(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1及び第2の端子(11,12)と、前記第1及び第2の端子の間に配置された少なくとも第1(15)、第2(16)及び第3(17)の並列回路ブランチとを備えた、電力系統の2つの区分(100,200)を電気的に接続するように構成された電流遮断装置(10)であって、
前記第1の並列回路ブランチ(15)は機械的主電流回路遮断器(1)を備え、
前記第2の並列回路ブランチ(16)はエネルギー吸収装置(2)を備え、
前記第3の並列回路ブランチ(17)は共振回路(3)と該共振回路と直列に配置された電圧制御手段(4)とを備える、
電流遮断装置において、
前記電圧制御手段(4)は、電流が前記機械的主電流回路遮断器(1)を流れている間交流電流(Io)を急速に増加させるために前記共振回路にエネルギーを注入するように構成されており、前記機械的主回路遮断器(1)が主電流(I)を遮断するために開くよう制御されるとき、前記交流電流が前記第1及び第3の並列回路ブランチを含むループを流れ、それによって前記交流電流の振幅が前記主電流の振幅を超えるとき、前記機械的主回路遮断器(1)を流れる電流のゼロクロスが実現される、
ことを特徴とする電流遮断装置。
前記第1及び第2の端子(11,12)の少なくとも一つとの直列に配置された少なくとも一つの断路スイッチ(5)を更に備え、電流が前記機械的主電流回路遮断器(1)により遮断されたとき前記断路スイッチは前記電力系統の2つの区分の物理的分離を提供するように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載の電流遮断装置。
前記共振回路(3)は直列に配置された少なくとも一つのキャパシタ(31)と少なくとも一つのリアクタ(32)を備える、ことを特徴とする請求項1−3の何れか一項に記載の電流遮断装置。
前記機械的回路遮断器(1)は、前記機械的遮断器の開路プロセス中に移動するように構成された接点を備え、前記機械的遮断器(1)は少なくとも一つのセンサを備える、ことを特徴とする請求項1−7の何れか一項に記載の電流遮断装置。
前記少なくとも一つのセンサは前記機械的遮断器の開路プロセス中に前記接点の位置及び速度の少なくとも一つを決定するように構成されている、ことを特徴とする請求項8記載の電流遮断装置。
前記第1の並列回路ブランチ(15)は、前記機械的遮断器(1)を流れる電流のゼロクロスの近傍での電流変化率を低減するために前記機械的遮断器(1)と直列に配置された可飽和リアクトル(8)を更に備える、ことを特徴とする請求項1−12の何れか一項に記載の電流遮断装置。
前記第1(15)、第2(16)及び第3(17)の並列回路ブランチと並列に配置された第4の並列回路ブランチ(18)を更に備え、前記第4の並列回路ブランチ(18)は、電流遮断中に、逆電流(Io−I)のための代替通路を提供する制御手段(6)を前記機械的遮断器(1)から離れて備える、ことを特徴とする請求項1−13の何れか一項に記載の電流遮断装置。
前記制御手段(6)は互に逆方向に流れる電流を制御するよう逆並列に配置された2つのサイリスタ(61,62)を備える、ことを特徴とする請求項14記載の電流遮断装置。
前記第1の並列回路ブランチ(15)は、前記機械的遮断器(1)と直列に配置された低電圧半導体スイッチ(7)を更に備え、電流が前記機械的主電流回路遮断器(1)を流れている間前記低電圧半導体スイッチは前記機械的遮断器(1)からの電流を前記第4の並列回路ブランチ(18)へ迂回させるように構成されている、ことを特徴とする請求項14又は15記載の電流遮断装置。
前記一連のステップは連続するステップの間に所定の時間遅延を置いて実行され、前記時間遅延は一定もしくは遮断すべき主電流の振幅に依存して変化する、ことを特徴とする請求項22記載の電流遮断方法。
前記連続するステップの間の所定の時間遅延は、最小の総時間内に前記機械的遮断器の接点分離距離が前記第2の並列ブランチの前記エネルギー吸収装置の電圧制限に耐えるのに十分になるように最適化される、ことを特徴とする請求項23記載の電流遮断方法。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器又は他の電流遮断手段の使用は一般に電気システム、例えば電力配電又は送電システムにおいて、特に電力系統内の種々のコンポーネントの動作を、特に短絡障害又は過電流状態などの障害状態の下で保護し、絶縁し、及び/又は制御する手段として確立されている。回路遮断器は電力系統の特定のコンポーネント又は部分を修理及び/又は保守管理する間、電力系統のいくつかの部分を絶縁分離するためにも使用される。更に、回路遮断器はモータや他の工業負荷などの様々な負荷をネットワークに接続するために頻繁に使用されている。
【0003】
様々なタイプの回路遮断器が電力系統の電流又は電圧レベルに応じて電流遮断器として使用されている。通常、機械的回路遮断器が使用され、そのアクチュエータは接点を分離させるためにモータ、ばね、空気圧装置又は他のいくつかの手段を使用し得る。別の電流遮断器は半導体デバイスを使用する。
【0004】
