特許第6750250号(P6750250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6750250センサの取付構造、燃料電池システム及びセンサの取付構造の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6750250
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】センサの取付構造、燃料電池システム及びセンサの取付構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20200824BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20200824BHJP
   G01N 27/12 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
   G01N27/00 K
   H01M8/04 Z
   G01N27/12 B
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-35673(P2016-35673)
(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2017-151024(P2017-151024A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2019年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】荒川 孝一
(72)【発明者】
【氏名】大場 亜星
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−024767(JP,A)
【文献】 特開2015−117556(JP,A)
【文献】 特開2003−291666(JP,A)
【文献】 特開2014−179287(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01837631(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/24
G01D 11/24−11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付先部材の取付面にセンサが取り付けられているセンサの取付構造であって、
前記センサは、前記取付面に取り付けるための被取付部を一又は複数有し、
前記取付先部材の前記取付面には、前記被取付部が取り付けられる一又は複数の鉤型に形成された鉤型取付部が設けられ、
前記鉤型取付部は、前記取付面から凸設されている基部と、前記基部の先端から前記取付面に対向して延設されている先部と、前記被取付部が収容される収容凹部と、から構成されており、
前記基部の前記収容凹部の内壁面は、前記被取付部の一端が当接し、
前記先部の前記収容凹部の内壁面は、前記収容凹部の開口から底部に行くに従って前記取付面に接近するように傾斜しており、前記収容凹部に収容されている前記被取付部を前記取付面に押圧し、
前記取付面には、前記収容凹部の開口から所定距離だけ離れた位置に凸設され、前記被取付部の他端が当接する抜け止め防止部をさらに備え
前記センサは、本体部と、前記本体部の一端部および前記一端部と反対側にある他端部から外側に向けてそれぞれ延設され、かつ前記取付面と平行をなす板状に形成されている第一突出部および第二突出部と、を有し、
前記第一突出部および第二突出部は、前記被取付部であり、
前記センサの取付構造は、板状に形成されかつ前記第一突出部に係止されている前記鉤型取付部である第一鉤型取付部と、板状に形成されかつ前記第二突出部に係止されている前記鉤型取付部である第二鉤型取付部と、を有し、
前記第一鉤型取付部と前記第二鉤型取付部とは、前記本体部の前記一端部と前記他端部との間隔に等しい間隔だけ離間させて配置されているセンサの取付構造。
【請求項2】
前記抜け止め防止部の近傍には、前記取付先部材を厚み方向に貫通する細溝状の切り込みが設けられている請求項1に記載のセンサの取付構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセンサの取付構造を備え、燃料電池を筐体内に備えた燃料電池システム。
【請求項4】
板状の取付先部材の取付面にセンサが取り付けられているセンサの取付構造あって、
前記センサは、前記取付面に取り付けるための被取付部を一又は複数有し、
前記取付先部材の前記取付面には、前記被取付部が取り付けられる一又は複数の鉤型に形成された鉤型取付部が設けられ、
前記鉤型取付部は、前記取付面から立設されている基部と、前記基部の先端から前記取付面に対向して延設されている先部と、前記被取付部が収容される収容凹部と、から構成されており、
前記基部の前記収容凹部の内壁面は、前記被取付部の一端が当接し、
前記先部の前記収容凹部の内壁面は、前記収容凹部の開口から底部に行くに従って前記取付面に接近するように傾斜しており、前記収容凹部に収容されている前記被取付部を前記取付面に押圧し、
前記取付面には、前記収容凹部の開口から所定距離だけ離れた位置に凸設され、前記被取付部の他端が当接する抜け止め防止部をさらに備えているセンサの取付構造の製造方法であって、
前記鉤型取付部の前記基部及び前記先部は、板状の前記取付先部材のうち、前記基部及び前記先部を形成する部分を、前記取付面の法線方向に立設するように切り起こして形成され、
前記センサを前記取付先部材に取り付ける際に、前記取付先部材の前記収容凹部の開口から底部に向けた方向に沿って、前記センサの前記被取付部をスライド移動させ、前記被取付部を前記鉤型取付部に挿入して取り付けるセンサの取付構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの取付構造、この取付構造を備えた燃料電池システム及びセンサの取付構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1の図4等には、略直方形状のケース88(センサ本体部)を備えた水素センサ10を、車両側の被取付部材44(取付先部材)の凹部46に取り付ける構造が開示されている。具体的には、図示のとおり、水素センサ10は、本体部に設けられた一対のアーム部90(被取付部)を有しており、アーム部90には、その上下面を貫通するように形成されたネジ孔92が設けられている。ネジ孔92は、被取付部材44に設けられた貫通孔と連通されている。水素センサ10は、取付ボルト94を用いてネジ孔92及び被取付部材44を貫通させ、その貫通部分をナット95に螺合することで被取付部材44に取り付けられている。
