特許第6750080号(P6750080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6750080
(24)【登録日】2020年8月14日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】運用支援装置及び運用支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20200824BHJP
【FI】
   G06Q40/06
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-197282(P2019-197282)
(22)【出願日】2019年10月30日
【審査請求日】2019年11月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519388697
【氏名又は名称】土井 真典
(74)【代理人】
【識別番号】100150876
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】土井真典
【審査官】 衣川 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−096218(JP,A)
【文献】 特表2007−515017(JP,A)
【文献】 特開2002−041804(JP,A)
【文献】 特開2002−366763(JP,A)
【文献】 特表2001−525577(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0010060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の総資産を把握し、資産運用の支援を、金融機関等の他社のシステムに連結されたコンピュータシステム及びサーバーシステムに実行させる運用支援プログラムであって、
第1に利用者のコンピュータシステムのディスプレイ装置に、資産種別、資産詳細、資産額を入力するように入力欄が設けられた入力画面を表示し、
この入力画面に従って利用者に資産種別、資産詳細、及び資産額の内訳を入力させ、入力された資産に関する資産データを、そのまま、利用者の個人識別情報と連結して、サーバーの記録媒体に格納することにより、
資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得ステップと、
利用者の資産の入出金記録及び参考時価情報を上記他社のシステムから取得し、
取得した入出金記録及び参考時価情報に基づいて資産データを更新することにより、各資産種別の入出金情報を取得すると共に、
入出金があった日付と入出金の詳細、残金並びに時価に変換した時価資産を表示可能に整理する情報取得ステップと、
予め登録された、分類された資産の専門家のコンピュータシステムに、サーバーシステムに格納された利用者とその資産情報のうち、当該専門家の専門とする分野の資産及び入出金情報を表示し、
上記専門家が、今後利用者が取るべき方向性を入力画面に入力することで、利用者に示すべき資産に関する情報をサーバーシステムに送信し、利用者に対して専門家からのアドバイスを表示すると共に、専門家の助言どおりに資産運用した場合の想定資産推移を計算し、その場合の予想資産状態を利用者に示すことにより、分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示ステップと
を行わせ、
上記支援情報提示ステップにおいては、上記専門家を分野ごとに複数とし、複数の専門家からの情報を利用者に表示し、各資産として、所有コストを表示して、この所有コストを直に反映させた実資産を表示し、且つ実資産に基づいて上記想定資産推移及び上記予想資産状態を表示するように構成されている
るプログラム。
【請求項2】
更に、入出金指示ステップ及び事前準備ステップを具備し、
上記入出金指示ステップは、資産のうちいずれかの換金又は引き出しを行い、出金又は入金を行うステップであり、所定の入力画面に、対象商品、購入か売却の別、金額を入力し、実行することで、上記他社のうち対象商品取り扱い機関に指示を出して、購入や売却を行うステップであり、
上記事前準備ステップは、プログラムのスタート時点において、利用者のコンピュータシステムに利用者情報を登録するように利用者情報の入力画面としての問診票を表示し、該問診票に現在の資産内訳と目標資産を記入させ、該問診票の記入事項に基づいて、上記専門家の意見を集約するか又は問診票の回答欄の回答に点数を付け、点数の合計点で評価を自動的に行うことにより、推奨アセットアロケーション及び推奨ポートフォリオを含む診断表を作成するステップであり、
