【文献】
Marculescu C. et al.,Aryloxymaleimides for cystein modification, disulfide bridging and the dual functionalization of dis,Chem. Commun.,2014年 3月15日,Vol.50,pp.7139-7142
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記載において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、n-はnormal-体を、i-はイソ体を、それぞれ表す。
【0013】
[本発明の消光剤]
本発明の消光剤は、一般式(1)で示される化合物からなるものである。
【0014】
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{式中、n
1個のR
5はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基、ヒドロキシル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、R
6は、重合性不飽和基を有する基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基又は複素環式アミノ基を表し、Y
1は、酸素原子、硫黄原子又は−NR
32−を表し、R
32は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、An
-は、アニオンを表し、Ar
1は、下記一般式(1−1)〜(1−7)で示される環構造を表し;
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(式中、R
1及びR
4は、水素原子を表し、R
2及びR
3はそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は置換基を有するもしくは無置換の炭素数6〜14のアリール基を表し、R
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよい。)、
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(式中、R
31は、炭素数1〜20のアルキル基を表す。)、
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(式中、R
31は上記と同じ。)、
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(式中、R
31は上記と同じ。)、
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(式中、R
31は上記と同じ。)、
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(式中、R
31は上記と同じ。)、
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(式中、R
31は上記と同じ。)、
*及び**は、それぞれの結合位置を表し、Ar
2は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環を表す。Ar
2がベンゼン環の場合、n
1は0〜4の整数を表し、Ar
2がナフタレン環の場合、n
1は0〜6の整数を表し、Ar
2がアントラセン環の場合、n
1は0〜8の整数を表す。ただし、一般式(1)における下記の構造(1−10)は非対称構造である;
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(式中、n
1個のR
5、Y
1、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は上記と同じ。)。}
【0015】
一般式(1)のR
5におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0016】
一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のアルキル基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、シクロウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、n−トリデシル基、イソトリデシル基、n−テトラデシル基、イソテトラデシル基、n−ペンタデシル基、イソペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、n−オクタデシル基、イソオクタデシル基、n−ノナデシル基、イソノナデシル基、n−イコシル基、イソイコシル基、シクロヘキシルメチル基、1−シクロヘキシルエチル基、2−メチルシクロへキシル基、3−メチルシクロへキシル基、4−メチルシクロへキシル基、2,6−ジメチルシクロへキシル基、2,4−ジメチルシクロへキシル基、3,5−ジメチルシクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロへキシル基、2,3−ジメチルシクロへキシル基、3,3,5−トリメチルシクロへキシル基、4−tert−ブチルシクロへキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基がさらに好ましい。
【0017】
一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のアルコキシ基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、sec−ヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、ネオヘプチルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオオクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、sec−ノニルオキシ基、tert−ノニルオキシ基、ネオノニルオキシ基、シクロノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、イソデシルオキシ基、sec−デシルオキシ基、tert−デシルオキシ基、ネオデシルオキシ基、シクロデシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、シクロウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、シクロドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、イソトリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、イソテトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、イソペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、イソヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、イソヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、イソオクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、イソノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基、イソイコシルオキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
【0018】
一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のアルキルチオ基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、シクロブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、sec−ペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1−エチルプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、sec−ヘキシルチオ基、tert−ヘキシルチオ基、ネオヘキシルチオ基、2−メチルペンチルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、2,3−ジメチルブチルチオ基、1−エチルブチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、イソヘプチルチオ基、sec−ヘプチルチオ基、tert−ヘプチルチオ基、ネオヘプチルチオ基、シクロヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、イソオクチルチオ基、sec−オクチルチオ基、tert−オクチルチオ基、ネオオクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、シクロオクチルチオ基、n−ノニルチオ基、イソノニルチオ基、sec−ノニルチオ基、tert−ノニルチオ基、ネオノニルチオ基、シクロノニルチオ基、n−デシルチオ基、イソデシルチオ基、sec−デシルチオ基、tert−デシルチオ基、ネオデシルチオ基、シクロデシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、シクロウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基、シクロドデシルチオ基、n−トリデシルチオ基、イソトリデシルチオ基、n−テトラデシルチオ基、イソテトラデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、イソペンタデシルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基、イソヘキサデシルチオ基、n−ヘプタデシルチオ基、イソヘプタデシルチオ基、n−オクタデシルチオ基、イソオクタデシルチオ基、n−ノナデシルチオ基、イソノナデシルチオ基、n−イコシルチオ基、イソイコシルチオ基等が挙げられ、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、sec−ペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1−エチルプロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、sec−ヘキシルチオ基、tert−ヘキシルチオ基、ネオヘキシルチオ基、2−メチルペンチルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、2,3−ジメチルブチルチオ基、1−エチルブチルチオ基が好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基がより好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基がさらに好ましい。
【0019】
一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基は、1個又は2個の置換基を有する。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基等が挙げられる。
【0020】
一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0021】
一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基の中でも、炭素数1〜12のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜3のものが特に好ましい。具体的には例えば、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、2−クロロ−2−プロピル基、ヘプタクロロプロピル基等のクロロアルキル基;ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモ−2−プロピル基、ヘプタブロモプロピル基等のブロモアルキル基;ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2−ヨードエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、2−ヨードプロピル基、3−ヨードプロピル基、2−ヨード−2−プロピル基、ヘプタヨードプロピル基等のヨードアルキル基;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基が挙げられる。この中でもトリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、ヘプタクロロプロピル基、トリブロモメチル基、ペンタブロモエチル基、ヘプタブロモプロピル基、トリヨードメチル基、ペンタヨードエチル基、ヘプタヨードプロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーハロゲノアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
【0022】
一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0023】
一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数7〜13のアリールアルキル基としては、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、炭素数11〜13のナフチルアルキル基等が挙げられ、炭素数7〜9のフェニルアルキル基が好ましい。具体的には例えば、ベンジル基、フェネチル基(2−フェニルエチル基)、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基(3−フェニルプロピル基)、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基(2−フェニルプロパン−2−イル基)、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、3−ナフチルプロピル基等が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
【0024】
一般式(1)のR
5における置換基を有する又は無置換のアミノ基としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基がさらに好ましい。具体的には例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、ヒドロシンナミルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ビス(ヒドロシンナミル)アミノ基等が挙げられ、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基が好ましく、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基がより好ましい。
【0025】
一般式(1)のR
5における炭素数6〜14のアリール基としては、具体的には例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0026】
一般式(1)のR
5における炭素数6〜14のアリールオキシ基としては、具体的には例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントラセニルオキシ基等が挙げられ、フェノキシ基が好ましい。
【0027】
一般式(1)のR