このように、取付先部材にセンサを取り付ける場合に、ボルトやビス等の取付用部品を用いてセンサを固定する取付構造が一般的な構造として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−210139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ボルトやビス等用いて固定するセンサの取付構造によれば、取付先部材及びセンサ以外の取付用部品を別途に調達する必要があり、その部品自体の費用に加えて、取付作業を行う時間や労力面でも、コストが小さくないという問題がある。また、ボルトやビス等の接合部品を用いてセンサを取り付けるためには、ボルトやビス等の締結力を加減するという生産管理項目が生じるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、ボルトやビス等の別途の取付部品を用いずに、センサを取付先部材に取り付けるセンサの取付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のセンサの取付構造は、取付先部材の取付面にセンサが取り付けられているセンサの取付構造であって、センサは、取付面に取り付けるための被取付部を一又は複数有し、取付先部材の取付面には、被取付部が取り付けられる一又は複数の鉤型に形成された鉤型取付部が設けられ、鉤型取付部は、取付面から凸設されている基部と、基部の先端から取付面に対向して延設されている先部と、被取付部が収容される収容凹部と、から構成されており、基部の収容凹部の内壁面は、被取付部の一端が当接し、先部の収容凹部の内壁面は、収容凹部の開口から底部に行くに従って取付面に接近するように傾斜しており、収容凹部に収容されている被取付部を取付面に押圧し、取付面には、収容凹部の開口から所定距離だけ離れた位置に凸設され、被取付部の他端が当接する抜け止め防止部をさらに備え、センサは、本体部と、本体部の一端部および一端部と反対側にある他端部から外側に向けてそれぞれ延設され、かつ取付面と平行をなす板状に形成されている第一突出部および第二突出部と、を有し、第一突出部および第二突出部は、被取付部であり、センサの取付構造は、板状に形成されかつ第一突出部に係止されている鉤型取付部である第一鉤型取付部と、板状に形成されかつ第二突出部に係止されている鉤型取付部である第二鉤型取付部と、を有し、第一鉤型取付部と第二鉤型取付部とは、本体部の一端部と他端部との間隔に等しい間隔だけ離間させて配置されている
【発明の効果】
【0007】
本発明のセンサの取付構造によれば、センサは、取付面に取り付けるための被取付部を一又は複数有し、取付先部材の取付面には、被取付部が取り付けられる一又は複数の鉤型取付部が設けられている。
よって、センサを取付先部材に取り付ける際には、取付先部材の取付面に平行な所定方向であって、収容凹部の開口から底部に向けた方向(以下、第一方向とも記す)に沿って、センサ又は取付先部材を相対的にスライド移動させる作業により、センサを鉤型取付部に挿入して取り付けることができる。その際に、被取付部の他端が抜け止め防止部を乗り越えるまで、さらにスライド移動させる作業を行うことで、確実に鉤型取付部に対してセンサの被取付部の一端の位置決めをすることができる。
よって、センサの被取付部の一端側及び他端側は、それぞれ取付先部材に設けられた鉤型取付部の基部と抜け止め防止部とによって、第一方向に沿って移動することが規制される。
また、収容凹部に収容されている被取付部は、開口から底部に行くに従って取付面に接近するように傾斜する先部の収容凹部の内壁面によって取付面に押圧されている。
よって、取付面に対してセンサを、取付面の法線方向(以下、第二方向とも記す)に位置決めをすることができる。このように、ボルトやビス等の別途の取付部品を用いずに、センサを取付先部材に取り付けることができる。
従って、従来技術のようにボルト、ビス等の別途の締め付け部材を用いて作業を行うよりも、容易に取付先部材にセンサを取り付け、第一方向及び第二方向にセンサを固定することができる。また、良好な取付状態を維持しながら、必要に応じて容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の燃料電池システムの概要を模式的に示す図である。
図2】第一実施形態のセンサの取付構造ST1を示す正面図である。
図3】第一実施形態の取付板の正面図である。
図4図3のA−A線断面を示す図である。
図5】第一実施形態の取付板の部分斜視図である。
図6】センサの取付構造の製造方法を説明するための図である。
図7】第二実施形態のセンサの取付構造ST2を示す正面図である。
図8】第二実施形態の取付板の正面図である。
図9図8のB−B線断面を示す図である。
図10】第三実施形態のセンサの取付構造ST3を示す正面図である。
図11】第三実施形態の取付板の正面図である。
図12図11のC−C線断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
(燃料電池システム)
以下、本発明のセンサの取付構造の一例として、センサの取付構造を備えた燃料電池システムについて説明する。第一実施形態のセンサの取付構造は、燃料電池システムに用いることができる。本実施形態の燃料電池システムは、図1に示す燃料電池システム100であり、筐体110を有し、筐体110内には、図示しない載置板の上に燃料電池モジュール104が配置されている。
【0010】
燃料電池モジュール104は、複数の単セルを組み付けて形成された燃料電池104a、水素を主要成分とするアノードガスを生成させる改質器、及び燃焼用空間を形成する燃焼部等を収容する。燃料電池モジュール104は、これら燃料電池104a等の各装置を断熱性断熱壁で外側から包囲するように覆い、略直方体状の電池用筐体10内に収容した状態で、載置板の上に載置されている。
【0011】
燃料電池モジュール104の正面に臨む電池用筐体10には、図1において上辺近傍の中央部に、2つのガスセンサ20R,20Lが取り付けられている。ガスセンサ20R,20Lは、やや長尺な直方形状の取付板15を介して電池用筐体10に取り付けられている。ガスセンサ20R,20Lは、燃料電池モジュール104内部の燃料電池104aで使用または発生するガスを検知するためのセンサである。具体的には、ガスセンサ20R,20Lの検知対象は、アノードガス改質用の燃料ガス原料、改質反応で発生した水素、一酸化炭素等である。ガスセンサ20R,20Lは、燃料電池で使用又は発生するガスの全体を検知する方式、複数のガスをそれぞれ個別に検知する複数のセンサ部を備える方式等の種々の方式を有するものを用いることができる。
【0012】
(センサの取付構造)
次に、本発明のセンサの取付構造の第一実施形態について、図2〜6を参照して説明する。図2〜6に示すセンサ20R,20Lの取付先部材である取付板15は、図1に示した燃料電池モジュール104を収容する電池用筐体10に取り付けられている。なお、取付板15は、電池用筐体10と一体でもよく、別体でもよい。第一実施形態のセンサの取付構造ST1は、図2に示すように、取付先部材である取付板15の取付面16に鉤状に形成された4カ所の鉤型取付部11,12,13,14に、2つのセンサ20R,20Lの被取付部(後述する第一及び第二の各突出部21,22,23,24)がそれぞれ係止されて取り付けられる構成を有している。
