(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の正面図であり、
図1(A)はタッチパネル筐体170を閉じた状態を示す図であり、
図1(B)はタッチパネル筐体170を開いた状態を示す図である。
【0015】
図2は本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の斜視図であり、
図2(A)はタッチパネル筐体170を閉じた状態を示す図であり、
図2(B)はタッチパネル筐体170を開いた状態を示す図である。また、
図3は本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100のブロック図である。
【0016】
本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100は、本体部である筐体130と、この筐体130にヒンジ部160を介して取り付けられているタッチパネル筐体170と、から構成されている。タッチパネル筐体170は、ヒンジ部160を軸として筐体130に対して回動することで、閉じた状態と、開いた状態をとることができる。
【0017】
インテリジェント反射ターゲット100の本体部である筐体130には、反射プリズム120が着脱可能な正面131と、この正面131と対向する裏面132とを有している。タッチパネル筐体170には、タッチパネル部180が埋設されており、タッチパネル筐体170を閉じたときには裏面132側から、タッチパネル部180を操作・参照することができるようになっている。また、筐体130からタッチパネル筐体170を開くと、筐体130の正面131側からタッチパネル部180を操作・参照することができる。
【0018】
筐体130の正面131には、取り付けネジ穴156が設けられており、この取り付けネジ穴156を利用して、反射プリズム120を着脱することができるようになっている。反射プリズム120は、例えば、トータルステーション10などによって出射されたレーザー光が入射され、入射した光を、入射光と平行な反射光とする。トータルステーション10は、反射プリズム120からの反射光を受光し、反射プリズム120の方位(水平角、鉛直角)を測定すると共に、反射プリズム120との間の距離も測定することで、既知である自機の位置座標から反射プリズム120の位置座標(プリズム座標)を算出する。
【0019】
本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100は、筐体130とタッチパネル筐体170との中に、概略、
図3に示すブロック構成の電子回路がパッケージングされている。
【0020】
制御部110は、例えば、マイクロコンピューターなどにより構成することでき、所定の演算を行うと共に、制御部110と接続している構成からデータを受信したり、検知信号を受信したり、或いは、制御部110と接続している構成に対してデータを送信したり、制御信号を送信したりする。また、制御部110には、ブロック図に示す構成を、本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100としての動作を実行させるためのプログラムも記憶されている。
【0021】
筐体130と、タッチパネル筐体170との間に設けられているヒンジ部160には、ヒンジ部接点スイッチ175が設けられている。このヒンジ部接点スイッチ175は、タッチパネル筐体170が筐体130に対して閉じている状態であるか、開いている状態であるかを検出すると共に、この検出信号を制御部110に対して送信するようになっている。制御部110は、このような検出信号を受信し、それに基づいて、インテリジェント反射ターゲット100の動作・制御を実行する。
【0022】
タッチパネル部180は、操作者によって表示が参照できるように、かつ、操作者によって操作可能なようにタッチパネル筐体170に設けられている。タッチパネル部180は、情報の表示を行う表示部182と、この表示部182の上に設けられ、表示部182による情報表示を阻害しない程度の透過性を有する入力部181と、から構成されている。操作者による入力部181からの入力操作情報は、制御部110に送信される。また、表示部182は、制御部110から送信される表示データや、表示制御指令などに基づいて表示を行う。
【0023】
なお、本実施形態では、インテリジェント反射ターゲット100の入力装置及び表示装置としてタッチパネル部180を用いるようにしたが、入力装置、表示装置として他のデバイスを用いるようにしてもよい。
【0024】
重力方向検出センサ190は、重力方向を検出することで鉛直下方が筐体130のどちらの方向であるかを検出する。重力方向検出センサ190による検出情報は、制御部110に送信される。重力方向検出センサ190としては、例えばジャイロセンサ、加速度センサなどを用いることができる。
【0025】
制御部110は、重力方向検出センサ190による検出情報、及び、ヒンジ部接点スイッチ175による検出信号に基づいて、表示部182で表示する表示情報が、操作者によってどの向きが上として参照されるのかを判断する。制御部110は、このような判断に応じた表示情報を、表示部182に送信し、操作者にとって違和感のないような表示(例えば天地が反対となるなどの違和感のない表示)を実現する。
