(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る点灯装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の点灯装置10は、電力変換部20と、制御回路30と、安全回路40と、を備える。点灯装置10は、交流端子11a,11bと、出力端子11c,11dと、を含む。点灯装置10は、交流端子11a,11bを介して、交流電源1に接続される。交流電源1は、たとえば商用電源である。点灯装置10は、出力端子11c,11dを介して、照明ユニット2に接続される。照明ユニット2は、発光素子2aを含む。発光素子2aは、複数個直列に接続されていてもよい。照明ユニット2は、接続端子3a,3bを有しており、接続端子3a,3bは、点灯装置10の出力端子11c,11dとそれぞれ接続される。
【0012】
点灯装置10は、調光信号端子11eを含む。点灯装置10は、調光信号端子11eを介して調光信号が入力される。入力される調光信号は、たとえばDALI(Degital Addressable Lighting Interface)等の照明制御信号である。
【0013】
点灯装置10は、交流電源1から交流電力の供給を受けて、調光信号にによって設定されたたとえば明るさで照明ユニット2を点灯させる。
【0014】
点灯装置10は、後述する電流検出器122の抵抗値を可変することによって照明ユニット2に供給する電流が設定することができる。つまり、点灯装置10は、点灯装置10の出力電力容量の範囲内で、異なる電力容量の照明ユニットを接続して点灯することができる。
【0015】
電力変換部20は、突入電流防止回路22と、整流平滑回路24と、DC−DCコンバータ26と、を含む。
【0016】
突入電流防止回路22は、交流端子11aと整流平滑回路24との間に接続されている。突入電流防止回路22は、電源投入時に、後段の整流平滑回路に流入する突入電流を抑制する。
【0017】
整流平滑回路24は、突入電流防止回路22とDC−DCコンバータ26との間に接続されている。整流平滑回路24は、整流回路および平滑回路を含んでおり、平滑回路は、アクティブ平滑フィルタであってもよい。整流平滑回路24は、交流電圧を整流し、平滑して直流電圧に変換して出力する。
【0018】
DC−DCコンバータ26は、整流平滑回路24と、出力端子11c,11dとの間に接続されている。DC−DCコンバータ26は、整流平滑回路24から出力される脈流を含む直流電圧を一定の電圧または一定の電流に変換して負荷に供給する。DC−DCコンバータ26は、調光信号に応じた電力を設定して負荷に供給し、たとえば負荷である照明ユニット2の明るさを制御する。
【0019】
DC−DCコンバータ26は、図示しないが、たとえばチョッパ方式のスイッチング電源回路を含む。スイッチング電源回路は、たとえば降圧型のチョッパである。スイッチング電源回路の形式は、降圧型に限らず、昇圧型、昇降圧型等であってもよい。スイッチング電源回路の形式は、入出力の電圧や出力電力等によって任意に設定することができる。
【0020】
DC−DCコンバータ26は、電圧検出器121と、電流検出器122と、を含む。電圧検出器121は、出力端子11c,11d間に接続されている。電圧検出器121は、たとえば抵抗分圧回路である。電圧検出器121は、直列に接続された抵抗器121a,121bを含む。電圧検出器121の出力電圧は、抵抗器121a,121bの接続ノードから出力される。つまり、電圧検出器121は、点灯装置10の出力電圧を検出して、出力電圧に比例する電圧を検出電圧Vdetとして出力する。検出電圧Vdetは、安全回路40に入力される。
【0021】
電流検出器122は、DC−DCコンバータ26の出力線に直列に接続されている。電流検出器122は、たとえば抵抗器である。電流検出器122の一端はDC−DCコンバータ26の内部で接地されている。電流検出器122の他端は、出力端子11dに接続されている。
【0022】
電流検出器122は、DC−DCコンバータ26の出力線に流れる電流を検出して、電圧値に変換して出力する。出力に照明ユニット2が接続された場合には、電流検出器122は、照明ユニット2に流れる電流を検出して電圧値の次元を有する検出電流Idet1として出力する。検出電流Idet1は、制御回路30および安全回路40にそれぞれ入力される。
