(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本実施形態においては、表示装置の一例として、タッチ検出機能を有した液晶表示装置を開示する。また、本実施形態において開示する液晶表示装置は、表示パネルの主面に平行な方向の電界を利用して表示を行う横電界方式であるが、これは一例に過ぎず、表示パネルの主面の法線方向の電界を利用して表示を行う縦電界方式などの他の方式であってもよい。ただし、各実施形態は、他種の表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。他種の表示装置としては、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの自発光型の表示装置、或いは電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置などが想定される。
【0010】
図1は、本実施形態に係る表示装置1の概略的な構成を示す平面図である。
表示装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器、ウェアラブル端末等の種々の装置に用いることができる。
【0011】
表示装置1は、表示パネル2と、複数の共通電極CE(駆動電極TX1乃至TXn)と、各共通電極CEと対向する複数の検出電極RX(RX1乃至RXm)と、ドライバモジュールとして機能するドライバICチップ3と、検出モジュールとして機能するタッチ検出ICチップ4とを備えている。なお、nおよびmは、2以上の整数である。
【0012】
表示パネル2は、矩形状のアレイ基板AR(第1基板)と、このアレイ基板ARよりも外形が小さい矩形状でありアレイ基板ARと対向する様に配置された対向基板CT(第2基板)とを備えている。
図1の例において、アレイ基板ARおよび対向基板CTは、3辺を重ねて貼り合わされている。アレイ基板ARは、対向基板CTと対向しない端子領域NAを有している。
【0013】
アレイ基板ARおよび対向基板CTが対向する領域において、表示パネル2は、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAと対向基板CTの端部との間に位置する周辺領域FAとを有している。
図1の例において、表示領域DAは、第1方向Xに沿う短辺と、第2方向Yに沿う長辺と、を有する長方形状である。また、周辺領域FAは、表示領域DAを囲む額縁状である。本実施形態においては、第1方向Xおよび第2方向Yが垂直に交わるが、第1方向Xおよび第2方向Yは他の角度で交わってもよい。
【0014】
各々の共通電極CE(センサ駆動電極TX)は、表示領域DAにおいて、第2方向Yに延びるとともに第1方向Xに並んでいる。共通電極CEは、表示装置の構成要素として捉えた場合には画素の共通電極に相当し、センサ装置の構成要素として捉えた場合にはセンサ駆動電極に相当する。共通電極CEは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明導電材料で形成することができる。共通電極CEは、例えば、表示パネル2が横電界方式の表示パネルである場合にはアレイ基板ARに形成される。共通電極CEは、対向基板CTに形成されていてもよい。
【0015】
各々の検出電極RXは、表示領域DAにおいて、第1方向Xに延びるとともに第2方向Yに並んでいる。つまり、共通電極CE(センサ駆動電極TX)と検出電極RXとは、平面視で交差している。検出電極RXは、ITOやIZO等の透明導電材料や金属線によって形成することができる。検出電極RXは、例えば対向基板CTの外面(アレイ基板ARと対向する面とは反対側の表面)に形成されている。
【0016】
ドライバICチップ3は、画像表示に関する制御を実行するものであり、例えば端子領域NAに実装されている。実装端子5には、画像データを表示パネル2に供給する第1フレキシブル配線基板6が接続されている。
【0017】
端子領域NAに沿う対向基板CTの端部には、実装端子7が形成されている。実装端子7には、検出電極RXからの検出信号を出力する第2フレキシブル配線基板8が接続されている。
図1の例において、タッチ検出ICチップ4は、第2フレキシブル配線基板8に実装されている。各検出電極RXは、例えば周辺領域FAにおいて対向基板CTの表面に形成された検出配線DLを介して実装端子7と接続されている。
【0018】
次に、表示装置1における画像の表示方法について説明する。
【0019】
図2は、画像表示に関わる概略的な等価回路を示す図である。
表示装置1は、複数の走査信号線(ゲート配線)Gと、これら走査信号線Gに交差する複数の映像信号線(ソース配線)Sと、から成る複数の信号線を備えている。また、表示装置1は、第1ゲートドライバGD1と、第2ゲートドライバGD2と、ソースドライバSDとを備えている。ソースドライバSDは、複数のビデオ線VLを介してドライバICチップ3と接続されている。
【0020】
各々の走査信号線Gは、表示領域DAにおいて第1方向Xに延びるとともに第2方向Yに並んでいる。各々の映像信号線Sは、表示領域DAにおいて第2方向Yに延びるとともに第1方向Xに並んでいる。各々の映像信号線Sは、直線状に延びてもよいし、屈曲しながら延びてもよい。また、各々の走査信号線Gも、直線状に延びてもよいし、屈曲しながら延びてもよい。
【0021】
各走査信号線Gおよび各映像信号線Sは、アレイ基板ARに形成されている。各々の走査信号線Gは、第1ゲートドライバGD1および第2ゲートドライバGD2に接続されている。各々の映像信号線Sは、ソースドライバSDに接続されている。
【0022】