上記診断表をゴールとして上記支援情報提示ステップを行う
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
サーバーシステムとコンピュータシステムとを組み合わせてなり、請求項1記載のプログラムを実行することにより、利用者の総資産を把握し、資産運用の支援を行う運用支援装置であって、
上記資産額取得ステップを行い、資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得部と、
上記情報取得ステップを行い、各資産種別の入出金情報及び参考時価情報を取得する情報取得部と、
上記支援情報提示ステップを行い、分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示部と、
を具備する
ことを特徴とする運用支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資産運営の最適なプランニングの構築、及び長期的な資産の承継対策の実施を可能にする運用支援装置及び運用支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
個人の資産の運用は現在では多岐に渡っており、資産運用を考えている利用者にとっていかなる運用手段を用いて自己の資産を運用するか、すなわち、総資産配分(アセットアロケーション、資産の配分を何にどの程度とするのか、配分された各資産の組み合わせをどうするか)をどのようにし、配分された資産における具体的な商品の組み合わせ(ポートフォリオ)をどのように構築するかは課題となっている。
かかる観点から、種々提案がなされており、例えば特許文献1には、投資家のための投資ポートフォリオを構築するためのシステムが提案されている。同システムは、コンピュータで読み込み可能なデータ格納庫、実行された場合、記録したコンピュータ読み取り可能な命令を含むコンピュータ・システムと通信して 、投資家のリスク許容レベルを表すリスク許容度データを受信するステップと、投資選択基準をユーザ端末から受信するステップと、ユーザ端末のユーザ・インターフェースに選択基準に応じてランク付けされるポートフォリオに含めるための投資先リストを表示、生成するステップと、をコンピュータ・システムに実行させるように構成されている。
また、特許文献2には、将来設計に関する適切な情報をユーザに提供することを目的とし、特定部と、取得部と、生成部とを有し、特定部は、処理対象のユーザと所定の条件において類似性を有するユーザである類似ユーザを特定し、取得部は、特定部によって特定された類似ユーザの収入又は支出に関する情報を取得し、生成部は、取得部によって取得された情報に基づいて、類似ユーザの収入又は支出の傾向を示す情報を生成する装置が提案されている。
また、特許文献3には、資産形成能力が高いとされるユーザと比較して、対象となるユーザが資産形成できているか否かを客観的に評価することを目的とし、取得部と、算出部とを有し、取得部は、ユーザの行動を示す行動情報を取得し、算出部は、取得部により行動情報が取得されたユーザのうち資産形成に関する金融活動に基づいて定められたユーザである第1ユーザの行動を示す第1行動情報と、評価対象のユーザである第2ユーザの行動を示す第2行動情報とに基づいて、第2ユーザの資産形成に関する指標値を算出する、算出装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-525062号公報
【特許文献2】特開2017-117394号公報
【特許文献3】特開2019-00834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の各資産運用に関する提案では、投資先の候補リストが表示されるか又は成功している人との比較が可能となっているだけであり、資産運用の目標設定やその目標に基づいての資産運用方法については何ら提案されていなかった。また、資産運用に際して金融資産のみに着目している提案であるため、資産運用を行うものから見ると総資産の運用において不十分であるという問題があった。