【0023】
制御回路30は、調光制御回路131と、PWM回路132と、電流制御アンプ133と、基準電源134と、を含む。
【0024】
調光制御回路131には、調光信号端子11eを介して調光信号が入力される。調光制御回路131は、入力した調光信号をたとえば調光PWM信号に変換して出力する。
【0025】
PWM回路132は、調光制御回路131および電流制御アンプ133のそれぞれの出力に接続されている。PWM回路132の出力は、電力変換部20に供給される。電力変換部20が力率改善回路を含んでいる場合には、PWM回路132の出力は、力率改善回路およびDC−DCコンバータ26のそれぞれに供給される。
【0026】
電流制御アンプ133は、一方の入力には、電流検出器122の出力が接続されている。他方の入力には、基準電源134が接続されている。電流制御アンプ133は、電流検出器122から出力される検出電流Idet1と基準電源の値Irefとの誤差を増幅して出力する。
【0027】
PWM回路132は、電流制御アンプ133の出力に応じて駆動信号を生成する。検出電流Idet1が基準電源の値Irefよりも大きいときには、駆動信号のデューティ比は小さくなる。検出電流Idet1が基準電源の値Irefよりも小さいときには、駆動信号のデューティ比は大きくなる。
【0028】
DC−DCコンバータ26は、たとえば降圧型チョッパである。スイッチング素子のデューティ比に応じて、DC−DCコンバータ26の出力電圧および出力電流が設定される。DC−CDコンバータ26は、PWM回路132が出力する駆動信号のデューティ比に応じてスイッチング素子がスイッチングし、検出電流Idet1が基準電源の値Irefに等しくなるように動作する。
【0029】
PWM回路132は、調光制御回路131が出力する調光PWM信号に応じて、動作と非動作とを繰り返す。PWM回路132が動作するときには、出力に電力が供給され、PWM回路132が非動作のときには、出力に電力が供給されない。出力に供給される電力のデューティによって、照明ユニット2の点灯時の明るさが変化する。調光PWM信号は、調光信号に応じて設定されるので、照明ユニット2は、調光信号に応じて調光される。
【0030】
安全回路40は、電圧検出器121および電流検出器122のそれぞれの出力に接続されており、検出電圧Vdetおよび検出電流Idet1が入力される。
【0031】
安全回路40は、照明負荷の異常検出としての過電圧検出部141、熱的な異常検出としての過電流検出部142、電力演算部143、過電力検出部144および異常電流検出部145を含む。過電圧検出部141、過電流検出部142、過電力検出部144および異常電流検出部145の出力は、AND回路146に接続されている。AND回路146は、過電圧検出部141、過電流検出部142、過電力検出部144および異常電流検出部145のうちいずれか1つの出力がアクティブになったときには、停止信号HLTを出力する。
【0032】
過電圧検出部141は、検出電圧Vdetに関する過電圧しきい値Vovを有する。過電圧検出部141は、電圧検出器121から出力される検出電圧Vdetを入力する。過電圧検出部141は、検出電圧Vdetと過電圧しきい値Vovとを比較する。検出電圧Vdetが過電圧しきい値Vovを超えた場合には、安全回路40は、制御回路30に停止信号HLTを送出する。
【0033】
過電流検出部142は、検出電流Idet1に関する過電流しきい値Iocを有する。過電流検出部142は、電流検出器122から出力された検出電流Idet1を入力する。過電流検出部142は、検出電流Idet1と過電流しきい値Iocとを比較する。検出電流Idet1が過電流しきい値Iocを超えた場合には、安全回路40は、制御回路30に停止信号HLTを送出する。
【0034】
過電圧検出部141および過電流検出部142のそれぞれの検出値がそれぞれのしきい値を超えた後、安全回路40から停止信号HLTが送出されるまでの期間Tov,Tocは、好ましくはゼロである。期間Tov,Tocはゼロでない場合には、極力短いことが好ましく、期間Tov,Tocは、少なくとも、後述する他の保護機能がしきい値を検出後、停止信号HLTを送出するまでの期間よりも十分短い。
