(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記比較部は、照明機器が設置される懸架器具を撮影した撮影画像に基づく照明機器に関する情報と、予め指定された照明機器に関する情報との比較結果に基づいて、前記懸架器具に対して照明機器が所定のルールに従って設置されているか否かを判定し、
前記表示制御部は、前記所定のルールに従って設置されていないと判定された場合には、前記所定のルールに対応する比較結果を表示させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる監視装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する監視装置および照明システムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0011】
以下の実施形態にかかる監視装置100は、比較部133と、表示制御部134とを具備する。比較部133は、照明機器が設置される懸架器具を撮影した撮影画像に基づく照明機器に関する情報と、予め設定された照明機器に関する情報とを比較する。表示制御部134は、比較部による比較結果を所定の表示装置に表示させる。
【0012】
また、以下の実施形態にかかる監視装置100では、表示制御部134は、比較結果として、予め設定された照明機器に関する情報に対して一致しない旨を示すコンテンツを表示させる。
【0013】
また、以下の実施形態にかかる監視装置100では、表示制御部134は、比較結果として、懸架器具に対して設置させる照明機器に関する情報を表示させる。
【0014】
また、以下の実施形態にかかる監視装置100では、表示制御部134は、懸架器具が有する取付口それぞれに接続させる照明機器に関する情報を表示させる。
【0015】
また、以下の実施形態にかかる監視装置100では、表示制御部134は、懸架器具とともに撮影された照明機器から受信した情報に基づいて、懸架器具に対して設置させる照明機器に関する情報を表示させる。
【0016】
また、以下の実施形態にかかる監視装置100では、比較部133は、照明機器が設置される懸架器具を撮影した撮影画像に基づく照明機器に関する情報と、予め指定された照明機器に関する情報との比較結果に基づいて、懸架器具に対して照明機器が所定のルールに従って設置されているか否かを判定する。そして、表示制御部134は、所定のルールに従って設置されていないと判定された場合には、所定のルールに対応する比較結果を表示させる。
【0017】
[実施形態]
〔表示制御処理の一例〕
以下、監視装置の一例として、照明システム1が有する監視装置100について一例を用いて説明する。
図1は、実施形態にかかる監視装置100の一例を示す図である。
図1に示す例では、照明システム1は、複数の照明機器10(
図1では、照明機器10a、10b、10dとして示す。個々を区別する必要のない場合、「照明機器10」と総称する)、複数のRDMノード20(
図1では、RDMノード20−1〜RDMノード20−nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「RDMノード20」と総称する)、ハブ30、制御卓40、監視装置100を有する。なお、照明システム1に含まれる照明機器10およびRDMノード20の種別や数などは、任意に変更可能である。
【0018】
照明システム1において、照明機器10は、DMXを拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式により、RDMノード20や監視装置100と双方向通信が可能な照明機器である。つまり、実施形態にかかる照明装置10は、RDM規格対応の照明装置である。
【0019】
本実施形態では、RDM規格に沿って説明するが、双方向通信の可能なシステム(例えば、ESTA(Entertainment Services and Technology Association)がDMXに変わるイーサネット(登録商標)用の規格として規定したACN(Architecture for Control Networks)やsACN(streamingACN))であれば良い。
【0020】
また、照明機器10は、LED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を有するものや、モータを搭載したもの等があり、制御信号に従って、明るさ、範囲、色彩、角度等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。照明機器10は、スタジオや舞台等の任意の空間に設置される設備であって、照明機器を吊り下げる懸架器具であるバトンに設置される。
図1の例では、バトンL−1には、照明機器10a、10b、10dが設置されることを示している。
【0021】
RDMノード20は、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明機器10や監視装置100と双方向通信が可能な制御情報を分配する分配器である。具体的には、RDMノード20は、イーサネット等の有線または無線によるネットワークによって、双方向通信が可能な態様でハブ30と接続され、ハブ30を介して、監視装置100等と通信する。
【0022】
また、
図1の例において、RDMノード20は、照明機器10と同様、バトンに設置される。
図1の例では、バトンL−1には、RDMノード20−1が設置され、バトンL−2には、RDMノード20−2が設置され、バトンL−nには、RDMノード20−nが設置される。また、RDMノード20は、監視装置100からの指示により、自身が設置されるバトンに関する情報と、自身に接続されている照明機器10の情報を取得し監視装置100に返信する。尚、バトンに関する情報は、RDMノードが固定であれば、予め監視装置100に記憶させておいても良い。
