特許第6750452号(P6750452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6750452
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】配線継手及びこれを備えた外装ケース
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20200824BHJP
【FI】
   F24H9/02 301Z
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-208478(P2016-208478)
(22)【出願日】2016年10月25日
(65)【公開番号】特開2018-71818(P2018-71818A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年9月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 直人
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4324860(JP,B2)
【文献】 実開昭59−179075(JP,U)
【文献】 特許第4472578(JP,B2)
【文献】 特開2016−067090(JP,A)
【文献】 特開2004−324996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02 − 9/14
H01R 9/00 − 9/28
H02G 3/08 − 3/20
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の導通板を備えた端子台と、前記1対の導通板に夫々配線端子を接続するための1対の固定部材と、1対の予備固定部材を保持する合成樹脂製の1対の固定部材保持部を備えた配線継手において、
前記1対の固定部材保持部は夫々円筒壁部を有し、
前記円筒壁部は、その軸心方向と平行に設けられたスリットであって前記円筒壁部を弾性変形可能とするスリットを有し、前記予備固定部材を弾性的に内面で保持可能とすることを特徴とする配線継手。
【請求項2】
前記配線継手は、前記端子台と前記1対の固定部材保持部を収容するケース部を備え、
前記ケース部は、底板部と、前記底板部の外縁部に立設された周壁部を有し、
前記端子台は、前記ケース部の一端側の前端部分に配置され、
前記1対の固定部材保持部は、前記ケース部の他端側の後端部分に前記底板部に立設されていることを特徴とする請求項1に記載の配線継手。
【請求項3】
前記周壁部の後端側壁部と前記1対の固定部材保持部の間に、前記1対の導通板に接続される配線を夫々保持可能であることを特徴とする請求項2に記載の配線継手。
【請求項4】
請求項2または3に記載の配線継手を備えた外装ケースにおいて、
前記配線継手は、前記周壁部の左右側壁部から上方且つ後方に向かって円弧状に延びて先端部に係合部を備えた左右1対の円弧状アーム部を有し、
前記周壁部の後端部に前記円弧状アーム部の軸心と同心状の支軸部を有し、
前記底板部には配線を挿通させて配線管を連結可能な連結部を有し、
前記端子台に前記1対の導通板の間に位置する仕切壁部を有し、この仕切壁部の前端部が前記周壁部の前端側壁部から前方に突出し、
前記外装ケースは開口部を有し、
前記開口部後端部に前記支軸部を係合させる係合部を有し、
前記開口部の前端部に前記仕切壁部の前端部が係合可能な切欠部を有し、
前記開口部に前記配線継手が前記係合部と前記支軸部を介して回動可能に取り付けられたことを特徴とする外装ケース。
【請求項5】
前記開口部は、その左右周縁部に立設された左右1対の起立壁部を有し、
前記開口部が前記配線継手により閉じられているときに、前記左右1対の起立壁部が前記周壁部に近接または当接していることを特徴とする請求項4に記載の外装ケース。
【請求項6】
前記外装ケースは給湯装置の外装ケースであり、前記連結部に挿通される配線がリモコンコードであることを特徴とする請求項4または5に記載の外装ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置とその操作端末を接続するための配線継手及びこの配線継手を備えた外装ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給湯装置には、熱交換器やバーナ等の内蔵機器等が風雨に曝されないように収容すると共に、給湯装置の組み立てを容易にするための外装ケースが備えられている。外装ケース内に収容された給湯装置の制御手段から延びる内部配線と、浴室や台所に設置される操作端末(リモコン)の配線(リモコンコード)が、外装ケースに装着された配線継手を介して接続され、リモコン操作により給湯装置を操作可能に構成されている。配線継手には、複数のリモコンを接続可能なように複数の固定部材(ビス)が螺合により固定され、配線接続作業時にはドライバで外して使用する。
