(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記識別ステップにおいては、前の設問において回答として選択された選択肢に基づいて前記特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問を識別することを特徴とする請求項1に記載の設問検査方法。
前記識別ステップにおいては、直前の設問において回答として選択された選択肢に関連付けられた次の設問が前記特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問であるかを識別することを特徴とする請求項1または2に記載の設問検査方法。
複数の設問を管理する設問管理装置と、前記設問に設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を回答として無作為に選択する処理を実行する回答選択装置とを備える設問検査システムであって、
前記設問管理装置は、
前記複数の設問のうち何れかの設問、当該設問に設定された複数の選択肢、及び開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了する終了条件を前記回答選択装置へ送信する設問送信手段と、
前記設問送信手段により送信された前記設問に設定された複数の選択肢のうちから前記回答選択装置により選択された選択肢を回答として受信する回答受信手段と、
を備え、
前記回答選択装置は、
前記設問管理装置から前記設問、当該設問に設定された複数の選択肢、及び前記終了条件を受信する設問受信手段と、
前記設問受信手段により受信された前記設問に設定された複数の選択肢のうち、前記終了条件を満たす特定選択肢を除外して何れかの選択肢を回答として無作為に選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする設問検査システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなアンケート装置において、設問の構成が作成者の意図しない構成となっていないことや、設問間の論理矛盾が生じていないこと等を事前に検査することで、アンケート自体の妥当性を確保することができる。しかしながら、特許文献1に開示されたアンケート装置のように、アンケートのプロセスが途中で終了するような設問が含まれていると、それ以降の設問を検査することができない場合が生じ、その結果、検査精度が低下する。
【0005】
本発明は、アンケートが途中で終了するような選択肢が設定された設問が含まれている場合であっても、そのアンケートの妥当性を検査する際の検査精度を向上させることが可能な設問検査方法、設問検査システム、設問検査プログラム、及び設問検査装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を前記設問毎に回答としてコンピュータが無作為に選択する処理を実行する設問検査方法であって、回答として選択されることにより、開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了する特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問を識別する識別ステップと、前記識別された設問について、前記複数の選択肢のうち前記特定選択肢を除外した前記選択肢を回答として無作為に選択する選択ステップと、を含むことを特徴とする。これにより、アンケートが途中で終了するような選択肢が設定された設問が含まれている場合であっても、そのアンケートの妥当性を検査する際の検査精度を向上させることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の設問検査方法において、前記識別ステップにおいては、前の設問において回答として選択された選択肢に基づいて前記特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問を識別することを特徴とする。これにより、ある設問での回答に応じて後の設問における特定選択肢を変えることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の設問検査方法において、前記識別ステップにおいては、直前の設問において回答として選択された選択肢に関連付けられた次の設問が前記特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問であるかを識別することを特徴とする。