殆どの用途において、特に安全上の理由のために、電流遮断器は回路遮断器の両サイド間で物理的な分離を実現する必要があり、従って固体電流遮断器を使用する場合でも機械的スイッチが必要とされる。機械的スイッチは半導体デバイスにおける損失をなくすために固体電流遮断器と並列に使用され得、これは高電圧用途に使用されるときに有効であり得るが、必要な耐電圧性能を達成するために多数のデバイスの直列接続を必要とする。
【0005】
電気回路を流れる電流を接点分離により遮断するとき、一般に接点間にアークが発生する。高電圧ではアークを消弧するにはアークを流れる電流を自然に、又は人工的手段によってゼロクロスさせなければならない。交流電力系統では、ゼロクロスはシステムの周波数の半サイクル毎に1度自然に起こるため、交流回路遮断器は一般に簡単な構成で実現され、確立されている。しかしながら、いくつかの用途では、障害電流が高レベルに達するのを阻止するため又は高感度機器を保護するために、交流システムの電流を電流の自然発生ゼロクロスにより与えられるペースより速いペースで遮断することが望まれる。
【0006】
他方、直流システムでは電流の自然発生ゼロクロスは起こらないため、直流電力系統の障害電流を遮断する高速直流遮断器を実現するために多くの試みが行われている。この問題は、従来技術では、遮断すべき電流に交流電流を重畳してゼロクロスを生じさせる共振回路を導入することによって解決している。特許文献1には、機械的電流遮断器を少なくとも一つのキャパシタと少なくとも一つのインダクタと少なくとも一つのスイッチ素子を含む共振回路と並列に使用する直流回路遮断装置が開示されている。共振回路はスイッチ素子を閉じることによって電流遮断器で発生されるアークの電流に重畳する共振電流を発生するように構成されている。この構成は、振動電流が基本的にアーク電圧により励振されるという欠点を有する。この欠点を克服するために、開示の装置は必要に応じキャパシタを充電する電力を搬送し得る補助電源を備えている。この装置は複雑な充電プロセスを必要とするとともに、用途毎に特別に構成する必要がある。
【0007】
特許文献2には、上記の問題を解決するために充電されたキャパシタを用いて強制的にゼロ電流にすることが開示されている。これを達成するために、一端が直流線路の正極母線に接続され、他端が充電抵抗を経て直流線路の負極母線に接続された転流キャパシタと、転流キャパシタと並列に接続された、電磁反発コイル及び第2のスイッチを含む直列回路とを備え、転流キャパシタが正の直流線路から直接充電される直流回路遮断器を開示している。遮断ユニットが開き始めるとき、第2のスイッチが充電された転流キャパシタの極性を逆転するためにターンオンされるため、遮断ユニットが開くと同時に逆放電電流が遮断ユニットに流される。この発明の欠点は可制御性が非常に制限され、最適なスイッチング動作を達成することが難しいことにある。更に、この解決法は高電圧用途に適切でなく、提案の充電機構に種々の制約をもたらす。
【0008】
直流電流送電線用の回路遮断装置が特許文献3に開示されている。この回路遮断装置は、駆動時に送電線の電流を遮断するように構成された機械的電流遮断ユニットと2つの共振回路を備え、各共振回路は、電流遮断ユニットの駆動時に電流遮断ユニットで発生するアーク電流に重畳する共振電流を発生し、第1の共振回路により発生された共振電流が第2の共振回路により発生された共振電流と異なる方向から電流遮断ユニットに流入するように構成されている。この提案の解決法は、2つの共振回路を必要とし、それらの共振回路を接続する2つのスイッチを制御する追加の複雑さを有する不利がある。
【0009】
電流を遮断する従来装置の例は
図1−3に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の問題及び欠点を克服し、遮断すべき電流のタイプにかかわらず優れた電流遮断能力を開示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、この目的は、第1及び第2の端子と、前記第1及び第2の端子の間に配置された少なくとも第1、第2及び第3の並列回路ブランチとを備えた、電力系統の2つの区分を電気的に接続するように構成された電流遮断装置であって、前記第1の並列回路ブランチは機械的主電流回路遮断器を備え、前記第2の並列回路ブランチはエネルギー吸収装置を備え、前記第3の並列回路ブランチは共振回路と該共振回路と直列に接続された電圧制御手段とを備える、電流遮断装置において、前記電圧制御手段は交流電流を急速に増加させるために前記共振器回路にエネルギーを注入するように使用中制御可能であり、前記機械的主回路遮断器が主電流を遮断するために開くよう制御されるとき、前記交流電流が前記第1及び第3の並列回路ブランチを含むループを流れ、それによって前記交流電流の振幅が前記主電流の振幅を超えるとき、前記機械的主回路遮断器を流れる電流のゼロクロスが実現される、ことを特徴とする電流遮断装置によって達成される。
【0013】
好ましい実施形態において、前記装置は前記第1及び第2の端子の少なくとも一つとの直列に配置された少なくとも一つの断路スイッチを更に備え、前記断路スイッチは前記電力系統の2つの区分の物理的分離を提供するように使用中制御可能である。
【0014】
好ましい実施形態において、前記電圧制御手段は静電圧源コンバータである。
【0015】
好ましい実施形態において、前記共振回路は直列に配置された少なくとも一つのキャパシタと少なくとも一つのリアクタを備えている。
【0016】