【0023】
また、RDMノード20は、複数のポートを有する。
図1の例では、RDMノード20−1が、ポート20a〜20dを有することを示す。各ポート20a〜20dは、それぞれを識別するためのポートIDが付与されたポートであり、例えば、RDM規格に従って照明機器10と信号を送受信するための接続端子(コネクタ)である。
【0024】
また、
図1の例では、バトンL−1における各ポート20a〜20dそれぞれの位置が、位置P11〜位置P14である例を示す。本実施形態では、各ポート20a〜20dそれぞれの位置を概念的な記号で示しているが、実際には、例えば、ポート20aであれば「特定の方向」からバトンL−1を見た場合における位置、例えば「最左端」といった形で示される。また、ポート20bであれば特定の方向からバトンL−1を見た場合における位置、例えば「左から2番目」といった形で示される。
【0025】
なお、このようなバトンに対する各ポートの位置の示し方は一例に過ぎず、任意の表記が用いられてよい。例えば、各ポートの位置は、バトンに対する座標によって示されてもよい。また、各バトンには所定の箇所に当該バトンを識別可能な識別情報(例えば、識別番号や名称等)が記載されており、このような識別情報を視認可能な方向(例えば、バトンに対して正面)が「特定の方向」に対応する。
【0026】
以上のことをまとめると、
図1の例では、バトンL−1の設置されるRDMノード20−1について、現在、位置P11に存在するポート20aには照明機器10aが接続され、位置P12に存在するポート20bには照明機器10bが接続され、位置P13に存在するポート20cには照明機器10が接続されておらず、位置P14に存在するポート20dには照明機器10dが接続される。
【0027】
ここで、RDMノード20によって行われる制御処理について説明する。RDMノード20は、各ポート(例えば、ポート20a〜20d)に接続された照明機器10に対して後述する制御卓40の指示によりRDMの機能を使い制御アドレスを設定する。例えば、RDMノード20は、制御卓40から各ポートに設置される照明機器10に新たに割り当てる制御アドレスに関する情報を受信した場合、かかる情報に従って、照明機器10に新たに割り当てる制御アドレスを設定する。そして、RDMノード20は、新たに割り当てた制御アドレスと、照明機器10が接続されたポートのポートIDとを対応付けて一時的に記憶する。
【0028】
RDMノード20は、監視装置100からの指示によりポートに接続された照明機器10に関する情報を取得する。例えば、RDMノード20は、各ポート20a〜20dから照明機器情報の読出し要求を出力する。そして、RDMノード20は、照明機器10からの応答として照明機器情報を受信した場合には、照明機器情報を受信したポートのポートIDと、新たに割り当てた制御アドレスとを対応付けて一時的に記憶する。
【0029】
また、RDMノード20は、照明機器情報を取得すると、取得した照明機器情報とともに、各装置を識別する識別情報を後述する監視装置100へ送信し、監視装置100は、RDMノードから受信した情報を記憶する。具体的には、RDMノード20は、バトンID、照明機器IDと、ポートIDと、自装置のIDすなわちノードIDとを対応付けて、照明機器情報とともに後述する監視装置100へ送信する。この点について
図1の例を用いて説明する。なお、本実施形態では、説明を簡単にするために、バトン、RDMノード、ポート、照明機器それぞれに付される符号がこれら各装置の識別情報(ID)に対応するものとする。
【0030】
例えば、バトンL−1に設置されるRDMノード20−1のポート20aに照明機器10aが接続されたとする。かかる場合、監視装置100からの指示によりRDMノード20−1は、ポート20aから、ポートID「20a」および照明機器ID「10a」を取得する。そして、RDMノード20−1は、バトンID「L−1」、ポートID「20a」、照明機器ID「10a」および自装置のID(ノードID)「20−1」を監視装置100に送信する。また、RDMノード20−1は、これらのIDとともに照明機器10aに関する照明機器情報も送信する。かかる照明機器情報は、例えば、照明機器10aの通電時間、点灯時間、現在の明るさを数値化した情報(例えば、輝度)、照明の色調、消費電力、故障情報等である。また、RDMノード20−1は、同様の処理をポート20b、20c、20dについても行う。RDMノード20−2およびRDMノード20−nについても同様である。
【0031】
ハブ30は、イーサネット等の有線または無線によるネットワークによって、制御卓40と双方向通信が可能な態様で接続され、制御卓40と各RDMノード20との通信を中継する中継器である。
【0032】
また、不図示であるが照明システム1には、照明機器10に電力を供給する電源装置が含まれる。かかる電源装置は、例えば、電圧変換の機能、ブレーカー、過負荷や漏電等の検知機能、UPS(Uninterruptible Power Supply)等の機能を有する。
【0033】
制御卓40は、双方向性を有する制御情報(例えば、RDM規格に対応する)を照明機器10との間で通信可能な制御装置である。制御卓40は、ユーザ(例えば、制御卓40を操作するオペレータ)から照明機器10に対する操作指令を受付けると、照明機器10に付与された制御アドレスを含む制御情報を生成し、ハブ30を介してRDMノード20に制御情報を送信する。この場合、RDMノード20は、制御情報をRDM規格に沿った制御信号(例えば、DMX信号等)に変換し、制御アドレスが示す照明機器10に対して制御信号を出力する。これにより、照明機器10の制御が行われる。このように、照明装置100は、RDM規格対応の制御情報に含まれる制御アドレスを用いて、各照明機器10を遠隔制御する。