【0035】
電力演算部143は、入力された検出電圧Vdetおよび検出電流Idet1の積である検出電力Pcalを演算して出力する。電力演算部143の出力は、過電力検出部144に接続されている。過電力検出部144は、検出電力Pcalに関する過電力しきい値Povrを有する。安全回路40は、検出電力Pcalが過電力しきい値Povrを超えた場合には、停止信号HLTを制御回路30に送出する。
【0036】
好ましくは、安全回路40は、検出電力Pcalが過電力しきい値Povrを超えた状態が、あらかじめ設定された期間Tovr以上継続した場合に停止信号HLTを送出する。安全回路40は、検出電力Pcalが過電力しきい値Povrを超えた状態が期間Tovrに満たない場合には、停止信号HLTを送出しない。上述したとおり、期間Tovrは、期間Tov,Tocに比べて長い時間に設定されている。
【0037】
停止信号HLTを受信した制御回路30は、発信動作を停止する。そのため、点灯装置10は動作を停止し、照明ユニット2への電力供給が遮断される。
【0038】
上述の場合には、安全回路40が送出する停止信号HLTは、たとえばローレベルである。点灯装置10の交流電源1を遮断し、再度交流電源1を投入して点灯装置10を再起動することによって制御回路30および安全回路40が再起動した場合に、停止信号HLTのローレベルの状態が解除される。したがって、安全回路40は、過大な出力電圧あるいは過大な出力電流を検出した場合に、点灯装置10の動作を停止させ、停止状態を維持することができる。
【0039】
安全回路40が送出する停止信号HLTは、あらかじめ設定されたパルス幅を有するローベルのワンショット信号でもよい。制御回路30は、ラッチ回路を有しており、ローレベルのワンショット信号が入力された制御回路30は、発振動作を停止し、その状態がラッチされる。
【0040】
安全回路40は、制御回路30の電流制御アンプ133の出力に接続されている。電流制御アンプ133は、電流制御信号Idet2を安全回路40に供給する。安全回路40は、電流制御信号Idet2に関する異常電流しきい値Ifltを有する。異常電流しきい値Ifltは、たとえば、電流制御アンプ133の出力が飽和する電圧に設定される。
【0041】
安全回路40は、電流制御信号Idet2が異常電流しきい値Ifltを超えた状態が期間Tflt1以上継続した場合には、停止信号HLTを制御回路30に送出する。期間Tflt1は、期間Tov,Tocに比べて十分長い時間に設定される。
【0042】
この場合においては、たとえば停止信号HLTはローレベルでありその状態が維持される。ローレベルの状態となった停止信号HLTは、あらかじめ設定した期間Tflt2経過後にハイレベルに反転する。停止信号HLTがハイレベルに反転したことによって、制御回路30は、停止状態が解除され、動作を再開する。
【0043】
つまり、電流制御アンプ133の出力が飽和レベルまで上昇または低下した状態が継続した場合には、安全回路40は、電流検出信号Idet2に異常があるものと認識する。点灯装置10は、異常状態が解消されるまで、動作状態と停止状態とを繰り返す。
【0044】
上述の例では、発光ダイオードを発光素子2aとして用いた点灯装置の場合であり、電流制御アンプを用いて、異常電流を検出することができる。点灯装置が定電圧を出力する場合には、上述と同様にして、電圧制御アンプを用いて、異常電圧検出を行うことができる。
【0045】
安全回路40は、たとえばマイクロコンピュータやマイクロコントローラ等の図示しないメモリ等の記憶装置に格納されたプログラムの各ステップにしたがって動作する半導体装置であってもよい。安全装置40がマイクロコンピュータ等の場合には、安全装置40の過電圧検出部141、過電流検出部142、電力演算部143、過電力検出部144および異常電流検出部145のそれぞれは、一部または全部がプログラムに含まれるステップの一部または全部として実行されてもよい。
【0046】
実施形態の点灯装置の動作について説明する。
図2は、実施形態の点灯装置の保護機能の動作範囲を例示する図である。