好ましい実施形態において、前記共振回路の前記少なくとも一つのキャパシタは放電手段が設けられている。
【0017】
好ましい実施形態において、前記共振回路は分布直列インダクタンスと分布並列キャパシタンスを備え、好ましくはケーブル構造を備えている。
【0018】
好ましい実施形態において、前記機械的回路遮断器は真空スイッチを備えている。
【0019】
好ましい実施形態において、前記機械的回路遮断器は、前記機械的遮断器の開路プロセス中に移動するように構成された接点を備え、前記機械的スイッチは少なくとも一つのセンサを備えている。一実施形態では、前記センサは前記機械的遮断器の開路プロセス中に前記接点の位置及び速度の少なくとも一つを決定するように構成されている。前記センサは、加えて又は代わりに、物理量、好ましくはアーク電圧降下、音響現象及び光学的又は熱的又はX線放射などの電磁放射又は雑音の少なくとも一つを検出するように構成されている。
【0020】
好ましい実施形態において、前記エネルギー吸収装置は電圧制限エネルギー吸収装置であり、例えば非線形電圧依存抵抗、好ましくは金属酸化物バリスタ(MOV)である。
【0021】
好ましい実施形態において、前記第1の並列回路ブランチは、前記機械的遮断器を流れる電流のゼロクロスの近傍での電流変化率を低減するために前記機械的遮断器と直列に配置された可飽和リアクトルを更に備えている。
【0022】
好ましい実施形態において、前記第1、第2及び第3の並列回路ブランチと並列に配置された第4の並列回路ブランチを更に備え、前記第4の並列回路ブランチは、電流遮断中に、前記逆電流のための代替通路を提供する制御手段を前記機械的遮断器から離れて備えている。前記制御手段は互に逆方向に流れる電流を制御するように逆並列に配置された2つのサイリスタを備える。
【0023】
好ましい実施形態において、前記第1の並列回路ブランチは、前記機械的遮断器と直列に配置された低電圧半導体スイッチを更に備え、前記低電圧半導体スイッチは前記機械的遮断器からの電流を前記第4の並列回路ブランチへ迂回させるように使用中制御可能である。
【0024】
好ましい実施形態において、前記電流遮断装置は直流遮断器である。
【0025】
好ましい実施形態において、前記共振回路は受動共振回路である。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、本発明による少なくとも2つの電流遮断装置を備え、前記少なくとも2つの電流遮断装置が直列に接続されている電流遮断システムが提供される。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、本発明による電流遮断装置を用いて電力系統の電流を遮断する方法が提供され、前記方法は、前記機械的遮断器の接点の分離を促進し、ある振幅を有する主電流を遮断するために機械的遮断器を開くステップと、電流ゼロクロスを生じさせるために前記遮断された主電流の振幅より高い最大振幅を有する振動電流を励振するために前記電圧制御手段を制御するステップとを備える。
【0028】
好ましい実施形態において、前記機械的回路遮断器を開くステップ及び前記電圧制御手段を制御するステップは同時に且つ協調して実行される。
【0029】
好ましい実施形態において、前記電流を遮断する方法は、前記断路スイッチを開くステップ、前記制御手段を前記機械的遮断器を流れる主電流と逆方向の導通を許可するように動作させるステップ、及び前記半導体スイッチを前記機械的遮断器を流れる全電流がゼロクロスするとき開くように制御するステップ、のうちの一つ以上を更に備える。
【0030】
好ましい実施形態において、前記ステップの実行順序は、前記機械的遮断器を流れる電流のゼロクロスが、前記接点が互いに離れるときに前記遮断器に確立される誘電体分離強度に対して最適な瞬時に生じるように予め規定される。
【0031】
好ましい実施形態において、前記一連のステップは連続するステップの間に所定の時間遅延を置いて実行され、前記時間遅延は一定もしくは遮断すべき主電流の振幅に依存して変化する。
【0032】
好ましい実施形態において、前記連続するステップの間の所定の時間遅延は、最小の総時間内に前記機械的遮断器の接点分離距離が前記第2の並列ブランチの前記エネルギー吸収装置の電圧制限に耐えるのに十分になるように最適化される。
【0033】
好ましい実施形態において、前記ステップ間の時間遅延を決定するためにセンサを用いる。
【0034】
好ましい実施形態において、前記ステップの一つ又はいくつかの実行はコンディショナルであり、前記機械的遮断器を流れる電流にゼロクロスを生じるような振幅を有する振動電流が励振され且つ主電流を遮断する完全な一連のステップを実行するか、遮断を完了しないかの決定がなされるまで維持され、遮断を完了しない場合には振動電流は抑制される。
【0035】
以下、本発明について、一例として添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る電流遮断装置、システム及び方法について、詳細に説明する。
【0038】
請求項1に係る本発明の一般的な形態は、