【0026】
無線通信部200は、トータルステーション10側が備える無線通信部(不図示)との間で、無線によるデータ通信を行う。このような無線通信部200で用いる得る通信規格に特に制限はなく、適宜適切なものを用いることができる。さらに、本実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100は 無線通信部200による無線でトータルステーション10との間でデータ通信を行うように構成されているが、有線によってトータルステーション10との間でデータ通信を行うように構成してもよい。
【0027】
無線通信部200で受信したデータは制御部110に転送される。また、無線通信部200は、制御部110からの制御指令に基づいて、所定のデータを無線通信部200から送信するようになっている。
【0028】
電源部210は、制御部110、タッチパネル部180、重力方向検出センサ190や無線通信部200など給電が必要な構成に、電力を供給する。電源部210は、例えばリチウムイオン二次電池などによって構成することができる。
【0029】
以上のようなブロック構成の電子回路がパッケージングされているインテリジェント反射ターゲット100の筐体130としては、直方体であることが好ましい。これは、インテリジェント反射ターゲット100の筐体130の角部などを、計測対象箇所に当てて計測に用いるからである。計測対象箇所は、部屋の隅部などであることも多いので、上述したように筐体130の形状としては、部屋の隅部の形状に沿う、直方体であることが好ましい。
【0030】
なお、以上説明した実施形態では、ヒンジ部接点スイッチ175を用いて、タッチパネル筐体170が筐体130に対して閉じている状態であるか、開いている状態であるかを検出するようにしたが、タッチパネル筐体170の開き角度を検出することが可能な回転角度検出センサを用いるようにすることもできる。例えば、回転角度検出センサとしては、タッチパネル筐体170を支持するヒンジ部160の回転軸(不図示)に設けたロータリーエンコーダーなどを用いることができる。
【0031】
図4はタッチパネル筐体170の開き角度を説明する図であり、
図4(A)はタッチパネル筐体170が閉じた状態(開き角度0°である状態)を、
図4(B)はタッチパネル筐体170が開いた状態(開き角度180°である状態)を、また、
図4(C)はタッチパネル筐体170の開き角度が90°である状態をそれぞれ示している。
【0032】
前記のような回転角度検出センサを用い、タッチパネル筐体170の開き角度を検出し、制御部110がこれを受信できるように構成することで、制御部110はタッチパネル部180の表示部182における表示態様を、ヒンジ部接点スイッチ175を用いた場合に比べて、より詳細に制御することが可能となる。例えば、インテリジェント反射ターゲット100の筐体130が
図4に示すような上下関係で置かれており、さらにタッチパネル筐体170が、
図4(C)に示す開き角度であるときの表示部182における表示態様は、
図4(A)に示す開き角度であるときの表示部182における表示態様と同様にすると好ましく、回転角度検出センサを用いるようにすれば、このような表示態様を実現することができる。
【0033】
図5は本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100における反射プリズム120の着脱の様子を示す図である。また、
図6は反射プリズム120が取り付けられたインテリジェント反射ターゲット100を示す図である。
【0034】
本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100は、反射プリズム120が装着され、測定対象近傍位置に配されて用いられるものである。反射プリズム120は、内部にプリズムを収容可能なプリズム収容胴部121と、雄ネジであるネジ部123とを有している。
【0035】
反射プリズム120は、ネジ部123を利用して、筐体130からなるインテリジェント反射ターゲット100の主要本体部に装着される。反射プリズム120は高価であるため、必要となるときにのみ利用されることが好ましいので、インテリジェント反射ターゲット100においては、反射プリズム120が着脱可能に構成されている。
【0036】
インテリジェント反射ターゲット100に装着されている反射プリズム120には、例えば、トータルステーション10によって出射されたレーザー光が入射される。反射プリズム120に入射された光は、反射プリズム120内に収容されているプリズムによって、入射光と平行な反射光とされ、反射プリズム120から出射される。
【0037】
トータルステーション10側では、上記のような反射プリズム120からの反射光を受光する。トータルステーション10は、受光した反射光の方位(水平角、鉛直角)を測定する。また、トータルステーション10は、出射した光と反射光との間の位相差を利用して、トータルステーション10と反射プリズム120との間の距離を測定する。トータルステーション10では、上記のような水平角情報、鉛直角情報、距離情報と、既知である自機の位置座標から反射プリズム120の位置座標(プリズム座標)を算出する。