5における炭素数7〜20のアリールアルキル基としては、炭素数7〜12のフェニルアルキル基、炭素数11〜16のナフチルアルキル基、炭素数15〜20のアントラセニルアルキル基等が挙げられ、炭素数7〜12のフェニルアルキル基が好ましく、炭素数7〜9のフェニルアルキル基がより好ましい。具体的には例えば、ベンジル基、フェネチル基(2−フェニルエチル基)、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基(3−フェニルプロピル基)、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基(2−フェニルプロパン−2−イル基)、4−フェニルブチル基、3−フェニルブチル基、2−フェニルブチル基、1−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基、4−フェニルペンチル基、3−フェニルペンチル基、2−フェニルペンチル基、1−フェニルペンチル基、6−フェニルヘキシル基、5−フェニルヘキシル基、4−フェニルヘキシル基、3−フェニルヘキシル基、2−フェニルヘキシル基、1−フェニルヘキシル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、3−ナフチルプロピル基、4−ナフチルブチル基、5−ナフチルペンチル基、6−ナフチルヘキシル基、アントラセニルメチル基、2−アントラセニルエチル基、3−アントラセニルプロピル基、4−アントラセニルブチル基、5−アントラセニルペンチル基、6−アントラセニルヘキシル基等が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基、4−フェニルブチル基、3−フェニルブチル基、2−フェニルブチル基、1−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基、4−フェニルペンチル基、3−フェニルペンチル基、2−フェニルペンチル基、1−フェニルペンチル基、6−フェニルヘキシル基、5−フェニルヘキシル基、4−フェニルヘキシル基、3−フェニルヘキシル基、2−フェニルヘキシル基、1−フェニルヘキシル基が好ましく、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基がより好ましく、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基がさらに好ましい。
【0028】
一般式(1)のR
5としては、ハロゲン原子;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシル基;炭素数6〜14のアリール基;炭素数6〜14のアリールオキシ基;及び炭素数7〜20のアリールアルキル基が好ましく、ハロゲン原子;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシル基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜12のフェニルアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子;炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシル基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜9のフェニルアルキル基がさらに好ましい。具体的には、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基が好ましく、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基がより好ましい。
【0029】
一般式(1)のR
6における重合性不飽和基を有する基としては、官能基末端に重合性不飽和基を有するものであればよく、当該重合性不飽和基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基等が挙げられ、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
【0030】
一般式(1)のR
6における重合性不飽和基を有する基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2)で示される基が挙げられる。
【0031】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、R
7は、水素原子又はメチル基を表し、A
1は、−O−又は下記一般式(2−1)
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
8及びR
9はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、A
4は、窒素原子または下記式(2−2)
[この文献は図面を表示できません]
で示される基を表し、n
2は0〜3の整数を表し、R
8とR
9は、これらと結合している−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−とで、5〜6員環の環状構造を形成してもよく、R
8、R
9及び−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−で5〜6員環の環状構造を形成している場合、n
3は1を表し、5〜6員環の環状構造を形成していない場合、n
3は0又は1を表す。)
で示される基を表し、A
2は、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基;−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有し、且つ、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基;ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基;又は炭素数1〜21のアルキレン基を表し、A
3は、−NR
10−又は−O−を表し、R
10は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。}
【0032】
一般式(2)のR
7としては、メチル基が好ましい。
【0033】
一般式(2)のA
1としては、−O−が好ましい。
【0034】
一般式(2−1)のR
8及びR
9における炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜12のアルキル基の中でも、炭素数1〜6のものが好ましく、炭素数1〜4のものがより好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、シクロウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、シクロヘキシルメチル基、1−シクロヘキシルエチル基、2−メチルシクロへキシル基、3−メチルシクロへキシル基、4−メチルシクロへキシル基、2,6−ジメチルシクロへキシル基、2,4−ジメチルシクロへキシル基、3,5−ジメチルシクロへキシル基、2,5−ジメチルシクロへキシル基、2,3−ジメチルシクロへキシル基、3,3,5−トリメチルシクロへキシル基、4−tert−ブチルシクロへキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基がさらに好ましい。
【0035】
一般式(2−1)におけるR
8及びR
9としては、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0036】
一般式(2−1)のA
4は、式(2−2)で示される基が好ましい。
【0037】
一般式(2−1)のR
8とR
9が、これらと結合している−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−とで、5〜6員環の環状構造を形成している場合、n
3は1であって、当該環状構造は、一般式(2−3)で示されるものである;
[この文献は図面を表示できません]
(式中、n
4は、0〜4の整数を表し、A
4及びn
2は上記と同じ。ただし、n
2+n
4は3〜4の整数である。)。
【0038】
一般式(2−1)のn
2は、一般式(2−3)で示される環状構造を形成している場合には、2が好ましく、一般式(2−3)で示される環状構造を形成していない場合には、0が好ましい。
【0039】
一般式(2−1)のn
3は、一般式(2−3)で示される環状構造を形成している場合には、1を表し、一般式(2−3)で示される環状構造を形成していない場合には、0が好ましい。
【0040】
一般式(2−3)のn
4は、2が好ましい。
【0041】
一般式(2−3)で示される環状構造は、5〜6員環を表し、6員環が好ましい。
【0042】
一般式(2−3)で示される環状構造の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0043】
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
【0044】
一般式(2)のA
2における、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基」、「−O−、−OCO−、−COO−又はアリーレン基の少なくとも1つの基をその鎖中に有し、且つ、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」、「ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」及び「炭素数1〜21のアルキレン基」における、炭素数1〜21のアルキレン基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3がさらに好ましい。具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、2−メチルテトラメチレン基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルペンタメチレン基、n−へプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基、n−ウンデシレン基、n−ドデシレン基、n−トリデシレン基、n−テトラデシレン基、n−ペンタデシレン基、n−ヘキサデシレン基、n−ヘプタデシレン基、n−オクタデシレン基、n−ノナデシレン基、n−イコシレン基、n−ヘンイコシレン基、−C
4H
6−CH
2−基、−C
5H
8−CH
2−基、−C
6H
10−CH
2−基、−C
6H
10−C
2H
4−基、−C
6H
10−C
3H
6−基、−C
7H
12−CH
2−基等が挙げられ、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、−C
6H
10−CH
2−基、−C
6H
10−C
2H
4−基、−C
6H
10−C
3H
6−基等が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基がより好ましく、エチレン基が特に好ましい。
【0045】
一般式(2)のA
2における、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基」及び「−O−、−OCO−、−COO−基又はアリーレンをその鎖中に有し、且つ、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」におけるアリーレン基としては、炭素数6〜10のものが挙げられ、具体的にはフェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
【0046】
一般式(2)のA
2における「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基」としては、例えば下記一般式(21−1)〜(21−5)で示される基等が挙げられる。
【0047】
−(R
51−O−)
h1−R
52− (21−1)
(式中、R
51及びR
52はそれぞれ独立して、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜4のアルキレン基を表し、h
1は、1〜9の整数を表す。ただし、式中の炭素数の総数は、2〜21である。)
【0048】
−(CH
2)
h2−OCO−(CH
2)
h3− (21−2)
(式中、h
2及びh
3はそれぞれ独立して、1〜10の整数を表す。)
【0049】
−(CH
2)
h4−OCO−R
53−COO−(CH
2)
h5− (21−3)
(式中、R
53は、フェニレン基又は炭素数1〜7のアルキレン基を表し、h
4及びh
5はそれぞれ独立して、1〜3の整数を表す。)
【0050】
−(CH
2)
h6−A
5−(CH
2)
h7− (21−4)
(式中、A
5は、−NHCO−、−CONH−又は−NHCONH−を表し、h
6及びh
7はそれぞれ独立して、1〜10の整数を表す。)
【0051】
−(CH
2)
h8−O−CONH−(CH
2)
h9− (21−5)
(式中、h
8及びh
9はそれぞれ独立して、1〜10の整数を表す。)
【0052】
一般式(21−1)のR
51及びR
52における直鎖状又は分枝状の炭素数1〜4のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基等が挙げられ、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
【0053】
一般式(21−2)のh
2としては、1〜3の整数が好ましく、2がより好ましい。
【0054】
一般式(21−2)のh
3としては、2が好ましい。
【0055】
一般式(21−3)のR
53における炭素数1〜7のアルキレン基としては、具体的には例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、n−へプチレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロへプチレン基等が挙げられる。
【0056】
一般式(21−3)のh
4及びh
5としては、h
4とh
5が同じ場合が好ましく、また、1〜3の整数が好ましく、2がより好ましい。
【0057】
一般式(21−4)におけるA
5としては、−NHCONH−が好ましい。
【0058】
一般式(21−4)のh
6及びh
7としては、h
6とh
7が同じ場合が好ましく、また、2が好ましい。
【0059】
一般式(21−5)のh
8及びh
9としては、h
8とh
9が同じ場合が好ましく、また、1〜4の整数が好ましい。
【0060】
一般式(21−1)で示される基としては、具体的には例えば
−CH
2CH
2−O−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
2−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
3−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
4−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
5−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
6−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
7−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
8−CH
2CH
2−、
−(CH
2CH
2−O)
9−CH
2CH
2−、
−CH
2CH(CH
3)−O−CH
2CH(CH
3)−、
−(CH
2CH(CH
3)−O)
2−CH
2CH(CH
3)−、
−(CH
2CH(CH
3)−O)
3−CH
2CH(CH
3)−、
−(CH
2CH(CH
3)−O)
4−CH
2CH(CH
3)−、
−(CH
2CH(CH
3)−O)
5−CH
2CH(CH
3)−、
−(CH
2CH(CH
3)−O)
6−CH
2CH(CH
3)−、
−CH(CH