【0034】
監視装置100は、バトンに対する照明機器10の設置状況を監視する。例えば、監視装置100は、照明機器10がRDM規格に対応していることにより、上記のようにRDMノード20から各装置(バトン、ポート、照明機器、ノード)のIDを受信することで、どのバトンにどの照明機器10が設置されているかといったことを監視する。
【0035】
また、各RDMノード20が有するポートへの照明機器10の接続は、作業員によって手作業で行われる。このような手作業が行われるために、どのバトンのどの位置にどの照明機器10を設置するかといったことが設定され図面に起こされた仕込み図が予め用意される。したがって、作業員は、誤った位置に照明機器を設置しないように何度もこの仕込み図を参照しながら照明機器10の接続を行う。かかる場合、作業員は何度も仕込み図を確認する必要があるため時間がかかり、結果として作業効率の低下につながる。
【0036】
また、膨大な数の照明機器10を設置するため、仕込み図と間違った位置に設置しても気が付かない場合がある。このような状況において、例えば、照明機器10を設置済みのバトンを上昇させ、舞台に舞台セットを組んだ後に設置位置が間違っていることに気が付いたとする。かかる場合、1度、舞台セットを移動、または、解体しバトンを降ろして設置位置を修正するか、危険を冒して高い脚立に登り設置位置を修正することとなり、大幅な作業効率の低下となる。
【0037】
そこで、実施形態にかかる監視装置100は、照明機器10が設置されるバトンを撮影した撮影画像に基づく照明機器10に関する情報と、予め設定された照明機器10に関する情報とを比較する。そして、監視装置100は、比較した比較結果を所定の表示装置に表示させる。以下では、このような監視装置100による表示制御処理について具体的に説明する。
【0038】
まず、作業員は、これから照明機器10を設置しようとする作業対象のバトンをカメラ機能が搭載された端末装置を用いて撮影する(ステップS1)。なお、以下では、バトンへの照明機器10の設置と、RDMノード20が有するポートへの照明機器10の接続とは、ともに同義であるものとして扱う場合がある。
【0039】
カメラ機能が搭載された端末装置は、
図1に示すウェアラブルグラスであるものとする。しかし、かかる端末装置は、ウェアラブルグラスに限定されるものではなく、カメラ機能、表示機能、イーサネットを利用した通信機能を有する端末装置であれば如何なるものであってもよい。例えば、かかる端末装置は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等であってよい。
【0040】
そして、
図1の例は、作業員が、ウェアラブルグラスGLを用いて、バトンL−1に設置される照明機器10a、10b、10dが全て入るように、バトンL−1全体を撮影したことを示す。例えば、作業員は、ウェアラブルグラスGLを装着した状態、すなわちウェアラブルグラスGLを介してバトンL−1を実際に目視しながら上記のような撮影を行う。
【0041】
また、
図1では、このようにして撮影された画像が撮影画像G1である例を示す。ここで、撮影する際のポイントについて説明する。1つは、作業対象となるバトンの全体、および、かかるバトンに設置される照明機器10の全てが撮影画像に収まるように撮影することである。もう一つは、各バトンには、所定箇所にそのバトンを識別可能な識別情報(例えば、名称や記号、QRコード(登録商標)等)が予め記載されている場合があるため、このような場合、作業員は、その識別情報が撮影画像に収まるような方向から撮影を行う。このような方向は、例えば、作業対象のバトンに対して正面方向である。不図示であるが、
図1の例では、作業員は、バトンL−1表面に記載された識別文字「L−1」が入るように撮影したものとする。
【0042】
次に、ウェアラブルグラスGLは、作業員の操作に従って撮影した撮影画像G1を監視装置100に送信する(ステップS2)。監視装置100は、ウェアラブルグラスGLから撮影画像G1を受信すると、撮影画像G1の画像解析を行う(ステップS3)。例えば、監視装置100は、撮影画像G1を画像解析することにより、撮影されているバトンL−1において、照明機器10に関する情報としてバトンL−1の識別情報と、どのような位置に照明機器10が設置されているかを特定する。具体的には、監視装置100は、撮影画像G1を画像解析することにより、バトンの識別情報を特定するとともに、バトンにおける照明機器10の設置位置を特定する。このとき、監視装置100は、バトンL−1におけるポートの位置も把握できるため、RDMノード20−1において、どの位置にあるポートに照明機器10が接続されているかを特定してもよい。つまり、監視装置100は、ポートの近くに設置された照明機器10をそのポートに接続された照明機器として認識するようにしてもよい。
【0043】
図1の例では、監視装置100は、画像解析により、ステップS1において撮影されたバトンがバトンL−1であることを特定するとともに、位置P11、位置P12および位置P14にあるポートに照明機器10が接続されていることを特定する。例えば、監視装置100は、位置P11として「最左端」、位置P12として「左2(右から2番目)」、位置P14として「最右端」といったように位置方向で特定してもよい。また、監視装置100は、位置P11として「X1」、位置12として「X2」、位置P14として「X4」といったように座標方向で特定してもよい。
【0044】
