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前記遮蔽部材は、前記封口板に対向するように配置される遮蔽部材本体部と、前記遮蔽部材本体部の両端から前記封口板に向かって延びる一対の遮蔽部材側壁部を有する請求項1〜5のいずれかに記載の角形二次電池。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態に係る角形二次電池20の構成を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0014】
図1は角形二次電池20の斜視図である。
図2は
図1のII−II線の断面図である。
図1及び
図2に示すように角形二次電池20は、開口を有する有底角筒状の角形外装体1と、角形外装体1の開口を封口する封口板2からなる電池ケース100を備える。角形外
装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。角形外装体1内には、複数の正極板と複数の負極板がセパレータを介して積層された積層型の電極体3が電解液と共に収容されている。電極体3と角形外装体1の間には樹脂製の絶縁シート14が配置されている。
【0015】
電極体3の封口板2側の端部には、正極タブ40及び負極タブ50が設けられている。正極タブ40は第2正極集電体6b及び第1正極集電体6aを介して正極外部端子7に電気的に接続されている。負極タブ50は第2負極集電体8b及び第1負極集電体8aを介して負極外部端子9に電気的に接続されている。ここで、第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bが、正極集電部材6を構成している。また、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bが、負極集電部材8を構成している。なお、正極集電部材6を一つの部品とすることもできる。また、負極集電部材8を一つの部品とすることもできる。
【0016】
正極外部端子7は、樹脂製の外部側絶縁部材11を介して封口板2に固定されている。負極外部端子9は、樹脂製の外部側絶縁部材13を介して封口板2に固定されている。正極外部端子7は金属製であることが好ましく、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることがより好ましい。負極外部端子9は金属製であることが好ましく、銅又は銅合金製であることがより好ましい。また、負極外部端子9は、電池ケース100の内部側に銅又は銅合金からなる部分を有し、電池ケース100の外部側にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる部分を有することが更に好ましい。なお、負極外部端子9の表面にニッケルメッキ等が施されていることが好ましい。
【0017】
正極板と正極外部端子7の間の導電経路には、電池ケース100内の圧力が所定値以上となった際に作動し、正極板と正極外部端子7の間の導電経路を遮断する電流遮断機構60が設けられることが好ましい。なお、負極板と負極外部端子9の間の導電経路に電流遮断機構を設けてもよい。
【0018】
封口板2には電池ケース100内の圧力が所定値以上となった際に破断し、電池ケース100内のガスを電池ケース100外に排出するガス排出弁17が設けられている。ガス排出弁17は、封口板2における他の部分よりも薄肉に形成されている。なお、封口板2をプレス加工することによりガス排出弁17を形成することができる。また、封口板2にガス排出弁用の貫通孔を設け、この貫通孔を薄肉の弁で塞ぎガス排出弁17とすることもできる。なお、ガス排出弁17の作動圧は、電流遮断機構60の作動圧よりも大きい値に設定する。
【0019】
封口板2には電解液注液孔15が設けられている。電解液注液孔15から電池ケース100内に電解液を注液した後、電解液注液孔15は封止栓16により封止される。
【0020】
次に角形二次電池20の製造方法について説明する。
[正極板の作製]
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)、導電剤としての炭素材料、及び分散媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)を含む正極スラリーを作製する。この正極スラリーを、正極芯体としての厚さ15μmの矩形状のアルミニウム箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、正極スラリー中のN−メチルピロリドンを取り除き、正極芯体上に正極活物質合剤層を形成する。その後、正極活物質合剤層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた正極板を所定の形状に切断する。
【0021】
図3は、上述の方法で作製した正極板4の平面図である。
図3に示すように、正極板4は、矩形状の正極芯体4aの両面に正極活物質合剤層4bが形成された本体部を有する。
本体部の端辺から正極芯体4aが突出しており、この突出した正極芯体4aが正極タブ40を構成する。なお、正極タブ40は、
図3に示すように正極芯体4aの一部であっても良いし、他の部材を正極芯体4aに接続し、正極タブ40としてもよい。また、正極タブ40において正極活物質合剤層4bと隣接する部分には、正極活物質合剤層4bの電気抵抗よりも大きな電気抵抗を有する正極保護層4dが設けられることが好ましい。この正極保護層4dは、アルミナ、シリカ、ジルコニア等のセラミック粒子、及びバインダーを含むことが好ましい。また、正極保護層4dは、炭素材料等の導電性粒子を含むことが更に好ましい。
【0022】
[負極板の作製]
負極活物質としての黒鉛、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び水を含む負極スラリーを作製する。この負極スラリーを、負極芯体としての厚さ8μmの矩形状の銅箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、負極スラリー中の水を取り除き、負芯体上に負極活物質合剤層を形成する。その後、負極活物質合剤層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた負極板を所定の形状に切断する。
