(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記生体情報計測装置が搬送中であると判定される場合には、搬送中であると判定されない場合よりも、表示輝度を高くするように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の生体情報計測装置。
前記制御手段は、前記生体情報計測装置が搬送中であると判定される場合には、搬送中であると判定されない場合と、特定の生体情報を表示する大きさまたは色の少なくとも1つが異なるように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の生体情報計測装置。
前記制御手段は、前記生体情報計測装置が搬送中であると判定される場合には、搬送中であると判定されない場合よりも、表示する前記生体情報の項目を削減するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の生体情報計測装置。
患者の生体情報を計測する計測手段と、前記計測した生体情報をリアルタイムに表示する表示手段とを有する可搬型の生体情報計測装置が有する1つ以上のプロセッサに、請求項7に記載の生体情報計測装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。以下では、本発明を可搬型の生体情報計測装置の一例としての可搬型生体情報モニタに適用した実施形態について説明する。なお、ここでいう「可搬型」とは、電池駆動が可能であり、生体情報を計測しながら患者とともに移動させることが可能であることを意味する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る可搬型生体情報モニタ100と、可搬型生体情報モニタ100を据え置き型のモニタ装置として用いるためのドッキングステーション(ベース部)200の機能構成例を示すブロック図である。また、
図2は、本実施形態の可搬型生体情報モニタ100(以下、単に生体情報モニタという)とドッキングステーション200の外観例を示す斜視図である。
【0012】
後述するように、本実施形態の生体情報モニタ100は、動作モードとして、搬送中モードと非搬送中モードとを有し、搬送中モードと非搬送中モードとで装置の動作を異ならせる。非搬送中モードは、生体情報モニタ100をベッドサイドで据え置き型の生体情報モニタとして用いる場合のように、生体情報モニタ100が静止した状態(安定した環境)で使用されることを想定した動作モードである。一方、搬送中モードは、生体情報モニタ100が患者と共に搬送されている場合のように、生体情報モニタ100が移動している状態(安定しない環境)で使用されることを想定した動作モードである。搬送中モードと非搬送中モードとは自動的に、あるいはユーザの指示に応じて切り替えが可能である。
【0013】
生体情報モニタ100は、各種のセンサや計測モジュールを接続可能な入力部110を有し、センサから逐次得られる生体信号を表示したり、異常を検出したりすることにより、患者の状態を常時監視するための装置である。生体情報モニタ100は通常、重症患者など、バイタルサインを監視する必要がある患者に用いられるため、心電図、呼吸数、心拍数、血圧、体温、動脈血酸素飽和度(SpO
2)など、複数の生体情報を計測する機能を有する。
【0014】
入力部110は、各種のセンサや計測モジュールを機械的および電気的に接続するコネクタやインターフェースを備える。本実施形態では例示として以下のセンサおよび計測モジュールが接続されているものとする。なお、入力部110に接続される計測モジュールによっては、双方向の通信が可能である。
【0015】
心電電極111は患者の四肢および/または胸部表面の所定部位に装着される複数の電極からなり、装着部位に応じた誘導波形を検出する。心電電極111の数や種類は計測する誘導波形の数や種類により異なる。また、心電電極間に高周波の微弱な電流を通電して胸郭のインピーダンスを計測し、その変化から胸郭の動きを検出するインピーダンス方式により呼吸数を算出することができる。血圧トランスデューサ112は患者の血管内に挿入されたカテーテルの端部に取り付けられ、血圧を電気信号に変換する。
【0016】
脈波・SpO
2センサ113はいわゆるパルスオキシメータであり、動脈血酸素飽和度(SpO
2)及び指尖容積脈波を光学的に検出して入力する。酸素と結びついているかどうかによってヘモグロビンの光の吸収度が異なること、また光の波長によっても吸収度が異なることを利用し、一般には赤色光と赤外光の2波長を用いて動脈血酸素飽和度を計測する。また、透過光又は反射光のAC成分が血液量に応じて変化することから、このAC成分を光学指尖容積脈波(PTG:photoplethysmograph)として検出する。
【0017】