すなわち、資産運用に際して総資産のアセットアロケーション、更には各資産におけるポートフォリオの最適化とそのプランニングの構築を効率的に行うことができないという問題があり、また資産運用のコントロールが不十分であったために長期的な資産の承継対策ができないという問題もあった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、資産運営の目標設定及び最適なプランニングの構築、並びに長期的な資産の承継対策の実施を可能にする運用支援装置及び運用支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、資産を単なる金融資産だけではなく各種の動産も含めて把握するとともに、各資産の入出金と時価の把握を行い、この把握した情報に基づいて資産の運用を考えるシステムを提供することにより上記目的を達成し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.利用者の総資産を把握し、資産運用の支援を行う運用支援装置であって、
資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得部と、
各資産種別の入出金情報及び参考時価情報を取得する情報取得部と、
分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示部と、
を具備することを特徴とする運用支援装置。
2.上記支援情報提示部は、
予め登録された、分類された資産の専門家に入出金情報を送信し、当該専門家による資産運用の助言を促すとともに、当該専門家の助言を利用者に提示する、
ことを特徴とする1記載の運用支援装置。
3.利用者の総資産を把握し、資産運用の支援をコンピュータシステム及び/又はサーバーシステムに実行させる運用支援プログラムであって、
資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得ステップと、
各資産種別の入出金情報を取得する情報取得ステップと、
分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示ステップとを行わせるプログラム。
4.上記支援情報提示ステップは、
予め登録された、分類された資産の専門家に入出金情報を送信し、当該専門家による資産運用の助言を促すとともに、当該専門家の助言を利用者に提示する、ことにより行われるステップである
3記載のプログラム。
5.上記資産額取得ステップは、
資産額の内訳を入力させるように、入力を促す表示画像を利用者に表示し、入力された情報を記録媒体に格納することにより行われるステップである
3記載のプログラム。
【発明の効果】
【0007】
本発明の運用支援装置及び運用支援プログラムによれば、資産運用に際して総資産のアセットアロケーション、更には各資産におけるポートフォリオの最適化とそのプランニングの構築を効率的に行うことができ、また資産運用のコントロールを十分に行うことができ、長期的な資産の承継対策の実施が可能である。
また、本発明によれば、利用者の総資産を資産価値を有するものであれば有価証券等の金融商品に限ることなく運用するように、利用者に示唆することが可能となるので、消費者保護や投資者保護の観点においても有用である。
また、従来の装置及びプログラムでは販売者側からは売り手視点でしか情報を得る事ができなかったが、本発明によれば、専門家の指摘を通じて利用者において有用な視点を客観的に得ることが可能となるので、正確なマーケティング情報が得られる点で販売者においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の運用支援装置の1実施形態を示す概要図である。
図2図2は、本発明の運用支援装置及び運用支援プログラムにより可動させるシステムの概要図である。
図3図3は、本発明の運用支援プログラムの1実施形態を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の運用支援プログラムにより利用者に示される入力画面の一例を示す概要図である。
図5図5は、本発明の運用支援プログラムにより専門家に示される入力画面の一例を示す概要図である。
図6図6(a)及び(b)は、いずれも本発明の運用支援プログラムにより利用者に示される入力画面の一例を示す概要図である。
図7図7は、入出金を行う際に利用者に示される入力画面の一例を示す概要図である。
図8図8(a)は、資産運用のゴール設定に用いる問診票入力画面の一例を示す概要図であり、(b)は、その問診票に基づく診断結果を示す診断表の一例を示す概要図である。
【符号の説明】
【0009】
1:運用支援装置、2:資産額取得部2、4:情報取得部、6:支援情報提示部、10:コンピュータシステム、20:サーバーシステム