【0023】
図4は、上述の方法で作製した負極板5の平面図である。
図4に示すように、負極板5は、矩形状の負極芯体5aの両面に負極活物質合剤層5bが形成された本体部を有する。本体部の端辺から負極芯体5aが突出しており、この突出した負極芯体5aが負極タブ50を構成する。なお、負極タブ50は、
図4に示すように負極芯体5aの一部であっても良いし、他の部材を負極芯体5aに接続し、負極タブ50としてもよい。
【0024】
[電極体要素の作製]
50枚の正極板4及び51枚の負極板5を上述の方法で作製し、これらをポリオレフィン製の方形状のセパレータを介して積層し積層型の電極体要素(3a、3b)を作製する。
図5に示すように、積層型の電極体要素(3a、3b)は、一方の端部において、各正極板4の正極タブ40が積層され、各負極板5の負極タブ50が積層されるように作製される。電極体要素(3a、3b)の両外面にはセパレータが配置され、テープ等により各極板及びセパレータが積層された状態に固定することができる。あるいは、セパレータに接着層を設け、セパレータと正極板4、セパレータと負極板5がそれぞれ接着されるようにしてもよい。
【0025】
なお、セパレータの平面視の大きさは負極板5と同じ、あるいは負極板5よりも大きくすることが好ましい。2枚のセパレータの間に正極板4を配置し、セパレータの周縁を熱溶着した状態とした後、正極板4と負極板5を積層してもよい。なお、電極体要素(3a、3b)を作製するに当たり、長尺状のセパレータを用い、長尺状のセパレータを九十九折状にしながら正極板4及び負極板5を積層することもできる。また、長尺状のセパレータを用い、長尺状のセパレータを巻回しながら正極板4及び負極板5を積層することもできる。
【0026】
[封口板への各部品取り付け]
図2、
図6〜
図8を用いて、封口板2への正極外部端子7及び第1正極集電体6aの取り付け方法及び電流遮断機構60の構成を説明する。
封口板2に設けられた正極端子取り付け孔2aの外面側に外部側絶縁部材11を配置し、正極端子取り付け孔2aの内面側に内部側絶縁部材10及びカップ形状を有する導電部材61を配置する。次に、正極外部端子7を、外部側絶縁部材11の貫通孔、封口板2の正極端子取り付け孔2a、内部側絶縁部材10の貫通孔及び導電部材61の貫通孔のそれぞれに挿入する。そして、正極外部端子7の先端を導電部材61上にカシメる。これにより、正極外部端子7、外部側絶縁部材11、封口板2、内部側絶縁部材10及び導電部材
61が固定される。なお、正極外部端子7においてカシメられた部分と導電部材61はレーザ溶接等により溶接されることが好ましい。また、内部側絶縁部材10及び外部側絶縁部材11はそれぞれ樹脂製であることが好ましい。
【0027】
導電部材61は電極体3側に開口部を有する。円盤状の変形板62は、導電部材61の開口部を塞ぐように配置され、変形板62の周縁が導電部材61に溶接接続される。これにより、導電部材61の開口部が変形板62により密閉されている。なお、導電部材61及び変形板62はそれぞれ金属製であることが好ましく、アルミニウム又はアルミニウム合金であることがより好ましい。
【0028】
次に、変形板62の電極体3側に、樹脂製の第3絶縁部材63が配置される。第3絶縁部材63は接続部を有し、この接続部が内部側絶縁部材10に接続されることが好ましい。また、第3絶縁部材63に爪状の引っ掛け固定部を設け、導電部材61にフランジ部、凹部又は凸部を設け、第3絶縁部材63の引っ掛け固定部を、導電部材61にフランジ部、凹部又は凸部に固定することが好ましい。
【0029】
第3絶縁部材63の電極体3側の面には固定用突起が形成されている。また、第3絶縁部材63は、変形板62の下方に配置される絶縁部材第1領域63xと、絶縁部材第1領域63xにおける端部から封口板2に向かって延びる絶縁部材第2領域63yと、絶縁部材第2領域63yの端部から封口板2に沿って延びる絶縁部材第3領域63zを有することが好ましい。絶縁部材第3領域63zにおいて、封口板2の電解液注液孔15と対向する位置には、絶縁部材開口63bが設けられている。また、絶縁部材開口63bの縁部には、電極体3に向かって突出する絶縁部材突起63cが設けられている。
【0030】
次に、第1正極集電体6aを第3絶縁部材63の電極体3側に配置する。第1正極集電体6aは、固定用貫通孔を有する。そして、第3絶縁部材63の固定用突起を第1正極集電体6aの固定用貫通孔に挿入し、固定用突起の先端を拡径し、第3絶縁部材63と第1正極集電体6aを固定する。これにより固定部70が形成される。固定部70は、
図6に示すように、変形板62と第1正極集電体6aの接続部を囲むように4箇所に設けられることが好ましい。
【0031】
その後、第3絶縁部材63に設けられた貫通孔を介して、変形板62と第1正極集電体6aが溶接接続される。なお、第1正極集電体6aは、薄肉部6cを有し、この薄肉部6cにおいて変形板62と溶接接続されることが好ましい。薄肉部6cの中央には開口が設けられ、この開口の縁部を変形板62と溶接接続することが好ましい。また、薄肉部6cには、第1正極集電体6aと変形板62の接続部を囲むように、環状のノッチ部を設けることがより好ましい。
【0032】
電池ケース100内の圧力が所定値以上となったとき、変形板62の中央部が上方(正極外部端子7側)に移動するように変形板62が変形する。この変形板62の変形に伴い、第1正極集電体6aの薄肉部6cが破断する。これにより、正極板4と正極外部端子7の導電経路が切断される。
【0033】
なお、正極外部端子7に端子貫通孔7bを設けておき、この端子貫通孔7bを通じて電流遮断機構60内部にガスを流し込み、導電部材61と変形板62の接続部のリークチェックを行うことができる。また、ガスにより変形板62を第1正極集電体6aに押し付けた状態で変形板62と第1正極集電体6aを溶接接続することもできる。最終的に端子貫通孔7bは、端子封止部材7aにより封止される。端子封止部材7aは、金属部材7xとゴム部材7yを有することが好ましい。
【0034】
第1正極集電体6aは、電極体3側の面に集電体突起6xを有する。
【0035】
図2、
図6、
図7、及び
図9を用いて、封口板2への負極外部端子9及び第1負極集電体8aの取り付け方法を説明する。
