(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6749680
(24)【登録日】2020年8月14日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】シャンプーハットおよびそのシャンプーハットを利用した洗髪方法
(51)【国際特許分類】
A45D 19/02 20060101AFI20200824BHJP
A45D 19/14 20060101ALI20200824BHJP
A45D 44/02 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
A45D19/02 A
A45D19/14
A45D44/02 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-50412(P2020-50412)
(22)【出願日】2020年3月23日
【審査請求日】2020年3月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516120397
【氏名又は名称】仲谷 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 由美子
【審査官】
東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−143214(JP,U)
【文献】
実開平01−091427(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3044623(JP,U)
【文献】
特開2011−110408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 19/00 − 19/02
A45D 19/14
A45D 44/02 − 44/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の頭部の髪の生え際に適合する穴を有するつばと、
前記つばの全周にわたり前記つばに取り付けられ、前記つばから垂れ下がり、前記人の頭部の髪の生え際よりも下の部分を前記人の頭部の全周にわたり囲むシートと、
を備え、
前記シートは、前記人の頭部の半周を囲む第1セクションと、前記第1セクションに連なり前記人の頭部の残りの半周を囲む第2セクションとを含み、
前記第1セクションは、第1の数量の細孔を含み、
前記第2セクションは、細孔を含まない、または、前記第1の数量よりも少ない第2の数量の細孔を含む、
シャンプーハット。
【請求項2】
前記シートは、前記つばの全周にわたり前記人の首に到達する長さを有する、
請求項1に記載のシャンプーハット。
【請求項3】
シャンプークロスを人の首に装着すること、
前記シャンプークロスにより前記人の上体を前記人の上体の全周にわたり覆うこと、
前記人の頭部の髪の生え際に適合する穴を有するつばと、前記つばの全周にわたり前記つばに取り付けられ、前記つばから垂れ下がるシートと、を備え、前記シートは、前記人の頭部の半周を囲む第1セクションと、前記第1セクションに連なり前記人の頭部の残りの半周を囲む第2セクションとを含み、前記第1セクションは、第1の数量の細孔を含み、前記第2セクションは、細孔を含まない、または、前記第1の数量よりも少ない第2の数量の細孔を含む、シャンプーハットを前記人の頭部に装着すること、
前記つばから前記人の頭部の髪を露出させること、
前記シートにより前記人の頭部の髪の生え際よりも下の部分を前記人の頭部の全周にわたり囲むこと、
前記シャンプークロスおよび前記シャンプーハットを装着した前記人の上体を起こしたまま、前記人の頭部の髪に水を流すこと、
を含む洗髪方法。
【請求項4】
前記シートは、前記つばの全周にわたり前記シャンプークロスにオーバーラップする、
請求項3に記載の洗髪方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプーハットおよびそのシャンプーハットを利用した洗髪方法に関する。
【背景技術】
【0002】
訪問理美容とは、美容師または理容師(以下、代表して美容師という)が顧客の居所に赴き、顧客の居所にてカット、カラーおよびパーマを含む理美容サービスを提供することをいう。理美容サービスは、カット、カラーおよびパーマにそれぞれ付随する洗髪を含む。
