋(図示せず)を設けてもよい。
【0049】
また、上記側面開閉蓋27や、上記他の側面開閉蓋の代わりに、又は、加えて、
図6及び
図7に示すように、上記底面板11から上記下側左面板14bに渡って更に他の側面開閉蓋46を設けても良い。
同様に、上記更に他の側面開閉蓋46の代わりに、又は上記更に他の側面開閉蓋46に加えて、上記底面板11から上記下側右面板15bに渡って更に他の側面開閉蓋(図示せず)を設けても良い。
なお、上記側面開蓋46も、上記側面開閉蓋27と同様に形成される。
例えば、
図7は、上記正面開閉蓋2と上記側面開閉蓋46とよりなる、シート収納容器本体26を組み立てる前の一枚の略矩形状の厚紙シート47を示す。
そして、該側面開閉蓋46は、例えば、上記厚紙シート47の上記底面板11から下側左面板14bに渡って設けた、略コ字状の側面開閉蓋切り取り線を切り取りことにより形成される。
なお、側面開閉蓋27と同じ部分には同じ符号を付けると共に、説明を省略する。
なお、折り目線29は、例えば、上記シート収納容器本体1の底面板11に、上記シート収納容器本体1の短手方向に直線状に延びて、所望の長さに形成される。
また、上記側面開閉蓋46の先端部、即ち、先端部切り取り線31及び上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、上記下側左面板14bの端縁36から所望の距離、離間して、内側に形成されている。即ち、上記厚紙シート47を組み立てた時に、上記下側左面板14bと、上記上側左面板14aとが重ね合される部分よりも、上記側面開閉蓋47が下方の位置に設けられる。
【0050】
また、上記側面開閉蓋27、46においては、上記指入れ開口部33を形成するための上記指入れ開口部形成用切り取り線32は、該指入れ開口部形成用切り取り線32を除く上記側面開閉蓋27、46を形成するための切り取り線30、31に比べて、切り取りやすく形成されている。
【0051】
即ち、上記指入れ開口部33を形成するための上記切り取り線を切断するために必要な力は、該指入れ開口部33を除く上記側面開閉蓋27、46を形成するための切り取り線を切断するための力よりも弱いように、上記指入れ開口部33を形成するための切り取り線と、該指入れ開口部33を除く上記側面開閉蓋27、46を形成するための切り取り線とが形成される。例えば、互いに隣接する切断線と切断線との間の接続部の距離は、指入れ開口部33を形成するための切り取り線の接続部が、側部切り取り線30、先端部切り取り線31を切り取る為の切り取り線の接続部よりも、短く形成される。
【0052】
これにより、まず先に、突出片34のみを切り取ることができ、これにより、指を入れる指入れ開口部が開口する。そして、その開口部分に指を入れて、他の切り取り線30、31を切り取るようにすれば、蓋全体をうまく切り取ることができるようになる。
【0053】
また、
図3に示すように、上記側面開閉蓋27の各側部切り取り線30、30のうち、上記上側右面板15a部分の上記側部切り取り線30a、30aを、短手方向の線Lに対して若干、例えば、それぞれ角度2度〜2.8度、程度、互いに内側に傾斜させるようにする。
なお、上記側面開閉蓋46も、上記側面開閉蓋27と同様であり、各側部切り取り線30、30のうち、上記下側左面板14b部分の上記側部切り取り線30a、30aを、短手方向の線に対して若干、例えば、それぞれ角度2度〜2.8度、程度、互いに内側に傾斜させるようにする。
【0054】
なお、上記角度は、例えば、1〜13度であってもよく、また、取扱い性から2〜12度が好ましく、また、4〜6度がより好ましい。
【0055】
これにより、上記側部切り取り線30a、30aが傾斜していない場合に比べて、開口部からシートを取り出し易くなると共に、側面開閉蓋27、46の蓋を閉じやすくなる。
【0056】
同様に、上記正面開閉蓋2の各側部切り取り線21、21のうち、上記上側正面板8a部分の側部切り取り線21a、21aも、短手方向の線Mに対して若干、例えば、角度2度〜2.8度、程度、互いに内側に傾斜させてもよい。
【0057】
なお、上記角度は、例えば、1〜13度であってもよく、また、取扱い性から2〜12度が好ましく、また、4〜6度がより好ましい。
【0058】
なお、37は、上記厚紙シート28においては、上記上側正面板8aの右側のフラップ19aに設けた切り取り線を示す。該切り取り線37は、組み立てた時に、上記側面開閉蓋27の切り取り線に一致する形状に形成される。なお、上記厚紙シート47の場合は、上記切り取り線37は、上記下側正面板8bの左側のフラップ19に形成される。
また、38は、上記厚紙シート28の場合、上記背面板10の右側のフラップ19bに設けた切り取り線を示す。該切り取り線38は、組み立てた時に、上記側面開閉蓋27の切り取り線に一致する形状に形成される。なお、上記厚紙シート47の場合は、上記切り取り線38は、上記背面板10の左側のフラップ19に形成される。
【0059】
そして、上記切り取り線37、38は、例えば、組み立てられたシート収納容器本体26から、側面開閉蓋部切り取り線を切り取った後に、切り取られる。
【0060】
なお、
図4に示すように、組み立てた時に、互いに重なり合う上記フラップ19aと上記側面開閉蓋27の所望の部分に、接着部39a、39bを設ける。また、互いに重なり合う上フラップ19bと上記側面開閉蓋27の所望の部分に、接着部40a、40bを設ける。そして、組み立てた時に、上記接着部39a、39bを接着し、また、上記接着部40a、40bを接着するようにしてもよい。