図4に概略的に示されており、電力系統の2つの電気ノード11,12は3つの並列ブランチを含む装置を介して電気的に接続され、第1の並列ブランチ15は機械的遮断器1を備え、第2の並列ブランチ16は電圧制限エネルギー吸収装置2を備え、第3の並列ブランチは受動共振回路3と直列に接続された可制御電圧源4を備える(まとめて17で示されている)。電力系統内の区分100及び200間の電気接続は前記区分の間で電力を伝送するために役立ち、この場合には主電流Iが機械的遮断器1を経て流れる。区分100及び200は直流又は交流を用いる共通電力系統のサブ系統又は別個の電力伝送系統とすることができる。あるいは、これらの区分は負荷、例えば電源100に接続されたモータ200を給電する電力系統を表し得る。
【0039】
機械的遮断器の接点分離時に、内部アークが接点間に確立され、主電流Iがアークを経て流れ続ける。機械的スイッチが高電圧で動作する場合、アークは自然のゼロクロス又は人工的手段による電流ゼロクロスが起こる場合にのみ消弧する。
【0040】
交流系統では、主電流Iは自然のゼロクロスを有し、接点分離が電流消滅後に現れる電圧を超える耐電圧能力を与えるのに十分になると同時にアークはこのようなゼロクロス時に消弧する。短絡時にこの電流は典型的にはゼロクロスに近づく前に最初にきわめて高いピーク値に向かって増加する。このとき、この電流がゼロクロスを待たずにそのピーク値に達する前に瞬間遮断を実行するのが望ましい。主電流の電流制限遮断として知られるこの方法は
図5で説明される。
【0041】
電力伝送システムがHVDCシステムのように直流電圧を使用するとき、電流は自然のゼロクロスを示さない。むしろ、電流は相互接続されたシステム100,200のいずれか一方又は両方における障害時に極めて高い値に向かって上昇する。この場合には相互接続された電力系統の完全破壊を防止するために電流遮断システムの高速介入が要求される。
【0042】
遮断器の観点からは、交流系統内の瞬間電流制限遮断は直流系統の直流電流の遮断と同等であり、それはいずれの場合も機械的スイッチ1を流れる電流をゼロクロスがないときに遮断するのが望ましいためである。
【0043】
本発明は機械的スイッチ1を流れる主電流Iの高速遮断を実行する装置及び方法を提供する。機械的スイッチ1が主電流Iを遮断するために動作するよう制御されるとき、共振回路3にエネルギーを供給するために可制御電圧源4が使用され、それによって第1(15)及び第3(17)の並列回路ブランチを含むループに流入する交流電流I
Oの振幅AI
Oが急増せしめられ、よって交流電流振幅AI
Oが主電流の振幅AIを超えるときに機械的主遮断器1を流れる電流I
SWにゼロクロスが発生される。
【0044】
機械的スイッチ1を流れる電流I
SWがゼロクロスで消滅すると、主電流Iはブランチ17に一時的に転送され、最終的に電圧制限エネルギー吸収装置2を備えるブランチ16に転流する。装置2の保護電圧は主電流Iを除去するために相互接続された区分100,200の最高駆動電圧より高くなければならない。装置2と並列に接続されるブランチ17は装置2の全保護電圧に耐えなければならない。電圧源4は低い出力電圧を供給するのみであるので、受動共振回路3は好ましくは所要の高耐電圧能力を有する直列キャパシタを含む。
【0045】
電圧源4は、電流が主スイッチ1を流れる間交流電流I
Oを急増させるために共振回路3にエネルギーを注入するように制御される。電圧源4に対する第1の制御法では、共振リンク3を経る測定電流方向の正帰還を利用する。この場合には電圧源4は回路に挿入された人工的な負抵抗とみなせる。負抵抗の値は設計によって慎重に選択することができる。エネルギーの注入により共振回路3を励振する第2の制御法では、電圧源4は共振周波数に近い周波数を有する出力電圧を発生するように制御される。この周波数は振動電流I
Oの振幅AI
Oの上昇率を制御するために変化させることができる。振動電流I
Oの他の制御法を使用してもよい。更に、可制御電圧源4の使用によって、共振回路3へのエネルギー注入を主遮断器1の接点分離が起こる前に開始させることができる。
【0046】
電流遮断装置の別の実施形態では、断路スイッチ5が
図4につき説明した遮断装置10と直列に接続される。この構成は
図6に示されている。主電流Iが装置10により遮断されたとき、電圧制限エネルギー吸収装置2は端子11,12間の電圧がその保護電圧より低いので電流を通さない。従って、区分100,200は電圧源4と直列の共振回路3よりなるブランチのみを経て接続されたままとなる。このブランチは小さい直列キャパシタを含むため、断路スイッチ5は持続アークなしに開くことができる。断路スイッチ5は開路時に電力系統の区分100,200間の電気接続に物理的分離をもたらす。
【0047】
電力系統の区分100,200間の接続を行う一つの方法では、断路器5を用いてその接続を閉じる。この場合には、断路器5が開路されたとき、共振回路3は放電できるので、この場合には主スイッチ1は放電パルスを生じることなく閉じることができる。よって、装置10は断路器5の再閉路時に直ちに電流遮断を実行し得る状態になる。
【0048】
電力系統の区分100,200間の接続を行う別の方法では、断路スイッチ5を機械主スイッチ1より前に閉じる。この場合には、断路スイッチ5は、共振回路のキャパシタを充電し、それが閉じるとき放電パルスを発生し得るように設計しなければならない。更に、この場合には、主スイッチ1はそれが閉じるときに現われる放電パルスに耐えなければならない。
【0049】
