特許第6749103号(P6749103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6749103
(24)【登録日】2020年8月13日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20200824BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   G07G1/06 F
   G07G1/12 361C
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-19349(P2016-19349)
(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-138811(P2017-138811A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507351883
【氏名又は名称】シチズン・システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼谷 翔平
(72)【発明者】
【氏名】岩田 正治
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−108637(JP,A)
【文献】 特開2009−289209(JP,A)
【文献】 特開2015−026119(JP,A)
【文献】 特開平10−134252(JP,A)
【文献】 特開2000−253105(JP,A)
【文献】 特開2000−043381(JP,A)
【文献】 特開2002−099968(JP,A)
【文献】 特開2011−008318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の業務に関する新規注文、または、前記業務に関する2回目以降の注文に応じて、記録媒体に対する記録動作をおこなう記録手段と、
前記新規注文に応じた前記記録手段による記録動作に際してドロワ装置が備えるドロワの開放を指示する第1の種類の信号を出力し、前記2回目以降の注文に応じた前記記録手段による記録動作に際してドロワ装置が備えるドロワの開放を指示する前記第1の種類よりも優先度が低い第2の種類の信号を出力する信号出力手段と、
前記信号出力手段によって出力された前記第1の種類の信号、または、前記第2の種類の信号を取得し、取得された信号の種類に基づいて、当該信号の種類ごとに設定された優先度を特定し、複数種類の通知態様のうち特定された優先度に応じて異なる通知態様による通知をおこなう通知装置と、
を備えたことを特徴とするプリンタ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリンタにおける記録内容に応じた通知をおこなう通知装置およびプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドロワ装置などを駆動する回路を備えたプリンタに、通知装置などのドロワ装置以外の外部装置を接続し、当該通知装置をプリンタによって制御するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。また、従来、プリンタと、プリンタに接続された外部装置との間に通知装置を設け、当該通知装置により、エラー発生の有無や記録動作中であるか否かなどのプリンタの状態を通知するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【0003】
このような従来の技術は、たとえば、飲食店において、顧客から受け付けた注文内容を厨房に伝え、厨房において調理した料理などを顧客に提供する業務に用いられるキッチンシステムに適用される。キッチンシステムにおいて、プリンタは、厨房などに設置され、注文に応じたメニューなどをプリントしたキッチン伝票を発行し、通知装置は、厨房の従業員に対して、通知音などによってキッチン伝票の発行を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−008318号公報
【特許文献2】特開2002−099968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術は、通知装置はプリンタから信号が出力されるごとに当該信号に応じた通知をおこなうだけであり、当該通知にかかる業務が優先的に処理すべきものかどうかを通知することはできないという問題があった。このような通知装置が設置された厨房では、通知がおこなわれる都度、キッチン伝票を目視しなければ通知にかかる注文が急ぎの注文であるかどうかを把握することができない。
【0006】
このため、たとえば、火を使った調理中であって火のそばを離れることができないなどの理由により、通知の直後にキッチン伝票を目視することが難しく、キッチン伝票の発行が通知されてから、当該キッチン伝票の目視による注文内容の確認までに時間がかかった場合、急ぎの注文に対する対応が遅れてしまい、顧客に不満を感じさせてしまう。一方で、調理の通知がおこなわれる都度、調理を中断してキッチン伝票を目視すると業務の効率が低下してしまう。このように、上述した従来の技術は、通知による業務の効率化を図ることが難しいという問題があった。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる通知装置およびプリンタを提供することを目的とする。
【0008】