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<運用支援装置>
本実施形態の運用支援装置1は、図1に示すように、利用者の総資産を把握し、資産運用の支援を行う運用支援装置である。詳細には、資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得部2と、各資産種別の入出金情報及び参考時価情報を取得する情報取得部4と、分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示部6と、を具備する。また、入出金の指示を実行する入出金指示部8も具備する。
以下、詳細に説明する。
【0011】
<全体構成>
図2に示す本実施形態の運用支援装置1は、多数のコンピュータシステム10,10がインターネットIを介して連結可能なサーバーシステム20に後述する本実施形態のプログラムを格納して構成されている。サーバーシステム20に外部の多数の利用者及び後述する専門家がコンピュータシステム10,10を介してアクセスすることにより、サーバーシステム20を介して、運用支援装置1を利用することができるように構成されている。
本実施形態においてサーバーシステム20及びコンピュータシステム10は、基本的な構成に相違はなく、それぞれ図示しないが、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、少なくとも一つの中央処理演算装置(CPU)、記録媒体、キーボードやポインティングデバイス(例えば、 マウスやタッチパッド)等の1以上のユーザ・インターフェース機器、インターネット等のデータ通信ネットワークにコンピュータシステムを接続するネットワーク・インタフェースを備える。また、液晶ディスプレイ(LCD)パネル装置等のディスプレイ装置は、サーバーシステムにおいては特に必要ないが、コンピュータシステム10においては必須となる。サーバーシステムにおいては、ディスプレイ装置に代えていわゆるスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末を表示装置として用い、表示と入力機器とを兼用させても良い。
また、オペレーティングシステムとしては、通常の32ビットまたは64ビットのものが用いられる他、一般的にコンピュータシステムに用いられる、ウェブサーバーソフトウェアやスクリプト言語モジュール等の標準的な多数のソフトウェアモジュールを含む。また、利用者や専門家の用いるコンピュータも、同様のコンピュータシステムに後述するプログラムを格納して本実施形態の運用支援装置として機能させることが必要となる。
【0012】
<プログラム>
本実施形態のプログラムは、上記サーバーシステムに格納されて、サーバーシステム及び各使用者及び専門家のコンピュータシステムを実行させるものであり、図3に示すように、利用者の総資産を把握し、資産運用の支援をコンピュータに実行させるべく、
資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得ステップS1と、
各資産種別の入出金情報を取得する情報取得ステップS2と、
分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示ステップS3とを行わせるプログラムである。
以下、各ステップについて説明する。
【0013】
(資産額取得ステップS1)
上記資産額取得ステップは、資産額の内訳を入力させるように、入力を促す表示画像を利用者に表示し、入力された情報を記録媒体に格納することにより行われるステップである。
サーバーシステムの記録媒体に格納されたプログラムを、起動ファイルを起動させることによりスタートさせる。そして、利用者が自分のコンピュータシステム10を起動し、サーバーシステムにアクセスすることで、当該プログラムを使用可能とすると、第1に利用者のコンピュータシステムのディスプレイ装置に所定の入力画面を表示する。そして、資産額の内訳を入力させる。
この際、入力させる画面は、図4に示すように、資産種別、資産詳細、資産額を入力するように入力欄が設けられている。具体的には、入力ボタンとして、日付、名目、入出金種別、商品詳細、金額の各項目を用意する。なお、これらのデータは、自動的に銀行、証券会社、不動産会社と連動して自動的に入力させるように設定することもできる。日付には入出金を行う日付を記入し、名目にはその入出金が現金、不動産、有価証券等のいずれに該当するかを記入する。