【0013】
以下、図2において図面中の右側に取り付けられているセンサを右側センサ20R、左側に取り付けられているセンサを左側センサ20Lとも記す。また、センサの取付構造ST1の説明において、取付板15の取付面16に平行な所定方向であって、後述する収容凹部の開口から底部に向けた方向を第一方向Xと、取付面16の法線方向を第二方向Yと、第一方向に直交する方向を第三方向Zと定める。図2において、第一方向Xは上下方向に、第二方向Yは前後方向に、第三方向Zは左右方向に対応する。以下、上記各方向の呼称を適宜に用いて説明を行う。
【0014】
(センサ)
各センサ20R,20Lは、それぞれ略直方体状の本体部25R、25Lと、取付面16に各センサ20R,20Lを取り付けるための被取付部とを有している。右側センサ20Rは、被取付部として第一突出部21及び第二突出部22を有し、左側センサ20Lは、被取付部として第一突出部23及び第二突出部24を有している。同一形状の2つの各センサ20R,20Lが、取付板15に取り付けられている。右側センサ20Rは、取付面16に設けられた一対の鉤型取付部11,12の間に本体部25Rを介装させて取り付けられ、左側センサ20Lは、取付面16に設けられた一対の鉤型取付部13,14の間に本体部25Lを介装させて取り付けられている。
【0015】
本体部25R,25Lは、正面に略長方形の開口部を有し、背面及び四方の側面を薄肉の壁部で覆う直方体のケース状に形成されている。各本体部25R,25Lの開口部は、第一方向Xに沿って長辺をなす長方形をなしている。ケース正面の収容凹部には、ガス検知部材及び配線部材等が収容されている。
【0016】
(被取付部(突出部))
第一及び第二の各突出部21〜24は、正面視で長方形をなす各本体部25R,25Lの右側及び左側の各長辺(右左の側面)において、一端縁部25R1,25L1及び他端縁部25R2,25L2を基端に右側及び左側に突出形成されている。第一及び第二の各突出部21〜24は、それぞれ角部が丸みを帯びた方形板状をなしており、各突出部21〜24の裏面が各本体部25R,25Lの背面に一面状に形成されている。よって、各本体部25R,25Lの背面及び各突出部21〜24の裏面が、平面状の取付面16に沿って平行に当接可能に形成されている。
【0017】
第一突出部21,23は、各本体部25R,25Lにおいて、長方形状の長手方向中央よりやや上方に配置する一端縁部25R1,25L1を基端に右側に突出形成されている。第二突出部22,24は、各本体部25R,25Lにおいて、長手方向ほぼ中央に配置する他端縁部25R2,25L2を基端に左側に突出形成されている。よって、第一突出部21,23と第二突出部22,24とは、一端縁部25R1,25L1と他端縁部25R2,25L2との長手方向に沿った位置ずれに対応して、上下方向にずれた位置から右側及び左側に突出形成されている。
【0018】
このように、各センサ20R,20Lは、第一及び第二の各鉤型取付部11,12間に、又は第三及び第四の各鉤型取付部13,14間に、各本体部25R,25Lを介装した状態で、取付面16上に各本体部25R,25Lの背面及び第一及び第二の各突出部21〜24の裏面を当接させて取り付けられている。また、各センサ20R,20Lは、本体部25R,25L同士を第三方向Zに沿って離間させて連ならせるとともに、右側センサ20Rの第二突出部22と左側センサ20Lの第一突出部23とを、第三方向Zに沿って重なり合い、かつ、第一方向Xに下側と上側に連なるように当接させて配置されている。第一及び第二の各突出部21〜24は、第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14の各収容凹部11c〜14cに収容された状態で係止されており、センサ20R,20Lは、上記の配置状態で取付板15の取付面16に取り付けられている。
【0019】
(取付先部材(取付板))
図3等に示す取付板15は、上記したとおり、燃料電池モジュール104を収容する電池用筐体10の一部分であり、平坦なパネル板状に形成されている。取付板15の表面である取付面16には、上記の各センサ20R,20Lの第一及び第二の各突出部21〜24がそれぞれ係止される合計4つの鉤型取付部11〜14と、鉤型取付部の収容凹部から第一方向Xに沿って所定距離だけ離れた位置に凸設された抜け止め防止部17と、抜け止め防止部17の近傍に形成された切り込み18と、が設けられている。
【0020】
(鉤型取付部)
合計4つの鉤型取付部11,12,13,14は、それぞれ同一の鉤型形状であって、図4等に示すように、第三方向Zから見た形状が、第一方向Xに沿って上方に開口する鉤型に形成されている。各鉤型取付部11〜14は、取付板15と同様の板状をなし、第一方向X及び第三方向Zに沿って取付面16上のそれぞれの所定位置に配置され、取付面16から第二方向Yに前側に突出するように設けられている。第三方向Zの右側に配置する一対の鉤型取付部11,12は、センサ20Rを係止する取付部分であり、最も右側の鉤型取付部は第一鉤型取付部11として第一突出部21を係止し、もう一方の鉤型取付部は第二鉤型取付部12として第二突出部22を係止すべく設けられている。同様に、取付面16の左側のもう一対の鉤型取付部13,14は、センサ20Lを係止する取付部分であり、右側の第三鉤型取付部13は第一突出部23を係止し、もう一方の第四鉤型取付部14は第二突出部24を係止すべく設けられている。このために、第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14は、以下に説明する構成を有している。
【0021】
第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14は、取付板15を形成する板状の金属材料をプレス加工して成形されている。具体的には、図3等に示すように、取付板15の取付面16に接続する各鉤型取付部11〜14の第一方向Xに沿ったつけ根縁部111〜114を残して、鉤型取付部の略相似大形状を打ち抜く。さらに、残余の鉤型取付部形成予定部11*〜14*(図3参照)をつけ根縁部111〜114から第二方向Yに前側に切り起こす。このようにして、第三方向Zから見た形状が第一方向Xに上方に開口する鉤型取付部11〜14が形成されている。より具体的には、第一及び第三の各鉤型取付部11,13は、第一方向Xに沿って所定長を有するつけ根縁部111,113に対して、第三方向Zに左側の取付板15を打ち抜き、取付面16と同一面内に接続する鉤型取付部形成予定部11*,13*を右側に切り起こす(折り返す)ことで、第二方向Yに沿って突出する突片状に形成されている。第一及び第三の各鉤型取付部11,13の左側方には、取付板15を打ち抜いた開口部121,123が残される。同様に、第二及び第四の鉤型取付部12,14は、つけ根縁部112,114に対して、第三方向Zに右側の取付板15を打ち抜き、反対側に切り起こす(折り返す)ことで形成されている。第二及び第四の各鉤型取付部12,14の第三方向Z右側には、取付板15を打ち抜いた開口部122,124が残されている。以下、仮に、各開口部121〜124が存在しないとした場合に、取付面16との同一面上に配置する面を取付基準面16*として説明する。
