(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0012】
(1)本発明の一態様に係る水素精製システムは、枠体と、枠体の下端に設けられた底板とを含む筐体と、底板上に配置された集光型太陽光発電素子とを有する集光型太陽光発電モジュールと、集光型太陽光発電モジュールから供給される電力により水を電気分解して水素を発生させる水素精製装置と、集光型太陽光発電モジュール内に発生した熱により水を昇温させる排熱機構とを備える。
【0013】
(1)の水素精製システムによると、外気温によらず効率的に水素を発生させることが可能となる。
【0014】
(2)(1)の水素精製システムにおいて、排熱機構は、熱交換器と、底板内に設けられ、冷媒が流れ、かつ熱交換器に接続される流路とを有しており、熱交換器は、冷媒により水を昇温させるように構成されていてもよい。
【0015】
(2)の水素精製システムによると、水により排熱機構内の流路が汚染されてしまうことを防止することが可能となる。
【0016】
(3)(1)の水素精製システムにおいて、排熱機構は、底板内に設けられ、かつ水が流れる流路を有していてもよい。
【0017】
(3)の水素精製システムによると、熱交換器を用いることなく水を昇温させることができる。すなわち、システム構成を簡略化することが可能となる。
【0018】
(4)(2)又は(3)の水素精製システムにおいて、流路は集光型太陽光発電素子の下に配置されていてもよい。
【0019】
(4)の水素精製システムによると、効率的に集光型太陽光発電素子を冷却することが可能となる。
【0020】
(5)(1)の水素精製システムにおいて、排熱機構は、熱交換器と、底板上に配置され、冷媒が流れ、かつ熱交換器に接続される流路とを有し、熱交換器は、冷媒により水を昇温させ、集光型太陽光発電素子は、流路上に配置されていてもよい。
【0021】
(5)の水素精製システムによると、効率的に集光型太陽光発電素子を冷却することが可能となる。
【0022】
(6)(5)の水素精製システムにおいて、枠体と前記底板とは、樹脂材料により一体に形成されていてもよい。
【0023】
(6)の水素精製システムによると、集光型太陽光発電モジュールの製造が容易となり、集光型太陽光発電モジュールの軽量化を図ることができる。
【0024】
(7)(5)又は(6)の水素精製システムにおいて、流路と集光型太陽光発電素子とは、電気的に接続されていてもよい。
【0025】
(7)の水素精製システムによると、集光型太陽光発電素子を接続するための配線を別途設けることが不要となる。
【0026】
(8)(2)〜(7)の水素精製システムは、集光型太陽光発電モジュールを日照方向に追従するように制御し、かつ内部に第1の配管を有する追尾制御盤をさらに備えていてもよく、第1の配管は流路に接続されていてもよい。
【0027】
(8)の水素精製システムによると、システムからの排熱をより効率的に利用することが可能となる。
【0028】
(9)(2)〜(8)の水素精製システムは、集光型太陽光発電モジュールから供給される電圧を変換し、かつ内部に第2の配管を有する電圧変換部をさらに備えていてもよく、第2の配管は流路に接続されていてもよい。
【0029】
(9)の水素精製システムによると、システムからの排熱をより効率的に利用することが可能となる。
【0030】
[本発明の実施形態の詳細]
以下に、本発明の実施形態の詳細について図を参照して説明する。なお、各図中同一または相当部分には同一符号を付している。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0031】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態に係る水素精製システムの構成について説明する。
【0032】
図1は、第1の実施形態に係る水素精製システムの全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る水素精製システムは、集光型太陽光発電装置1と、水素精製装置2と、排熱機構3とを有している。集光型太陽光発電装置1は、複数の集光型太陽光発電モジュール11を有している。
【0033】
集光型太陽光発電装置1は、架台4に取り付けられている。なお、架台4は、駆動装置41(図示せず)と、太陽方位センサ42(図示せず)と、追尾制御盤43とを有している。
【0034】
駆動装置41は、集光型太陽光発電装置1の受光面の方向を変化させる。より具体的には、駆動装置41は、モータ等の動力源を含んでいる。太陽方位センサ42は、太陽の方向を示す信号を出力する。より具体的には、太陽方位センサ42は、太陽の方向を検知するためのセンサを含んでいる。追尾制御盤43は、太陽方位センサ42からの信号に基づき、駆動装置41を制御する。より具体的には、追尾制御盤43は、受光面が太陽の方向に正対するように駆動装置41に含まれるモータ等の動力源を制御する。