【0003】
一般的な給湯装置の外装ケースは、内蔵機器等を固定する背面板と、天面板と、底面板と、左右の側面板と前面板により箱状に形成され、外部配管等と接続するための複数の開口部が底面板等に設けられている。給湯装置の組み立ての際には、天面板及び左右の側面板が結合された背面板を床面側にして作業台等に載置した状態で内蔵機器等を取り付ける。その後、配管や配線継手等が取り付けられた底面板を背面板及び左右の側面板に結合させて内蔵機器等と配管等を接続し、配線継手に内部配線を接続し、最後に前面板を取り付ける。
【0004】
こうして組み立てられた給湯装置は、底面板を床面側にして建物の壁面等に取り付けられ、配線継手にリモコンコードが接続される。配線継手は、ケース状に形成されて内部配線等が露出しないように外装ケースに装着され、接続作業や点検作業の作業が容易になるように開閉可能に構成されている。
【0005】
例えば、特許文献1の配線継手に相当するケーブル接続部材は、給湯器外板の開口部に装着され、接続作業は配線継手を傾動させて行い、点検作業は給湯器の前面板を開けて行うように構成されている。また、特許文献2の配線継手に相当する接続装置は、熱源装置の外装ケース底面に装着され、接続作業や点検作業の際には配線継手を回動させて作業を行いやすい姿勢に調整する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4472578号公報
【特許文献2】特許第4324860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1,2の配線継手は、外装ケースの前面板を開けて配線接続作業を行う構成ではない。また、リモコン増設時に使用するための予備のビスが配線継手に螺合により固定されているため、増設作業時にはドライバを使用して予備のビスを外す必要があるので作業性がよくなく、外したビスの落下・紛失の虞がある。さらに、特許文献2の配線継手は、配線継手前端部にリブ部を備え、リモコンコードを保護する配線管を配線継手に着脱する際の捩じり荷重に耐え得る強度を確保しているが、配線継手が前後に大きくなり外装ケースに収容される内蔵機器の配置設計の自由度が低下する。
【0008】
本発明の目的は、配線接続作業時の作業性を向上可能な配線継手及びこれを備えた外装ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、1対の導通板を備えた端子台と、前記1対の導通板に夫々配線端子を接続するための1対の固定部材と、1対の予備固定部材を保持する合成樹脂製の1対の固定部材保持部を備えた配線継手において、前記1対の固定部材保持部は夫々円筒壁部を有し、前記円筒壁部は、その軸心方向と平行に設けられたスリットであって前記円筒壁部を弾性変形可能とするスリットを有し、前記予備固定部材を弾性的に内面で保持可能とすることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、1対の予備固定部材が1対の固定保持部材の円筒壁部の弾性力により保持されるので、予備固定部材の脱落を防ぐと共に予備固定部材の引抜きが容易である。そのため、別途固定部材を用意する必要がなく、配線継手に備えられた予備固定部材を使用してこの配線継手に配線を追加接続するときの作業性を向上させることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記配線継手は、前記端子台と前記1対の固定部材保持部を収容するケース部を備え、前記ケース部は底板部と、前記底板部の外縁部に立設された周壁部を有し、前記端子台は、前記ケース部の一端側の前端部分に配置され、前記1対の固定部材保持部は、前記ケース部の他端側の後端部分の前記底板部に立設されていることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、ケース部前端部分に端子台が配置されたので、固定部材により配線を固定するときの作業性を向上させることができる。また、固定保持部材がケース部後端部分の底板部に立設されているので、固定保持部材が配線接続作業の妨げとなることがなく、作業性を低下させる虞がない。
【0013】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記周壁部の後端側壁部と前記1対の固定部材保持部の間に、前記1対の導通板に接続される配線を夫々保持可能であることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、1対の導通板に接続される配線の移動を抑えることができるので断線等の不具合を抑えると共に、固定部材により配線を導通板と接続するときの作業性を向上させることができる。