【0022】
第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14は、図4等に示すように、取付面16から第二方向Yに沿って突出する基部11a,12a,13a,14aと、基部の先端から取付面16に対向して延設される先部11b,12b,13b,14bと、各センサ20R,20Lの第一突出部及び第二突出部21〜24が収容される収容凹部11c,12c,13c,14cとを有する。
【0023】
(基部)
基部11a〜14aは、取付面16に接続するつけ根縁部111〜114を介し、つけ根縁部111〜114から第二方向Yに沿って立設されている部分であり、第三方向Zから見た形状が略方形の突片部をなす。基部11a,13aの左側に開口部121,123が形成され、基部12a,14aの右側に開口部122,124が形成されている。
【0024】
(先部)
各先部11b〜14bは、取付面16又は取付基準面16*に離間して取付面16又は取付基準面16*に対向するように設けられ、各先部11b〜14bの先端側から基部11a〜14a側に向けて取付面16又は取付基準面16*との離間間隔が小さくなる傾斜状に形成されている。よって、各先部11b〜14bを第三方向Zから見た形状は、基部11a〜14aの前端側に載置する略直角三角形の突片部をなす。
【0025】
(収容凹部)
図4図6に示すように、収容凹部11c〜14cは、取付面16又は取付基準面16*と、各先部11b〜14bとの第二方向Yに沿った対向領域として形成されている。収容凹部11c〜14cは、取付面16又は取付基準面16*と、取付面16又は取付基準面16*に離間して各基部11a〜14aの前端(先端)から延設される各先部11b〜14bと、取付面16と各先部11b〜14bとを連結する各基部11a〜14aと、を有する。
【0026】
各収容凹部11c〜14cにおいて各基部11a〜14aをなす収容凹部11c〜14cの内壁面である収容凹部内壁面131〜134は、第一突出部及び第二突出部21〜24それぞれの下端縁21d〜24dが当接する面である(図4等参照)。よって、センサ20R,20Lの形状に対応して、第二鉤型取付部12,14の基部の収容凹部内壁面132,134の第一方向Xに沿った位置は、第一鉤型取付部11,13の基部の収容凹部内壁面131,133よりも下方にずれて配置されている。第二鉤型取付部12,14の基部の収容凹部内壁面132,134は、第一鉤型取付部11,13の基部の収容凹部内壁面131,133よりも、センサ20R,20Lの本体部25R,25Lの一端縁部25R1,25L1と他端縁部25R2,25L2との第一方向Xに沿った位置ずれ間隔に等しくずらして形成されている。第三鉤型取付部13の基部13aの収容凹部内壁面133の第一方向Xに沿った位置は、第二鉤型取付部12の基部12aの収容凹部内壁面132よりも上方にずれて配置されており、センサ20Rの第二突出部22の第一方向Xの幅に等しくずらして形成されている。
【0027】
よって、センサ20Rの第二突出部22の上端縁22uにセンサ20Lの第一突出部23の下端縁23dを当接させながら、センサ20R及びセンサ20Lの第一突出部及び第二突出部21〜24を第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14に係止可能になる。第一突出部及び第二突出部21〜24は、各下端縁21d〜24dが各基部の収容凹部内壁面131〜134に当接することで各鉤型取付部11〜14に係止され、各基部の収容凹部内壁面131〜134が第一方向Xに沿ってセンサ20R,20Lの取付配置を決定する位置決め部となる。
【0028】
また、各収容凹部11c〜14cにおける第二方向Yに沿った間隔は、取付面16(又は取付基準面16*)と、先部11b〜14bの収容凹部内壁面141〜144との第二方向Yに沿った間隔で表される。先部11b〜14bの収容凹部内壁面141〜144は、先部11b〜14bの収容凹部11c〜14cの内壁面である。先部11b〜14bの各収容凹部内壁面141〜144は、各収容凹部11c〜14cの開口部から底部に行くのに従って、第二方向Yに沿った間隔が小さくなる傾斜状に形成されている。よって、各収容凹部11c〜14cにおける第二方向Yに沿った間隔は、開口部において最も大きく、底部に向けて奥方に行くに従って徐々に小さくなり、各先部11b〜14bの収容凹部内壁面141〜144が各基部の収容凹部内壁面131〜134から斜めに立ち上がる底部において、最も小さい間隔fになる。最小間隔fは、第一及び第二の各突出部21〜24の厚みTに対応して形成されており、取付面16と収容凹部11c〜14c底部側の各先部11b〜14bの収容凹部内壁面141〜144とで各下端縁21d〜24dを挟持可能に形成されている。よって、センサ20R,20Lの第二方向Yに沿った取付配置を、本体部25R,25Lの背面と取付面16とが当接する位置に固定することができる。
【0029】
また、各鉤型取付部11〜14の基部11a〜14aにおけるつけ根縁部111〜114は、本体部25R,25Lの第三方向の幅Wに対応した間隔を置いて(図2参照)、第三方向Zに沿って取付面16上にそれぞれ配置されている。具体的には、第一及び第三の各鉤型取付部11,13と第二及び第四の鉤型取付部12,14との、第三方向Zに沿って互いに相手の側を向く内端面11in,13inと内端面12in,14in間の間隔D(図3参照)は、本体部25R、25Lの幅Wに等しい。また、第二鉤型取付部12の外端面12outと第三鉤型取付部13の外端面13out間の第三方向Zの間隔Gは、センサ20Rの第二突出部22及びセンサ20Lの第一突出部23の第三方向Zへの突出長よりもやや大きく形成されている。
【0030】
よって、本体部25Rを、第一及び第二の各鉤型取付部11,12間に、第一方向Xに沿って挿入することで、センサ20Rを第三方向Zに沿って位置決めして取り付けることができる。次に、本体部25Lを、第三及び第四の各鉤型取付部13,14間に、第一方向Xに沿って挿入することで、センサ20Lを第三方向Zに沿って位置決めして取り付けることができる。この際、センサ20Lの第一突出部23の下端縁23dがセンサ20Rの第二突出部22の上端縁22u上に当接するように、センサ20Lを第一方向X及び第三方向Zに沿って位置決めして取り付けることができる。
【0031】
(抜け止め防止部)