【0035】
図2は、集光型太陽光発電装置1の上面図である。
図2に示すように、各々の集光型太陽光発電モジュール11は、筐体12と、集光型太陽光発電素子13とを有している。集光型太陽光発電素子13は、各々の集光型太陽光発電モジュール11の内部に、複数配置されている。複数個の集光型太陽光発電素子13は、行列状に配置されている。
【0036】
図3は、集光型太陽光発電モジュール11の拡大断面図である。
図3に示すように、筐体12は、枠体12aと、底板12bと、天板12cとを有している。枠体12aは、筐体12の側壁を構成している。枠体12aには、例えば樹脂材料が用いられる。枠体12aに用いられる樹脂材料は、例えばガラス繊維を含有するPBT(ポリブチルテレフタラート)樹脂である。
【0037】
底板12bは、筐体12の底面を構成している。底板12bは、枠体12aの下端に設けられている。底板12b内には、流路12baが設けられている。より具体的には、底板12bは、上部底板12bbと、下部底板12bcとを有している。上部底板12bbには、溝12bdが形成されている。上部底板12bbは、溝12bdが設けられた面が下部底板12bcに対応するように配置されている。上部底板12bbと下部底板12bcとは、ろう材12beにより接合されている。これにより、底板12b内に、流路12baが形成されている。流路12baは、排熱機構3の一部を構成している。流路12baには、冷媒が流れる。冷媒は、液体又は気体である。
【0038】
底板12bは、枠体12aよりも熱伝導率が高い材料により形成されている。例えば、枠体12aが樹脂材料により形成されている場合、底板12bは金属材料により形成されている。底板12bに用いられる金属材料は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)である。
【0039】
底板12b上には、集光型太陽光発電素子13が設けられている。底板12bと集光型太陽光発電素子13との間には、絶縁材14と、配線材15とが設けられている。絶縁材14は、底板12b上に設けられている。配線材15は、絶縁材14上に設けられている。配線材15は、集光型太陽光発電素子13に電気的に接続されている。絶縁材14には、例えばポリイミドが用いられる。配線材15には、例えばCuが用いられる。絶縁材14と配線材15とは、例えばフレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit、FPC)基板を構成している。
【0040】
図2及び
図3に示すように、集光型太陽光発電素子13は、流路12ba上に設けられていることが好ましい。すなわち、集光型太陽光発電素子13は、流路12baと平面視において(底板12bに垂直な方向からみて)重なっている位置に配置されていることが好ましい。
【0041】
図3に示すように、天板12cは、筐体12の天面を構成している。天板12cは、枠体12aの上端に設けられている。枠体12aの上端は、枠体12aの底板12bが設けられる側の端である下端の反対側の端である。
【0042】
天板12cには、1次光学系16が設けられている。1次光学系16は、例えばフレネルレンズである。集光型太陽光発電素子13上には、2次光学系17が設けられている。2次光学系17は、例えばロッドレンズである。2次光学系17は、球レンズ等であってもよい。太陽光は、1次光学系16により集光され、2次光学系17に入射する。2次光学系17に入射した太陽光は、集光型太陽光発電素子13上に伝達される。
【0043】
集光型太陽光発電素子13は、伝達された太陽光を受光することにより、発電を行う。集光型太陽光発電素子13により発電された電力は、水素精製装置2に供給される。なお、
図1に示すように、第1の実施形態に係る水素精製システムは、電圧変換部5を有していてもよい。電圧変換部5は、例えばDCDCコンバータである。電圧変換部5は、集光型太陽光発電装置1から供給される電力の電圧変換を行う。
【0044】
図4は、水素精製装置2の構成を示す模式図である。
図4に示すように、水素精製装置2は、貯留槽21と、陽極22と、陰極23と、隔壁24とを有している。貯留槽21には、配管33が接続されている。貯留槽21には、電気分解の対象となる水21aが貯留されている。水21aには、電気分解を容易にするため、添加物として例えば水酸化ナトリウムが添加されている。なお、水21aの添加物は、例えば炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、又は水酸化カリウム等であってもよい。但し、水21aは、例えば純水であってもよい。
【0045】
陽極22及び陰極23は、集光型太陽光発電装置1(又は電圧変換部5)に接続されている。陽極22及び陰極23において、集光型太陽光発電装置1から供給された電力により、水21aの電気分解が行われる。その結果、陽極22において、水素21bが発生し、陰極23から酸素21cが発生する。