これにより、ある設問での回答に関連する設問の経路におけるアンケートの妥当性を検査することができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の設問検査方法において、前記処理を複数回実行するステップと、前記複数回実行された前記処理において、前記途中の設問で前記処理が終了した場合の割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つを前記途中の設問毎に対応付けた対応付け情報を記憶するステップと、前記対応付け情報に基づいて、前記割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つが閾値を超えた前記途中の設問において前記処理が終了した選択肢を前記特定選択肢として設定するステップと、を更に含むことを特徴とする。これにより、特定選択肢を除外する処理負荷を低減することができる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を前記設問毎に回答としてコンピュータが無作為に選択する処理を実行する設問検査方法であって、前記処理を複数回実行するステップと、前記複数回実行された前記処理において、開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了した場合の割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つを前記途中の設問毎に対応付けた対応付け情報を記憶するステップと、前記対応付け情報に基づいて、前記割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つが閾値を超えた前記途中の設問において前記処理が終了した選択肢を特定選択肢として設定するステップと、を含むことを特徴とする。これにより、特定選択肢を除外する処理負荷を低減することができる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、複数の設問を管理する設問管理装置と、前記設問に設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を回答として無作為に選択する処理を実行する回答選択装置とを備える設問検査システムであって、前記設問管理装置は、前記複数の設問のうち何れかの設問、当該設問に設定された複数の選択肢、及び開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了する終了条件を前記回答選択装置へ送信する設問送信手段と、前記設問送信手段により送信された前記設問に設定された複数の選択肢のうちから前記回答選択装置により選択された選択肢を回答として受信する回答受信手段と、を備え、前記回答選択装置は、前記設問管理装置から前記設問、当該設問に設定された複数の選択肢、及び前記終了条件を受信する設問受信手段と、前記設問受信手段により受信された前記設問に設定された複数の選択肢のうち、前記終了条件を満たす特定選択肢を除外して何れかの選択肢を回答として無作為に選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。これにより、アンケートが途中で終了するような選択肢が設定された設問が含まれている場合であっても、そのアンケートの妥当性を検査する際の検査精度を向上させることができる。
【0012】
請求項7に記載の発明は、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を前記設問毎に回答として無作為に選択する処理を実行するコンピュータに、回答として選択されることにより、開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了する特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問を識別する識別ステップと、前記識別された設問について、前記複数の選択肢のうち前記特定選択肢を除外した前記選択肢を回答として無作為に選択する選択ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を前記設問毎に回答として無作為に選択する処理を実行するコンピュータに、前記処理を複数回実行するステップと、前記複数回実行された前記処理において、開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了した場合の割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つを前記途中の設問毎に対応付けた対応付け情報を記憶するステップと、前記対応付け情報に基づいて、前記割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つが閾値を超えた前記途中の設問において前記処理が終了した選択肢を特定選択肢として設定するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