体温センサ114は例えば患者に装着されたサーミスタ温度センサであり、温度に応じた抵抗値を示す。心拍出量センサ115は患者の血管内に留置したサーミスタ温度センサであり、血液温度を計測する。血液温度の時間変化から熱希釈曲線を求め、注入液温度とStewart-Hamilton の公式を応用した式から心拍出量(CO)を得ることができる。また、心拍出量と血圧値とから、血管抵抗(SVR)を求めることができる。なお、心拍出量はインピーダンス法によって非侵襲的に求めてもよい。呼吸ガスセンサ116は呼気中の炭酸ガス(CO
2)濃度を計測する。なお、
図1に示した、入力部110に接続されるセンサおよびモジュールは単なる例示であって、他のものが含まれていてもよいし、図示したもののいくつかがなくてもよい。
【0018】
非観血血圧計117はカフ、ポンプ、排気弁、圧力センサなどを有する。圧力センサの信号を取得することにより、オシロメトリック法によって非観血的に血圧を計測することができる。非観血血圧は連続的に計測できないため、予め定めた一定周期ごとに計測を実施する。非観血血圧計117の動作(ポンプおよび排気弁の動作)は入力部110を通じて制御部140が制御する。本実施形態では、非観血血圧計117の動作、より具体的には排気速度が、搬送中モードと非搬送中モードとで異なる。
【0019】
前処理部120は、入力部110に入力した生体信号に対し、A/D変換処理や電源ノイズ除去フィルタ、帯域除去フィルタ(LPF、HPFなど)の適用など、信号に応じて予め定められた前処理を実行し、バッファメモリ130に保存する。本実施形態では、前処理部120が心電図信号に適用する低域カットフィルタのカットオフ周波数が、搬送中モードと非搬送中モードとで異なる。前処理部120はDSPやASICなどのハードウェアで構成してもよいし、制御部140によって少なくとも一部の機能をソフトウェアで実現してもよい。バッファメモリ130は信号の一時的な記憶や、制御部140のワークエリアやビデオメモリとして用いる。
【0020】
制御部140は例えば中央処理装置(CPU)などのプログラマブルプロセッサとRAM、ROMを有し、ROMに記憶されたプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、生体情報モニタ100の動作を制御して全体的な機能を実現する。なお、ROMの少なくとも一部は書き換え可能であってよい。
【0021】
外部インターフェース(I/F)150は、ドッキングステーション200との通信インターフェースであり、装置の筐体に設けられたコネクタで直接、あるいはケーブルを介してドッキングステーション200の外部インターフェース220と接続される。ドッキングステーション200が接続されているか否か、ドッキングステーション200から電源が供給されているか否かは、制御部140によって検出可能である。
【0022】
アラームインジケータ160は制御部140により、機器の動作、生体信号の波形や数値などが予め定められた条件(アラーム設定)に規定された条件を満たすと判定された際に、例えば光や音によって警報を出力して報知するための1つ以上の出力デバイスである。アラームインジケータ160は、代表的には発光素子やスピーカであってよい。警報は重要度(レベル)によりレベル分けし、重要度に応じた警報を出力することができる。なお、警報はアラームインジケータ160だけでなく、タッチディスプレイ170に対するメッセージ表示などと組み合わせることもできる。制御部140は、例えば操作部180に対する所定の操作が検出されると警報の出力を停止する。
【0023】
タッチディスプレイ170は、タッチパネルの機能を有する表示装置である。制御部140は予め定められたレイアウトにより、例えば心電波形、心拍数、体温、血圧値、呼吸数、呼吸波形、といった重要な生体情報をリアルタイムでタッチディスプレイ170に表示させる。また、制御部140は、操作部180の指示に応答して、タッチディスプレイ170に表示する内容および/またはレイアウトを変更する。本実施形態では、タッチディスプレイ170の表示する内容またはレイアウト、表示輝度の少なくとも1つが、搬送中モードと非搬送中モードとで異なる。
【0024】
操作部180は電源スイッチをはじめとしたキー、スイッチ群であり、ユーザが生体情報モニタ100に指示や情報の入力を行うことを可能にする。なお、スイッチやキーの少なくとも一部は、タッチディスプレイ170に設けられたタッチパネルと、制御部140によるGUI表示とを組み合わせたソフトウェアスイッチとして実現されてもよい。また、操作部180は外付けのキーやスイッチを含んでもよい。
【0025】
動きセンサ185は例えば加速度センサ、ジャイロなどであってよく、生体情報モニタ100の動きを表す信号を出力する。制御部140は、動きセンサ185の出力を、生体情報モニタ100が静止している状態(非搬送中)なのか、移動している状態(搬送中)なのかを判別したり、動きの大きさを判別したりするために用いることができる。
【0026】
