【文献】
上を目指すプログラマーのためのiPhoneアプリ開発テクニック iOS 7編,株式会社インプレスジャパン,2013年12月21日,第1版,pp.153-182
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの再生時間を、前記未完成動画データの再生時間に対応するように補正する、請求項1または2に記載の情報機器。
前記制御部は、前記動画データのダウンロードを再開し、前記動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含む重複動画データがダウンロードされた場合には、前記重複動画データを削除する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報機器。
前記制御部は、前記動画データのダウンロードを再開し、前記動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含む重複動画データがダウンロードされた場合には、前記重複動画データの前記重複するデータ部分を削除する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報機器。
前記制御部は、前記動画データのダウンロードを再開し、前記動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含む重複動画データがダウンロードされた場合には、前記重複動画データの前記重複するデータ部分を含んだ状態で、前記重複するデータ部分以外のデータ部分を選択的に再生する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報機器。
前記制御部は、指定された再生位置以後の前記動画データを、前記分割動画データに分割した状態でダウンロードするとともに、ダウンロードされた前記分割動画データに対して、前記動画データを再生するための処理を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報機器。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(配信システムの構成)
まず、
図1を参照して、本発明の第1実施形態による配信システム100の構成について説明する。
【0027】
本発明の第1実施形態による配信システム100は、
図1に示すように、配信装置1と、アクセスポイント2と、情報機器3とを備えている。配信システム100では、配信装置1と情報機器3とは、アクセスポイント2を介して互いに無線通信可能に構成されている。
【0028】
配信装置1は、動画データを配信可能な装置である。具体的には、配信装置1は、デジタルテレビジョン放送を録画可能な録画装置であり、録画された放送番組や視聴中の放送番組を動画データとして配信可能に構成されている。
【0029】
情報機器3は、動画データをダウンロード可能な装置である。具体的には、情報機器3は、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯型の情報機器であり、配信装置1から動画データをダウンロード可能に構成されている。また、情報機器3は、ダウンロードされた動画データを再生可能に構成されている。
【0030】
配信システム100では、たとえば、DLNA(Digital Living Network Alliance)(登録商標)の技術に基づいて、配信装置1と情報機器3との間で通信を行うことが可能である。
【0031】
(情報機器の構成)
図2に示すように、情報機器3は、出力部30と、通信部31と、記憶部32と、操作部33と、制御部34とを備えている。また、情報機器3には、OS(オペレーティングシステム)35と、動画再生アプリケーションプログラム(以下、単に「動画再生アプリケーション」という)36とがインストールされている。なお、動画再生アプリケーション36は、特許請求の範囲の「アプリケーション」の一例である。
【0032】
出力部30は、動画データのうち映像データを出力するための表示部、および動画データのうち音声データを出力するための音声出力部を含んでいる。出力部30は、動画データが再生される場合に、映像および音声を出力するように構成されている。
【0033】
通信部31は、所定の規格(たとえば、IEEE802.11規格)に基づいて、無線通信が可能に構成されている。また、通信部31は、アクセスポイント2を介して、配信装置1と無線通信するように構成されている。
【0034】
記憶部32は、データを記憶するように構成されている。記憶部32には、たとえば、ダウンロードされた動画データや、アプリケーション35、OS36などのプログラムが記憶される。
【0035】
操作部33は、操作ボタンやタッチパネルなどを含み、ユーザの操作を受け付けるように構成されている。これにより、情報機器3は、ユーザの操作に応じた動作を行うように構成されている。
【0036】
制御部34は、CPU(Central Processing Unit)を含み、情報機器3の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部34は、OS35や動画再生アプリケーション36などのプログラムを実行するように構成されている。
【0037】
OS35は、情報機器3内のシステム全体を管理するプログラムである。このOS35は、
図3に示すアプリケーションライフサイクルに従って、動画再生アプリケーション36などのアプリケーションの状態を変化させるように構成されている。
【0038】
「Not running」は、アプリケーションが起動されていないか、または実行されていたが終了された状態である。
【0039】
「Inactive」は、アプリケーションがフォアグラウンドで起動中であるが、処理を実行していない状態である。なお、フォアグラウンドとは、出力部30の表示部に操作画面が表示され、アプリケーションが操作対象となる状態である。OS35は、たとえば操作部33を用いた操作によりアプリケーションが起動された場合などには、「Not running」から「Inactive」にアプリケーションを遷移させる。
【0040】
「Active」は、アプリケーションがフォアグラウンドで起動中であり、処理を実行している状態である。OS35は、「Inactive」と「Active」との間でアプリケーションを遷移させる。
【0041】
「Background」は、アプリケーションがバックグラウンドで起動中であり、処理を実行している状態である。なお、バックグラウンドとは、出力部30の表示部に操作画面が表示されず、アプリケーションが操作対象とならない状態である。OS35は、「Inactive」と「Background」との間でアプリケーションを遷移させる。
【0042】
「Suspended」は、アプリケーションがバックグラウンドで起動中であるが、処理を実行していない状態である。OS35は、「Background」と「Suspended」との間でアプリケーションを遷移させる。また、OS35は、「Suspended」から「Not running」にアプリケーションを遷移させる。
【0043】
また、OS35は、アプリケーションがバックグラウンドで起動している状態(「Suspended」)で、動画データなどのデータのダウンロード完了後に、「Suspended」から「Background」にアプリケーションを遷移させるように構成されている。これにより、アプリケーションは、ダウンロードされたデータに対して、ダウンロード完了後の処理を行うことが可能になる。
【0044】
また、OS35は、アプリケーションがバックグラウンドで起動している状態でのデータのダウンロード中に、情報機器3と配信装置1との間の通信エラーや配信装置1による動画データの配信停止などのダウンロードが中断するようなエラーが発生した場合には、途中までダウンロード済みのデータを破棄(削除)するように構成されている。このため、途中までデータがダウンロード済みであったとしても、この途中までのデータはOS35により破棄(削除)される。
【0045】
動画再生アプリケーション36は、動画データを再生するためのアプリケーションである。具体的には、動画再生アプリケーション36は、通信部31を介して配信装置1から動画データをダウンロードするとともに、ダウンロードされた動画データを再生することが可能に構成されている。
【0046】
また、
図4に示すように、動画再生アプリケーション36は、動画配信再生機能と、動画ダウンロード機能とを有するアプリケーションである。
【0047】
動画再生アプリケーション36の動画配信再生機能は、配信装置1から動画データをダウンロードしながら逐次再生する(いわゆる、ストリーミング)機能である。
【0048】
動画再生アプリケーション36の動画ダウンロード機能は、配信装置1から動画データをダウンロードした後、ダウンロードされた動画データを再生する機能である。ユーザは、必要に応じて、動画配信再生機能と動画ダウンロード機能とのうちいずれかの機能を選択して、動画データを視聴することができる。第1実施形態では、この動画ダウンロード機能を使用する場合について主に説明する。
【0049】
動画再生アプリケーション36は、
図5に示すように、配信装置1においてMPEG2−TS(Transport Stream)形式で保存された動画データ(TSファイル)をダウンロードするように構成されている。
【0050】
また、動画再生アプリケーション36は、
図6に示すように、ダウンロードされた動画データを情報機器3において再生可能なHLS(HTTP Live Streaming)形式に変換するように構成されている。