を前記設問毎に回答として無作為に選択する処理を実行する設問検査装置であって、回答として選択されることにより、開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了する特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問を識別する識別手段と、前記識別された設問について、前記複数の選択肢のうち前記特定選択肢を除外した前記選択肢を回答として無作為に選択する選択手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を前記設問毎に回答として無作為に選択する処理を実行する設問検査装置であって、前記処理を複数回実行する実行手段と、前記複数回実行された前記処理において、開始設問から最終設問までの途中の設問で前記処理が終了した場合の割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つを前記途中の設問毎に対応付けた対応付け情報を記憶する記憶手段と、前記対応付け情報に基づいて、前記割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つが閾値を超えた前記途中の設問において前記処理が終了した選択肢を特定選択肢として設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アンケートが途中で終了するような選択肢が設定された設問が含まれている場合であっても、そのアンケートの妥当性を検査する際の検査精度を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、アンケート管理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0019】
[
1.アンケート管理システムSの構成及び機能概要]
先ず、
図1を参照して、本実施形態に係るアンケート管理システムSの構成及び機能概要について説明する。
図1は、アンケート管理システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、アンケート管理システムSは、アンケート管理サーバ1(設問管理装置の一例)、設問検査サーバ2(回答選択装置、及び設問検査装置の一例)、及びオペレータ端末3を備えて構成される。アンケート管理サーバ1は、アンケート(質問調査)の設問及び回答を管理するサーバである。設問検査サーバ2は、アンケートの妥当性を検査するサーバである。オペレータ端末3は、アンケート作成側のオペレータにより使用されるパーソナルコンピュータ等の端末である。アンケート作成側には、例えば、アンケートの設問の作成、編集、またはチェック等を実施する事業者等が含まれる。オペレータ端末3には、オペレータがアンケートの設問の作成、編集、またはチェック等を行うためのアンケート管理アプリケーションがインストールされている。アンケート管理サーバ1、設問検査サーバ2、及びオペレータ端末3は、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能になっている。なお、
図1の例では、アンケート管理サーバ1、及び設問検査サーバ2は、それぞれのハードウェアを独立させた構成としているが、一体的に構成されてもよい。
【0020】
[
1−1.アンケート管理サーバ1の構成及び機能概要]
次に、
図2を参照して、アンケート管理サーバ1の構成及び機能概要について説明する。
図2(A)は、アンケート管理サーバ1のハードウェア構成例を示す図である。
図2(A)に示すように、アンケート管理サーバ1は、通信部11、記憶部12、及びシステム制御部13等を備える。通信部11は、通信ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、OS(オペレーティングシステム),アンケート管理プログラム等を記憶する。また、記憶部12には、アンケートデータベース(DB)121等が構築される。
【0021】
アンケートデータベース121には、アンケートの複数の設問のそれぞれを示す設問情報、当該アンケートのロジック(換言すると、複数の設問の経路)を形成するための条件を示す条件情報、及び1以上の設問に対する回答を示す回答情報が、例えばアンケートIDに対応付けられて登録される。アンケートIDは、複数のアンケートの中から1つのアンケートを識別可能な識別情報であり、アンケート名でもよい。複数の設問とは、開始設問から最終設問までの設問であり、特に限定されるものではないが、例えば、1つのアンケートにつき100問以上の設問から構成される。設問情報には、例えば、設問のほか、設問番号、及び設問に設定された複数の選択肢が含まれる。各選択肢は、例えば、選択肢番号及び回答候補等から構成される。なお、設問情報は、設問毎に区別されてもよい。
