(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6749240
(24)【登録日】2020年8月13日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】反射側壁を有する発光デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20200824BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20200824BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20200824BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200824BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/50
F21V7/00 510
F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-544867(P2016-544867)
(86)(22)【出願日】2015年1月2日
(65)【公表番号】特表2017-504206(P2017-504206A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】IB2015050025
(87)【国際公開番号】WO2015104648
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2017年12月28日
(31)【優先権主張番号】61/925,328
(32)【優先日】2014年1月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】シュリッカー,エイプリル ドーン
(72)【発明者】
【氏名】マイ,キム ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】モラン,ブレンダン ジュード
【審査官】
高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−192629(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/143114(WO,A1)
【文献】
特開2013−251417(JP,A)
【文献】
特開2013−069765(JP,A)
【文献】
特表2013−534733(JP,A)
【文献】
特開2007−019096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、発光層を有する半導体構造と、を有する発光デバイスと、
前記発光デバイスを横方向で取り囲むように、前記基板及び前記半導体構造の側面に接触し且つ従う第1の反射層と、
前記発光デバイスの上に配設された波長変換素子であり、頂面及び側壁を有する波長変換素子と、
前記波長変換素子の少なくとも1つの側壁に隣接して配設されるが、前記波長変換素子のその他の側壁及び前記頂面を覆って配設されない第2の反射層であり、光の大部分が前記波長変換素子の前記頂面を出て行き、且つ当該第2の反射層に突き当たる光の大部分が前記波長変換素子へと反射され返すようにされている、第2の反射層と、
を有するデバイス。
【請求項2】
前記第1の反射層の頂面は前記基板の頂面よりも高くない、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記波長変換素子は、前記発光デバイスとは別個に形成されて、接着剤によって前記発光デバイスに取り付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2の反射層は、前記少なくとも1つの側壁に向けて放たれた光の大部分が前記波長変換素子内に反射され、且つ前記波長変換素子の前記その他の側壁に向けて放たれた光の大部分が前記波長変換素子から取り出されるように配設されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の反射層は、少なくとも95%反射する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の反射層は、透明な成形コンパウンド内に配された反射粒子を有し、且つ
前記第1の反射層は、前記発光デバイスを覆って成形される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第2の反射層は、前記波長変換素子の単一の側壁のみに隣接して配設されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2の反射層は、少なくとも95%反射する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