【0046】
排熱機構3は、太陽光発電モジュール11内に発生した熱により、水素精製装置2に貯留されている水21aを昇温させる。より具体的には、
図1に示すように、排熱機構3は、流路12ba(
図1において図示していない)と、熱交換器31と、配管32と、配管33とを有している。
【0047】
熱交換器31は、入口側配管31aと、出口側配管31bとを有している。入口側配管31aは、流路12baに接続されている。入口側配管31aと流路12baとは、配管32を介して接続されている。出口側配管31bは、水素精製装置2の貯留槽21と接続している。出口側配管31bと貯留槽21とは、配管33を介して接続されている。熱交換器31は、入口側配管31aを通る冷媒と出口側配管31bを通る水21aとの間で熱交換を行う。これにより、排熱機構3は、太陽光発電モジュール11内で発生した熱で水21aを昇温させる。
【0048】
図5は、第1の実施形態に係る水素精製システムの変形例の全体構成を示す模式図である。
図5に示すように、排熱機構3は、流路12baと、配管33とを有しており、熱交換器31を有していない。流路12baは、配管33に接続されている。この場合、流路12baを水21aが通ることにより、水21aが太陽光発電モジュール11内で発生した熱により昇温される。排熱機構3は、このような構成により、集光型太陽光発電モジュール11内で発生した熱により水21aを昇温してもよい。
【0049】
以下に、第1の実施形態に係る水素精製システムの効果について説明する。
第1の実施形態に係る水素精製システムは、集光型太陽光発電モジュール11が排熱機構3により冷却されるとともに、集光型太陽光発煙モジュール11内で発生した熱で水素精製装置2内に貯留されている水21aの水が昇温される。そのため、第1の実施形態に係る水素精製システムによると、外気温によらず集光型太陽光発電モジュール11及び水素精製装置2の効率が改善する。
【0050】
第1の実施形態に係る水素精製システムにおいて、排熱機構3が熱交換器31を有している場合、水素精製装置2に貯留されている水21aが集光型太陽光発電モジュール11内の流路12baを流れることはない。そのため、水21aの添加物により流路12baが腐食等されてしまうことを防止することが可能となる。
【0051】
第1の実施形態に係る水素精製システムにおいて、排熱機構3が流路12baと配管33とを有しており、熱交換器31を有していない場合、水21aが集光型太陽光発電モジュール11内で発生した熱により昇温される。そのため、この場合には、水素精製装置2内の水21aの昇温をより効率的に行うことが可能となる。また、この場合には、水素精製システムのシステム構成を簡略化することが可能となる。
【0052】
第1の実施形態に係る水素精製システムにおいて、流路12baが平面視において集光型太陽光発電素子13と重なる位置に設けられている場合、集光型太陽光発電モジュール12内で発生した熱を効率的に排熱機構3に伝達することが可能となる。そのため、この場合、水素精製システムの効率がさらに改善する。
【0053】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実形態に係る水素精製システムの構成について説明する。
【0054】
なお、以下においては第1の実施形態に係る水素精製システムと異なる点について主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0055】
図6は、第2の実施形態に係る水素発生システムの全体構成を示す模式図である。
図6に示すように、第2の実施形態に係る水素発生システムは、集光型太陽光発電装置1と、水素精製装置2と、排熱機構3とを有している。集光型太陽光発電装置1は、架台4に取り付けられており、架台4は、駆動装置41(図示せず)と、太陽方位センサ42(図示せず)と、追尾制御盤43とを有している。集光型太陽光発電装置1と水素精製装置2との間には、電圧変換部5が設けられている。
【0056】
排熱機構3は、流路12ba(
図7参照)と、熱交換器31と、配管32と、配管33とを有している。なお、排熱機構3は、流路12baと、配管33とを有しており、熱交換器31を有していなくてもよい。
【0057】
図7は、第2の実施形態に係る水素発生システムにおける集光型太陽光発電モジュール11の拡大断面図である。
図7に示すように、筐体12は、枠体12aと、底板12bと、天板12cとを有している。枠体12a及び底板12bは、好ましくは同一の材料により構成されている。枠体12a及び底板12bには、好ましくは樹脂材料が用いられる。枠体12a及び底板12bは、好ましくは一体成型されている。
【0058】