抜け止め防止部17は、エンボス状に第二方向Yに沿って前端側に凸設され、第三方向Zに沿って第二鉤型取付部12と第三鉤型取付部13との間に配置して形成されている。また、抜け止め防止部17は、第三鉤型取付部13の収容凹部13cの開口を臨む基部13aの収容凹部内壁面133から、第一突出部23の第一方向Xに沿った幅分だけ同方向に離間した位置に配置されている。これにより、第一突出部23の下端縁23dを基部13aの収容凹部内壁面133に当接させるとともに、上端縁23uを抜け止め防止部17の取付面16からの立ち上がり面17a(図4参照)に当接させる。よって、第一突出部23が第一方向Xに沿って移動するのを規制し、鉤型取付部13の開口部から反対側に抜け出すのを防止する。また、第一突出部23の下端縁23dは、第二鉤型取付部12の収容凹部12cの基部の収容凹部内壁面132に係止する第二突出部22の上端縁22uに当接している。この構成により、センサ20R,20Lの双方が第一方向Xに沿って移動することを規制できる。
【0032】
(切り込み)
また、図2に示すように、上記のエンボス状の抜け止め防止部17の近傍であって、抜け止め防止部17から左右両方向に離間した取付面16には、取付板15の裏面側に貫通する第一方向Xに沿った直線細溝状の2本の切り込み18が形成されている。よって、センサ20R,20L取り付ける際に、抜け止め防止部17が、第二突出部22,第一突出部23の裏面で圧接されることによって、取付面16に対して容易に押し込まれるため、センサ20R,20Lをスムーズにスライド移動させることができる。
【0033】
(センサの取付構造の製造方法)
次に、第一実施形態のセンサの取付構造ST1の製造方法について説明する。上述した各鉤型取付部11〜14が形成された取付板15の取付面16に、センサ20R,20Lを取り付けるには、以下のように行う。まず、右側センサ20Rを、第一及び第二の各鉤型取付部11,12の開口側から底部に向けて、第一方向Xに沿って取付面16上をスライド移動させる。その際、本体部25Rを鉤型取付部11,12の内端面11in,12inにあてがいながらスライドさせる。内端面11in,12in間の第三方向Zの間隔Dが本体部25Rの第三方向の幅Wに等しいので、センサ20Rの第三方向Zに位置決めしながらスライド移動できる。
【0034】
また、この際に、センサ20Rの第一突出部21及び第二突出部22は、各鉤型取付部11,12の各つけ根縁部111,112よりも第三方向Zに沿って本体部25Rより左右方向外側に突出して配置されている。よって、第二突出部22の裏面によって抜け止め防止部17を取付板15の裏面側に押し込みながらスライド移動させる。抜け止め防止部17の近傍には、切り込み18が設けられており、抜け止め防止部17を裏面側に容易に押し込み可能になっており、センサ20Rをスライド移動させる操作性が良くなっている。第二突出部22の上端縁22uが抜け止め防止部17を乗り越えるように、センサ20Rを第一方向Xにスライド移動させる。
【0035】
そして、第一突出部21を第一鉤型取付部11に、及び第二突出部22を第二鉤型取付部12に係止させる。第一及び第二の各突出部21,22の下端縁21d、22dを、各収容凹部11c、12cの開口縁にあてがい、各突出部21,22を各収容凹部11c、12cの底部に向けて挿入する。各先部11b,12bの収容凹部内壁面141,142の斜面上を各突出部21,22の各下端縁21d,22dで摺るように、第一及び第二の各突出部21,22を、第一方向Xに沿って各収容凹部11c,12cの奥方に押し込む。先部11b,12bの収容凹部内壁面141,142は、収容凹部11c,12cの底部に近づくに従って、取付面16又は取付基準面16*との離間距離が小さくなっており、第一及び第二の各突出部の下端縁21d、22dは、第二方向Yに沿って前側から後側に、すなわち取付面16又は取付基準面16*側に引寄せられる。各下端縁21d,22dが基部11a,12aの収容凹部内壁面131,132近傍まで到達するとともに、先部11b,12bの収容凹部内壁面141,142によって取付面16側に押圧される。このようにして、センサ20Rを、第一及び第二の各突出部21,22を介して、第一方向X及び第二方向Yに沿って位置決めされた場所に取り付ける。
【0036】
さらに、左側センサ20Lを、右側センサ20Rと同様に第一方向Xにスライド移動させて取り付ける。まず、本体部25Lを鉤型取付部13,14の内端面13in,14inにあてがいながらスライドさせ、センサ20Lの第三方向Zの配置を位置決めする。
【0037】
この際に、第一突出部23の裏面によって抜け止め防止部17を取付板15の裏面側に押し込みながら、第一突出部23が抜け止め防止部17を乗り越えるまで、センサ20Lを第一方向Xにスライド移動させる。第一突出部23が抜け止め防止部17を乗り越える位置では、第一突出部23の上端縁23uが抜け止め防止部17に係止し、第一突出部23の下端縁23dがセンサ20Rの第二突出部22の上端縁22uに当接し、センサ20R及びセンサ20Lの第一方向Xに沿った移動が規制される。
【0038】
さらに、第一突出部23を第三鉤型取付部13に、及び第二突出部24を第四鉤型取付部14に係止させる。センサ20Rと同様に、各先部13b、14bの収容凹部内壁面143,144の斜面上を、第一及び第二の各突出部23,24で摺りながら、第一方向Xに押し込んで、各下端縁23d,24dを基部13a,14aの収容凹部内壁面133,134まで到達させる。センサ20Rと同様に、センサ20Lは、第一及び第二の各突出部23,24を介して、第一方向X及び第二方向Yに沿って位置決めされた場所に取り付けられる。
【0039】
(第一実施形態の作用効果)
以上詳述したとおり、上記の第一実施形態によれば、取付板15(取付先部材)の取付面16にセンサ20R,20Lが取り付けられているセンサの取付構造ST1であって、センサ20Rは、取付面16に取り付けるための被取付部である第一突出部21及び第二突出部22を有し、センサ20Lは、同様の第一突出部23及び第二突出部24を有し、取付板15の取付面16には、第一及び第二の各突出部21〜24が取り付けられる4つの鉤型に形成された第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14が設けられ、第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14は、取付面16から凸設されている基部11a〜14aと、基部11a〜14aの先端から取付面16に対向して延設されている先部11b〜14bと、突出部21〜24が収容される収容凹部11c〜14cと、から構成されており、各基部11a〜14aの収容凹部内壁面131〜134は、第一及び第二の各突出部21〜24の下端縁(一端)21d〜24dが当接し、各先部11b〜14bの収容凹部内壁面141〜144は、各収容凹部11c〜14cの開口から底部に行くに従って取付面16に接近するように傾斜しており、各収容凹部11c〜14cに収容されている第一及び第二の各突出部21〜24を取付面16に押圧し、取付面16には、収容凹部13cの開口から所定距離だけ離れた位置に凸設され、第一突出部23の上端縁(他端)23uが当接する抜け止め防止部17をさらに備えている。