【0038】
次に、以上のように反射プリズム120が取り付けられたインテリジェント反射ターゲット100の利用形態・方法の一例について説明する。インテリジェント反射ターゲット100は、タッチパネル筐体170が閉じられた状態、タッチパネル筐体170が開かれた状態のいずれでも利用することができるようになっている。
【0039】
また、インテリジェント反射ターゲット100は、筐体130におけるヒンジ部160が、鉛直上方側にある体勢で利用することもできるし、また、ヒンジ部160が、鉛直下方側にある体勢で利用することもできるようになっている。さらに、インテリジェント反射ターゲット100は、ヒンジ部160が鉛直上方側にある体勢から、取り付けられている反射プリズム120の光軸を中心として左右のいずれかの方向に90°倒した体勢でも利用することができるようになっている。
【0040】
図7は反射プリズム120が取り付けられ、タッチパネル筐体170が開かれた状態で利用されるインテリジェント反射ターゲット100を示す図である。さらに、
図7では、インテリジェント反射ターゲット100のヒンジ部160が、鉛直下方側にある体勢で、インテリジェント反射ターゲット100を利用する場合を示している。
【0041】
図7の場合、重力方向検出センサ190は、ヒンジ部160が、鉛直下方側にある体勢であることを検出する。また、ヒンジ部接点スイッチ175は、タッチパネル筐体170が開かれた状態であることを検出する。制御部110は、このような重力方向検出センサ190による検出情報、及び、ヒンジ部接点スイッチ175による検出信号に基づいて、表示部182で表示する表示情報の上側・下側を決定する。
【0042】
次に、インテリジェント反射ターゲット100の使用方法について具体的に説明していく。
図8は本発明の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の使用方法の一例を説明する図である。
【0043】
インテリジェント反射ターゲット100の筐体130には、
図8(A)に示されているように、複数のマーク135(他の図には図示省略している)が設けられていることが好ましい。このようなマーク135の先端は、筐体130の角部や、或いは、2つの角部の中間点(例えば、M
1とM
2との間の中間点M
5)などを向いている。複数のマーク135は、
図8(A)に示す筐体130の天面にのみ設けられているが、マーク135は、筐体130の任意の位置に設けることができる。
【0044】
マーク135の先端の位置座標は、筐体座標Mと称しており、本発明に係るインテリジェント反射ターゲット100は、この筐体座標Mを算出して求めることが特徴の1つとなっている。
【0045】
トータルステーション10が、反射プリズム120との間の距離を測定する際の基準点が、点Pであるものと定義する。このような点Pを、プリズム座標と称する。
【0046】
インテリジェント反射ターゲット100の制御部110には、プリズム座標Pから、筐体座標Mを算出する算出式が記憶されており、インテリジェント反射ターゲット100は、このような算出式に基づいて算出した筐体座標Mをタッチパネル部180の表示部182に表示して、操作者に報知する。
【0047】
図8(A)の例では、プリズム座標Pから筐体座標M
1を算出する算出式、プリズム座標Pから筐体座標M
2を算出する算出式、プリズム座標Pから筐体座標M
3を算出する算出式、・・・・・が制御部110に記憶されており、筐体座標M
1、筐体座標M
2、筐体座標M
3、・・・・・をタッチパネル部180の表示部182に表示することができるようになっている。
【0048】
なお、タッチパネル部180の入力部181からの入力に応じて、タッチパネル部180の表示部182に筐体座標M
1、筐体座標M
2、筐体座標M
3、・・・・・の全てを表示させるように設定したり、或いは、複数の筐体座標Mのうち、特定の(例えば)筐体座標M
1のみを表示させるように設定したりすることができるように構成することが好ましい。
【0049】
また、A社の型番Xの反射プリズム120と、B社の型番Yの反射プリズム120とは寸法や光学特性が異なるので、それぞれの基準点は異なるものとなる。そこで、A社の型番Xの反射プリズム120をインテリジェント反射ターゲット100に取り付けた場合のプリズム座標P
Aから、複数の筐体座標Mを算出する際の算出式、そして、B社の型番Yの反射プリズム120をインテリジェント反射ターゲット100に取り付けた場合のプリズム座標P
Bから、複数の筐体座標Mを算出する際の算出式などを、制御部110に記憶させておき、これらのうちのいずれを使うかを、操作者に選択可能に構成することも好ましい態様の一つである。
【0050】
図8(A)は、タッチパネル筐体170が開かれた状態で、かつ、ヒンジ部160が鉛直下方側にある体勢で、インテリジェント反射ターゲット100における筐体130の筐体座標M