発光デバイスをマウントに取り付け、
前記発光デバイスを横方向で取り囲むように、前記発光デバイスの側面に接触し且つ従って第1の反射層を形成し、
前記発光デバイスの上に波長変換素子を配設し、当該波長変換素子は頂面及び側壁を有し、且つ
前記波長変換素子の少なくとも1つの側壁に隣接させるが、前記波長変換素子のその他の側壁及び前記頂面は覆わずに、第2の反射層を形成し、光の大部分が前記波長変換素子の前記頂面を出て行き、且つ当該第2の反射層に突き当たる光の大部分が前記波長変換素子へと反射され返すようにする、
ことを有する方法。
【請求項10】
前記第2の反射層を形成することは、前記第1の反射層を形成することの後に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の反射層を形成することは成形することを有し、前記第2の反射層を形成することは噴き付けることを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の反射層を形成することは、前記第2の反射層を形成することとは異なる技術によって前記第1の反射層を形成することを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記発光デバイスの上に前記波長変換素子を配設することは、プリフォームされた波長変換素子を前記発光デバイスの頂面に接着することを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の反射層は、少なくとも95%反射するものである、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射側壁を有する発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在利用可能な最も効率的な光源の中に、発光ダイオード(LED)、共振器型(resonant cavity)発光ダイオード(RCLED)、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)及び端面発光レーザを含む半導体発光デバイスがある。可視スペクトルで動作可能な高輝度発光デバイスの製造において現在関心ある材料系は、III−V族半導体、特に、III族窒化物材料とも呼ばれる、ガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の二元、三元、及び四元合金を含む。典型的に、III族窒化物発光デバイスは、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシー(MBE)又はその他のエピタキシャル技術により、サファイア、炭化シリコン、III族窒化物若しくは複合材の基板、又はその他の好適な基板の上に、異なる組成及びドーパント濃度の複数の半導体層のスタック(積層体)をエピタキシャル成長することによって製造される。スタックは、しばしば、基板上に形成された、例えばSiでドープされた1つ以上のn型層と、該1つ以上のn型層上に形成された活性領域内の1つ以上の発光層と、活性領域上に形成された、例えばMgでドープされた1つ以上のp型層とを含んでいる。これらn型領域及びp型領域の上に、電気コンタクトが形成される。
【0003】
光の大部分がデバイスの頂面を通じて取り出されるLEDは、光が側面から漏れ出ることを防止するために、デバイスの側面の周りに反射材料を成形することによって形成されることがある。特許文献1(US2011/0018017A)に更に詳細に記述されている成形を
図1に示す。
図1は、サブマウントウエハ360と、サブマウントに取り付けられたLED100とを例示している。個片化のためにウエハ360が後にソーイングあるいは破断されることになるところで、ウエハ360上に線が引かれている。
【0004】
チェイスとしても知られる金型400が窪み(インデンテーション)420を有しており、窪み420は好ましくは、各窪み430の平坦な底面に対してLEDの頂面が接触する又は非常に接近することを確保するように浅いものである。窪み420はLED100よりも僅かに幅広であり、その差が、LED100の側面を覆う成形材料の厚さとなる。粘性のあるシリコーンとTiO
2との混合物440が、窪み420を充たすとともに窪み420同士の間に薄い層を作り出すように、金型400の上に正確にディスペンスされる。LED100が混合物440内に浸漬されるように、サブマウントウエハ360と金型400とが圧力下でくっつけられる。LED100の頂部が窪み420の底とちょうど接触するとき、圧力が維持されて、例えば加熱によってシリコーンがキュアされる。その後、ウエハ360と金型400とが離され、硬くなったシリコーン/TiO
2440が、加熱又はUVによって更にキュアされ得る。そして、ソーイング又は破断によって、サブマウントウエハ360が線に沿って個片化される。