封口板2に設けられた負極端子取り付け孔2bの外面側に外部側絶縁部材13を配置し、負極端子取り付け孔2bの内面側に内部側絶縁部材12及び第1負極集電体8aを配置する。次に、負極外部端子9を、外部側絶縁部材13の貫通孔、封口板2の負極端子取り付け孔2b、内部側絶縁部材12の貫通孔及び第1負極集電体8aの貫通孔のそれぞれに挿入する。そして、負極外部端子9の先端を第1負極集電体8a上にカシメる。これにより、外部側絶縁部材13、封口板2、内部側絶縁部材12及び第1負極集電体8aが固定される。なお、負極外部端子9においてカシメられた部分と第1負極集電体8aはレーザ溶接等により溶接されることが好ましい。また、内部側絶縁部材12及び外部側絶縁部材13はそれぞれ樹脂製であることが好ましい。
【0036】
[第2集電体とタブの接続]
図10は、第2正極集電体6bへの正極タブ40の接続方法、第2負極集電体8bへの負極タブ50の接続方法を示す図である。上述の方法で2つの電極体要素を作製し、それぞれ第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3bとする。なお、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bは全く同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。ここで、第1の電極体要素3aの複数枚の正極タブ40が第1正極タブ群40aを構成する。第1の電極体要素3aの複数枚の負極タブ50が第1負極タブ群50aを構成する。第2の電極体要素3bの複数枚の正極タブ40が第2正極タブ群40bを構成する。第2の電極体要素3bの複数枚の負極タブ50が第2負極タブ群50bを構成する。
【0037】
第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bの間に、第2正極集電体6bと第2負極集電体8bを配置する。そして、第1の電極体要素3aから突出する積層された複数枚の正極タブ40からなる第1正極タブ群40aを第2正極集電体6b上に配置し、第1の電極体要素3aから突出する積層された複数枚の負極タブ50からなる第1負極タブ群50aを第2負極集電体8b上に配置する。また、第2の電極体要素3bから突出する積層された複数枚の正極タブ40からなる第2正極タブ群40bを第2正極集電体6b上に配置し、第2の電極体要素3bから突出する積層された複数枚の負極タブ50からなる第2負極タブ群50bを第2負極集電体8b上に配置する。第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bはそれぞれ第2正極集電体6bに溶接接続され溶接接続部90が形成される。第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bはそれぞれ第2負極集電体8bに溶接接続され溶接接続部90が形成される。溶接接続は、次のように行うことができる。
【0038】
上下から溶接治具により積層されたタブ(第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第1負極タブ群50a、第2負極タブ群50b)と集電体(第2正極集電体6b、第2負極集電体8b)を挟み込み、溶接を行う。ここで溶接方法は、超音波溶接、あるいは抵抗溶接が好ましい。これにより、積層されたタブと集電体がより確実に溶接接続される。タブの積層数が多い場合、例えば積層数が20枚以上の場合、レーザ溶接等と比較し、一対の溶接治具により挟み込んだ状態で溶接を行えるため超音波溶接又は抵抗溶接の方がより信頼性の高い溶接接続部を形成することができる。なお、一対の溶接治具は、抵抗溶接の場合は一対の抵抗溶接用電極であり、超音波溶接の場合はホーン及びアンビルである。なお、タブ(第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第1負極タブ群50a、第2負極タブ群50b)と集電体(第2正極集電体6b、第2負極集電体8b)の接続は、レーザ溶接で接続することもできる。
【0039】
第1の電極体要素3aの第1正極タブ群40aは、第2正極集電体6bにおいて、第2正極集電体6bの幅方向における中央部よりも一方側に接続されている。第2の電極体要
素3bの第2正極タブ群40bは、第2正極集電体6bにおいて、第2正極集電体6bの幅方向における中央部よりも他方側に接続されている。
第2の電極体要素3bの第1負極タブ群50aは、第2負極集電体8bにおいて、第2負極集電体8bの幅方向における中央部よりも一方側に接続されている。第2の電極体要素3bの第2負極タブ群50bは、第2正極集電体6bにおいて、第2正極集電体6bの幅方向における中央部よりも他方側に接続されている。
【0040】
図10に示すように、第2正極集電体6bには開口部6zが設けられている。第2正極集電体6bを第1正極集電体6aに接続した後、開口部6zは封口板2に設けられた電解液注液孔15と対応する位置に配置される。そして、第1の電極体要素3aの第1正極タブ群40aは、第2正極集電体6bの幅方向において開口部6zよりも一方側に接続されている。また、第2の電極体要素3bの第2正極タブ群40bは、第2正極集電体6bの幅方向において開口部6zよりも他方側に接続されている。封口板2に対して垂直な方向から第2正極集電体6b、第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bを見たとき、第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bにおいて、第2正極集電体6bと略平行に配置される部分が、開口部6zと重ならないようにされることが好ましい。これにより、第2正極集電体6bないし第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40bが電解液の注液を妨げることを防止できる。
【0041】
なお、封口板2に第1正極集電体6a及び第1負極集電体8aを固定する工程と、第2正極集電体6b及び第2負極集電体8bにそれぞれ正極タブ40及び負極タブ50を接続する工程は、いずれを先に行ってもよい。
【0042】
[第1正極集電体と第2正極集電体の接続]