可制御電圧源4は静電圧源コンバータとするのが好ましい。これは種々の半導体を用いて多くの方法で実装することができる。
図7a−eは、有効な回路トポロジの例として多数の可能なコンバータ設計例を示す。典型的には、このようなコンバータは少なくとも一つの直流リンク41(又は41a,41b)を使用し、このリンクは典型的には直流キャパシタバンクからなる。直流キャパシタバンクは電池又は任意の他の直流電圧源で補完することができる。直流リンクは任意の絶縁分離された補助電源、局部直流発電装置、例えば燃料電池、光電池又は任意の種類のエネルギー蓄積装置により給電することができる。コンバータの出力電圧の周波数は5−25kHzの範囲内にするのが好ましい。直流リンク電圧(コンバータ内の半導体の電圧定格を決定する)は、エネルギー吸収装置2の保護電圧のほんの一部分とする。半導体デバイスの直接的な直列接続を含むストリングを用いる必要なしに高い出力電圧を達成するためにはいくつかのブリッジと別々の直流リンクの直列接続を利用できることに注意されたい。半導体及び直流リンクは高い放電電流又は過電圧に耐えるように設計しなければならず、また適切な保護手段を備えなければならない。
【0050】
図7a−eの回路は1つ又は2つのハーフブリッジ位相レグを用いる。
図7a及び
図7cでは、1つのハーフブリッジのみが使用される。
図7aに示すように位相レグと直流リンクのそれぞれの中点が出力端子として使用される場合には、対称出力電圧(双極性)が得られるが、
図7cに示すように位相レグの中点と直流リンクレールの1つが出力端子として作用する場合には、単極性電圧とゼロ電圧が得られる。コンバータが
図7b、7d、及び7eに示すように2つの位相レグを用いてHブリッジとして構成される場合には、ゼロ電圧のみならず何れかの極性を有する出力電圧を発生し得る。
図7b−eに示すトポロジでは、出力電圧がゼロであるとき、振動電流I
Oは完全に直流リンクを迂回する。
【0051】
半導体ブリッジがブロックされるとき、即ち一つの能動半導体デバイスもターンオンされないとき、振動電流I
Oはコンバータアーム内のダイオードを通過し、直流リンクを充電する。結果として振動電流は反対電圧で抑圧され、その振幅は直流リンク41(又は41a、41b)の電圧で決まる。
【0052】
電子電力コンバータ(半導体及び直流リンク)をサージ電流及び過電圧から保護するための保護装置の例が
図8a及び
図8bに示されている。
【0053】
図7a−eにおいて、MOSFET,IGBT,IGCT/GTO及びサイリスタタイプの半導体が示されている。最初の3つの半導体ファミリーは固有の電流消失能力を保持し、それらは振動電流I
Oのゼロクロス近くでスイッチし得る。他方、サイリスタのターンオンは、その位相レグの相手サイリスタを導通後に回復させるために振動電流のゼロクロス後に遅らせなければならない。
【0054】
共振回路3は受動素子のみを備えるのが好ましい。主として、そのコンポーネントは線形装置であるが、時には非線形装置を含んでもよく、例えばキャパシタやリアクタ等のコンポーネントへの電圧ストレスを制限するバリスタを含んでもよい。
【0055】
可制御電圧源4は、エネルギー吸収装置2の保護電圧よりはるかに低い、非常に制限された電圧処理能力を有する。それゆえ、直列接続共振回路3はゼロ電流時に高電圧に耐える必要がある。この要件は、共振回路3が
図9に示すように少なくとも一つの直列接続キャパシタ31を備える場合に満足される。キャパシタは電圧制限エネルギー吸収装置2の両端間に生起する保護電圧に耐える定格にしなければならない。更に、少なくとも一つのインダクタ32がキャパシタと直列に接続される場合には、回路は共振回路になる。
【0056】
共振回路3は多くの異なる構成を取り得るが、そのいくつかを
図10a−cに示す。
【0057】
振動電流I
Oは過渡期中のみ存在し、その間にその振幅AI
Oは主電流Iの振幅AIを超えて増加する。それは他の時間におけるキャパシタ電圧がその平均値になる場合に適切であり、その平均値は主スイッチ1及び電圧源4の両端間電圧により決まる。この状態は、キャパシタ31が放電手段、例えば
図9に示すように並列に接続された線形又は非線形抵抗33を備える場合に、自動的に達成される。放電時間はI
Oの励振に必要な時関より十分に長くすべきであるが、依然として極めて短くすることができ、5ミリ秒以内にすることができる。この構成は遮断装置が断路スイッチ5を含むとき特に有利である。この場合には、キャパシタは完全に放電されるため、主スイッチ1は放電電流なしに再閉路することが可能になり、よって主スイッチ1は断路スイッチ5が閉じるとき直ちに電流Iを遮断し得る状態になる。
【0058】
キャパシタを放電させる代替手段の構成が
図11a−cに示されている。
【0059】
図9の受動共振回路3はキャパシタ31とインダクタ32の簡単な直列接続として実装することができる。しかし、上述したように、本発明による装置の他の実施形態は共振回路3を実装するために他の構造を用いることができる(
図10a−c参照)。
【0060】
振動電流I
Oの所要の特性は、主スイッチ1を通過する電流I
SWに人工的なゼロクロスが生成されるようにその振幅が主電流Iの振幅を超えることである。従って、理想的な振動電流は主電流Iの振幅を丁度超える振幅を有する方形波である。この理想的な波形は、受動直列LC回路をヘビサイド伝送線路のような構造9、即ち分布直列インダクタl[H/km]及び分布並列キャパシタンスc[F/km]を含む回路と置き換えれば、生成することができる。この構造は