無線通信部190は、生体情報モニタ100が外部装置、例えばセントラルモニタ装置や、生体情報の計測を引き継ぐ別の生体情報計測装置に計測済みのデータや計測中に発生したイベントに関する情報を送信するために用いられる。無線通信に用いるプロトコルに特に制限は無く、例えばWi-Fi(IEEE802.11x)、Bluetooth(登録商標)、IrDA、ISO/IEC 18092などの近接無線通信(NFC)プロトコルなどを用いることができる。また、認証処理にNFCを利用し、認証処理後の通信をBluetoothやWi-Fiで行うBluetooth/Wi-Fiハンドオーバのように、複数の通信方法を組み合わせてもよい。なお、無線通信部190の代わりに(あるいは、無線通信部190に加えて)、同様の機能を実現するための有線通信部を有してもよい。
【0027】
なお、図示した構成以外にも、メモリカードを取り扱うための構成(メモリカードスロットなど)、プリンタ(レコーダ)などを有してもよい。また、生体情報モニタ100は電池駆動可能であるが、ドッキングステーション200と接続されている状態では、外部I/F150を通じてドッキングステーション200から電源の供給を受けることができる。外部I/F150を通じて電源を供給されている場合、生体情報モニタ100は外部I/F150からの電源で動作し、また内蔵電池の充電を行う。
【0028】
このような構成を有する生体情報モニタ100では、例えば操作部180を通じて電源が投入されると、入力部110を通じて入力される生体信号に対する処理を開始する。具体的には、前処理部120がA/D変換等を行って各種の生体信号を計測データとしてバッファメモリ130に保存し始める。そして、制御部140は、バッファメモリ130に保存された計測データについて、各種パラメータの算出処理、表示処理、評価処理や異常判定処理などを開始する。また、制御部140は、バッファメモリ130から記憶部195に計測データを転送したり、予め設定されたイベント発生時には、その時点における計測データなど予め定められた情報をイベントと関連付けて記憶部195に保存したりする。制御部140はさらに、計測された生体信号を解析して所定の様式のレポートを生成し、要求に応じて表示させる。レポートには様々なものがあるが、生体信号の経時変化やイベントの発生などを把握するのに役立つトレンド表示はレポートの代表例である。
【0029】
ドッキングステーション200は、生体情報モニタ100の記憶部195に保存されたデータを読み出し、セントラルモニタやサーバ装置のような、生体情報モニタ100や患者に関するデータを管理するための外部装置に送信するための機能を提供する外部装置である。ドッキングステーション200は、生体情報モニタ100が計測状態で接続されていれば、計測データをリアルタイムで外部装置に出力する。
【0030】
外部I/F220は生体情報モニタ100を接続するための通信インターフェースである。また、外部I/F200は、接続された生体情報モニタ100に電源を供給するためにも用いられる。したがって、ドッキングステーション200は生体情報モニタ100の外部電源でもある。バッファメモリ240は外部I/F220を通じて受信した計測データを一時的に保存するために用いられたり、制御部210のワークエリアとして用いられたりする。制御部210は例えば中央処理装置(CPU)などのプログラマブルプロセッサとRAM、ROMを有し、ROMに記憶されたプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、ドッキングステーション200の動作を制御して全体的な機能を実現する。なお、ROMの少なくとも一部は書き換え可能であってよい。
【0031】
操作部230は電源スイッチをはじめとしたキー、スイッチ群である。生体情報モニタ100が接続されている場合、生体情報モニタ100の操作部180の一部の機能を無効とし、操作部230の操作を有効とすることができる。
通信部250は病院内のネットワークに接続され、ネットワーク上の外部装置と通信するために用いられる。通信部250は有線通信部でも無線通信部でもよい。
バス260はドッキングステーション200の構成要素間を相互接続する。
【0032】
図2(a)は生体情報モニタ100の外観例を示す斜視図であり、
図1と同じ構成要素には同じ参照数字を付してある。
図2(c)に示すように、ドッキングステーション200には生体情報モニタ100を装着するための空間が設けられている。生体情報モニタ100は、右側面下部に設けられた外部I/F150のコネクタを、ドッキングステーション200の外部I/F220のコネクタに直接嵌合させることによりドッキングステーション200に装着することができる。なお、不用意に生体情報モニタ100が外れないよう、外部I/F220のコネクタだけでなく、生体情報モニタ100とドッキングステーション200の筐体同士も嵌合するように構成されている。
図2(b)は、生体情報モニタ100をドッキングステーション200に接続した状態を示している。
【0033】
次に、本実施形態の生体情報モニタ100の計測時の動作について、