1を利用して、部屋の隅部の座標を計測しようとする場合を示す図である。この場合、
図8(B)に示すように、筐体130の筐体座標M
1を当該隅部に当接するような形で、トータルステーション10によって計測を実行する。
【0051】
ここで、トータルステーション10としては、他の外部機器と通信を行い得る通信機能と、反射プリズム120を自動的に追尾する追尾機能と、レーザー光の出射方向の画像を取得することができる画像取得機能と、を有するものを用いることが好ましい。以下、
図8(B)に示すような計測状況下における計測例に基づいて、インテリジェント反射ターゲット100とトータルステーション10の処理を説明する。
【0052】
図9はインテリジェント反射ターゲット100とトータルステーション10の処理フローチャートを示す図である。
【0053】
図9において、ステップS100で、インテリジェント反射ターゲット100の処理を開始すると、続いて、ステップS101に進み、トータルステーション10に対して、反射プリズム120の追尾、反射プリズム120の計測、及び、画像取得の指令を送信する。
【0054】
トータルステーション10側では、ステップS201で、上記のような指令を受信すると、続いて、ステップS202で、反射プリズム120の追尾を行い、反射プリズム120の位置を特定する。続く、ステップS203では、反射プリズム120の計測を実行し、反射プリズム120のプリズム座標Pを算出すると共に、画像を取得する。ステップS204では、インテリジェント反射ターゲット100に対して、プリズム座標P及び取得画像のデータを送信する。
【0055】
続いて、インテリジェント反射ターゲット100側では、ステップS102で、プリズム座標P及び取得画像のデータを受信する。次のステップS103では、プリズム座標Pから、筐体座標M(
1)を算出して、ステップS104では、算出した筐体座標M(
1)と、画像をタッチパネル部180の表示部182で表示し、ステップS105で処理を終了する。
【0056】
以上のように、本発明に係るインテリジェント反射ターゲット100は、トータルステーション10からプリズム座標Pを受信すると、プリズム座標Pから、前記筐体の所定箇所における筐体座標Mを算出し、算出した筐体座標Mを表示部182に表示するので、このような本発明に係るインテリジェント反射ターゲッ100トによれば、現場において、人手や手間・時間をかけることなく、簡単に所望の座標を計測することが可能となる。
【0057】
また、操作者は、タッチパネル部180の表示部182に表示される画像によって、トータルステーション10がその追尾機能によって反射プリズム120を確実に捕捉していることなどを確認することができる。なお、画像取得が可能なトータルステーション10を用いることは、必ずしも本発明においては必須の要件ではない。
【0058】
上記のように構成される本発明に係るインテリジェント反射ターゲット100は、墨出し作業に好適に用いることが可能であり、インテリジェント反射ターゲット100を用いた作業の概要について、
図10を参照して説明する。
【0059】
通常の反射ターゲットを用いた墨出し作業においては計測点の座標を求めるために、反射ターゲット側に1人、及び、トータルステーション側に1人の操作者が必要となる。一方、本発明に係るインテリジェント反射ターゲット100を用いた墨出し作業においては、トータルステーション10側は無人とし、位置座標を知りたい計測点に、インテリジェント反射ターゲット100を準備する操作者が1人配されることで、事足りるようになる。
【0060】
図10(A)では、墨出し作業のために、操作者1人でトータルステーション10及びインテリジェント反射ターゲット100を用いて計測点における座標を計測している様子を示している。
図10(A)において、トータルステーション10は既知の座標点に設置されているものとする。ここで、トータルステーション10は、例えば、墨出し作業における基準点などに設置する。
【0061】
このとき、操作者は例えば
図10(B)に示すように、インテリジェント反射ターゲット100を、位置座標を知りたい計測点上に配置する。
図10(B)は、墨出しを行うために、計測点上に置かれたインテリジェント反射ターゲット100を示しており、筐体130に設けられているマーク135のうち、例えばM
Cが計測点上となるように、操作者によってインテリジェント反射ターゲット100が設置された様子を示している。
【0062】
図10(B)のようなセッティングを行った上で、操作者はインテリジェント反射ターゲット100を操作して、計測を実行する。これにより、
図9に示すフローチャートが実行される。
図9のフローチャートに示したように、トータルステーション10側では、反射プリズム120を追尾して、プリズム座標を計測して、これをインテリジェント反射ターゲット100側に送信する。
【0063】
インテリジェント反射ターゲット100側では、受信したプリズム座標から、筐体座標(本例の場合は、M
Cの座標)を算出し、算出した筐体座標をタッチパネル部180の表示部182に表示する。
【0064】