【0040】
よって、センサ20Rを取付板15に取り付ける際には、取付板15の取付面16に平行な所定方向であって、収容凹部11c、12cの開口から底部に向けた第一方向Xに沿って、センサ20Rをスライド移動させる。この操作により、センサ20Rの各突出部21,22を各鉤型取付部11,12の収容凹部11c,12cに挿入する。各基部11a,12aの収容凹部内壁面131,132に各突出部の下端縁(一端)21d,22dを当接させ、各鉤型取付部11,12に突出部21,22を係止させることができる。次に、センサ20Lを取付板15に取り付ける際にも、同様に、センサ20Lをスライド移動させる操作により、各基部13a,14aの収容凹部内壁面133,134に各突出部の下端縁(一端)23d,24dを当接させ、各鉤型取付部13,14に各突出部23,24を係止させることができる。
【0041】
また、取付面16には、収容凹部13cの開口から所定距離だけ離れた位置に凸設され、第一突出部23の上端縁(他端)23uが当接する抜け止め防止部17が設けられている。よって、まず、センサ20Rをスライド移動させる際には、抜け止め防止部17を第二突出部22の裏面で圧接し、第二突出部22の上端縁22uが抜け止め防止部17を乗り越えるように、スライド移動させる作業を行う。次に、センサ20Lをスライド移動させる際には、第一突出部23の上端縁23uが抜け止め防止部17を乗り越えて当接するまで、スライド移動させる作業を行う。これにより、各突出部21〜24を各鉤型取付部11〜14に係止して配置した状態を維持して、確実にセンサ20R,20Lを取付板15に取り付けることができる。
【0042】
このように取付板15にセンサ20R,20Lが取り付けられた状態では、センサ20Lの第一突出部23の下端縁23dは、第三鉤型取付部13の基部の収容凹部内壁面133に当接しており、第一突出部23の上端縁23uは、抜け止め防止部17に当接している。また、センサ20Rの第二突出部22の下端縁22dは、第二鉤型取付部12の基部の収容凹部内壁面132に当接している。第二突出部22の上端縁22uは、センサ20Lの第一突出部23の下端縁23dに当接しており、その第一突出部23を介して、間接的に、抜け止め防止部17に係止されている。よって、第二突出部22及び第一突出部23は、第一方向Xに沿って移動することが規制され、センサ20R,20Lを取付板15に取り付けた配置状態が確実に維持されている。
【0043】
また、取付板15にセンサ20R,20Lが取り付けられた状態では、各収容凹部11c〜14cに収容されている各突出部21〜24は、開口から底部に行くに従って取付面16に接近するように傾斜する各先部11b〜14bの収容凹部内壁面141〜144によって取付面16に押圧されている。よって各突出部22〜24は、第二方向Yに沿って移動することが規制されている。センサ20R,20Lを取付板15に取り付けた配置状態が確実に維持されている。
【0044】
従って、従来技術のようにボルト、ビス等の別途の取付部品を用いて作業を行うよりも、容易に取付板15にセンサ20R,20Lを取り付け、第一方向X及び第二方向Yにセンサ20R,20Lを固定することができる。また、良好な取付状態を維持しながら、必要に応じて容易に取り外すことができる。さらに、先部11b〜14bの傾斜角によって、第二方向Yに沿ってセンサ20R,20Lを取付面16の側に付勢する押付け力の加減を調節することができる。よって、ボルト、ビス等の取付部品を用いて作業者の技量によりねじ締めを行い取付作業するよりも、センサ20R,20Lを取付板15に取り付ける製造工程の管理を容易に行うことができる。
【0045】
また、センサ20R,20Lは、本体部25R,25Lの一端縁部25R1,25L1及び一端縁部25R1,25L1と反対側にある他端縁部25R2,25L2から外側に向けてそれぞれ延設され、かつ取付面16と平行をなす板状に形成されている第一突出部21,23及び第二突出部22,24と、を有し、第一突出部21,23及び第二突出部22,24は、被取付部であり、センサの取付構造ST1は、板状に形成されかつ第一突出部21,23に係止されている鉤型取付部である第一及び第三の各鉤型取付部11,13と、板状に形成されかつ第二突出部22,24に係止されている鉤型取付部である第二及び第四の各鉤型取付部12,14と、を有し、第一及び第三の各鉤型取付部11,13と第二及び第四の各鉤型取付部12,14とは、本体部25R,25Lの一端縁部25R1,25L1と他端縁部25R2,25L2との幅Wに等しい間隔Dだけ離間させて配置されている。
【0046】
よって、各センサ20R,20Lが1つのセンサ20R又はセンサ20Lの2つの第一及び第二の各突出部21,22又は2つの第一及び第二の各突出部23,24を用いて、2カ所の第一及び第二の各鉤型取付部11,12又は2カ所の第三及び第四の各鉤型取付部13,14に取り付けられている。よって、簡易な構成で、1カ所で取り付けるよりも取付状態を安定化できる。
【0047】
また、第一及び第三の各鉤型取付部11,13と第二及び第四の各鉤型取付部12,14との第三方向Zに沿った間隔D,Dが、各本体部25R,25Lの各第一突出部21,23の付け根に相当する一端縁部25R1,25L1と各第二突出部22,24の付け根に相当する他端縁部25R2,25L2との、第三方向Zに沿った幅Wに等しく形成されている。よって、本体部25R又は本体部25Lをスライド移動させて第一鉤型取付部11と第二鉤型取付部12間、又は、第三鉤型取付部13と第四鉤型取付部14間に本体部25R又は本体部25Lを挿入するとともに、第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14の収容凹部11c〜14cに第一及び第二の各突出部21〜24を収容することができる。各鉤型取付部11〜14を取付板15に対するセンサ20R,20Lの第一方向Xの移動規制部とするとともに、第三方向Zの取付位置決め部としても機能させることができる。
【0048】
さらに、第一及び第二の各突出部21〜24が板状なので、一般的に厚みが大きくなく、コンパクトに形成された第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14の収容凹部11c〜14cに第一及び第二の各突出部21〜24を容易に収容できる。しかも取付面16と第一及び第二の各突出部21〜24の板表面との面同士で当接可能になり、取付状態を安定させて維持し易くなる。よって、ボルト、ビス等の取付部品を用いる場合と比較して、取付板15へのセンサ20R,20Lの取付状態の安定性を損なわずに、取り付け作業を容易に行うことができる。
【0049】