【0003】
顧客の居所は、例えば、自宅、福祉施設、病院である。このような施設の多くは、顧客に衣服を着せたままで顧客の髪を洗うための専用の設備を備えていない。通常、美容師は、シャンプーボウルおよび椅子などの大がかりな道具を顧客の居所に搬入して一時的に設置する。美容師は、理美容サービスを提供したのち、今度はそれらの道具を撤去して顧客の居所から搬出する。道具の搬入、設置、撤去および搬出にかかる作業は、美容師に負担を強いる。
【0004】
一方、シャンプーボウルは、仰向け姿勢または俯せ姿勢をとることが困難な顧客には適さない。訪問理美容の顧客には、例えば、円背(脊椎の後方への彎曲が増強した変形)などの骨格的特徴、または、妊婦など身体的特徴により、仰向け姿勢または俯せ姿勢をとることが困難な人もいる。さらに、仰向け姿勢でのシャンプーは「美容室脳卒中症候群」の危険性を伴う場合があるので、意思疎通の難しい顧客には適しにくい。また、シャンプーボウルは、車いすに座った顧客およびリクライニング車いすに座りリクライニングした顧客には適しにくい。例えば、車いすに座った顧客が俯せ姿勢になったり、リクライニング車いすに座った顧客が仰向け姿勢になったりしても、顧客の頭部がシャンプーボウルに届かないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−85042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
顧客の居所は、シャワー室、浴室、その他の水を流すことが可能な設備(以下、代表してシャワー室という)を備えることがある。顧客に衣服を着せたままシャワー室内で顧客の髪を洗うことができれば美容師および顧客の両方にとって都合がよい。
【0007】
例えば、美容師は、衣服を着た顧客にシャンプークロス(ケープともいう)を装着してから、シャワー室内で顧客の髪を洗い流してもよい。シャンプークロスは、顧客の上体に向けて降りかかる水から顧客の衣服を防御する。顧客は、シャワー室内で椅子に腰かけてもよい。美容師は、顧客の上体を起こしたまま、すなわち仰向け姿勢も俯せ姿勢も強いずに、顧客の髪を洗い流すことができる。
【0008】
しかしながら、シャンプークロスは、顧客の衣服の水濡れからの防御に不十分である。シャンプークロスは、顧客の首に適合するものの、顧客の首との間に多少の隙間を形成する。顧客の上体を起こしたままの洗髪においては、多くの水は顧客の頭部から首を伝って流れ落ちる。顧客の首を伝う水は、シャンプークロスと顧客の首との間の隙間を通り、顧客の衣服、特に首回りの部分を濡らす。
【0009】
したがって、顧客の上体を起こしたままの洗髪は、さらなる改善点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
シャンプーハットは、例えば、人の頭部の髪の生え際に適合する穴を有するつばと、前記つばの全周にわたり前記つばに取り付けられ、前記つばから垂れ下がり、前記人の頭部の髪の生え際よりも下の部分を前記人の頭部の全周にわたり囲むシートと、を備える。
【0011】
洗髪方法は、例えば、(1)シャンプークロスを人の首に装着すること、(2)前記シャンプークロスにより前記人の上体を前記人の上体の全周にわたり覆うこと、(3)前記人の頭部の髪の生え際に適合する穴を有するつばと、前記つばの全周にわたり前記つばに取り付けられ、前記つばから垂れ下がるシートと、を備えるシャンプーハットを前記人の頭部に装着すること、(4)前記つばから前記人の頭部の髪を露出させること、(5)前記シートにより前記人の頭部の髪の生え際よりも下の部分を前記人の頭部の全周にわたり囲むこと、(6)前記シャンプークロスおよび前記シャンプーハットを装着した前記人の上体を起こしたまま、前記人の頭部の髪に水を流すこと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