図2では、横軸に点灯装置10の出力電流、縦軸に点灯装置10の出力電圧をとり、点灯装置10が安全に動作することができる範囲が正常動作領域として示されている。正常動作領域以外の領域は、動作停止領域である。
【0047】
図2に示すように、点灯装置10は、出力し得る最大電圧を有しており、これを超えた場合には、過電圧保護機能が動作する。たとえば、過電圧保護機能のしきい値は、点灯装置10の最大出力電圧の110%等のように設定される。点灯装置10の出力電圧が過電圧保護機能のしきい値を超えた場合には、点灯装置10は、制御回路30の発信動作を停止することによって動作を停止する。この停止状態は、電源再投入等によって、制御回路30が再起動することによって解除されるラッチ動作である。
【0048】
点灯装置10は、出力し得る最大電流を有しており、これを超えた場合には、過電流保護機能が動作する。たとえば過電流保護機能のしきい値は、点灯装置10の最大電流の110%等のように設定される。点灯装置10の出力電流が過電流保護機能のしきい値を超えた場合には、点灯装置10は、制御回路30の発信動作を停止することによって動作を停止しラッチする。ラッチ動作の解除のためには、電源再投入等によって、制御回路30が再起動する。
【0049】
過電圧保護機能および過電流保護機能は、点灯装置10の外部に接続される照明ユニット2等の異常によって生じる異常状態から、点灯装置10を保護する目的で設けられていいる。そのため、より安全に保護することができるように、異常状態の検出後、すみやかに点灯装置10を遮断するように動作する。そして、保護状態は維持され、解除するには、電源再投入を必要とする。
【0050】
点灯装置10は、出力することができる最大電力を有する。点灯装置10が出力する電力が最大電力を超えた場合には、過電力保護機能が動作する。最大電力のしきい値は
図2の一点鎖線で示されている。過電力保護機能のしきい値Povrは、出力電圧が過電圧しきい値Vovの場合に、流し得る出力電流I1としたときにVov×I1である。過電力保護機能のしきい値Povrは、出力電流が過電流しきい値Iocの場合に、出力し得る出力電圧V1としたときにV1×Iocである。Vov×I1は、V1×Iocとほぼ等しく、
図2の一点鎖線は、点灯装置10が出力し得る等電力となる線である。
【0051】
過電力保護機能のしきい値Povrは、点灯装置10が出力することができる最大電力のたとえば110%等に設定される。
【0052】
点灯装置10は、出力電力が過電力保護機能のしきい値Povrを超えた後、あらかじめ設定された期間Tovrの経過後、過電力の状態が継続される場合に、出力を遮断する。点灯装置10は、制御回路30の発振動作を停止することによって動作を停止し、その状態をラッチする。ラッチ動作の解除のためには、電源再投入等によって、制御回路30を再起動させる必要がある。
【0053】
過電力保護機能は、点灯装置10の最大出力電力よりも大きな消費電力を有する照明ユニットが出力に接続された場合に、点灯装置10を保護するために設けられている。点灯装置10が過大な電力を出力する場合には、点灯装置10自体あるいは内部の部品が発熱し、時間の経過とともに温度が上昇して許容温度を超過し得る。一方、短時間であれば、過大な出力電力を出力しても、温度上昇が小さいため、許容温度以内とすることができる。
【0054】
そのため、本実施形態の点灯装置10では、過電力保護機能の動作は、所定の期間Tovrを超えて過電力状態が継続した場合に点灯装置10の出力を遮断する。
【0055】
このようにすることによって、瞬時的な過電力状態で点灯装置10が動作停止する誤動作を防止しつつ、確実に過電力出力時に点灯装置10を保護することができる。
【0056】
異常電流保護機能は、出力電流が基準電源の値Irefによって設定される値よりも大きい状態が継続する場合に動作する。電流制御アンプ133は、電流検出器122から出力される検出電流Idet1が基準電源の値Irefよりも大きい場合には、たとえばハイレベルの電圧を出力する。点灯装置10に出力電流が通常の範囲であれば、検出電流Idet1は通常の範囲に戻る。たとえば、電流検出器122に何らかの異常があり、出力電流が流れているにもかかわらず、その電流値に応じた検出電流Idet1を出力しない場合が継続しときには、電流制御アンプ133は、ハイレベルの制御信号を出力し続ける。安全回路40は、制御信号のレベルがしきい値Ifltを超えて、あらかじめ設定された期間Tfl71継続したときには、停止信号HLTを制御回路30に送出する。
