特許第6750305号(P6750305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6750305カラーフィルタ基板、及びそれを用いた表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6750305
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】カラーフィルタ基板、及びそれを用いた表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20200824BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20200824BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20200824BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20200824BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20200824BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20200824BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALN20200824BHJP
【FI】
   G06F3/041 410
   G02B5/20 101
   G09F9/30 349Z
   G09F9/30 349C
   G09F9/30 349A
   G02F1/1335 505
   G02F1/1333
   G06F3/041 490
   G06F3/044 128
   !G02F1/1368
【請求項の数】3
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-103206(P2016-103206)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-211744(P2017-211744A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 賢次
(72)【発明者】
【氏名】門田 総平
【審査官】 佐伯 憲太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−018141(JP,A)
【文献】 特開2016−061878(JP,A)
【文献】 特開2007−246723(JP,A)
【文献】 特開2015−203752(JP,A)
【文献】 特開2005−017521(JP,A)
【文献】 特開2016−038772(JP,A)
【文献】 特開2012−226056(JP,A)
【文献】 特開2014−119640(JP,A)
【文献】 特開2014−117845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G02B 5/20
G02F 1/1333
G02F 1/1335
G09F 9/30
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板の第1の面にカラーフィルタを備え、
第2の面にタッチパネル電極を備え、
前記タッチパネル電極は前記透明基板上に、
接着層と金属層と黒色反射抑止層と電極保護層とをこの順で備えたカラーフィルタ基板であって、
前記黒色反射抑止層となる黒色樹脂組成物を構成する黒色顔料と反射色調整剤、又は黒色染料と反射色調整剤に含まれる固形成分の質量比が、
以下のいずれかであることを特徴とするカラーフィルタ基板。
(1)カーボンブラックを25.7質量%、C.I.PigmentYellow139を4.7質量%含む。
(2)カーボンブラックを25.7質量%、C.I.SolventYellow83を4.7質量%含む。
(3)窒化チタンを20.8質量%、C.I.PigmentRed177を4.8質量%含む。
(4)窒化チタンを20.8質量%、C.I.SolventRed124を4.8質量%含む。
(5)アニリンブラックを18.9質量%、C.I.PigmentYellow139を4.8質量%、C.I.PigmentRed177を4.6質量%含む。
【請求項2】
前記接着層がインジウムを含有し、前記金属層が銅層又は銅合金層あるいはその両方であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板。
【請求項3】
請求項1、2のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板を備えることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル電極付きカラーフィルタ基板、及びそれを用いたタッチパネル一体型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機や、携帯情報端末などの電子機器の操作部にはタッチパネルが採用されている。タッチパネルの検出方式には、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、光学方式等がある。静電容量方式タッチパネルは、光学特性(透過率)が高く、耐久性や動作温度特性においても抵抗膜方式より優れているため、特に車載用等の高信頼性用途に向けて開発が進んでいる。
【0003】
タッチパネルは、液晶や有機ELを用いた表示パネルと組み合わせて用いられる位置入力装置である。静電容量型タッチパネルは、X方向及びY方向に延びる複数の電極を有し、指またはペン先等が接触または近接した電極の静電容量の変化を微弱電流量の変化として検出し被接触位置を特定するもので、指示される内容を入力信号として受け取り、表示パネルを駆動する。
【0004】
前記複数の電極は、電気伝導性と透明性とを有するITO(Indium Tin Oxide)などの材料を用いて、透明電極として表示領域内に形成されており、透明基板などの絶縁領域を介してX方向及びY方向にストライプ状またはアレイ状に配列されている。
【0005】
電子機器の更なる薄膜・軽量化のために、タッチパネルと表示パネルを貼り合わせ組合せるタッチパネル一体型表示装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【0006】
タッチパネル一体型表示装置の中でも、液晶表示パネル内のカラーフィルタを形成した透明基板の裏面にタッチパネル用電極を形成する方式においては、貼り合わせ後、フッ酸を用いて透明基板の薄膜化を行った後に電極を形成する。そのため、電極形成時には液晶パネル内の液晶や配向膜に影響を与えるような高温加熱処理を実施することができず、ITOのような透明電極に十分なアニールを行えないために抵抗値を下げることができず、表示装置の大画面化に対応することが難しくなる。
【0007】
そこで、導電性を上げるため、及びコスト的な問題によりITOに替わる電極材料として、Cuなどの遮光性金属膜(以下、適宜金属膜と記す)を用いる技術が開示されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2009-540374号公報
【特許文献2】特開2011−028699号公報
【特許文献3】特開2013−004076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、遮光性金属パターンを電極とするタッチパネルは、ITOパターンを電極とする場合よりも導電性の面では有利であるものの、視認側からみると金属特有の鏡面反射のために外光の反射率が高く、従って電極パターンが使用者に視認されやすく、表示装置として一体化したときの表示画像の視認性が低くなるという問題がある。そこで金属膜上にスパッタ法を用いて干渉膜を積層したり、遮光性金属に黒化処理を施したり(例えば特許文献3)、ブラックマトリックスを積層することで外光による配線の反射を抑える試みがなされているが、反射率の大きな改善には至っていない。
【0010】
また、表示装置を用いた製品において意匠性がますます重要な訴求点となる中で、反射色味にも注目が集まっている。遮光性金属膜パターンを電極とする場合、金属膜表面の反射色度が赤味/黄味である(すなわち、CIE Lab色空間表示系におけるa、b値がプラス方向にシフトしている)ため、表示装置が赤味/黄味に着色してしまうことが問題となっている。また、金属膜が十分な硬度や耐衝撃性を持たないために輸送時の衝撃や次工程で配線の剥がれが発生することにより歩留りが低下する懸念があった。
【0011】