また、この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、通知による業務の効率化を図ることができる通知装置およびプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる通知装置は、複数種類の信号を出力する所定の外部装置から出力された信号を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された信号の種類に基づいて、当該信号の種類ごとに設定された優先度を特定する優先度特定手段と、複数種類の通知態様のうち前記優先度特定手段によって特定された優先度に応じて異なる通知態様による通知をおこなう通知手段と、を備え、前記通知手段が、前記優先度特定手段によって特定された優先度に基づいて、先に取得された信号にかかる優先度に応じた通知中に取得された後の信号にかかる優先度が、先に取得された信号にかかる優先度よりも高い場合、先に取得された信号にかかる優先度に応じた通知を中断し、後の信号にかかる優先度に応じた通知をおこなうことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる通知装置は、上記の発明において、前記通知手段が、前記優先度特定手段によって特定された優先度に基づいて、先に取得された信号にかかる優先度に応じた通知中に取得された後の信号にかかる優先度が、先に取得された信号にかかる優先度よりも低いまたは当該優先度と同一である場合、後の信号にかかる優先度に応じた通知をおこなわず、先に取得された信号にかかる優先度に応じた通知を継続させることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる通知装置は、上記の発明において、前記取得手段が、前記外部装置が備える複数のポートのそれぞれから出力される信号を取得し、前記優先度特定手段が、前記外部装置が信号を出力したポートを特定することによって前記優先度を特定することを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる通知装置は、上記の発明において、前記取得手段が、前記外部装置が出力するパターンの異なる信号を取得し、前記優先度特定手段が、前記外部装置が出力した信号のパターンを特定することによって前記優先度を特定することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる通知装置は、上記の発明において、前記取得手段が、記録媒体に対する記録動作をおこなうプリンタから出力される、当該プリンタに接続されるドロワ装置が備えるドロワの開放を指示する信号を取得することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるプリンタは、記録媒体に対する記録動作をおこなう記録手段と、前記記録手段による記録動作に際してドロワ装置が備えるドロワの開放を指示する信号を出力する信号出力手段と、前記信号出力手段によって出力された信号に基づいて特定される優先度に応じた態様の通知をおこなう請求項1〜5のいずれか一つに記載の通知装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明にかかる通知装置およびプリンタによれば、優先度が高い通知があることを確実に通知することができるという効果を奏する。
【0016】
また、この発明にかかる通知装置およびプリンタによれば、通知による業務の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明にかかる実施の形態の通知装置の外観を示す説明図である。
図2】プリンタおよび通知装置のハードウエア構成を示す説明図である。
図3】通知装置の処理手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる通知装置およびプリンタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(通知装置の外観)
まず、この発明にかかる実施の形態の通知装置の外観について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の通知装置の外観を示す説明図である。図1において、通知装置100は、箱形の筐体101を備えている。筐体101の一面(たとえば、正面)には、使用者による押圧操作を受け付ける操作ボタン102が設けられている。通知装置100は、たとえば、背面側が壁や床に固定され、かつ、操作ボタン102側を開放した状態で設置される。
【0020】
通知装置100は、筐体101において、操作ボタン102が設けられた面とは別の一面(たとえば、側面)に設けられた、プリンタインターフェース103を備えている。プリンタインターフェース103は、たとえば、コネクタ形状のソケットによって実現することができる。
【0021】
コネクタ形状のソケットによってプリンタインターフェース103を実現することにより、通知装置100を任意のプリンタ(図2における符号210を参照)に接続することができ、通知装置100における高い汎用性を確保することができる。通知装置100に接続されるプリンタは、この発明にかかる実施の形態の外部装置を実現する。プリンタインターフェース103は、プリンタと通知装置100との間におけるデータの入出力をつかさどる。
【0022】
(プリンタおよび通知装置100のハードウエア構成)
つぎに、プリンタおよび通知装置100のハードウエア構成について説明する。図2は、プリンタおよび通知装置100のハードウエア構成を示す説明図である。図2において、プリンタ210および通知装置100は、ハンディターミナル230とともに、キッチンシステム200を構成する。キッチンシステム200は、たとえば、飲食店において店員による注文の入力を受け付け、受け付けた注文に応じた料理などを、当該注文した顧客に提供する業務に用いられる。
【0023】
キッチンシステム200において、プリンタ210は、記録媒体に対して記録動作をおこなう記録部211を備えている。記録部211は、図示を省略するプリントヘッドを備えている。プリントヘッドは、たとえば、サーマル方式による記録動作をおこなうサーマルヘッドによって実現することができる。サーマルヘッドは、基板上に一列に配置された複数の発熱抵抗体を備えている。サーマルヘッドを用いた記録動作に際しては、複数の発熱抵抗体を選択的に発熱させることによって感熱発色性の記録媒体(感熱紙)を発色させる。