3)CH
2−O−CH(CH
3)CH
2−、
−(CH(CH
3)CH
2−O)
2−CH(CH
3)CH
2−、
−(CH(CH
3)CH
2−O)
3−CH(CH
3)CH
2−、
−(CH(CH
3)CH
2−O)
4−CH(CH
3)CH
2−、
−(CH(CH
3)CH
2−O)
5−CH(CH
3)CH
2−、
−(CH(CH
3)CH
2−O)
6−CH(CH
3)CH
2−、
−CH(CH
3)CH
2−O−CH
2CH(CH
3)−
等が挙げられる。
【0061】
一般式(21−2)で示される基としては、具体的には例えば
−CH
2−O−CO−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
2−
等が挙げられる。
【0062】
一般式(21−3)で示される基としては、具体的には例えば
−CH
2−O−CO−CH
2−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−CH
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
3−、
−CH
2−O−CO−C
6H
4−CO−O−CH
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−C
6H
4−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CO−C
6H
4−CO−O−(CH
2)
3−、
−CH
2−O−CO−C
6H
10−CO−O−CH
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−C
6H
10−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CO−C
6H
10−CO−O−(CH
2)
3−
等が挙げられ、中でも
−CH
2−O−CO−CH
2−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−CH
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
3−
が好ましく、
−(CH
2)
2−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
2−
がより好ましく、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−
が特に好ましい。
【0063】
一般式(21−4)で示される基としては、具体的には例えば
−CH
2−NHCO−CH
2−、
−(CH
2)
2−NHCO−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−NHCO−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−NHCO−(CH
2)
4−、
−CH
2−CONH−CH
2−、
−(CH
2)
2−CONH−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−CONH−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−CONH−(CH
2)
4−、
−CH
2−NHCONH−CH
2−、
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−NHCONH−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−NHCONH−(CH
2)
4−、
−(CH
2)
5−NHCONH−(CH
2)
5−、
−(CH
2)
6−NHCONH−(CH
2)
6−、
−(CH
2)
7−NHCONH−(CH
2)
7−、
−(CH
2)
8−NHCONH−(CH
2)
8−、
−(CH
2)
9−NHCONH−(CH
2)
9−、
−(CH
2)
10−NHCONH−(CH
2)
10−
等が挙げられ、中でも
−CH
2−NHCONH−CH
2−、
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−NHCONH−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−NHCONH−(CH
2)
4−、
−(CH
2)
5−NHCONH−(CH
2)
5−、
−(CH
2)
6−NHCONH−(CH
2)
6−、
−(CH
2)
7−NHCONH−(CH
2)
7−、
−(CH
2)
8−NHCONH−(CH
2)
8−、
−(CH
2)
9−NHCONH−(CH
2)
9−、
−(CH
2)
10−NHCONH−(CH
2)
10−
が好ましく、
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2−
がより好ましい。
【0064】
一般式(21−5)で示される基としては、具体的には例えば
−CH
2−O−CONH−CH
2−、
−(CH
2)
2−O−CONH−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CONH−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−O−CONH−(CH
2)
4−
等が挙げられる。
【0065】
一般式(2)のA
2における、「−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有し、且つ、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」としては、例えば下記一般式(22−1)〜(22−2)で示される基等が挙げられる。
【0066】
−R
54−(CH
2)
h10− (22−1)
(式中、R
54は、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基を表し、h
10は、1〜4の整数を表す。)
【0067】
−R
55−A
6−(CH
2)
h11− (22−2)
(式中、R
55は、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基又はヒドロキシル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基を表し、A
6は、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−又は−NHCONH−を表し、h
11は、2〜4の整数を表す。)
【0068】
一般式(22−1)のR
54におけるヒドロキシル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基としては、ヒドロキシフェニレン基、ジヒドロキシフェニレン基、ヒドロキシナフチレン基、ジヒドロキシナフチレン基等が挙げられる。
【0069】
一般式(22−2)のR
55におけるヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基としては、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、ヒドロキシトリメチレン基、ヒドロキシテトラメチレン基、ヒドロキシペンタメチレン基、ヒドロキシヘキサメチレン基、ヒドロキシへプチレン基、ヒドロキシシクロブチレン基、ヒドロキシシクロペンチレン基、ヒドロキシシクロへキシレン基、ヒドロキシシクロへプチレン基等が挙げられる。
【0070】
一般式(22−2)のR
55におけるヒドロキシル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基としては、上記一般式(22−1)のR
54におけるヒドロキシル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリーレン基と同じものが挙げられる。
【0071】
一般式(22−1)で示される基の好ましい具体例としては、例えば
−C
6H
3(OH)−CH
2−、−C
6H
3(OH)−(CH
2)
2−、
−C
6H
3(OH)−(CH
2)
3−、−C
6H
3(OH)−(CH
2)
4−、
−C
6H
2(OH)
2−CH
2−、−C
6H
2(OH)
2−(CH
2)
2−、
−C
6H
2(OH)
2−(CH
2)
3−、−C
6H
2(OH)
2−(CH
2)
4−
等が挙げられる。
【0072】
一般式(22−2)で示される基の好ましい具体例としては、例えば
−CH(OH)−CH
2−O−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−CH
2−O−(CH
2)
3−、
−CH(OH)−CH
2−O−(CH
2)
4−、
−CH(OH)−CH
2−OCO−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−CH
2−OCO−(CH
2)
3−、
−CH(OH)−CH
2−OCO−(CH
2)
4−、
−CH(OH)−CH
2−COO−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−CH
2−COO−(CH
2)
3−、
−CH(OH)−CH
2−COO−(CH
2)
4−、
−CH(OH)−CH
2−NHCO−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−CH
2−NHCO−(CH
2)
3−、
−CH(OH)−CH
2−NHCO−(CH
2)
4−、
−CH(OH)−CH
2−CONH−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−CH
2−CONH−(CH
2)
3−、
−CH(OH)−CH
2−CONH−(CH
2)
4−、
−CH(OH)−CH
2−NHCONH−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−CH
2−NHCONH−(CH
2)
3−、
−CH(OH)−CH
2−NHCONH−(CH
2)
4−
等が挙げられる。
【0073】
一般式(2)のA
2における「ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜21のアルキレン基」としては、例えば下記一般式(23−1)で示される基等が挙げられる。
−R
56−(CH
2)
h12− (23−1)
(式中、R
56は、ヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基を表し、h
12は、1〜4の整数を表す。)、
【0074】
一般式(23−1)のR
56におけるヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基としては、上記一般式(22−2)のR
55におけるヒドロキシル基を置換基として有する炭素数1〜7のアルキレン基と同じものが挙げられる。
【0075】
一般式(23−1)で示される基としては、具体的には例えば
−C
6H
9(OH)−CH
2−、−C
6H
9(OH)−(CH
2)
2−、
−C
6H
9(OH)−(CH
2)
3−、−C
6H
9(OH)−(CH
2)
4−、
−CH(OH)−CH
2−、−CH(OH)−(CH
2)
2−、
−CH(OH)−(CH
2)
3−、−CH(OH)−(CH
2)
4−
等が挙げられる。
【0076】
一般式(2)におけるA
1が−O−の場合、一般式(2)におけるA
2としては、炭素数1〜21のアルキレン基が好ましい。中でも、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基がより好ましく、エチレン基が特に好ましい。
【0077】
一般式(2)におけるA
1が一般式(2−1)で示される基の場合、一般式(2)におけるA
2としては、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基が好ましい。中でも、上記一般式(21−3)及び(21−4)で示される基が好ましく、より具体的には
−CH
2−O−CO−CH
2−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−CH
2−、
−CH
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−CH
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
3−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
3−、
−CH
2−NHCONH−CH
2−、
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−NHCONH−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−NHCONH−(CH
2)
4−、
−(CH
2)
5−NHCONH−(CH
2)
5−、
−(CH
2)
6−NHCONH−(CH
2)
6−、
−(CH
2)
7−NHCONH−(CH
2)
7−、
−(CH
2)
8−NHCONH−(CH
2)
8−、
−(CH
2)
9−NHCONH−(CH
2)
9−、
−(CH
2)
10−NHCONH−(CH
2)
10−
が好ましく、
−(CH
2)
2−O−CO−CH
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
3−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
4−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
5−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
6−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
7−CO−O−(CH
2)
2−、
−CH
2−NHCONH−CH
2−、
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
3−NHCONH−(CH
2)
3−、
−(CH
2)
4−NHCONH−(CH
2)
4−、
−(CH
2)
5−NHCONH−(CH
2)
5−、
−(CH
2)
6−NHCONH−(CH
2)
6−、
−(CH
2)
7−NHCONH−(CH
2)
7−、
−(CH
2)
8−NHCONH−(CH
2)
8−、
−(CH
2)
9−NHCONH−(CH
2)
9−、
−(CH
2)
10−NHCONH−(CH
2)
10−
がより好ましく、
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2−、
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2−
が特に好ましい。
【0078】
一般式(2)のA
3中のR
10における炭素数1〜12のアルキル基としては、一般式(2−1)のR
8及びR
9における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0079】
一般式(2)のA
3中のR
10としては、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0080】
一般式(2)におけるA
3は、−O−が好ましい。
【0081】
一般式(2)で示される基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2')で示される基が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
7、A
1及びA
2は、上記と同じ。)
【0082】
一般式(2')で示される基の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(2'a)及び下記一般式(2'b)で示される基が挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、A
