特許第6749336号(P6749336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6749336
(24)【登録日】2020年8月13日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】回収デバイス及び関連の使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/221 20060101AFI20200824BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   A61B17/221
   A61B17/22 528
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-549715(P2017-549715)
(86)(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公表番号】特表2018-512219(P2018-512219A)
(43)【公表日】2018年5月17日
(86)【国際出願番号】US2016022463
(87)【国際公開番号】WO2016153848
(87)【国際公開日】20160929
【審査請求日】2019年3月11日
(31)【優先権主張番号】62/137,556
(32)【優先日】2015年3月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/069,583
(32)【優先日】2016年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ロハン プラソポーン ケイ
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−537934(JP,A)
【文献】 特表2015−506236(JP,A)
【文献】 特表2017−500156(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/100045(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0199200(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0066047(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/018445(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/221
A61B 17/22
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収デバイスであって、
遠位端を有するシースと、前記シースの前記遠位端に対して移動可能なエンドエフェクタと、を含み、
前記エンドエフェクタは、
第1及び第2のアームであって、該第1のアームが、該第1のアームの遠位部分で第1の開口部を含み、該第2のアームが、該第2のアームの遠位部分で第2の開口部を含む前記第1及び第2のアームと、
前記第1及び第2の開口部に摺動可能に受け入れられる第3のアームであって、湾曲自由遠位端部によって接続された1対の近位部分を含み、一方の近位部分が前記第1の開口部を通過し、他方の近位部分が前記第2の開口部を通過し、前記第3のアームの前記湾曲自由遠位端部が前記第1及び第2の開口部の間で一方の方向に延びている、前記第3のアームと、
前記第1及び第2の開口部に摺動可能に受け入れられる第4のアームであって、前記第3及び第4のアームの遠位部分がループを形成し、該ループが該第1及び第2の開口部を通って延び、該ループは、該第3及び第4のアームを前記第1及び第2の開口部を通じて摺動させることによって選択的に拡張可能かつ収縮可能である、前記第4のアームと、
を含む、回収デバイス。
【請求項2】
前記ループを選択的に拡張かつ収縮させるために、前記第3のアームは、一方の方向に前記第1及び第2の開口部を通って摺動するように構成され、前記第4のアームは、反対の方向に該第1及び第2の開口部を通って摺動するように構成されている、請求項に記載の回収デバイス。
【請求項3】
前記第4のアームは、湾曲自由遠位端部によって接続された1対の近位部分を含む、請求項1又は2に記載の回収デバイス。
【請求項4】
前記第3のアームの前記湾曲自由遠位端部は、前記ループの一方の側部を形成し、前記第4のアームの該湾曲自由遠位端部は、該ループの反対の側部を形成する、請求項に記載の回収デバイス。
【請求項5】
前記シースの前記遠位端に対して前記エンドエフェクタを移動するように構成されたハンドルアセンブリを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の回収デバイス。
【請求項6】
前記エンドエフェクタは、駆動部材によって前記ハンドルアセンブリに結合され、
前記駆動部材の第1の部分が、前記第1及び第2のアームの近位部分のうちの一方とケーブルとによって形成され、該駆動部材の第2の部分が、前記第3のアームの近位部分によって形成され、該駆動部材の該第1及び第2の部分の一方が、該駆動部材の該第1及び第2の部分の他方に対して移動可能である、請求項に記載の回収デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、本明細書にその開示が全体的に引用によって組み込まれている2015年3月24日出願の米国仮特許出願第62/137,556号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示の様々な態様は、一般的に回収デバイス及び関連の方法に関する。より具体的には、本発明の開示は、患者内の物体を回収するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
回収デバイスは、患者の体腔又は通路を塞ぐか又は他にその内部に存在する場合がある有機物(例えば、血塊、組織、及び尿路結石、胆管結石、及び膵結石のような生物学的凝結物)と無機物(例えば、医療デバイスの構成要素又は他の異物)を取り出すのに多くの場合に使用される。例えば、凝結物は、腎臓、膵臓、尿管、及び胆嚢のような身体のある一定の部分に発症する可能性がある。低侵襲医療手順は、自然オリフィスを通して又は経皮的腎結石摘出術(「PCNL」)手順中のような切開を通してそれらの凝結物を取り出すのに使用される。更に、例えば、砕石術及び尿管鏡は、患者の尿管中の尿路結石(例えば、腎臓結石)を治療するのに使用される。