図3に示すフローチャートを用いて説明する。上述の通り、生体情報モニタ100は、制御部140の制御に従って患者の生体信号の計測を常時行い、計測値に基づく所定の情報をリアルタイムに表示する(S10)。
【0034】
図4(a)は本実施形態の生体情報モニタ100の非搬送中モードにおけるタッチディスプレイ170の表示画面300のレイアウト(第1のレイアウト)の例を示している。第1のレイアウトは、ID、性別といった患者情報や、日時情報といった書誌的な情報を表示する書誌情報領域310と、予め定めた生体信号の波形を表示する波形領域320と、生体情報の計測値を表示する計測値領域330と、ユーザキーを表示するユーザキー領域340とを有する。ユーザキーは、ボタン状の外観を有する選択可能な領域を複数有し、各領域には所定の機能が割り当てられている。割り当てる機能はユーザが設定可能であり、いわゆるショートカットキーとして利用できる。
【0035】
制御部140は、S10で計測動作および通常時の表示を行いながら、生体情報モニタ100の状態が、移動している状態(搬送中)か、静止している状態(非搬送中)を監視する(S15)。制御部140は、搬送中であると判定された場合には処理をS20へ、搬送中でないと判定された場合には処理をS40へ進める。
【0036】
なお、S15における判定は、様々な情報に基づいて行うことができるが、搬送中か非搬送中かの判定を生体情報モニタ100(制御部140)が自動的に行う場合、本実施形態では少なくとも生体情報モニタ100が電池駆動されていることをもって、搬送中であると判定するものとする。したがって、制御部140は、生体情報モニタ100が外部から供給される電源で駆動されていれば非搬送中、生体情報モニタ100が内蔵電池で駆動している場合には搬送中であると判定することができる。
【0037】
電池駆動されていることに加え、他の1つ以上の条件を満たした場合に生体情報モニタ100が搬送中であると判定するように構成してもよい。他の条件の例としては、以下の条件がある。
・外部装置(ドッキングステーション200や他の医療機器など)が外部I/F150に接続されていないこと
・動きセンサ185の出力が予め定めた閾値を一定時間継続して超えていること
・計測された生体情報に含まれるノイズの増加など、生体情報から得られる情報が予め定めた条件を満たすこと
なお、搬送中か非搬送中かの判定にどのような条件を用いるかは、予め設定しておくことができる。
【0038】
あるいは、制御部140はS15において、操作部180を通じて、搬送中モードの設定が指定されたか否かを判定し、搬送中モードの設定が指定されたと判定されれば搬送中と判定し、搬送中モードの設定が指定されたと判定されなければ非搬送中と判定してもよい。このように、本実施形態では、生体情報モニタ100が搬送中か否かを、ユーザが直接指定することも可能にしている。これにより、例えば生体情報モニタ100の搬送状態を自動的に検出できなかった場合や、ユーザが希望する場合に、確実に、かつ容易に、生体情報モニタ100を搬送中モードで動作させることができる。ユーザの指定は、生体情報モニタ100による自動判定より優先されるため、ユーザの指定があれば、外部から供給されている電源で駆動していても生体情報モニタ100は搬送中モードで動作する。同様に、操作部180を通じて、搬送中モードの解除(非搬送モードの設定)が指定された場合も、生体情報モニタ100による自動判定より優先される。
【0039】
生体情報モニタ100が搬送中(移動中)であると判定された場合、制御部140はS20において、非搬送中から搬送中になったのか否かを判定する。そして、制御部140は、非搬送中から搬送中になったと判定されれば処理をS30へ進め、非搬送中から搬送中になったと判定されなければ(継続して搬送中と判定されれば)処理をS10へ戻す。
【0040】
S30で制御部140は、生体情報モニタ100に搬送中モードを設定する。具体的には、予め定められた動作が、非搬送中モードとは異なる動作となるように設定を変更する。上述の通り、本実施形態の生体情報モニタ100では、
(1)生体情報の表示内容
(2)生体情報の表示方法
(3)生体情報の表示輝度
(4)心電図信号に適用するフィルタのカットオフ周波数
(5)非観血血圧の測定時のカフの減圧速度
の1つ以上について、非搬送中モードと、搬送中モードとで異ならせるものとする。ただし、これらは単なる例示であり、他の項目に関して非搬送中モードと、搬送中モードとで異ならせるように構成してもよい。
【0041】
例えば、記憶部195に、非搬送中モード用の設定値群と、搬送中モード用の設定値群とを予め記憶しておき、制御部140は記憶部195から設定値群を取得して反映させることにより、動作モードを切り替えることができる。これらの設定値群は、ユーザがカスタマイズすることを可能にしてもよい。
【0042】