図2の例においては、隣り合う2本の走査信号線G、および、隣り合う2本の映像信号線Sによって区画された領域が、1つの副画素SPXに相当する。例えば、本構成例においては、赤色に対応する副画素SPXRと、緑色に対応する副画素SPXGと、青色に対応する副画素SPXBとで1つの主画素PXが構成される。主画素PXは、表示領域DAに表示される画像の最小単位に相当する。主画素PXは、白色や黄色に対応する副画素を更に備えてもよい。主画素PXを構成する副画素SPXの数は、一例では3つであるが、2つ以下でもよく、4つ以上であってもよい。なお、本開示においては、副画素SPXを単に画素と呼ぶことがある。
【0023】
各副画素SPXは、アレイ基板ARに形成されたスイッチング素子SWを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタである。スイッチング素子SWは、走査信号線G、映像信号線Sおよび画素電極PEと電気的に接続されている。画像表示に際して、共通電極CEには共通電圧(Vcom)が印加される。
【0024】
第1ゲートドライバGD1および第2ゲートドライバGD2は、各走査信号線Gに対して走査信号を順次供給する。ソースドライバSDは、ドライバICチップ3に制御されて、各映像信号線Sに対して映像信号を選択的に供給する。あるスイッチング素子SWに接続された走査信号線Gに走査信号が供給され、かつこのスイッチング素子SWに接続された映像信号線Sに映像信号が供給されると、この映像信号に応じた電圧が画素電極PEに印加される。このとき、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に封入された液晶層LCの液晶分子の配向が、電圧の印加されていない初期配向状態から変化する。このような動作により、表示領域DAに画像が表示される。
【0025】
共通電極CEは、画像表示のための電極として機能するとともに、表示領域DAに近接するユーザの指などの物体(導体)を検出するための駆動電極としても機能する。ドライバICチップ3は、検出に際して、各共通電極CEに駆動信号を順次供給する。各検出電極RXは各共通電極CEと容量結合しており、各検出電極RXからは共通電極CEに供給された駆動信号に応じた検出信号が出力される。物体が近接していない検出電極RXからの検出信号と、物体が近接している検出電極RXからの検出信号とは、波形が異なる。タッチ検出ICチップ4は、このような検出信号に基づいて、表示領域DAに近接する物体の有無、更にはこの物体の第1方向Xおよび第2方向Yにおける位置を検出することができる。
【0026】
なお、ここで説明した検出方式は一例であり、他の検出方式を適用することも可能である。例えば、検出電極RX或いは共通電極CE自体が有する容量(自己容量)を利用して表示領域DAに近接する物体を検出する方式を採用することもできる。本構成例における物体の検出方法については、後述する。
【0027】
上述の副画素SPXの色は、表示パネル2が備えるカラーフィルタ層CFによって定められる。次に、カラーフィルタ層CFのレイアウトの一例を説明する。なお、図中において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、図示した例では第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2と略同一であるが、角度θ2と相違していてもよい。
【0028】
図3は、カラーフィルタ層CFと副画素SPXとの関係を概略的に示す平面図である。
【0029】
なお、本構成例の説明において、平面視とは、第1方向Xおよび第2方向Yによって規定されるX−Y平面の法線方向からの観察を意味する。
【0030】
本構成例において、副画素SPXR,SPXG,SPXBは、いずれも第2方向Yに連続して配置されている。
【0031】
カラーフィルタ層CFは、カラーフィルタCFRと、カラーフィルタCFGと、カラーフィルタCFBとを含む。各カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、それぞれ赤色(第1色)、緑色(第2色)、青色(第3色)に着色された樹脂材料により形成されている。例えば、カラーフィルタCFRは、帯状に形成されており、平面視において、第2方向Yに並ぶ複数の副画素SPXRと重畳している。また、カラーフィルタCFG、およびカラーフィルタCFBも、それぞれ帯状に形成されており、平面視において、第2方向Yに並ぶ複数の副画素SPXG、および複数の副画素SPXBとそれぞれ重畳している。図示した例において、各カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、それぞれ、方向D1および方向D2に交互に延在し、第2方向Yにジグザグに連続して配置されている。各カラーフィルタCFR,CFG,CFBは、個々の副画素SPXR,SPXG,SPXBごとに形成されてもよい。
【0032】
なお、副画素SPXのレイアウトは、
図3に示したものに限られない。例えば、副画素SPXR,SPXG,SPXBの少なくとも1つが第2方向Yに不連続となるように、隣り合う主画素PXの副画素SPXのレイアウトを異ならせてもよい。また、1つの主画素PXに副画素SPXR,SPXG,SPXBの少なくとも1つが複数含まれてもよいし、上述した白色や黄色の副画素SPXが含まれてもよい。
【0033】
続いて、副画素SPXの構造について説明する。
図4は、副画素SPXに適用し得る構造の一例を概略的に示す平面図である。
副画素SPXは、隣り合う2本の走査信号線Gと、隣り合う2本の映像信号線Sとで区画された画素である。この図の例においては、隣り合う2本の走査信号線Gの間で、映像信号線Sは、方向D2に延びている。
【0034】