【0051】
具体的には、動画再生アプリケーション36は、ダウンロードされた動画データに基づいて、所定の時間間隔(たとえば、10秒間隔)毎に分割された複数の分割ファイルと、分割ファイルの再生指示を行うためのプレイリストファイルとを作成することにより、動画データをHLS形式に変換するように構成されている。
【0052】
この際、
図5に示すように、動画データ(TSファイル)では、192byte毎にタイムスタンプが付されているため、動画再生アプリケーション36は、ダウンロードされた動画データのタイムスタンプを解析し、解析されたタイムスタンプに基づいて、複数の分割ファイルと、プレイリストファイルとを作成するように構成されている。
【0053】
また、動画再生アプリケーション36は、HLS形式に変換された動画データ(複数の分割ファイルおよびプレイリストファイル)を再生するように構成されている。具体的には、動画再生アプリケーション36は、プレイリストファイルに基づいて、再生すべき分割ファイルを指定することにより、HLS形式に変換された動画データを再生するように構成されている。
【0054】
(動画データのダウンロードに係る情報機器の制御部の構成)
ここで、第1実施形態では、制御部34(動画再生アプリケーション36)は、動画再生アプリケーション36がバックグラウンドで起動している状態で、動画データのダウンロードを行う場合には、動画データを複数に分割した複数の分割動画データ毎にダウンロード要求を行うように構成されている。
【0055】
具体的には、制御部34は、
図7に示すように、動画データのバイト範囲を指定して配信装置1にダウンロード要求を行うことにより、分割動画データのダウンロード要求を行うように構成されている。
【0056】
たとえば、1つの分割動画データとして50MB(メガバイト)のデータ量のデータを要求する場合には、制御部34は、まず、動画データの先頭から50MBまでのバイト範囲を指定して配信装置1にダウンロード要求を行う。これにより、1つ目の分割動画データとして、動画データの先頭から50MBまでのバイト範囲のデータがダウンロードされる。そして、制御部34は、次に、動画データの次の50MB(50MBから100MBまで)のバイト範囲を指定して配信装置1にダウンロード要求を行う。これにより、2つ目の分割動画データとして、動画データの次の50MB(50MBから100MBまで)のバイト範囲のデータがダウンロードされる。
【0057】
そして、制御部34は、動画データのダウンロードの完了まで、分割動画データのダウンロード要求を繰り返すように構成されている。
【0058】
また、第1実施形態では、制御部34は、分割動画データがダウンロードされる毎に、動画データ(ダウンロードされた分割動画データ)の形式を情報機器3において再生可能なHLS形式に変換する処理(以下、「HLS変換処理」という)を行うように構成されている。
【0059】
具体的には、制御部34は、1つ目の分割動画データがダウンロードされた場合には、ダウンロードされた1つ目の分割動画データに基づいて、複数の分割ファイルとプレイリストファイルとを作成するように構成されている。また、制御部34は、2つ目の分割動画データがダウンロードされた場合には、ダウンロードされた2つ目の分割動画データに基づいて、複数の分割ファイルを作成するとともに、1つ目の分割動画データに基づいて作成されたプレイリストファイルを更新(2つ目の分割動画データに基づくプレイリスト部分を追加)するように構成されている。
【0060】
そして、制御部34は、動画データのダウンロードの完了まで、ダウンロードされた分割動画データに基づく分割ファイルの作成と、プレイリストファイルの更新とを繰り返すように構成されている。
【0061】
また、制御部34は、動画再生アプリケーション36がバックグラウンドで起動している状態での動画データのダウンロード中に、動画再生アプリケーション36がフォアグラウンドに遷移された場合には、フォアグラウンドで動画データ(分割動画データ)のダウンロードを継続するように構成されている。この際、制御部34は、フォアグラウンドで動画データ(分割動画データ)のダウンロードを継続しながら、HLS形式に変換されたダウンロード済みの分割動画データを再生することが可能に構成されている。
【0062】
(動画分割ダウンロード処理)
次に、
図8を参照して、第1実施形態による動画分割ダウンロード処理をシーケンス図に基づいて説明する。動画分割ダウンロード処理では、OS35および動画再生アプリケーション36の動作は、制御部34により実行される。ここでは、1つの分割動画データとして50MBのデータ量のデータを要求する場合を例に説明する。
【0063】
図8に示すように、ステップS1において、動画再生アプリケーション36からOS35に、動画データ(TSファイル)の先頭から50MBのバイト範囲を指定してダウンロード要求が行われる。
【0064】
そして、ステップS2において、OS35から配信装置1に、動画データの先頭から50MBのバイト範囲を指定してダウンロード要求が行われる。この結果、配信装置1から動画データのうち先頭から50MBのデータ(1つ目の分割動画データ)のダウンロードが行われる。
【0065】
そして、ステップS3において、操作部33を用いたユーザ操作により、動画再生アプリケーション36が「Suspended」に遷移される。つまり、ステップS3では、動画再生アプリケーションがOS35によりフォアグラウンドからバックグラウンドに遷移される。
【0066】
その後、ステップS4において、配信装置1からOS35にダウンロード完了が通知される。
【0067】
そして、ステップS5において、OS35から動画再生アプリケーション36にダウンロード完了が通知される。
【0068】
そして、ステップS6において、動画再生アプリケーション36がOS35により「Suspended」から「Background」に遷移される。
【0069】
そして、ステップS7において、ダウンロードされた先頭から50MBのデータ(1つ目の分割動画データ)がHLS変換処理によりHLS形式に変換される。すなわち、ダウンロードされた1つ目の分割動画データ(TSファイル)に基づいて、複数の分割ファイルとプレイリストファイルとが作成される。
【0070】
そして、1つ目の分割動画データのHLS変換処理を完了すると、ステップS8において、動画再生アプリケーション36からOS35に、動画データの次の50MBのバイト範囲を指定してダウンロード要求が行われる。
【0071】
そして、ステップS9において、動画再生アプリケーション36がOS35により「Background」から「Suspended」に遷移される。
【0072】
そして、ステップS10において、OS35から配信装置1に、動画データの次の50MBのバイト範囲を指定してダウンロード要求が行われる。この結果、配信装置1から動画データのうち次の50MBのデータ(2つ目の分割動画データ)のダウンロードが行われる。
【0073】
その後、ステップS11において、配信装置1からOS35にダウンロード完了が通知される。
【0074】
そして、ステップS12において、OS35から動画再生アプリケーション36にダウンロード完了が通知される。
【0075】
そして、ステップS13において、動画再生アプリケーション36がOS35により「Suspended」から「Background」に遷移される。
【0076】
そして、ステップS14において、ダウンロードされた次の50MBのデータ(2つ目の分割動画データ)がHLS変換処理によりHLS形式に変換される。この際、ダウンロードされた2つ目の分割動画データ(TSファイル)に基づいて、複数の分割ファイルが作成されるとともに、1つ目の分割動画データに基づいて作成されたプレイリストファイルが更新される。
【0077】
そして、2つ目の分割動画データのHLS変換処理を完了すると、ステップS15において、動画再生アプリケーション36からOS35に、動画データの次の50MBのバイト範囲を指定してダウンロード要求が行われる。
【0078】
そして、ステップS16において、動画再生アプリケーション36がOS35により「Background」から「Suspended」に遷移される。
【0079】
そして、ステップS17において、OS35から配信装置1に、動画データの次の50MBのバイト範囲を指定してダウンロード要求が行われる。この結果、配信装置1から動画データのうち次の50MBのデータ(3つ目の分割動画データ)のダウンロードが行われる。
【0080】
その後、ステップS18において、配信装置1からOS35にダウンロード完了が通知される。
【0081】
そして、ステップS19において、OS35から動画再生アプリケーション36にダウンロード完了が通知される。
【0082】
そして、ステップS20において、動画再生アプリケーション36がOS35により「Suspended」から「Background」に遷移される。
【0083】
そして、ステップS21において、ダウンロードされた次の50MBのデータ(3つ目の分割動画データ)がHLS変換処理によりHLS形式に変換される。この際、ダウンロードされた3つ目の分割動画データ(TSファイル)に基づいて、複数の分割ファイルが作成されるとともに、1つ目の分割動画データに基づいて作成されたプレイリストファイルが更新される。
【0084】
その後、動画データのダウンロード完了まで、ステップS15〜S21の処理と同様の処理が繰り返される。
【0085】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0086】