遠位可動部分を有する複数の枝部材と、一方の枝部材の遠位位置に連結された可動部材を含む医療デバイスが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2015/034832号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回収デバイスは、物体を操作するためのエンドエフェクタを含む場合がある。例示的エンドエフェクタは、開放端設計又は閉鎖端設計を有することができる。例えば、開放端設計のエンドエフェクタは、物体がそれを通ってエンドエフェクタに入ることができるフロントループを支持する複数のアームを有することができる。エンドエフェクタが物体の周りで閉じられた後に、物体は、ある一定の条件下でフロントループを通って逃れることができる。閉鎖端設計の例示的エンドエフェクタは、エンドエフェクタの側部に位置決めされない物体の捕捉が困難である場合がある。すなわち、機能が改良された回収デバイスに対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の開示の態様は、取りわけ、回収デバイス及び関連の方法に関する。本明細書に開示する態様の各々は、他の開示の態様のいずれかに関連して説明する特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。
【0007】
本発明の開示の一態様では、回収デバイスは、遠位端を有するシースを含むことができる。回収デバイスはまた、シースの遠位端に対して移動可能なエンドエフェクタを含むことができる。エンドエフェクタは、第1及び第2のアームを含むことができる。第1のアームは、第1のアームの遠位部分に第1の開口部を含むことができる。第2のアームは、第2のアームの遠位部分に第2の開口部を含むことができる。エンドエフェクタはまた、第3のアームを含むことができる。第3のアームは、第1及び第2の開口部に摺動可能に受け入れることができる。第3のアームの遠位部分は、ループの少なくとも一部を形成することができる。ループは、第1及び第2の開口部を通って延びることができる。
【0008】
回収デバイスの態様は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。エンドエフェクタは、第1及び第2の開口部に摺動可能に受け入れられる第4のアームを含むことができる。第3及び第4のアームの遠位部分は、ループを形成することができる。ループは、第1及び第2の開口部を通して第3及び第4のアームを摺動させることによって選択的に拡張可能かつ収縮可能とすることができる。ループを選択的に拡張かつ収縮させるために、第3のアームは、一方方向に第1及び第2の開口部を通って摺動するように構成することができ、第4のアームは、反対方向に第1及び第2の開口部を通って摺動するように構成することができる。第3のアームは、湾曲遠位部分によって接続された1対の近位部分を含むことができる。第4のアームも、湾曲遠位部分によって接続された1対の近位部分を含むことができる。第3のアームの湾曲遠位部分は、ループの一方の側部を形成することができ、第4のアームの湾曲遠位部分は、ループの反対の側部を形成することができる。回収デバイスは、エンドエフェクタをシースの遠位端に対して移動するように構成されたハンドルアセンブリを含むことができる。エンドエフェクタは、駆動部材によってハンドルアセンブリに結合することができる。駆動部材の第1の部分は、第1及び第2のアームの近位部分のうちの一方とケーブルとによって形成することができ、駆動部材の第2の部分は、第3のアームの近位部分によって形成することができ、駆動部材の第1及び第2の部分のうちの一方は、駆動部材の第1及び第2の部分の他方に対して移動可能とすることができる。
【0009】
本発明の開示の別の態様では、回収デバイスは、遠位端を有するシースを含むことができる。回収デバイスはまた、シースの遠位端に対して移動可能なエンドエフェクタを含むことができる。エンドエフェクタは、遠位端を含むことができる。エンドエフェクタはまた、エンドエフェクタの第1及び第2のアーム上の第1及び第2の開口部がエンドエフェクタの第3のアームを受け入れ、第3のアームの遠位部分がエンドエフェクタの遠位端で中心開口部を定める開放端構成を含むことができる。エンドエフェクタはまた、中心開口部のサイズが、第3のアームがエンドエフェクタの遠位端で第1及び第2のアームを一緒に引き込むことによって縮小される閉鎖端構成を含むことができる。
【0010】
回収デバイスの態様は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。閉鎖端構成では、第1及び第2のアームの遠位端は、互いに隣接することができる。閉鎖端構成では、第1及び第2のアームの遠位端は、互いに接触することができる。エンドエフェクタは、第4のアームを含むことができる。エンドエフェクタの第1及び第2のアーム上の第1及び第2の開口部は、エンドエフェクタの第4のアームを受け入れることができる。第4のアームの遠位部分は、エンドエフェクタの遠位端で中心開口部の少なくとも一部を定めることができる。開放端構成では、第3及び第4のアームの湾曲端部は、中心開口部の対向する側部を定めることができる。第3及び第4のアームの遠位部分は、エンドエフェクタの遠位端で重なることができる。エンドエフェクタは、拡張状態と収縮状態の間で移動可能とすることができる。エンドエフェクタは、拡張状態において開放端構成及び収縮状態において閉鎖端構成を有することができる。第1、第2、第3、及び第4のアームの遠位先端は、閉鎖端構成において互いに連動することができる。
【0011】
本発明の開示の別の態様では、回収デバイスを用いて物体を回収する方法は、物体を含有するターゲット区域まで回収デバイスのシースの遠位端を誘導する段階を含むことができる。本方法はまた、エンドエフェクタをシースの遠位端から遠位に延長する段階を含むことができる。本方法はまた、エンドエフェクタを拡張する段階を含むことができる。本方法はまた、物体の少なくとも一部分をエンドエフェクタ上の開口部を通して通過させる段階を含むことができる。開口部は、少なくとも部分的にエンドエフェクタの第1及び第2のアームの遠位部分とエンドエフェクタの第3のアームの遠位部分とによって形成されたループを含むことができる。第3のアームは、第1及び第2のアーム内の第1及び第2の開口部に受け入れることができる。これに代えて、開口部は、第1及び第2のアーム、第1及び第3のアーム、及び第2及び第3のアームの間に形成される間隙を含むことができる。本方法はまた、物体上に保持力を作用するように物体の周りでエンドエフェクタを収縮させる段階を含むことができる。エンドエフェクタを収縮させる段階は、エンドエフェクタ上の開口部のサイズを縮小する段階を含むことができる。
【0012】
回収デバイスの態様は、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。エンドエフェクタは、シースの遠位端から遠位に延長される時に拡張するように内在的に付勢することができる。エンドエフェクタを収縮させる段階は、エンドエフェクタの少なくとも一部分をシースの遠位端の中に後退させる段階を含むことができる。エンドエフェクタを収縮させる段階は、第3のアームの少なくとも一部分をシースの遠位端の中に後退させる段階を含むことができる。エンドエフェクタを収縮させる段階は、第1及び第2のアームの遠位部分をエンドエフェクタの中心長手軸線に向いた状態にもたらす段階を含むことができる。エンドエフェクタを収縮させる段階は、第3のアームの少なくとも一部分を近位方向に引くことによって第1及び第2のアームの遠位部分を接触状態にもたらす段階を含むことができる。