【0061】
この場合には、組み立てられたシート収納容器から上記側面開閉蓋27を切り取ることにより、接着された上記フラップ19a、19bの切り取り線37、38も切り取られる。そして、
図5に示すように、シートを取り出すための開口部41が形成されるようになる。
【0062】
なお、上記フラップ19a、19bから切り取られる部分42、43は、予め、上記厚紙シート28から切り取られていても良い。
なお、上記側面開閉蓋46も同様としてもよい。
【0063】
また、
図5に示すように、上記側面開閉蓋27が切り取られた後に残る上記上面板及び/又は上記上側側面板(例えば、上側右面板)の側部44、即ち、上記側面開閉蓋27の側部切り取り線30、30と上記折り目4、5(又は上記上側側面板15aの側縁45)との間の側部44の幅Aは、シート収納容器の強度及びシートの取り出しやすさの観点から、それぞれ1mm〜33mmであってもよく、また、5mm〜30mmが好ましく、また、10mm〜15mmであることがより好ましく、特に13mmが好ましい。
【0064】
また、上記シート収納容器の奥行(D)に対する上記側部の幅(A)の比率、即ち、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)に関して、側部の幅(A)を変えて、シート収納容器の強度とシートの取りやすさを実験した。
その場合、奥行き(D)が189mmのシート収納容器においては、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)が、1.6〜9.6%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさが良くなり、また、2.0〜8.0%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさがより良くなり、更に、3.2〜4.8%の範囲であれば、特に、強度とシートの取りやすさが良くなる結果となった。
【0065】
また、奥行き(D)が169mmのシート収納容器においては、上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)が、1.6〜9.5%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさが良くなり、また、2.0〜7.9%の範囲であれば、強度とシートの取りやすさがより良くなり、更に、3.2〜4.8%の範囲であれば、特に、強度とシートの取りやすさが良くなる結果となった。
【0066】
以上の実験結果より、シート収納容器の上記側部の幅(A)/奥行き(D)(%)は、シート収納容器の強度及びシートの取り出しやすさの観点から、1.6〜9.6%が好ましく、また、2.0〜8.0%がより好ましく、また、3.2〜4.8%が特に好ましい。
【0067】
上記幅Aを上記範囲とすることにより、上記側面開閉蓋27の開口部41の大きさを十分確保でき、シートが取り出し易くなる。また、シート収納容器の強度を高めることができ、そのため、側面開閉蓋27を切り取ったシート収納容器を上下方向に複数積み上げても、最下段のシート収納容器が壊れることがない。
なお、上記側面開閉蓋46が切り取られた後に残る上記底面板及び/又は上記下側側面板(例えば、下側左面板)の側部44の幅Aも、同様である。
【0068】
本発明においては、従来のシート収納容器と同様に組立装置により組み立てる。そして、上記部切り取り線を切り取ることにより、例えば、
図5に示すように、上記側面開閉蓋27を開閉自在とでき、横側からも、内部のシートが取り出せるようになる。
【0069】
従って、シート収納容器を置くスペースに制限があるような場合でも、シート収納容器の側面側を手前側面開閉蓋にしておいても、シートを取り出せるようなる。
また、シート収納容器を置く自由度が高くなる。
【0070】
また、上記厚紙シート28を組み立てる際、例えば、上記上側右面板15aと上記下側右側面板15bとは、いずれかが表側になるように重ねられても、側面開閉蓋27を切り取ることができる。
また、上記厚紙シート47を組み立てる際も、例えば、上記上側左面板14aと上記下側左面板14bとは、いずれかが表側になるように重ねられても、側面開閉蓋46を切り取ることができる。
【0071】
従って、上記厚紙シート28を組み立てる際、下側右面板15bが上側右面板15aに対して、表側になるように重ねて折り、接着するタイプの従来のシート収納容器の組立装置も、利用することができる。
或いは、上記厚紙シート28を下側右面板15bが上側右面板15aに対して、裏側になるように重ねて折り、接着するタイプの従来のシート収納容器の組立装置も、利用することができるようになる。
また、厚紙シート47を組み立てる場合も同様である。
【0072】
また、シート収納容器を上下に積み重ねても、どちらの方向でも、シートが取り外せるようになる。
【0073】
また、正面開閉蓋2を上面板9から正面板8に渡って設け、側面開閉蓋46を、底面板11から左面板14(又は右面板15)に渡って設けたシート収納容器の場合には、上記正面開閉蓋2の切り取り線と、上記側面開閉蓋46の切り取り線とは、それぞれ異なる面板に形成される。
従って、切り取り線を切り取る前であっても、また、切り取り線を切り取った後であっても、シート収納容器の面板の剛性が高く、該シート収納容器を上下に積み上げた場合にも、シート収納容器が壊れること避けることができる。
また、側面開閉蓋46の開口部も大きくすることができる。