副画素SPXには、方向D2に長尺なスリットPSLを2つ有した画素電極PEが配置されている。画素電極PEも、方向D2に長尺な形状を有している。画素電極PEおよびスリットPSLの長手方向は、副画素SPXを区画する映像信号線Sの延在方向と平行であり、方向D2に限定されず方向D1であってもよい。また、副画素SPXには、画素電極PEに対向する共通電極CEが配置されている。共通電極CEは、第1方向Xおよび第2方向Yに隣り合う複数の副画素SPXに亘って配置されている。画素電極PEおよび共通電極CEは、例えばITOやIZO等の透明導電材料にて形成されている。画素電極PEの形状はここに示したものに限定されず、より多くのスリットPSLを有してもよいし、スリットPSLを1つだけ有していてもよい。また、画素電極PEは、スリットPSLを有さなくてもよい。スリットPSLの本数を増やした場合、副画素SPXの輝度を向上させることが可能である。本実施形態によれば、副画素SPXの輝度が向上した際に顕著になる色ムラ等の表示品位の劣化を抑制することができるため、スリットPSLの本数を増やすことができ、副画素SPXの輝度を向上させることができる。
【0035】
走査信号線G、映像信号線S、画素電極PE、共通電極CE、および金属配線MLは、例えばアレイ基板ARに配置されている。一方で、対向基板CTには、遮光層(ブラックマトリクス)BMが配置されている。
図4においては、遮光層BMの輪郭を1点鎖線にて示している。平面視において、遮光層BMは、走査信号線Gおよび映像信号線Sと重畳し、後述する金属配線MLとも重畳するとともに、副画素SPX内で開口している。遮光層BMは、画素電極PEおよび構成電極SEの一部や、
図2に示したスイッチング素子SWとも重畳する。
【0036】
続いて、走査信号線G、映像信号線S、共通電極CE、および金属配線MLの詳細な配置例について説明する。
図5は、第1構成例における金属配線MLおよび共通電極CEのレイアウトを概略的に示す平面図である。
【0037】
本図は、表示領域DAを拡大したものであり、8本の映像信号線S(S1乃至S8)と、3本の走査信号線G(G1乃至G3)とを点線によって示している。また、互いにスリットSL(SL1、SL2)によって第1方向Xに離間した複数の共通電極CE(CE1、CE2、等)と、5本の金属配線ML(ML1乃至ML5)とを実線によって示している。
【0038】
走査信号線G1乃至G3は、第1方向Xに延在しており、第2方向Yに沿って間隔を空けて並んでいる。映像信号線S1乃至S8は、第1方向Xに沿って間隔を空けて並んでいる。図示を省略しているが、映像信号線S7と映像信号線S8との間には、別の映像信号線Sが並んでいる。また、映像信号線S1乃至S8は、走査信号線G1と走査信号線G2との間においては方向D2に延在し、走査信号線G2と走査信号線G3との間においては方向D1に延在している。つまり、映像信号線S1乃至S8は、方向D1と方向D2とに交互に延在し、第2方向Yに沿ってジグザグに配置されている。
【0039】
走査信号線Gと映像信号線Sとは、平面視において交差している。図示が省略されたスイッチング素子SWは、走査信号線Gと映像信号線Sとの交差部に形成されており、走査信号線Gによって制御される。走査信号線G1と走査信号線G2との間の各副画素SPXは、例えば走査信号線G2によって制御されるスイッチング素子SWを有する画素である。また、走査信号線G2と走査信号線G3との間の各副画素SPXは、例えば走査信号線G3によって制御されるスイッチング素子SWを有する画素である。
【0040】
走査信号線G1と走査信号線G2との間において、主画素PX1、PX2、およびPX3が、第1方向Xに並んでいる。主画素PX2は、映像信号線S1と映像信号線S2との間の副画素SPXR、映像信号線S2と映像信号線S3との間の副画素SPXG、映像信号線S3と映像信号線S5との間の副画素SPXBによって構成されている。つまり、主画素PX2は、走査信号線G1およびG2、並びに、映像信号線S1およびS4、によって区画された領域に相当する。主画素PX1は、映像信号線S1(後述するスリットSL1)を介して、主画素PX2と隣り合っている。主画素PX3は、映像信号線S4(後述する金属配線ML3)を介して、主画素PX2と隣り合っている。つまり、主画素PX3は、走査信号線G1およびG2、並びに、映像信号線S4およびS7、によって区画された領域に相当する。また、主画素PX4は、映像信号線S7を介して、主画素PX3と隣り合っている。
【0041】
共通電極CE1は、走査信号線G1乃至G3と対向し、例えば平面視で映像信号線S1から離間している。共通電極CE2は、走査信号線G1乃至G3、および映像信号線S2乃至S7と対向し、例えば平面視で映像信号線S1から離間している。共通電極CE1およびCE2は、映像信号線S1に沿ったスリットSL1に隣接しており、互いにスリットSL1を介して隣り合っている。なお、共通電極CE1およびCE2は、それぞれの一部が映像信号線S1と対向していてもよい。
共通電極CE2は、スリットSL1とは反対側で、映像信号線S8に沿ったスリットSL2と隣り合っている。共通電極CE2は、スリットSL2を介して、別の共通電極CEと隣り合っている。共通電極CE2は、例えば平面視で映像信号線S8から離間しているが、その一部が映像信号線S8と対向していてもよい。例えば、スリットSL1とスリットSL2との第1方向Xにおける間隔は、金属配線MLと対向していない映像信号線Sのうち互いに隣り合う2本の映像信号線である映像信号線S1と映像信号線S7との、第1方向Xにおける間隔の整数倍である。つまり、スリットSL1とスリットSL2との間隔は、境界部BR1と境界部BR7との間隔の整数倍である。
【0042】
金属配線MLは、走査信号線Gが形成された層および映像信号線Sが形成された層とは異なる層に形成されている。金属配線ML1乃至ML5は、共通電極CEと対向し、接触している。金属配線ML1は、映像信号線S2に沿って配置され、映像信号線S1
S2と平面視で完全に重なっている。金属配線ML2乃至ML5は、それぞれ、映像信号線S3乃至S6に沿って配置され、且つ映像信号線S3乃至S6と平面視で完全に重なっている。但し、金属配線ML1乃至ML5は、それぞれ、映像信号線S2乃至S6と平面視で部分的に重なっていてもよい。一例として、金属配線ML1乃至ML5が、それぞれ、映像信号線S2乃至S6の一方の側辺と重なり、他方の側辺と重ならない構成を採用することもできる。