【0057】
停止信号HLTを受信した制御回路30は、発振動作を停止し、したがって、点灯装置10に出力は遮断される。
【0058】
安全回路40は、さらに、停止信号HLTを送出した後、あらかじめ設定された期間Tflt2が経過した場合には、制御回路30に再起動信号を送出する。再起動信号を受信した制御回路30は、再起動し、負荷に出力電流を供給する。この後、検出電流Idet1が正常に出力されないときには、安全回路40は、停止信号HLTを制御回路30に再度送出し点灯装置10を停止させる。点灯装置10は、このような動作を繰り返す。
【0059】
図3は、本実施形態の点灯装置の動作を説明するためのフローチャートの例である。
図3に示すように、ステップS1において、安全回路40は、検出電圧Vdetおよび検出電流Idet1の各データを取得する。取得された各データは、たとえば安全回路40内のレジスタ等に一時的に記憶される。
【0060】
ステップS2において、安全回路40は、検出電圧Vdetおよび検出電流Idet1を用いて、出力電力演算値Pcalを計算する。
【0061】
ステップS3において、安全回路40は、検出電圧Vdetと過電圧しきい値Vovとを比較する。安全回路40は、検出電圧Vdetが過電圧しきい値Vov以上のときには、ステップS4に処理を遷移させる。
【0062】
ステップS4において、安全回路40は、停止信号HLTを制御回路30に送信する。制御回路30は、停止信号HLTによって発振動作を停止する。そのため、点灯装置10は動作を停止し、出力が遮断される。
【0063】
ステップS3で検出電圧Vdetが過電圧しきい値Vovよりも低いときには、次のステップS5に処理を遷移させる。
【0064】
ステップS5において、安全回路40は、電流制御信号Idet2と異常電流しきい値Ifltとを比較する。安全回路40は、電流制御信号Idet2が異常電流しきい値Iflt以上の状態が期間Tflt1を経過した場合には、ステップS6に処理を遷移させる。
【0065】
ステップS6において、安全回路40は、制御回路30に停止信号HLTを送出する。
【0066】
ステップS7において、安全回路40は、停止信号HLTを送出後、所定の期間Tflt2が経過したか否かを判定し、期間Tflt2を経過するまで待機する。期間Tflt2を経過したときには、安全回路40は、ステップS8に処理を遷移させる。
【0067】
ステップS8において、安全回路40は、停止解除信号を制御回路30に送出する。停止解除信号を受信した制御回路30は、発振動作を開始し、再起動する。したがって、点灯装置10は再起動して、出力に電流を供給する。
【0068】
ステップS5で、電流制御信号Idet2が異常電流しきい値Ifltよりも低いときには、安全回路40は、処理をステップS9に遷移させる。
【0069】
ステップS9において、安全回路40は、出力電力演算値Pcalと出力電力しきい値Pthとを比較する。安全回路40は、出力電力演算値Pcalが出力電力しきい値以上かつ所定の期間Tovrを経過したときには、ステップS10に処理を遷移させる。
【0070】
ステップS10において、安全回路40は、制御回路30に停止信号HLTを送出する。制御回路30は、停止信号HLTにより発振動作を停止し、停止状態をラッチする。
【0071】
ステップS9で、出力電力演算値Pcalが出力電力しきい値Povrよりも小さいときには、最初のステップS1に戻って、上述の処理を繰り返す。
【0072】
なお、上述のフローチャートは、一例であり、上述の手順に限定されるものではない。たとえば、ステップS1でデータ取得後、ステップS3の判定を行い、その後、出力電力演算値Pcalの計算を行ってもよいし、ステップS9の出力電力の判定後、異常電流の判定を行うようにしてもよい。
【0073】
また、異常電流の検出を行っているときに(ステップS5)、出力電力の過大を判定するようにしてもよい(ステップS9)。