底板12b上には、流路12baが設けられている。より具体的には、流路12baは、管状部材18中に設けられている。管状部材18は、底板12b上に設けられている。管状部材18には、Al、Cu等が用いられる。なお、流路12baは、配管32を介して熱交換器31に接続されている。熱交換器31は、配管32を介して水素精製装置2の貯留槽21に接続されている。なお、排熱機構3が熱交換器31を有しない場合、流路12baは、配管33を介して水素精製装置2の貯留槽21に接続されている。
【0059】
管状部材18上には、集光型太陽光発電素子13が設けられている。集光型太陽光発電素子13と管状部材18の間には、絶縁材14と配線材15とが設けられている。絶縁材14は、管状部材18上に設けられている。配線材15は、絶縁材14上に設けられている。集光型太陽光発電素子13は、配線材15に電気的に接続されている。
【0060】
以下に、第2の実施形態に係る水素発生システムの効果について説明する。
第2の実施形態に係る水素発生システムによると、外気温によらず水素発生システムの効率を改善することが可能となる。
【0061】
また、第2の実施形態に係る水素発生システムによると、集光型太陽光発電モジュール11からの排熱は、底板12b上に設けられた流路12baが担うことになるため、底板12bに熱伝導性の高い材料を用いる必要はない。そのため、底板12bを枠体12aと同様の樹脂材料を用いて一体成型することが可能となる。そのため、底板12bと枠体12aとが樹脂材料により一体成型されている場合、集光型太陽光発電モジュールの製造が簡略化されるとともに、集光型太陽光発電モジュールを軽量化することができる。
【0062】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係る水素精製システムの構成について説明する。
【0063】
なお、以下においては、第2の実施形態に係る水素精製システムと異なる点について説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0064】
図8は、第3の実施形態に係る水素発生システムの全体構成を示す模式図である。
図8に示すように、第3の実施形態に係る水素発生システムは、集光型太陽光発電装置1と、水素精製装置2と、排熱機構3とを有している。集光型太陽光発電装置1は、架台4に取り付けられており、架台4は、駆動装置41(図示せず)と、太陽方位センサ42(図示せず)と、追尾制御盤43とを有している。集光型太陽光発電装置1と水素精製装置2との間には、電圧変換部5が設けられている。
【0065】
排熱機構3は、流路12ba(
図9参照)と、熱交換器31と、配管32と、配管33とを有している。なお、排熱機構3は、流路12baと、配管33とを有しており、熱交換器31を有していなくてもよい。
【0066】
図9は、第3の実施形態に係る水素発生システムにおける集光型太陽光発電モジュール11の拡大断面図である。
図9に示すように、筐体12は、枠体12aと、底板12bと、天板12cとを有している。枠体12a及び底板12bは、好ましくは同一の材料により構成されている。枠体12a及び底板12bには、好ましくは樹脂材料が用いられる。枠体12a及び底板12bは、好ましくは一体成型されている。
【0067】
底板12b上には、流路12baが設けられている。より具体的には、流路12baは、管状部材18中に設けられている。管状部材18は、底板12b上に設けられている。管状部材18には、Al、Cu等が用いられる。なお、流路12baは、管状部材18と配管32とを接続することにより、熱交換器31に接続されている。熱交換器31は、配管32と接続することにより、水素精製装置2の貯留槽21に接続されている。なお、この場合、配管32は、絶縁のため、絶縁材料により形成されている。排熱機構3が熱交換器31を有しない場合、流路12baは、管状部材18と配管33とを接続することにより、水素精製装置2の貯留槽21に接続されている。なお、この場合、配管33は、絶縁のため、絶縁材料により形成されている。
【0068】
管状部材18は、第1の部分18aと第2の部分18bとに分割されている。管状部材18の延在方向の一方の側方が第1の部分18aとなっており、管状部材18の延方の他方の側方が第2の部分18bとなっている。第1の部分18aと第2の部分18bとの間には、絶縁部18cが設けられている。絶縁部18cは、例えばブチルゴムにより形成されている。
【0069】
管状部材18上には、集光型太陽光発電素子13が設けられている。集光型太陽光発電素子13は、管状部材18に電気的に接続されている。例えば、集光型太陽光発電素子13の陽極は第1の部分18aに電気的に接続され、集光型太陽光発電素子13の陰極は第2の部分18bに電気的に接続されている。なお、集光型太陽光発電素子13と管状部材18との間には、絶縁材14及び配線材15は設けられていない。換言すれば、集光型太陽光発電素子13は、管状部材18上に直接設けられている。
【0070】
以下に、第3の実施形態に係る水素精製システムの効果について説明する。