【0022】
アンケートのロジックを形成するための条件は、例えば条件式により構成され、アンケート作成側により、アンケートに設定されるようになっている。当該条件の例として、質問表示条件、本調査対象条件、回答矛盾条件、及び終了条件等が挙げられる。ここで、質問表示条件とは、ある設問で所定の選択肢が回答として選択された場合に当該選択された選択肢に関連付けられた次の設問を提示するという条件をいう。これにより、直前の設問において回答として選択された選択肢に関連付けられた次の質問をすることができる。本調査対象条件とは、1以上の設問で回答として選択された所定の選択肢(複数の選択肢の組合せの場合もある)に応じた次の設問を提示するという条件をいう。これにより、例えば、車に対する質問をした上で、特定の車種を所有している回答者にだけ追加の質問をすることができる。
【0023】
回答矛盾条件とは、1以上の設問での回答と矛盾する選択肢が後の設問で選択された場合に再度、当該後の設問を提示するという条件をいう。これにより、例えば、たばこに対する質問をした上で、買ったことのある銘柄なのに知っている銘柄に含まれない場合は矛盾するとして再度、同じ質問をすることができる。終了条件とは、開始設問から最終設問までの途中の設問で(つまり、最終設問に至る前に)アンケート(換言すると、アンケート回答)が終了するという条件をいう。つまり、終了条件とは、ある設問で特定の選択肢(これを「特定選択肢」という)が選択された場合に残りの設問を提示することなくアンケートを終了するという条件をいう。これにより、例えば、職種を質問した上で、例えば菓子製造業の人にチョコレートに関する質問を行わずにアンケートを終了することができる。このように、選択されることで開始設問から最終設問までの途中の設問でアンケートが終了するように設定される特定選択肢を、終了条件を満たす特定選択肢ともいう。
【0024】
回答情報には、設問に対する回答が含まれる。回答は、例えば、対応する設問の設問番号及び選択された選択肢の選択肢番号等から構成される。なお、回答情報は、設問毎に区別されてもよい。
【0025】
システム制御部13は、コンピュータとしてのCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備え、OS上でアンケート管理プログラム等を実行する。
図2(B)は、システム制御部13における機能ブロック例を示す図である。システム制御部13は、アンケート管理プログラムの実行により、
図2(B)に示すように、アンケート管理部131、設問送信部132、及び回答受信部133等として機能する。なお、設問送信部132は、本発明における設問送信手段の一例である。回答受信部133は、本発明における回答受信手段の一例である。
【0026】
アンケート管理部131は、アンケートデータベース121を用いて、設問情報、条件、及び回答情報を管理する。例えば、アンケート管理部131は、作成または修正された設問情報や条件情報を所与のアンケートIDに対応付けてアンケートデータベース121に登録(新規登録または更新登録)したり、受け付けられた回答を示す回答情報を所与のアンケートIDに対応付けてアンケートデータベース121に登録する。
【0027】
設問送信部132は、検査対象となるアンケートの複数の設問のうち何れかの設問を示す設問情報、及び条件情報を設問検査サーバ2へ送信する。検査対象となるアンケートとは、アンケート対象者(つまり、設問に回答する者)に対して提示する前のアンケートである。なお、上記設問情報については、1設問ずつ(例えば、1要求に対して1設問)、設問検査サーバ2へ送信されるとよい。この場合、設問送信部132は、設問番号(つまり、番号順)または条件情報が示す条件(例えば、質問表示条件)にしたがって次の設問の設問情報を設問検査サーバ2へ送信する。
【0028】
回答受信部133は、設問送信部132により送信された設問に設定された複数の選択肢のうちから設問検査サーバ2により選択された選択肢を回答として受信する(つまり、回答情報を受信する)。例えば、設問送信部132から1設問ずつ設問情報が送信される場合、回答受信部133は、設問検査サーバ2により選択肢が選択される度に、当該選択された選択肢を回答として受信する。
【0029】
[
1−2.設問検査サーバ2の構成及び機能概要]
次に、
図3を参照して、設問検査サーバ2の構成及び機能概要について説明する。
図3(A)は、設問検査サーバ2のハードウェア構成例を示す図である。
図3(A)に示すように、設問検査サーバ2は、通信部21、記憶部22、及びシステム制御部23等を備える。通信部21は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、OS,設問検査プログラム等を記憶する。
【0030】