【0013】
本発明の開示の別の態様では、回収デバイスは、遠位端を有するシースを含むことができる。回収デバイスはまた、シースの遠位端に対して移動可能なエンドエフェクタを含むことができる。エンドエフェクタは、第1のアームを含むことができ、第1のアームは、第1のアームの遠位部分に第1の開口部を含む。エンドエフェクタはまた、第1の開口部に摺動可能に受け入れられる第2のアームを含むことができ、第2のアームの遠位部分は、ループの少なくとも一部を形成し、ループは、第1の開口部を通って延びる。
【0014】
上述の概要及び以下の詳細説明の両方は、例示的及び説明的に過ぎず、特許請求するような本発明を制限しないことは理解することができる。
【0015】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本発明の開示の例示的態様を示し、かつ説明と共に開示の原理を説明するように機能する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の開示の態様により延長位置及び拡張状態にあるエンドエフェクタを含む回収デバイスの概略側面図である。
図2】本発明の開示の態様によりエンドエフェクタが部分的に延長/後退位置及び部分的に拡張/収縮状態にある中間状態にある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図3】本発明の開示の態様により後退位置及び収縮状態にある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図4】本発明の開示の態様により延長位置及び拡張状態にありかつ回収される物体の近くにある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図5】本発明の開示の態様により物体の周りで部分的に収縮/拡張状態にある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図6】本発明の開示の態様により物体の周りで別の部分的に収縮/拡張状態にある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図7】本発明の開示の態様により物体の周りで別の部分的に収縮/拡張状態にある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図8】本発明の開示の態様により延長位置及び拡張状態にあるエンドエフェクタを含む別の回収デバイスの概略側面図である。
図9】本発明の開示の態様により延長位置及び収縮状態にある図8の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図10】本発明の開示の態様により後退位置及び収縮状態にある図9の回収デバイスのエンドエフェクタの側面図である。
図11】本発明の開示の態様によりエンドエフェクタが収縮状態にある図1の回収デバイスのエンドエフェクタの閉鎖遠位端の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
概観
本発明の開示は、回収デバイス及び関連の方法に対して描かれている。本発明の開示の態様をここで詳細に参照し、その例は、添付の図面に示されている。可能な限り、図面を通して同じ参照番号を使用し、同じか又は類似の部分を指すことになる。用語「遠位」は、患者内にデバイスを導入する時にユーザから最も離れた部分を指す。対照的に、用語「近位」は、患者内にデバイスを置く時にユーザに最も近い部分を指す。
【0018】
例示的態様
図1図7は回収デバイス10の態様を示し、図4図7は物体12を回収する回収デバイス10を示している。回収デバイス10は、エンドエフェクタアセンブリを含むことができる。一態様により、エンドエフェクタアセンブリは、物体12と係合するように構成されたエンドエフェクタ16を含むことができる。エンドエフェクタアセンブリはまた、エンドエフェクタ16を移動するように構成された駆動部材18を含むことができる。エンドエフェクタ16は、物体を捕捉及び/又は解除するために駆動部材18によって選択的に外側シース42の遠位部分から延び、かつその中に後退することができる。
【0019】
エンドエフェクタ16は、アーム20、24、26、及び28を含むことができる。アーム20は、湾曲遠位部分又は端部32によってリンクすることができる支柱21及び22を含むことができる。一態様により、アーム20は、単一連続部材から構成することができる。これに代えて、アーム20は、湾曲端部32を形成するように互いに接合された2又は3以上のワイヤセグメントから構成することができる。単一連続部材は、例えば、U字、涙滴、又は花弁形状を有するワイヤを含むことができる。支柱21及び22の間の間隙は、支柱21及び22が湾曲端部32から離れて近位に延びると縮小することができる。ワイヤは、変形力がない場合にワイヤがその元の形状に戻り及び/又は間隙を維持することができるように、形状記憶材料で作ることができる。例えば、ワイヤは「ニチノール」で作ることができる。これに加えて又はこれに代えて、ワイヤは、拘束力がない場合にエンドエフェクタ16の長手軸線から離れて半径方向外向きにアーム20を移動する内部付勢を保有するように処理することができる。これに代えて、ワイヤは、以下に限定されるものではないが、金属、ポリマー、又は材料の組合せを含むあらゆる適切な材料で形成することができる。
【0020】
アーム28は、アーム20と同様とすることができ、湾曲遠位部分又は端部34によってリンクすることができる支柱29及び30を含むことができる。一態様により、アーム20及び28は、同じ材料、寸法、及び/又は形状特性を有することができる。アーム20及び28は、エンドエフェクタ16の対向する側部を形成することができる。
【0021】
アーム24及び26は、エンドエフェクタ16の他の対向する側部を形成することができる。アーム24は、その遠位端に開口部、ループ、又はアイレット36を含むことができる。アーム26も、その遠位端に開口部、ループ、又はアイレット38を含むことができる。アーム24及び26は、ワイヤで作ることができる。例えば、アーム24及び26のうちの少なくとも一方は、その遠位端で曲がった単一ワイヤを含み、アイレットを形成することができる。これに代えて、アーム24及び26のうちの少なくとも一方は、リングがその遠位端に固定されたワイヤを含むことができる。これに代えて、アーム24及び26の各々は、それを通って延びるワイヤ(図示せず)を有するシース(図示せず)を含むことができる。ワイヤの1つの長さは、シースを通ってかつシースの遠位端から出て延びることができる。シースの外側では、ワイヤは曲げられ、シースの遠位端の中に挿入して戻され、ワイヤの曲げ部分の一部を露出して残すことができる。ワイヤの露出部分は、アイレットを形成することができる。シースは、ポリイミドのようなポリマー又はポリエチレンテレフタレートを含むあらゆる適切な材料で作ることができる。