【0015】
第4の発明は、第2または第3の発明の配線継手を備えた外装ケースにおいて、前記配線継手は、前記周壁部の左右側壁部から上方且つ後方に向かって円弧状に延びて先端部に係合部を備えた左右1対の円弧状アーム部を有し、前記周壁部の後端部に前記円弧状アーム部の軸心と同心状の支軸部を有し、前記底板部には配線を挿通させて配線管を連結可能な連結部を有し、前記端子台に前記1対の導通板の間に位置する仕切壁部を有し、この仕切壁部の前端部が前記周壁部の前端側壁部から前方に突出し、前記外装ケースは開口部を有し、前記開口部後端部に前記支軸部を係合させる係合部を有し、前記開口部の前端部に前記仕切壁部の前端部が係合可能な切欠部を有し、前記開口部に前記配線継手が前記係合部と前記支軸部を介して回動可能に取り付けられたことを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、配線継手は、外装ケースの開口部に配線継手の支軸部を中心に回動可能に取付けられたので、作業環境に応じて配線継手の姿勢を変えて固定部材により配線を接続するときの作業性を向上させることができる。
【0017】
第5の発明は、第4の発明において、前記開口部は、その左右周縁部に立設された左右1対の起立壁部を有し、前記開口部が前記配線継手により閉じられているときに、前記左右1対の起立壁部が前記周壁部に近接または当接していることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、外装ケースの開口部が配線継手により閉じられているときに、配線継手の連結部に配線管を着脱するために配線継手に捩じり荷重が作用しても、開口部に設けられた左右1対の起立壁部と周壁部が当接し、開口部前端部の切欠部と仕切壁部の前端部が係合し、開口部と円弧状アーム部の基端部が当接するので、捩じり荷重をこれらの部位に分散させて受け止めることができ、配線継手の脱落や破損を防ぐことができる。また、配線継手を前後に小さく形成することができるので、内蔵機器の配置設計の自由度が向上すると共に、端子台を外装ケース前端に近づけて配置することができるので、前面板を開けて配線を接続するときの作業性が向上する。
【0019】
第6の発明は、第4または第5の発明において、前記外装ケースは給湯装置の外装ケースであり、前記連結部に挿通させる配線がリモコンコードであることを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、給湯装置の外装ケースに装着された配線継手を介して給湯装置の操作を行うリモコンと給湯装置を接続できるので、リモコンコードを接続するときの作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、配線接続作業時の作業性を向上可能な配線継手及びこれを備えた外装ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に係る配線継手の斜視図である。
図2図1の配線継手を反対方向から見た斜視図である。
図3】本発明の実施例に係る外装ケースの斜視図である。
図4】外装ケースの底面板に配線継手が装着された状態の要部斜視図である。
図5図4のV −V 線断面図である。
図6図4の配線継手が回動した状態の要部斜視図である。
図7図6のVII −VII 線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、図中の矢印Uは上方を、矢印Fは前方を、矢印Lは左方を示す。
【実施例】
【0024】
最初に、配線継手1について、図1図2に基づいて説明する。
配線継手1は、電気絶縁性の合成樹脂により形成され、左右1対の導通板2,3を備えた端子台4と、左右1対の導通板2,3及び端子台4に挿通されて導通板2,3に配線端子を接続するための1対の固定部材であるビス5a,5bと、左右1対の固定部材保持部6,7と、端子台4及び1対の固定部材保持部6,7を収容するケース部8を備えている。ケース部8は、底板部9とその外縁部に立設された周壁部10を有し、ケース部8一端側の前端部分に端子台4が配置され、ケース部8他端側の後端部分の底板部9に左右1対の固定部材保持部6,7が立設されている。
【0025】