図6及び
図7に示すように、第1正極集電体6aには、集電体突起6xが設けられている。そして、
図10に示すように、第2正極集電体6bには集電体開口6yが設けられている。
図7及び8に示すように、第1正極集電体6aの集電体突起6xが、第2正極集電体6bの集電体開口6y内に位置するようにして、第2正極集電体6bを第3絶縁部材63上に配置する。そして、第1正極集電体6aの集電体突起6xと第2正極集電体6bの集電体開口6yの縁部をレーザ等のエネルギー線の照射により溶接する。これにより、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bが接続される。なお、第2正極集電体6bの集電体開口6yの周囲には集電体第1凹部6fが設けられている。即ち、集電体第1凹部6fの中央に、集電体開口6yが形成されている。集電体第1凹部6fにおいて、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bが溶接接続されている。
【0043】
図8に示すように、第2正極集電体6bは、集電体第1領域6b1、集電体第2領域6b2、集電体第3領域6b3を有する。集電体第1領域6b1には、正極タブ40が接続される。集電体第3領域6b3には、第1正極集電体6aが接続される。集電体第2領域6b2は、集電体第1領域6b1と集電体第3領域6b3を繋ぐ。そして、封口板2に対して垂直な方向において、封口板2と集電体第1領域6b1の距離は、封口板2と集電体第3領域6b3の距離よりも小さい。このような構成であると、集電部が占めるスペースをより小さくでき、より体積エネルギー密度の高い角形二次電池となる。
【0044】
図10に示すように、第2正極集電体6bにおいて、集電体開口6yの両側にターゲット孔6eが設けられている。第1正極集電体6aと第2正極集電体6bをレーザ等のエネルギー線の照射により溶接する際、ターゲット孔6eを画像補正用のターゲットとすることが好ましい。ターゲット孔6eを画像検出し、位置補正を行い、集電体開口6yの形状に沿ってエネルギー線の照射を行うことが好ましい。なお、ターゲット孔6eは貫通孔とせず、凹部とすることもできる。なお、ターゲット孔6eの平面視における面積は、集電体開口6yの平面視における面積よりも小さいことが好ましい。また、第2正極集電体6
bの幅方向において、直線上に集電体開口6yとターゲット孔6eが並ぶように配置することが好ましい。
【0045】
図8に示すように、第1正極集電体6aの第3絶縁部材63と対向する面であって、集電体突起6xの裏側には集電体第2凹部6wが形成されている。これにより、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bの間により大きな溶接接続部を形成し易くなるため好ましい。また、集電体第2凹部6wが形成されていることにより、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bを溶接接続する際に、溶接時の熱により第3絶縁部材63が損傷することを防止できる。
【0046】
図8に示すように、第3絶縁部材63の絶縁部材突起63cの下方(電極体3側)の先端が、第2正極集電体6bにおいて、開口部6zの周囲の下面よりも下方(電極体3側)に突出していることが好ましい。これにより、封止栓16と第2正極集電体6bが接触することを確実に防止できる。なお、絶縁部材突起63cは環状であることが好ましい。但し、絶縁部材突起63cは、必ずしも環状の必要はなく、一部切り欠かれた形状であってもよい。
【0047】
[第1負極集電体と第2負極集電体の接続]
図6及び
図7に示すように、第1負極集電体8aには、集電体突起8xが設けられている。そして、
図9及び
図10に示すように、第2負極集電体8bには集電体開口8yが設けられている。
図9に示すように、第1負極集電体8aの集電体突起8xが、第2負極集電体8bの集電体開口8y内に位置するようにして、第2負極集電体8bを内部側絶縁部材12上に配置する。そして、第1負極集電体8aの集電体突起8xと第2負極集電体8bの集電体開口8yの縁部をレーザ等のエネルギー線の照射により溶接する。これにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bが接続される。なお、
図10に示すように、第2負極集電体8bの集電体開口8yの周囲には集電体第1凹部8fが設けられている。即ち、集電体第1凹部8fの中央に、集電体開口8yが形成されている。集電体第1凹部8fにおいて、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bが溶接接続されている。また、第2負極集電体8bには、第2正極集電体6bと同様にターゲット孔8eが設けられている。
【0048】
図9に示すように、第1負極集電体8aの内部側絶縁部材12と対向する面であって、集電体突起8xの裏側には集電体第2凹部8wが形成されている。これにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの間により大きな溶接接続部を形成し易くなるため好ましい。また、集電体第2凹部8wが形成されていることにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接接続する際に、溶接時の熱により内部側絶縁部材12が損傷することを防止できる。
【0049】
図9に示すように、第2負極集電体8bは、集電体第1領域8b1、集電体第2領域8b2、集電体第3領域8b3を有する。集電体第1領域8b1には、負極タブ50が接続される。集電体第3領域8b3には、第1負極集電体8aが接続される。集電体第2領域8b2は、集電体第1領域8b1と集電体第3領域8b3を繋ぐ。そして、封口板2に対して垂直な方向において、封口板2と集電体第1領域8b1の距離は、封口板2と集電体第3領域8b3の距離よりも小さい。このような構成であると、集電部が占めるスペースをより小さくでき、より体積エネルギー密度の高い角形二次電池となる。
【0050】
なお、集電体突起6x及び集電体突起8xはそれぞれ非真円であることが好ましく、方形状、楕円状やトラック形状であることが好ましい。
【0051】
<第1絶縁部材と第2絶縁部材の接続>