【0043】
図示した例において、金属配線MLは、映像信号線S1、S7、およびS8に沿って配置されていない。言い換えると、主画素PX1と主画素PX2との間の、スリットSL1と対向する位置には、金属配線MLが配置されていない。また、主画素PX2と主画素PX3との間の、共通電極CE2と対向する位置には、金属配線MLが配置されている。また、主画素PX3と主画素PX4との間の、共通電極CE2と対向する位置には、金属配線MLが配置されていない。つまり、共通電極CEと対向する領域において、一部の主画素PX間には金属配線MLが配置され、一部の主画素PX間には金属配線MLが配置されていない。
【0044】
図示した例では、金属配線MLと対向していない2本の映像信号線Sの間には、2つの主画素PXが形成されており、5本の金属配線MLおよび5本の映像信号線Sが配置されている。但し、金属配線MLと対向していない2本の映像信号線Sの間には、3つ以上の主画素PXが形成されていてもよく、3k−1本(kは3以上の整数)の金属配線ML(映像信号線S)が配置されていてもよい。
【0045】
金属配線MLは、例えば、モリブデン、タングステン、アルミニウム、チタン、銅などの金属材料或いはこれらの金属材料を含む合金等によって形成することができる。金属配線MLは、単層構造であってもよいし、異なる材料の層を重ねた多層構造であってもよい。金属配線MLは、光反射によるギラツキを抑制する観点から、光吸収特性を有する黒色金属材料を含んでいることが望ましい。
【0046】
スリットSL1は、ダミースリットでもよく、通常のスリットでもよい。スリットSL1が通常のスリットである場合、共通電極CE1およびCE2は、それぞれ周辺領域FAにおいて、互いに異なる検出配線DLに電気的に接続される。スリットSL1がダミースリットである場合、共通電極CE1およびCE2は、周辺領域FAにおいて、互いに電気的に接続され、同一の検出配線DLに電気的に接続される。
【0047】
続いて、表示パネル2の断面構造について説明する。なお、以下に説明においては、表示パネル2を第1方向Xに沿って切断した断面を用いて表示パネル2の構造について説明する。
【0048】
図6は、第1構成例における表示パネル2を概略的に示す断面図である。
図示した例において、カラーフィルタ層CFは、主画素PX1に配置されたカラーフィルタCFB1、主画素PX2に配置されたカラーフィルタCFR2、CFG2、およびCFB2、主画素PX3に配置されたカラーフィルタCFR3、CFG3、およびCFB3、並びに、主画素PX4に配置されたカラーフィルタCFR4を含んでいる。なお、カラーフィルタCFR2、CFR3、およびCFR4は、
図3で図示したカラーフィルタCFRに相当し、カラーフィルタCFG2、CFG3は、
図3で図示したカラーフィルタCFGに相当し、カラーフィルタCFB1、CFB2、およびCFB3は、
図3で図示したカラーフィルタCFBに相当する。
【0049】
アレイ基板ARは、ガラス基板などによって形成された第1絶縁基板10を備えている。第1絶縁基板10の対向基板CTと対向する側に第1絶縁層11が形成され、この第1絶縁層11の対向基板CTと対向する側に映像信号線Sが形成されている。第1絶縁層11および映像信号線Sは、第2絶縁層12で覆われている。
共通電極CE1およびCE2は、第2絶縁層12の対向基板CTと対向する側に形成されている。共通電極CE1は、第2絶縁層12のカラーフィルタCFB1と対向する側に位置している。また、共通電極CE2は、第2絶縁層12のカラーフィルタCFR2乃至CFR4、CFG2、CFG3、CFB2、およびCFB3と対向する側に位置している。
金属配線ML1乃至ML5は、共通電極CE2の対向基板CTと対向する側に形成されている。第3絶縁層13は、共通電極CE1およびCE2の対向基板CTと対向する側に形成され、金属配線ML1乃至ML5、および共通電極CE1、CE2を覆っている。画素電極PEは、第3絶縁層13の対向基板CTと対向する側に形成されている。第1配向膜14は、画素電極PEの対向基板CTと対向する側に形成され、画素電極PEおよび第3絶縁層13を覆っている。
【0050】
対向基板CTは、ガラス基板などによって形成された第2絶縁基板20を備えている。第2絶縁基板20のアレイ基板ARに対向する側に、遮光層BMおよびカラーフィルタ層CF(各カラーフィルタCFR,CFG,CFB)が形成されている。各カラーフィルタCFR,CFG,およびCFBの境界部BR(BR1乃至BR8)は、遮光層BMと対向している。
【0051】
境界部BR1(第1境界部)では、カラーフィルタCFB1とカラーフィルタCFR2とが隣り合っており、主画素PX1と主画素PX2とが隣り合っている。境界部BR2では、主画素PX2に配置されたカラーフィルタCFR2とカラーフィルタCFG2とが隣り合い、境界部BR3では、主画素PX2に配置されたカラーフィルタCFG2とカラーフィルタCFB2とが隣り合っている。境界部BR4(第2境界部)では、カラーフィルタCFB2とカラーフィルタCFR3とが隣り合っており、主画素PX2と主画素PX3とが隣り合っている。境界BR5では、主画素PX3に配置されたカラーフィルタCFR3とカラーフィルタCFG3とが隣り合い、境界部BR6では、主画素PX3に配置されたカラーフィルタCFG3とカラーフィルタCFB3とが隣り合っている。境界部BR7(第3境界部)では、カラーフィルタCFB3とカラーフィルタCFR4とが隣り合っており、主画素PX3と主画素PX4とが隣り合っている。境界部BR8では、カラーフィルタCFBとカラーフィルタCFRとが隣り合っており、主画素PX同士が隣り合っている。
【0052】
カラーフィルタ層CFは平坦化層21で覆われ、平坦化層21は第2配向膜22で覆われている。第2絶縁基板20の外面(アレイ基板ARと対向する側とは反対側)に、検出電極RXが形成されている。検出電極RXの形成位置はこれに限定されず、第2絶縁基板20のアレイ基板ARと対向する側などに形成されてもよい。第1配向膜14および第2配向膜22の間に液晶層LCが封入されている。