【0005】
LED100の側面を覆う比較的厚いシリコーン/TiO
2の層が、LED側方光の実質的に全て(例えば、少なくとも75%)を反射する。シリコーン/TiO
2側壁での反射後、反射された光の一部が、LED100の頂面(
図1に示した向きでは、LED100の頂面は下を向いている)を通じて最終的に出て行くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0018017号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の1つの目的は、反射材料の配置に融通の利く反射側壁を有する発光デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、基板と、発光層を含む半導体構造と、を含んだ発光デバイスを含む。上記発光デバイスを第1の反射層が取り囲んでいる。上記発光デバイスの上に波長変換素子が配設されている。上記波長変換素子の第1の側壁に隣接して、第2の反射層が配設されている。
【0009】
本発明の実施形態に従った一方法は、発光デバイスをマウントに取り付けることを含む。上記発光デバイスの側壁に隣接して、第1の反射層が形成される。上記発光デバイスの上に波長変換素子が配設される。上記波長変換素子の側壁に隣接して、第2の反射層が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】LEDを覆って反射材料を成形することを例示している。
【
図4】
図3のヘッドランプ内のLEDの断面図である。
【
図5】
図3のヘッドランプ内のLEDの断面図である。
【
図6】マウントに取り付けられたLEDを例示している。
【
図7】LEDを覆って反射層を形成した後の
図6の構造を例示している。
【
図8】LEDの頂部上の反射材料を除去した後の
図7の構造を例示している。
【
図9】LEDの上に波長変換層を配設した後の
図8の構造を例示している。
【
図10】波長変換層の側面を覆って更なる反射層を形成した後の
図9の構造を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態においては、発光デバイスを覆って反射材料が成形され、発光デバイスの上に波長変換素子が配設され、次いで、波長変換素子の少なくとも一部を覆って、更なる反射層が形成される。本発明の実施形態は、反射材料の位置における融通性を提供する。これは、
図1に例示した方法では得ることのできないものである。
【0012】
図3は、自動車用のヘッドランプの一例を示している。ヘッドランプ30は、5つの光源34を含んでいる。光源34は、ロービームのヘッドライトとして且つ/或いは日中走行用ライトとして用いられることが多いが、光源34は適切な如何なる用途で用いられてもよい。光源34は、本発明の実施形態において、波長変換式のIII族窒化物LEDである。光源34は基板31上に配置されている。基板上のボンドパッド32が、光源34への電気接続を形成するために使用される。光源34は、基板31の内部又は表面上に形成された配線又は導電ビア(
図3に示されず)を介して、ボンドパッド32に電気的に接続され得る。
【0013】
ここに記載される例では、半導体発光デバイスは、青色光又はUV光を発するIII族窒化物LEDであるが、例えばレーザダイオードなどの、LED以外の半導体発光デバイスや、例えばその他のIII−V族材料、III族リン化物、III族ヒ化物、II−VI族材料、ZnO、又はSi系材料などの、その他の材料系からなる半導体発光デバイスが使用されてもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施形態で使用され得るIII族窒化物LED1を例示している。如何なる好適な半導体発光デバイスが使用されてもよく、本発明の実施形態は、
図2に例示されるデバイスに限定されない。
図2のデバイスは、技術的に知られているように、成長基板10上にIII族窒化物半導体構造を成長させることによって形成される。成長基板は、サファイアであることが多いが、例えばSiC、Si、GaN又は複合基板など、如何なる好適基板であってもよい。III族窒化物半導体構造が上に成長される成長基板の表面は、成長前にパターン加工、粗面加工、又はテクスチャ加工されてもよく、そうすることはデバイスからの光取り出しを向上させ得る。成長表面とは反対側の成長基板の表面(すなわち、フリップチップ構成において光の大部分がそれを通して取り出される表面)は、成長の前又は後にパターン加工、粗面加工、又はテクスチャ加工されてもよく、そうすることはデバイスからの光取り出しを向上させ得る。
【0015】