図12に示されている。この構造はそのインピーダンスz
0[Ω]と、その位相速度v
p[km/s]で特徴づけられる。
【0062】
キャパシタは主スイッチ1が開のときにその両端間電圧を吸収するために電圧源4と直列に挿入される。
【0063】
図12は、所望の方形波形を得るために電圧源4をどのように制御し得るかも示している。電流I
Oは遠端でセンサ90により測定され、コントローラ91がその符号(極性)を検出し、電圧源を測定電流と反対位相に制御する。この構成は方形波状振動電流を生成し、その周波数f
osc[Hz]は下式に従って、その構造の長さL[km]により決まる。
【0065】
電圧と電流の関係は
図13に示されている。
【0066】
分布インダクタンスと分布キャパシタンスを有するいくつかの構造が存在する。それらのいくつかが
図14a−dに示されている。それらの構造は同軸又は平面構造である。通常のケーブルは同軸構造を有し、典型的には20−30Ωの範囲の特性インピーダンスz0及び光の約半分の位相速度を示す。従って、10−20kHzの振動周波数を得るためには1kmのケーブル長が必要になる。このような長さのケーブルの使用は非経済的であり、その場合には集中キャパシタンスと集中インダクタンスを用いるヘビサイド伝送線路の動作を近似する回路を使用することができる。このような近似は典型的には
図14dに示すような一つもしくは複数のπリンクを含む。
【0067】
主スイッチ1はミリ秒範囲内の接点分離の達成を可能にする高速機械駆動システムを持つべきである。好ましくは、真空スイッチが、単一スイッチ又は直列接続されたスイッチの列として使用される。それらの通電機構の物理構造によってそれらは電流ゼロクロス時に又はその前に極めて高速(マイクロ秒範囲内又はそれより高速)に消弧することができる。更に、他のタイプの機械的遮断器と比較すると、所要の機械的ストロークが短く、可動接点の質量が小さい。
【0068】
中電圧真空スイッチと他のタイプの高電圧遮断器の直列接続を利用することもできる。主スイッチは低電圧電子電力スイッチと直列接続してもよい。
【0069】
更に、主スイッチ1は複数の直列接続した機械的スイッチで実装することができ、これらのスイッチは個々のスイッチの接点分離瞬時が時間的に分布されるように操作される。この手法は保護のために使用でき、スイッチの列を流れる電流がゼロクロスするときに少なくとも一つの個別の機械的スイッチにおいて十分な耐電圧能力が達成される。
【0070】
可制御電圧源4は、振動電流I
Oの振幅を制御し、主スイッチ1を流れる電流のゼロクロスが適正な瞬時に、即ち接点分離が十分な電圧処理能力をもたらすのに十分であるときに、現れるように操作される。接点分離を時間の関数として良好に推定することは、一つ以上の瞬時位置及び/又は速度センサを設ければ達成できる。
【0071】
主スイッチ1の接点分離を検出するセンサは適切な情報を可制御電圧源4の制御及び監視システムに供給する。好ましくは、このような検出器は接点分離に関連する物理量の観測に基づくものとし得る。このような現象はアーク電圧降下、音響現象、光、熱、X線又は任意の種類の電磁放射又は雑音の発生がある。
【0072】
好ましくは、エネルギー吸収装置2は金属酸化物バリスタ(MOV)であるが、代わりに、同様の非線形電圧依存を有する抵抗値を示す他の装置又は電圧制限装置を使用することができる。必要に応じ、ダイオードを通して接続された充電キャパシタからなるクランプ回路を使用してもよい。エネルギー吸収装置2の様々な実装例が
図15a−cに示されている。
【0073】
本発明による電流遮断装置の代替実施形態では遮断装置10内の3つのブランチ15,16,17に第4のブランチ18が追加される(
図16a参照)。追加のブランチの目的は、電流I及びI
Oが同じ符号を有し、振動電流の振幅AI
Oが主電流の振幅AIを超えるときに生じる逆電流のための導電通路を提供するためである。制御システムは、振動電流I
Oが励振されるとき、この通路を主電流Iと反対方向に導通させる。このとき、接点分離が存在すると、逆電流がブランチ18へ転流され、その結果ゼロ電流が機械的スイッチ1を流れ、その絶縁耐電圧能力を回復する。振動電流I
Oがスイングバックし、ブランチ18を流れる電流が再びゼロクロスするとき、共振回路3と可制御電圧源4を備えるブランチ17が主電流Iのために開いたままになる唯一の通路になる。主電流Iはキャパシタ31を、その電圧が電圧制限吸収装置2が導通し始めるレベルになるまで充電する。電力系統の区分100,200内の電源間の電圧を上回る装置2の保護電圧が主電流Iをゼロにせしめる。
【0074】
ブランチ18は逆並列に接続された2つの単方向弁61,62で構成された回路配置6を備え得る(
図16a参照)。各単方向弁は少なくとも一つのサイリスタを備える。いくつかの用途では決められた方向の電流Iに対してのみ電流遮断が要求される。そのような場合には、主電流Iと反対の導通方向を有するサイリスタ弁のみを実装してもよいかもしれない。
【0075】
本発明による電流遮断装置の代替実施形態では、主スイッチ1を含むブランチは