【0053】
映像信号線S1乃至S8は、それぞれ平面視で境界部BR1乃至BR8に沿って配置されており、図示した例ではそれぞれ境界部BR1乃至BR8と対向している。また、スリットSL1は、平面視で境界部BR1に沿って位置しており、図示した例では境界部BR1と対向している。同様にスリットSL2は、平面視で境界部BR8に沿って位置しており、図示した例では境界部BR8と対向している。金属配線ML1乃至ML6は、それぞれ平面視で境界部BR2乃至ML7に沿って配置されており、図示した例では、それぞれ境界部BR2乃至BR7と対向している。
【0054】
境界部BR1およびBR8に対応する位置では、第2絶縁層12と第3絶縁層13とが互いに接触している。図示した例では、スリットSL1およびSL2の内側において、第2絶縁層12は、全面的に第3絶縁層13に覆われている。境界部BR2乃至BR6に対応する位置では、共通電極CE2は、第2絶縁層12および第3絶縁層13の少なくとも一方と接触しており、金属配線ML1乃至ML5と接触している。図示した例では、共通電極CE2は、第2絶縁層12と接触し、金属配線ML1乃至ML5と接触している。境界部BR7に対応する位置では、共通電極CE2は、第2絶縁層12および第3絶縁層13の両方と接触している。このように、共通電極CE2に金属配線ML1乃至ML5が電気的に接続されることで、共通電圧Vcomやセンサ駆動信号Vwの伝送速度を向上させることが可能となり、表示品位や検出能力を向上させることができる。
【0055】
金属配線MLは、第2絶縁層12と共通電極CEとの間に配置されてもよい。このような場合であっても、共通電極CEと金属配線MLとを互いに電気的に接続させることができる。また、このような場合には、共通電極は、境界部BRに対応する位置において、金属配線MLおよび第3絶縁層13と接触する。
【0056】
図示した例において、カラーフィルタCFGと他のカラーフィルタとの境界部BRに対応する位置の全てに金属配線MLが配置され、カラーフィルタCFBとカラーフィルタCFRとの境界部BRに対応する位置の幾つかで金属配線MLが省略されている。金属配線MLが省略される位置の境界部BRは、青色カラーフィルタと赤色カラーフィルタとの境界部に限定されず、緑色カラーフィルタと他のカラーフィルタとの境界部であってもよい。但し、赤色、緑色、および青色のカラーフィルタのうち最も視認性の高い緑色カラーフィルタの境界部に対応する位置に金属配線MLを配置し、赤色カラーフィルタと青色カラーフィルタとの境界部に対応する位置の幾つかで金属配線MLを省略することが望ましい。この様な構成によれば、ある副画素の透過光又は反射光が隣接する他の副画素のカラーフィルタを透過することで生じる混色や、金属配線MLに隣接する副画素の開口率と隣接しない副画素の開口率との差によって生じる色シフトを低減可能であり、表示品位の劣化を抑制することができる。
【0057】
また、図示した例において、スリットSL1と対向し金属配線MLと対向しない境界部BR1と、共通電極CE2と対向し金属配線MLと対向しない境界部BR7との間には、2つの主画素PXが形成されている。つまり、金属配線MLと対向せずに互いに隣り合う2本の金属配線MLの間には、6つのカラーフィルタと、金属配線MLと対向する5つの境界部BRが位置している。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、金属配線MLと対向せずに互いに隣り合う2つの境界部BRの間に、3つ以上の主画素PXが形成されていてもよい。つまり、金属配線MLと対向せずに互いに隣り合う2つの境界部BRの間に、3k(kは3以上の整数)個のカラーフィルタと、金属配線MLと対向する3k−1個の境界部BRと、が配置されていてもよい。
【0058】
本構成例によれば、カラーフィルタの境界部BR1に対応する位置では、金属配線MLが省略されており、カラーフィルタの境界部BR4に対応する位置では、金属配線ML3が配置され、カラーフィルタの境界部BR7に対応する位置では、金属配線MLが省略されている。つまり、カラーフィルタCFRとカラーフィルタCFBとの境界部BRに対応する位置の幾つかには金属配線MLが配置され、幾つかには金属配線MLが配置されていない。金属配線MLに隣接する副画素SPXの斜め方向における開口率は、金属配線MLの遮光性によって低下する恐れがあるため、本構成例によれば、カラーフィルタCFRとカラーフィルタCFBとの境界部BRに対応する位置の全てに金属配線MLを配置する構成と比べて、斜め方向の輝度を向上させることができる。また、カラーフィルタCFRとカラーフィルタCFBとの境界部BRに対応する位置の全てに金属配線MLを配置しない構成と比べて、金属配線MLに隣接する副画素SPXの斜め方向の開口率と、金属配線MLに隣接しない副画素SPXの斜め方向の開口率との差異に起因して発生する視野角に応じた主画素PXの発色の変化(色シフト)を低減することができる。また、カラーフィルタCFRとカラーフィルタCFBとの境界部BRに対応する位置の全てに金属配線MLを配置しない構成と比べて、金属配線MLが隣接する副画素SPX間を透過する光を遮光することができるため、ある副画素SPXの光が隣接する別の副画素SPXに配置されたカラーフィルタを透過することで生じる主画素PXの発色の変化(混色)を低減することができる。
【0059】
次に、各部材の寸法や間隔といった観点から、第1構成例を説明する。
図7は、第1構成例における金属配線MLに関する各種の寸法を説明するための平面図である。
なお、本図においては、さらに、主画素PX1に配置されたカラーフィルタCFBの端部に沿って配置された金属配線ML6と、主画素PX4に配置されたカラーフィルタCFRの端部に沿って配置された金属配線ML7と、を図示している。
【0060】