2aは、炭素数1〜21のアルキレン基を表し、R
7は、上記と同じ。)
【0083】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、A
2bは、−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基を表し、R
7〜R
9、A
4、n
2及びn
3は、上記と同じ。)
【0084】
一般式(2'a)のA
2aにおける炭素数1〜21のアルキレン基としては、上記一般式(2)のA
2における炭素数1〜21のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0085】
一般式(2'b)のA
2bにおける−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基としては、上記一般式(2)のA
2における−O−、−OCO−、−COO−、−NHCO−、−CONH−、−NHCONH−及びアリーレン基から選ばれる少なくとも1つの基を鎖中に有する炭素数1〜21のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0086】
一般式(2'a)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0087】
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
【0088】
一般式(2'b)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
一般式(1)のR
6における炭素数1〜20のアルコキシ基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルコキシ基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0090】
一般式(1)のR
6における置換基を有するアミノ基は、1〜2個、好ましくは2個の置換基を有する。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。
【0091】
一般式(1)のR
6における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0092】
一般式(1)のR
6における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0093】
一般式(1)のR
6における置換基を有するもしくは無置換のアミノ基としては、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基もしくは炭素数1〜20のアルキル基を有するアミノ基又は無置換のアミノ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基を有するアミノ基又は無置換のアミノ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基を有するアミノ基又は無置換のアミノ基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基又は無置換のアミノ基が特に好ましい。具体的には例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、N−エチルメチルアミノ基、N−エチルプロピルアミノ基、N−メチルプロピルアミノ基、N−ブチルメチルアミノ基、N−ブチルエチルアミノ基、N−ブチルプロピルアミノ基等が挙げられる。
【0094】
一般式(1)のR
6における複素環式アミノ基としては、5〜7員環の複素環式アミノ基が挙げられ、5員環又は6員環の複素環式アミノ基が好ましい。具体的には例えば、ピロリジノ基、1−ピロリル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、3−オキサゾリル基、3−チアゾリル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、1−ピリジル基、1−ピリダジニル基、1−ピリミジニル基、1−ピラジニル基等が挙げられ、ピロリジノ基、1−ピロリル基、ピペリジノ基、1−ピリジル基が好ましく、ピペリジノ基がより好ましい。
【0095】
一般式(1)のR
6としては、重合性不飽和基を有する基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基、及び複素環式アミノ基が好ましく、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基、及び5員環又は6員環の複素環式アミノ基がより好ましく、一般式(2)で示される基、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基を有する又は無置換のアミノ基、及びピペリジノ基がさらに好ましく、一般式(2)で示される基が特に好ましい。
【0096】
一般式(1)において、基本骨格中のフェニル基に結合する下記一般式(1−8)で示される基は、該フェニル基のオルト位、メタ位、パラ位のいずれに位置していてもよく、オルト位が好ましい。具体的には、一般式(1−8)で示される基がローダミンの基本骨格中のフェニル基に対し、下記一般式(1−9)で示される化合物のように結合しているものが好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
6は、上記と同じ。)
【0097】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、n
1個のR
5、R
6、Y
1、An
-、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0098】
一般式(1)のY
1において、R
32における炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜6のアルキル基の中でも、炭素数1〜4のものが好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0099】
一般式(1)のY
1としては、酸素原子及び−NR
32−が好ましく、酸素原子がより好ましい。具体的には、例えば、酸素原子、硫黄原子、−NCH
3−、−NC
2H
5−、−NC
3H
7−等が挙げられ、酸素原子、硫黄原子、−NCH
3−が好ましく、酸素原子、−NCH
3−がより好ましく、酸素原子が特に好ましい。
【0100】
一般式(1−1)のR
2及びR
3における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0101】
一般式(1−1)のR
2及びR
3における「置換基を有するもしくは無置換の炭素数6〜14のアリール基」の炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0102】
一般式(1−1)のR
2及びR
3における置換基を有する炭素数6〜14のアリール基は、通常1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個の置換基を有する。当該置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。
【0103】
一般式(1−1)のR
2及びR
3における「置換基を有する炭素数6〜14のアリール基」の置換基における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0104】
一般式(1−1)のR
2及びR
3における置換基を有する炭素数6〜14のアリール基としては、炭素数1〜20のアルキル基を有する炭素数6〜14のアリール基等が挙げられ、炭素数1〜20のアルキル基を有するフェニル基、ナフチル基及びアントラセニル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基を有するフェニル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基が特に好ましい。具体的には例えば、o−トリル基(メチルフェニル基)、m−トリル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、o−ブチルフェニル基、m−ブチルフェニル基、p−ブチルフェニル基、o−ペンチルフェニル基、m−ペンチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、o−ヘキシルフェニル基、m−ヘキシルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,3−キシリル基(2,3−ジメチルフェニル基)、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基(2,4,6−トリメチルフェニル基)等が挙げられ、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基が好ましく、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基がより好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
【0105】
一般式(1−1)のR
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基としては、直鎖状または分枝状のいずれであってもよく、直鎖状が好ましい。具体的には、例えばエチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、1,1−ジメチルメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基等が挙げられ、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が好ましく、トリメチレン基がより好ましい。
【0106】
一般式(1−1)において、R
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及び/又はR
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、一般式(1−1)で示される環構造の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
2、R
3、*及び**は、上記と同じ。)
【0107】
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
2、R
3、*及び**は、上記と同じ。)
【0108】
上記具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
(*及び**は、上記と同じ。)
【0109】
一般式(1−1)のR
1としては、水素原子、及びR
1とR
2とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には、例えば、水素原子、R
1とR
2とでエチレン基を形成しているもの、R
1とR
2とでトリメチレン基を形成しているもの、R
1とR
2とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、水素原子、R
1とR
2とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。
【0110】
一般式(1−1)のR
2としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成しているものが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
1とR
2とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものがより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、R
1とR
2とでエチレン基を形成しているもの、R
1とR
2とでトリメチレン基を形成しているもの、R
1とR
2とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、R
1とR
2とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
【0111】
一般式(1−1)のR
3としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成しているものが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
3とR
4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものがより好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、R
3とR
4とでエチレン基を形成しているもの、R
3とR
4とでトリメチレン基を形成しているもの、R
3とR
4とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、R
3とR
4とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
【0112】
一般式(1−1)のR
4としては、水素原子、及びR
3とR
4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には、例えば、水素原子、R
3とR
4とでエチレン基を形成しているもの、R
3とR
4とでトリメチレン基を形成しているもの、R
3とR
4とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、水素原子、R
3とR
4とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。
【0113】
一般式(1−2)〜(1−7)のR
31における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0114】
一般式(1)のAr
1としては、一般式(1−1)で示される環構造が好ましい。
【0115】
一般式(1)における*及び**は、一般式(1−1)〜(1−7)における*及び**と対応しており、一般式(1−1)〜(1−7)で示される基が一般式(1)で示される化合物の*及び**で示される位置に結合することを表している。具体的には、下記の構造で示される。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1〜R
6、R
31、Y
1、An
-、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
【0116】
一般式(1)のAr
2としては、ベンゼン環及びナフタレン環が好ましい。
【0117】
一般式(1)のn
1としては、Ar
2がベンゼン環の場合、0〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、Ar
2がナフタレン環及びアントラセン環の場合、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
【0118】
一般式(1)のAr
2がベンゼン環の場合、一般式(1)は下記一般式(10−1)〜(10−3)で表される。
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(式中、I〜IVは、R
5及びR
5−1が置換可能な位置を表し、R
5、R
6、Y
1、An
-及びAr
1は上記と同じであり、n
5個のR
5−1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、R
5−2及びR
5−3は、それぞれ独立して、置換基を有するもしくは無置換のアミノ基を表し、n
5は、0〜4の整数を表し、n
6は、1〜3の整数を表し、n
7は、0〜3の整数を表す。)
【0119】
一般式(10−1)のR