システム制御部23は、コンピュータとしてのCPU,ROM,及びRAM等を備え、例えばアンケート管理アプリケーションが起動したオペレータ端末3から要求に応じて、OS上で設問検査プログラム等を実行する。
図3(B)は、システム制御部23における機能ブロック例を示す図である。システム制御部23は、設問検査プログラムの実行により、
図3(B)に示すように、設問受信部231、設問検査部232、及び回答送信部233等として機能する。なお、設問受信部231は、本発明における設問受信手段の一例である。設問検査部232は、本発明における識別手段及び選択手段の一例である。
【0031】
設問受信部231は、アンケート管理サーバ1から、検査対象となるアンケートの複数の設問のうち何れかの設問を示す設問情報、及び条件情報を受信する。なお、当該設問情報については、1設問ずつ、アンケート管理サーバ1から受信されるとよい。
【0032】
設問検査部232は、受信された設問情報及び条件情報を用いて設問検査処理を実行する。設問検査処理とは、複数の設問のそれぞれに設定された複数の選択肢のうち何れかの選択肢を設問毎に回答として無作為に選択する処理である。無作為に選択とは、例えば乱数生成器により生成された乱数を用いてランダム(疑似ランダム)に選択することをいう。
【0033】
より具体的には、設問検査処理において、設問検査部232は、条件情報が示す条件を解析することで、終了条件が設定された設問(つまり、特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問)を識別する。例えば、設問検査部232は、設問情報から1つの設問Qx(xは設問番号)を取得するとともに、条件情報が示す終了条件(条件式)を解析して当該終了条件から設問Qy(yは設問番号)を抽出(換言すると、当該条件式で定義された設問Qyを抽出)し、上記取得された設問Qxと、上記抽出された設問Qyと突き合わせることで識別する(つまり、x=yであれば、設問Qxは終了条件が設定された設問として識別される)。なお、設問検査部232は、前の設問(前の複数の設問の組み合わせでもよい)において回答として選択された選択肢に基づいて、終了条件が設定された設問を識別してもよい。この場合、例えば、終了条件を解析することで抽出される設問Qyは、設問Qyより前の設問Qz(y>z、複数の設問Qz1,Qz2等の組み合わせでもよい)において回答として選択された選択肢に依存して決まる。これにより、ある設問での回答に応じて後の設問における特定選択肢を変えることができる。そして、設問検査部232は、識別された設問に設定された複数の選択肢のうち特定選択肢を除外する。例えば、特定選択肢への選択対象外フラグの付加、または特定選択肢の削除により、特定選択肢が除外される。選択対象外フラグが付加された特定選択肢は、設問検査部232による選択から除かれる。
【0034】
さらに、設問検査処理において、設問検査部232は、条件情報が示す条件を解析することで、回答矛盾条件が設定された設問を識別する。例えば、設問検査部232は、条件情報が示す回答矛盾条件(条件式)を解析して当該回答矛盾条件が設定された設問を抽出し、上記取得された設問と、上記抽出された設問と突き合わせることで識別する。そして、設問検査部232は、取得された設問について回答可能な選択肢があるか否かを判定する。取得された設問が、終了条件が設定された設問として識別されている場合、選択されることで途中の設問で設問検査処理(つまり、アンケート自動回答)が終了する特定選択肢(終了条件を満たす特定選択肢)は回答可能な選択肢とはならない。また、取得された設問が、回答矛盾条件が設定された設問として識別されている場合、当該設問において回答として選択されることで1つ以上前の設問での回答と矛盾する選択肢についても回答可能な選択肢とはならない。設問検査部232は、取得された設問について回答可能な選択肢がある場合、回答可能な選択肢の中から、何れか1つの選択肢を回答として無作為に選択し、次の設問へ移行する。このとき、終了条件が設定された設問(つまり、上述したように識別された設問)については、特定選択肢を除外した選択肢が回答として無作為に選択されることになる。一方、設問検査部232は、取得された設問について回答可能な選択肢がない場合、例えば設問間の論理矛盾が生じている(つまり、ロジックに矛盾がある)として、エラー通知を例えばオペレータ端末3へ送信する。
【0035】
回答送信部233は、設問検査処理において選択された選択肢(回答)を示す回答情報をアンケート管理サーバ1へ送信する。例えば、アンケート管理サーバ1から1設問ずつ設問情報が送信される場合、回答送信部233は、上記回答情報を1設問ずつ、アンケート管理サーバ1へ送信する。
【0036】
[
2.アンケート管理システムSの動作]
次に、
図4を参照して、本実施形態に係るアンケート管理システムSにおける設問検査時の動作について説明する。