【0024】
記録部211におけるプリントヘッドは、サーマルヘッドによって実現するものに限らない。プリントヘッドは、サーマルヘッドに代えて、感圧発色性を有する記録媒体に対してワイヤーの先端を打ち当てることにより感圧発色性を有する記録媒体を発色させるインパクトプリントヘッドによって実現してもよい。
【0025】
インパクトプリントヘッドを用いる場合、記録媒体は、感圧発色性を有するものに限らない。インパクトプリントヘッドを用いた記録動作に際しては、記録媒体に対して、ワイヤーの先端をインクリボンを介して打ち当ててインクを転写することもできる。あるいは、プリントヘッドは、記録媒体に対してインク滴を吐出させることによって印字(記録動作)をおこなうインクジェットヘッドによって実現してもよい。
【0026】
また、記録部211は、図示を省略する紙送りモータを備えている。紙送りモータには図示を省略する紙送りローラが連結されている。紙送りローラは、紙送りモータの回転に応じて回転し、紙などの記録媒体を所定方向に搬送する。紙送りモータは、正回転方向および逆回転方向に回転可能であって、紙送りモータを選択的に正回転または逆回転させることにより、記録媒体を順方向または逆方向に搬送することができる。
【0027】
また、プリンタ210は、プリントヘッドや紙送りモータなど、プリンタ210が備える各部を駆動制御する制御部212を備えている。制御部212は、CPU、メモリ、入出力回路、タイマー回路などによって構成されるマイクロコンピュータを搭載した基板によって実現することができる。制御部212は、図示を省略する各種センサからの出力値などに基づいて記録部211を制御することにより、プリントヘッドによる発熱抵抗体への通電にあわせて所定方向に紙送りをおこなうようにプリントヘッドの動作と紙送りモータとの動作との同期をとる。
【0028】
また、プリンタ210は、飲食店において店員による注文の入力を受け付けるハンディターミナル230などのクライアント装置との間で通信をおこなう通信部213を備えている。通信部213は、たとえば、アナログ回路の要素とデジタル回路の要素を備えた混合信号回路などの通信回路によって実現することができる。通信部213は、制御部212と接続され、制御部212によって制御される。
【0029】
通信部213は、たとえば、ハンディターミナル230から出力されたプリント要求を受信する。プリント要求は、当該プリント要求にしたがっておこなわれる記録動作の結果として得られるプリント結果に関する情報を含んでいる。具体的には、プリント要求には、ハンディターミナル230において入力を受け付けた注文内容が含まれている。
【0030】
注文内容は、たとえば、注文を受け付けた料理名や注文を受け付けたテーブル(座席)などを示す。また、プリント要求は、当該プリント要求にかかる注文が、新規注文であるか否か、あるいは、「急ぎ」の指定とともに入力を受け付けた注文であるか否か、あるいは、飲み物の注文があるか否か、などを示す情報を含んでいる。
【0031】
制御部212は、ハンディターミナル230から出力されたプリント要求を通信部213を介して受信した場合、当該プリント要求に含まれる注文内容を示す文字や図形などをラスター画像(画素を縦横に配列したビットマップ画像)に変換し、変換により得られたラスター画像に基づいて記録部211を制御して記録動作をおこなう。これにより、プリンタ210から、注文内容を示す文字や図形などが記録された記録媒体(キッチン伝票)が発行される。
【0032】
また、プリンタ210は、図示を省略するドロワ装置に対して当該ドロワ装置が備えるドロワ(引き出し)の開放を指示する信号(ドロワキック信号)を出力するドロワインターフェース214を備えている。ドロワ装置は、ドロワ装置のケーシングに対して引き出し自在に収容されるドロワを備えている。ドロワは、ドロワ装置のケーシング内に設けられたソレノイドによって開閉が制御される。
【0033】
ソレノイドは、ドロワインターフェース214を介してプリンタ210から出力されるドロワキック信号に応じて、ソレノイドに対する通電の状態が切り替わることによって動作する。具体的に、ドロワキック信号は、ソレノイドにおける鉄心をコイルに引き込む(あるいは、押し出す)ためにドロワインターフェース214を介して出力されるパルス電流によって実現される。ドロワインターフェース214は、たとえば、RS−232Cなどの公知のインターフェースによっても実現することができる。
【0034】
プリンタ210において、ドロワインターフェース214は、複数(たとえば、2つ)設けられている。この実施の形態においては、2つのドロワインターフェース214によって、この発明にかかる複数のポートを実現することができる。これにより、1台のプリンタ210に、複数(たとえば、2台)のドロワ装置を接続することができる。
【0035】
制御部212は、2つのドロワインターフェース214からそれぞれドロワキック信号を出力することにより、2台のドロワ装置(ドロワ装置が備えるソレノイド)を駆動することができる。具体的に、制御部212は、1台目のドロワ装置と接続可能なドロワインターフェース(以降、適宜「第1のドロワインターフェース」という)214Aと、2台目のドロワ装置と接続可能なドロワインターフェース(以降、適宜「第2のドロワインターフェース」という)214Bと、からそれぞれドロワキック信号を出力する。
【0036】
プリンタ210は、ハンディターミナル230から出力されたプリント要求に基づくキッチン伝票の発行に際して、制御部212による制御により、第1のドロワインターフェース214Aまたは第2のドロワインターフェース214Bから、ドロワキック信号を出力する。具体的に、制御部212は、ハンディターミナル230から受け付けたプリント要求にかかる注文内容が、新規注文にかかる注文内容である場合に、第1のドロワインターフェース214Aからドロワキック信号を出力する。