5−1におけるハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基及び炭素数7〜20のアリールアルキル基の具体例は、上記一般式(1)におけるR
5のそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0120】
一般式(10−1)のR
5−1としては、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基及び炭素数7〜20のアリールアルキル基が好ましく、ハロゲン原子;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;ヒドロキシル基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜12のフェニルアルキル基がより好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基及び炭素数7〜9のフェニルアルキル基がさらに好ましい。具体的には、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基がより好ましく、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基基が特に好ましい。
【0121】
一般式(10−1)のn
5としては、0〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0122】
一般式(10−1)におけるn
5個のR
5−1は、ベンゼン環のI〜IV位のいずれに位置していてもよく、n
5が1の場合、R
5−1はII位又はIII位に位置しているのが好ましく、n
5が2の場合、R
5−1はII位及びIII位、又はII位及びIV位に位置しているのが好ましく、n
5が3の場合、R
5−1はII位、III位及びIV位に位置しているのが好ましい。
【0123】
一般式(10−2)のR
5−2及び一般式(10−3)のR
5−3における置換基を有するアミノ基としては、上記一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0124】
一般式(10−2)のR
5−2及び一般式(10−3)のR
5−3としては、置換基を有するアミノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基がさらに好ましい。具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基が好ましく、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基がより好ましい。
【0125】
一般式(10−2)のn
6としては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
【0126】
一般式(10−2)におけるn
6個のR
5は、ベンゼン環のI位、III位又はIV位のいずれに位置していてもよく、n
6が1の場合、R
5はIII位に位置しているのが好ましく、n
6が2の場合、R
5はIII位及びIV位に位置しているのが好ましい。
【0127】
一般式(10−3)のn
7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
【0128】
一般式(10−3)におけるn
7個のR
5は、ベンゼン環のI位、II位又はIV位のいずれに位置していてもよく、n
6が1の場合、R
5はII位に位置しているのが好ましく、n
6が2の場合、R
5はII位及びIV位に位置しているのが好ましい。
【0129】
一般式(1)のAr
2がナフタレン環の場合、一般式(1)は下記一般式(10−4)〜(10−6)で表される。
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(式中、I〜VIは、R
5が置換可能な位置を表し、n
1個のR
5、R
6、Y
1、An
-、Ar
1及びn
1は、上記と同じ。)
【0130】
一般式(10−4)におけるn
1個のR
5の位置は、ナフタレン環のI〜VI位のいずれでもよく、IV位又はVI位に位置しているのが好ましい。
【0131】
一般式(10−5)におけるn
1個のR
5の位置は、ナフタレン環のI〜VI位のいずれでもよく、III位に位置しているのが好ましい。
【0132】
一般式(10−6)におけるn
1個のR
5の位置は、ナフタレン環のI〜VI位のいずれでもよく、II位又はIV位に位置しているのが好ましい。
【0133】
一般式(1)のAr
2がアントラセン環の場合、一般式(1)は下記一般式(10−7)〜(10−9)で表される。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、I〜VIIIは、R
5が置換可能な位置を表し、n
1個のR
5、R
6、Y
1、An
-、Ar
1及びn
1は、上記と同じ。)
【0134】
一般式(10−7)におけるn
1個のR
5の位置は、アントラセン環のI〜VI位のいずれでもよく、I位、V位又はVI位に位置しているのが好ましい。
【0135】
一般式(10−8)におけるn
1個のR
5の位置は、アントラセン環のI〜VI位のいずれでもよく、II位、V位又はVII位に位置しているのが好ましい。
【0136】
一般式(10−9)におけるn
1個のR
5の位置は、アントラセン環のI〜VI位のいずれでもよく、IV位又はV位に位置しているのが好ましい。
【0137】
一般式(1)において、下記の構造(1−10)は左右非対称の構造である;
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(式中、n
1個のR
5、Y
1、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は上記と同じ。)
【0138】
言い換えれば、一般式(1)で示される化合物は、下記一般式(1−11)で示される化合物を含まない;
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(式中、R
1〜R
4、R
6、Y
1及びAn
-は上記と同じであり、2つのR
1〜R
4は同一である。)
【0139】
上記構造(1−10)が左右非対称の構造であることにより、本発明の消光剤は、キサンテン系染料をはじめとする蛍光性を有する化合物に対し、その蛍光を十分に消光し得るという優れた効果を奏する。
【0140】
一般式(1)のAn
−としては、アニオンであればよく、具体的には例えば、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基もしくはハロゲノ基を含むアニオン、ハロゲンオキソ酸アニオン又はスルホン酸アニオン(以下、本発明に係るアニオンと略記する場合がある)が挙げられる。
【0141】
一般式(1)のAn
−で示される電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基又はハロゲン化アルキル基を含むアニオンにおけるアニオン部分としては、例えばスルホン酸アニオン、窒素アニオン(N
-)、4級ホウ素アニオン、硝酸イオン、燐酸イオン等が挙げられ、スルホン酸アニオン、窒素アニオン、4級ホウ素アニオンが好ましく、4級ホウ素アニオンがより好ましい。
【0142】
一般式(1)のAn
−で示されるハロゲノ基を含むアニオンにおけるアニオン部分としては、例えば、4級ホウ素アニオン、リンアニオン、アンチモンアニオン等が挙げられ、リンアニオン、アンチモンアニオンが好ましく、アンチモンアニオンがより好ましい。
【0143】
本発明に係るアニオンの電子吸引性の置換基を有するアリール基又は電子吸引性の置換基を有するスルホニル基における電子吸引性の置換基としては、例えば、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲノ基、ニトロ基等が挙げられ、中でも炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲノ基が好ましく、ハロゲノ基が特に好ましい。
【0144】
上記電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、2−クロロ−2−プロピル基、ヘプタクロロプロピル基等のクロロアルキル基;ブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−ブロモエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモ−2−プロピル基、ヘプタブロモプロピル基等のブロモアルキル基;ヨードメチル基、トリヨードメチル基、2−ヨードエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、ペンタヨードエチル基、2−ヨードプロピル基、3−ヨードプロピル基、2−ヨード−2−プロピル基、ヘプタヨードプロピル基等のヨードアルキル基;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基等のフルオロアルキル基が挙げられる。この中でもトリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、ヘプタクロロプロピル基、トリブロモメチル基、ペンタブロモエチル基、ヘプタブロモプロピル基、トリヨードメチル基、ペンタヨードエチル基、ヘプタヨードプロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーハロゲノアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等のパーフルオロアルキル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
【0145】
上記電子吸引性の置換基としてのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、フルオロ基が好ましい。
【0146】
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基中の電子吸引性の置換基は、上記具体例の中でも、電子吸引力が強いものが好ましく、トリフルオロメチル基、フルオロ基、ニトロ基が好ましく、フルオロ基がより好ましい。
【0147】
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するスルホニル基中の電子吸引性の置換基は、上記具体例の中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、フルオロ基が好ましい。
【0148】
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基中のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
【0149】
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基の具体例としては、例えば下記一般式(11)及び(12)で表されるものが挙げられる。
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(式中、mは、1〜5の整数を表し、m個のR
41は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表す。)
【0150】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、kは、1〜7の整数を表し、R
41は上記と同じ。k個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
【0151】
一般式(11)におけるmは、通常1〜5の整数であるが、R
41がハロゲン原子の場合は2〜5が好ましく、3〜5がより好ましく、5が更に好ましい。R
41がニトロ基の場合は1〜3が好ましく、1がより好ましい。R
41がハロゲン化アルキル基の場合は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0152】
一般式(12)におけるkは、通常1〜7の整数であるが、R
41がハロゲン原子の場合は2〜7が好ましい。R
41がニトロ基の場合は1〜3が好ましく、1がより好ましい。R
41がハロゲン化アルキル基の場合は、1〜7が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0153】
一般式(11)及び一般式(12)におけるR
41の炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基は、上記本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0154】
一般式(11)及び一般式(12)におけるR
41のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0155】
一般式(11)及び一般式(12)におけるR
41の好ましい具体例は、上記の電子吸引性の置換基を有するアリール基中の電子吸引性の置換基の好ましいものと同じである。
【0156】
一般式(11)で示される基は、具体的には例えば、トリフルオロメチルフェニル基、ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、トリ(トリフルオロメチル)フェニル基、モノフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基、モノクロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、パークロロフェニル基、モノブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、パーブロモフェニル基、モノヨードフェニル基、ジヨードフェニル基、トリヨードフェニル基、パーヨードフェニル基、ニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、トリニトロフェニル基等が挙げられ、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基等が好ましく、パーフルオロフェニル基がより好ましい。
【0157】
一般式(12)で示される基は、具体的には例えば、トリフルオロメチルナフチル基、ジ(トリフルオロメチル)ナフチル基、トリ(トリフルオロメチル)ナフチル基、モノフルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロナフチル基、パーフルオロナフチル基、モノクロロナフチル基、ジクロロナフチル基、トリクロロナフチル基、パークロロナフチル基、モノブロモナフチル基、ジブロモナフチル基、トリブロモナフチル基、パーブロモナフチル基、モノヨードナフチル基、ジヨードナフチル基、トリヨードナフチル基、パーヨードナフチル基、ニトロナフチル基、ジニトロナフチル基、トリニトロナフチル基等が挙げられる。
【0158】
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するアリール基は、上記具体例の中でも、一般式(11)で示される基が好ましく、具体的にはトリフルオロメチルフェニル基、ニトロフェニル基、ジニトロフェニル基、トリニトロフェニル基、モノフルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、パーフルオロフェニル基が好ましく、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、ニトロフェニル基、パーフルオロフェニル基がより好ましく、パーフルオロフェニル基が更に特に好ましい。
【0159】
本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基を有するスルホニル基としては、例えば−SO
2−CF
3、−SO
2−C
2F
5、−SO
2−C
3F
7、−SO
2−F、−SO
2−Cl、−SO
2−Br、−SO
2−I等が挙げられる。
【0160】