上述のように正極タブ40と正極外部端子7とを電気的に接続し、負極タブ50と負極外部端子9とを電気的に接続した後、第1絶縁部材と第2絶縁部材を接続することが好ましい。
【0052】
図11は、第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12と第2絶縁部材80の斜視図である。内部側絶縁部材12は、封口板2の内面と対向する第1絶縁部材本体部12aを有する。第1絶縁部材本体部12aは板状であることが好ましい。第1絶縁部材本体部12aは、貫通孔12dを有し、この貫通孔12dに負極外部端子9が挿入される。内部側絶縁部材12の第1絶縁部材本体部12aの短手方向における両端には、電極体3に向かって突出する一対の第1側壁12bが設けられている。一対の第1側壁12bのそれぞれの外面には接続用凹部12eが設けられている。また、内部側絶縁部材12の第1絶縁部材本体部12aの長手方向における両端には、電極体3に向かって突出する一対の第2側壁12cが設けられている。
【0053】
第2絶縁部材80は、封口板2と対向するように配置される第2絶縁部材本体部80aを有する。第2絶縁部材本体部80aは、封口板2と電極体3の間に配置される。第2絶縁部材本体部80aは、封口板2の長手方向において、中央に幅広部80a1を有し、幅広部80a1の両側には幅広部80a1の幅よりも幅が小さい幅狭部80a2を有する。封口板2の短手方向において、第2絶縁部材本体部80aの幅広部80a1の両端には、第2絶縁部材本体部80aから封口板2に向かって延びる一対の側壁80bが設けられている。また、封口板2の短手方向において、第2絶縁部材本体部80aの幅広部80a1の両端には、第2絶縁部材本体部80aから封口板2に向かって延びる一対の接続部80cが設けられている。なお、側壁80bと接続部80cは封口板2の長手方向において間隔をおいて設けられていることが好ましい。これにより、一対の接続部80cを容易に変形させることができるため、接続部80cを第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12に接続する際、第2絶縁部材80が損傷・破損することを確実に防止できる。
【0054】
側壁80bの上端を封口板2の内面に接触されることが好ましい。なお、側壁80bの高さ(第2絶縁部材本体部80aから側壁80bの上端までの長さ)を、接続部80cの高さ(第2絶縁部材本体部80aから接続部80cの上端までの長さ)より大きくすることができる。
【0055】
図12は第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12と第2絶縁部材80の接続箇所近傍の封口板の短手方向に沿った断面図である。第2絶縁部材80の接続部80cは、第2絶縁部材80の第2絶縁部材本体部80aから封口板2に向かって延びる縦壁80c1と、縦壁80c1の内側面から第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12に向かって突出する突出部80c2を有する。そして、この突出部80c2が、第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12の接続用凹部12eに嵌合される。これにより、第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12と第2絶縁部材80が接続される。なお、第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12の第1側壁12bの封口板2側の端部に接続用凹部を設け、第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12と封口板2の間に突出部80c2が配置されるようにしてもよい。
【0056】
第2絶縁部材80において、封口板2に設けられたガス排出弁17と対向する位置には遮蔽部材としての金属板81が配置されることが好ましい。
【0057】
図13は第2絶縁部材80の上面図である。なお、
図13における破線は、金属板81の外周縁を示している。第2絶縁部材80においては、金属板81が樹脂製の第2絶縁部材80内にモールドされている。
【0058】
金属板81は、鉄、ステンレス等の鉄合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなることが好ましい。なお、金属板81の融点は、封口板2の融点よりも高いことが好ましい。例えば、封口板2がアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、金属板81がステンレスからなることが好ましい。
【0059】
<電極体作製>
図10における第1の電極体要素3aの上面と第2の電極体要素3bの上面とが直接ないし他の部材を介して接するように第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bを湾曲させる。これにより、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを纏めて、一つの電極体3とする。なお、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを、テープ等により一つに纏めることが好ましい。あるいは、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを、箱状ないし袋状に成形した絶縁シート14内に配置して、一つに纏めることが好ましい。
【0060】
<角形二次電池の組み立て>
封口板2に取り付けられた電極体3を絶縁シート14で覆い、角形外装体1に挿入する。なお、絶縁シート14は平板上のものを箱状ないし袋状に曲げ成形したものであることが好ましい。そして、封口板2と角形外装体1をレーザ溶接等により接合し、角形外装体1の開口を封口する。その後、電解質溶媒及び電解質塩を含有する非水電解液を封口板2に設けられた電解液注液孔15より注液する。そして、電解液注液孔15を封止栓16で封止する。
【0061】
<角形二次電池20について>