また、監視装置100は、画像解析により照明機器10に関する情報として、バトンに設置される照明機器10の種別や、固有の識別情報、設置方向も特定可能である。例えば、監視装置100は、バトンL−1に設置される照明機器10がスポットライト、ホリゾントライト、あるいは、フラッドライトであるのか等の照明機器の種別や設置方向について照明機器10の外観を解析することで特定することが可能である。
【0045】
また、照明機器10に設置されたQRコード等の識別情報を撮像することによって、監視装置100は、照明機器10固有の識別情報または任意に設定したアドレス等の照明機器IDを取得してもよい。この場合には、監視装置100は、照明機器10の種別や設置方向だけでなく照明器具10を1台づつ特定することができる。
【0046】
次に、監視装置100は、画像解析により特定した位置情報であって照明機器10に関する位置情報と、予め設定された照明機器10に関する情報とを比較する(ステップS4)。ここで、監視装置100は、機器情報記憶部120を有する。機器情報記憶部120には、どのバトンのどの位置にどの照明機器10を設置するかといったことが予め設定された図面である仕込み図が数値化および記号化された状態で記憶される。なお、数値化および記号化された仕込み図を「仕込み図データ」と表記する場合がある。
【0047】
図1に示す機器情報記憶部120は、仕込み図においてバトン「L−1」には、RDMノード「20−1」が設置され、バトン「L−1」におけるポートの位置が位置P11、位置P12、位置P13、位置P14であり、設置する照明機器10の種類がスポットライトといったことが予め仕込み図に記載されていることを示す。なお、さらに、機器情報記憶部120は仕込み図データとして各照明機器10の識別情報である照明機器IDを記憶するようにしてもよい。
【0048】
したがって、監視装置100は、撮影画像G1に基づく照明機器10に関する情報として画像解析により特定した位置情報であって照明機器10が接続されるポートの位置情報と、予め設定された照明機器10に関する情報として仕込み図由来のバトンL−1におけるポートの位置情報とを比較する。そして、このような比較により監視装置100は、一致しない箇所を特定する。
【0049】
図1の例では、監視装置100は、比較処理により、位置P13での一致が得られないことを特定する。具体的には、監視装置100は、「仕込み図データ」側にはバトンL−1における位置P13のポートに照明機器10(スポットライト)を接続するよう指定されているのに対して、実際には位置P13にあるポートへ照明機器10(スポットライト)が接続されていないことを特定する。
【0050】
このように比較処理において一致が得られない点が存在することは、照明機器10の接続に誤りがある、あるいは、照明機器10が接続されていないことを示す。したがって、監視装置100は、仕込み図データに基づく照明機器10の正しい設置態様を、ウェアラブルグラスGLを介して作業員が確認可能なように表示制御する。
【0051】
具体的には、監視装置100は、位置P13にあるポートへ照明機器10(スポットライト)が接続されていないことを特定したことにより、位置P13にあるポートへ照明機器10を接続するよう認識させるアニメーション画像G2を生成する。そして、監視装置100は、生成したアニメーション画像G2を比較結果としてウェアラブルグラスGLに送信する(ステップS5)。これにより、監視装置100は、現在、作業員がウェアラブルグラスGLを介して視認している現実のバトンL−1における位置P13へ、スポットライトを接続するよう指示するような態様でアニメーション画像G2を表示させる(ステップS6)。
【0052】
これにより作業員は、仕込み図を何度も確認することなく、作業対象のバトンに対してこれからどのように照明機器10を設置すべきか、あるいは、既に設置済みの照明機器10の位置に誤りがないかといったことを一目で確認できるようになる。このため、実施形態にかかる監視装置100は、作業員が容易に、かつ、正確に照明機器10の設置作業を行えるようにすることができるため、照明装置10の設置にかかる作業効率を高めることができる。
【0053】
なお、
図1の例では、監視装置100が、作業員が現実に目視しているバトンおよび照明機器10に対して、誤り対象あるいは接続対象となる照明機器10をアニメーション表示させる例を示したが、アニメーション表示はこれに限定されるものではない。例えば、監視装置100は、作業対象のバトンや照明機器10の全てをアニメーション表示させてもよい。
【0054】
〔監視装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態にかかる監視装置100について説明する。
図2は、実施形態にかかる監視装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、監視装置100は、通信部110と、機器情報記憶部120と、制御部130とを有する。
【0055】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、ウェアラブルグラス等の各種端末装置との間で情報の送受信を行う。
【0056】
(機器情報記憶部120について)
機器情報記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。機器情報記憶部120は、どのバトンのどの位置にどの照明機器10を設置するかといったことがあらかじめ設定された図面である仕込み図を数値化および記号化した仕込み図データを記憶する。
【0057】
ここで、
図3に実施形態にかかる機器情報記憶部120の一例を示す。
図3の例では、機器情報記憶部120は、「バトンID」、「ノードID」、「ポートID」、「ポート位置」、「照明機器ID」、「機器種別」、「詳細情報」といった項目を有する。
【0058】