本発明に係るアニオンにおけるハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基が挙げられ、中でもパーハロゲン化アルキル基が好ましく、具体的には例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、トリクロロメチル基、ペンタクロロエチル基、ヘプタクロロプロピル基、トリブロモメチル基、ペンタブロモエチル基、ヘプタブロモプロピル基、トリヨードメチル基、ペンタヨードエチル基、ヘプタヨードプロピル基等が挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基が好ましい。
【0161】
本発明に係るアニオンにおけるハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、フルオロ基が好ましい。
【0162】
本発明に係る電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を含むアニオンとしては、具体的には例えば下記一般式(13)〜(19)で示されるものが挙げられる。
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(式中、R
41及びmは上記と同じ。m個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
【0163】
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(式中、R
41及びkは上記と同じ。k個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
【0164】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
41及びkは上記と同じ。k個のR
41は同一でも異なっていてもよい。)
【0165】
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(式中、R
42〜R
45はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、m
2〜m
5はそれぞれ独立して、1〜5の整数を表す。m
2個のR
42、m
3個のR
43、m
4個のR
44及びm
5個のR
45は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0166】
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(式中、4個のR
46はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はハロゲン原子を表す。)
【0167】
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(式中、R
47及びR
48はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基又はハロゲン原子を表す。R
47とR
48とで、炭素数2〜3のハロゲン化アルキレン基を形成してもよい。)
【0168】
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(式中、R
49は、リン原子又はアンチモン原子を表し、6個のXは、全て同一のハロゲン原子を表す。)
【0169】
一般式(13)における、R
41及びmの組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。尚、当該m個のR
41はそれぞれ独立するものであるが、同じ場合が好ましい。
【0171】
一般式(13)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
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【0172】
一般式(14)及び(15)における、R
41及びkの組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。尚、当該k個のR
41はそれぞれ独立するものであるが、同じ場合が好ましい。
【0174】
一般式(14)及び(15)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
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【0175】
一般式(16)のR
42〜R
45における炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0176】
一般式(16)のR
42〜R
45におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0177】
一般式(16)における、R
42〜R
45及びm
2〜m
5の組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。
【0179】
一般式(16)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
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【0180】
上記の具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
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【0181】
上記の具体例の中でも、下記のものが特に好ましい。
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【0182】
一般式(17)のR
46における炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0183】
一般式(17)のR
46におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0184】
一般式(17)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えばBF
4−、CF
3BF
3−、C
2F
5BF
3−、C
3F
7BF
3−、(CF
3)
4B
−、(C
2F
5)
4B
−、(C
3F
7)
4B
−等が挙げられる。
【0185】
一般式(18)のR
47及びR
48における炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基としては、本発明に係るアニオンにおける電子吸引性の置換基としての炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0186】
一般式(18)のR
47及びR
48におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0187】
一般式(18)のR
47とR
48とで形成される炭素数2〜3のハロゲン化アルキレン基としては、例えばテトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基等が挙げられ、ヘキサフルオロプロピレン基が好ましい。
【0188】
一般式(18)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
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【0189】
一般式(19)のR
49としては、アンチモン原子が好ましい。
【0190】
一般式(19)のXにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0191】
一般式(19)で示されるアニオンの好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
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【0192】
本発明に係るアニオンにおけるハロゲンオキソ酸アニオンの具体例としては、例えば、次亜塩素酸アニオン、亜塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、過塩素酸アニオン等が挙げられ、過塩素酸アニオンが好ましい。
【0193】
本発明に係るアニオンにおけるスルホン酸アニオンの具体例としては、例えば、メタンスルホン酸アニオン等の炭素数1〜20のアルキルスルホン酸アニオン;トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の炭素数1〜20のハロゲン化アルキルスルホン酸アニオン;ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン等の置換基を有している又は無置換のベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
【0194】
一般式(1)のAn
−で示されるアニオンとしては、本発明に係るアニオンが好ましく、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を含むアニオンがより好ましく、具体的には、一般式(16)〜(19)で示されるものが好ましく、一般式(16)、一般式(18)及び一般式(19)で示されるものがより好ましく、一般式(16)及び一般式(18)で示されるものがさらに好ましく、一般式(16)で示されるものが特に好ましい。
【0195】
一般式(1)のAn
−で示されるアニオンは、上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
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【0196】
上記具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
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【0197】
上記具体例の中でも、下記のものがさらに好ましい。
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【0198】
上記具体例の中でも、下記のものが特に好ましい。
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【0199】
本発明の消光剤の好ましい具体例としては、下記一般式(3)で示される化合物からなるものが挙げられる。
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{式中、R
6'は、重合性不飽和基を有する基を表し、n
1個のR
5、Y
1、An
-、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。ただし、一般式(3)における下記の構造(1−10)は非対称構造である;
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(式中、n
1個のR
5、Y
1、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は上記と同じ。)。}
【0200】
一般式(3)のR
6'における重合性不飽和基を有する基としては、上記一般式(1)のR
6における重合性不飽和基を有する基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0201】
一般式(3)のAr
2がベンゼン環の場合、一般式(3)は下記一般式(30−1)〜(30−3)で表される。
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(式中、R
5、R
5−1、R
5−2、R
5−3、R
6'、Y
1、An
-、Ar
1、n
5、n
6、n
7、*及び**は、上記と同じ。)
【0202】
一般式(3)のAr
2がナフタレン環の場合、一般式(3)は下記一般式(30−4)〜(30−6)で表される。
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(式中、R
5、R
6'、Y
1、An
-、Ar
1、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0203】
一般式(3)のAr
2がアントラセン環の場合、一般式(3)は下記一般式(30−7)〜(30−9)で表される。
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(式中、R
5、R
6'、Y
1、An
-、Ar
1、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0204】
一般式(3)で示される化合物からなる消光剤は、蛍光性を有する化合物に対する消光効果に加え、加熱による退色が少なく、高い耐熱効果を奏する。さらに、一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位を有するポリマーからなる消光剤は、高い耐溶出性及び耐候性を有する。
【0205】
一般式(3)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−1)で示される化合物が挙げられる。
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{式中、An'
-は、電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を含むアニオンを表し、n
1個のR
5、R
7、Y
1、A
1、A
2、A
3、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。ただし、一般式(3−1)における下記の構造(1−10)は非対称構造である;
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(式中、n
1個のR
5、Y
1、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は上記と同じ。)。}
【0206】
一般式(3−1)のAn'
-における電子吸引性の置換基を有するアリール基、電子吸引性の置換基を有するスルホニル基、ハロゲン化アルキル基又はハロゲノ基を含むアニオンとしては、上記一般式(1)における本発明に係るアニオンのそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0207】
一般式(3−1)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−2a)〜(3−2c)で示される化合物が挙げられ、一般式(3−2a)で示される化合物がより好ましい。
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{式中、R
1〜R
5、R
7、Y
1、An'
-、A
1、A
2、A
3、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。ただし、一般式(3−2a)における下記の構造(1−12)は非対称構造である;
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(式中、R
1〜R
5、Y
1、Ar
2及びn
1は上記と同じ。)。}
【0208】
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(式中、R
5、R
7、R
31、Y
1、An'
-、A
1、A
2、A
3、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
【0209】
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(式中、R
5、R
7、R
31、Y
1、An'
-、A
1、A
2、A
3、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