本発明は、上記諸問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、表示パネル内のカラーフィルタを形成した透明基板の裏面に遮光性金属膜をベースとするタッチパネル電極を形成したカラーフィルタ基板において、前記タッチパネル電極の外光の可視光域にわたる反射率が低く使用者に視認されにくく、従って表示画像の視認性が高くなるとともに、赤味/黄味の色度が小さく、耐衝撃性に優れたカラーフィルタ基板、及びそれを用いたタッチパネル一体型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、透明基板の第1の面にカラーフィルタを備え、第2の面にタッチパネル電極を備え、前記タッチパネル電極は前記透明基板上に、接着層と金属層と黒色反射抑止層と電極保護層とをこの順で備えたカラーフィルタ基板であって、前記黒色反射抑止層は黒色顔料と反射率調整剤と反射色調整剤、又は黒色染料と反射率調整剤と反射色調整剤とを少なくとも含有し、前記黒色樹脂組成物を構成する黒色顔料と反射色調整剤、又は黒色染料と反射色調整剤に含まれる固形成分の質量比が、以下のいずれかであることを特徴とするカラーフィルタ基板である。
(1)カーボンブラックを25.7質量%、C.I.PigmentYellow139を4.7質量%含む。
(2)カーボンブラックを25.7質量%、C.I.SolventYellow83を4.7質量%含む。
(3)窒化チタンを20.8質量%、C.I.PigmentRed177を4.8質量%含む。
(4)窒化チタンを20.8質量%、C.I.SolventRed124を4.8質量%含む。
(5)アニリンブラックを18.9質量%、C.I.PigmentYellow139を4.8質量%、C.I.PigmentRed177を4.6質量%含む。
【0013】
また、本発明は、請求項1に記載のカラーフィルタ基板であって、前記接着層がインジウムを含有し、前記金属層が銅層又は銅合金層あるいはその両方であることを特徴としたカラーフィルタ基板である。
【0017】
また、本発明は、請求項1、2のいずれか一項に記載のカラーフィルタ基板を備えることを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のタッチパネル電極付きカラーフィルタ基板によれば、タッチパネル電極が金属膜をベースとする好適な材料・構成からなるので、タッチパネル電極の外光の可視光域にわたる反射率が低く使用者に視認されにくく、従って表示画像の視認性が高く、赤味/黄味の色度が小さく意匠性に優れるとともに、耐衝撃性に優れたカラーフィルタ基板となる。それらの結果、タッチパネル一体型液晶表示装置の歩留り向上及び大画面化対応に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態のカラーフィルタ基板の模式断面図である。
図2図1のタッチパネル電極部の部分拡大図、及び実施例における、タッチパネル電極の視感反射率、及びa、b測定を説明するための模式断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態のカラーフィルタ基板の模式断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態のカラーフィルタ基板を用いた、本発明の第3の実施形態の表示装置の模式断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態のカラーフィルタ基板を用いた、本発明の第4の実施形態の表示装置の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を用いて詳細に説明する。尚、同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付け、重複する説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と必ずしも同じではない。また、実施形態は、本発明のカラーフィルタ基板、またはこれを用いた液晶表示装置の例として説明するが、本発明のカラーフィルタ基板は有機EL表示装置のような他の表示装置にも適用可能である。
【0021】
[第1の実施形態のカラーフィルタ基板]
図1は本発明の第1の実施形態であるカラーフィルタ基板の模式断面図である。カラーフィルタ基板100は、透明基板1の第1の面にブラックマトリックス(BM)と着色画素(R:赤色層、G:緑色層、B:青色層)からなるカラーフィルタ2を備え、さらに保護層、絶縁層として透明樹脂層8を備えている。第2の面にはタッチパネル電極3を備え、タッチパネル電極3は、透明基板1に近い側から順に、接着層4、金属層5が積層され、金属層5の上面及び金属層5と接着層4の側面には黒色反射抑止層6が形成され、これらの層は平面視、平行に並ぶ複数の線状のパターンにパターニングされている。タッチパネル電極3の並びは紙面に対して垂直なY方向にストライプパターン形状で配列される。さらに、タッチパネル電極3を覆うように電極保護層7が形成されている(図2も参照)。
【0022】
[第2の実施形態のカラーフィルタ基板]
図3は本発明の第2の実施形態であるカラーフィルタ基板の模式断面図である。第1の実施形態のカラーフィルタ基板と異なるのは、透明樹脂層8上に透明電極9を形成した構造であることである。透明樹脂層8上に、タッチパネル電極3の並びに直交して、透明電極9のストライプパターンが形成される。
【0023】
透明電極9による差異は、後述の本発明の表示装置以降に現れるので、以下の本発明のカラーフィルタ基板の説明は、第1の実施形態、第2の実施形態で共通である。
【0024】
前記タッチパネル電極が視認出来なくなる程度の反射率を確保するために、前記タッチパネル電極の、ODが単位膜厚あたり3.0(/μm)以上であり、前記タッチパネル電極の前記電極保護層側から見たXYZ表色系における視感反射率が5.0%以下であり、CIELab色空間表示系におけるa*、b*値が−0.5<a*<+0.5かつ−0.5<b*<+0.5とする。
【0025】
[タッチパネル電極]
以下、タッチパネル電極3を構成する要素について説明する。尚、タッチパネル電極3は、後述の本発明の表示装置の説明で示す第2のタッチパネル電極との対比では、第1のタッチパネル電極と呼ぶべきであるが、便宜上、単にタッチパネル電極と呼称する。
【0026】
(黒色反射抑止層に含有する黒色顔料又は黒色染料)
黒色反射抑止層となる黒色樹脂組成物に含有する黒色顔料又は黒色染料としては、カーボンブラック、黒鉛、アニリンブラックおよびシアニンブラックなどの有機顔料、酸化チタン、窒化チタン、酸化鉄などの無機顔料が挙げられるが、遮光性に優れたカーボンブラックが特に好ましい。
【0027】
黒色顔料又は黒色染料の含有量としては、黒色樹脂組成物の固形分中4〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜55質量%の範囲である。黒色顔料の含有量が4質量%以下である場合、十分な黒色を得ることができず、下地の金属膜の反射が大きく視認性を低下させるため実用に向かない。一方、黒色顔料の含有量が60質量%以上である場合、パターンの直線性や膜表面形状が悪化しやすくなる。
【0028】
(黒色反射抑止層に含有する反射率調整剤)
反射率調整剤としては、反射率低減のためにシリカ微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム)微粒子等の低屈折率化合物を適宜使用することが出来るが、汎用性の観点からシリカ微粒子を用いることが好ましい。
【0029】
シリカ微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム)微粒子を含む反射率調整剤の含有量は黒色樹脂組成物の固形分中1〜30質量%が好ましく、より好ましくは2〜25質量%である。含有量が1質量%以下である場合、反射率低減能が不足する。一方、含有量が30質量%以上である場合、黒色感光性樹脂組成物の固形分中で黒色顔料又は黒色染料が占める割合が低下し遮光性が不足する。
【0030】
(黒色反射抑止層に含有する反射色調整剤)
反射色調整剤については、前記黒色樹脂組成物に着色顔料又は着色染料を添加することにより、黒色反射抑止層の反射色を調整することが可能である。着色顔料又は着色染料としては、黄色顔料、黄色染料、赤色顔料、赤色染料等の従来公知の化合物を適宜使用することが出来るが、特にC.I.PigmentYellow139、C.I.SolventYellow83、C.I.PigmentRed177、C.I.SolventRed124を用いることが好ましい。C.I.PigmentYellow139、C.I.SolventYellow83を添加することで、CIE Lab色空間表示系におけるa値を保ったまま、b値をマイナス化することが出来る。一方、C.I.PigmentRed177、C.I.SolventRed124を添加する