【0037】
また、制御部212は、ハンディターミナル230から受け付けたプリント要求にかかる注文内容が、「急ぎ」の指定とともに入力を受け付けた注文にかかる注文内容である場合に、第1のドロワインターフェース214Aからドロワキック信号を出力する。制御部212は、ハンディターミナル230から受け付けたプリント要求にかかる注文内容に、飲み物の注文など、迅速に提供することができるメニューが含まれる場合に、第1のドロワインターフェース214Aからドロワキック信号を出力してもよい。
【0038】
また、制御部212は、ハンディターミナル230から受け付けたプリント要求にかかる注文内容が、2回目以降の注文にかかる注文内容である場合や、「急ぎ」の指定をともなわない注文にかかる注文内容である場合に、第2のドロワインターフェース214Bからドロワキック信号を出力する。制御部212は、ハンディターミナル230から受け付けたプリント要求にかかる注文内容に、飲み物の注文など、迅速に提供することができるメニューが含まれず、調理のために時間を要するメニューのみが含まれている場合に、第2のドロワインターフェース214Bからドロワキック信号を出力してもよい。
【0039】
各ドロワインターフェース214は、それぞれ、通知装置100が備えるプリンタインターフェース103と接続されている。これにより、制御部212は、通知装置100に対して、第1のドロワインターフェース214Aを介して出力するドロワキック信号(以降、適宜「ドロワキック信号A」という)と、第2のドロワインターフェース214Bを介して出力するドロワキック信号(以降、適宜「ドロワキック信号B」という)と、の複数種類のドロワキック信号を出力することができる。
【0040】
通知装置100は、通知装置100の制御をつかさどる制御部221を備えている。制御部221は、たとえば、筐体101の内側に設けられた、基板に搭載されたマイクロコンピュータによって実現することができる。マイクロコンピュータは、CPU、メモリ、入出力回路、タイマー回路などによって構成される集積回路によって実現される。
【0041】
通知装置100が備えるプリンタインターフェース103は、マイクロコンピュータが備える入出力回路に接続されている。入出力回路は、複数の入出力端子を備えている。プリンタ210が備える各ドロワインターフェース214から出力されたドロワキック信号は、それぞれ、入出力回路における異なる入力端子を介して制御部221に入力される。この実施の形態においては、マイクロコンピュータにおける入出力回路やプリンタインターフェース103によって、この発明にかかる取得手段を実現することができる。
【0042】
また、通知装置100は、通知音出力部223を備えている。通知音出力部223は、複数種類の通知態様による通知をおこなうことができる。通知音出力部223は、制御部221によって制御されることにより、複数種類の通知態様のうち、プリンタ210から出力されるドロワキック信号の種類ごとに設定された優先度に応じて異なる態様による通知をおこなう。
【0043】
この実施の形態においては、ドロワキック信号を出力したドロワインターフェース214に応じて、すなわち、ドロワキック信号Aであるかドロワキック信号Bであるかによって異なる優先度が設定されている。具体的に、第1のドロワインターフェース214Aから出力されたドロワキック信号Aの優先度は、第1のドロワインターフェース214Aから出力されたドロワキック信号Bの優先度より高く設定されている。
【0044】
制御部221は、入出力回路における入出力端子のうち、ドロワキック信号を取得した入出力端子を特定することにより、取得したドロワキック信号の種類、すなわち、ドロワキック信号Aを取得したかドロワキック信号Bを取得したかを判断する。制御部221が備えるメモリは、ドロワキック信号の種類と、優先度と、を関連付けて記憶している。制御部221は、メモリにおける記憶内容に基づいて、プリンタインターフェース103を介して取得したドロワキック信号の優先度を特定することができる。この実施の形態においては、制御部221によって、この発明にかかる優先度特定手段を実現することができる。
【0045】
また、制御部221が備えるメモリは、優先度ごとに、各優先度に応じた通知態様を関連付けて記憶している。これにより、制御部221は、メモリにおける記憶内容に基づいて、プリンタインターフェース103を介して取得したドロワキック信号の優先度を特定し、特定した優先度に応じた通知態様を特定することができる。
【0046】
制御部221は、特定した通知態様に基づいて通知音出力部223を制御することにより、プリンタインターフェース103を介して取得したドロワキック信号の優先度に応じた通知態様による通知をおこなうことができる。この実施の形態においては、制御部221および通知音出力部223によって、この発明にかかる通知手段を実現することができる。
【0047】
通知音出力部223は、たとえば、優先度に応じて異なる通知音を出力することによって通知をおこなう。このような通知音出力部223は、具体的には、たとえば、通知音としてブザー音を出力するブザーによって実現することができる。ブザーは、筐体101の内側に設けられる。
【0048】
ブザーは、たとえば、圧電ブザーによって実現することができる。圧電ブザーは、薄板形状の圧電振動板を金属板に貼り付けることによって構成されている。圧電振動板は、交流の電圧が印加されることで伸縮し、金属板を屈曲させる。圧電ブザーは、圧電振動板に交流の電圧を印加して金属板を繰り返し振動させることによって生じる音波によって通知音を発生する。通知音出力部223を実現するブザーとして圧電ブザーを用いる場合、制御部221は、優先度に応じて、圧電振動板に印加する交流の電圧のパターンを異ならせることによって、複数種類の通知音を出力させることができる。
【0049】