第1実施形態では、上記のように、動画再生アプリケーション36がバックグラウンドで起動している状態で、動画データを複数に分割した複数の分割動画データ毎にダウンロード要求を行う制御部34を設ける。これにより、分割動画データ毎に動画データのダウンロードを完了させることができるので、ダウンロード済みの分割動画データを1つのデータとしてOS35に認識させることができる。その結果、途中までダウンロード済みの動画データを破棄するようにOS35が構成されている場合であって、動画データのダウンロードが中断された場合にも、ダウンロード済みの分割動画データについてはOS35により破棄されないようにすることができるので、ダウンロード済みの動画データ(分割動画データ)を使用可能にすることができる。また、ダウンロード要求に応じてダウンロードされた複数の分割動画データに対して、動画データを再生するための処理(HLS変換処理)を行うように制御部34を構成する。これにより、ダウンロード済みの分割動画データについて再生可能な状態にすることができる。これらの結果、情報機器3と配信装置1との間の通信エラーや配信装置1による動画データの配信停止などのダウンロードが中断するようなエラーが発生することや、ユーザが意図的にダウンロードを中断(停止)させることによって、動画データのダウンロードが中断された場合にも、ダウンロード済みの動画データ(分割動画データ)については再生可能な状態にすることができる。
【0087】
また、第1実施形態では、上記のように、動画データを再生するための処理は、動画データの形式を再生可能なHLS形式に変換する処理である。これにより、ダウンロード済みの動画データ(分割動画データ)について迅速に再生を行うことができる。
【0088】
また、第1実施形態では、上記のように、複数の分割動画データの各々がダウンロードされる毎に、動画データの形式を再生可能なHLS形式に変換する処理を行うように制御部34を構成する。これにより、動画データの形式を再生可能なHLS形式に変換する処理を、複数の分割動画データ毎に互いに異なるタイミングで行うことができるので、制御部34の処理負荷を分散させることができる。
【0089】
[第2実施形態]
次に、
図1、
図2、
図5、
図9および
図10を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、分割動画データがダウンロードされる毎に、シーク再生用テーブルを作成する処理を行う例について説明する。
【0090】
(配信システムの構成)
本発明の第2実施形態による配信システム200は、
図1に示すように、情報機器103を備える点で、上記第1実施形態の配信システム100と相違する。また、情報機器103は、
図2に示すように、制御部134および動画再生アプリケーション136を備える点で、上記第1実施形態の情報機器3と相違する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、動画再生アプリケーション136は、特許請求の範囲の「アプリケーション」の一例である。
【0091】
(動画データのダウンロードに係る情報機器の制御部の構成)
第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、分割動画データがダウンロードされる毎にHLS変換処理が行われない。第2実施形態では、情報機器103の制御部134(動画再生アプリケーション136)は、分割動画データがダウンロードされる毎に、HLS変換処理を行うことなく、ダウンロードされた分割動画データ同士を結合する処理を行うように構成されている。
【0092】
そして、制御部134は、動画データのダウンロードの完了まで、ダウンロードされた分割動画データ同士を結合する処理を繰り返すように構成されている。
【0093】
また、第2実施形態では、
図9に示すように、制御部134は、分割動画データがダウンロードされる毎に、動画データにおける再生位置を指定して再生するシーク再生のためのシーク再生用テーブルを作成する処理(以下、「シーク再生用テーブル作成処理」という)を行うように構成されている。なお、シーク再生用テーブルは、特許請求の範囲の「再生用データ」の一例である。
【0094】
具体的には、制御部134は、1つ目の分割動画データがダウンロードされた場合には、ダウンロードされた1つ目の分割動画データに基づいて、シーク再生用テーブルを作成するように構成されている。また、制御部134は、2つ目の分割動画データがダウンロードされた場合には、ダウンロードされた2つ目の分割動画データに基づいて、1つ目の分割動画データに基づいて作成されたシーク再生用テーブルを更新(2つ目の分割動画データに基づくテーブル部分を追加)するように構成されている。
【0095】
そして、制御部134は、動画データのダウンロードの完了まで、ダウンロードされた分割動画データに基づくシーク再生用テーブルの更新を繰り返すように構成されている。
【0096】
ここで、シーク再生用テーブルは、動画データにおける再生位置を指定して再生するシーク再生のためのデータであり、動画データの再生時間(秒)と動画データの容量値(byte)とを関連付けしたデータである。
図9では、シーク再生用テーブルは、1秒の時間間隔で動画データの再生時間(秒)と動画データの容量値(byte)とを関連付けしたデータを有している。
【0097】
また、制御部134は、動画データ(分割動画データ)のビットレート(byte/s)情報に基づいて、動画データのタイムスタンプ(
図5参照)を解析することにより、動画データの再生時間(秒)と動画データの容量値(byte)とを関連付けしたシーク再生用テーブルを作成するように構成されている。
【0098】
(動画データの再生に係る情報機器の制御部の構成)
第2実施形態では、上記のように、分割動画データがダウンロードされる毎にHLS変換処理が行われない。このため、第2実施形態では、制御部134は、動画データ(分割動画データ同士を結合した動画データ)を再生する際に、動画データをHLS形式に変換しながら再生するように構成されている。
【0099】
この際、制御部134は、再生位置が操作部33を用いてユーザにより指定された場合には、シーク再生用テーブルに基づいて、動画データにおける再生位置を特定するように構成されている。具体的には、制御部134は、操作部33を用いてユーザにより指定された再生位置(再生時間)を、この再生位置に対応する動画データの容量値に変換するとともに、変換された動画データの容量値に基づいて、動画データにおける再生位置を特定するように構成されている。また、制御部134は、再生位置が特定された場合には、特定された再生位置から、動画データをHLS形式に変換しながら、動画データを再生するように構成されている。
【0100】
(動画分割ダウンロード処理)
次に、
図10を参照して、第2実施形態による動画分割ダウンロード処理を説明する。なお、上記第1実施形態の動画分割ダウンロード処理と同一の処理については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0101】
図10に示すように、ステップS1〜S6において、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0102】
そして、ステップS7aにおいて、ダウンロードされた先頭から50MBのデータ(1つ目の分割動画データ)のシーク再生用テーブル作成処理が行われる。すなわち、ダウンロードされた1つ目の分割動画データ(TSファイル)のビットレート情報に基づいて、1つ目の分割動画データのタイムスタンプを解析することにより、1つ目の分割動画データの再生時間(秒)と動画データの容量値(byte)とを関連付けしたシーク再生用テーブルが作成される。
【0103】
そして、ステップS8〜S13において、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0104】
そして、ステップS14aにおいて、ダウンロードされた次の50MBのデータ(2つ目の分割動画データ)のシーク再生用テーブル作成処理が行われる。この際、ダウンロードされた2つ目の分割動画データ(TSファイル)に基づいて、1つ目の分割動画データに基づいて作成されたシーク再生用テーブルが更新される。
【0105】
また、ステップS14aでは、ダウンロードされた分割動画データ同士を結合する処理が行われる。すなわち、1つ目の分割動画データと、2つ目の分割動画データとを結合する処理が行われる。
【0106】
そして、ステップS15〜S20において、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0107】
そして、ステップS21aにおいて、ダウンロードされた次の50MBのデータ(3つ目の分割動画データ)のシーク再生用テーブル作成処理が行われる。この際、ダウンロードされた3つ目の分割動画データ(TSファイル)に基づいて、1つ目の分割動画データに基づいて作成されたシーク再生用テーブルが更新される。
【0108】
また、ステップS21aでは、ダウンロードされた分割動画データ同士を結合する処理が行われる。すなわち、1つ目の分割動画データと2つ目の分割動画データとを結合したデータと、3つ目の分割動画データとを結合する処理が行われる。
【0109】
その後、動画データのダウンロード完了まで、ステップS15〜S21aの処理と同様の処理が繰り返される。
【0110】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0111】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0112】