ことで、b値を保ったまま、a値をマイナス化することが出来る。よって、両者を併用することにより黒色反射抑止層の反射色度をニュートラルな色度に調整することが可能である。また、C.I.PigmentYellow139、C.I.SolventYellow83、C.I.PigmentRed177、C.I.SolventRed124は着色力が強いため、少量添加で黒色反射抑止層のa、b値を大きくシフトさせることが可能である。よって、黒色反射抑止層であるカーボンブラック等の添加濃度を抑えることが出来、クリア成分の調整によるパターニング性の調整幅を増やすことが出来る。C.I.PigmentYellow139、C.I.SolventYellow83、C.I.PigmentRed177、C.I.SolventRed124を含む着色顔料又は着色染料の含有量は黒色樹脂組成物の固形分中1〜30質量%が好ましく、より好ましくは2〜25質量%である。含有量が1質量%以下である場合、反射色度のシフト量が不足する。一方、含有量が30質量%以上である場合、黒色感光性樹脂組成物の固形分中でカーボンブラックが占める割合が低下し遮光性が不足する。
【0031】
黒色樹脂組成物に添加する着色顔料又は着色染料は、上記C.I.PigmentYellow139、C.I.SolventYellow83、C.I.PigmentRed177、C.I.SolventRed124以外の着色顔料又は着色染料等も適宜用いることが可能である。
【0032】
赤色顔料としては、例えばC.I.PigmentRed 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、269、272、279等が挙げられる。
【0033】
黄色顔料としてはC.I.PigmentYellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
【0034】
赤色染料の具体例としては、C.I.SolventRed 1、2、3、4、8、16、17、18、19、23、24、25、26、27、30、33、35、41、43、45、48、49、52、68、69、72、73、83:1、84:1、89、90、90:1、91、92、106、109、110、118、119、122、125、127、130、132、135、141、143、145、146、149、150、151、155、160、161、164、164:1、165、166、168、169、172、175、179、180、181、182、195、196、197、198、207、208、210、212、214、215、218、222、223、225、227、229、230、233、234、235、236、238、239、240、241、242、243、244、245、247、248、C.I.AcidRed6、11、26、60、88、111、186、215、C.I.BasicRed1、2、13、14、22、27、29、39、C.I.DirectRed4、23、31、75、76、79、80、81、83、84、149、224、C.I.SulphurRed5、6、7、C.I.ReactiveRed 8、22、46、120、C.I.DisperseRed 4、11、54、55、58、65、73、127、129、141、196、210、229、354、356等が挙げられる。
【0035】
黄色染料の具体例としては、C.I.SolventYellow 2、3、7、12、13、14、16、18、19、21、25、25:1、27、28、29、30、33、34、36、42、43、44、47、56、62、72、73、77、79、81、82:1、88、89、90、93、94、96、98、104、107、114、116、117、124、130、131、133、135、141、143、145、146、157、160:1、161、162、163、167、169、172、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、186、187、189、190、191、C.I.AcidYellow17、23、25、36、38、42、44、72、78、C.I.BasicYellow11、23、25、28、41、C.I.DirectYellow 26、27、28、33、44、50、86、142、C.I.SulphurYellow 4、C.I.VatYellow 2、12、20、33、C.I.ReactiveYellow1、2、4、14、16、C.I.DisperseYellow 3、4、5、7、23、33、42、60、64等が挙げられる。
【0036】
本発明のカラーフィルタ基板の黒色反射抑止層6を形成する黒色樹脂組成物には、上述の黒色顔料又は黒色染料、反射率調整剤、反射色調整剤の他に、重合性多官能モノマー、バインダー樹脂、熱重合開始剤又は光重合開始剤を含有する。
【0037】
(黒色反射抑止層に含有する重合性多官能モノマー)
光重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンテトラ(メタ)アクリレート、テトラトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの成分は単独又は混合物として使用される。また、各種変性(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を用いることも可能である。この中でも、ポストベーク工程における線幅シフト量を抑えることができる5官能/6官能モノマー、具体的にはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
【0038】
光重合性モノマーの含有量としては、黒色樹脂組成物の固形分中5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜15質量%の範囲である。光重合性モノマーの含有量がこの範囲である場合、黒色樹脂組成物の感度、現像速度を生産上好適な水準に調整することができる。光重合性モノマーの含有量が5質量%以下である場合、黒色樹脂組成物の感度が不足する。一方、光重合性モノマーの含有量が20質量%以上である場合、パターンの直線性が悪化し、逆テーパー形状になりやすくなる。
【0039】
(黒色反射抑止層に含有するバインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート、環状のシクロヘキシルアクリレートまたはメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートまたはメタクリレート、スチレンなどの内から3〜5種類程度のモノマーを用いて合成した、分子量2000〜10000程度の樹脂を好ましく用いることができる。
【0040】
また、アクリル系樹脂の一部に不飽和二重結合を付加させた樹脂として、上記のアクリル樹脂、イソシアネート基と少なくとも1個以上のビニル基を有するイソシアネートエチルアクリレート、メタクリロイルイソシアネートなどの化合物を反応させて得られる、酸価50〜150の感光性共重合体が、耐熱性、現像性等の点から好ましく使用できる。更に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の通常の光重合可能な樹脂等やカルド樹脂も使用できる。
【0041】
(黒色反射抑止層に含有する熱重合開始剤又は光重合開始剤)
熱重合開始剤又は光重合開始剤としては、熱重合開始剤はアゾニトリル、アゾエステル、アゾアミド等の従来公知の化合物を適宜使用することが出来るが、生産上の観点から危険物第5類である自己反応性物質を避けるためアゾアミジン、アゾイミダゾリウム化合物を用いることが好ましい。
【0042】
前記アゾアミジン、アゾイミダゾリウム化合物としてはVA−061、VA−057、V−50、VA−046B、VA−044(和光純薬工業株式会社)等が挙げられる。
【0043】
熱重合開始剤の含有量は、前記黒色樹脂組成物の固形分中0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%の範囲である。熱重合開始剤の含有量が0.2質量%以下である場合、黒色樹脂組成物の硬化が不足する。一方、熱重合開始剤の含有量が10質量%以上である場合、ガラス上にパターン残渣が発生してしまう。
【0044】
光重合開始剤は従来公知の化合物を適宜使用することが出来るが、光を透過しない黒色樹脂組成物に用いた際にも高感度化を達成することが出来るオキシムエステル化合物を用いることが好ましい。
【0045】
前記オキシムエステル系化合物としてはIrgacureOXE01、IrgacureOXE02(商品名、共にBASFジャパン社製)、NCI−831(商品名、ADEKA社製)等が挙げられる。