通知音の種類は、たとえば、通知音を連続して出力する時間や、通知音を繰り返して出力する回数などを調整することによって複数種類設定することができる。通知音を連続して出力する時間を調整することにより、「ピーッ」という長音を出力したり、「ピッ」という短音を出力したりすることができる。また、通知音を連続して出力する時間と通知音を繰り返して出力する回数とを調整することにより、「ピーッピーッピーッ・・・」のように長音を繰り返して複数回出力したり、「ピピピピ・・・」のように短音を繰り返して複数回出力したりすることができる。
【0050】
ブザーは、圧電ブザーに限るものではなく、圧電ブザーに代えて、電磁石に電流を流して振動板を振動させることによって通知音を発生する電磁ブザーによって実現してもよい。また、ブザーは、発信回路とスピーカーとを備えた電子ブザーによって実現してもよい。電子ブザーを用いることにより、ブザー音に代えて、あるいはブザー音に加えて、音楽を出力することができる。
【0051】
通知装置100は、通知音を出力することによって通知をおこなうものに限らない。通知装置100は、通知音を出力することによって通知をおこなう通知音出力部223に代えて、たとえば、筐体101にあらかじめ設けられたLEDなどの発光体を発光させることによる通知をおこなってもよい。この場合、制御部221は、発光体の発光パターン(通知態様)を、優先度に応じて異ならせることによって複数種類の通知をおこなうことができる。
【0052】
通知装置100は、通知音を出力することによる通知と、発光体を発光させることによる通知と、を併用してもよい。この場合、制御部221は、たとえば、優先度が高い場合は、通知音を出力することによる通知と発光体を発光させることによる通知とを併用し、優先度が低い場合は、通知音の出力または発光体の発光のいずれかによる通知をおこなう。あるいは、この場合、制御部221は、優先度にかかわらず、通知音を出力することによる通知と発光体を発光させることによる通知とをおこない、優先度に応じて、出力する通知音の種類と発光体の発光パターンとをそれぞれ異ならせることによって通知をおこなってもよい。
【0053】
このようなキッチンシステム200において、プリンタ210は、店員による注文の入力を受け付けたハンディターミナル230から、当該注文内容にしたがったプリント要求を受信すると、当該プリント要求に基づく記録動作をおこなってキッチン伝票を発行するとともに、注文内容に応じたドロワインターフェース214から、通知装置100に対してドロワキック信号を出力する。通知装置100は、ドロワキック信号を取得すると、取得したドロワキック信号の種類に応じた通知態様で通知をおこなう。
【0054】
一般的に、キッチンシステム200は、複数のハンディターミナル230を備えて構成されている。このため、先に取得されたドロワキック信号にかかる通知音の出力中に、別のドロワキック信号を取得する場合がある。このような場合、別のドロワキック信号、すなわち、後に取得されたドロワキック信号を無視して、先に取得されたドロワキック信号にかかる通知を継続すると、後に取得されたドロワキック信号にかかる注文が急ぎの注文であっても、厨房にいる者はその旨を知ることができない。この結果、顧客に対して迅速な対応をすることができず、顧客の要望を満足させることができない。
【0055】
一方、先に取得されたドロワキック信号にかかる通知音の出力中に、別のドロワキック信号を取得した場合に、常に、後に取得されたドロワキック信号を優先して、先に取得されたドロワキック信号にかかる通知を一様に中断して、後に取得されたドロワキック信号にかかる通知をおこなうと、先に取得されたドロワキック信号にかかる通知が十分におこなわれない状態で後に取得されたドロワキック信号にかかる通知がおこなわれてしまうことが想定される。この結果、厨房にいる者は調理の順序を適正に組むことができず、調理を効率的におこなうことができないため、料理の提供が全体的に遅延し、顧客に満足感を与えられなくなってしまう。
【0056】
これに対し、通知装置100における制御部221は、プリンタインターフェース103を介して取得したドロワキック信号の優先度に基づいて、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも高い場合、通知音出力部223を制御することによって、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知を中断し、後のドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知をおこなう。
【0057】
具体的に、ドロワキック信号Bに基づく通知音の出力中にドロワキック信号Aを取得した場合、ドロワキック信号Bに基づく通知音の出力を中断し、ドロワキック信号Aに基づく通知音を出力する。これにより、通知装置の周辺の者に対して、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0058】
また、通知装置100における制御部221は、プリンタインターフェース103を介して取得したドロワキック信号の優先度に基づいて、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも低いまたは当該優先度と同一である場合、後のドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知をおこなわず、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知を継続させる。
【0059】
具体的に、ドロワキック信号Aに基づく通知音の出力中にドロワキック信号Aまたはドロワキック信号Bを取得した場合、先に取得されたドロワキック信号Aに基づく通知音の出力を継続しておこなう。これにより、通知装置100の周辺の者に対して、優先度が高い通知がある場合のみ、他の通知と区別して通知することができ、後に信号が取得された時点における通知装置100の状態にかかわらず、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0060】