また、抜け止め防止部17の近傍には、取付板15を厚み方向に貫通する細溝状の切り込み18が設けられている。よって、取付板15の強度を損なわずに抜け止め防止部17近傍の可撓性を大きくでき、抜け止め防止部17を押し込む際の抵抗力を小さくできる。抜け止め防止部17を取付板15の裏面側に押し込むことが容易になり、センサ20R,20Lの取り付け作業をさらに容易に行うことができる。
【0050】
また、上記のセンサの取付構造ST1を備え、燃料電池モジュール104を筐体110内に備えた燃料電池システム100は、一般的に、板状のパネル材を多用する。燃料電池104aその他所定の各種装置を燃料電池モジュール104として収容する電池用筐体10として用いたり、収容室に区画したりするための、板状パネルやフレームが用いられる。また、電池反応に関わる可燃性のガス漏れセンサや温度サンサ等のセンサが多用される。よって、パネルやフレームを取付先部材とする本発明のセンサの取付構造ST1による効果をより効果的に得ることができる。
【0051】
また、上記のセンサの取付構造ST1の製造方法では、各鉤型取付部11〜14の基部11a〜14a及び先部11b〜14bは、板状の取付板15のうち、基部11a〜14a及び先部11b〜14bを形成する部分を、取付面16の第二方向Yに立設するように切り起こして形成され、センサ20R,20Lを取付板15に取り付ける際に、取付板15の各収容凹部11c〜14cの開口から底部に向けた第一方向Xに沿って、センサ20R,20Lの各突出部21〜24をスライド移動させ、それぞれを各鉤型取付部11〜14に挿入して取り付ける。
【0052】
センサの取付構造ST1の発明を、その製造方法の観点から把握することができる。1枚物の取付板15を用いて、簡易で生産性に優れたプレス加工によって各鉤型取付部11〜14を形成することができる。また、収容凹部11c〜14cの開口から底部に行くに従って取付面16に接近する先部11b〜14bの傾斜角度を、上記のとおり打ち抜く簡単な加工で迅速に形成できる。
【0053】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のセンサの取付構造ST2について、図7〜9を用いて説明する。第二実施形態のセンサの取付構造ST2は、スナップフィット状の抜け止め防止部172を有する点で、第一実施形態のセンサの取付構造ST1と異なっている。以下、第一実施形態と異なる構成を中心に説明を行う。なお、対応する同一部分には、同じ符号を付して説明する。
【0054】
図7等に示すように、第二実施形態のセンサの取付構造ST2は、第一実施形態と同様に、取付先部材である取付板152の取付面16に鉤状に形成された4カ所の鉤型取付部11,12,13,14に、2つのセンサ20R,20Lの第一及び第二の各突出部21,22,23,24がそれぞれ係止されて取り付けられる構成を有している。
【0055】
図8等に示す取付板152の表面である取付面16には、センサ20R,20Lの第一及び第二の各突出部21〜24がそれぞれ係止される合計4つの第一ないし第四の各鉤型取付部11〜14と、鉤型取付部の収容凹部から第一方向Xに沿って所定距離だけ離れた位置に設けられた合計3つの抜け止め防止部172と、各抜け止め防止部172の近傍に形成された切り込み182と、が設けられている。抜け止め防止部172は、第一、三、四の各鉤型取付部11,13,14の収容凹部11c,13c,14cから第一方向Xに沿って所定距離だけ離れた位置に設けられている。
【0056】
(抜け止め防止部)
3つの各抜け止め防止部172は、それぞれ同一形状を有しており、正面視において略方形をなす。3つの各抜け止め防止部172は、第三方向Zに沿った方形状の上方の1辺が取付板15に接続するつけ根縁部を形成しており、上方の1辺を除いた左方、右方及び下方の3辺の周囲に、取付板15を貫通する細い直線溝状の切り込み182がそれぞれ設けられている。各抜け止め防止部172は、取付面16と同一面上にある表面を有するとともに、下方の1辺をなす下端縁172dが、第二方向Yに沿って前端側に凸に形成されている。各抜け止め防止部172の下端縁172dは、第二方向Yに沿って前後に変位可能に形成されている。
【0057】
各下端縁172dには、図9に示すように、取付面16から立ち上がって凸をなす立ち上がり面172aが形成されており、この立ち上がり面172aに各センサの突出部の上端縁が当接可能に形成されている。各抜け止め防止部172は、図7において右から順に、センサ20Rの第一突出部21の上端縁21u、センサ20Lの第一突出部23の上端縁23u、センサ20Lの第二突出部24の上端縁24uに係止することで、センサ20R,20Lを抜け止め可能に形成されている。
【0058】
(第二実施形態の作用効果)
第二実施形態のセンサの取付構造ST2によれば、取付面16には、第一、三、四の各鉤型取付部11,13,14の収容凹部11c,13c,14cの開口部を臨む基部11a,13a,14aの収容凹部内壁面131,133,134から、第一及び第二の各突出部21,23,24の第一方向Xに沿った幅分だけ同方向に離れた位置に凸設され、センサ20Rの第一突出部21の上端縁21u、センサ20Lの第一突出部23の上端縁23u,第二突出部24の上端縁24uが当接する抜け止め防止部172が形成されている。
【0059】
よって、センサ20Rを取付板15に取り付ける際には、第一実施形態と同様に、第一方向Xに沿って、センサ20Rをスライド移動させる。この操作により、各基部11a,12aの収容凹部内壁面131,132に各突出部の下端縁(一端)21d,22dを当接させ、鉤型取付部11,12に各突出部21,22を係止させることができる。また、突出部21の上端縁21uが抜け止め防止部172の下端縁172dを乗り越えて立ち上がり面172aに当接するまで、スライド移動させる作業を行う。突出部21の下端縁21dは、鉤型取付部11の基部の収容凹部内壁面131に当接しており、上端縁21uは、抜け止め防止部172に係止する。よって、第一突出部21は、第一方向Xに沿って移動することが規制され、センサ20Rを取付板15に取り付けた配置状態が維持されている。
【0060】
次に、同様に、センサ20Lを取付板15に取り付ける際には、センサ20Rが取付板15に取り付けられた配置状態を確実に維持した上で、センサ20Lの取付作業を行うことができる。センサ20Rと同様に、センサ20Lをスライド移動させる操作により、第一及び第二の突出部23,24の下端縁23d,24dを、鉤型取付部13,14の基部の収容凹部内壁面133,134に当接させ、上端縁23u,24uを、抜け止め防止部172に係止させる。第一及び第二突出部23,24は、第一方向Xに沿って移動することが規制され、センサ20R,20Lともに取付板15に取り付けた配置状態が確実に維持されている。第二実施形態では、センサ20Lの取付操作時に、センサ20Rの第一方向Xの移動が規制されて確実に取付板15に取り付けられており、続いてセンサ20Lの取り付け操作を行い易くなっている。また、各抜け止め防止部172の下端縁172dと突出部の上端縁21u,23u,24uとが、直状に係止可能になっており、抜け止め防止効果に優れている。さらに、スナップフィット状の抜け止め防止部材を用いることによって、立ち上がり面172aの立ち上がり角度の調節を容易に行える。よって、突出部の端縁部を係止する係止力の加減を、適宜に調節しやすい構成となっている。