左右1対の固定部材保持部6,7は、夫々円筒状に形成された円筒壁部を有しており、これらの円筒壁部にはその軸心方向と平行に夫々スリット6a,7a等が設けられている。例えば、右側の固定部材保持部6には、円筒壁部において前後に対向する位置である2箇所にスリット6a等が設けられ、これらのスリット6aにより円筒壁部の先端側部分が左右に弾性変形可能であり、左側の固定部材保持部7においても同様である。この円筒壁部の弾性力を利用して固定部材保持部6,7の内面で予備固定部材であるビス11a,11bを保持している。尚、円筒壁部に設けられるスリットは1つでもよく、3つ以上であってもよい。
【0026】
端子台4は、ケース部8の底板部9から前方に傾斜して且つ上方に延びるように設けられ、その前方上向きの先端部に左右1対の導通板2,3を有する。左右1対の導通板2,3は、その前方及び左右外方を周壁部10に設けられた前端側壁部10aにより外部から絶縁されている。導通板2,3の間には、これらを絶縁する仕切壁部4aが設けられ、この仕切壁部4aの前端部が前端側壁部10aから前方に突出している。
【0027】
導通板2,3は、夫々ビス挿通孔2a,3a等2つのビス挿通孔を有し、仕切壁部4a側の挿通孔には夫々ビス5a,5bが挿通されている。ビス5a,5bはタッピングビスであるが、他の締結用の部材により構成することもできる。尚、左右1対の導通板2,3は、図示を省略するが夫々の一端部にケース部8の底板部9に向かって延設された側板部を備え、この側板部に後述の内部配線30,31が接続される。
【0028】
周壁部10は、その左右側壁部から夫々上方且つ後方に向かって円弧状に延びる左右1対の円弧状アーム部10b,10cを有している。円弧状アーム部10b,10cは、先端部に夫々係合部10d,10eを備えている。周壁部10の後端部には、円弧状アーム部10b,10cの軸心と同心状に形成された支軸部10fと、配線保持部10gが設けられている。
【0029】
底板部9には、配線を挿通させると共に配線を保護するための配線管(図示略)を連結可能な下方に円筒状に延びる連結部9aが形成されている。配線管は螺合により連結部9aに着脱可能に連結される。
【0030】
また、周壁部10の前端側下部から前方に突出し且つ左右に延びる支持部12aが設けられ、この支持部12aの左右両端から上方に向かって延びる左右1対の弾性壁部12b,12cが設けられ、弾性壁部12b,12cの先端部分に夫々係合部12d,12eを有している。こうして配線継手は特許文献2と比べて前後に小さく形成されている。
【0031】
次に、外装ケース20について説明する。
図3に示すように、外装ケース20は箱状に形成され、夫々矩形状の背面板21、天面板22、右側面板23、左側面板24、底面板25、及び図示を省略するが矩形状の前面板を有する。底面板25には配管等を挿通するための複数の開口部が設けられ、そのうちの配線用の開口部26には、配線継手1が底面板25の下方から装着可能である。
【0032】
開口部26の後端部には、配線継手1の周壁部10後端部に設けられた支軸部10fに係合させる係合部26aが形成されている。開口部26の前端部には前記仕切壁部4aの前端部が係合可能な切欠部26bが形成されている。開口部26の左右周縁部には、左右1対の起立壁部26c,26dが上方に延びるように立設されている。また、外装ケース20には建物の壁面等に取り付けるための壁面取付金具20a等が設けられている。
【0033】
次に、本発明の作用、効果ついて説明する。
図4図5に示すように、配線継手1の支軸部10fと開口部26の係合部26aを係合させ、左右1対の弾性壁部12b,12c先端部分の係合部12d,12eを夫々底面板25に設けられた係合孔25a,25bに係合させて開口部26を閉じるように配線継手1が装着される。左右1対の円弧状アーム部10b,10cは開口部26から外装ケース20内側に突出する。この状態では、開口部26に設けられた左右1対の起立壁部26c,26dが周壁部10に近接または当接し、開口部前端部の切欠部26bと仕切壁部4aの前端部が係合し、開口部26の外縁部と円弧状アーム部10b、10cの基端部が当接する。
【0034】
図6図7に示すように、開口部26に装着された配線継手1は、左右1対の弾性壁部12b,12c先端部分の係合部12d,12eと係合孔25a,25bの係合を解いて、開口部26の係合部26aと配線継手1の支軸部10fを介して回動可能である。配線継手1が略90度回動すると、左右1対の円弧状アーム部10b,10c先端部の係合部10d,10eが開口部26の左右周縁部に係合して配線継手1の姿勢が維持される。
【0035】
図4図7に示すように、外装ケース20に収容された給湯装置の制御手段(図示略)から延びる1対の内部配線30,31が、開口部26に装着された配線継手1の左右1対の導通板2,3の側板部に夫々接続される。1対の内部配線30,31は、周壁部10後端部分に設けられた配線保持部10g、及び周壁部10の後端側壁部と左右1対の固定部材保持部6,7との間に夫々保持されるので、その移動が規制されて断線等の不具合を抑えることができる。また、リモコンコード32,33等を接続するときのスペースを確保して作業性を向上させることができる。