半導体構造は、n型領域とp型領域との間に挟まれた発光領域又は活性領域を含む。先ずn型領域16が成長され得る。n型領域16は、異なる組成及びドーパント濃度の複数の層を含み得る。該複数の層は、例えば、n型あるいは意図的にはドープされないものとし得るバッファ層若しくは核生成層などのプリパレーション層及び/又は成長基板の除去を容易にするように設計される層と、発光領域が効率的に発光するのに望ましい特定の光学特性、材料特性若しくは電気特性に合わせて設計されるn型、若しくはp型であってもよい、デバイス層とを含み得る。n型領域の上に、発光領域又は活性領域18が成長される。好適な発光領域の例は、単一の厚い若しくは薄い発光層、又はバリア層によって分離された複数の薄い若しくは厚い発光層を含んだマルチ量子井戸発光領域を含む。次いで、発光領域の上に、p型領域20が成長され得る。n型領域と同様に、p型領域は、異なる組成、厚さ及びドーパント濃度の複数の層を含むことができ、該複数の層は、意図的にはドープされていない層又はn型層を含んでいてもよい。
【0016】
成長後、p型領域の表面上にpコンタクトが形成される。pコンタクト21は、しばしば、例えば反射メタル及びガードメタルなどの複数の導電層を含む。ガードメタルは、反射メタルのエレクトロマイグレーションを防止あるいは抑制し得る。反射メタルは銀であることが多いが、如何なる好適な1つ以上の材料が使用されてもよい。pコンタクト21を形成した後、nコンタクト22が上に形成されるn型領域16の部分を露出させるよう、pコンタクト21、p型領域20及び活性領域18の一部が除去される。nコンタクト22とpコンタクト21は、例えばシリコンの酸化物又はその他の好適材料などの誘電体24で充填され得る間隙25によって、互いに電気的に分離(アイソレート)される。複数のnコンタクトビアが形成されてもよく、nコンタクト22及びpコンタクト21は、
図2に例示される構成に限定されない。n及びpコンタクトは、技術的に知られているように、誘電体/金属スタックを有するボンドパッドを形成するように再分配されてもよい。
【0017】
LED1への電気接続を形成するため、1つ以上のインターコネクト26及び28が、nコンタクト22及びpコンタクト21の上に形成され、あるいはそれらに電気的に接続される。
図2では、インターコネクト26がnコンタクト22に電気的に接続されている。インターコネクト28がpコンタクト21に電気的に接続されている。インターコネクト26及び28は、誘電体層24及び間隙27によって、n及びpコンタクト22及び21から電気的に分離されるとともに互いから電気的に分離される。インターコネクト26及び28は、例えば、はんだ、スタッドバンプ、金層、又はその他の好適構造とし得る。
【0018】
多数の個々のLEDが、単一のウエハ上に形成され、その後、デバイスのウエハからダイシングされる。以降の図においては、基板10を除いて、半導体構造、nコンタクト22及びpコンタクト21、並びにインターコネクト26及び28は、ブロック12によって表される。
【0019】
図3に戻るに、LED34は、ヘッドランプの頂部36に置かれており、故に、ドライバー(運転者)に対して最も近い光源である。従って、眩しい光(グレア)がドライバーの目に入ることを起こさせないようにするため、頂部36に近い側のLED34のエッジを避けるように光を導くことが望ましい。ヘッドランプ30の頂部36を避けて光を導くようにリフレクタ層が形成される。
図4は、
図3に示した軸
40に沿って取られたLED34の断面を例示している。
図5は、
図3に示した軸
38に沿って取られたLED34の断面を例示している。
【0020】
図4及び5において、
図2に示したデバイス又はその他の好適デバイスとし得るLED1が、マウント42Aに電気的且つ物理的に接続されている。LED1は、基板10を通して光が取り出されるように、半導体構造及びコンタクトを下にしてマウント42Aに取り付けられる。LED1の4つの側壁に隣接して反射材料44が形成される。反射材料44は、例えば、シリコーン又はシリコーン成形コンパウンドなどの透明材料内に置かれた、TiO
2などの反射粒子とし得る。反射材料44は、LED1の基板10の頂部まで延在している。反射材料44は、一部の実施形態において少なくとも90%反射するものであり、一部の実施形態において少なくとも95%反射するものである。
【0021】
LED1の基板10の上に波長変換層46が配設される。波長変換層46は、後述するように、接着することによって基板10に取り付けられ得る。一部の実施形態において、反射材料44のクラック形成又はその他の信頼性問題を引き起こし得るものである反射材料44と接着剤との相互作用を抑制あるいは排除するために、反射材料44の頂面は基板10の頂面よりも下にある。
【0022】
図5に例示するように、波長変換層46の側面を覆って、更なる反射材料48が配設される。更なる反射材料48は、波長変換層46の少なくとも1つの側面から放射される光の量を減らし得る。更なる反射材料48は、ドライバーに見えるグレアを抑制するために、ヘッドランプ30の頂部36に隣接して位置付けられ得る。更なる反射材料48は、ヘッドランプ30の頂部に近接しない波長変換層のその他の側壁上には形成されない。更なる反射材料48は、一部の実施形態において少なくとも90%反射するものであり、一部の実施形態において少なくとも95%反射するものである。他の例では、更なる反射材料48は反射材料44の一部とし得る。例えば、反射材料44が、基板10よりも高く形成され、その後に選択的に除去され得る。