【0210】
一般式(3−2a)において、下記の構造(1−12)は左右非対称の構造である;
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(式中、R
1〜R
5、Y
1、Ar
2及びn
1は上記と同じ。)
【0211】
言い換えれば、一般式(3−2a)で示される化合物は、下記一般式(1−13)で示される化合物を含まない;
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(式中、R
1〜R
4、R
7、Y
1、An'
-、A
1、A
2及びA
3は上記と同じであり、2つのR
1〜R
4は同一である。)
【0212】
一般式(3−2a)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(3−3a)及び一般式(3−3b)で示される化合物が挙げられ、一般式(3−3a)で示される化合物がより好ましい。
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{式中、R
2'及びR
3'は、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜6のアルキル基を有するもしくは無置換のフェニル基を表し、R
1とR
2'とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
3'とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成していてもよく、R
5'は、ハロゲン原子;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシル基;炭素数6〜14のアリール基;炭素数6〜14のアリールオキシ基;及び炭素数7〜20のアリールアルキル基を表し、An''
-は、前述の一般式(16)〜(19)で示されるアニオンを表し、R
1、R
4、R
7、A
2a、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。ただし、一般式(3−3a)における下記の構造(1−14)は非対称構造である;
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、Ar
2及びn
1は上記と同じ。)。}
【0213】
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{式中、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、R
7〜R
9、An''
-、A
2b、A
4、Ar
2及びn
1〜n
3は、上記と同じ。ただし、一般式(3−3b)における下記の構造(1−14)は非対称構造である;
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(式中、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、Ar
2及びn
1は上記と同じ。)。}
【0214】
一般式(3−3a)のR
2'及びR
3'における炭素数1〜12のアルキル基としては、上記一般式(2−1)のR
8及びR
9における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0215】
一般式(3−3a)のR
2'及びR
3'における炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基は、通常1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1個のアルキル基を有する。当該アルキル基としては、上記一般式(1)のR
32における炭素数1〜6のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0216】
一般式(3−3a)のR
2'及びR
3'における炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニル基としては、炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基が特に好ましく、具体的には例えば、o−トリル基(メチルフェニル基)、m−トリル基、p−トリル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、o−ブチルフェニル基、m−ブチルフェニル基、p−ブチルフェニル基、o−ペンチルフェニル基、m−ペンチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、o−ヘキシルフェニル基、m−ヘキシルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,3−キシリル基(2,3−ジメチルフェニル基)、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基(2,4,6−トリメチルフェニル基)等が挙げられ、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基が好ましく、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基がより好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
【0217】
一般式(3−3a)のR
1とR
2'とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR
3'とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基としては、上記一般式(1−1)のR
1とR
2とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及びR
3とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合における、炭素数2〜4のアルキレン基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0218】
一般式(3−3a)において、R
1とR
2'とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合及び/又はR
3'とR
4とで炭素数2〜4のアルキレン基を形成している場合の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
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(式中、R
2'、R
3'、R
5'、R
7、An''
-、A
2a、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
【0219】
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
2'、R
3'、R
5'、R
7、An''
-、A
2a、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
【0220】
上記具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
5'、R
7、An''
-、A
2a、Ar
2及びn
1は、上記と同じ。)
【0221】
一般式(3−3a)のR
2'としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
1とR
2'とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、R
1とR
2'とでエチレン基を形成しているもの、R
1とR
2'とでトリメチレン基を形成しているもの、R
1とR
2'とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、R
1とR
2'とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
【0222】
一般式(3−3a)のR
3'としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜3のアルキル基を有する又は無置換のフェニル基、及びR
3'とR
4とで炭素数2〜4の直鎖アルキレン基を形成しているものが好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−ペンチルフェニル基、p−ヘキシルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基、R
3'とR
4とでエチレン基を形成しているもの、R
3'とR
4とでトリメチレン基を形成しているもの、R
3'とR
4とでテトラメチレン基を形成しているもの等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、p−トリル基、p−エチルフェニル基、p−プロピルフェニル基、R
3'とR
4とでトリメチレン基を形成しているものが好ましい。尚、上記具体例中のアルキル基は、normal-体に限定されず、sec-体、tert-体、イソ体(iso-体)、ネオ体(neo-体)等の分岐状のものも全て含む。
【0223】
一般式(3−3a)のR
5'におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもフッ素原子が好ましい。
【0224】
一般式(3−3a)のR
5'における炭素数1〜12のアルキル基としては、上記一般式(2−1)のR
8及びR
9における炭素数1〜12のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0225】
一般式(3−3a)のR
5'における炭素数1〜12のアルコキシ基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、sec−ヘキシルオキシ基、tert−ヘキシルオキシ基、ネオヘキシルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
【0226】
一般式(3−3a)のR
5'における炭素数1〜12のアルキルチオ基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、なかでも、直鎖状及び分枝状が好ましい。また、炭素数1〜6のものがより好ましく、炭素数1〜4のものが特に好ましい。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、sec−ペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、1−エチルプロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、sec−ヘキシルチオ基、tert−ヘキシルチオ基、ネオヘキシルチオ基、2−メチルペンチルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、2,3−ジメチルブチルチオ基、1−エチルブチルチオ基が好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基がより好ましく、メチルチオ基、エチルチオ基がさらに好ましい。
【0227】
一般式(3−3a)のR
5'の「ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基」におけるハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基の具体例は、上記一般式(1)のR
5における「置換基を有するアミノ基」のそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0228】
一般式(3−3a)のR
5'におけるハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜13のアリールアルキル基を有するアミノ基としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基が好ましい。具体的には例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、ヒドロシンナミルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ビス(ヒドロシンナミル)アミノ基等が挙げられ、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基が好ましく、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基がより好ましい。
【0229】
一般式(3−3a)のR
5'の炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリールオキシ基及び炭素数7〜20のアリールアルキル基の具体例は、上記一般式(1)のR
5におけるそれらと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0230】
一般式(3−3a)のR
5'としては、ハロゲン原子;炭素数1〜12のアルキル基;炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数1〜12のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシル基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜12のフェニルアルキル基が好ましく、ハロゲン原子;炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルコキシ基;炭素数1〜6のアルキルチオ基;炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を有するアミノ基;ヒドロキシル基;フェニル基;フェノキシ基;及び炭素数7〜9のフェニルアルキル基がより好ましい。具体的には、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、ヒドロシンナミル基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル基、クミル基が好ましく、フッ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロシンナミル基、クミル基がより好ましい。
【0231】
一般式(3−3a)及び一般式(3−3b)において、下記の構造(1−14)は左右非対称の構造である;
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(式中、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、Ar
2及びn
1は上記と同じ。)
【0232】
言い換えれば、一般式(3−3a)で示される化合物は、下記一般式(1−15)で示される化合物を含まない;
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(式中、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
7、An''
-及びA
2aは上記と同じであり、2つのR
1、R
2'、R
3'及びR
4は同一である。)
【0233】
また、一般式(3−3b)で示される化合物は、下記一般式(1−16)で示される化合物を含まない;
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(式中、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
7〜R
9、An''
-、A
2b、A
4及びn
1〜n
3は、上記と同じ。2つのR
1、R
2'、R
3'及びR
4は同一である。)
【0234】
一般式(3−3a)のAn''
-における一般式(16)〜(19)で示されるアニオンとしては、上記一般式(1)のAn