金属配線MLの第1方向Xにおける幅はW1であり、スリットSL1の第1方向Xにおける幅はW0である。隣り合う金属配線ML6と金属配線ML1との間隔はPT1であり、隣り合う金属配線ML1と金属配線ML2との間隔はPT2であり、隣り合う金属配線ML2と金属配線ML3との間隔はPT3であり、隣り合う金属配線ML3と金属配線ML4との間隔はPT4であり、隣り合う金属配線ML4と金属配線ML5との間隔はPT5であり、隣り合う金属配線ML5と金属配線ML7との間隔はPT6である。なお、間隔PTは、隣り合う金属配線MLの、それぞれの互いに対向する側の端辺同士の距離に相当する。
【0061】
境界部BR1と境界部BR7との第1方向Xにおける距離はd10であり、境界部BR1と境界部BR4との第1方向Xにおける距離はd20である。距離d10は、主画素PX2およびPX3の第1方向Xにおける幅の和に相当し、距離d20は、主画素PX2の第1方向Xにおける幅に相当する。つまり、距離d10は、距離d20の2倍である。距離d10は、映像信号線Sに対向しない境界部BR同士の間隔であり、境界部BR1と境界部BR7との間に3つ以上の主画素PXが配置されているとすると、距離d20の3以上の整数倍であってもよい。
【0062】
例えば、間隔PT2乃至PT5は、互いに等しく、間隔PT1およびPT6よりも小さい。例えば、間隔PT1およびPT6は、互いに等しく、間隔PT3とPT4と幅W1との合計と等しい。また、上記の距離dおよび幅Wは、d10=0.5×(PT1+PT6)+PT2+PT3+PT4+5×W1、および、d20=0.5×PT1+PT2+PT3+2.5×W1の関係を満たす。
【0063】
金属配線ML6と金属配線ML1との間にあってスリットSL1を介して隣り合う2つの副画素SPXは、金属配線ML2と金属配線ML4との間にあって金属配線ML3を介して隣り合う2つの副画素SPXに比べて、色シフトおよび混色の程度が強い。また、金属配線ML5と金属配線ML7との間にあって隣り合う2つの副画素SPXも、金属配線ML2と金属配線ML4との間の金属配線ML3を介して隣り合う2つの副画素SPXに比べて、色シフトおよび混色の程度が強い。このため、境界部BR1と境界部BR7との間の距離d10の大きさによっては、主画素PXの色味や輝度の差異が、周期的な筋状のスジムラとして視認される恐れがある。そこで、発明者らは、スジムラの視認性について評価を行った。次に、発明者らが実施したスジムラの視認性の評価について説明する。
【0064】
図8Aは、スジムラの視認性の評価方法を模式的に示した図である。
本評価試験機では、リファレンス領域Refおよび試験領域Expを交互に並べた。また、試験領域Expは、ピッチPsの間隔を空けて並んでいる。リファレンス領域Refおよび試験領域Expは、それぞれ、視感度の高い緑色を筋状に表示させた領域であり、リファレンス領域Refでは中間階調Imid(127階調)で表示し、試験領域Expでは階調Iで表示した。リファレンス領域Refと試験領域Expとの間の領域は、黒表示(0階調)とした。ピッチPsは、
図7で図示した距離d10に相当する。試験機のガンマ値は2.2である。
【0065】
上記の条件のもと、ピッチPsおよび階調Iを変数として、リファレンス領域Refおよび試験領域Expの輝度の相違がスジとして視認されるか否かを評価した。
図8Bは、スジムラの視認性の評価結果を示したグラフである。
縦軸はリファレンス領域Refと試験領域Expとの階調差I−Imidを示し、横軸はピッチPsを示している。NGは、スジが視認される条件範囲を示し、OKは、スジが視認されない条件範囲を示している。
【0066】
全体的な傾向として、試験領域Expは、ピッチPsが大きくなると視認されやすくなり、ピッチPsが小さくなると視認されにくくなる。例えば、ピッチPsが310μmの場合、階調差I−Imidが1であっても、試験領域Expはスジとして視認された。ピッチPsが160μmよりも大きく250μm以下の場合、階調差I−Imidが充分に小さければ試験領域Expはスジとして視認されず、階調差I−Imidが大きいと試験領域Expはスジとして視認された。ピッチPsが160μm以下である場合、少なくとも階調差I−Imidが6以下の範囲では、試験領域Expはスジとして視認されなかった。例えば、輝度比の観点から見ると、ピッチPsが160μmである試験領域Expが視認されるのは、試験領域Expの輝度が、リファレンス領域Refの輝度の110%よりも大きかった場合に相当する。本構成例において、境界部BR1や境界部BR7に隣接する副画素SPXと境界部BR4に隣接する副画素SPXとの輝度の差分は、境界部BR4に隣接する副画素SPXの輝度に対して、10%以下の範囲で10%よりも充分に小さい。このため、ピッチPsが160μm以下であれば、スジムラを抑制することができ、表示品位の劣化を抑制可能である。また、本構成例において、試験領域Expまたはリファレンス領域Refに相当する副画素SPXは、緑色画素よりも視感度の低い赤色画素または青色画素であるため、ピッチPsが160μmよりも大きく250μm以下の範囲であっても、表示装置1はスジムラを抑制することができる。なお、主画素PXの第1方向Xにおける幅が、高精細な表示装置を想定すれば約20μmであるため、ピッチPsは、40μm以上となる。
【0067】
以上のことから、境界部BR1(第1境界部)と境界部BR7(第3境界部)との距離d10は、望ましくは40μm以上かつ250μm以下であり、さらに望ましくは40μm以上かつ160μm以下である。
【0068】
次に、本実施形態の第2構成例について説明する。
図9は、第2構成例における表示パネル2を概略的に示す断面図である。
本図で図示した第2構成例は、金属配線MLa(MLa1、MLa2)、および金属配線MLbを備えている点で、
図6で図示した第1構成例と相違している。
【0069】