【0022】
アーム24及び26は、アーム20及び28よりも剛性とすることができる。例えば、アーム24及び26は、アーム20及び28と同じ材料で作ることができるが、アーム24及び26は、アーム20及び28よりも厚くすることができる。これに加えて又はこれに代えて、アーム24及び26は、アーム20及び28の材料よりも高い剛性係数を有する材料で作ることができる。例えば、アーム24及び26はステンレス鋼で作ることができるが、アーム20及び28は「ニチノール」で作ることができる。これに加えて又はこれに代えて、アーム24及び26は、補剛シース(図示せず)内にそれらの各々を封入することによって補剛することができる。アーム24及び26は、拘束力がない場合にエンドエフェクタ16の長手軸線から離れて半径方向外向きにアーム24及び26を移動する内部付勢を保有することができる。
【0023】
アーム20及び28は、アーム24及び26のアイレット36及び38を通って延びることができる。例えば、支柱22及び30は、アイレット38を通って延びることができ、支柱21及び29は、アイレット36を通って延びることができる。湾曲端部32は、アイレット36及び38の一方の側部のアイレット36及び38の間を延びることができる。湾曲端部34は、アイレット36及び38の反対の側部のアイレット36及び38の間を延びることができる。図1及び図4に見られるように、支柱21、22、29、及び30は、アイレット36及び38に向けて湾曲することができる。支柱21、22、29、及び30は、エンドエフェクタ16の対向する側部を形成することができる。湾曲端部32及び34は、湾曲端部32及び34がエンドエフェクタ16のフロントループ40を形成することができるように、互いに対向して少なくとも部分的に重なることができる。フロントループ40は、そこに中心開口部を定めることができる。アーム20及び28は、支柱21、22、29、及び30の曲率を変化させ、支柱21、22、29、及び30の間の距離を変化させ、及び/又はフロントループ40の中心開口部の直径を変化させるようにアイレット36及び38を通じて摺動可能とすることができる。
【0024】
エンドエフェクタ16は、エンドエフェクタ16が外側シース42の遠位端から遠位に延びる延長位置と、エンドエフェクタ16が外側シース42の遠位端を通じて外側シース42の内腔44の中に近位に引き出される後退位置との間で移動可能とすることができる。内腔44は、外側シース42を通って長手方向に延びることができる。外側シース42は、例えば、中空チューブを含むことができる。外側シース42は、ポリマー材料で作ることができる。
【0025】
エンドエフェクタ16の延長位置では、アーム20、24、26、及び28は、図1及び図4に示すように拡張状態内に半径方向外向きに拡張することができる。エンドエフェクタ16の後退位置では、アーム20、24、26、及び28は、図3に示すように圧壊又は収縮状態内に半径方向内向きに収縮することができる。エンドエフェクタ16はまた、図2及び図5図7に示すように、部分的に延長/後退位置及び/又は部分的に拡張/後退状態まで移動することができる。エンドエフェクタ16は、拡張状態にある開放端構成と圧壊又は収縮状態にある閉鎖端構成とを有することができる。
【0026】
駆動部材18を使用して、外側シース42に対してエンドエフェクタ16を移動することができる。一態様により、アーム20、24、26、及び28の近位端は、駆動部材18の遠位端に固定的に結合することができる。例えば、駆動部材18は、ケーブル又は可撓性円筒部材を含むことができる。
【0027】
これに代えて、アーム20、24、26、及び28の近位部分は、駆動部材18の少なくとも一部を形成することができる。一態様により、アーム20、24、26、及び28のうちの2又は3以上の近位部分は、固定的に結合され、従って、それらの近位部分の移動をリンクすることができる。例えば、アーム20及び28の近位部分は、固定的に結合することができる。これに加えて又はこれに代えて、アーム24及び26の近位部分を固定的に結合することができる。アーム20、24、26、及び28の近位部分は、全て固定的に結合することができることも考えられている。
【0028】
別の態様により、アーム20、24、26、及び28のうちの2又は3以上の近位部分を結合解除し、それらの近位部分の間の相対移動を可能にすることができる。例えば、アーム20及び/又は28の近位部分は、アーム24及び26の近位部分から結合解除することができる。これに加えて又はこれに代えて、アーム20、24、26、及び28の近位部分は、全て結合解除することができる。近位部分の固定的結合及び/又は結合解除のいずれの組合せも使用することができる。例えば、アーム20及び28の近位部分を固定的に結合することができ、かつアーム24及び26の近位部分を固定的に結合することができ、一方、アーム20及び28の近位部分は、アーム24及び26の近位部分から結合解除することができる。これに加えて又はこれに代えて、アーム20及び28の近位部分は、互いからかつアーム24及び26の近位部分から結合解除することができ、一方、アーム24及び26の近位部分は、固定的に結合することができる。
【0029】
回収デバイス10はまた、ハンドルアセンブリ45を含むことができる。ハンドルアセンブリ45は、シース制御部分46及びエンドエフェクタ制御部分48を含むことができる。外側シース42は、シース制御部分46に固定的に結合することができる。駆動部材18は、エンドエフェクタ制御部分48に固定的に結合することができる。シース制御部分46及びエンドエフェクタ制御部分48の一方は、他方に対して移動可能とすることができる。例えば、シース制御部分46は、エンドエフェクタ制御部分48に対して遠位に移動することができ、又はエンドエフェクタ制御部分48は、シース制御部分46に対して近位に移動し、エンドエフェクタ16を後退かつ収縮させることができる。シース制御部分46は、エンドエフェクタ制御部分48に対して近位に移動することができ、又はエンドエフェクタ制御部分48は、シース制御部分46に対して遠位に移動し、エンドエフェクタ16を延長かつ拡張することができる。エンドエフェクタ制御部分48は、ユーザの手又は指で制御する1又は2以上のつまみ、ボタン、タブ、及び/又はあらゆる他の適切な制御構造(図示せず)を含むことができる。
【0030】