図17a−bに示すように直列に接続された可飽和リアクトル8を含む。その目的はゼロクロス時での電流微分を低減することにあり、これは所定の機械遮断器に対し電流遮断直後のそれらの電圧処理能力に関して有益である。その原理は図で明らかにされている。可飽和リアクトル8は
図17cに略図で示すように主導体を包む鉄又はフェライトからなる空隙磁気コアの形を取り得る。
【0076】
前節で述べた逆電流が確かに第4のブランチへ転流するようにするために、低電圧半導体スイッチ7を機械的スイッチ1と直列に接続することができる(
図18参照)。低電圧スイッチ7は主電流Iと同じ方向の電流のみを許可するように制御され、逆方向の電流を阻止する。このスイッチはブランチ18内の弁61,62の制御と強調して制御されるべきである。
【0077】
上述したいくつかの電流遮断装置10は
図19に示すように電力系統内の区分100,200の間に直列に配置することができる。電力系統の区分100,200間の相互接続を流れる障害電流を制限するために、これらの装置10内の主スイッチ1を開/閉することによって異なる数の電圧制限エネルギー吸収装置2を区分100,200間の接続内に挿入することができる。多量のエネルギーがこれらの装置に蓄積されるので、このような動作状態は最大数十ミリ秒の短時間の間維持することができるのみである。しかしながら、この時間はシステム内のどの遮断器が特定の障害時に動作するかを決定するのに必要な時間の間電力網内の短絡電流を制限するのに十分である。
【0078】
ここで、上述した遮断装置10を制御する方法について説明する。この方法を実行するためには、機械的スイッチ1の開路及び電圧源4による振動電流の励振を調整する制御システムが必要とされる。
【0079】
機械的スイッチ1の開路は「開路」コマンドを機械的アクチュエータに与えることによって簡単に開始し、アクチュエータは接点分離を発生させるために可動接点を固定接点から離れるように移動させる。機械的遅延tmech、すなわち「開路」コマンドが与えられてから接点分離が確立されるまでの経過時間は通常良い精度で知ることができ、その時間は制御システムで利用し得る。1−5msの範囲内の機械的遅延時間は機械的観点からすると極めて短いように見えるが、パワーエレクトロニクスの観点からすると極めて長い。例えば、10kHzの10サイクルは1ミリ秒の間に完了し、
図20a−bには、高速可制御電子電圧源4の働きによる共振回路3における振動電流振幅の増加原理が示される。
図20aに示すLC回路について考察する。この回路は、その共振周波数f
osc及びそのリアクタンスx
0(共振周波数における)で特徴づけられる。
【0081】
この回路は電圧源によって励振され、この電圧源は両極性の電圧を発生するものと仮定し得る。印加電圧の振幅はUoscであり、その方向は電流I
Oの方向に追従するように電力電子手段により制御される。印加電圧振幅Uoscと特性リアクタンスx
0との比は単位電流を規定し、これは下記のIoscで示すことができる。
【0083】
最初に電圧源4が一定の出力電圧−Uoscを発生し、この出力電圧は直列キャパシタ31により阻止される。励振が活性化されると、出力電圧の逆転が行われ、それに応じて振幅2×Uoscを有する電圧ステップが共振回路に印加される。この出力電圧の最初の逆転後に、損失がなければ、振幅2×Ioscを有する正弦波半サイクルが生成される。そのピークは共振周波数の4分の1サイクル後に発生する。電流が半サイクル後にゼロクロスするとき、新たな逆転が行われ、振動電流の振幅が4×Ioscに増加する。同様に、振動電流の各ゼロクロスにおいてその振幅が2×Ioscずつ増加する。従って、N回の逆転(半サイクル)後の4分の1サイクルにおける振動電流の振幅は理想的には2×N×Ioscである。3サイクルと4分の1サイクル後、すなわち7回の逆転(半サイクル)後に、振動電流の振幅は理想的には14×Ioscである。
【0084】
電流振幅の大幅な増加が極めて短い時間内に得られることに注意されたい。例えば、10kAの電流が100kVの保護電圧で遮断される場合について考察する。この場合にはx
0=5Ωの特性リアクタンスを有するLC回路が適切であり得る。損失を考慮すると、4サイクル後の振動電流の振幅は約14×Ioscであり、その振幅はIosc=1.1×10/14=0.79kAであれば10kAの10%を超える。所要の直流リンク電圧はUosc=x
0×Iosc=5×0.79=3.9kVであり、これは保護電圧のわずか3.9%である。更に、この振幅に達する時間はわずか4サイクル、すなわち12kHzで333μsであり、機械的遅延時間tmechより大幅に短い。電子電力コンバータ内の半導体の定格電圧は2×Uosc、すなわち保護電圧の7.8%になる。
【0085】
この例は、本発明による電流遮断装置10は、一般に両極性の全保護電圧を定格とする半導体を使用する必要がある既知の装置と比較して半導体デバイスの量を大幅に低減することができることを示す。
【0086】
図21は上述した電流遮断動作の経過を示す。典型的には電流遮断は振動電流I
Oが主電流Iと同じ方向を有し、振動電流の振幅AI
Oが主電流の振幅AIを超えるときに起こる。その後、主電流Iがキャパシタ31を充電し、電圧制限エネルギー吸収装置2の両端間電圧がその保護電圧に達し、主電流を引き継ぐまで、主スイッチ1の両端間電圧は線形電圧変化を受ける。
【0087】
電流遮断装置10が、「逆」電流、すなわち遮断動作中に振動電流I