金属配線MLa1は、境界部BR1に沿って配置され、映像信号線S1の一部と対向し、スリットSL1内部の一部を占めている。境界部BR1に対応する位置において、第2絶縁層12は、金属配線MLa1と接触し、また第3絶縁層13とも接触している。図示した例では、金属配線MLa1は、共通電極CE1と接触し、共通電極CE2から離間している。金属配線MLa2は、境界部BR8に沿って配置され、映像信号線S8の一部と対向し、スリットSL2内部の一部を占めている。境界部BR8に対応する位置において、第2絶縁層12は、金属配線MLa2と接触し、また第3絶縁層13とも接触している。図示した例では、金属配線MLa2は、共通電極CE2と接触している。金属配線MLbは、境界部BR7に沿って配置され、映像信号線S7の一部と対向している。境界部BR7に対応する位置において、共通電極CE2は、第2絶縁層12および第3絶縁層13の両方と接触し、金属配線MLbとも接触している。
【0070】
図示した例において、金属配線MLa1、MLa2、およびMLbの中心は、それぞれ映像信号線S1、S7、およびS8の中心に対して、同じ方向にずれている。また、金属配線MLa1、MLa2、およびMLbの第1方向Xにおける幅は、金属配線MLの第1方向Xにおける幅と異なっている。この様な金属配線MLa1、MLa2、およびMLbの寸法や位置関係について、次に平面図を用いて説明する。
【0071】
図10は、第2構成例における金属配線ML、MLa、およびMLbに関する各種の寸法を説明するための平面図である。
金属配線MLa1の幅W2は、隣り合う共通電極CE1およびCE2の短絡を防ぐ必要性に制約される。一方で、共通電極CE2と重畳する金属配線MLの幅W1は、このような短絡を考慮する必要がないために、大きくすることができる。そこで、幅W2は、幅W1よりも狭くてもよい。また、金属配線MLbの幅は、幅W1よりも小さいW3であり、幅W3は、図示した例では幅W2と同等である(W1>W2=W3)。
【0072】
金属配線MLa1がスリットSL1と平面視で重畳する幅は、Wa1である。一方、金属配線MLa1と平面視で重畳しないスリットSL1の幅は、幅Wa1よりも小さいWa2である(Wa1>Wa2)。すなわち、図示した例において、金属配線MLa1は、スリットSL1の半分超過の面積を覆っている。
【0073】
金属配線MLa1と共通電極CE1との間の距離は、d1である。一方、金属配線MLa1と共通電極CE2との間の距離は、距離d1よりも大きいd2である(d1<d2)。なお、本構成例においては、金属配線MLa1が共通電極CE1の端部を覆っているため、d1≧0である。
【0074】
図示した例において、金属配線ML6と金属配線MLa1との間隔は、間隔PT2乃至PT5のいずれよりも小さいPT11である。また、金属配線MLa1と金属配線ML1との間隔は、間隔PT2乃至PT5のいずれよりも広く、間隔PT11よりも大きいPT12である。同様に、金属配線ML5と金属配線MLbとの間隔は、間隔PT2乃至PT5のいずれよりも小さいPT61である。また、金属配線MLbと金属配線ML7との間隔は、間隔PT2乃至PT5のいずれよりも広く、間隔PT61よりも大きいPT62である。間隔PT61は、間隔PT11と同等であり、間隔PT62は、間隔PT12と同等である。但し、間隔PT11、PT12、PT61、およびPT62は、互いに等しく、間隔PT2乃至PT5と同等であってもよい。
【0075】
本構成例によれば、上記した第1構成例と同様の効果を得ることができる。さらに、金属層MLaおよびMLbが遮光層として機能するため、色シフトや混色の発生をさらに低減することができる。
【0076】
図11は、第2構成例の第1変形例における金属配線ML、MLa、およびMLbの位置関係を説明するための平面図である。
図示した構成例は、金属配線MLbが金属配線MLa1とは逆方向にずれている点で、
図10に図示した構成例と相違している。金属配線MLbの中心は、図示を省略した映像信号線S7の中心から、第1方向Xの矢印が位置する側へずれている。例えば、間隔PT61は、間隔PT62よりも大きい。また、間隔PT61は間隔PT12と同等であり、間隔PT62は間隔PT11と同等である。
【0077】
本変形例によれば、上述した第2構成例と同様の効果を得ることができる。また、金属配線MLa1は、カラーフィルタCFR2よりもカラーフィルタCFB1との重畳面積が大きいため、副画素SPXRよりも副画素SPXBの混色を強く低減することができ、副画素SPXRの開口率の視野角依存性を抑制することができる。金属配線MLbは、カラーフィルタCFR4よりもカラーフィルタCFB3との重畳面積が大きいため、副画素SPXBよりも副画素SPXRの混色を強く低減することができ、副画素SPXBの視野角の角度依存性を抑制することができる。従って、金属配線MLa1およびMLbは、混色や色シフトを相殺し、表示品位の劣化を抑制可能である。
【0078】
図12は、第2構成例の第2変形例における金属配線ML、MLa、およびMLbの位置関係を説明するための平面図である。
図示した構成例は、金属配線MLa1が第2方向Yに離間した部分配線MLa11およびMLa12で構成され、金属配線MLbが第2方向Yに離間した部分配線MLb1およびMLb2で構成されている点で、
図10に示した構成例と相違している。
【0079】
部分配線MLa11は、共通電極CE1と接触し、共通電極CE2から離間している。反対に、部分配線MLa12は、共通電極CE1から離間し、共通電極CE2と接触している。つまり、部分配線MLa11の中心は、図示を省略した映像信号線S1の中心から、第1方向Xの矢印が位置する側とは反対方向にずれており、部分配線MLa12の中心は、図示を省略した映像信号線S1の中心から、第1方向Xの矢印が位置する方向にずれている。言い換えると、部分配線MLa11のカラーフィルタCFB1との重畳面積は、部分配線MLa11のカラーフィルタCFR2との重畳面積よりも大きい。また、部分配線MLa12のカラーフィルタCFB1との重畳面積は、部分配線MLa12のカラーフィルタCFR2との重畳面積よりも小さい。
【0080】