一態様により、駆動部材18が、駆動部材18の1又は2以上の他の部分に対して移動可能である1又は2以上の部分を含む時に、エンドエフェクタ制御部分48は、個々に又は群として相対移動可能な部分を移動してエンドエフェクタ16の移動を制御するように構成することができる。エンドエフェクタ制御部分48は、つまみ、ボタン、タブ、及び/又はあらゆる他の適切な制御構造(図示せず)を含むことができ、1つのそのような構造は、他の近位部分のいずれかに対して移動可能であるアーム20、24、26、及び28の近位部分の各々に固定的に結合されてこれを制御するように構成される。制御構造は、個々に又は一体となって移動してエンドエフェクタ16を操作することができるように考えられている。例えば、エンドエフェクタ制御部分48の各部分がアーム24及び26に対してアーム20及び28を移動するように相対移動可能とすることができるように、エンドエフェクタ制御部分48の一部は、アーム20及び28の近位部分に結合することができ、エンドエフェクタ制御部分48の別の部分は、アーム24及び26の近位部分に結合することができる。これに加えて又はこれに代えて、エンドエフェクタ制御部分48は、アーム20及び28を相対移動可能とすることができるように、一方はアーム20の近位部分に結合され、他方はアーム28の近位部分に結合された2つの部分を含むことができる。エンドエフェクタ制御部分48は、アーム20、24、26、及び28を移動するためにあらゆる適切な数の部分を含むことができる。
【0031】
ユーザは、回収デバイス10の遠位部分を患者内に、かつユーザが回収したい物体を含有する患者内のターゲット区域に向けて挿入することができる。例えば、外側シース42及び駆動部材18、並びにエンドエフェクタ16の遠位部分は、患者内に直接挿入されてターゲット区域まで誘導することができる。これに代えて、シース又は内視鏡のようなイントロデューサ(図示せず)を患者内に挿入することができる。イントロデューサの遠位端は、ターゲット区域まで誘導することができる。回収デバイス10は、イントロデューサの内腔の中に挿入され、内腔を通じて誘導され、かつ少なくとも部分的にイントロデューサの遠位端からターゲット区域の中に延びることができる。これに代えて、回収デバイス10は、イントロデューサ及び回収デバイス10が患者内に挿入されて一緒にターゲット区域まで誘導することができるように、患者の身体の外側でイントロデューサの中に予め装填することができる。イントロデューサ及び/又は回収デバイス10のターゲット区域への誘導は、イントロデューサの遠位端にある撮像デバイスのようなあらゆる適切な可視化デバイスの使用によって補助することができる。
【0032】
患者内への回収デバイス10の挿入及び/又はターゲット区域までの回収デバイス10の誘導中に、エンドエフェクタアセンブリ16は、図3に示す後退位置及び収縮状態にある場合がある。後退及び収縮したエンドエフェクタアセンブリ16のプロファイルの縮小は、蛇行した生体構造及び/又は小さい解剖学的開口部を通してターゲット区域にエンドエフェクタアセンブリ16を挿入して誘導することを容易にすることができる。エンドエフェクタアセンブリ16は、シース制御部分46に対して近位にエンドエフェクタ制御部分48を移動することによって後退して収縮することができる。例えば、図1及び図4に示すように、延長及び拡張したエンドエフェクタ16から始めて、シース制御部分46に対して近位にエンドエフェクタ制御部分48を移動することで、外側シース42に対して近位に駆動部材18を移動し、従って、エンドエフェクタ16の近位部分を外側シース42の遠位端の中に引き込むことができる。エンドエフェクタ16が外側シース42の中に引き込まれると、エンドエフェクタ16は、図2に示すように変形することができる。アーム20、24、26、及び28のうちの1又は2以上は、より直線的になることができる。アーム20、24、26、及び28は、互いに向けて移動することができる。湾曲端部32及び34によって形成されたフロントループ40は、曲げられ、及び/又は折り畳むことができる。これは、エンドエフェクタ16が図3に示す方式で外側シース42に収容されるまで続けることができる。
【0033】
外側シース42の遠位端は、回収される物体の近くに位置決めすることができる。エンドエフェクタ16は、シース制御部分46に対して遠位にエンドエフェクタ制御部分48を移動することによって延長かつ拡張することができる。エンドエフェクタ16は、例えば、図3に示す状態から図2に示す状態まで移動することができる。エンドエフェクタ16が外側シース42から出て延びると、エンドエフェクタ16は、その形状記憶特性及び/又は内在的付勢により外向きに拡張することができる。アーム20、24、26、及び28のうちの1又は2以上は、より湾曲することができる。アーム20、24、26、及び28は、互いから離れて移動することができる。湾曲端部32及び34によって形成されたループは、拡張され、及び/又は平坦化することができる。これは、エンドエフェクタ16及び外側シース42が図1に示す方式で拡張するまで続けることができる。
【0034】
ユーザは、エンドエフェクタ16を誘導してエンドエフェクタ16内に物体12を位置決めすることができる。エンドエフェクタ16が延長かつ拡張された状態で、フロントループ40は、その最も広い直径にすることができ、アーム20、24、26、及び28の間の間隙をそれらの最も広い幅にし、フロントループ40又は間隙のうちの一方を通じてエンドエフェクタ16への物体12の進入を容易にすることができる。一部の事例では、物体12全体がエンドエフェクタ16に入ることができる(図6)。一部の事例では、物体12の一部のみがエンドエフェクタ16に入ることができる(図7)。
【0035】
ユーザは、エンドエフェクタ16の1又は2以上の部分を使用して物体12上に保持力を作用することによってエンドエフェクタ16に物体12を捕捉することができる。一態様により、ユーザは、シース制御部分46に対して近位にエンドエフェクタ制御部分48を移動し、外側シース42に対して近位に駆動部材18を移動し、すなわち、エンドエフェクタ16を外側シース42の中に引き込むことができる。エンドエフェクタ16が外側シース42の中に引き込まれると、エンドエフェクタ16は、図5に示すように変形することができる。アーム20、24、26、及び28のうちの1又は2以上は、より直線的になることができる。アーム20、24、26、及び28は、互いに向けて移動することができる。湾曲端部32及び34によって形成されたフロントループ40は、曲げられ、及び/又は折り畳むことができる。それらの移動は、アーム20、24、26、及び28の間のフロントループ40の直径及び間隙の幅を縮小し、物体12がエンドエフェクタ16内から逃がれることができる方法を制限することができる。外側シース42内へのエンドエフェクタ16の引き出しが続くと、アーム20、24、26、及び28は、物体12の外面と強制的に係合することができる。フロントループ40の直径は、図6に示すように、アイレット36及び38が一緒に引き込まれて近接又は接触状態でフロントループ40が閉鎖するまで縮小し、エンドエフェクタ16に閉鎖遠位端を与えることができる。図11は、図6の閉鎖遠位端の拡大図(エンドエフェクタ16内から近位に見た)を示している。アーム20及び28に対する引張力は、アーム20及び28の逆曲げ部を各逆方向に引き込み、逆曲げ部を互いに向いた状態にもたらすことができる。アーム20及び28のこの移動は、アイレット36及び38、並びにアーム24及び26の残りの部分を互いに引き込むことができる。閉鎖遠位端は、アーム20及び28の逆曲げ部の更なる逆移動がアーム20及び28の逆曲げ部の間のアイレット36及び38の一部によって妨げられる時に形成される。アーム20及び28の逆曲げ部は、アイレット36及び38に対して締結力を作用し、アーム20及び28の逆曲げ部をアイレット36及び38に連動させることができる。アーム20に作用する追加の引張力は、支柱21及び22を互いに近づけ、従って、アーム20の逆曲げ部の曲率を大きくすることができる。同様に、アーム28に作用する追加の引張力は、支柱29及び30を互いに近づけ、従って、アーム28の逆曲げ部の曲率を大きくすることができる。従って、アーム20及び28の逆曲げ部及びアイレット36及び38は、更により大きい程度まで強制的に係合することができる。