「バトンID」は、バトンを識別するための識別情報を示す。「ノードID」は、対応する「バトンID」によって識別されるバトンに設置されるノードを識別するための識別情報を示す。「ポートID」は、対応する「バトンID」によって識別されるノードが有するポートを識別するための識別情報を示す。
【0059】
「ポート位置」は、対応する「ポートID」によって識別されるポートの設置位置であって対応する「バトンID」によって識別されるバトンにおける設置位置を示す。なお、このような設置位置は、バトンに対する照明機器10の設置位置と解せるものである。
図1で説明した通り、「ポート位置」は、例えば、左右に基づく位置方向や座標によって示される。「照明機器ID」は、対応する「ポートID」によって識別されるポートに接続される照明機器10を示す識別情報である。
【0060】
「機器種別」は、対応する「ポートID」によって識別されるポートに接続される照明機器10として、どのような照明機器10を接続させるかその照明機器10の種別を示す。「詳細情報」は、照明機器10固有の情報、例えば、通電時間、点灯時間、故障情報等の照明機器10のこれまでの使用状況、照明の輝度、色温度、消費電力または各種運転モードに関する設定情報等の現在の制御内容、定格電力や出力可能な光束、色温度等の機器情報を示す。
【0061】
すなわち、
図3の例では、バトンL−1には、ノード20−1が設置されており、ノード20−1は、ポート20a〜20dを有することを示す。また、仕込み図において、バトンL−1にスポットライトである照明機器10a〜10dを、ポート20a〜20dに接続させることが設定されている例を示す。また、バトンL−1におけるポート20a〜20dの位置が、位置P11〜P14である例を示す。
【0062】
(制御部130について)
図2に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、監視装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0063】
図2に示すように、制御部130は、受信部131と、解析部132と、比較部133と、表示制御部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0064】
(受信部131について)
受信部131は、作業員等のユーザによって利用される端末装置(
図1の例では、ウェアラブルグラスGL)から、当該端末装置によって撮影された撮影画像を受け付ける。
図1で説明したように、作業員は、バトンに照明機器10を設置する作業を行うにあたって、かかる端末装置を用いて作業対象のバトンを撮影する。また、作業対象のバトンに既に照明機器10が設置されている場合には、作業員は、かかる照明機器10も含めて作業対象のバトンを撮影する。したがって、受信部131は、バトンや照明機器10が撮影された撮影画像を、当該撮影画像を撮影した端末装置から受け付ける。
【0065】
また、受信部131は、RDM規格に対応する照明機器10が、RDMノード20のポートに接続された場合には、かかるRDMノード20からバトンIDと、照明機器IDと、ポートIDと、ノードIDと、照明機器情報(輝度等)も受信してよい。
【0066】
(解析部132について)
解析部132は、受信部131によって撮影された撮影画像の画像解析を行い、かかる撮影画像に含まれる装置について、当該装置に関する情報を特定する。例えば、解析部132は、撮影画像にバトンが含まれる場合には、かかるバトンに記載の当該バトンの識別情報を特定する。また、解析部132は、撮影画像に照明機器10が含まれる場合には、当該照明機器10が接続されるポートの位置情報を特定してもよい。例えば、解析部132は、バトンと照明機器10との位置関係からどの照明機器10がどの位置にあるポートに接続されているかといったことを特定する。
【0067】
また、解析部132は、画像解析によりバトンに設置されている照明機器10の種類や方向を特定してもよい。また、各照明機器10には、当該照明機器10の固有情報等を含む二次元コード(QRコード)が添付される場合がある。かかる場合、解析部132は、このQRコードを読み取ることにより、例えば、照明機器10の照明機器IDを特定する。
【0068】
(比較部133について)
比較部133は、受信部131によって受け付けられた撮影画像に基づく照明機器10に関する情報と、予め設定された照明機器10に関する情報とを比較する。例えば、比較部133は、解析部132により特定された位置情報であって照明機器10に関する位置情報と、予め設定された照明機器10に関する情報とを比較する。予め設定された照明機器10に関する情報とは、例えば、機器情報記憶部120に記憶される仕込み図データである。
【0069】
また、比較部133は、解析部132により照明機器10の種類が特定された場合には、特定された照明機器10の種類と、仕込み図データにおいて予め設定される照明機器10の種類とを比較する。また、仕込み図データにおいて予め照明機器10の設置方向が設定されている場合もある。かかる場合、比較部133は、解析部132により特定された照明機器10の設置方向と、仕込み図データにおける照明機器10の設置方向とを比較する。
【0070】
そして、比較部133は、上記のような比較処理により、撮影画像に基づく照明機器10に関する情報と、予め設定された照明機器10に関する情報との不一致を特定する。例えば、比較部133は、解析部132により特定された位置情報であって照明機器10に関する位置情報のうち、仕込み図データにおける照明機器10の位置情報に一致しない位置情報を特定する。照明機器10の種類や設置方向についても同様に、比較部133は、仕込み図データに対する不一致を特定する。
【0071】
(表示制御部134について)