【0036】
配線継手1が装着された外装ケース20を有する給湯装置は、建物の壁面等に壁面取付金具20a等を介して取り付けられる。その後、この給湯装置を操作するリモコン(図示略)のリモコンコード32,33を底板部9の連結部9aを挿通させて配線継手1の導通板2,3に夫々接続する。リモコンコード32,33の接続は、配線継手1を閉じた状態で外装ケース20の前面板を開けて行うことができ、作業環境に応じて配線継手1を回動させて開いた状態で行うこともできる。
【0037】
配線継手1を閉じた状態でリモコンコード32,33を接続する場合、配線継手1が前後に小さく形成され、端子台4が配線継手1のケース部8前端部分に配置されたので、内蔵機器の配置設計の自由度が向上し、外装ケース20の前端に近い位置で接続作業ができるように配置できるので、作業性が向上する。開いた状態でリモコンコード32,33を接続する場合でも、接続作業の作業性は良好である。尚、リモコンコード32,33の先端部はY形端子であるが、ビス5a,5bにより導通板2,3に固定できればよく、丸形端子等他の端子を使用することもできる。
【0038】
リモコンコード32,33が配線管(図示略)に挿通され、配線継手1を閉じた状態でこの配線管を配線継手1の連結部9aに螺合等により着脱可能に連結してもよい。このとき、配線継手1には捩じり荷重が作用するが、開口部26に設けられた左右1対の起立壁部26c,26dと周壁部10が当接し、開口部26前端部の切欠部26bと仕切壁部4aの前端部が係合し、開口部26と円弧状アーム部10b,10cの基端部が当接することにより、捩じり荷重をこれらの部位に分散させて受け止めることができるので、配線継手1の脱落や破損を防ぐことができる。
【0039】
リモコンを増設して配線継手1にリモコンコード(図示略)を追加接続する場合、固定部材保持部6,7に保持されている予備のビス11a,11bを引抜いて、左右1対の導通板2,3の空いているビス挿通孔2a,3aにビス11a,11bを挿通して接続する。尚、ビス11a,11bはタッピングビスであるが、他の締結用の部材で構成してもよい。
【0040】
配線継手1の左右1対の固定部材保持部6,7に円筒壁部の弾性力により1対の予備のビス11a,11bが保持されているので、ビス11a,11bの脱落を防ぐと共にドライバを使用せずにビス11a,11bを容易に引抜くことができる。従って、配線継手1にリモコンコードを追加接続するときに別途ビスを用意する必要がなく、配線継手1に備えられた予備のビス11a,11bを使用してこの配線継手1にリモコンコードを追加接続するときの作業性を向上させることができる。
【0041】
配線継手1のケース部8前端部分に端子台4が配置されたので、配線継手1を閉じた状態で外装ケース20の前面板を開けてリモコンコードを追加接続するときの作業性を向上させることができる。配線継手1を回動させて開いた状態で配線を追加接続する場合でも、作業性は良好である。また、左右1対の固定部材保持部6,7はケース部8後端部分の底板部9に立設されているので、固定部材保持部6,7が配線接続作業の妨げにならず、作業性を低下させる虞がない。
【0042】
左右1対の導通板2,3に接続された1対のリモコンコード32,33は、左右1対の固定部材保持部6,7と周壁部10の後端側壁部との間に夫々保持可能であり、リモコンコード32,33はその移動が規制されて断線等の不具合を抑えることができる。また、リモコンコード追加接続作業等の作業スペースを確保して作業性を向上させることができる。リモコンの増設により追加接続されたリモコンコードにおいても同様である。
【0043】
以上説明した配線継手1及びこれを備えた外装ケース20は、給湯装置とリモコンの接続に限定されるものではなく、他の装置にも適用可能である。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0044】
1 配線継手
2,3 導通板
4 端子台
4a 仕切壁部
5a,5b ビス(固定部材)
6,7 固定部材保持部
6a,7a スリット
8 ケース部
9 底板部
9a 連結部
10 周壁部
10a 前端側壁部
10b,10c 円弧状アーム部
10f 支軸部
11a,11b ビス(予備固定部材)
12b,12c 弾性壁部
20 外装ケース
25 底面板
26 開口部
26a 係合部
26b 切欠部
26c,26d 起立壁部
30,31 内部配線
32,33 リモコンコード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7