【0046】
光重合開始剤の含有量は、前記黒色樹脂組成物の固形分中0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%の範囲である。光重合開始剤の含有量が0.5質量%以下である場合、黒色樹脂組成物の感度が不足する。一方、光重合開始剤の含有量が20質量%以上である場合、パターン線幅が太りすぎてしまう。
【0047】
本発明の黒色樹脂組成物には、上記オキシムエステル系化合物と共に、他の光重合開始剤を併用することができる。他の光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。他の光重合開始剤の含有量は、前記黒色樹脂組成物の固形分中0.1〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5質量%の範囲である。
【0048】
(黒色反射抑止層のその他の添加剤)
本発明の本発明のカラーフィルタ基板の黒色反射抑止層6を形成する黒色樹脂組成物には、さらに塗布性を向上させるための界面活性剤、基板との密着性を向上させるためにシランカップリング剤、チオール化合物、重合禁止剤等を併用することができる。
【0049】
上記界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いることができ、これらは組み合わせて用いてもよい。
【0050】
シランカップリング剤は、黒色樹脂組成物の固形分比率0.1〜10質量%であることが良く、好ましくは0.2〜5質量%が良い。アルコキシシリル基、シラノール基、シラノール縮合基等の量が多すぎると、フォトパターニングに際にガラス面に黒色樹脂組成物の現像残渣が発生してしまう。シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシシラン等のエポキシシラン類、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン類、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン類等のアミノシラン類、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類等が挙げられる。
【0051】
重合禁止剤としては、黒色樹脂組成物及びアルカリ現像液との相溶性に優れ、露光感度の水準そのものへの影響が軽微なハイドロキノン系の重合禁止剤が好適に用いられる。具体的には、ハイドロキノン、tert‐ブチルハイドロキノン、2,5‐ビス(1,1‐ジメチルブチル)ハイドロキノン、2,5‐ビス(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)ハイドロキノン等が用いられる。その他、カテコール、tert‐ブチルカテコールといったカテコール系の重合禁止剤を用いることも可能である。重合禁止剤を添加することにより、近接露光方式で細線を形成する際の障壁となる回折光起因の線幅太りを大幅に抑制することが可能である。また、回折光の影響を受けにくいことからパターンエッジの硬化性に優れ、現像ばらつきに対する線幅変化を低減することができる。重合禁止剤の添加量は、前記黒色樹脂組成物の固形分中0.01〜0.5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.15質量%の範囲である。前述した光重合開始剤又は熱重合開始剤の効果と重合禁止剤の効果を組み合わせることにより、線幅5μm以下のパターンを精度よく形成することが可能になる。
【0052】
多官能チオールは、光重合開始剤とともに使用した場合、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受け難いチイルラジカルを発生する。従って、多官能チオールを更に含有させると、黒色樹脂組成物はより高感度となる。特に、SH基がメチレン及びエチレン基等の脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールが好ましい。脂肪族基に結合した多官能脂肪族チオールとしては、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン及び2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどが挙げられる。これらの中では、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート及びペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネートが好ましい。これら多官能チオールは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0053】
多官能チオールの含有量は、連鎖移動剤としての効果を充分に発揮し、現像性及び密着性等を損なわないように定められる。多官能チオールの含有量は、前記黒色樹脂組成物の固形分中0.5〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0質量%の範囲である。
【0054】
その他、溶剤としては、メタノール、エタノール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、キシレン、酢酸イソアミル、酢酸nアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、液体ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エステル、エチルエトキシプロピオネートなどが挙げられる。
【0055】
(黒色反射抑止層の形成方法)
黒色反射抑止層の形成は以下のようにして行う。
まず、基板にスプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、前記黒色樹脂組成物の塗膜を形成する。
【0056】
減圧乾燥、プレベーク処理により塗膜中の残留溶剤を除去した後、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光光源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノン灯、アーク灯、LED−UV等従来公知の光源を用いることができる。
【0057】
次に、アルカリ性水溶液からなる現像液を用いて現像を行う。このアルカリ性水溶液からなる現像液の例としては、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、または炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに、これらの水溶液に適当な界面活性剤などを加えたものが挙げられる。現像後、水洗、乾燥してベークすることにより、所定のパターンを形成した基板を得ることができる。
【0058】
なお、前記露光は必ずしも必要は無く、露光を省略し前記現像のみを行うことで、金属配線上に選択的に黒色パターンを得ることも出来る。
【0059】
形成する黒色反射抑止層膜厚としては、1.0〜2.0μmであることが好ましい。膜厚が1.0μm未満である場合、本来の機能である反射抑止性が不足してしまう。膜厚が2.0μmより大きい場合、パターニング性の点から線幅バラつきが悪化してしまう。
【0060】
(金属層)
タッチパネル電極3を形成する金属は、銅あるいは銅合金である。銅の薄膜や銅合金の 薄膜の場合、タッチパネル電極3の膜厚を100nm以上、あるいは150nm以上とすると、タッチパネル電極3は、可視光をほとんど透過しなくなる。したがって、本実施形態に関わる金属配線は、タッチパネル電極3の膜厚が例えば100〜300nm程度であれば十分な遮光性を得ることができる。
【0061】
タッチパネル電極3は、アルカリ耐性のある金属膜が適用できる。アルカリ耐性が必要な場合は、例えば、後工程でアルカリ現像液を用いる現像工程がある場合である。具体的には、例えばカラーフィルタや、ブラックマトリクスなどを形成する場合などである。金属配線に端子部を形成する場合にも、アルカリ耐性が必要性である。なお、クロムはアルカリ耐性があり、タッチパネル電極3として適用できる。しかし、抵抗値が大きく、製造工程で生じるクロムイオンが有害であり実際の生産への適用は難しい。銅や銅合金は、低い抵抗値の観点でタッチパネル電極3として望ましい。銅や銅合金は導電性が良好であるので、タッチパネル電極3として望ましい。
【0062】