表示制御部134は、比較結果として、予め設定された照明機器10に関する情報に対して一致しない旨を示すコンテンツを表示させる。具体的には、表示制御部134は、比較部133による比較によって得られた比較結果を撮影画像送信元の端末装置に表示させる。さらに具体的には、表示制御部134は、比較部133による比較によって得られた比較結果に基づいて、コンテンツとしてアニメーション画像を生成する。例えば、表示制御部134は、作業者が端末装置を介して比較部133による比較結果を認識できるようなアニメーション画像を生成する。
【0072】
一例を示すと、表示制御部134は、作業員が端末装置を介して現実に目視しているバトンおよび照明機器10に対して、設置に誤りのある照明機器10を認識させるようなアニメーション画像、あるいは、仕込み図データにおいて決められているポートに対象の照明機器10を接続するよう指示するようなアニメーション画像を生成する。
【0073】
そして、表示制御部134は、作業員が端末装置を介して現実に目視しているバトンおよび照明機器10に対して、例えば、生成したアニメーション画像が重畳されて表示されるよう端末装置に送信する。
【0074】
また、RDM規格対応の照明機器10がバトンに設置される場合には、受信部131によって各種識別情報が受信されることを利用して、表示制御部134は、ポートそれぞれに対する照明機器10それぞれの設置位置を表示させてもよい。具体的には、表示制御部134は、どの照明機器10をどのポートに接続させるかといった詳細な情報を例えば識別情報を用いて上記アニメーション画像とともに表示させる。
【0075】
さて、以下では、監視装置100による表示制御処理の一例について
図4を用いて説明する。
図4は、実施形態にかかる監視装置100によって行われる表示制御処理の一例を示す図である。なお、
図4を用いた説明は、
図1をより詳細にするものであるため、
図1において説明済みの内容については省略する。
【0076】
まず、ウェアラブルグラスGLは、作業員の操作に従って、バトンL−1に設置される照明機器10a、10b、10dが全て入るように、バトンL−1全体を撮影したとする。このようにして撮影されたものが撮影画像G1である。そして、ウェアラブルグラスGLは、撮影画像G1を監視装置100に送信する。
【0077】
監視装置100の解析部132は、受信部131によって撮影画像G1が受信されると、受信された撮影画像G1の画像解析を行う。例えば、解析部132は、画像解析により
図4に示すような解析結果R1を得る。具体的には、解析部132は、バトンL−1における位置P11、位置P12および位置P14にあるポートそれぞれに照明機器10としてスポットライトが設置されていることを特定する。なお、例えば、照明機器10それぞれに当該照明機器10の識別情報(例えば、QRコード等)が付されている場合には、解析部132は、画像解析によりそのQRコードから特定した照明機器IDも解析結果R1に含めることができる。
【0078】
ここで、バトンL−1には、RDM規格対応のスポットライトを設置することが予め決められているものとする。また、位置P11、位置P12および位置P14にあるポートに現在接続されている照明機器10もRDM規格対応のスポットライトであるものとする。このように対象となる照明機器10がRDM規格対応である場合には、監視装置100は、これまで説明してきたようにアニメーション画像を表示されるだけでなく、照明機器10に関するより詳細な情報も表示させることができる。つまり、表示制御部134は、バトンとともに撮影された照明機器10から受信された情報(例えば、各種ID、設定モード)に基づいて、バトンに対して設置させる照明機器10に関する詳細情報を表示させる。
【0079】
例えば、比較部133は、比較処理を行う前段階として、RDMと連携することにより解析部132により得られた解析結果R1に対してより詳細な情報を追加する。例えば、比較部133は、
図4に示すように解析結果R1に対して「ポートID」および「照明機器ID」を対応付ける。つまり、比較部133は、照明機器10がRDM規格対応であることにより受信部131によって受信された「ポートID」および「照明機器ID」を、
図3に示す機器情報記憶部120に基づいて対応付ける。
【0080】
例えば、比較部133は、受信部131によってポート20aに照明機器10bが接続されている旨の情報が受け付けられたことにより、機器情報記憶部120を参照しポート20aは位置P11に対応するポートであることを特定する。そして、比較部133は、ポートID「20a」とポート位置「P11」と照明機器ID「10b」とが対応付くように解析結果R1に対してこれらの情報を追加する。このように、比較部133により解析結果R1に対して詳細な情報が追加されたものが、
図4に示す解析結果R2である。
【0081】
そして、比較部133は、この解析結果R2と、機器情報記憶部120に記憶される仕込み図データとを比較することにより両者での不一致を特定する。
【0082】
仕込み図データでは、位置P11にあるポート20aに照明機器10aを接続させることが予め設定されている。また、仕込み図データでは、位置P12にあるポート20bに照明機器10bを接続させることが予め設定されている。しかしながら、解析結果R2によると、現状、ポート20aに照明機器10bが接続され、ポート20bに照明機器10aが接続されている。したがって、比較部133は、照明機器10aおよび10bの接続が誤っていることを特定する。
【0083】
また、仕込み図データでは、位置P13にあるポート20cに照明機器10cを接続させることが予め設定されている。しかしながら、解析結果R2によると、現状、ポート20cへの接続が無い。したがって、比較部133は、ポート20cに照明機器10cが接続されていないことを特定する。