具体的には、名目としては、有価証券、不動産、預金、保険、コレクション(貴金属等)、負債等が挙げられる。これらをいわゆるプルダウンメニューとして表示されるように設定して利用者に選択しクリックすることで入力させるように構成することもできる。
商品詳細の欄は、名目によっては細かく分類する必要が生じるため、大分類、中分類、少分類の3段階に設定する。ただし、それほど分類する必要のないものは中分類と小分類又は小分類のみとすることができる。具体的には、例えば、商品詳細の名目を有価証券とすると、商品詳細には大分類として株式、債券、オルタナティブ又はキャッシュ等が該当し、中分類には国内外の別が該当し、小分類には、個別株式、ETF、投資信託等が該当することとなる。これらを名目と同様にプルダウンメニューとして表示させるように設定することができる。
名目が不動産の場合には、自宅用、商業用(ビル、テナント、賃貸用、戸建賃貸の別)を中分類とし、国内外の別を小分類とすることができる。
名目が預金の場合には、国内外の別を中分類に、銀行種別を小分類とすることができる。
名目が保険の場合には、終身、定期、養老、医療、所得補償等を小分類とすることができる。
名目がコレクション(貴金属等)である場合には、小分類として、貴金属、絵画、宝石、船、飛行機、車、時計、切手等を設定することができる。
名目が負債である場合には、とくに分類せずに単に金額を入力するよう設定できる。
入出金種別には、入金か出金かを記入し、商品詳細には、不動産であれば、その住所、取得形態、坪数などを、有価証券であれば、その種類、銘柄などを記入する。
金額には、入出金の実際の額を記入する。本発明の装置は、好ましくは、金融機関等のシステム(以下、「他社システム」という)に電気的に連結されていて、本発明の装置にて入力しようとすると、他社のシステムが立ち上がり他社のシステムでの入力結果が反映される。また、例えば出金する際に有価証券や不動産を売却する場合には、売却のオーダーをかけると複数の業者から見積もりやコメントが届いて、どの業者を選定するか決定するための参考にできるよう設定する事が可能である他、その売価が当該金額の欄に反映される。
【0014】
このように、上記資産種別とは、資産の種別を意味し、不動産、株式、債券等の有価証券、現金、動産、会員権、美術品、宝石・貴金属、自動車、船舶、航空機、その他収集品などである。上記資産詳細とは、不動産、有価証券(株式、債権など)の詳細であり、例えば、株式であればどの会社の株式か、不動産であればどの場所の土地であるか、債券であればどの国の国債またはどの会社の社債か、現金であれば普通預金、定期預金等の預金種別である。資産額とは、各資産の評価額である。また、資産額は、入力後において、変動の結果が反映されるように、それぞれ銀行、証券会社、不動産評価の情報ソースに自動的にアクセスして情報を取得し、資産額を絶えず新しい評価額に応じた額として表示するように構成されている。時価情報の入手が困難な資産については、それぞれの資産を取り使う専門業者より参考時価情報を入手することにより総資産の時価情報が表示されるように構成されている。
入力された資産に関するデータは、そのまま、利用者の個人識別情報と連結されて、サーバーの記録媒体に格納される。
これらの利用者の個人識別情報及び資産データは、セキュリティシステムにより保護されており、ID、パスワード及び第3の認証システムを得て初めてデータにアクセスできるように構成されている。ここでIDに関しては、メインのIDに加え、サブのIDを複数取得するように構成することができる。サブのIDは助言を行う複数の専門家に開示することで専門家ごとに管理することが可能となり、複数の専門家の助言の中から最適な助言を利用者が選択することができる。更に、利用者の銀行への送金操作は複雑なものとなる場合があるが、そのような複雑な送金操作をサポートする者にサブのIDを付与することにより、制限された権限を付与して、この権限に沿ったアクセス権が付与できる。
【0015】
(情報取得ステップS2)
上記情報取得ステップは、利用者の資産の入出金記録及び参考時価情報を、銀行、証券会社、不動産会社から取得する。そして、取得した入出金記録及び参考時価情報に基づいて資産データを更新する。この際、単に入出金記録に基づいて見かけ上の資産データを更新するだけではなく、資産データの現状(本ステップを実行する時点)での資産の時価情報をもって見かけ上の資産額を時価に変換して時価資産データを把握する。この時価資産データを時系列に並べて、それぞれの資産に分けて時系列でどのように資産額が変動しているのか、またその変動は評価額に起因するか、入出金に起因するか、その両方かがわかるように表示可能にデータが整理される。