角形二次電池20においては、封口板2に固定された第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12に、第2絶縁部材80が接続されている。したがって、角形二次電池20に振動や衝撃が加わった際に、第2絶縁部材80が電池ケース100内で大きく動くことを抑制できる。よって、第2絶縁部材80の位置ズレにより生じる可能性がある予期しない短絡を、確実に防止できる。あるいは、第2絶縁部材80が電池ケース100内部で動き、第2絶縁部材80が正極タブ40ないし負極タブ50を損傷させることを防止できる。
【0062】
なお、第1正極タブ群40aと第2正極タブ群40bの間に第2絶縁部材80の一方の幅狭部80a2が配置され、第1負極タブ群50aと第2負極タブ群50bの間に第2絶縁部材80の他方の幅狭部80a2が配置されることが好ましい。また、封口板2の長手方向において、第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bと、第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bの間に第2絶縁部材80の幅広部80a1が配置されることが好ましい。このような構成であると、第2絶縁部材80がタブを損傷させることをより確実に防止できる。なお、第2絶縁部材80は、必ずしも幅広部と幅狭部を有する必要はない。
【0063】
封口板2の短手方向において、第2絶縁部材80の第2絶縁部材本体部80aの幅広部80a1の両端には、第2絶縁部材本体部80aから封口板2に向かって延びる一対の側壁80bが設けられている。このような構成であると、第2絶縁部材80の第2絶縁部材本体部80aと封口板2の間にガスの流路を確実に確保できる。即ち、第2絶縁部材本体部80aがガス排出弁17を塞ぐことをより確実に防止できる。よって、第2絶縁部材80がガス排出弁17からのガス排出を阻害することを防止できる。また、第2絶縁部材80がガス弁に接触することを防止できる。
【0064】
封口板2の長手方向において、側壁80bの長さは、第2絶縁部材本体部80aの長さよりも短いことが好ましい。これにより、ガス排出弁17が作動したとき、電極体3内で発生したガスを電池ケース100の外部によりスムーズに排出できる。
【0065】
第2絶縁部材80において、封口板2に設けられたガス排出弁17と対向する位置に金属板81が配置されていることが好ましい。これにより、角形二次電池20に異常が生じた際に、電極体3から噴出した高温のガスがガス排出弁17に直接吹き付けられることを抑制できる。これにより、ガス排出弁17が破断した際に、ガス排出弁17から高温のガスや火花が噴出することを防止できる。なお、金属板81はステンレス製であることが特に好ましい。
【0066】
金属板81の第2絶縁部材80への取り付け方法は特に限定されない。第2絶縁部材80の上面(封口板2側の面)ないし下面(電極体3側の面)に接着や嵌合等により取り付けることができる。また、
図2及び
図12に示すように樹脂製の第2絶縁部材80の内部に金属板81を配置してもよい。このような構成であると、金属板81を介した予期しない正負極の短絡をより確実に防止できる。なお、樹脂製の第2絶縁部材80の内部に金属板81を配置する方法としてはモールディングが好ましい。
【0067】
角形二次電池20では、金属板81を保持する第2絶縁部材80が、封口板2に固定された第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12に接続されている。したがって、金属板81の位置を所定の位置に確実に配置でき、また、金属板81の位置ズレを抑制できる。よって、より確実に、ガス排出弁17から高温のガスや火花等が封出することを抑制できる。また、第2絶縁部材に側壁80bが設けられていることにより、金属板81を介した予期せぬ正負極間の短絡をより確実に防止できる。
【0068】
なお、側壁80bと接続部80cを別々に設ける必要はない。例えば、第2絶縁部材80において、側壁80bに突出部を設け、第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12と接続される接続部とすることもできる。
【0069】
第1絶縁部材としての内部側絶縁部材12及び第2絶縁部材は樹脂製であることが好ましく。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又はエチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)等からなるものを用いることができる。
【0070】
第2絶縁部材80の第2絶縁部材本体部80aに貫通孔を設けることができる。なお、貫通孔を設ける位置は、封口板2の長手方向において、封口板2に設けられた電解液注液孔15が中央より(ガス排出弁17側)に設けられることが好ましい。
【0071】
図14は、第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bと、第2負極集電体8bとの接続部近傍の封口板2の短手方向に沿った断面図である。
図14に示すように、第1の電極体要素3aの第1負極タブ群50aと、第2の電極体要素3bの第2負極タブ群50bとが、それぞれ第2負極集電体8bに溶接接続されている。そして、第2絶縁部材80の幅狭部80a2が、第1負極タブ群50aと第2負極タブ群50bの間に配置されている。
【0072】
このような構成によると、第2負極集電体8bと第1負極タブ群50aの付け根部分の間、及び、第2負極集電体8bと第2負極タブ群50bの付け根部分の間に空間Sが確保できる。空間Sが、電極体3内で発生したガスのガス排出弁17への流路となる。このため上述の構成によると、角形二次電池に異常が生じた場合に、ガスをスムーズに電池ケース外に排出できるため、より信頼性の高い角形二次電池となる。
【0073】
第2絶縁部材80の幅狭部80a2において、第1負極タブ群50aないし第2負極タブ群50bと対向するコーナー部Cは面取りされていることが好ましい。これにより、第
2絶縁部材80の幅狭部80a2により、第1負極タブ群50aないし第2負極タブ群50bが損傷することを確実に防止できる。
【0074】