【0023】
図4及び5に例示したLEDは、以下に
図6、7、8、9、及び10に例示するプロセスによって形成され得る。2つのLEDのみを示すが、多数のLEDが、又は一部のケースでは単一のLEDのみが、単一のマウントウエハ42上でまとめて処理され得る。
【0024】
図6にて、LED1A、1Bが、タイル又はマウントウエハ42に取り付けられる。(
図6−10では、マウントのウエハを単一の連続構造として示している。
図6−10に例示する処理の後に、
図10に例示するように各々が単一のLEDに対応する個々のマウント42A、42Bへと、ウエハが例えばダイシングされる。)マウントウエハ42は、例えば、シリコン、金属、セラミック、又はその他の好適材料とし得る。マウントウエハ42は、集積された回路を含んでいてもよい。LED1は、マウントウエハ42に、金スタッドバンプ、金レイヤ、はんだ、サーモソニックボンディング、超音波ボンディング、又はその他の好適な方法若しくは材料によって取り付けられ得る。一部の実施形態において、LED1A、1Bは、マウントウエハ42の頂面に配置された金属コンタクトパッドに取り付けられる。これらのコンタクトパッドは、例えば、マウントの中及び/又は表面上に形成された配線によって、マウントウエハ42の底面の金属コンタクトパッドに接続される。これらの底面コンタクトパッドを用いて、LED1A、1Bを、
図3のヘッドランプ30内の光
源34を支持する例えばPCボード又はその他の基板などの好適な構造体に接続し得る。マウント上の頂面及び底面のコンタクトは、技術的に知られており、
図6には示していない。
【0025】
一部の実施形態において、LED1とマウントウエハ42との間にアンダーフィルが注入される。アンダーフィルは、LED1を支持し、且つ/或いはLED1を汚染に対して封止し得る。余分なアンダーフィルは、例えばマイクロビーズブラスティングなどの好適技術によって除去され得る。アンダーフィルの使用及び除去は技術的に知られている。
【0026】
図7にて、LED1A、1Bを覆って反射材料44が成形される。例えば、上にLED1A、1Bがマウントされたマウントウエハ42の上に、金型が配置され得る。必ずしも必要ではないが、金型は、LED1A、1Bの形状に対応する窪み(インデンテーション)を含み得る。マトリクス材(シリコーン、エポキシ又はガラスであることが多いが、如何なる好適材料が使用されてもよい)と反射粒子(TiO
2であることが多いが、如何なる好適材料が使用されてもよい)との粘性混合物である成形コンパウンドが、金型を充たして金型上に配される。LED1A、1Bが
成形コンパウンド内に浸漬されるように、マウントウエハ42及びLED1A、1Bと、金型とが圧力下でくっつけられる。金型とマウントウエハとの間に真空が作り出されてもよい。成形コンパウンドが例えば加熱によってキュアされる。その後、マウントウエハと金型とが離される。硬くなった成形コンパウンドが、例えば加熱又は紫外線放射への曝露によって更にキュアされ得る。キュア後、成形コンパウンドは、概して反射性であり、白色で不透明である。
【0027】
以上の記載では、透明材料は、成形される熱硬化性成形コンパウンドであるが、反射粒子を支持し且つLED1A、1Bの周りに置かれることが可能な如何なる材料が使用されてもよい。一部の実施形態において、成形コンパウンドではなく、ゾルゲル材料が使用される。そのような実施形態においては、反射粒子とゾルゲル液との混合物がLED1A、1Bを覆ってディスペンスされ、次いで、ゾルゲル液から水が蒸発されることで、本質的にガラスであるケイ酸塩の網であって、このケイ酸塩の網の中に反射粒子が埋め込まれたものが残り得る。
【0028】
一部の実施形態において、例えば透明材料及び/又は反射粒子よりも高い熱伝導率を有するといった、高い熱伝導率を有する材料が、上記混合物に付加され得る。例えば、高い熱伝導率を有する材料は、およそ0.1−0.2W/mKの熱伝導率を有し得るものである一般的なシリコーン材料のそれよりも高い熱伝導率を有し得る。
【0029】
図7では、LED1A、1Bの頂面を覆って反射材料50が配設され得る。
図8にて、LEDの上の反射材料50が除去される。この余分な反射材料50は、湿式ビーズブラスティング又はその他の好適技術によって除去され得る。余分な反射材料を除去した後、反射材料44の頂面は、
図8に例示するようにLED1A、1Bの頂面と同じ高さにあり得るが、これは必ずしも必要とされず、反射材料44の頂面はLED1A、1Bの頂面よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0030】