【0061】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のセンサの取付構造ST3について、図10〜12を用いて説明する。第三実施形態のセンサの取付構造ST3は、第一鉤型取付部115及び第四鉤型取付部116の形状が第一鉤型取付部11及び第四鉤型取付部14と異なる点で、主に、第一実施形態のセンサの取付構造ST1と異なっている。以下、第一実施形態と異なる構成を中心に説明を行う。なお、対応する同一部分には、同じ符号を付して説明する。
【0062】
図10〜12に示すように、第三実施形態のセンサの取付構造ST3は、第一実施形態と同様に、取付先部材である取付板153の取付面16に鉤状に形成された第一及び第二の各鉤型取付部115,12にセンサ20Rの第一及び第二の各突出部21,22が係止され、第三及び第四の鉤型取付部13,116に、センサ20Lの第一及び第二の各突出部23,24が係止されて取り付けられる構成を有している。図10等に示す取付板153の表面である取付面16には、センサ20R,20Lの第一及び第二の各突出部21〜24がそれぞれ係止される合計4つの第一ないし第四の各鉤型取付部115,12,13,116と、第三鉤型取付部13の収容凹部から第一方向Xに沿って所定距離だけ離れた位置に設けられた抜け止め防止部17と、が設けられている。なお、抜け止め防止部17は、第一実施形態と同一形状である。但し、切り込み18は形成されていない。また、図10等で符号19R,19Lは、第二鉤型取付部12及び第三鉤型取付部13とともに本体部25R,25Lの第三方向Zの位置決めを行うために取付板15から切り起こして形成された、位置決め突片である。
【0063】
(鉤型取付部)
合計4つの鉤型取付部のうち、第二及び第三の各鉤型取付部12,13は、第一実施形態と同一形状であり、取付面16上に同様に配置されている。第一鉤型取付部115及び第四鉤型取付部116は、第一実施形態と異なっており、第二方向Yから見た正面視において第三方向Zに沿って所定幅を有する略方形状を有しており、第三方向Zから見た側面視においてやや開いた鈍角なL字状に形成され、取付基準面16*に対向し、かつ、第一方向Xに沿って上方に開口する鉤状に形成されている。
【0064】
第一及び第四の各鉤型取付部115,116は、図12等に示すように、取付面16から第二方向Yに沿って突出する基部115a,116aと、基部の先端から取付基準面16*に対向して第一方向Xに沿って延設される先部115b,116bと、第一方向Xの上方に開口してセンサ20Rの第一突出部21を収容する収容凹部115c及びセンサ20Lの第二突出部24を収容する収容凹部116cと、を有する。
【0065】
基部115a,116aは、取付面16に接続する第三方向Zに沿ったつけ根縁部117,118を介し、つけ根縁部117、118から第二方向Yに沿って垂直に立設され、第二方向Y−第三方向Zに平行な板状に形成されている。先部115b,116bは、取付基準面16*に対向するように、基部115a,116aを介して立設され、第一方向X−第三方向Zに略平行な板状に形成されている。先部115b,116bは、先端側から基部115a,116a側に向けて取付基準面16*との離間間隔が小さくなる傾斜状に形成されている。収容凹部115c,116cは、取付基準面16*と、各先部115b,116bとの第二方向Yに沿った対向領域として形成されている。
【0066】
収容凹部115c,116cにおいて基部115a,116aの収容凹部内壁面135,136は、第一突出部21及び第二突出部24それぞれの下端縁21d,24dが当接する壁面である(図12等参照)。基部115a,116aの収容凹部内壁面135,136は、基部115a,116aの形状に応じて平面状に形成されており、下端縁21d,24dとの当接面積を大きく確保し易くなっている。よって、第一突出部21及び第二突出部24をより大きな面で係止して収容状態を安定させることができる。また、先部115b,116bの収容凹部内壁面145,146も同様に、先部115b,116bの形状に応じて、平面状に形成されており、第一突出部21及び第二突出部24をより大きな面で取付面16の側に押圧し、各センサ20R.20Lの取付状態を安定させることができる。
【0067】
第三実施形態のセンサの取付構造ST3であっても、各鉤型取付部115,12,13116の基部115a,12a,13a,116a及び先部115b,12b,13b,116bは、取付板153のうち基部及び先部を形成する部分を、取付面16の第二方向Yに立設するように切り起こして形成され、センサ20R,20Lを取付板15に取り付ける際に、取付板153の各収容凹部115c,12c,13c,116cの開口から底部に向けた第一方向Xに沿って、各突出部21〜24をスライド移動させ、各鉤型取付部115,12,13,116に挿入して取り付ける。先部の収容凹部内壁面145、142,143,146は、収容凹部の開口から底部に行くに従って、取付面16又は取付基準面16*に近接するように傾斜しており、各突出部の下端縁21d〜24dを取付面16の側に引き寄せることができる。よって、第一方向X及び第二方向Yに沿って、取付面16へのセンサの配置を固定しながら、取付板に取り付けることができる。
【0068】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。各実施形態では、本体部の所定の端縁部から被取付部が突出形成されているセンサの取付構造について説明したが、本発明は、係る構成に限定されない。取付用の突出部を有さない単に直方体の箱状のセンサであっても、その直状の端縁部を本発明に係る鉤型取付部の収容凹部に収容すれば、同様の作用効果を得ることができる。また、1つのセンサを複数の鉤型取付部を用いてその収容凹部に収容する構成について説明したが、1つの鉤型取付部を用いる方法であっても構わない。
【符号の説明】
【0069】
20R,20L…センサ、15…取付板(取付先部材)、16…取付面、17…抜け止め防止部材、21,23…第一突出部(被取付部)、22,24…第二突出部取付板(被取付部)、21d〜24d…下端縁(被取付部の一端)、21u〜24u…上端縁(被取付部の他端)、11〜14,115,116…鉤型取付部、11a〜14a,115a,116a…基部、11b〜14b,115b,116b…先部、11c〜14c,115c,116c…収容凹部、131〜136…基部の収容凹部内壁面、141〜146…先部の収容凹部内壁面。
図1
図2
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図10
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図12