第2実施形態では、上記のように、動画再生アプリケーション136がバックグラウンドで起動している状態で、動画データを複数に分割した複数の分割動画データ毎にダウンロード要求を行う制御部134を設ける。これにより、分割動画データ毎に動画データのダウンロードを完了させることができるので、ダウンロード済みの分割動画データを1つのデータとしてOS35に認識させることができる。その結果、途中までダウンロード済みの動画データを破棄するようにOS35が構成されている場合であって、動画データのダウンロードが中断された場合にも、ダウンロード済みの分割動画データをOS35により破棄されないようにすることができるので、ダウンロード済みの動画データ(分割動画データ)を使用可能にすることができる。また、ダウンロード要求に応じてダウンロードされた複数の分割動画データに対して、動画データを再生するための処理(シーク再生用テーブル作成処理)を行うように制御部134を構成する。これにより、ダウンロード済みの分割動画データについて再生可能な状態にすることができる。これらの結果、動画データのダウンロードが中断された場合にも、ダウンロード済みの動画データ(分割動画データ)については再生可能な状態にすることができる。
【0113】
また、第2実施形態では、上記のように、動画データを再生するための処理は、動画データの再生時間と動画データの容量値とを関連付けたシーク再生用テーブルを作成する処理である。これにより、再生時に動画データの形式を再生可能な形式に変換しながら再生を行う場合であっても、シーク再生可能な状態にすることができる。
【0114】
また、第2実施形態では、上記のように、複数の分割動画データの各々がダウンロードされる毎に、シーク再生用テーブルを作成する処理を行うように制御部134を構成する。これにより、複数の分割動画データの各々についてのシーク再生用テーブルを作成する処理を互いに異なるタイミングで行うことができるので、制御部134の処理負荷を分散させることができる。
【0115】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0116】
[第3実施形態]
次に、
図1、
図2、
図11および
図12を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第2実施形態の構成に加えて、動画データの再生時間を補正する例について説明する。
【0117】
(配信システムの構成)
本発明の第3実施形態による配信システム300は、
図1に示すように、情報機器203を備える点で、上記第2実施形態の配信システム200と相違する。また、情報機器203は、
図2に示すように、制御部234および動画再生アプリケーション236を備える点で、上記第2実施形態の情報機器103と相違する。なお、上記第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、動画再生アプリケーション236は、特許請求の範囲の「アプリケーション」の一例である。
【0118】
(動画データの再生に係る情報機器の制御部の構成)
第3実施形態では、制御部234(動画再生アプリケーション236)は、動画データのダウンロードが完了する前にダウンロードが中断した場合には、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの再生時間を、未完成動画データの再生時間に対応するように補正するように構成されている。なお、未完成動画データは、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードが完了した分割動画データにより構成される動画データである。
【0119】
具体的には、制御部234は、未完成動画データを構成する各分割動画データに基づいて作成されたシーク再生用テーブルに基づいて、未完成動画データの再生時間を取得するように構成されている。また、制御部234は、取得された未完成動画データの再生時間に基づいて、未完成動画データの再生時間(総再生時間)を、元となる動画データの再生時間(総再生時間)から未完成動画データの再生時間(総再生時間)に補正するように構成されている。
【0120】
ここで、
図11を参照して、この補正について説明する。ここでは、元となる動画データの再生時間が4時間4秒(04h:00m:04s)であり、未完成動画データの再生時間が19分11秒(00h:19m:11s)である場合について説明する。つまり、元々4時間4秒の再生時間を有する動画データのうち、19分11秒までのデータが未完成動画データとして取得された場合について説明する。
【0121】
図11に示すように、再生時間が補正されない場合には、情報機器203の出力部30の表示部には、未完成動画データの再生時間として、元となる動画データの再生時間である4時間4秒(04h:00m:04s)が表示される。
【0122】
一方、再生時間が補正される場合には、情報機器203の出力部30の表示部には、未完成動画データの再生時間として、未完成動画データの再生時間である19分11秒(00h:19m:11s)が表示される。また、情報機器203の出力部30の表示部には、未完成動画データであることを示す情報として、「Incomplete」の文字列が動画データのタイトルに付加されて表示される。
【0123】
(動画分割ダウンロード処理)
次に、
図12を参照して、第3実施形態による動画分割ダウンロード処理をシーケンス図に基づいて説明する。動画分割ダウンロード処理では、OS35および動画再生アプリケーション236の動作は、制御部234により実行される。なお、上記第2実施形態の動画分割ダウンロード処理と同一の処理については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0124】
図12に示すように、ステップS1〜S17において、上記第2実施形態と同様の処理が行われる。
【0125】
そして、情報機器203と配信装置1との間の通信エラーや配信装置1による動画データの配信停止などのダウンロードが中断するようなエラーが発生した場合には、ステップS18bにおいて、配信装置1からOS35にエラーが通知される。
【0126】
そして、ステップS19bにおいて、OS35から動画再生アプリケーション236にエラーが通知される。
【0127】
そして、ステップS20bにおいて、動画再生アプリケーション236がOS35により「Suspended」から「Background」に遷移される。
【0128】
そして、ステップS21bにおいて、未完成動画データの再生時間の補正が行われる。すなわち、未完成動画データの再生時間(総再生時間)が、元となる動画データの再生時間(総再生時間)から未完成動画データの再生時間(総再生時間)に補正される。
【0129】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0130】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0131】
第3実施形態では、上記のように、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの再生時間を、未完成動画データの再生時間に対応するように補正するように制御部234を構成する。これにより、未完成動画データを再生する場合に、元となる動画データの再生時間ではなく、未完成動画データの再生時間をユーザに通知することができる。その結果、動画データのうちいずれの再生時間までのデータが未完成動画データとしてダウンロードされたかを、ユーザに正確に通知することができる。
【0132】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0133】
[第4実施形態]
次に、
図1、
図2、
図13および
図14を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第2実施形態の構成に加えて、未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされた場合に、リジューム動画データを削除する例について説明する。
【0134】
(配信システムの構成)
本発明の第4実施形態による配信システム400は、
図1に示すように、情報機器303を備える点で、上記第2実施形態の配信システム200と相違する。また、情報機器303は、
図2に示すように、制御部334、OS335および動画再生アプリケーション336を備える点で、上記第2実施形態の情報機器103と相違する。なお、上記第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、動画再生アプリケーション336は、特許請求の範囲の「アプリケーション」の一例である。
【0135】
(OSの構成)
第4実施形態では、OS335は、データのダウンロードが完了する前に(データのダウンロード中に)、無線通信が瞬断することによってダウンロードが中断して復帰した場合には、ダウンロードが中断する手前のデータからダウンロードを再開する(いわゆる、リジュームダウンロードを行う)ように構成されている。
【0136】
また、OS335は、リジュームダウンロードを行う場合には、ダウンロードが中断する手前から終端までのデータのダウンロード要求を行うように構成されている。これにより、リジュームダウンロードのデータとして、無線通信の瞬断手前から終端までのバイト範囲のデータがダウンロードされる。
【0137】
したがって、OS335は、