具体的には、たとえば図5に示すように表形式で、入出金があった日付と入出金の詳細、残金(見かけ上の金額)並びに時価に変換した時価資産も表示される。これにより、額面上の残金と時価評価を入れた現実の資産額とをひと目で把握することが可能となる。また、各資産の名目のいずれが時価額のボトルネックになっているのかもひと目で把握することができ、総資産のアセットアロケーション、更には各資産におけるポートフォリオの最適化構築における問題の抽出と対策とを立てやすくなる。
【0016】
(支援情報提示ステップS3)
上記支援情報提示ステップは、予め登録された、分類された資産の専門家に入出金情報を送信し、当該専門家による資産運用の助言を促すとともに、当該専門家の助言を利用者に提示する、ことにより行われるステップである。
ここで専門家としては、ファイナンシャルプランナー、税理士、銀行職員、証券会社職員、不動産管理会社社員、美術商、自動車販売業者、各種会員権取引業者、宝石商、船舶販売業者、航空機販売業者、各種収集品取引業者等が挙げられる。
上記専門家は、サーバーシステム20に連結されたコンピュータシステム10によりサーバーシステム20に格納された利用者とその資産情報とを確認し、総資産のアセットアロケーション、更には各資産におけるポートフォリオと個別の資産の状態とから、資産全体の推移、今後の動向予測、分類された資産の状態及び予測を判断して、今後利用者が取るべき方向性を、入力画面に入力することで利用者に示すべき資産に関する情報をサーバーシステムに送信する。
入力画面は、例えば図6に示す構成とすることができる。
すなわち、図6に示すように、各専門家には、その専門家の専門とする分野の資産及び入出金情報が開示される。具体例として図6(a)には不動産業者向けの入力画面を、図6(b)にはファイナンシャルプランナー向けの入力画面を表示する。
図6(a)には、不動産の詳細とその残金(残高)と時価資産の額とが表示される。これを確認した不動産業者は、どの資産が今後どのように推移するかを考慮した上で、入力画面における入出金指導の欄に入金及び出金の別を記入し、対象商品にどの商品を購入または売却するべきかを記入し、その理由を理由の欄に記入する。そして、不動産に対する投資額や全体資産に基づいて推奨金額を設定し、推奨金額の欄に記入する。
図6(b)には、資産全体の額とその時系列推移とが表示される。このデータに基づいてファイナンシャルプランナーは、どの資産に重点をおいて資産運用するべきかを理由と共に記入する。
いずれの例においても、入出金指導、対象商品、理由及び推奨金額の欄に、複数の業者からの情報の提供を表示できるように設定することもできる。この場合には、提供された情報をその提供時点における資産と紐付けて表に表示するように設定することもできる。例えば、図6(a)の表に2019年4月と表示されているのを、提案日時の表示にして
提案内容を反映させた入出金額等の表示を行うようにすることもできる。
また、図6(a)及び(b)に示すように、各資産について、運営管理に必要な、税金、管理費、積立金等の所有コストを表示して、この所有コストを時価に反映させた実資産を表示する。これにより、利用者及び各専門家は各資産の本当の資産価値及び資産価値運用評価を取得できる。
そして、専門家からの情報がサーバーシステムに送信されると、利用者に対して専門家からのアドバイスを表示すると共に、専門家の助言どおりに資産運用した場合の想定資産推移を計算し、その場合の予想資産状態を利用者に示す。このように、専門家の指示に従って場合の予想される資産状況が提示されることにより利用者は自己の資産の運用について自分で判断することが可能となり、複数の専門家のうちどの専門家(一人又は複数人)の判断を採用して、自己の資産運用を行うかを判断することが可能となる。
【0017】
(その他のステップ)
本実施形態のプログラムは、上述の各ステップを行うことで利用者に対して資産の運用についての方針決定の支援を行うことができる。
しかしながら、これらのステップ以外に以下のステップをコンピュータシステム及びサーバーシステムに行わせることもできる。
(入出金指示ステップS4)
資産のうちいずれかを、換金、引き出し等を行う出金又は入金を行うステップであり、現金を追加した上で現金をいずれかの資産の購入に当てることを指示する場合と、いずれかの資産を他の資産に振り替える作業のいずれかを行うことができる。また、単に現金を入金した場合の現金額の追加指示や資産の一部又は全部を処分し換金して現金を引き出す資産引き出し指示も行うことができる。