タッチパネル電極3は、銅合金として3原子組成百分率(以下at%と表記する)以下の合金元素 を含有させることができる。合金元素は、マグネシウム、カルシウム、チタン、モリブデン、インジウム、錫、亜鉛、アルミニウム、ベリリウム、ニッケルから1以上の元素を選択できる。銅の合金化は、銅の拡散を抑え銅合金として耐熱性などを改善できる。3at%以上の合金元素の添加は、タッチパネル電極3の抵抗値を大きくする。タッチパネル電極3の抵抗値が高くなると、タッチ検出に関わる駆動電圧の波形なまりや信号遅延を生じるため、好ましくない。
【0063】
(接着層)
インジウムを含む接着層4の役割は、おもにカラーフィルタ基板との密着性の向上である。銅、銅合金、あるいはこれらの酸化物、窒化物は、ガラスなど透明基板や黒色色材の分散体である黒色層との密着性が一般的に悪く、その界面で剥がれを生じる問題がある。加えて、鋼、銅合金、あるいはこれらの酸化物、室化物は、通常電気的な接続が不安定で信頼性に欠ける。たとえば、銅表面に経時的に形成される酸化銅や硫化銅は絶縁体に近く、電気的な実装に問題を生じる。
【0064】
インジウムを含む接着層4は、インジウムを含む導電性の金属酸化物、あるいは、銅に対して金属インジウムを0.5at%〜40at%含む銅インジウム合金から選択できる。銅インジウム合金中のインジウムを増やすことにより、接着層4の表面に形成されやすい酸化銅の形成を抑制し、電気的なコンタクトを容易とすることができる。銅インジウム合金の場合、金属インジウムを40at%以上含む合金であっても良いが、インジウムは高価であるため、多く含有させることは経済的理由で好ましくない。また、金属インジウムを40at%以下とする500℃までの耐熱性を持つため、アレイ基板の金属配線 として用いることができる。インジウムは銅より原子量が大きく、かつ、銅より酸素と結びつき易く銅インジウム合金の表面は銅酸化物よりインジウム酸化物を形成しやすい。銅インジウム合金は、銅単体であるときの問題である銅の拡散、ボイド形成、ブリッジ形成などを抑制できる。
【0065】
インジウムを含む導電性の金属酸化物には、ITOと呼称される酸化インジウムと酸化錫の混合酸化物、また、酸化インジウムと酸化亜鉛の混合酸化物を用いることができる。これら金属酸化物に限定する必要なく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化セリウムなど他の金属酸化物を少量、さらに添加した混合酸化物であっても良い。「インジウムを含む」は、混合酸化物の場合、その混合酸化物表面の電気的コンタクト、すなわち電気的な接続を考慮して、混合酸化物中の酸化インジウムを51wt%〜99wt%含有させることができる。
【0066】
インジウムは金属としても、酸化物としてもカラーフィルタの基材であるアクリル樹脂などの樹脂、ガラスなどの透明基板、あるいは酸化ケイ素や室化ケイ素などの無機膜との密者性を大きく改善できるため、銅や銅合金の金属膜と、黒色層、あるいは透明基板や無機絶縁層との界面に接着層の基材として用いることができる。
【0067】
インジウムを含む接着層はスパッタリングなどの手法で成膜できる。インジウムを含む接着層を成膜する場合、スパッタリング時にアルゴンのほか酸素ガスを導入して成膜できる。
【0068】
[電極保護層]
本発明に用いられる電極保護層7は、少なくとも(G)光重合開始剤、(H)重合性多官能モノマー、(I)シランカップリング剤を含有する透明樹脂組成物からなり、必要に応じて樹脂、溶剤、添加剤を含むことができる。
【0069】
本発明の電極保護層7に用いる(G)光重合開始剤としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、O-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4'-メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられるが、透過率と硬化性の観点から、アセトフェノン系化合物やホスフィン系化合物が好ましい。
【0070】
光重合開始剤の使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。
【0071】
本発明の電極保護層7に用いる(H)重合性多官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0072】
酸価調整の観点から、重合性多官能モノマーとして少なくとも一種類が、カルボキシル基を含有することが好ましい。カルボキシル基を含有する重合性多官能モノマーとしては、アロニックスM−5300、M−5400、M−510、M−520(以上、東亞合成社製)、NKエステルA-SA(新中村化学社製)等が挙げられる。
【0073】
本発明の電極保護層7には、密着性付与剤として(I)シランカップリング剤が添加される。本発明に使用できるシランカップリング剤としては、KBM-303、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5103、KBM-802、KBM-803、KBE-9007(以上、信越シリコーン社製)、Z-6011、Z-6020、Z-6030、Z-6040、Z-6043、Z-6094、Z-6519(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。シランカップリング剤は、透明樹脂組成物全量を基準として、0.1〜30質量%以下の量で含有させることができる。
【0074】
本発明の透明樹脂組成物の酸価として0.5乃至2.0mgKOH/gであることが好ましい。酸価が0.5mgKOH/gより低いと、極性の水酸基を持つ透明基板との十分な密着力が十分得られず、酸価が2.0mgKOH/gよりも高いと透明樹脂組成物の安定性や電極の腐食を起こすことが考えられる。尚、酸価の測定にはビュレットと指示薬を用いた滴定法が用いられる。
【0075】
[第3の実施形態の表示装置]
図4は、本発明の第1の実施形態のカラーフィルタ基板を用いた、本発明の第3の実施形態である表示装置の模式断面図である。本実施形態は、いわゆる横電界方式の液晶表示装置の場合の実施形態である。
【0076】
図4において、アレイ基板10にはアクティブ素子(TFT、図示せず)が配設され、アクティブ素子はゲート配線(図示せず)と並行に走る金属配線(以下、この金属配線を第2のタッチパネル電極17と呼ぶ)を備えている。ゲート配線と、第2のタッチパネル電極17は同じ金属材料、構成で同じ工程で形成されるが、電気的に独立している。なお、表示駆動用の金属配線は、ゲート配線とソース配線よりなる。
【0077】
液晶層30の液晶は、アレイ基板10の面に水平に配向されている。液晶の駆動は、画素電極15と共通電極16との間に生じるフリンジ電界で駆動する。この液晶駆動方式は、FFS(Fringe Field Switching)、あるいはIPS(In Plane Switching)、すなわち横電界方式と呼ばれている。共通電極16は、ITOなどの透明導電膜で形成されている。アレイ基板10の基板には、カラーフィルタ基板と同じ熱膨張率を持つガラス基板である透明基板14が通常適用される。
【0078】
タッチセンシングのための静電容量は、タッチパネル電極3と第2のタッチパネル電極17との間に形成される。図4での構成では、共通電極16の液晶駆動と、タッチセンシングでの第2のタッチパネル電極17の駆動は時分割でなされても良く、あるいは、第2のタッチパネル電極17の駆動を液晶駆動と異なる周波数で駆動しても良い。第2のタッチパネル電極17は、駆動電極(走査電極)あるいは検出電極として用いることができる。画素電極15や共通電極16は、いずれかの絶縁層11、12、13上に形成されている。
【0079】
[第4の実施形態の表示装置]
図5は、本発明の第2の実施形態のカラーフィルタ基板を用いた、本発明の第4の実施形態である表示装置の模式断面図である。本実施形態は、いわゆる縦電界方式の液晶表示装置の場合の実施形態である。
【0080】
図5の液晶表示装置は、カラーフィルタ基板200とアクティブ素子(TFT、図示せず)を備えるアレイ基板20を、液晶層40を介して貼り合わせた構成である。カラーフィルタ基板200に配設される透明電極9は、第2のタッチパネル電極と液晶の共通電極(液晶の駆動電極)を兼用する。
【0081】
この実施形態の液晶表示装置は、液晶層40を、共通電極である透明電極9とアレイ基板20に具備される画素電極25との間に、液晶の駆動電圧を印加して液晶層40を駆動する。液晶層40や透明基板24の厚み方向(縦方向=Z方向)に電圧が印加されるので、縦電界方式と呼ばれる液晶駆動方式である。
【0082】
図5において、タッチパネル電極3は、紙面に対して垂直なY方向にストライプパターン形状に並んでいる。透明樹脂層8上に配設された透明電極9はX方向に、同じくストライプパターン形状で具備され、タッチパネル電極3と透明電極9は、誘電体である透明樹脂層8を介して直交している。
【0083】