図13に示すように、動画データについてリジュームダウンロードを行う場合には、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分(重複データ部分)を含むリジューム動画データをダウンロードするように構成されている。なお、リジューム動画データは、特許請求の範囲の「重複動画データ」の一例である。また、未完成動画データは、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードが完了した分割動画データにより構成される動画データである。
【0138】
(動画データのダウンロードに係る情報機器の制御部の構成)
ここで、第4実施形態では、制御部334(動画再生アプリケーション336)は、リジューム動画データがOS335によりダウンロードされた場合には、ダウンロードされたリジューム動画データの全部を削除するように構成されている。
【0139】
具体的には、制御部334は、1つの分割動画データとして要求するデータ量(たとえば、50MB)以上のデータ量のデータがダウンロードされた場合には、ダウンロードされた動画データがリジューム動画データであると判断して、リジューム動画データを削除するように構成されている。これにより、制御部334は、動画データを再生する際には、未完成動画データのみをHLS形式に変換しながら再生するように構成されている。
【0140】
次に、
図14を参照して、第4実施形態による動画分割ダウンロード処理をシーケンス図に基づいて説明する。動画分割ダウンロード処理では、OS335および動画再生アプリケーション336の動作は、制御部334により実行される。ここでは、120MB(メガバイト)まで動画データがダウンロードされた場合に、無線通信が瞬断することによりダウンロードが中断して復帰する場合について説明する。なお、上記第2実施形態の動画分割ダウンロード処理と同一の処理については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0141】
図14に示すように、ステップS1〜S17において、上記第2実施形態と同様の処理が行われる。
【0142】
そして、120MBまで動画データがダウンロードされた場合に、無線通信が瞬断することによってダウンロードが中断して復帰した場合には、ステップS18cにおいて、OS335から配信装置1に、無線通信の瞬断手前(119MB)から終端(たとえば、1GB)までのバイト範囲を指定して動画データのダウンロード要求(リジュームダウンロード要求)が行われる。これにより、未完成動画データの119MB〜120MBと重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされる。
【0143】
そして、ステップS19cにおいて、配信装置1からOS335にダウンロード完了が通知される。
【0144】
そして、ステップS20cにおいて、OS335から動画再生アプリケーション336にダウンロード完了が通知される。
【0145】
そして、ステップS21cにおいて、動画再生アプリケーション336がOS335により「Suspended」から「Background」に遷移される。
【0146】
そして、ステップS22cにおいて、ダウンロードされた動画データがリジューム動画データであると判断される場合には、リジューム動画データの全部が削除される。
【0147】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0148】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0149】
第4実施形態では、上記のように、動画データのダウンロードを再開し、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされた場合には、リジューム動画データを削除するように制御部334を構成する。これにより、動画データを再生する場合に、未完成動画データとリジューム動画データとの重複するデータ部分に起因して誤動作が生じることを確実に抑制することができる。
【0150】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0151】
[第5実施形態]
次に、
図1、
図2、
図14および
図15を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、上記第4実施形態と異なり、未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされた場合に、重複するデータ部分を削除する例について説明する。
【0152】
(配信システムの構成)
本発明の第5実施形態による配信システム500は、
図1に示すように、情報機器403を備える点で、上記第4実施形態の配信システム400と相違する。また、情報機器403は、
図2に示すように、制御部434および動画再生アプリケーション436を備える点で、上記第4実施形態の情報機器303と相違する。なお、上記第4実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、動画再生アプリケーション436は、特許請求の範囲の「アプリケーション」の一例である。
【0153】
(動画データのダウンロードに係る情報機器の制御部の構成)
第5実施形態では、制御部434(動画再生アプリケーション436)は、
図15に示すように、リジューム動画データがOS335によりダウンロードされた場合には、ダウンロードされたリジューム動画データのうち重複するデータ部分(重複データ部分)を削除するように構成されている。
【0154】
また、制御部434は、動画データを再生する際に、未完成動画データ、および重複データ部分が削除されたリジューム動画データの両方をHLS形式に変換しながら再生するように構成されている。
【0155】
すなわち、第5実施形態では、
図14に示すステップS22cにおいて、リジューム動画データの全部が削除されるのではなく、リジューム動画データのうち重複データ部分が削除される。そして、重複データ部分が削除されたリジューム動画データは、未完成動画データと結合されない状態で記憶部32に保存される。
【0156】
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0157】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0158】
第5実施形態では、上記のように、動画データのダウンロードを再開し、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされた場合には、リジューム動画データの重複するデータ部分を削除するように制御部434を構成する。これにより、動画データを再生する場合に未完成動画データとリジューム動画データとの重複するデータ部分に起因して誤動作が生じることを抑制しながら、リジューム動画データの重複するデータ部分以外のデータ部分を再生可能な状態にすることができる。
【0159】
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第4実施形態と同様である。
【0160】
[第6実施形態]
次に、
図1、
図2、
図4、
図10および
図16を参照して、第6実施形態について説明する。この第6実施形態では、上記第2実施形態の構成に加えて、指定された再生位置以後の動画データについて、動画分割ダウンロード処理を行う例について説明する。
【0161】
(配信システムの構成)
本発明の第6実施形態による配信システム600は、
図1に示すように、情報機器503を備える点で、上記第2実施形態の配信システム200と相違する。また、情報機器503は、
図2に示すように、制御部534および動画再生アプリケーション536を備える点で、上記第2実施形態の情報機器103と相違する。なお、上記第2実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、動画再生アプリケーション536は、特許請求の範囲の「アプリケーション」の一例である。
【0162】
(動画データのダウンロードに係る情報機器の制御部の構成)
第6実施形態では、制御部534(動画再生アプリケーション536)は、指定された再生位置以後の動画データを、複数の分割動画データに分割した状態でダウンロードするとともに、ダウンロードされた複数の分割動画データに対して、シーク再生用テーブル作成処理を行うように構成されている。
【0163】
具体的には、制御部534は、
図16に示すように、動画配信再生機能(
図4参照)を使用した動画配信再生中に、「再生位置からダウンロード」ボタンが操作部33を用いてユーザにより選択された場合に、指定された再生位置以後の動画データについて、
図10に示す上記第2実施形態の動画分割ダウンロード処理と同様の処理を行うように構成されている。この場合、
図10におけるステップS1において、再生位置(現在の視聴中の再生時間)に対応する容量値(byte)を始点としてバイト範囲が指定され、配信装置1にダウンロード要求が行われる。これにより、指定された再生位置以後の動画データを、複数の分割動画データに分割した状態でダウンロードすることが可能である。
【0164】
なお、第6実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0165】
(第6実施形態の効果)
第6実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0166】
第6実施形態では、上記のように、指定された再生位置以後の動画データを、複数の分割動画データに分割した状態でダウンロードするとともに、ダウンロードされた複数の分割動画データに対して、動画データを再生するための処理を行うように制御部534を構成する。これにより、ユーザが所望する再生位置から動画データをダウンロードする場合にも、動画データを複数の分割動画データに分割した状態でダウンロードすることができる。
