特許第6749568号(P6749568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 荒木 崇志の特許一覧 ▶ 川人 俊二の特許一覧 ▶ 神元 将太の特許一覧 ▶ 坂根 空の特許一覧 ▶ 立道 瑞樹の特許一覧

<>
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000002
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000003
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000004
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000005
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000006
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000007
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000008
  • 特許6749568-連結部材およびそれを用いたテント 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6749568
(24)【登録日】2020年8月14日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】連結部材およびそれを用いたテント
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/34 20060101AFI20200824BHJP
   E04H 15/62 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   E04H15/34 A
   E04H15/62 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-32590(P2019-32590)
(22)【出願日】2019年2月26日
(65)【公開番号】特開2020-133368(P2020-133368A)
(43)【公開日】2020年8月31日
【審査請求日】2019年2月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319001732
【氏名又は名称】荒木 崇志
(73)【特許権者】
【識別番号】519067518
【氏名又は名称】川人 俊二
(73)【特許権者】
【識別番号】519067529
【氏名又は名称】神元 将太
(73)【特許権者】
【識別番号】519067530
【氏名又は名称】坂根 空
(73)【特許権者】
【識別番号】519067541
【氏名又は名称】立道 瑞樹
(72)【発明者】
【氏名】荒木 崇志
(72)【発明者】
【氏名】川人 俊二
(72)【発明者】
【氏名】神元 将太
(72)【発明者】
【氏名】坂根 空
(72)【発明者】
【氏名】立道 瑞樹
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 実公平01−039281(JP,Y2)
【文献】 特許第3193212(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の骨組みを連結してなるテントに用いる骨組みの連結部材であって、
骨組みを接合する骨組接合部と、
前記テントに用い、他の骨組みが接合された連結部材に接合させる第一の連結部材接合部と、
前記テントとは別のテントに用いる連結部材に接合させる第二の連結部材接合部と、
ピンを備え、
前記第一の連結部材接合部は、貫通孔で構成され、
前記第一の連結部材接合部の前記貫通孔と他の前記連結部材の前記第一の連結部材接合部の前記貫通孔とを合せ、前記ピンを挿入し固定することで、前記連結部材同士が連結され、
前記ピンは、地面にテントを設置するための設置部を有している、テントに用いる骨組みの連結部材。
【請求項2】
前記貫通孔の開口面は、円形または正多角形で構成される、請求項に記載のテントに用いる骨組みの連結部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のテントに用いる骨組みの連結部材を用いたテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結部材およびそれを用いたテントに関する。
【背景技術】
【0002】
2011年の東日本大震災では東北を中心に甚大な被害をもたらし、多くの被災者が避難生活を余儀なくされた。しかし、体育館や公民館などの避難所のスペースには限りが有り、すべての避難者を収容することはできない。そこで、建物外において収容性能が高いテントを設置することで、このような問題を解決できると考えた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−10465号公報
【特許文献2】特開平08−199856号公報
【特許文献3】特開平10−102828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のテントは、集積性が低く、限られた空間を有効に活用することが困難である。また、テントの形状を変更することが容易でなく、収容人数に応じて大きさを変えることができない。
【0005】
本発明の目的は、集積性が高く、またテント底面形状を変更できる骨組みの連結部材およびそれを用いたテントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、複数の骨組みを連結してなるテントに用いる骨組みの連結部材(11)であって、骨組みを接合する骨組接合部(11a)と、前記テントに用い、他の骨組みが接合された連結部材に接合させる第一の連結部材接合部(11b)と、前記テントとは別のテントに用いる連結部材に接合させる第二の連結部材接合部(14、11d)と、を備えている、テントに用いる骨組みの連結部材(11)、によって達成される。
【0007】
また、上記目的は、ピン(21)を備え、前記第一の連結部材接合部(11b)は、貫通孔で構成され、前記第一の連結部材接合部の前記貫通孔と他の前記連結部材の前記第一の連結部材接合部の前記貫通孔とを合せ、前記ピンを挿入し固定することで、前記連結部材同士が連結される、上記のテントに用いる骨組みの連結部材(11)、によっても達成される。
【0008】
また、上記目的は、前記ピン(21)は、地面にテントを設置するための設置部を有している、上記のテントに用いる骨組みの連結部材(11)、によっても達成される。
【0009】
また、上記目的は、前記貫通孔の開口面は、円形または正多角形で構成される、上記のテントに用いる骨組みの連結部材(11)、によっても達成される。
【0010】