Oと主電流Iが同じ方向を有し振動電流I
Oの振幅が主電流Iの振幅を超えるときに生じる過大電流I
SW=Io−I、を搬送する手段を含む第4のブランチ18を含む場合には、電流遮断は振動電流Ioの振幅が減少するとき生じる。キャパシタ電圧はエネルギー吸収装置2の保護電圧に達するまで線形増加する。
【0088】
好ましくは、主電流Iの上首尾の遮断を達成するために機械的スイッチ1の開路と振動電流I
Oの励振の協調制御がもたらされる。
【0089】
電流遮断装置10が断路スイッチ5、逆導通手段6、又は逆導通手段61,62への主電流Iの転流を補助する補助低電圧スイッチ7を含むとき、対応するスイッチの制御は協調制御方式に含めるのが好ましい。
【0090】
ステップの実行順序は、機械的遮断器を流れる電流I
SWのゼロクロスが、第2の並列ブランチのエネルギー吸収装置の電圧制限に十分に耐える絶縁分離強度が接点分離後に遮断器に確立されるときに生じるように予め定めるのが好ましい。
【0091】
制御ステップの協調は、
図22に示すように、振動電流I
Oにより機械的スイッチ1を流れる電流にゼロクロスが生成されるときに機械的スイッチ1に十分な耐電圧能力を与えるのに十分な接点分離が確実に確立されているようにするためである。
【0092】
機械的遅延時間は多くの場合明確に規定され、既知であり、振動電流の励振の経過は十分に制御される。その場合には、
図23に示すように、スイッチに与える信号は機械的スイッチ1を開くコマンドを基準とする時間遅延に基づいて規定されたタイムシーケンスで与えるのが好ましい。時間遅延は主電流Iに応じて変化させることができる。
【0093】
スイッチに与えられる信号は接点分離が生じたことを検出する又は開路動作中の可動接点の位置を示すセンサからの信号に応じて決定するのが好ましい。必要に応じ、固定の時間遅延を使用することができ、また主電流I及び/又は振動電流Ioの測定値又は可動接点の速度の検出値に依存する可変時間遅延を使用することができる。いくつかの例が
図24に示されている。
【0094】
振動電流振幅AI
Oを主電流レベルAIを超えるまで励振するのに要する時間が機械遅延時間tmechより長い場合には、主電流Iが通常の引き外しレベルより低いレベルを超えると同時に励振を開始し、振動電流の振幅を主電流Iの振幅の近くに維持し、電流遮断を実行するという最終決定を待ち、その場合には、機械的スイッチが動作するように命令され、振動電流の振幅が出力電流振幅AIを超えるように制御されるようにし、また電流遮断を完了しないという決定を待ち、その場合には振動電流の励振が禁止されるようにするのが有利である。振動電流の振幅は制御電圧源4で選択される転流を禁止することによってほぼ一定のレベルに維持することができる。
【0095】
電力系統の区分100,200間を流れる出力電流Iを制限するために複数の電流遮断装置10が直列に接続される場合がある。典型的には、このような設置は複数のHVDCステーションを相互接続する直流送電網に有利であり得る。このような直流送電網は多数の直流遮断器を含むことができ、送電網の障害時に該当する直流遮断器のみが作動されることが重要である。その適切な選択には若干の時間(数ミリ秒程度)を必要とし得る。制御可能な数の電流遮断装置10の挿入はこの時間中の主電流Iのさらなる増加を抑えることができる。
【0096】
本発明による電流遮断装置は種々の電力網構成で使用可能であり、そのうちの3つが
図25及び
図26a−bに示され、
図25は交流電力網を示し、
図26a−bは直流電力網を示す。
【0097】
第3の回路ブランチ17に関する他の実施形態も考えられる。例えば、
図27aに示すように、電圧制御手段4と共振回路3からなる複数の並列接続ブランチを使用するのが好ましい。このようにすると、より大きな共振電流振幅AIoを達成できるので、より大きな振幅AIを有する電流を遮断器で遮断することができる。このような装置を使用する場合には、好ましくは異なる電圧制御手段4がほぼ同じ電圧を供給し、それによってこれらの並列ブランチ間を循環する電流が最小になり、全共振電流Ioを最小にすることができる。
【0098】
図27bに示す他の実施形態はインダクタ32と電圧制御手段4の直列接続からなる複数のブランチの並列接続を含む。この並列接続全体は少なくとも一つのキャパシタ31と直列に接続されて電流遮断装置10の第3の回路ブランチ17を形成する。インダクタ32とキャパシタ31は電圧制御手段4により励振し得る共振回路を形成する。異なる電圧制御手段4がほぼ同じ電圧を供給するとき、並列接続ブランチの各々を流れる共振電流は同相になり、加わり合ってより大きな振幅AIoを有する全共振電流を形成し、これにより単一の電圧制御手段で可能な振幅より大きな振幅AIを有する電流を遮断することができる
【0099】
図27a及び
図27bに示す実施形態はともに所定のモジュール性を提供するので、異なる数の電圧制御手段を含む並列ブランチを用いることによって異なる電流遮断能力を有する遮断器を設計することができる。よって、少数のタイプの電圧制御手段を設計し調達すればよいので、コストの節約ももたらすことができる。
【0100】
本発明による電流遮断装置、システム及び方法の好ましい実施形態を開示した。これらの実施形態は添付の請求項の範囲内において本発明の思想から逸脱することなく変更し得ることを理解されたい。