図10(C)は、操作者が、インテリジェント反射ターゲット100から、トータルステーション10に対してプリズム追尾・計測指令を送信し、タッチパネル部180の表示部182によって、計測点における座標(M
Cの筐体座標)を確認している様子を示している。
【0065】
以上のように、本発明に係るインテリジェント反射ターゲット100を用いることで、操作者1人の作業でも、所望とする計測点の位置座標を簡単に知ることができるので、墨出し作業において、墨さしを行う位置、墨壺を配する位置などを簡単に割り出すことができ、迅速・簡便に墨出し作業を行うことができるようになる。
【0066】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図11は本発明の他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の使用方法を説明する図である。
【0067】
本実施形態は、先に設定しておいた入力座標と、計測により得る筐体座標との間のずれ(差分)を算出して、タッチパネル部180の表示部182に表示するものである。操作者は、タッチパネル部180の入力部181から、所定の位置座標を入力しておく。
【0068】
インテリジェント反射ターゲット100の制御部110には、入力部181で入力された座標と、計測して算出した筐体座標との間の差分を求める算出式が記憶されている。このような算出式によって、本実施形態では、入力座標と、計測により得る筐体座標との間のずれ(差分)を算出し、算出したずれ(差分)を表示部182に表示する。なお、本実施形態における筐体座標の算出には、これまで説明した方法と同様の方法を用いることができる。
【0069】
以上のような他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100によれば、現場において、人手や手間・時間をかけることなく、簡単に位置ずれ情報を得ることが可能となる。また、このような他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の位置ずれ情報取得機能は、先の墨出し作業にも有効に活用することができる。
【0070】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図12は本発明の他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の使用方法を説明する図である。
【0071】
本実施形態は、計測により得る2つの筐体座標との間の距離を算出して、タッチパネル部180の表示部182に表示するものである。同一のインテリジェント反射ターゲット100を用いて、操作者は、
図12の(I)及び(II)に示す2点で、筐体座標の計測・算出を実行する。
【0072】
インテリジェント反射ターゲット100の制御部110には、計測して算出した、2つの筐体座標との間の距離を求める算出式が記憶されている。このような算出式によって、本実施形態では、2つの筐体座標との間の距離を算出し、算出した距離を表示部182に表示する。なお、本実施形態における筐体座標の算出には、これまで説明した方法と同様の方法を用いることができる。
【0073】
以上のような他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲッ100トによれば、現場において、人手や手間・時間をかけることなく、簡単に距離情報を得ることが可能となる。
【0074】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図13は本発明の他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲット100の使用方法を説明する図である。
【0075】
本実施形態は、計測により得る3つの以上の筐体座標が囲む面積を算出して、タッチパネル部180の表示部182に表示するものである。同一のインテリジェント反射ターゲット100を用いて、操作者は、
図13に示すように、(I)、(II)、(III)及び(IV)の例えば4点で、筐体座標の計測・算出を実行する。
【0076】
インテリジェント反射ターゲット100の制御部110には、計測して算出した、3つの以上の筐体座標が囲む面積を求める算出式が記憶されている。このような算出式によって、本実施形態では、3つの以上の筐体座標が囲む面積を算出し、算出した面積を表示部182に表示する。なお、本実施形態における筐体座標の算出には、これまで説明した方法と同様の方法を用いることができる。
【0077】
以上のような他の実施形態に係るインテリジェント反射ターゲッ100トによれば、現場において、人手や手間・時間をかけることなく、簡単に面積情報を得ることが可能となる。
【0078】
以上、本発明に係るインテリジェント反射ターゲットは、通信部でトータルステーションからプリズム座標を受信すると、プリズム座標から、筐体の所定箇所における筐体座標を算出し、算出した筐体座標を表示部に表示するので、このような本発明に係るインテリジェント反射ターゲットによれば、現場において、人手や手間・時間をかけることなく、簡単に所望の座標を計測することが可能となる。