図4は、設問検査サーバ2により実行される自動回答処理の一例を示すフローチャートである。例えば、アンケート管理アプリケーションが起動したオペレータ端末3にはアンケート検査画面が表示される。アンケート検査画面において、オペレータが検査対象となるアンケートを選択(例えばアンケートIDを選択)し、集めたい回答数を入力して、開始ボタンを指定すると、当該アンケートID及び回答数が設問検査サーバ2へ送信される。
【0037】
設問検査サーバ2は、オペレータ端末3からアンケートID及び回答数を受信すると、
図4に示す自動回答処理を開始する。
図4に示す自動回答処理では、システム制御部23は、受信された回答数を設定する(ステップS1)。そして、システム制御部23は、設定された回答数が集まったか否かを判定する(ステップS2)。システム制御部23は、設定された回答数が集まったと判定した場合には(ステップS2:YES)、自動回答処理を終了する。一方、システム制御部23は、設定された回答数が集まっていないと判定した場合には(ステップS2:NO)、ステップS3へ進んで設問検査処理を開始する。
【0038】
ステップS3では、設問検査サーバ2は、アンケート管理サーバ1から設問情報及び条件情報を受信し、受信された設問情報から1つの設問を取得する。例えば、設問検査サーバ2は、受信されたアンケートIDを含む設問要求をアンケート管理サーバ1へ送信する。アンケート管理サーバ1は、設問要求を受信すると、当該設問要求に含まれるアンケートIDをキーとして設問情報及び条件情報をアンケートデータベース121から取得し、当該設問情報及び条件情報を設問検査サーバ2へ送信する。ここで、送信される設問情報は、例えば、当該送信時点で設問番号が最も若い設問を示す設問情報(この場合、設問情報が送信される度に設問番号が1インクリメントされる)、または直前の設問での回答に応じた設問を示す設問情報である。なお、条件情報は、最初の送信時に設問検査サーバ2へ送信されればよい。また、最終設問を示す設問情報には、最終設問であることを示す情報が含まれるとよい。
【0039】
次いで、設問検査サーバ2は、ステップS3で取得された設問について、条件情報が示す条件を解析する(ステップS4)。
図5は、終了条件を解析する処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す処理では、設問検査部232は、終了条件に係る条件式で定義された設問を抽出し(ステップS41)、取得された設問と抽出された設問とを突き合わせることで(ステップS42)、終了条件が設定された設問を識別し(ステップS43)、識別された設問に設定された特定選択肢を除外する(ステップS44)。さらに、回答矛盾条件の解析結果、ステップS3で取得された設問が、回答矛盾条件が設定された設問として識別された場合、1つ以上前の設問での回答と矛盾する選択肢が除外される。
【0040】
次いで、設問検査サーバ2は、ステップS3で取得された設問について回答可能(選択可能)な選択肢があるか否かを判定する(ステップS5)。設問検査サーバ2は、回答可能な選択肢がないと判定した場合には(ステップS5:NO)、アンケートの妥当性がない(例えば、設問間の論理矛盾が生じている)ため、エラー通知をオペレータ端末3へ送信し(ステップS6)、自動回答処理を終了する。一方、設問検査サーバ2は、回答可能な選択肢があると判定した場合には(ステップS5:YES)、ステップS7へ進む。なお、ステップS5において回答可能な選択肢があるか否かを判定する方法とは別の方法(例えば、条件解析結果から、設問の構成が作成者の意図に沿っているかどうかを検査するアルゴリズムを用いた方法)でアンケートの妥当性があるか否かを判定(検査)してもよい。
【0041】
ステップS7では、設問検査サーバ2は、回答可能な選択肢の中から、何れか1つの選択肢を回答として無作為に選択する。そして、設問検査サーバ2は、当該選択された選択肢を示す回答情報をアンケート管理サーバ1へ送信する。次いで、設問検査サーバ2は、ステップS3で取得された設問が最後の設問であるか否かを判定する(ステップS8)。例えば、取得された設問が、最終設問であるか、または終了条件が設定された設問である場合、最後の設問であると判定される。ただし、上記ステップS4の処理において、終了条件が設定された設問については、特定選択肢が除外されて他の選択肢が選択されるので、このときの設問検査処理においては、ステップS3で取得された設問が、終了条件が設定された設問であると判定されることはない。
【0042】