【0167】
なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0168】
[第7実施形態]
次に、
図1、
図2、
図4、
図17〜
図22を参照して、第7実施形態について説明する。この第7実施形態では、上記第1〜第6実施形態とは異なり、動画データの形式が変換されながら動画データがダウンロード(配信)される変換ダウンロードが行われる例について説明する。
【0169】
(配信システムの構成)
本発明の第7実施形態による配信システム700は、
図1に示すように、配信装置601と、情報機器603とを備える点で、上記第1実施形態の配信システム100と相違する。また、情報機器603は、
図2に示すように、制御部634と、OS635と、動画再生アプリケーション636とを備える点で、上記第1実施形態の情報機器3と相違する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0170】
(配信装置の構成)
配信装置601は、動画データを配信可能な装置である。具体的には、配信装置601は、デジタルテレビジョン放送を録画可能な録画装置であり、録画された放送番組や視聴中の放送番組を動画データとして配信可能に構成されている。録画装置としての配信装置601は、たとえば、DR(Direct Recording)録画形式(非圧縮形式)や、AVC(Advanced Video Coding)録画形式(圧縮形式)で、動画データを録画可能に構成されている。また、配信装置601は、DR録画形式の動画データを、AVC録画形式の動画データに変換した変換データを生成しながら、変換データ(つまり、AVC録画形式の動画データ)を配信可能に構成されている。
【0171】
図17に示すように、配信装置601は、通信部611と、記憶部612と、操作部613と、制御部614とを備えている。
【0172】
通信部611は、所定の規格(たとえば、IEEE802.11規格)に基づいて、無線通信が可能に構成されている。また、通信部611は、アクセスポイント2を介して、情報機器603と無線通信するように構成されている。
【0173】
記憶部612は、たとえばハードディスクなどの記録媒体を含み、データを記憶するように構成されている。記憶部612には、たとえば、放送番組が動画データとして記憶(録画)される。動画データの記憶の際、配信装置601の録画設定に応じて、DR録画形式の動画データや、AVC録画形式の動画データが記憶部612に記憶される。
【0174】
操作部613は、操作ボタンやリモコンなどを含み、ユーザの操作を受け付けるように構成されている。これにより、配信装置601は、ユーザの操作に応じた動作を行うように構成されている。ユーザは、たとえば、操作部613を用いて、配信装置601の録画設定を変更することができる。
【0175】
制御部614は、CPUを含み、配信装置601の全体の動作を制御するように構成されている。
【0176】
(情報機器の構成)
情報機器603の制御部634(動画再生アプリケーション636)は、動画データをダウンロードする場合に、ダウンロード要求を行うように構成されている。
【0177】
図18には、ダウンロード要求時に情報機器603から配信装置601に向けて送信されるダウンロード要求情報を示す。ダウンロード要求情報は、「URI」(1行目の文字列情報)と、「Host」(2行目の文字列情報)と、「Range bytes」(3行目の文字列情報)と、「Use」(4行目の文字列情報)とを含む情報である。
【0178】
「URI」は、記憶部612に記憶された動画データのうちダウンロードする動画データを指定するための情報である。また、「URI」は、録画形式を変換しながらダウンロード(変換ダウンロード)するか、または、録画形式を変換することなくダウンロード(無変換ダウンロード)するか、いずれのダウンロード方法によりデータをダウンロードするかを指定するための情報である。言い換えると、「URI」は、DR録画形式からAVC録画形式に動画データの録画形式を変換しながらダウンロードするか、AVC録画形式の動画データをそのままダウンロードするかを指定するための情報である。録画形式を変換しながらダウンロードする場合には、たとえば、
図18において破線により囲んだ文字列が「URI」に付加される。一方、録画形式を変換することなくダウンロードする場合には、
図18において破線により囲んだ文字列が「URI」に付加されない。
【0179】
「Host」は、配信元の機器(つまり、配信装置601)のIPアドレスを指定するための情報である。
【0180】
「Range bytes」は、ダウンロードするデータのバイト位置(バイト範囲)を指定するための情報である。
図18では、ダウンロード開始のバイト位置として0バイト(データの先頭)が指定されている。
【0181】
「Use」は、動画配信再生機能(
図4参照)か、または動画ダウンロード機能(
図4参照)のいずれの機能を用いるかを指定するための情報である。動画ダウンロード機能を用いることを指定する場合には、「Download」の文字列により指定する。動画配信再生機能を用いることを指定する場合には、「Play」の文字列により指定する。
図18では、「Download」の文字列により、動画ダウンロード機能を用いることが指定されている。
【0182】
第7実施形態では、OS635は、アプリケーションがバックグラウンドで起動している状態でのデータのダウンロード中に、データの転送レートが所定の転送レートよりも小さくなった場合には、ダウンロードを中断するように構成されている。ダウンロードを中断する場合、OS635は、途中までダウンロード済みのデータを破棄することなく保持するように構成されている。また、OS635は、所定の時間経過後(たとえば、十数分後)に、ダウンロード中断時のバイト位置(以下、「中断位置」ともいう)から、データのダウンロードを再開するように構成されている。
【0183】
OS635によりダウンロードが再開される際、制御部634(動画再生アプリケーション636)は、中断位置を指定して、ダウンロード要求を行うように構成されている。すなわち、制御部634(動画再生アプリケーション636)は、「Range bytes」によりダウンロード開始のバイト位置として中断位置を指定して、中断位置からのダウンロード要求を行うように構成されている。
【0184】
(動画データの配信に係る配信装置の制御部の構成)
ここで、第7実施形態では、配信装置601の制御部614は、動画データの形式を変換した変換データ(つまり、AVC録画形式の動画データ)を情報機器603に配信する場合に、情報機器からダウンロード要求(変換ダウンロード要求)を受信したことに基づいて、変換データを生成し、生成された変換データを記憶部612に保存して、変換データを情報機器603に配信するように構成されている。
【0185】
具体的には、制御部614は、変換データを生成しながら、生成が完了した変換データのデータ部分を順次記憶部612に保存するように構成されている。また、制御部614は、変換データを記憶部612に保存しながら、保存が完了した変換データのデータ部分を順次配信するように構成されている。具体的には、制御部614は、変換データを所定量(所定のデータ量)ずつ記憶部612に順次保存するとともに、変換データの所定量が保存される都度、保存された所定量の変換データを順次情報機器603に配信するように構成されている。
【0186】
また、第7実施形態では、制御部614は、変換データの配信中だけでなく、変換データの配信が完了する前に変換データの配信が中断した場合にも、変換データの生成および変換データの記憶部612への保存を行うように構成されている。すなわち、制御部614は、変換データの配信の中断中にも、変換データの生成および変換データの記憶部612への保存を継続するように構成されている。
【0187】
また、第7実施形態では、制御部614は、変換データの配信が完了した場合に、変換データの配信が完了したことに基づいて、記憶部612に保存された変換データを削除(破棄)するように構成されている。
【0188】
(変換ダウンロード処理)
次に、
図19を参照して、第7実施形態による変換ダウンロード処理をシーケンス図に基づいて説明する。変換ダウンロード処理では、OS635および動画再生アプリケーション636の動作は、制御部634により実行される。また、配信装置601の動作は、制御部614により実行される。
【0189】
図19に示すように、ステップS601において、動画再生アプリケーション636からOS635に、変換ダウンロード要求が行われる。すなわち、
図18に示す場合のように、ステップS601では、「URI」により変換ダウンロードが指定され、「Range bytes」によりダウンロード開始のバイト位置として0バイト(データの先頭)が指定され、「Use」により動画ダウンロード機能を用いることが指定されたダウンロード要求が行われる。
【0190】
そして、ステップS602において、OS635から配信装置601に、変換ダウンロード要求が行われる。これにより、情報機器603からのダウンロード要求(ダウンロード要求情報)が、配信装置601により受信される。
【0191】
また、ステップS603において、操作部33を用いたユーザ操作により、動画再生アプリケーション636が「Suspended」に遷移される。つまり、ステップS603では、動画再生アプリケーションがOS635によりフォアグラウンドからバックグラウンドに遷移される。
【0192】