一方、S15で生体情報モニタ100が搬送中と判定されなかった場合、S40で制御部140は、搬送中から非搬送中になったのか否かを判定する。そして、制御部140は、搬送中から非搬送中になったと判定されれば処理をS50へ進めて生体情報モニタ100に非搬送中モードを設定し、搬送中から非搬送中になったと判定されなければ(継続して非搬送中と判定されれば)処理をS10へ戻す。
【0043】
次に、搬送中モードと非搬送中モードとの動作の際に関して具体的に説明する。
図4(b)は本実施形態の生体情報モニタ100の搬送中モードにおけるタッチディスプレイ170の表示画面300のレイアウト(第2のレイアウト)の例を示している。第2のレイアウトは、第1のレイアウトと同様の領域310〜340から構成されるが、波形領域320’と計測値領域330’が、表示内容と表示方法において異なっている。
【0044】
具体的には、第2のレイアウトでは、波形領域320’については表示される波形の数や長さの少なくとも一方が削減され、計測値領域330’については表示が大きくなる。計測値領域330’については、表示項目数を削減しなくても、削減してもよい。
図4(b)の例では、呼吸数の表示が削減され、計測値領域330’の拡大に寄与している。
【0045】
第2のレイアウトの目的は、搬送中に最小限必要な特定の生体情報についての視認性または判読性を、非搬送中モードよりも向上させることである。そのため、特定の生体情報以外については必ずしも表示サイズを大きくしなくてもよい。また、表示サイズを大きくする以外の方法で視認性または判読性を向上させてもよい。例えば背景色とのコントラストが大きくなる色に表示色を変更することができる。なお、この場合、変更前と同系色を用いて表示することが好ましい。この種の装置では、表示色と計測値の種類とが関連づけされている場合があるからである。
【0046】
また、制御部140は、搬送中は環境、特に明るさの変化が大きくなりうることに鑑み、搬送中モードにおいてはタッチディスプレイ170の表示輝度を増加させることができる。一般的に患者が長時間搬送される可能性は低く、この搬送に伴い生体情報モニタも長時間電池で駆動する可能性は低いため、消費電力を節約するよりも、視認性の確保または向上を優先させる。
【0047】
また、制御部140は、搬送中モードにおいて心電図信号に適用するフィルタのカットオフ周波数を、非搬送中モードより高くすることができる。具体的には、フィルタの時定数を小さくすればよい。搬送中は外来ノイズなどの影響により、心電図信号の基線が大きく動揺する場合があるが、フィルタの時定数を小さくすることにより、基線動揺を抑制し、基線の安定度を増すことができる。
【0048】
また、制御部140は、搬送中モードにおいて、非観血血圧の測定時のカフの減圧速度を非搬送中モードより遅くすることができる。例えば、非搬送中モードでは10mmHg/秒、搬送中モードでは5mmHg/秒とすることができる。移動中の振動を考慮し、減圧速度を遅くすることで、脈をより捉えやすくなり、確実に計測を行うことができる。なお、非観血血圧の計測中に搬送中モードが設定される場合、一旦計測を終了し、再度搬送中モードの設定に基づく計測を実行する。
【0049】
なお、搬送中モードで動作中、例えば動きセンサ185の出力が一定時間継続して閾値未満である場合など、生体情報モニタ100の動きが少ないと判定される場合には、非観血血圧における減圧速度を非搬送モードでの値に戻して計測時間を短縮してもよい。
【0050】
以上説明したように本実施形態によれば、可搬型の生体情報計測装置の動作を、装置が搬送中と判定される場合と判定されない場合(あるいは、搬送中でないと判定される場合)とで異ならせることができる。特に、動作モードとして、搬送中モードと非搬送中モードとを有し、搬送中の動作に適した設定と、非搬送中の動作に適した設定とを動作モードに関連付けることにより、動作モードを切り替えることで設定を一括して変更することができる。そのため、可搬型の生体情報計測装置の使い勝手を大幅に向上させることができる。また、搬送中モードでは搬送中に適した動作が実現できるため、計測精度の向上や、重要な生体情報の変化の監視が容易になることが期待できる。特に、生体情報計測装置が搬送中かどうかを自動的に判定する場合には、ユーザが明示的に動作モードを指定する必要がないため、効果が一層大きくなる。
【0051】
(他の実施形態)
動きセンサ185の出力に代えて、あるいは加えて、GPS受信機のような測位センサの出力や、無線通信部190で得られるアクセスポイントの情報を、生体情報モニタ100が搬送中か否かの判定における条件に利用してもよい。
【0052】
本発明は、上述の実施形態に係る処理を、システム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサによって実施させるプログラムとしても実現可能である。したがって、このようなプログラムや、プログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体もまた本発明を構成する。また、上述の実施形態に係る処理を、ハードウェア(例えばASICやプログラマブルロジックなど)を用いて実施することもできる。