当実施形態において透明電極9は共通電極であり、例えば、第2のタッチパネル電極の検出電極の役割を担い、タッチパネル電極3は、タッチセンシングでの駆動電極として用いることができる。タッチパネル電極3と透明電極9の間には、おおよそ一定の静電容量が形成されているが、指などポインタの接触あるいは近接によりその部位の静電容量が変化し、タッチ位置を検出する。
【0084】
タッチパネル電極3をタッチセンシングでの駆動電極とし、透明電極9を検出電極とすると、タッチセンシングの駆動条件と液晶の駆動条件(周波数や電圧など)を異なるものにできる。タッチセンシングの駆動周波数と液晶の駆動周波数を異なるものとすることで、それぞれ駆動の影響を受けにくくできる。たとえば、タッチセンシングの駆動周波数を数kHz〜数十kHzとし、液晶駆動の周波数を60Hz〜240Hzとすることができる。さらには、タッチセンシング駆動と液晶駆動を時分割にすることもできる。タッチパネル電極3を駆動電極とする場合に、要求されるタッチの入力の速さにあわせて静電容量検出の走査周波数を任意に調整できる。
【0085】
あるいは、タッチセンシングでの駆動電極と検出電極を入れ替え、透明電極9を一定の周波数での電圧を印加する駆動電極としても良い。なお、タッチセンシングや液晶駆動での、駆動電極に印加する電圧(交流信号)は、正負の電圧を反転する反転駆動方式であっても良い。タッチセンシングと液晶駆動は時分割であっても良く、時分割でなくても良い。
【0086】
(表示装置のその他の要素)
図4図5の第3、第4実施形態である表示装置では、電極保護層7の上面、及び透明基板14、24の裏面に、偏光板や位相差板となる光学フィルム18、19、28、29を設けることができる。また、場合によってはこれらの層間に別途接着層を設けることができる。
【0087】
また、図4図5の表示装置の視認側の最表面には、図示しないが、別途接着層を介して、透明な前面板であり使用者によってタッチされる部材となるカバーガラスを設ける。カバーガラス表面には、加飾層や樹脂材料からなる飛散防止膜を備えることができる。加飾層は1層以上の層から形成され、表示装置にデザイン性を付与すると共に、タッチパネルの周縁部に設けられる配線を隠す役割を果たす。好ましくは顔料を含み可視光を吸収する遮光膜を用いてカバーガラスの一方の面に形成される。加飾層の形成方法としては、フォトリソ法、スクリーン印刷などから選択できる。
【0088】
[透明基板]
本発明のカラーフィルタ基板、及びそれを用いた表示装置に用いられる透明基板は可視光に対してある程度の透過率を有するものが好ましく、より好ましくは80%以上の透過率を有するものを用いることができる。一般に液晶表示装置に用いられているものでよく、PETなどのプラスチック基板やガラスが挙げられるが、通常はガラス基板を用いるとよい。ブラックマトリックスを用いる場合はあらかじめ該透明基板上にクロム等の金属薄膜や遮光性樹脂によるパターンを公知の方法で付けたものを用いればよいが、特に横電界方式の液晶表示装置の場合には遮光性樹脂によるパターンが好ましく用いられる。
【0089】
[着色画素(カラーフィルタ)]
以下、本発明のカラーフィルタ基板を構成する着色画素について説明する。
【0090】
(着色画素の形成方法)
透明基板上への着色画素の作製方法は、公知のインクジェット法、印刷法、フォトリソ法、エッチング法など何れの方法で作製しても構わない。しかし、高精細、分光特性の制御性及び再現性等を考慮すれば、透明な樹脂中に顔料を、光開始剤、重合性モノマーと共に適当な溶剤に分散させた着色組成物を透明基板上に塗布製膜して着色層を形成し、着色層をパターン露光、現像することで一色の画素を形成する工程を各色毎に繰り返し行って着色画素を作製するフォトリソ法が好ましい。
【0091】
以上の一連の工程を、着色組成物およびパターンを替え、必要な数だけ繰り返すことで必要な色数が組み合わされた着色パターンすなわち複数色の画素を得ることができる。複数色の画素としては赤・緑・青(RGB)や黄・マゼンダ・シアン(YMC)の組合せ、その混合系のほか、輝度調整のための透明画素を適用することができる。
【0092】
本発明のカラーフィルタ基板が備える画素を構成する着色画素は、着色組成物を調製してフォトリソ法により形成する場合は例えば以下の方法に従う。着色剤となる顔料を透明な樹脂中に光開始剤、重合性モノマーと共に適当な溶剤に分散させる。分散させる方法はミルベース、3本ロール、ジェットミル等様々な方法があり特に限定されるものではない。
【0093】
(着色画素を形成する着色組成物)
本発明のカラーフィルタ基板の着色画素を形成する着色組成物に用いることのできる有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
【0094】
赤色画素を形成するための赤色着色組成物には、例えばC.I.PigmentRed 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、269、272、279等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色顔料、橙色顔料を併用することができる。
【0095】
黄色顔料としてはC.I.PigmentYellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
【0096】
橙色顔料としてはC.I.PigmentOrange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
【0097】
緑色画素を形成するための緑色着色組成物には、C.I.PigmentGreen 7、36、58等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には赤色着色組成物と同様の黄色顔料を併用することができる。
【0098】
青色画素を形成するための青色着色組成物には本発明のC.I.PigmentBlue 15:3、15:4の青色顔料、C.I.PigmentViolet 23の紫色顔料の他、適宜他の顔料を組み合わせて用いることもできる。
【0099】
また、上記有機顔料と組み合わせて、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、耐液晶性を低下させない範囲内で無機顔料を組み合わせて用いることも可能である。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐液晶性、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
【0100】
着色組成物に用いる透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。透明樹脂には、必要に応じてその前駆体である、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0101】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0102】
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0103】
光架橋剤としては重合性モノマーあるいはオリゴマーを用いる。 重合性モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0104】
添加量は塗布性、現像適正を損なわない範囲で多い方が好ましく、着色組成物の全固形分量を基準として、20質量%〜80質量%程度、さらに好ましくは50質量%〜70質量%程度である。この範囲より添加量が少ないと架橋性が不足し耐液晶性が悪化、この範囲より添加量が多いと着色組成物の塗布時にムラ、ピンホールが発生しやすくなり塗布性が著しく悪化、あるいは現像液溶解性が著しく低下し現像適性が不良となってしまう。
【0105】
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。
【0106】
光重合開始剤としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、O-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4'-メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
【0107】
光重合開始剤の使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。
【0108】
さらに、増感剤として、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
【0109】