上記のシャンプーハットおよびそのシャンプーハットを利用した洗髪方法は、顧客の上体を起こしたままの洗髪を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、サイズ調整後のシャンプーハットを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、サイズ調整前のシャンプーハットを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、シャンプーハットの利用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および
図2に示すように、シャンプーハット1は、つば3を備える。つば3は、人の頭部の髪の生え際に適合する穴7を有する。適合するとは、大きさおよび形がぴったり合うことである。つば3は、伸縮性を有する素材から形成されてもよい。伸縮性を有する素材は、例えば、ゴム、または、ある種の樹脂である。穴7は、つば3の伸縮により、人の頭部の髪の生え際に適合してもよい。
【0015】
つば3の周方向の一か所で分離可能な環状でもよい。例えば、つば3は、第1端11および第2端13を有してもよい。第1端11は、第2端13に重ねられる。
【0016】
つば3は、さらに、穴7の大きさを調整可能なアジャスター9を有してもよい。アジャスター9は、例えば、第1端11の下面に配されたボタンおよび第2端13の上面に配されたボタンから構成される。アジャスター9は、第1端11の第2端13への重なりの量を調整する。穴7は、アジャスター9による調整により、人の頭部の髪の生え際に適合してもよい。
【0017】
つば3は、例えば、1mmから10mmまでの範囲内の厚みを有する。つば3は、例えば、1cmから20cmまでの範囲の幅を有する。幅は、つば3の径方向の長さを表す。
【0018】
つば3は、円形、三角形、四角形その他の多角形のいずれでもよい。穴7は、つば3の中央に位置してもよい。これに代えて、穴7は、つば3の中央からずれて位置してもよい。
【0019】
シャンプーハット1は、さらに、つば3から垂れ下がるシート5を備える。シート5は、つば3の全周にわたり、つば3に取り付けられている。すなわち、シート5は、つば3の周方向のいずれの位置においても存在する。ただし、シート5は、垂直方向に少なくとも1つのスリットを有してもよい。
【0020】
シート5は、人の頭部の髪の生え際よりも下の部分を人の頭部の全周にわたり囲む。人の頭部の髪の生え際よりも下の部分は、例えば、顔である。
【0021】
シート5は、例えば、接着のような化学的手段、溶着のような物理的手段、または、ステープルまたは縫製のように機械的手段により、つば3に取り付けられる。シート5は、つば3の上面に取り付けられてもよい。つば3の上面に取り付けられたシート5は、つば3の径方向の最外周4から垂れ下がる。シート5は、つば3の下面に取り付けられてもよい。つば3の下面に取り付けられたシート5は、つば3に取り付けられた位置から垂れ下がる。
【0022】
シート5は、つば3の全周にわたり人の首に到達する長さを有してもよい。すなわち、シート5は、つば3の周方向のいずれの位置においても、人の首に到達する長さを有していてもよい。シート5は、さらに、つば3の全周にわたり人の肩に到達する長さを有してもよい。シート5は、さらに、つば3の全周にわたり人の胸部および肩甲骨まで到達する長さを有してもよい。シート5は、さらに、つば3の全周にわたり人の腰まで到達する長さを有してもよい。シート5は、例えば、5cmから100cmまでの範囲の長さを有してもよい。
【0023】
シート5は、防水性を有する素材から形成されてもよい。防水性を有する素材は、例えば、樹脂を含む。シート5は、つば3よりも薄くてもよい。シート5は、例えば、0.1mmから1mmまでの範囲の厚みを有する。
【0024】
シート5は、透明な素材から形成されてもよい。透明な素材は、例えば、ナイロン、ポリエチレンおよびポリプロピレンを含む。つば3は、人の頭部に適合しているものの、人の頭部との間に多少の隙間を形成することがある。水は、この隙間に侵入して顔または首に向けて流れることがある。透明なシート5は、美容師がそのような水の侵入を早期に発見することに役に立つ。透明なシート5は、さらに、美容師が顧客の体調の急変による顔色や表情の変化を発見することに役に立つ。シート5は、顧客の頭部、特に顔の周りを囲む。顧客はシート5に囲まれることにより閉塞感を感じることがある。透明なシート5は、そのような閉塞感を和らげることができる。