【0074】
本実施形態の点灯装置10の効果について説明する。
本実施形態の点灯装置10は、安全回路40を備えているので、過電圧保護および過電流保護に加えて、過電力保護を行うことができる。たとえば、電流検出器122の設定(抵抗値)を変えることによって、負荷に供給することができる出力電流を変更することができる点灯装置の場合には、出力の電圧や電流が点灯装置の定格値以内であっても、出力電力容量を超過することがある。より具体的に、点灯装置10の出力電力容量が100Wの場合には、100V,1Aの負荷や10V,10Aの負荷の両方を用いることができる。
【0075】
このような場合に、過電圧保護を110V、過電流保護を1.1Aに設定した場合には、15V,10Aの負荷を出力に接続した場合には、消費電力が150Wとなる。この場合には、過電圧保護機能も過電流保護機能も動作しない。これは、点灯装置10としては、過電力を出力している状態である。このような状態を放置した場合には、点灯装置10は、過熱状態となり、いずれ故障等に至る。本実施形態の点灯装置10では、たとえば、110W(定格出力の110%)で過電力機能が動作するので、点灯装置を破損等の不具合から保護することができる。
【0076】
負荷の消費電力が点灯装置10の出力電力容量よりも大きい場合には、過大な出力電力を供給することによって、点灯装置10は発熱する。しかしながら、電力印加による発熱は、点灯装置10や点灯装置10を構成する部品、部材の熱抵抗や熱容量によって、破損に至る発熱に到達するまである程度の時間を要する。たとえば、
図2において、×印の状態で過電力しきい値を超えても、期間Tovr以内に矢印のように正常動作領域内に入れば、点灯装置10は停止せず、動作を継続することができる。
【0077】
本実施形態の点灯装置10では、過電力保護機能の動作には、所定の期間Tovr、電力が印加されている期間が継続する必要がある。この期間Tovrによって、過渡的な過大電力の場合等には、過電力保護を不要に動作させることがなく、安定して安全な動作を継続させることができる。
【0078】
本実施形態の点灯装置10では、安全回路40が異常電流保護機能を有しているので、外部に接続される負荷に起因する問題以外にも、点灯装置10の内部の部品の不具合等に起因する過大な電流に対して、点灯装置10の破損等から保護することができる。
【0079】
安全回路40は、DC−DCコンバータ26内のスイッチング素子や電流検出器122の短絡等によって、検出電流Idet1が基準電源134の値Irefまで上昇しない場合を検出することができる。
図2において、△印のように過電流しきい値内で動作しているにもかかわらず、時間が経過してもその値が規定値に達しない場合には、点灯装置10の内部に不具合があると判定して、点灯装置10は動作を停止される。点灯装置10は、動作を停止することによって、発熱が抑制される。
【0080】
本実施形態の点灯装置10では、異常電流保護機能によって、点灯装置が異常電流であるとして停止した場合には、停止後、期間Tflt2経過したときには、点灯装置10は再起動する。再起動した点灯装置10が正常な動作に復帰した場合には、点灯装置10は動作を継続することができる。
【0081】
異常電流保護機能が動作したときに、点灯装置10が遮断と再起動とを繰り返すことによって、負荷である照明ユニット2が点滅することになる。ユーザは、照明ユニット2の点滅によって、点灯装置10に不具合が生じていることを認識することができ、電源遮断等の的確な行動をとることができる。
【0082】
異常電流保護機能の動作について、遮断と再起動のデューティサイクルを適切に設定することによって、不具合発生箇所等の温度上昇を抑制することができ、安全な保護を実現することができる。なお、異常電流保護機能の動作時に所定の期間経過後、あるいは遮断と再起動の繰り返しを所定回数行った後、点灯装置10を遮断するようにしてもよい。
【0083】
以上説明した実施形態によれば、保護機能の誤動作を回避しつつ確実に保護機能を発揮することができる点灯装置を実現することができる。
【0084】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。