増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60質量%が好ましく、より好ましくは3〜40質量%である。
【0110】
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。
【0111】
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
【0112】
多官能チオールの使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。0.1質量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30質量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
【0113】
また必要に応じ熱架橋剤を加えることもできる。熱架橋剤としては例えばメラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0114】
メラミン樹脂としては、アルキル化メラミン樹脂(メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂など)、混合エーテル化メラミン樹脂等があり、高縮合タイプであっても低縮合タイプであってもよい。これらは、いずれも単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。また、必要に応じて、さらにエポキシ樹脂を混合して使用することもできる。
【0115】
エポキシ樹脂としては、例えば、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・ポリグリシジルエーテル、レゾルシン・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、エチレングリコール(ポリエチレングリコール)・ジグリシジルエーテル等がある。これらについても、単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。
【0116】
着色組成物は、必要に応じて有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル-nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
【実施例】
【0117】
以下、図2に示す形態の、透明基板1上にタッチパネル電極3、及び電極保護層7を形成した評価用試料の作製、及び評価結果を例示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。尚、「%」は「質量%」を意味する。
【0118】
[接着層4と金属層5の成膜、パターニング]
透明基板1としてのガラス基板(コーニング社製「EAGLE XG」)上にスパッタリング装置で、インジウムを含む接着層4と金属層5を連続して成膜した。インジウムを含む接着層4には、ITOからなる透明導電膜を用い、20nmの膜厚で形成した。金属層5は、銅を300nmの膜厚で形成した。その後、公知のフォトリソ法でレジストパターンを形成し、さらにITOからなる接着層4と金属層5を燐酸と塩化第二鉄の混酸を用いたウェットエッチングによりパターニングした。エッチング後、レジストパターンはアルカリ水溶液で剥膜した。
【0119】
[黒色反射抑止層6となる黒色樹脂組成物の調製]
下記組成混合物をよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.1〜No.10を得た。
【0120】
(黒色樹脂組成物No.1の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)12.2gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.5g、カーボンブラック分散液(固形分22.7%)14.8g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.PigmentYellow139分散液(固形分22.7%)2.7g、シリカ微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65.3gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.1を得た。
【0121】
(黒色樹脂組成物No.2の調製]
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)12.2gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.5g、カーボンブラック分散液(固形分22.7%)14.8g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.SolventYellow83溶液(固形分22.7%)2.7g、シリカ微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65.3gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.2を得た。
【0122】
(黒色樹脂組成物No.3の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)13.4gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.7g、窒化チタン分散液(固形分22.7%)12.2g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.PigmentRed177分散液(固形分22.7%)2.8g、シリカ微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート66.4gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.3を得た。
【0123】
(黒色樹脂組成物No.4の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)13.4gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.7g、窒化チタン分散液(固形分22.7%)12.2g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.SolventRed124溶液(固形分22.7%)2.8g、シリカ微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート66.4gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.4を得た。
【0124】
(黒色樹脂組成物No.5の調製]
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)12.7gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.6g、C.I.SolventBlack7溶液(固形分22.7%)11.0g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.PigmentYellow139分散液(固形分22.7%)2.8g、C.I.PigmentRed177分散液(固形分22.7%)2.7g、シリカ微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65.7gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.5を得た。
【0125】
(黒色樹脂組成物No.6の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)12.2gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.5g、カーボンブラック分散液(固形分22.7%)14.8g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.PigmentYellow139分散液(固形分22.7%)2.7g、フッ化マグネシウム微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65.3gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.6を得た。
【0126】