【0025】
シート5は、人の頭部の半周を囲む第1セクション15と、第1セクション15に連なり人の頭部の残りの半周を囲む第2セクション17とを含む。第1セクション15は、第1の数量の細孔19を含んでもよい。第2セクション17は、細孔を含まなくてもよく、あるいは、第2セクション17は、第1の数量よりも少ない第2の数量の細孔を含んでもよい。細孔19は、例えば、空気を取り込むまたは空気を排出するために、シート5の人の顔に面する領域に密に形成されている。シート5は、顧客の頭部、特に顔の周りを囲む。顧客はシート5に囲まれることにより息苦しさを感じることがある。細孔19を有するシート5は、そのような息苦しさを和らげることができる。細孔19は、例えば、メッシュにより形成されていてもよい。第1の数量は、少なくとも1つである。
【0026】
シート5は、シート5の周方向の一か所で分離可能な筒状でもよい。例えば、シート5は、第3端21および第4端23を有してもよい。サイズ調整後には、第3端21は、第4端23に重ねられてもよい。第3端21は、第4端23に重ねられることにより、水の侵入を防止する。
【0027】
シャンプーハット1は、アジャスター9を備えなくてもよい。つば3は、周方向に連続的な環状でもよい。シート5は、連続的な筒状でもよい。
【0028】
図3に示すように、シャンプーハット1は、顧客の上体を起こしたままの洗髪に利用できる。以下の手順の順序は、適宜、変更可能である。
【0029】
顧客とは、サービスの提供を受ける者をいう。例えば、訪問理美容サービスを受ける者、病院で医療サービスの提供を受ける者、福祉施設で介護サービスの提供を受ける者は、いずれも顧客に該当する。以下、訪問理美容サービスに付随する洗髪を例に説明する。
【0030】
上体が起きているとは、上体が垂直な姿勢、および、上体が斜めの姿勢を含む。上体が垂直な姿勢は、例えば、顧客が椅子または車いすに座ることにより実現される。上体が斜めの姿勢は、例えば、顧客がリクライニングしたリクライニング車いすに座ることにより実現される。
【0031】
美容師は、衣服を着たままの顧客をシャワー室内の椅子に座らせる。
【0032】
美容師は、シャンプークロス25を顧客の首に装着する。
【0033】
美容師は、シャンプークロス25により顧客の上体をその顧客の上体の全周にわたり覆う。
【0034】
美容師は、シャンプーハット1を顧客の頭部に装着する。シャンプーハット1は、上述の通り、つば3と、つば3から垂れ下がるシート5と、を備える。つば3は、顧客の頭部の髪の生え際に適合する穴7を有する。シート5は、つば3の全周にわたりつば3に取り付けられている。シート5は、あらかじめつば3に取り付けられていてもよい。例えば、美容師は、あらかじめシート5が取り付けられたつば3を顧客の頭部の髪の生え際に装着してもよい。これに代えて、シート5は、つば3に脱着可能であってもよい。例えば、美容師は、シート5を取り外したつば3を顧客の頭部の髪の生え際に装着し、装着されたつば3にシート5を取り付けてもよい。美容師は、顧客の居所にてシャンプーハット1を製作してもよい。シート5は、使い捨てでもよい。
【0035】
美容師は、顧客の頭部の髪をつば3から露出させる。
【0036】
美容師は、シート5により、顧客の頭部の髪の生え際よりも下の部分を顧客の頭部の全周にわたり囲む。
【0037】
美容師は、シャンプークロス25およびシャンプーハット1を装着した顧客の上体を起こしたまま、顧客の頭部の髪に水を流す。水は、例えば、30℃から50℃までの範囲のいずれかの温度を有してもよい。水は、シャンプー、コンディショナー、カラー染料、パーマ液などの顧客の髪についた液剤を洗い流す。
【0038】
顧客の頭部に流された水は、つば3の上面、シート5の外周面およびシャンプークロス25の外面を含む経路を伝って流れ落ちる。この経路は、顧客の首を含まない。つまり、シャンプーハット1は、水が顧客の首を伝って流れることを防止し、これにより、シャンプークロス25と顧客の首との間に形成された隙間への水の侵入を防止する。顧客のなかには、首に人工呼吸器を装着するための気管切開部を有する人がいる。このような人は、気管切開部で呼吸をしていることが多い。したがって、気管切開部は、シャンプークロス25により塞がれないことが好ましい。つまり、シャンプークロス25は、顧客の首の気管切開部よりも下に装着されることが好ましい。シャンプーハット1は、水が、シャンプークロス25から露出した首の気管切開部に降りかかることを防止する。