【0084】
そして、表示制御部134は、上記のように比較部133によって得られた比較結果に基づいてアニメーション画像を生成し、生成したアニメーション画像をウェアラブルグラスGLに表示させる。例えば、表示制御部134は、ポートぞれぞれに接続させる照明機器10に関する情報を表示させる。具体的には、表示制御部134は、どのポートにどの特定の照明機器10を接続させるのかがわかるように、例えば、接続が誤っている照明機器10aおよび10bの隣に、本来接続させるべき正しい照明機器10に関する情報(例えば、照明機器ID)を表示させる。さらに、接続が誤っている旨のコメントや絵図を表示してもよい。
【0085】
また、表示制御部134は、
図4に示すように、機器種別、モードおよび照明角度等も表示させてもよい。機器種別、モードおよび照明角度は、仕込み図において予め設定されている情報である。
【0086】
また、表示制御部134は、比較部133により位置P13にあるポート20cに照明機器10cが接続されていないことが特定されたことにより、ポート20cへ照明機器10cを接続するよう認識させるアニメーション画像G2を生成する。そして、表示制御部134は、生成したアニメーション画像G2をウェアラブルグラスGLに表示させる。
【0087】
これにより、仕込み図において特定のポートに対して特定のIDに対応する照明機器10を接続させるといった細かな設定がなされている場合であっても、作業員は、仕込み図を何度も確認することなく、ウェアラブルグラスを介してこのような設定を作業を行いながらでも容易に視認することができる。したがって、監視装置100は、作業効率を高めることができる。
【0088】
なお、
図4では、バトンL−1に対して正しく設置されている照明機器10、具体的には、ポート20dへ接続される照明機器10についてはアニメーション表示がされていない例を示す。しかし、表示制御部134は、このように正しく設置されている場合であっても、作業員が設置態様を再確認できるように、例えば、機器種別、照明機器ID、モードおよび角度等を表示させてもよい。
【0089】
また、
図4の例では、解析結果R1において、各ポート位置に設置される照明機器IDについては表示がないが、画像解析によって各ポート位置に設置される照明機器10の照明機器IDを合わせて対応付けるようにしてもよい。この場合、監視装置100は、解析結果R2を得る処理において、RDMで取得したポート位置と照明機器IDとの対応関係と、解析結果R1におけるポート位置と照明機器IDとの対応関係とに不一致があることを特定することができる。つまり、機器情報記憶部120において各照明機器10に対応する照明機器IDを記憶している場合には、監視装置100は、ポートIDと照明機器IDが仕込み図通りに正しく接続されているが照明機器10の設置位置を間違えていることを特定することができ、その旨を表示させることができる。
【0090】
〔表示制御処理フロー〕
次に、
図5を用いて、実施形態にかかる照明システム1による処理の手順について説明する。
図5は、実施形態にかかる監視装置100を含む照明システム1による表示制御処理手順を示すシーケンス図である。
【0091】
まず、監視装置100の受信部131は、端末装置(ウェアラブルグラスGL等の表示端末)から撮影画像を受信したか否かを判定する(ステップS101)。解析部132は、撮影画像を受信したと判定された場合には(ステップS101;Yes)、受信された撮影画像の画像解析を行う(ステップS102)。一方、受信部131は、撮影画像を受信していないと判定した場合には(ステップS101;No)、受信するまで待機する。
【0092】
次に、比較部133は、画像解析によって解析結果が得られた場合に、撮影画像に含まれるRDMノード20から送信された情報であって、当該RDMノード20が有するポートに接続される照明機器10に関する情報が受信されたか否かを判定する(ステップS103)。例えば、比較部133は、かかる照明機器10がRDM規格対応である場合には、撮影画像に含まれるRDMノード20から送信されたバトンID、ノードID、ポートID、照明機器IDが受信部131によって受信されたか否かを判定する。
【0093】
比較部133は、照明機器10に関する情報としてバトンID、ノードID、ポートID、照明機器IDが受信された場合には(ステップS103;Yes)、これら受信された識別情報を解析結果に対応付ける(ステップS104)。次に、比較部133は、ステップS104処理後の解析結果と、機器情報記憶部120に記憶される仕込み図データとを比較する(ステップS105)。
【0094】
そして、表示制御部134は、比較部133によって得られた比較結果に基づいて、アニメーション画像を生成する(ステップS106)。そして、表示制御部134は、生成したアニメーション画像が撮影画像送信元の端末装置によって表示されるよう送信する(ステップS107)。
【0095】
なお、比較部133は、照明機器10に関する情報としてバトンID、ノードID、ポートID、照明機器IDが受信されない場合(ステップS103;No)、すなわち照明機器10がRDM規格対応でない場合には、解析部132によって得られた解析結果と、機器情報記憶部120に記憶される仕込み図データとを比較する(ステップS105)。
【0096】
〔画像解析および比較処理のバリエーション〕
図1の例では、解析部132が、画像解析によりどの位置にあるポートに照明機器10が接続されているかを特定する例を示した。すなわち、解析部132が、画像解析によりバトンにおける照明機器10の設置位置をポートの位置を用いて特定する例を示した。しかし、解析部132は、画像解析により照明機器10とポートとが接続されるケーブルの接続態様を特定し、比較部132は、特定された接続態様と仕込み図データとを比較して、ケーブル接続の不一致を検出してもよい。すなわち、比較部132は、照明機器10とポート間のケーブル接続に誤りが無いか否かを判定してもよい。