(通知装置の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の通知装置100の処理手順について説明する。図3は、通知装置100の処理手順を示す説明図である。図3のフローチャートにおいて、通知装置100は、まず、プリンタ210から出力されるドロワキック信号を取得するまで待機する(ステップS301:No)。
【0061】
ステップS301において、プリンタ210から出力されたドロワキック信号を取得した場合(ステップS301:Yes)、当該ドロワキック信号を取得した時点において通知音の出力中であるか否かを判断する(ステップS302)。ステップS302において、ステップS301においてドロワキック信号を取得した時点において通知音の出力中ではない場合(ステップS302:No)、ステップS305へ移行する。
【0062】
一方、ステップS302において、ステップS301:Yesにおいてドロワキック信号を取得した時点において通知音の出力中である場合(ステップS302:Yes)、後に取得したドロワキック信号の優先度(後の優先度)が、先に取得したドロワキック信号の優先度(先の優先度)よりも高いか否かを判断する(ステップS303)。すなわち、ステップS303においては、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも高いか否かを判断する。
【0063】
ステップS303においては、たとえば、ステップS301:Yesにおいてドロワキック信号を取得するごとに、取得したドロワキック信号の優先度に関する情報を所定のメモリに記憶しておき、さらにあらたにドロワキック信号を取得した場合は、取得したあらたなドロワキック信号にかかる優先度と、メモリに記憶されている優先度とを比較する。これにより、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度と、後に取得されたドロワキック信号にかかる優先度と、のいずれの優先度が高いかを判断することができる。
【0064】
ステップS303において、後の優先度が先の優先度よりも低い、あるいは、後の優先度が先の優先度と同一である場合(ステップS303:No)、すなわち、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも低いあるいは同一である場合、一連の処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS303において、後の優先度が先の優先度よりも高い場合(ステップS303:Yes)、すなわち、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも高い場合、先に取得された信号にかかる優先度に応じた通知音(先の通知音)の出力を中断し(ステップS304)、ステップS305へ移行する。
【0066】
ステップS305においては、所定のメモリに、ステップS301:Yesにおいて取得したドロワキック信号の優先度に関する情報を記憶する(ステップS305)。取得したドロワキック信号の優先度に関する情報を記憶しておくことにより、当該ドロワキック信号を取得した時点において通知音の出力中であったか否かにかかわらず、以降、通知音の出力中に、後のドロワキック信号を受信した場合にも、先のドロワキック信号にかかる優先度と後のドロワキック信号にかかる優先度とを比較して、優先度の高い信号にかかる通知音を出力することができる。その後、後の信号にかかる優先度に応じた通知音(後の通知音)を出力して(ステップS306)、一連の処理を終了する。
【0067】
図3のフローチャートに示した処理により、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に取得した後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも高い場合は、後のドロワキック信号を受信した時点において出力中であった通知音の出力に代えて、後のドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音が出力される。具体的に、ドロワキック信号Bに基づく通知音の出力中にドロワキック信号Aを取得した場合、ドロワキック信号Bに基づく通知音の出力が中断され、ドロワキック信号Aに基づく通知音が出力される。
【0068】
また、図3のフローチャートに示した処理により、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に後のドロワキック信号を取得した場合にも、取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも低いあるいは同一である場合は、後のドロワキック信号を受信した時点において出力中であった通知音の出力が継続される。具体的に、ドロワキック信号Aに基づく通知音の出力中にドロワキック信号Aまたはドロワキック信号Bを取得した場合、先に取得されたドロワキック信号Aに基づく通知音の出力が継続しておこなわれる。
【0069】
上述した実施の形態においては、プリンタ210と通知装置100とを別体で設け、通知装置100が備えるコネクタに、プリンタ210のドロワインターフェース214に接続されたケーブルの先端に設けられたコネクタを嵌合させることによってプリンタ210と通知装置100とを接続するようにしたが、プリンタ210と通知装置100とは別体であるものに限らず、一体に設けられていてもよい。この場合、プリンタ210の制御部212と通知装置100の制御部221とは、それぞれ独立したマイクロコンピュータによって実現してもよく、一つのマイクロコンピュータによって実現してもよい。