第2の実施形態に係る水素発生システムによると、外気温によらず水素発生システムの効率を改善することが可能となる。
【0071】
また、第3の実施形態に係る水素精製システムによると、絶縁材14及び配線材15を省略することが可能となる。そのため、第3の実施形態に係る水素精製システムによると、製造コストの低減を図ることが可能となる。さらに、第3の実施形態に係る水素精製システムによると、集光型太陽光発電素子13と管状部材18との間に絶縁材14が設けられていないため、集光型太陽光発電素子13から発生した熱をより効率的に排熱することが可能となる。
【0072】
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係る水素精製システムの構成について説明する。
【0073】
なお、以下においては、第1乃至第3の実施形態に係る水素精製システムと異なる点について説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0074】
図10は、第4の実施形態に係る水素発生システムの全体構成を示す模式図である。
図10に示すように、第2の実施形態に係る水素発生システムは、集光型太陽光発電装置1と、水素精製装置2と、排熱機構3とを有している。排熱機構3は、流路12ba(図示しない)と、流路12baに接続された配管32と、配管32に接続された熱交換器31と、熱交換器31に接続された配管33とを有している。排熱機構3は、流路12ba(図示しない)と、流路12baに接続された配管33とを有しており、配管32と熱交換器31とを有していなくてもよい。
【0075】
集光型太陽光発電装置1は、架台4に取り付けられており、架台4は、駆動装置41(図示せず)と、太陽方位センサ42(図示せず)と、追尾制御盤43とを有している。集光型太陽光発電装置1と水素精製装置2との間には、電圧変換部5が設けられている。
【0076】
図11は、追尾制御盤43の概略上面図である。
図11に示すように、追尾制御盤43は、制御部43aと、電源部43bと、端子部43cと、第1の配管43dとを有している。制御部43aは、太陽方位センサ42からの信号に基づき、駆動装置41の制御を実行する部分である。電源部43bは、例えば、交流電源を制御用の直流電源に変換する部分である。端子部43cは、各種の外部との接続端子が設けられる部分である。
【0077】
第1の配管43dは、追尾制御盤43の内部に設けられている。追尾制御盤43の内部においては、電源部43bからの発熱量が最も大きい。そのため、第1の配管43dは、電源部43bの周囲に設けられることが好ましい。より具体的には、第1の配管43dは、電源部43bの筐体上に設けられることが、好ましい。なお、第1の配管43dには、Al、Cu等が用いられる。
【0078】
上記のとおり、電圧変換部5は、例えば、DCDCコンバータである。
図12は、電圧変換部5の回路図である。
図12に示すように、電圧変換部5は、スイッチング部51と、ダイオード52と、コイル部53と、キャパシタ部54とにより構成されている。スイッチング部51は、例えばパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。
【0079】
図13は、電圧変換部5の概略上面図である。
図13に示すように、電圧変換部5は、筐体55と、基板56と、第2の配管57とを有している。スイッチング部51、ダイオード52、コイル部53及びキャパシタ部54は、基板56上に搭載されている。基板56は、筐体55の内部に収納されている。第2の配管57は、筐体55の内部に設けられている。
【0080】
電圧変換部5においては、スイッチング部51、ダイオード52及びコイル部53からの発熱量が多い。そのため、第2の配管57は、スイッチング部51、ダイオード52及びコイル部53の周囲に設けられることが好ましい。なお、第2の配管57には、Al、Cu等が用いられる。
【0081】
第1の配管43d及び第2の配管57は、流路12baと接続されている。より具体的には、第1の配管43d及び第2の配管57は、配管32の経路上に配置されている。なお、排熱機構3が配管32と熱交換器31とを有しない場合には、第1の配管43d及び第2の配管57は、配管33の経路上に配置されることにより、流路12baと接続されている。
【0082】
以下に、第4の実施形態に係る水素精製システムの効果について説明する。
第4の実施形態に係る水素精製システムによると、集光型太陽光発電モジュール11内で発生した熱のみならず、追尾制御盤43及び電圧変換部5内で発生した熱も用いて水素精製装置2の水21aを昇温することができる。そのため、第4の実施形態に係る水素精製システムによると、水素精製システムからの排熱をより効率的に利用することが可能となる。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。