【0097】
かかる場合、仕込み図データには、どの設置位置にある照明機器10をどのポートに接続させるかが予め指定される。例えば、
図1の例を用いて、仕込み図データおいて、位置P11にある照明機器10を位置P11に対応するポートであるポート20aに接続し、位置P12にある照明機器10を位置P12に対応するポートであるポート20bに接続させるよう予め指定されているとする。
【0098】
ここで、解析部132は、撮影画像を解析することにより位置P11にある照明機器10は位置P12に対応するポート(ポート20b)に接続され、位置P12にある照明機器10は位置P11に対応するポート(ポート20a)に接続されていることを特定したとする。つまり、解析部132は、ケーブルが交差していることを特定したとする。
【0099】
かかる場合、比較部132は、上記のように解析部132によって特定された解析結果と、仕込み図データとを比較し、位置P11にある照明機器10を位置P11に対応するポート(ポート20a)に接続させなければならないところを、位置12にある照明機器10が位置P11に対応するポート(ポート20a)に接続されており、ケーブルの接続が誤っていると判定する。
【0100】
また、比較部132は、位置P12にある照明機器10を位置P12に対応するポート(ポート20b)に接続させなければならないところを、位置P11にある照明機器10が位置P12に対応するポート(ポート20b)に接続されており、ケーブルの接続が誤っていると判定する。これにより、表示制御部134は、ケーブル接続が間違っており、正しい接続を指示するアニメーション画像を生成し、ウェアラブルグラスGLに表示させる。
【0101】
上記のようにケーブル接続に誤りがあると、各照明機器10に本来付与すべきDMXアドレスにも誤りが生じてしまうが、実施形態にかかる監視装置100は、このような誤りが生じることを防止することができる。
【0102】
〔表示制御処理のバリエーション〕
上記実施形態では、
図3に示すように各バトンにおいて全てのポートに照明機器10を接続することが予め決められている例を示した。しかし、バトンにおいては、特定のポートには、照明機器10を接続させないといったルールが決められている場合がある。このようなルールも仕込み図において予め設定されている。
【0103】
かかる場合、比較部133は、撮影画像に基づく照明機器に関する情報であると、仕込み図データとの比較により、バトンに対して照明機器10が仕込み図データに示される所定のルールに従って設置されているか否かを判定する。そして、表示制御部134は、所定のルールに従って設置されていないと判定された場合には、所定のルールに対応する正しい設置態様をアニメ―ション表示させる。
【0104】
この点について
図1を用いて説明する。ウェアラブルグラスGLによって撮影された撮影画像G1では、バトンL−1における位置P11、位置P12および位置P14に照明機器10が設置されている。ここで、図示しないが仕込み図データでは、位置P14には照明機器10を設置しないことがルールとして予め決められているものとする。
【0105】
かかる場合、比較部133は、撮影画像G1が解析された解析結果と、仕込み図データとの比較によって、このルールに従って照明機器10が設置されていないことを特定する。具体的には、比較部133は、本来設置してはいけない位置P14に照明機器10が設置されていることを特定し、このような特定結果を表示制御部134に出力する。
【0106】
表示制御部134は、比較部133からの出力を受けて、アニメーション画像を生成する。例えば、表示制御部134は、位置P14に接続してはいけない旨を警告する警告情報をアニメーション画像として生成する。そして、表示制御部134は、作成したアニメーション画像が表示されるようウェアラブルグラスGLに送信する。
【0107】
〔その他〕
上記実施形態では、カメラ機能を有する端末装置といったように、カメラと端末本体とが一体化されている例を示した。しかし、カメラ装置がノートパソコンやタブレット装置に対して外部接続されているといったように、カメラは端末本体から独立したものであってもよい。例えば、カメラ装置は、スタジオ等に設置された監視カメラや、上述した各種処理を実行するために固定で設置されたものであってもよい。
【0108】
また、上記実施形態では、解析部132が、バトンに記載された識別情報によりバトンを特定する例を示した。しかし、解析部132は、バトンの形状に基づいてバトンを特定してもよい。また、表示制御部134は、比較結果をアニメーション画像として表示するのではなく、比較結果を表示するにあたってその他の任意の手法を採用することができる。また、照明機器10は、双方向通信が可能なものであれば、RDM規格対応に限定されるものではない。
【0109】
なお、上述した監視装置100は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどを有するコンピュータが、所定の記録媒体に登録された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することにより、実現されてもよい。また、監視装置100は制御卓40内に設定することで、制御監視卓として1つの装置としても良い。
【0110】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、この実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。