なお、負極側と同様、正極側においても、第1の電極体要素3aの第1正極タブ群40aと、第2の電極体要素3bの第2正極タブ群40bとの間に、第2絶縁部材80の幅狭部80a2が配置される。これにより、第2正極集電体6bと第1正極タブ群40aの付け根部分の間、及び、第2正極集電体6bと第2正極タブ群40bの付け根部分の間に空間が確保できる。
【0075】
≪変形例1≫
図15は、変形例1に係る二次電池における、封口板2、遮蔽部材としてのステンレス製の金属板181、及び樹脂製の第2絶縁部材180の封口板2の短手方向に沿った断面図である。
図15に示すように、金属板181が、封口板2と電極体3の間であって、ガス排出弁17と対向する位置に配置される。金属板181は、封口板2に対向するように配置される遮蔽部材本体部181aと、遮蔽部材本体部181aの両端部から封口板2に向かって延びる一対の遮蔽部材側壁部181bを有する。遮蔽部材本体部181aは、封口板2に対して略平行に配置される。例えば、封口板2に対して遮蔽部材本体部181aの傾きを、−10°〜10°程度とすることができる。遮蔽部材側壁部181bは遮蔽部材本体部181aの封口板2の短手方向における端部に設けられている。なお、遮蔽部材本体部181aにおいて、封口板2の長手方向における両端部側には側壁部は形成されていない。
【0076】
また、第2絶縁部材180は、封口板2に対向するように配置される第2絶縁部材本体部180aと、第2絶縁部材本体部180aの両端部から封口板2に向かって延びる一対の絶縁部材側壁部180bを有する。第2絶縁部材本体部180aは、封口板2に対して略平行に配置される。例えば、封口板2に対して第2絶縁部材本体部180aの傾きを、−10°〜10°程度とすることができる。
絶縁部材側壁部180bは第2絶縁部材本体部180aの封口板2の短手方向における端部に設けられている。遮蔽部材本体部181aは第2絶縁部材本体部180aの内部に配置され、遮蔽部材側壁部181bは絶縁部材側壁部180bの内部に配置されている。
図15に示すように、絶縁部材側壁部180bは、封口板2においてガス排出弁17とは異なる位置に接触している。
【0077】
金属板181は、一対の遮蔽部材側壁部181bを有する。このため、電極体3から高温のガスが噴出された際、第2絶縁部材180が溶融し、金属板181が封口板2側に移動しても、遮蔽部材本体部181aが封口板2に接触し、遮蔽部材本体部181aがガス排出弁17を塞ぎガスの排出を阻害することを確実に防止できる。
【0078】
≪変形例2≫
図16は、変形例2に係る角形二次電池における、封口板2、遮蔽部材としてのステンレス製の金属板281、及び樹脂製の第2絶縁部材280の封口板2の短手方向に沿った断面図である。
図16に示すように、金属板281が、第2絶縁部材280の封口板2側の面に取り付けられている。
金属板281は、封口板2に対向するように配置される遮蔽部材本体部281aと、遮蔽部材本体部281aの両端部から封口板2に向かって延びる一対の遮蔽部材側壁部281bを有する。遮蔽部材本体部281aは、封口板2に対して略平行に配置される。遮蔽部材側壁部281bは遮蔽部材本体部281aの封口板2の短手方向における端部に設けられている。
また、第2絶縁部材280は、封口板2に対向するように配置される第2絶縁部材本体部280aと、第2絶縁部材本体部280aの両端部から封口板2に向かって延びる一対
の絶縁部材側壁部280bを有する。第2絶縁部材本体部280aは、封口板2に対して略平行に配置される。
絶縁部材側壁部280bは第2絶縁部材本体部280aの封口板2の短手方向における端部に設けられている。
なお、金属板281の第2絶縁部材280への取り付け方法は特に限定されない。接着剤等により、金属板281を第2絶縁部材280に貼り付けても良い。また、金属板281を第2絶縁部材280に嵌合接続しても良い。
【0079】
≪変形例3≫
図17は、変形例3に係る角形二次電池における、封口板2、遮蔽部材としてのステンレス製の金属板381、及び樹脂製の第2絶縁部材380の封口板2の短手方向に沿った断面図である。
図17に示すように、金属板381が、第2絶縁部材380の電極体3側の面に取り付けられている。金属板381は、封口板2に対向するように配置される遮蔽部材本体部381aを有する。
また、第2絶縁部材380は、封口板2に対向するように配置される第2絶縁部材本体部380aと、第2絶縁部材本体部380aの両端部から封口板2に向かって延びる一対の絶縁部材側壁部380bを有する。絶縁部材側壁部380bは第2絶縁部材本体部380aの封口板2の短手方向における端部に設けられている。
なお、金属板381の第2絶縁部材380への取り付け方法は特に限定されない。接着剤等により、金属板381を第2絶縁部材380に貼り付けても良い。また、金属板381を第2絶縁部材380に嵌合接続しても良い。
【0080】
≪変形例4≫
図18は、変形例4に係る角形二次電池における、封口板2、遮蔽部材としてのステンレス製の金属板481、及び樹脂製の第2絶縁部材480の封口板2の短手方向に沿った断面図である。
図18に示すように、金属板481が、第2絶縁部材480内に配置されている。金属板481は樹脂製の第2絶縁部材480内にモールドされていることが好ましい。第2絶縁部材480の電極体3側の面には開口482が形成されており、開口482が設けられた部分で、金属板481が露出している。
【0081】
≪変形例5≫
図19は、変形例5に係る角形二次電池における、遮蔽部材としての金属板581の斜視図である。金属板581は、遮蔽部材本体部581aと、遮蔽部材本体部581aから封口板2に向かって延びる第1遮蔽部材側壁部581b1、第2遮蔽部材側壁部581b2、第3遮蔽部材側壁部581b3及び第4遮蔽部材側壁部581b4を有する。第1遮蔽部材側壁部581b1、第2遮蔽部材側壁部581b2、第3遮蔽部材側壁部581b3及び第4遮蔽部材側壁部581b4はそれぞれ離れた位置に形成されている。このような金属板581を用いることにより、より確実にガスの流路を確保することができる。
【0082】
この金属板581を第2絶縁部材の内部に配置することができる。例えば、
図15に示す第2絶縁部材180のような形状の第2絶縁部材を用い、第2絶縁部材本体部180a内に遮蔽部材本体部581aを配置し、一方の絶縁部材側壁部180b内に第1遮蔽部材側壁部581b1と第2遮蔽部材側壁部581b2を配置し、他方の絶縁部材側壁部180b内に第3遮蔽部材側壁部581b3と第4遮蔽部材側壁部581b4を配置することができる。