【0036】
一部の事例では、物体12は、図7を参照して以下により詳細に説明するように、部分的にのみエンドエフェクタ16内に存在し、エンドエフェクタ16の遠位端の完全閉鎖を抑制する場合がある。エンドエフェクタ16の後退中に、外側シース42の遠位端が、物体12及び/又はアーム20、24、26、及び28に力を作用し、物体12とアーム20、24、26、及び28の間の係合の力を更に高めることができることも考えられている。次に、ユーザは、患者内から回収デバイス10を引き出して患者の身体から物体12を取り出すことができる。
【0037】
物体12の一部がその捕捉中にエンドエフェクタ16の外側に留まる場合に、アーム20、24、26、及び28の少なくとも一部は、物体12を捕捉するのに依然として使用することができる。例えば、フロントループ40は、物体12の中間領域の周りに位置決めすることができる。エンドエフェクタ16が外側シース42の中に引き込まれると、フロントループ40は、アイレット36及び38の周りの湾曲端部32及び34のピボット移動に起因して、折り畳むことができる(図5)。湾曲端部32及び34は、湾曲端部32及び34及び/又はアイレット36及び38が物体12の中間部分と強制的に係合することができる点までピボット回転することができる。外側シース42内へのエンドエフェクタ16の連続移動は、図7に示すように、物体12の中間部分の周りにより緊密にフロントループ40を閉鎖することができる。次に、ユーザは、患者内から回収デバイス10を引き出して患者の身体から物体12を取り出すことができる。
【0038】
アーム20、24、26、及び28のうちの1又は2以上を個々に移動する機能は、物体12の捕捉を補助することができる。例えば、ユーザは、アーム24及び26を外側シースの中に後退させることなくアーム20及び28を外側シース42の中に後退させることができる。これは、駆動部材18がアーム20、24、26、及び28の近位部分を含む時に可能とすることができ、エンドエフェクタ制御部分48は、アーム24及び26の近位部分に対してアーム20及び28の近位部分を移動するように構成される。アーム20及び28が後退すると、フロントループ40は、アイレット36及び38の周りの湾曲端部32及び34のピボット移動に起因してアイレット36及び38の間を延びる線に沿って折り畳むことができる(図5)。湾曲端部32及び34は、湾曲端部32及び34を鉗子の第1及び第2の顎のような物体の上に締結することができる点までピボット回転することができる。ユーザは、物体を再位置決めしてエンドエフェクタ16で物体を完全に捕捉することを容易にする機能を有することができる。
【0039】
これに代えて又はこれに加えて、アーム20及び28が更に外側シース42の中に後退すると、湾曲端部32及び34及び/又はアイレット36及び38は、高めた力を用いて物体12と係合することができる。物体12の一部がフロントループ40内にある場合に、湾曲端部32及び34は、図7に示すように、物体12と強制的に係合することができる。アーム24及び26の剛性は、湾曲端部32及び34が物体と係合した時にフロントループ40が実質的に平面であり、及び/又はエンドエフェクタ16の中心長手軸線に対して実質的に垂直に延びることができるように、湾曲端部32及び34の保持を補助することができる。物体12がエンドエフェクタ16内にある場合に、アーム20及び28の後退は、アーム20、24、26、及び28を半径方向内向きにもたらして物体12と係合させることができ、エンドエフェクタ16が図6及び11に示すように連動した閉鎖遠位端を含むことができるようにフロントループ40を閉鎖することができる。これは、エンドエフェクタ16が、エンドエフェクタ16の少なくとも一部分が延長位置にある状態で物体12を捕捉することを可能にすることができる。
【0040】
アーム20、24、26、及び28のうちの1又は2以上は、物体12を捕捉する1つのステージ中に個々に移動し、物体12の捕捉の別のステージ中に1又は2以上の他のものと一体になって移動することができることも考えられている。例えば、アーム20及び28は、アーム24及び26が物体12を捕捉する第1のステージ中に延長したままの間に後退することができる。これは、エンドエフェクタ16が延長位置にある状態で物体12の捕捉を可能にすることができる。一部の事例では、物体の周りでエンドエフェクタの閉鎖を開始するエンドエフェクタの後退は、エンドエフェクタから外に物体を落すことを可能にすることができる。エンドエフェクタ16を後退させる前に物体12の周りのエンドエフェクタ16の閉鎖を開始することで、エンドエフェクタ16の閉鎖が始まると、物体12がエンドエフェクタ16から落ちる可能性を低下させることができる。第2のステージ中に、アーム20、24、26、及び28は、一体となって後退し、外側シース42の遠位端がアーム20、24、26、及び28と係合して物体12に対する保持力を増大することを可能にすることができる。
【0041】
外側シース42内へのエンドエフェクタ16の後退及び収縮は、物体12の捕捉を補助することができるが、物体12を捕捉した後のエンドエフェクタ16の延長及び拡張は、エンドエフェクタ16からの物体12の解除を容易にすることができる。物体12の解除は、物体12を捕捉するための上述のものとは反対方向にエンドエフェクタ16の一部を移動することによって行うことができる。エンドエフェクタ16が延長位置及び拡張状態にある状態で、開放フロントループ40は、アーム20、24、26、及び28の間の間隙がそうであるように、物体12の解除を容易にすることができる。
【0042】
図8図10は、図4図7に示す物体12のような物体(図示せず)と係合するように構成されたエンドエフェクタ116を有する回収デバイス110の態様を示している。回収デバイス110はまた、エンドエフェクタ116を移動するように構成された駆動部材118を含むことができる。エンドエフェクタ116は、例えば、駆動部材118によって外側シース142の遠位部分から選択的に延長され、かつその中に後退することができる。
【0043】