部分配線MLb1は、部分配線MLa11と第1方向Xで並んでおり、部分配線MLb2は、部分配線MLa12と第1方向Xで並んでいる。部分配線MLb1は、部分配線MLa11とは反対方向にずれており、部分配線MLb2は、部分配線MLa12とは反対方向にずれている。つまり、部分配線MLb1の中心は、図示を省略した映像信号線S7の中心から、第1方向Xの矢印が位置する方向へずれている。反対に、部分配線MLb2の中心は、図示を省略した映像信号線S7の中心から、第1方向Xの矢印が位置する側とは反対方向にずれている。言い換えると、部分配線MLb1のカラーフィルタCFB3との重畳面積は、部分配線MLb1のカラーフィルタCFR4との重畳面積よりも小さい。また、部分配線MLbのカラーフィルタCFB3との重畳面積は、部分配線MLb2のカラーフィルタCFR4との重畳面積よりも大きい。
【0081】
例えば、金属配線ML6と部分配線MLa11との間隔PT11は、部分配線MLa11と金属配線ML1との間隔PT12よりも小さい。金属配線ML6と部分配線MLa12との間隔PT13は、部分配線MLa12と金属配線ML1との間隔PT14よりも大きい。
【0082】
本変形例によれば、上記したのと同様の効果を得ることができる。また、部分配線MLa11およびMLa12は、混色や色シフトを相殺することができる。部分配線MLb1およびMLb2も、混色や色シフトを相殺することができる。
【0083】
次に、スペーサSPの配置例について、金属配線ML3近傍を拡大した図を用いて説明する。なお、次に説明するスペーサSPの配置例は、本実施形態のいずれの構成例にも適用可能である。
【0084】
図13は、金属配線MLとスペーサSPとの位置関係の一例を示す平面図である。
スペーサSPは、アレイ基板ARおよび対向基板CTの一方の基板から他方の基板へ突出している。スペーサSPは、アレイ基板ARから延出してもよく、対向基板CTから延出してもよい。スペーサSPは、第1配向膜14と第2配向膜22との間にセルギャップを形成する。スペーサSPの形成位置は、例えば、走査信号線G、および遮光層BMと平面視において重畳する位置である。図中の点線は、2つの対向配置された基板(AR、CT)のうち金属配線MLが配置された側の基板における、スペーサSPの接地領域を示している。
【0085】
金属配線ML3は、部分配線ML31およびML32で構成されている。部分配線ML31および32は、境界部BR4に沿って並んでおり、互いに第2方向Yに離間している。部分配線ML31は、方向D2に延在し、部分配線ML32は、方向D1に延在している。スペーサSPは、境界部BR4に沿って配置され、部分配線ML31と部分配線ML32との間に位置している。スペーサSPの接地領域は、平面視で、部分配線ML31およびML32から離間している。スペーサSPの第1方向Xにおける幅は、金属配線ML3の第1方向Xにおける幅よりも大きい。
【0086】
本配置例によれば、スペーサSPの接地領域に金属配線MLが形成されていないため、金属配線MLの有無により、金属配線MLの厚さ分だけセルギャップにばらつきが生じることを抑止することができる。これにより、液晶層LC中の液晶量の不足による気泡発生や、液晶層LCの厚みの相違に起因した表示ムラを抑制することができる。
【0087】
次に、表示装置1における被検出物の接近あるいは接触を検出するためのセンサ装置としてのセンシング駆動について説明する。なお、ここで説明するセンサ装置は、いわゆる相互容量(Mutual−Capacitive Sensing)方式のセンサ装置である。相互容量方式は、駆動電極TXと検出電極RXとの間の電極間容量の変化に基づいて、被検出物を検出する。
【0088】
図14は、相互容量方式のセンシング方法の原理を説明するための図である。
ここでは、導電性を有する被検出物としての指Fgが表示装置1に入力する場合について説明する。
【0089】
センサ駆動電極TXおよび検出電極RXは、静電容量結合されており、センサ駆動電極TXと検出電極RXとの間には、電極間容量Ccが形成される。指Fgは、検出電極RXのセンサ駆動電極TXと対向する側とは反対側から検出電極RXへ接近する。ここで、指FgのX−Y平面における位置を位置DPとする。位置DPにおいて、指Fgと検出電極RXとの間には、カップリング容量Cxが形成される。
【0090】
センシングが行われる際、まず、センサ駆動電極TXにパルス状のセンサ駆動信号Vwが書込まれ、上記に示したようなセンサ駆動電極TXと検出電極RXとの間の電極間容量Ccの変化に応じてセンサ信号が発生する。次に、タッチ検出ICチップ4は、検出電極RXからセンサ信号の変化を示すパルス状の検出信号Vrを読取る。センサ駆動信号Vwがセンサ駆動電極TXに供給されるタイミングと、検出電極RXからの検出信号Vrに基づいて、指Fgの位置を検出することができる。
【0091】
表示装置1の表示駆動およびセンシング駆動は、例えば1フレーム期間内に行われる。一例では、1フレーム期間は、画像を表示するための第1期間と、被検出物を検出する第2期間とに分けられる。第1期間では、表示領域DAの全ての主画素PXに映像信号を書き込む表示駆動が時分割的に行われる(表示期間)。また、第1期間に続く第2期間では、表示領域DAの全域において被検出物を検出するセンシング駆動が時分割的に行われる(検出期間、或いはセンシング期間)。センサ駆動電極TXには、第1期間においてコモン駆動信号が供給され、第2期間においてセンサ駆動信号が供給される。
【0092】
なお、ここでは、相互容量方式によるセンシングについて説明したが、センサ装置は、自己容量方式によるセンシングが可能な構成を有していてもよい。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の改善が可能な表示装置を提供することができる。
【0094】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。