また、上記目的は、上記のテントに用いる骨組みの連結部材を用いたテント(1a)、によっても達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、集積性が高く、またテント底面形状の変更できる骨組みの連結部材およびそれを用いたテントを提供することが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による連結部材11およびそれを用いたテント1aを説明する斜視図である。
図2】本発明の実施形態による連結部材11および連結部材12を説明する図である。
図3】本発明の実施形態による、連結部材11、連結部材12、骨組み13および連結部材接続ピン14からなる構造体15を説明する図である。
図4】本発明の実施形態による連結部材11、連結部材12および連結部材固定ピン21を説明する図である。
図5】本発明の実施形態によるポール31およびポール連結部材32を説明する図である。
図6】本発明の実施形態による複数個の構造体15および連結部材固定ピン21からなる構造形態22aを説明する図である。
図7】本発明の実施形態による複数個の構造形態22aを連結した場合を説明する図である。
図8】本発明の他の実施形態による複数個の構造体15および連結部材固定ピン21からなる構造形態22bを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜8を用いて、本発明の実施形態による連結部材およびそれを用いたテントを説明する。図1に示すように、本発明の実施形態によるテント1aは、連結部材11、連結部材12、骨組み13、連結部材接続ピン14、連結部材固定ピン21、ポール31、ポール連結部材32からなる。
【0014】
図2および図3を用いて、本発明の実施形態によるテント1aに含まれる連結部材11、連結部材12、骨組み13および連結部材接続ピン14を説明する。連結部材11を図2aに示す。連結部材11は、上心半円アーチ形状を平面の基本形とする、段付きの部材である。段付き部には、連結部材固定用ピン21を通すための、半円アーチと同心の貫通孔11bが空いている。連結部材11の円弧の反対側の側面には、骨組み13を接続するための穴11aが空いている。また、連結部材11の側面には、連結部材接続ピン14を取り付けるためのネジ穴11c、連結部材接続ピン14を接続するための穴11dが空いている。
【0015】
連結部材12を図2bに示す。連結部材12は、連結部材11と同様の構造を有するが、連結部材接続ピン14を取り付けるためのネジ穴12c、連結部材接続ピン14を接続するための穴12dは、それぞれ連結部材11とは反対側に空いている。
【0016】
骨組み13は、両側段付きの棒材である。段付き部は連結部材11および連結部材12それぞれの穴11a、12aに接続する。なお、骨組み13は任意の長さのものを用いることで、テント1の底面の大きさを変更することが可能である。
【0017】
連結部材接続ピン14は、連結部材11および連結部材12それぞれの穴11d、12dと同様の形状を有する棒材であり、片側にネジが切られている。そのおねじは、連結部材11および連結部材12それぞれのネジ穴11c、12cに入れることができる。なお、連結部材接続ピン14について、棒材にめねじを有する構造とし、すりわり付き止めねじを用いて連結部材11および連結部材12それぞれのネジ穴11c、12cと結合してもよい。
【0018】
連結部材11、連結部材12、骨組み13、連結部材接続ピン14からなる構造体15を図3に示す。
【0019】
連結部材11および12は、段付き部が上下互い違いの状態で骨組み13に接続される。このとき、構造体15の側面には、連結部材接続ピン14および当該ピンを入れる穴(11dあるいは12d)の対が生成される。これにより、ある一つの構造体15を、別の構造体15と結合することが可能となる。
【0020】
図4を用いて、本発明の実施形態による連結部材11、連結部材12および連結部材固定ピン21を説明する。
【0021】
連結部材固定ピン21は、段付きの円筒部材である。鉛直上面には、ポール31を接続する穴を有する。当該ピンの段付き部21bは、連結部材11および連結部材12に空いた貫通孔(11b、12b)へ挿入される。また当該ピンの段付き部21bはテーパを有し、地面に連結部材11および連結部材12を固定できる。さらに連結部材固定ピン21は、連結部材11および連結部材12(二つの構造体15どうし)の回転中心として機能する。これにより、構造体15を任意の回転角度で設置することが可能となる。なお、連結部材固定ピン21は、地面と接触する部分の径が大きい段付き形状とし、硬い地面(コンクリート等)上にも設置できるようにしてもよい。
【0022】
図5を用いて、ポール31およびポール連結部材32を説明する。
【0023】
ポール31は、機械的強度に優れ、かつ軽量の材料(例えば、カーボンファイバ等が好適)で形成され、一本、あるいは多段かつ長さが調整できる部材である。片方の先端は連結部材固定ピン21の穴21aに接続され、一方は、ポール連結部材32に空いた穴32aへ接続される。
【0024】
ポール連結部材32は、複数のポール31を連結する穴32aを有する。ポール連結部材の穴32aは等間隔に円形配置され、構造体15の接続状況に応じて、ポール31を接続する穴32aを選択できる。
【0025】
図6、7および8を用いて、本発明の実施形態による構造体15および連結部材固定ピン21からなる構造形態22a、および別の実施形態による構造形態22bを説明する。
【0026】
構造体15は連結部固定ピン21により結合され、また構造体15のなす角度を任意に調整でき、構造体15を複数個用いて多角形を形成できる。図6に示すのは、構造体15のなす角度を60度とし、三つの構造体15および三つの連結部固定ピン21を用いて形成した構造形態22aである。
【0027】
図7aは、三つの構造形態22aを、連結部材固定ピン21により連結した状態を示す。図7bは、図7aで示した構造形態を用いたテント1aを示す。
【0028】
図8aは、構造体15のなす角度を120度とし、六つの構造体15および六つの連結部固定ピン21を用いて形成した構造形態22bを示す。図8bは、図8aで示した構造形態を用いてテント1bを示す。図8a、bにそれぞれ示した構造形態22bおよびテント1bは、他の構造形態22bおよびテント1bとの結合が可能である。
【0029】
また、上述の実施形態は、本発明の好適な一例であるため、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上述の説明によって不当に限定されるものではない。また、上述の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、連結部材およびそれを用いたテントにおいて広く利用可能である。
【符号の説明】
【0031】
1a テント
11 連結部材
12 連結部材
13 骨組み
14 連結部材接続ピン
15 構造体
21 連結部材固定ピン
22 15および21からなる構造形態
31 ポール
32 ポール連結具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8