【0070】
また、上述した実施の形態においては、ドロワキック信号を出力するドロワインターフェース(第1のドロワインターフェースおよび第2のドロワインターフェース)214の違いによって、ドロワキック信号の種類(ドロワキック信号Aおよびドロワキック信号B)すなわち通知の優先度を特定するようにしたが、通知の優先度の特定方法はこれに限らない。ドロワキック信号を出力するドロワインターフェース214の違いによって通知の優先度を特定することに代えて、たとえば、ドロワキック信号自体の種類の違いに基づいて通知の優先度を特定するようにしてもよい。
【0071】
具体的には、ドロワインターフェース214を介して出力されるパルス電流の波形を異ならせ、制御部221においてパルス電流の波形の違いを特定することによって通知の優先度を特定するようにしてもよい。これにより、1つのドロワインターフェース214を備えたプリンタ210においても、複数種類のドロワキック信号を出力することができ、当該プリンタ210から出力されるドロワキック信号に応じて通知の優先度を特定することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態においては、キッチンシステム200に用いられる通知装置100およびプリンタ210への適用例を示したが、この発明にかかる通知装置やプリンタは、キッチンシステム200に用いられる通知装置100およびプリンタ210に限るものではない。この発明にかかるプリンタは、たとえば、銀行や病院などにおいて順番待ちをする利用者に対して、受け付け番号や対応の順序を案内する券を発券する発券機に適用することができる。
【0073】
具体的には、銀行に設置された発券機によってこの発明にかかる通知装置やプリンタを実現する場合、「入出金」、「口座開設」などの項目ごとに発券ボタンを設けておき、操作された発券ボタンごとに異なる信号を通知装置に対して出力する。そして、この発明にかかる通知装置において、発券機から出力された信号の種類ごとに優先度を記憶しておくことにより、発券機から出力された信号を取得するごとに、優先度に応じた通知をおこなうことができる。
【0074】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の通知装置100は、複数種類の信号を出力する所定の外部装置であるプリンタ210から出力されたドロワキック信号を取得し、取得されたドロワキック信号の種類に基づいて、当該ドロワキック信号の種類ごとに設定された優先度を特定し、出力可能な複数種類の通知音のうち特定された優先度に応じた通知音を出力するようにしたことを特徴としている。
【0075】
この発明にかかる実施の形態の通知装置100によれば、特定された優先度に基づいて、優先度に応じた通知をおこなうことができる。これにより、通知装置100の周辺の者に対して、通知内容の優先度を通知することができ、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0076】
このように、通知があることを知らせるとともに、通知内容の優先度を知らせることにより、通知を受けた者は、手持ちの業務および通知によって知らされたあらたな業務の処理順序などを適宜調整することができる。これにより、業務の効率化を図ることができる。また、業務の効率化を図ることにより、通知にかかる業務の提供を受ける者に対して迅速な対応をおこなうことができる。
【0077】
また、この発明にかかる実施の形態の通知装置100は、特定された優先度に基づいて、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも高い場合、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力を中断し、後に取得されたドロワキック信号(後のドロワキック信号)にかかる優先度に応じた通知音を出力するようにしたことを特徴としている。
【0078】
この発明にかかる実施の形態の通知装置100によれば、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中であっても、後に取得されたドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得された信号にかかる優先度よりも高い場合、後に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音を出力することができる。これにより、通知装置100の周辺の者に対して、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0079】
また、この発明にかかる実施の形態の通知装置100は、特定された優先度に基づいて、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中に取得された後のドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも低いまたは当該優先度と同一である場合、後のドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力をおこなわず、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力を継続させることを特徴としている。
【0080】
この発明にかかる実施の形態の通知装置100によれば、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度に応じた通知音の出力中取得された、後に取得されたドロワキック信号にかかる優先度が、先に取得されたドロワキック信号にかかる優先度よりも低いまたは当該優先度と同一である場合、出力中の通知音の出力を継続させることができる。これにより、通知装置100の周辺の者に対して、優先度が高い通知がある場合のみ、他の通知と区別して通知することができ、後に信号が取得された時点における通知装置100の状態にかかわらず、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0081】