そして、ステップS604において、変換データが配信装置601により生成される。すなわち、DR録画形式の動画データがAVC録画形式の動画データ(変換データ)に変換される。
【0193】
そして、ステップS605において、生成された変換データが配信装置601の記憶部612に保存される。
【0194】
そして、ステップS606において、記憶部612に保存された変換データが配信装置601から情報機器603に配信される。なお、ステップS604〜S606の処理は、変換データを配信している間、順次実行されている。すなわち、変換データが生成されながら、生成が完了した変換データのデータ部分が順次配信装置601に記憶部612に保存される。また、変換データが保存されながら、保存が完了した変換データのデータ部分が順次配信装置601から情報機器603に配信される。すなわち、変換データが所定量(所定のデータ量)ずつ記憶部612に順次保存されるとともに、変換データの所定量が保存される都度、保存された所定量の変換データが順次情報機器603に配信される。
【0195】
そして、変換データの配信中に、データ(変換データ)の転送レートが所定の転送レートよりも小さくなったとOS635により判断されると、ステップS607において、変換データのダウンロードがOS635により中断される。
【0196】
その後、所定の時間が経過したとOS635により判断されると、ステップS608において、ステップS607において中断された変換データのダウンロードが再開される。
【0197】
この結果、ステップS609において、OS635から配信装置601に、再び変換ダウンロード要求が行われる。すなわち、ステップS609では、「URI」により変換ダウンロードが指定され、「Range bytes」により中断位置(ダウンロード中断時のバイト位置)が指定され、「Use」により動画ダウンロード機能を用いることが指定されたダウンロード要求が行われる。
【0198】
そして、ステップS610において、変換データの配信が再開される。
【0199】
その後、ステップS611において、配信装置601からOS635にダウンロード完了が通知される。
【0200】
そして、ステップS612において、OS635から動画再生アプリケーション636にダウンロード完了が通知される。
【0201】
そして、ステップS613において、動画再生アプリケーション636がOS635により「Suspended」から「Background」に遷移される。
【0202】
そして、変換データを再生可能にするための処理(たとえば、HLS形式に変換する処理)が行われるとともに、ステップS614において、動画再生アプリケーション636がOS635により「Background」から「Suspended」に遷移される。
【0203】
また、ステップS615において、保存された変換データが配信装置601により削除される。
【0204】
(配信装置側処理)
次に、
図20を参照して、動画データのダウンロードに係る配信装置側処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、配信装置601の動作は、制御部614により実行される。
【0205】
図20に示すように、ステップS621において、情報機器603からのダウンロード要求の「Use」に基づいて、動画ダウンロード機能を用いることが指定されたか、または動画配信再生機能を用いることが指定されたかが判断される。「Use」において「Download」が指定されている場合には、動画ダウンロード機能を用いることが指定されたと判断されて、ステップS622に進む。また、「Use」において「Play」が指定されている場合には、動画配信再生機能を用いることが指定されたと判断されて、ステップS631に進む。
【0206】
そして、ステップS622において、情報機器603からのダウンロード要求の「URI」に基づいて、変換ダウンロードが指定されたか、または無変換ダウンロードが指定されたかが判断される。変換ダウンロードが指定されたと判断される場合には、ステップS623に進む。また、無変換ダウンロードが指定されたと判断される場合には、ステップS629に進む。
【0207】
そして、ステップS623において、情報機器603からのダウンロード要求の「Range bytes」に基づいて、先頭からのダウンロードであるか否かが判断される。「Range bytes」においてダウンロード開始のバイト位置として0バイトが指定されている場合には、先頭からのダウンロードであると判断されて、ステップS625に進む。また、「Range bytes」において中断位置が指定されている場合には、先頭からのダウンロードではない(中断位置からのダウンロードである)と判断されて、ステップS624に進む。
【0208】
ステップS624では、保存された変換データのシーク処理が行われる。すなわち、「Range bytes」により指定されたバイト位置(中断位置)に基づいて、保存された変換データにおけるバイト位置が指定される。そして、ステップS627に進む。
【0209】
そして、ステップS625において、変換データが生成される。
【0210】
そして、ステップS626において、生成された変換データが記憶部612に保存される。
【0211】
そして、ステップS627において、記憶部612に保存された変換データが配信装置601から情報機器603に配信される。ステップS624を経由していない場合には、変換データが先頭から配信される。ステップS624を経由している場合には、変換データが中断位置から配信される。つまり、中断位置から変換データの配信が再開される。
【0212】
なお、ステップS625およびS626の処理は、変換データを配信している間、順次実行されている。また、ステップS625およびS626の処理は、ダウンロード(配信)が中断している間にも順次実行されている。
【0213】
そして、ステップS628において、変換ダウンロード(変換データの配信)が完了したか否かが判断される。変換ダウンロードが完了していないと判断される場合には、ステップS627に進む。そして、変換データの配信が継続される。この際、変換データの生成および保存が完了していない場合には、変換データの生成および保存も継続される。また、変換ダウンロードが完了したと判断される場合には、ステップS629に進む。
【0214】
そして、ステップS629において、記憶部612に保存されている変換データが削除(破棄)される。その後、配信装置側処理が終了される。
【0215】
また、ステップS622において、無変換ダウンロードが指定されたと判断される場合には、ステップS630に進む。そして、ステップS630において、無変換データが配信装置601から情報機器603に配信される。すなわち、元々AVC録画形式で記憶部612に記憶されている動画データ(無変換データ)が、録画形式を変換することなく配信される。
【0216】
そして、ステップS631において、無変換ダウンロード(無変換データの配信)が完了したか否かが判断される。無変換ダウンロードが完了していないと判断される場合には、ステップS630に進む。そして、無変換データの配信を継続する。また、無変換ダウンロードが完了したと判断される場合には、配信装置側処理が終了される。
【0217】
また、ステップS621において、動画配信再生機能を用いることが指定されたと判断される場合には、ステップS632に進む。そして、ステップS632において、配信再生処理が行われる。これにより、情報機器603は、配信装置601から動画データをダウンロードしながら逐次再生する(いわゆる、ストリーミングする)ことが可能である。配信再生処理が終了すれば、配信装置側処理が終了される。
【0218】
(情報機器側処理)
次に、
図21を参照して、動画データの変換ダウンロードに係る情報機器側処理をフローチャートに基づいて説明する。なお、情報機器603の動作は、制御部634により実行される。
【0219】
図21に示すように、ステップS641において、変換ダウンロード要求が行われる。すなわち、ステップS641では、
図18に示す場合のように、「URI」により変換ダウンロードが指定され、「Range bytes」によりダウンロード開始のバイト位置として0バイトが指定され、「Use」により動画ダウンロード機能を用いることが指定されたダウンロード要求が行われる。
【0220】
そして、ステップS642において、変換ダウンロードが開始される。
【0221】
そして、ステップS643において、変換ダウンロードが完了したか否かが判断される。変換ダウンロードが完了したと判断される場合には、情報機器側処理が終了される。変換ダウンロードが完了していないと判断される場合には、ステップS644に進む。そして、
図22に示す変換ダウンロード中断判断処理が行われる。
【0222】
図22に示すように、変換ダウンロード中断判断処理では、まず、ステップS651において、変換ダウンロードが中断したか否かが判断される。変換ダウンロードが中断していないと判断される場合には、変換ダウンロード中断判断処理では何ら処理が行われることなく変換ダウンロード中断判断処理が終了されて、
図21に示すステップS643に進む。変換ダウンロードが中断したと判断される場合には、ステップS652に進む。
【0223】
そして、所定の時間が経過すると、ステップS652において、中断位置からの変換ダウンロード要求が行われる。すなわち、ステップS652では、「URI」により変換ダウンロードが指定され、「Range bytes」により中断位置(ダウンロード中断時のバイト位置)が指定され、「Use」により動画ダウンロード機能を用いることが指定されたダウンロード要求が行われる。
【0224】