【0039】
顧客がシャンプーハット1を装着しない場合、顧客の頭部に流された水は、顧客の首およびシャンプークロス25の外面を含む経路を伝って流れ落ちる。首を伝う水は、シャンプークロス25と顧客の首との間の隙間に侵入して、顧客の衣服を濡らす。
【0040】
顧客がつばのみのシャンプーハット(すなわち、シートを有さない)を装着する場合、水はつばの上面を流れ、つばの最外周から流れ落ちる。つばから流れ落ちた水は、シャンプークロス25に降り注ぎ、シャンプークロス25の表面を伝って流れ落ちる。この経路は、顧客の首を含まない。しかしながら、顧客が適切な首の角度を維持し続ける必要がある。顧客が適切な首の角度を維持しなければ、つば3の最外周から流れ落ちた水が顧客の首に降りかかる。顧客のなかには、不意に頭部を動かしてしまう人もいる。首を伝う水は、シャンプークロス25と顧客の首との間の隙間に侵入して、顧客の衣服を濡らす。したがって、つばのみのシャンプーハットは、顧客の衣服の水濡れからの防御に不十分である。
【0041】
特許文献1(特開平10−85042号公報)は、つばと、つばの半周だけに取り付けられたシートと、を備えたシャンプーハットを開示している。つまり、つばは、シートが取り付けられていない半周を有する。顧客がこのシャンプーハットを装着した場合、シートが取り付けられていない半周は、上記のつばのみのシャンプーハットと同じ問題を引き起こす。
【0042】
これらに対して、顧客がシャンプーハット1を装着した場合、顧客の頭部に流された水は、つば3の上面、シート5の外周面およびシャンプークロス25の外面を含む経路を伝って流れ落ちる。より具体的には、シート5の外周面を伝う水は、シート5の下端6から流れ落ちる。シート5の下端6から流れ落ちた水は、シャンプークロス25に降り注ぎ、シャンプークロス25の外面を伝って流れ落ちる。シート5の下端6は、つば3の最外周4よりも低い位置にある。したがって、シャンプーハット1は、上記のつばのみのシャンプーハットに比べて、水が顧客の首に降りかかる可能性を低減する。顧客は、洗髪中に適切な首の位置を維持する負担を強いられない。
【0043】
さらに、シート5は、つば3の全周にわたりシャンプークロス25にオーバーラップしてもよい。つまり、シート5の下端6が、つば3の周方向のいずれの位置においても、シャンプークロス25の上端26よりも低いところに位置してもよい。オーバーラップは、シート5がつば3に接触および非接触の状態で重なることを意味する。このようなシート5は、シート5の下端6から流れ落ちた水が顧客の首に降りかかることを防止する。
【0044】
シャンプーハット1は、災害現場でも水を洗い流す施設さえあれば、衣服を着たままの手軽な洗髪を提供することができる。
【0045】
シャワー室内での顧客の上体を起こしたままの洗髪は、美容師にとっても都合がよい。例えば、美容師は、椅子に腰かけた顧客の洗髪を立ったまま(屈まずに)行うことができる。美容師は、屈まない洗髪によって、美容師の職業病として知られる腰痛の発生を予防できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
シャンプーハットおよびそのシャンプーハットを利用した洗髪方法は、訪問理美容、福祉施設、病院での各種サービスに付随する洗髪に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 シャンプーハット
3 つば
4 つばの最外周
5 シート
6 シートの下端
7 穴
9 アジャスター
11 つばの第1端
13 つばの第2端
15 第1セクション
17 第2セクション
19 細孔
21 シートの第3端
23 シートの第4端
25 シャンプークロス
26 シャンプークロスの上端
【要約】
【課題】 顧客の上体を起こしたままの洗髪は、さらなる改善点を有する。
【解決手段】
シャンプーハット1は、人の頭部の髪の生え際に適合する穴を有するつば3と、つば3の全周にわたりつば3に取り付けられ、つば3から垂れ下がり、人の頭部の髪の生え際よりも下の部分を人の頭部の全周にわたり囲むシート5と、を備える。
【選択図】
図1