(黒色樹脂組成物No.7の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)12.2gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.5g、カーボンブラック分散液(固形分22.7%)14.8g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、C.I.PigmentYellow139分散液(固形分22.7%)2.7g、氷晶石(ヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム)微粒子分散液(固形分22.7%)2.7g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65.3gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.7を得た。
【0127】
(黒色樹脂組成物No.8の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)15.6gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)2.0g、カーボンブラック分散液(固形分22.7%)13.1g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.5gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.8を得た。
【0128】
(黒色樹脂組成物No.9の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)14.6gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)1.8g、カーボンブラック分散液(固形分22.7%)15.2g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート67.6gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.9を得た。
【0129】
(黒色樹脂組成物No.10の調製)
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(固形分50.0%)15.9gに対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート混合物(日本化薬社製「KAYARADDPHA」)2.0g、窒化チタン分散液(固形分22.7%)12.6g、光ラジカル重合開始剤(ADEKA社製「NCI‐831」)0.4g、熱ラジカル重合開始剤(和光純薬工業社製「VA−061」)0.4g、表面調整剤(ビックケミー社製「BYK‐323」)の1%プロピレングリコールモノメチルアセテート溶液0.7g、シランカップリング剤(信越化学「KBE−9007」)の10%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液0.7g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.7gを加えてよく攪拌し、黒色樹脂組成物No.10を得た。
【0130】
(実施例用、比較例用の分別)
以上のように、黒色樹脂組成物No.1〜7は反射率調整剤及び反射色調整剤を含有しているため、それぞれ実施例1〜7の試料用とし、黒色樹脂組成物No.8〜10は反射率調整剤及び反射色調整剤を含有していないため、それぞれ比較例1〜4の試料用とした
【0131】
[黒色反射抑止層6の形成]
上記ガラス基板上の接着層4と金属層5のパターン上にスピンコート法により、上記黒色樹脂組成物No.1〜10の塗膜をそれぞれ形成した。乾燥後、115℃のホットプレートで1分間プリベークした。次に、開口幅が6μmのフォトマスクを介し、超高圧水銀ランプ(照度26mW/cm)を用いて黒色樹脂組成物の塗膜に紫外光を照射した。露光後、2.5質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、接着層4と金属層5のパターンを覆うように膜厚1.5μmの黒色反射抑止層6を形成し、タッチパネル電極3を形成した。
【0132】
[電極保護層7となる透明樹脂組成物の調製]
下記組成の混合物をディゾルバーにて40℃3時間攪拌後、フィルターで濾過することにより透明樹脂組成物を得た。
Irgacure 184(BASF社製光重合開始剤) 10%
U−6HA(新中村化学社製重合性多官能モノマー) 50%
アロニックスM−305(東亞合成社製重合性多官能モノマー) 15%
アロニックスM−402(東亞合成社製重合性多官能モノマー) 5%
US−TD−12P(大阪有機化学社製重合性多官能モノマー) 5%
KBM−503(信越化学社製シランカップリング剤) 10%
BYK−350(ビックケミー・ジャパン社製表面調整剤) 3%
BYK−410(ビックケミー・ジャパン社製 変性ウレア増粘剤) 2%
【0133】
[電極保護層7の形成]
上記黒色反射抑止層を形成したタッチパネル電極3上に、スクリーン印刷版(メッシュ500、乳剤厚10μm、紗厚20μm)を用いて前記透明樹脂組成物を塗布した。次に、オーブンにて90℃2分間プリベークを行って溶剤分を除去し、高圧水銀灯(アイグラフィックス社製コンベアUV照射装置)にて0.5J/cmの露光を行った。オーブンにて120℃30分間焼成を行い、タッチパネル電極3上とガラス基板上に膜厚4μmの電極保護層7を実施例1〜7、比較例1〜3の試料に形成した。また、比較例4には電極保護層7を形成しなかった。
【0134】
<評価方法>
[黒色反射抑止層のOD値]
ガラス基板上に黒色反射抑止層を膜厚1μmとなるように形成し、顕微分光測定装置(大塚電子社製「LCF‐1100」)を用いて、波長範囲400〜700nmにわたる透過率を測定し、得られた分光透過率曲線からJISR3106に従って視感透過率(T)を求め、下記式によってOD値を求めた。
OD=−Log10
【0135】
[反射率]
顕微分光測定装置(大塚電子社製「LCF‐1100)を用いて、図2に示す形態の実施例1〜7、比較例1〜4の反射率を波長範囲400〜700nmにわたって測定した。条件はアルミニウムをリファレンスとして、D65光源で行った。得られた分光反射率曲線からJISR3106に従って視感反射率を求めた。
【0136】
[a、b
CIELab色空間表示系は、XYZ表色系に基礎をおき、CIE(国際照明委員会)が1976年に推奨した表示系で、Lは明度を表わし、0から100までで数値が大きいほど明るくなる。色度はa、bで表わし、a、bともに0の場合には無彩色となる。従って、タッチパネル電極が視認されないためには、L、a、bともに0に近いほど良い。実施例1〜7、比較例1〜4について、前記反射率測定で得られた分光反射率曲線からJIS8781−4に従ってa、bを測定した。
【0137】
[鉛筆硬度]
「JIS K 5600 塗料一般試験方法」に準じて、引っかき硬度(鉛筆法)を実施し、配線パターンや各膜を形成したガラス基板上の鉛筆硬度を測定した。
【0138】
【表1】
【0139】
表1の結果より、タッチパネル電極に好適な黒色顔料又は黒色染料と反射率調整剤と反射色調整剤を含有するODが3.0(/μm)以上の黒色反射抑止層を形成し、4H以上の鉛筆硬度を持つ電極保護層を積層することにより、視感反射率が5.0%以下となり、CIELab色空間表示系におけるa、b値が−0.5<a<+0.5かつ−0.5<b<+0.5となるため、タッチパネル電極が視認されにくく、表示装置が赤味/黄味に着色してしまうことがない、耐衝撃性に優れたカラーフィルタ基板を歩留り良く形成することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明に関わるカラーフィルタ基板は、携帯電話機や、携帯情報端末などの各種電子機器用のタッチパネル機能付き表示装置用として利用することができる。
【符号の説明】
【0141】
1、14、24・・・・透明基板
2・・・・・カラーフィルタ
3・・・・・(第1の)タッチパネル電極
4・・・・・接着層
5・・・・・金属層
6・・・・・黒色反射抑止層
7・・・・・電極保護層
8・・・・・透明樹脂層
9・・・・・透明電極
10、20・・・・アレイ基板
11、12、13、21、22、23・・・絶縁層
15、25・・・・画素電極
16・・・・共通電極
17・・・・第2のタッチパネル電極
18、19、28、29・・・光学フィルム(偏光板、位相差板)
30、40・・・・液晶層
50・・・・・視認側
100、200・・・・カラーフィルタ基板
500、600・・・・液晶表示装置
図1
図2
図3
図4
図5