エンドエフェクタ116は、アーム120、124、及び126を含むことができる。アーム120、124、及び126は、エンドエフェクタ116の側部を形成することができる。アーム124は、シース125と、シース125を通って延びるワイヤ127とを含むことができる。ワイヤ127の1つの長さは、シース125を通ってかつシース125の遠位端から出て延びることができる。シース125の外側では、ワイヤ127は曲げられ、シース125の遠位端の中に挿入して戻され、ワイヤ127の曲げ部分の一部を露出したままにすることができる。ワイヤ127の露出部分は、アーム124の遠位端に開口部、ループ、又はアイレット136を形成することができる。シース125は、ポリイミドのようなポリマー又はポリエチレンテレフタレートを含むあらゆる適切な材料で作ることができる。ワイヤ127は、ステンレス鋼又は「ニチノール」で作ることができる。ワイヤ127は、拘束力がない場合に、エンドエフェクタ116の長手軸線から離れて半径方向外向きにアーム124を移動する内部付勢を保有することができる。これに加えて又はこれに代えて、シース125は、アーム124を半径方向外向きに移動する内部付勢を保有することができる。例えば、シース125の壁は、1又は2以上の支柱又はコイル(図示せず)を含み、内部付勢を供給することができる。アーム126は、アーム124と類似のシース129及びワイヤ131を含むことができる。これに代えて、アーム124及び126のうちの1又は2以上は、それをシースなしに提供することができるという点でアーム24又はアーム26と同様とすることができる。
【0044】
アーム120は、シース125及び129と類似のシース133を含むことができる。アーム120はまた、ワイヤ127及び131と類似のワイヤ135を含むことができる。ワイヤ135及びシース133は、ワイヤ135が駆動部材118によってシース133の遠位部分から選択的に延長され、かつその中に後退することができるという点で、他のものとは異なる場合がある。図8では、ワイヤ135は、延長及び/又は拡張状態で示されている。ワイヤ135は、アイレット136及び138を通って延び、フロントループ140を形成することができる。ワイヤは、ワイヤ135がシース133の遠位部分の中に後退する時に(図9及び図10)アーム124及び126を半径方向内向きに引き、ワイヤ135がシース133の遠位部分から外に延長される時にアーム124及び126が半径方向外向きに移動することを可能にするように、アイレット136及び138を通じて摺動可能とすることができる。代替例では、アーム120は、シース133のないワイヤ135を含むことができる。そのような例では、エンドエフェクタ116の近位端でのワイヤ135の各部分は、シース133が存在する時よりも大きい程度まで離れて広がることが可能である場合がある。
【0045】
エンドエフェクタ116は、エンドエフェクタ116が外側シース142の遠位端から遠位に延びる延長位置と、エンドエフェクタ116が外側シース142の遠位端を通じて外側シース142の内腔144の中に近位に引き出される後退位置との間で移動可能とすることができる。外側シース142は、外側シース42(図1図7)と同様とすることができる。エンドエフェクタ116の延長位置では、アーム120、124、及び126は、図8に示すように、拡張状態に半径方向外向きに拡張することができる。延長及び拡張状態では、エンドエフェクタ116は、開放端構成を有することができ、アーム120、124、及び126の各部分の間に形成された開口部を通してエンドエフェクタ116の内部の中又はそこから外への物体の移動を容易にすることができる。アーム120、124、及び126は、図9に示すように、エンドエフェクタ116が延長状態にある間に収縮状態に一緒に引き込むことができる。この延長及び収縮状態では、エンドエフェクタ116は、閉鎖端構成を有することができ、かつ物体と強制的に係合してエンドエフェクタ116内に物体を保持することができる。アーム120、124、及び126はまた、図10に示すように、収縮かつ後退することができる。そのような移動は、外側シース142によりアーム120、124、及び126に作用する収縮力に起因して、アーム120、124、及び126と物体の間の係合の力を高めることができる。エンドエフェクタ116はまた、部分的に延長/後退位置、及び/又は部分的に拡張/後退状態まで移動することができることも認めなければならない。
【0046】
ループ140が、アイレット136及び138が互いに隣接するか又は接触するまで引き込まれるほど緊密に引かれた時に、エンドエフェクタ116の閉鎖端構成に達することができ、ループ140の更なる閉鎖は、ループ140内のアイレット136及び138の各部分によって防止されることが考えられている。これは、閉鎖端構成を形成するアイレット136、138、及び140の連動をもたらす。
【0047】
代替例では、アーム124及び126の一方を省略し、2つのアーム(第2のアームはアーム120である)を有するエンドエフェクタ116を残すことができる。この例におけるエンドエフェクタ116の作動は、アーム120のワイヤ135に対する引張力の作用がループ140を閉鎖し、かつアーム124及び126の一方をアーム120に向いた状態にもたらすことができるという点で、アーム124及び126の両方が存在する例における作動と同様とすることができる。
【0048】
駆動部材118を使用して、外側シース142に対してエンドエフェクタ116を移動することができる。例えば、アーム120、124、及び126の近位端は、駆動部材118の遠位端に固定的に結合することができる。駆動部材118は、例えば、ケーブル又は可撓性円筒部材を含むことができる。一例示的構成では、シース125、129、及び133とワイヤ127及び131との近位端は、駆動部材118の第1の部分の遠位端に固定的に結合することができる。これに代えて、ワイヤ127及び131は、シース125及び129の遠位端に固定的に結合することができる。ワイヤ135の近位端は、駆動部材118の第2の部分の遠位端に結合することができ、第2の部分は、シース125、129、及び133、並びにワイヤ127及び131に対してワイヤ135が移動することを可能にするように第1の部分から結合解除される。
【0049】
回収デバイス110はまた、ハンドルアセンブリ145を含むことができる。ハンドルアセンブリ145は、シース制御部分146とエンドエフェクタ制御部分148とを含むことができる。外側シース142は、シース制御部分146に固定的に結合することができる。駆動部材118は、エンドエフェクタ制御部分148に固定的に結合することができる。シース制御部分146及びエンドエフェクタ制御部分148の一方は、他方に対して移動可能とすることができる。例えば、シース制御部分146は、エンドエフェクタ制御部分148に対して遠位に移動することができ、又はエンドエフェクタ制御部分148は、シース制御部分146に対して近位に移動することができ、エンドエフェクタ116を後退かつ収縮させることができる。シース制御部分146は、エンドエフェクタ制御部分148に対して近位に移動することができ、又はエンドエフェクタ制御部分148は、シース制御部分146に対して遠位に移動することができ、エンドエフェクタ116を延長かつ拡張することができる。エンドエフェクタ制御部分148は、ユーザの手又は指で制御する1又は2以上のつまみ、ボタン、タブ、及び/又は他の適切な制御構造(図示せず)を含むことができる。
【0050】