そして、設問検査サーバ2は、ステップS3で取得された設問が最後の設問でないと判定した場合には(ステップS8:NO)、ステップS3に戻る。これにより、次の設問が取得され、上記と同じように、ステップS4〜ステップS8の処理が行われる。一方、設問検査サーバ2は、ステップS3で取得された設問が最後の設問であると判定した場合には(ステップS8:YES)、設問検査処理を終了してステップS2に戻る。これにより、n(nは自然数)回目(n巡目)の設問検査処理が終了し、設定された回答数がまだ集まっていない場合には(ステップS2:NO)、n+1巡目の設問検査処理へ進むことになる。
【0043】
以上説明したように、上記実施形態によれば、回答として選択されることにより、開始設問から最終設問までの途中の設問で設問検査処理が終了する特定選択肢を含む複数の選択肢が設定された設問を識別し、当該識別された設問について、当該複数の選択肢のうち特定選択肢を除外した選択肢を回答として無作為に選択するように構成したので、アンケートが途中で終了するような選択肢が設定された設問が含まれている場合であっても、そのアンケートの妥当性を検査する際の検査精度を向上させることができる。
【0044】
例えば、開始設問Q1から順に最終設問Q100までについて設問検査処理を複数回実行する場合を想定する。この場合において、1回目の設問検査処理は設問Q10(10問目)で終了し、2回目の設問検査処理は設問Q10で終了し、その後、49回目の設問検査処理は設問Q20(20問目)で終了し、50回目の設問検査処理は設問Q30(30問目)で終了したとする。この場合、50回中45回が30問目までで終了していた場合、31問目以降の設問検査が不十分となってしまう。そこで、上記実施形態で説明したように、回答として選択されると設問検査処理が終了してしまう選択肢が選択されないように構成することで検査精度を向上させることができる。これにより、設問間の整合性の精度が高まり、アンケート作成側は自身のアンケートの設問群が意図する内容になっているかどうかの確認を精度よくできるようになる。
【0045】
(変形例)
上記実施形態においては、終了条件が設定された全ての設問について、特定選択肢を除外した選択肢を回答として無作為に選択するように構成したが、終了条件が設定された全ての設問のうち、途中の設問でアンケートが終了する可能性の高い設問に限り、特定選択肢を除外した選択肢を回答として無作為に選択するように構成してもよい。この場合、
図4に示す自動回答処理における設問検査処理(ステップS3〜ステップS8)が複数回(例えば、オペレータにより指定された回数)実行され、なおかつ、複数回実行される設問検査処理中のステップS4において、回答として選択されることにより開始設問から最終設問までの途中の設問で処理が終了する選択肢(この段階では上述した特定選択肢としては設定されない)は除外されないように構成される。より具体的には、システム制御部23は、複数回実行された設問検査処理のそれぞれにおいて、回答として選択されることにより開始設問から最終設問までの途中の設問で設問検査処理が終了した場合の割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つを当該途中の設問毎に対応付けた対応付け情報を記憶する。
【0046】
そして、システム制御部23は、記憶された対応付け情報に基づいて、上記割合、頻度、及び回数のうちの少なくとも一つが閾値を超えた上記途中の設問において設問検査処理が終了した選択肢を特定選択肢として設定する。例えば、設問Q10(10問目)には割合0.4(20回(10問目で終了した回数)/50回(設問検査処理の実行回数))が対応付けられ、設問Q20(20問目)には0.3(15回(20問目で終了した回数)/50回(設問検査処理の実行回数))が対応付けられ、設問Q30(30問目)には0.1(例えば、5回(30問目で終了した回数)/50回(設問検査処理の実行回数))が対応付けられているとする。この場合、上記閾値が0.25に設定されているとすると、設問Q10及び設問Q20のそれぞれに設定された選択肢(つまり、選択されることで設問検査処理が終了した選択肢)が特定選択肢として設定されることになる。こうして特定選択肢が設定された後の
図4に示す自動回答処理では、ステップS4において設問Q10及び設問Q20についてのみ上記設定された特定選択肢が除外されるが、設問Q30に設定された複数の選択肢については特定選択肢が設定されなかったので除外されることなく回答可能な選択肢となる。このため、設問Q10及び設問Q20に頻繁に設問検査処理が終了することを回避しつつ、ステップS4において特定選択肢を除外する処理の回数が減り、ひいては終了条件の解析負荷を低減することができる。
【0047】
なお、以上のように本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態では回答矛盾条件が設定された設問を含むアンケートのロジックをチェックするケースに対して本発明を適用した例について説明したが、これ以外にも、終了条件を含む複数の設問に対してコンピュータが自動回答する様々なケースに対しても本発明は適用可能である。