具体的には、図7に示す入力画面に所定事項を入力することにより行うことができる。
すなわち、図7に示すように、対象商品、購入か売却の別、金額を、それぞれの入力欄に入力し、実行ボタンを押して実行することで、金融機関及び不動産会社等の対象商品取り扱い機関に指示を出して、購入や売却を行う。
なお、ここで、金融機関等のサイトに連結して、取引画面がポップアップされるように設定することもでき、直接入出金することもできる。また、これらの操作画面は、支払い予定を予め入力した利用者のカレンダーと連動するように設定することもでき、この連動をさせた場合にはカレンダースケジュールに従い、予定日時に取引画面がポップアップされ、かかる取引画面により予定通りに支払いなどを済ませることができる。
【0018】
(事前準備ステップS0)
また、そもそもプログラムのスタート時点において、利用者情報を登録するように利用者情報の入力画面(図示せず)が表示される。この入力画面に対して管理者又は利用者が所定事項を入力して、利用者の個人情報を登録することによりプログラムにおける利用者の資産運用支援を行うこととなる。また、この際、利用者の資産の現状と、資産運用の目的及び目的達成のための資産運用方針からなる資産運用のゴールとを設定する。この一連の作業が事前準備ステップである。
資産運用のゴールにおける資産運用の目的は、生活を如何にするかということを含めての目的であり、例えば、金利を年何%得る、10年後に2倍にする、等である。そして、そのためには現状の資産を把握した上で、資産種別をどう変更して、各資産における資産額といくらにするべきかの総資産のアセットアロケーション、更には各資産におけるポートフォリオのあるべき姿を算出することができる。この算出は、予め本ステップ実行時における各資産の時価を反映させて、得るべき金利や目標とする資産額に応じて公知のシミュレーション手法により、複数通り算出することもできるし、上記の専門家に資産現状と目的とを提示して、資産運用方針を提示させる事もできる。
この際、使用する問診票(コンピュータシステムの画面に表示される)の一例を図8に示す。
図8(a)に示すように、問診票には質問事項と各質問事項に対応した回答欄とが表示され、利用者がこの回答欄に回答を記入する。図8(a)においてはすべて空欄で示しているが、質問と3段階の回答などの答えやすい質問及び回答、並びに現在の資産内訳と目標資産等を記入するように設定される。この問診票の記入事項に基づいて診断票が作成される。診断表の作成は、各専門家の意見を集約する形で作成することもできるし、問診票の回答欄を3段階(例えば、はい、いいえ、どちらでもない)の回答としてそれぞれに点数を付け、点数の合計点で評価を自動的に行うように設定してもよい。
そして、この問診票のデータに基づいて、どういった資産を、どの程度の期間で、どのくらいの額にするか、資産の管理をどうするべきか、資産についてのリスクをどう把握するか管理運営、これらの目標達成のための手段の選定を診断票の推奨アセットアロケーション、及び推奨ポートフォリオとして出力する。この診断表を作成するステップは、問診票における質問に予め各資産の運用方法等が紐付けられており、かかる紐付けに従って行われる。上述の支援情報提示ステップS3は、このゴールに即して行われる。即ち、各専門家の助言がこのゴールに即して行われることになり、利用者もこのゴールに照らしてどの助言を採用するか判断できる。
【0019】
<運用支援装置>
上述のように図2に示すサーバーシステム20とコンピュータシステム10とを組み合わせ、上述のプログラムにより所定のステップをサーバーシステム20とコンピュータシステム10とに行わせれば、本発明の運用支援装置を稼働させることができる。ここで、図1に戻って本実施形態の運用支援装置である上記のプログラムが格納され、上記プログラムによって上述の各ステップを実行可能とされたサーバーシステム及びコンピュータシステムからなる本実施形態の運用支援装置の概要について説明する。
本実施形態の運用支援装置1は、図1に示すように、資産額取得部2と、各資産種別の入出金情報を取得する情報取得部4と、分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示部6と、を具備し、更に入出金指示部8を有する。
(資産額取得部)
資産額取得部2は、サーバーシステム20と利用者のコンピュータシステム10とにより構成され、もっぱらサーバーシステム20からの指示を受けてコンピュータシステムが情報の取得を行うことにより実行されるものである。例えば図4に示す入力画面を表示したディスプレイ装置と、このコンピュータシステム10の入力デバイスとにより入力が行われることで稼働される。