一態様により、駆動部材118が、駆動部材118の1又は2以上の他の部分に対して移動可能である1又は2以上の部分を含む時に、エンドエフェクタ制御部分148は、個々に又は群として相対移動可能な部分を移動してエンドエフェクタ116の移動を制御するように構成することができる。例えば、エンドエフェクタ制御部分148の各部分が、シース125、129、及び133、並びにワイヤ127及び131に対してワイヤ135を移動してエンドエフェクタ116を収縮させ及び/又はそれが拡張することを可能にするように相対移動可能とすることができるように、エンドエフェクタ制御部分148の一部は、シース125、129、及び133、並びにワイヤ127及び131の近位部分に結合することができ、エンドエフェクタ制御部分148の別の部分は、ワイヤ135の近位部分に結合することができる。
【0051】
これに代えて、エンドエフェクタ制御部分148の各部分が、シース124及び129、並びにワイヤ127及び131に対してシース133及びワイヤ135を移動してエンドエフェクタ116を収縮させ及び/又はそれが拡張することを可能にするように相対移動可能とすることができるように、エンドエフェクタ制御部分148の一部は、シース125及び129、並びにワイヤ127及び131の近位部分に結合することができ、エンドエフェクタ制御部分148の別の部分は、シース133及びワイヤ135の近位部分に結合することができる。そのような構成では、エンドエフェクタ制御部分148の更に別の部分は、シース133に対してワイヤ135を移動してループ140を拡張かつ収縮させるように構成することができることを認めなければならない。上述の構成のいずれにおいても、エンドエフェクタ116を使用して物体を回収かつ解除することに関連付けられた段階は、エンドエフェクタ16に関して説明した段階と同様である。
【0052】
本発明の開示の範囲から逸脱することなく、開示したシステム及び方法に様々な修正及び変更を行うことができることは当業者には明らかであろう。本発明の開示の他の態様は、本明細書に開示する仕様の考察及び特徴の実施から当業者には明らかであろう。仕様及び実施例は、単に例示的とみなすように意図している。以下に本発明の実施態様を記載する。
(実施態様1)回収デバイスであって、
遠位端を有するシースと、前記シースの前記遠位端に対して移動可能なエンドエフェクタと、を含み、
前記エンドエフェクタは、
第1及び第2のアームであって、該第1のアームが、該第1のアームの遠位部分で第1の開口部を含み、該第2のアームが、該第2のアームの遠位部分で第2の開口部を含む前記第1及び第2のアームと、
前記第1及び第2の開口部に摺動可能に受け入れられる第3のアームであって、該第3のアームの遠位部分が、ループの少なくとも一部を形成し、該ループが、該第1及び第2の開口部を通って延びる前記第3のアームと、を含む、回収デバイス。
(実施態様2)前記エンドエフェクタは、前記第1及び第2の開口部に摺動可能に受け入れられる第4のアームを更に含み、
前記第3及び第4のアームの遠位部分が、前記ループを形成し、該ループは、該第3及び第4のアームを前記第1及び第2の開口部を通して摺動させることによって選択的に拡張可能かつ収縮可能である、実施態様1に記載の回収デバイス。
(実施態様3)前記ループを選択的に拡張かつ収縮させるために、前記第3のアームは、一方の方向に前記第1及び第2の開口部を通って摺動するように構成され、前記第4のアームは、反対の方向に該第1及び第2の開口部を通って摺動するように構成されている、実施態様2に記載の回収デバイス。
(実施態様4)前記第3のアームは、湾曲遠位部分によって接続された1対の近位部分を含む、実施態様2又は3に記載の回収デバイス。
(実施態様5)前記第4のアームは、湾曲遠位部分によって接続された1対の近位部分を含む、実施態様4に記載の回収デバイス。
(実施態様6)前記第3のアームの前記湾曲遠位部分は、前記ループの一方の側部を形成し、前記第4のアームの該湾曲遠位部分は、該ループの反対の側部を形成する、実施態様5に記載の回収デバイス。
(実施態様7)前記シースの前記遠位端に対して前記エンドエフェクタを移動するように構成されたハンドルアセンブリを含む、実施態様1〜6のいずれか1項に記載の回収デバイス。
(実施態様8)前記エンドエフェクタは、駆動部材によって前記ハンドルアセンブリに結合され、
前記駆動部材の第1の部分が、前記第1及び第2のアームの近位部分のうちの一方とケーブルとによって形成され、該駆動部材の第2の部分が、前記第3のアームの近位部分によって形成され、該駆動部材の該第1及び第2の部分の一方が、該駆動部材の該第1及び第2の部分の他方に対して移動可能である、実施態様7に記載の回収デバイス。
(実施態様9)回収デバイスを用いて物体を回収する方法であって、
前記物体を含有するターゲット区域まで前記回収デバイスのシースの遠位端を誘導する段階と、
エンドエフェクタを前記シースの前記遠位端から遠位に延長する段階と、
前記エンドエフェクタを拡張する段階と、
前記エンドエフェクタ上の開口部を通して前記物体の少なくとも一部分を通過させる段階であって、該開口部が、
前記エンドエフェクタの第1及び第2のアームの遠位部分と該エンドエフェクタの第3のアームの遠位部分とによって少なくとも部分的に形成されたループであって、該第3のアームが、該第1及び第2のアーム内の第1及び第2の開口部に受け入れられる前記ループ、及び
前記第1及び第2のアーム、前記第1及び第3のアーム、又は該第2及び第3のアームの間に形成された間隙、
のうちの一方を含む、前記通過させる段階と、
前記物体上に保持力を作用するために該物体の周りで前記エンドエフェクタを収縮させる段階であって、該エンドエフェクタを収縮させる段階が、該エンドエフェクタ上の前記開口部のサイズを縮小する段階を含む、前記収縮させる段階と、を含む、方法。
(実施態様10)前記エンドエフェクタは、前記シースの前記遠位端から遠位に延長される時に拡張するように内在的に付勢されている、実施態様9に記載の方法。
(実施態様11)前記エンドエフェクタを収縮させる段階は、該エンドエフェクタの少なくとも一部分を前記シースの前記遠位端の中に後退させる段階を含む、実施態様9又は10に記載の方法。
(実施態様12)前記エンドエフェクタを収縮させる段階は、前記第3のアームの少なくとも一部分を前記シースの前記遠位端の中に後退させる段階を含む、実施態様9〜11のいずれか1項に記載の方法。
(実施態様13)前記エンドエフェクタを収縮させる段階は、前記第1及び第2のアームの前記遠位部分を該エンドエフェクタの中心長手軸線に引き寄せる段階を含む、実施態様9〜12のいずれか1項に記載の方法。
(実施態様14)前記エンドエフェクタを収縮させる段階は、前記第3のアームの少なくとも一部分を近位方向に引くことによって前記第1及び第2のアームの前記遠位部分を接触状態にする段階を含む、実施態様9〜13のいずれか1項に記載の方法。
【符号の説明】
【0053】
10 回収デバイス
16 エンドエフェクタ
18 駆動部材
40 フロントループ
48 エンドエフェクタ制御部分
図1
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図11