図9にて、LED1A、1Bの上に波長変換素子46が配設される。波長変換素子は、一部の実施形態において、接着剤45の層によってLED1A、1Bに取り付けられるプリフォームされた素子とし得る。接着剤45はシリコーンであることが多いが、如何なる好適材料が使用されてもよい。プリフォームされた波長変換素子46の例は、粉末蛍光体がセラミックシートへと焼結若しくはその他方法で形成され、その後に単一のLEDのサイズのプレートレットへと個片化されたもの、又は、例えばシリコーン又はガラスなどの透明材料内に配された粉末蛍光体が、シートへとロール、キャスト、若しくはその他の方法で形成され、その後に個々のプレートレットへと個片化されたものを含む。波長変換素子46は、一部の実施形態において、プリフォームされた素子である必要はなく、ラミネーション、成形、スプレイコーティング、スピンコーティング、又はスクリーン印刷を含む何らかの好適技術によって形成されてもよい。
【0031】
波長変換素子46は、例えばコンベンショナルな蛍光体、有機蛍光体、量子ドット、有機半導体、II−VI族若しくはIII−V族半導体、II−VI族若しくはIII−V族半導体量子ドット若しくはナノ結晶、染料、ポリマー、又は発光するその他の材料とし得る波長変換材料を含んでいる。波長変換材料は、LEDによって発せられた光を吸収して、1つ以上の異なる波長の光を発する。LEDによって発せられた未変換の光が、この構造から取り出される光の最終的なスペクトルの一部をなすことが多いが、必ずしもそうである必要はない。一般的な組み合わせの例は、黄色発光の波長変換材料と組み合わされた青色発光のLED、緑色発光及び赤色発光の波長変換材料と組み合わされた青色発光のLED、青色発光及び黄色発光の波長変換材料と組み合わされたUV発光のLED、並びに青色発光、緑色発光及び赤色発光の波長変換材料と組み合わされたUV発光のLEDを含む。構造から発せられる光のスペクトルを調整するために、他の色の光を発する波長変換材料が追加されてもよい。
【0032】
図9に例示するように、波長変換素子46の頂面は、しばしば、反射材料44の頂面よりも高い。一部の実施形態において、反射材料44は、波長変換素子46の側壁の如何なる部分も覆わない。
【0033】
図10にて、LED1A、1Bの波長変換素子46の少なくとも1つの側面上に、更なる反射材料48が配設される。
図3に例示したヘッドランプにおいて、LED34(これらは例えば、個片化されたLED1A、1Bである)は、ヘッドランプの頂部36の方を向いた当該LED34の1つの側面上に、追加量の反射材料48を配設されている。その他の用途では、更なる反射材料48がLED1A、1Bの2つ以上の側面に配設され得る。
【0034】
更なる反射材料48は、例えば、シリコーンなどの透明材料内に配されたTiO
2粒子などの反射材料とし得る。如何なる好適な反射材料及び透明材料が使用されてもよい。更なる反射材料48は、例えば、波長変換素子46の側壁を覆ってジェットディスペンスし(噴き付け)、次いで、例えば加熱又はその他の好適技術によって更なる反射材料48を硬化させるなど、如何なる好適技術によって形成されてもよい。一部の実施形態において、更なる反射材料48及び反射層44は、相異なる技術によって形成される。更なる反射材料48は、反射層44と同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0035】
他の例では、更なる反射材料48は反射層44の一部とし得る。更なる反射材料48がLED1A、1Bの1つの側面にもっと残るように、
図8に示したような除去が、マスキング工程を介するものにされ得る。
【0036】
図10に例示するデバイスにおいて、更なる反射材料48は、波長変換素子46の側壁56に向けて放たれた光の大部分が波長変換素子へと反射され返される一方で、波長変換素子46の側壁54に向けて放たれた光の大部分が波長変換素子から取り出されるように配置されている。更なる反射材料48は、波長変換素子46の単一の表面に限られる必要はなく、LED1A、1Bが使用される用途に適した何れの表面にも形成され得る。
【0037】
その後、個々のLED1A、1B又はLED1A、1Bのグループが、例えば領域52においてマウントウエハ42及び反射材料44を切断することによって、ウエハから分離され得る。
【0038】
そして、LED1A、1Bは、
図3のヘッドランプ30又はその他の好適装置に組み込まれる準備が整う。なお、
図6、7、8、9、及び10は、
図3、4、及び5に例示したデバイス34を製造することを例示するものである。従って、デバイス上の更なる反射材料48の向きは、
図10に例示した製造ウエハ上では、
図3のヘッドランプ30においてとは異なっている。
【0039】
本発明を詳細に説明したが、当業者が認識するように、本開示を所与として、ここに記載の発明概念の精神を逸脱することなく、本発明に変更が為され得る。故に、本発明の範囲は、図示して説明した特定の実施形態に限定されるものではない。