【0083】
なお、この場合、絶縁部材側壁部180bにおいて、金属板581が配置されていない部分に開口を設け、ガスの流路とすることができる。例えば、絶縁部材側壁部180bに
おいて、第1遮蔽部材側壁部581b1と第2遮蔽部材側壁部581b2の間に位置する部分や、第3遮蔽部材側壁部581b3と第4遮蔽部材側壁部581b4の間に位置する部分に開口を設けることができる。
【0084】
≪変形例6≫
図20は、変形例6に係る角形二次電池における、内部に遮蔽部材としての金属板681が配置された第2絶縁部材680の下面(電極体3側の面)を示す図と、長手方向に沿った断面図である。なお、
図20において破線で示された部分は金属板681の外周縁の位置である。第2絶縁部材680は、封口板2に対向するように配置される第2絶縁部材本体部680aを有する。第2絶縁部材本体部680aは、幅広部680a1と、幅広部680a1の両側に設けられた幅狭部680a2を有する。
【0085】
第2絶縁部材680は、金属板681が配置された位置に開口680xを有する。この開口680xにおいて、金属板681が露出している。金属板681の露出部682は、ガス排出弁17と対向する位置に設けられることが好ましい。露出部682にはスリット状の貫通孔683が複数形成されている。このような形状であれば、電池ケースの外部にガスをスムーズに排出しながら、電池ケースの外部に高温物体が可燃性ガスとともに吹き出されることを抑制できる。なお、貫通孔683は円形等にしてもよい。
【0086】
なお、上述の実施形態において、第2絶縁部材80は樹脂製であり、樹脂部材に相当する。また、第2絶縁部材本体部80aは樹脂部材本体部に相当し、側壁80bが樹脂部材側壁に相当する。また、上述の変形例1〜6において、第2絶縁部材180、第2絶縁部材280、第2絶縁部材380、第2絶縁部材480、及び第2絶縁部材680は樹脂製であり、それぞれ樹脂部材に相当する。
【0087】
<その他>
金属製の遮蔽部材の表面のうち、50%以上が樹脂部材により覆われていることが好ましく、70%以上が樹脂部材により覆われていることが好ましい。
【0088】
電極体3を構成するセパレータの封口板2側の端部と、第2絶縁部材80の間には隙間を設けることができる。即ち、電極体3を構成するセパレータの封口板2側の端部が、第2絶縁部材80と接しないようにすることができる。
【0089】
電極体3が複数枚の正極板及び複数枚の負極板を有する積層型電極体の場合や、電極体3が巻回電極体であり、その巻回軸が封口板に対して垂直な方向になるように配置される場合、電極体3において、正極板の先端部、負極板の先端部、及びセパレータの先端部が封口板2側に位置する。このような構成であると、封口板2に電解液注液孔15が設けられている場合、電極体3への電解液の注液性が向上する。
このような場合、負極板における負極活物質合剤層の封口板2側の端部よりも、セパレータの封口板2側の端部が、封口板2側に突出していることが好ましい。また、電極体3において、正極板における正極活物質合剤層の封口板2側の端部よりも、セパレータの封口板2側の端部が、封口板2側に突出していることが好ましい。また、正極板とセパレータが接着層により接着され、負極板とセパレータが接着層により接着されていることが好ましい。このような構成であると、第2絶縁部材に、正極活物質合剤層及び負極活物質合剤層が接触し、正極活物質層ないし負極活物質層が損傷することを確実に防止できる。
【0090】
正極板と正極外部端子7の間の導電経路及び負極板と負極外部端子9の間の導電経路の一方のみに電流遮断機構を設けることができる。この場合、電流遮断機構が設けられていない側の第1絶縁部材のみに第2絶縁部材を接続することができる。これにより、電流遮断機構の脆弱部への負荷を低減できる。
上述の実施形態に示すように、正極板と正極外部端子7の間の導電経路に電流遮断機構が形成されていることが好ましい。このような場合、第2絶縁部材を、負極側の第1絶縁部材のみに接続されるようにすることができる。
【0091】
上述の実施形態に示すように、正極板と正極外部端子7の間の導電経路に電流遮断機構が形成されていることが好ましい。このような場合、正極集電部材6における電極体3側の端部よりも、第2絶縁部材80の全体が封口板2側に位置するようにすることができる。このような構成であれば、より体積エネルギー密度の高い角形二次電池となる。
【0092】
上述の実施形態においては、角形二次電池に電流遮断機構60を設ける例を示したが、電流遮断機構を設けなくてもよい。また、内部側絶縁部材10と内部側絶縁部材12を一つの部品とすることもできる。
【0093】
上述の実施形態においては、封口板2と負極集電部材8を構成する第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの間に配置される内部側絶縁部材12を第1絶縁部材とし、この第1絶縁部材に第2絶縁部材80を接続する例を示した。封口板2と正極集電部材6の間に配置される第3絶縁部材63や内部側絶縁部材10に第2絶縁部材80を接続することも可能である。
【0094】
上述の実施形態においては、電極体3が二つの電極体要素3a、3bからなる例を示したが、これに限定されない。電極体3が一つの積層型電極体であってもよい。また、電極体3が、長尺状の正極板と長尺状の負極板をセパレータを介して巻回した一つの巻回型電極体であってもよい。また、二つの電極体要素3a、3bは、それぞれ積層型電極体に限定されず、長尺状の正極板と長尺状の負極板をセパレータを介して巻回した巻回型電極体であってもよい。
【0095】
上述の実施形態においては、正極集電部材が第1正極集電体及び第2正極集電体からなり、負極集電部材が第1負極集電体及び第2負極集電体からなる例を示したが、正極集電部材が一つの部品からなってもよいし、負極集電部材が一つの部品からなってもよい。
【0096】
上述の実施形態においては、積層型電極体を用いる例を示したが、巻回電極体を用いてもよい。また、角形外装体内の配置される巻回電極体の向きについても特に限定されない。
【0097】
上述の実施形態では第1絶縁部材と第2絶縁部材を接続する例を示したが、第1絶縁部材と第2絶縁部材を接続しなくてもよい。