(情報取得部)
情報取得部4は、もっぱらサーバーシステム20により構成されており、入出金指示による情報及び金融機関や不動産業者などの情報に基づいて資産額を随時把握しており、この把握した資産情報を取得し、サーバーシステムに格納されている資産情報と照合して資産情報を更新する。
(支援情報提示部)
支援情報提示部6は、サーバーシステム20と専門家及び利用者のコンピュータシステム10、10とにより構成される。もっぱらサーバーシステム20からの指示を受けて専門家のコンピュータシステム10に情報の開示及び専門家の意見の取得を行う。この際、専門家のコンピュータシステム10にサーバーシステムから更新された資産情報を移送し、専門家のコンピュータシステム10におけるディスプレイ装置に所定の入力画面と資産データとを表示し、入力デバイスを用いて所定事項、すなわち専門家意見を記入できるようにする。そして、専門家は意見の記入が終了すると入力画面にある送信ボタンを押すことにより、専門家の意見を一旦サーバーシステム20に移送する。サーバーシステム20においては、専門家の意見を利用者情報及び当該利用者の資産情報と関連付けた後、利用者に専門家意見を提示するべく、利用者のコンピュータシステム10に専門家意見データを移送して、利用者のコンピュータシステム10におけるディスプレイ装置に表示可能とする。またこの際、新たに専門家意見に基づく資産予測を合わせて利用者のコンピュータシステム10におけるディスプレイ装置に表示可能とするべく、移送する。
(入出金指示部)
入出金指示部8は、サーバーシステム20と利用者のコンピュータシステム10とにより構成され、もっぱら利用者のコンピュータシステム10において所定の操作を行うことで図7の入力画面を表示させて入出金指示を利用者に入力するように促し、当該入力データをサーバーシステム20に移送するように構成されている。
【0020】
<運用支援方法>
本発明の運用支援装置は、上述のように構成されており、上述の装置を稼働させることで上記プログラムを実行することとなる。したがって、本発明の運用支援装置を用いて行う運用支援方法は、上述のプログラムフローに従った運用支援を行うこととなる。
【0021】
なお、本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
たとえば、例えば、以上に説明した実施形態においては、資産額取得ステップ、支援情報表示ステップ、入出金指示ステップをそれぞれ利用者による入力支援及び専門家の意見入力支援を行うステップとして説明したが、これに制限されず、予め登録された金融機関などから自動的に情報を入手することにより資産の分類及び資産額の入力を行う方式、専門家ではなく公表されているアルゴリズムに応じて資産の動向を予測し、最適なアセットアロケーション、ポートフォリオの示唆を自動的に提示するように設定してもよい。
本装置を資産管理運営管理業者のシステムに連結して、当該管理業者に資産管理を委託して緻密な管理運営を行うこともできる。その際、本装置を用いての取引については自動的に記帳も行うように設定することもできる。なお、すべての資産を把握するのは年末(年度末)日であるのが通常(流動資産は3ヶ月ごと)なので常時全ての資産を表示する必要はない。



【要約】
【課題】 資産運営の目標設定及び最適なプランニングの構築、並びに長期的な資産の承継対策の実施を可能にする運用支援装置及び運用支援プログラムを提供すること。
【解決手段】利用者の総資産を把握し、資産運用の支援を行う運用支援装置であって、資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得部と、各資産種別の入出金情報及び参考時価情報を取得する情報取得部と、分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示部と、を具備する運用支援装置、並びに利用者の総資産を把握し、資産運用の支援を実行させる運用支援プログラムであって、資産を資産種別に応じて分類した上で、各資産種別の資産額を取得する資産額取得ステップと、各資産種別の入出金情報を取得する情報取得ステップと、分類された資産種別毎の助言を利用者に提示する、支援情報提示ステップとを行わせるプログラム。
【選択図】図1
図1
図2
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図7
図8