そして、ステップS653において、シークが成功したか否かが判断される。すなわち、中断位置からの変換ダウンロード要求が成功したか否かが判断される。シークが成功していないと判断される場合には、ステップS652に進む。そして、再び中断位置からの変換ダウンロード要求が行われる。また、シークが成功したと判断される場合には、変換ダウンロード中断判断処理が終了されて、
図21に示すステップS643に進む。
【0225】
なお、第7実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0226】
(第7実施形態の効果)
第7実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0227】
第7実施形態では、上記のように、情報機器603からダウンロード要求を受信したことに基づいて、動画データの形式を変換した変換データを記憶部612に保存するとともに、変換データを情報機器603に配信するように制御部614を構成する。これにより、配信装置601において変換データが保存されるので、情報機器603は、保存された変換データのバイト位置を指定してダウンロードを行うことができる。その結果、情報機器603は、中断位置からダウンロードを再開することができるので、変換データを最初からダウンロードし直す必要がない。これにより、変換データを配信する場合であって、動画データ(変換データ)のダウンロード(配信)が中断する場合にも、ダウンロード済みの動画データを情報機器603において使用可能にすることができる。
【0228】
また、第7実施形態では、上記のように、変換データを記憶部612に保存しながら、変換データを順次情報機器603に配信するように制御部614を構成する。これにより、変換データの保存と略並行して、変換データを順次情報機器603に配信することができるので、変換データを迅速に配信することができる。
【0229】
また、第7実施形態では、上記のように、変換データの所定量が記憶部612に保存される都度、保存された所定量の変換データを順次前記情報機器603に配信するように制御部614を構成する。これにより、所定量の変換データの保存後、ただちに所定量の変換データが配信されるので、変換データをより迅速に配信することができる。
【0230】
また、第7実施形態では、上記のように、変換データの配信の中断中に、変換データの記憶部612への保存を継続するように制御部614を構成する。これにより、変換データの配信が中断している間に、未配信の変換データの生成および保存を行うことができる。その結果、ダウンロード(配信)が再開された場合に、保存が完了した変換データを迅速に配信することができる。
【0231】
また、第7実施形態では、上記のように、変換データの配信が完了したことに基づいて、記憶部612に保存された変換データを削除するように制御部614を構成する。これにより、変換データの配信が完了した場合に、配信済みの変換データにより配信装置601の記憶可能な容量が減少することを防止することができる。
【0232】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0233】
たとえば、上記第1〜第7実施形態では、本発明の様々な態様を示したが、本発明は各実施形態の態様に限られない。本発明は、各実施形態の一または複数の構成と他の実施形態の構成とを適宜組み合わせた態様をも含んでいる。
【0234】
また、上記第1〜第7実施形態では、配信装置として録画装置を用い、情報機器として携帯型の情報機器を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画データを配信可能な装置であれば、録画装置以外の装置(たとえば、サーバ装置など)を配信装置として用いてもよい。また、動画データをダウンロード可能な装置であれば、携帯型の情報機器以外の情報機器を用いてもよい。
【0235】
また、上記第1〜第6実施形態では、分割動画データのダウンロード要求を行う場合に、50MB(メガバイト)のデータ量のデータを要求した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、分割動画データのダウンロード要求を行う場合に、50MB以外のデータ量のデータを要求してもよい。
【0236】
また、上記第1〜第6実施形態では、分割動画データがダウンロードされる毎に、動画データを再生するための処理として、HLS形式変換処理か、またはシーク再生用テーブル作成処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、分割動画データがダウンロードされる毎に、動画データを再生するための処理を行わなくともよい。たとえば、幾つかの分割動画データが揃ったタイミングや、ダウンロードが中断したタイミングで、動画データを再生するための処理を行ってもよい。
【0237】
また、上記第1実施形態では、分割動画データのダウンロード完了後にHLS変換処理を行う例を示し、第2〜第6実施形態では、分割動画データのダウンロード完了後にシーク再生用テーブル作成処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画データを再生するための処理であれば、HLS変換処理またはシーク再生用テーブル作成処理以外の処理を行ってもよい。また、上記第3〜第6実施形態において、シーク再生用テーブル作成処理ではなくHLS変換処理を行ってもよい。
【0238】
また、上記第1実施形態では、ダウンロードされた動画データを情報機器において再生可能なHLS形式に変換する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報機器において再生可能な形式であれば、HLS形式以外の形式に変換してもよい。
【0239】
また、上記第2〜第6実施形態では、動画データにおける再生位置を指定して再生するシーク再生のためのデータとして、シーク再生用テーブルを作成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画データにおける再生位置を指定して再生するシーク再生のためのデータとして、シーク再生用テーブルを以外のデータを作成してもよい。
【0240】
また、上記第5実施形態では、動画データのダウンロードが完了する前に動画データのダウンロードが中断し、ダウンロードが中断する手前のデータからダウンロードを再開する場合であって、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされた場合には、リジューム動画データの重複するデータ部分を削除するように制御部を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画データのダウンロードが完了する前に動画データのダウンロードが中断し、ダウンロードが中断する手前のデータからダウンロードを再開する場合であって、動画データのうちダウンロードが中断するまでにダウンロードされた未完成動画データの一部と重複するデータ部分を含むリジューム動画データがダウンロードされた場合には、リジューム動画データの重複するデータ部分を含んだ状態で、重複するデータ部分以外のデータ部分を選択的に再生するように制御部を構成してもよい。
【0241】
すなわち、
図14に示すステップS22cにおいて、リジューム動画データの全部が削除されることなく、リジューム動画データが記憶部に保存される。そして、動画データを再生する際に、未完成動画データと、リジューム動画データの重複するデータ部分以外のデータ部分とが選択的に再生される。これによっても、動画データを再生する場合に未完成動画データとリジューム動画データとの重複するデータ部分に起因して誤動作が生じることを抑制しながら、リジューム動画データの重複するデータ部分以外のデータ部分を再生することができる。
【0242】
また、上記第7実施形態では、OSによりダウンロードが中断された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、通信エラーによりダウンロードが中断される場合にも適用可能である。
【0243】
また、上記第7実施形態では、配信装置が、変換データを保存しながら、保存が完了した変換データのデータ部分を順次配信した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、配信装置が、変換データの全部分の保存が完了してから、変換データを配信してもよい。
【0244】
また、上記第7実施形態では、配信装置が、変換データの配信が中断している間にも、変換データの生成および保存を行った例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくとも中断位置まで変換データが生成および保存されていれば、配信装置が、変換データの配信が中断している間に、変換データの生成および保存を行わなくともよい。
【0245】
また、上記第7実施形態では、配信装置が、変換データの配信が完了した場合に、保存された変換データを削除した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、配信装置が、保存された変換データを削除しなくともよい。この場合、保存された変換データを、無変換ダウンロード用の動画データとして利用してもよい。
【0246】
また、上記第7実施形態では、動画データが記憶されている記憶部に、動画データとともに変換データが保存された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画データが記憶(保存)される第1記憶部と、変換データが保存される第2記憶部とを含むように、記憶部を構成してもよい。