また、この発明にかかる実施の形態の通知装置100は、プリンタ210が備える複数のポートのそれぞれから出力される信号を取得し、プリンタ210が信号を出力したポートを特定することによって優先度を特定することを特徴としている。
【0082】
この発明にかかる実施の形態の通知装置100によれば、プリンタ210において信号が出力されたポートを特定するだけ、すなわち、通知装置100におけるいずれのポートを介して取得された信号であるかを判断するだけで、当該信号にかかる優先度を特定することができる。これにより、通知装置100において、取得された信号にかかる優先度を特定するための格別な処理負担をかけることなく、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0083】
また、この発明にかかる実施の形態の通知装置100は、外部装置であるプリンタ210が出力するパターンの異なる信号を取得し、プリンタ210が出力した信号のパターンを特定することによって優先度を特定することを特徴としてもよい。
【0084】
このような通知装置100によれば、プリンタ210において同一のポートから信号が出力される場合にも、取得された信号にかかる優先度を特定することができる。これにより、通知装置100において、取得された信号の優先度を特定するための格別な処理負担をかけることなく、優先度が高い通知があることを確実に通知することができる。
【0085】
また、この発明にかかる実施の形態の通知装置100は、記録媒体に対する記録動作をおこなうプリンタ210から出力される、当該プリンタ210に接続されるドロワの開放を指示する信号であるドロワキック信号を取得することを特徴としている。
【0086】
この発明にかかる実施の形態の通知装置100によれば、ドロワの開放制御に用いるドロワキック信号を利用して、プリンタ210における記録動作と連動して通知音を出力することができる。これにより、音声を聞いた者に対して、プリンタ210による記録内容の優先度を報知することができる。
【0087】
このプリンタ210を、たとえば、厨房に配置されて携帯型の端末装置に入力された注文内容に応じた飲食物の支度に用いる、いわゆるキッチンプリンタ210として使用する場合、支度を急ぐ注文を受け付けたことを、当該プリンタ210によって注文内容をプリントする際にあわせて報知することができる。また、このプリンタ210を、キッチンプリンタ210として使用する場合、プリントする注文内容の優先度に応じた音声を出力することによって、注文を受け付けたこと自体を、当該プリンタ210によって注文内容をプリントする際にあわせて報知することができる。
【0088】
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ210は、記録媒体に対する記録動作をおこなう際にドロワキック信号を出力し、当該ドロワキック信号に基づいて優先度を特定し、特定された優先度に応じた通知音を出力するようにしたことを特徴としている。
【0089】
この発明にかかる実施の形態のプリンタ210によれば、ドロワの開放制御に用いるドロワキック信号を利用して、プリンタ210における記録内容の優先度に応じた通知音出力することができる。これにより、プリンタ210による記録内容を目視させる前に、当該プリンタ210による記録内容の優先度を通知することができる。
【0090】
このプリンタ210を、上述した実施の形態のように、厨房に配置されて、ハンディターミナル230に入力された注文内容に応じた飲食物の支度のためのキッチン伝票を発行する、いわゆるキッチンプリンタとして使用する場合、注文を受け付けたことを、当該プリンタ210によって注文内容をプリントする際にあわせて通知することができる。また、このプリンタ210を、キッチンプリンタとして使用することにより、支度を急ぐ注文を受け付けたことを、当該プリンタ210によって注文内容をプリントする際に、通知音により通知することができる。
【0091】
これにより、厨房において、通知がおこなわれる都度、キッチン伝票を目視により確認させることなく、通知音によって、注文を受け付けたこと、および、当該注文が支度を急ぐ注文であるかどうかを通知することができる。そして、これにより、厨房にいる従業員は、急いで支度する必要がある料理を優先して調理をおこなうなどの対応をとることができ、業務を効率化することができる。また、これにより、迅速な料理の提供が要求される顧客を待たせることなく注文に対応することができ、顧客の満足度を高めることができる。
【0092】
また、この発明にかかる実施の形態のプリンタ210および通知装置100によれば、厨房の従業員は、プリンタ210によって発行したキッチン伝票を目視することによる優先度の判断と、通知音の種類を聞き分けることによる優先度の判断と、を当該従業員の状況に応じて適宜選択することができる。これにより、従業員は、視覚による判断と、聴覚による判断と、あるいは、視覚および聴覚を併用した判断を、状況に応じて適宜おこなうことができ、一層の業務効率化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、この発明にかかる通知装置およびプリンタは、プリンタにおける記録内容に応じた通知をおこなう通知装置およびプリンタに有用であり、特に、プリンタにおける記録内容の優先度に応じた通知をおこなう通知装置およびプリンタに適している。
【符号の説明】
【0094】
100 通知装置
103 プリンタインターフェース
200 キッチンシステム
210 プリンタ
211 記録部
212 制御部
213 通信部
214 ドロワインターフェース
221 制御部
223 通知音出力部
230 ハンディターミナル
図1
図2
図3