-における一般式(16)〜(19)で示されるアニオンと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0235】
一般式(3−3a)のAn''
-で示されるアニオンとしては、一般式(16)、一般式(18)及び一般式(19)で示されるものが好ましく、一般式(16)及び一般式(18)で示されるものがより好ましく、一般式(16)で示されるものが特に好ましい。具体的には例えば、下記のものが好ましい。
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【0236】
上記具体例の中でも、下記のものがより好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
【0237】
上記具体例の中でも、下記のものがさらに好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
【0238】
上記具体例の中でも、下記のものが特に好ましい。
[この文献は図面を表示できません]
【0239】
一般式(3−3a)におけるR
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、R
7、A
2a、Ar
2及びn
1の好ましい組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。尚、R
2'欄及びR
3'欄における「アルキル基群A」、並びに、R
5'欄における「アルキル基群B」、「アルコキシ群」、「アルキルチオ群」及び「置換アミノ基群」は、それぞれ下記の置換基からなる群を表す。
アルキル基群A;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基
アルキル基群B;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
アルコキシ基群;メトキシ基、エトキシ基
アルキルチオ基群;メチルチオ基、エチルチオ基
置換アミノ基群;メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基
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【0240】
一般式(3−3b)において、R
8、R
9及び−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−で5〜6員環の環状構造を形成していない場合、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、R
7〜R
9、A
2b、A
4、Ar
2及びn
1〜n
3の好ましい組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。尚、A
2b欄における式(P)及び(Q)は、下記の式で示される基を表す。また、R
2'欄における「アルキル基群A」、R
5'欄における「アルキル基群B」、「アルコキシ群」、「アルキルチオ群」及び「置換アミノ基群」は、前記と同じである。
−(CH
2)
2−O−CO−(CH
2)
2−CO−O−(CH
2)
2− (P)
−(CH
2)
2−NHCONH−(CH
2)
2− (Q)
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【0241】
一般式(3−3b)において、R
8、R
9及び−N−(CH
2)
n2−(A
4)
n3−で5〜6員環の環状構造を形成している場合、R
1、R
2'、R
3'、R
4、R
5'、R
7〜R
9、A
2b、A
4、Ar
2及びn
1〜n
3の好ましい組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。尚、R
2'欄における「アルキル基群A」、R
5'欄における「アルキル基群B」、「アルコキシ群」、「アルキルチオ群」及び「置換アミノ基群」は、前記と同じである。
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【0242】
また、前記表に記載の組合せと合わせて用いられるAn''
-としては、下記のものが挙げられる。
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【0243】
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
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【0244】
本発明の消光剤は、蛍光性を有する化合物が発する蛍光を消光し得るものである。
【0245】
本発明の消光剤が消光する対象(以下、消光対象化合物と略記する場合がある)は、蛍光性を有する化合物であればよく、具体的には、例えばアントラセン骨格を有する化合物、キサンテン骨格を有する化合物、クマリン骨格を有する化合物、スチルベン骨格を有する化合物、ナフタルイミド骨格を有する化合物、ペリレン骨格を有する化合物、ピリジン骨格を有する化合物、オキサジン骨格を有する化合物、シアニン骨格を有する化合物、オレフィン骨格を有する化合物、アゾール骨格を有する化合物、チアジン系色素、フタロシアニン系色素、アントラキノン系色素、アクリドン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、チオフラビン系色素、チオインジゴ系色素、フルオレン系色素、アゾ系色素、ジ−及びトリフェニルメタン系色素、ターフェニル系色素、クリセン系色素、ピレン系色素等の蛍光性を有する化合物が挙げられる。
【0246】
上記アントラセン骨格を有する化合物としては、例えばアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン等のアントラセン系色素等が挙げられる。
【0247】
上記キサンテン骨格を有する化合物としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、ベーシックバイオレット11、スルホローダミン101、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2等のローダミン系色素;例えばエオシンY、エオシンB等のエオシン系色素;例えばフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート等のフルオレセイン系色素等が挙げられる。
【0248】
上記クマリン骨格を有する化合物としては、例えばクマリン6、クマリン7、クマリン153、クマリン314、クマリン334、クマリン545、クマリン545T、クマリン545P、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン等のクマリン系色素等が挙げられる。
【0249】
上記スチルベン骨格を有する化合物としては、例えば1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベンゼン等のスチルベン系色素等が挙げられる。
【0250】
上記ナフタルイミド骨格を有する化合物としては、例えばベーシックイエロー51、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー98、ソルベントイエロー116、ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44等のナフタルイミド系色素等が挙げられる。
【0251】
上記ペリレン骨格を有する化合物としては、例えばペリレン、ルモゲンイエロー、ルモゲングリーン、ルモゲンオレンジ、ルモゲンピンク、ルモゲンレッド、ソルベントオレンジ5、ソルベントグリーン5等のペリレン系色素等が挙げられる。
【0252】
上記ピリジン骨格を有する化合物としては、例えば1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム−パークロレート(ピリジン1)等のピリジン系色素、アクリジン系色素等が挙げられる。
【0253】
上記オキサジン骨格を有する化合物としては、例えば酢酸クレシルバイオレット等のオキサジン系色素、ジオキサジン系色素等が挙げられる。
【0254】
上記シアニン骨格を有する化合物としては、例えば4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン等のシアニン系色素等が挙げられる。
【0255】
上記オレフィン骨格を有する化合物としては、例えばエテン系色素、ブタジエン系色素、ヘキサトリエン系色素等が挙げられる。
【0256】
上記アゾール骨格を有する化合物としては、例えばオキサゾール系色素、チアゾール系色素等が挙げられる。
【0257】
上記消光対象化合物の中でも、アントラセン骨格、キサンテン骨格、クマリン骨格又はオキサジン骨格を有する化合物が好ましく、キサンテン骨格を有する化合物がより好ましく、ローダミン系色素が特に好ましい。具体的には例えば、アントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2、エオシンY、エオシンB、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、クマリン6、クマリン7、クマリン153、クマリン314、クマリン334、クマリン545、クマリン545T、クマリン545P、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンが好ましく、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2、エオシンY、エオシンB、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネートがより好ましく、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2が特に好ましい。
【0258】
また、上記消光対象化合物には、重合性基を有する上記消光対象化合物、即ち、蛍光性を有しており、且つ、重合性不飽和基を有するモノマー(以下、重合性消光対象化合物と略記する場合がある)、及びそのポリマーも含まれる。
【0259】
上記重合性消光対象化合物における重合性不飽和基としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基等が挙げられる。
【0260】
上記重合性消光対象化合物のポリマーとは、重合性消光対象化合物由来のモノマー単位を構成成分とし、蛍光性を有するものである。
【0261】
重合性消光対象化合物又はそのポリマーの具体例としては、例えば、特開平05−271567号公報、特開平09−272814号公報、特開2001−011336号公報、特開2013−045088号公報、WO2014/126167公報、WO2015/098999公報、WO2015/133578公報、WO2015/147285公報、WO2015/182680公報等に記載のものであっても、市販のものであってもよい。
【0262】
消光対象化合物としては、重合性消光対象化合物又はそのポリマーが好ましく、重合性消光対象化合物がより好ましい。
【0263】
本発明の消光剤を用いて消光対象化合物が発する蛍光を消光するには、例えば、本発明の消光剤を、通常この分野で用いられる溶媒中で、消光対象化合物のmol数に対して通常0.5〜300当量、好ましくは100〜200当量用いればよい。この消光反応における溶媒の使用量、温度、圧力等の反応条件は、有機化学分野における技術常識を考慮して適宜選択すればよい。
【0264】
[本発明の消光剤の製造方法]
本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が酸素原子であり、且つ、R
6がヒドロキシル基であるもの{下記一般式(36)で示される化合物}は、次の反応[I]〜[III]に示す一連の方法で製造することができる。
【0265】
すなわち、まず、下記一般式(31)で示される化合物と無水フタル酸とを反応させて下記一般式(32)で示される化合物を得る(反応[I])。次いで、得られた一般式(32)で示される化合物を下記一般式(33)で示される化合物と反応させて、下記一般式(34)で示される化合物を得る(反応[II])。その後、得られた一般式(34)で示される化合物に、要すれば下記一般式(35)で示される化合物を反応させた上で、塩形成反応を行えばよい(反応[III])。
【0266】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、Ar
1'は、下記一般式(1−1')及び下記式(1−2')〜(1−7')で示される環構造を表し;
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
1〜R
4は、上記と同じ。)、
[この文献は図面を表示できません]
*及び**は、上記と同じ。}
【0267】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
35は、ヒドロキシル基又はメトキシ基を表し、n
1個のR
5、Ar
1'、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0268】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、R
36は、ハロゲン原子、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、メシルオキシ基(メチルスルホニルオキシ基)又はトシルオキシ基(p−トルエンスルホニルオキシ基)を表し、n
1個のR
5、R
31、An
-、Ar
1、Ar
1'、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。}
【0269】
一般式(31)のAr
1'としては、一般式(1−1')で示される環構造が好ましい。
【0270】
一般式(33)のR
35としては、ヒドロキシル基が好ましい。
【0271】
一般式(35)のR
36におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でもヨウ素原子が好ましい。
【0272】
一般式(35)のR
36としては、ハロゲン原子が好ましく、ヨウ素原子がより好ましい。
【0273】
上記反応[I]においては、一般式(31)で示される化合物と無水フタル酸とを、溶媒中、通常80〜160℃、好ましくは90〜120℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜10時間反応させればよい。
【0274】
上記溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でも炭化水素類が好ましく、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(31)で示される化合物と無水フタル酸の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜10倍である。
【0275】
無水フタル酸の使用量は、一般式(31)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0276】
一般式(31)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0277】
上記反応[II]においては、上記反応[I]で得られた一般式(32)で示される化合物と一般式(33)で示される化合物を、酸触媒の存在下で通常70〜140℃、好ましくは80〜120℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜10時間反応させればよい。
【0278】
上記酸触媒としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等が挙げられ、メタンスルホン酸が好ましい。酸触媒の使用量は、一般式(32)で示される化合物と一般式(33)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは3〜10倍である。
【0279】
一般式(33)で示される化合物の使用量は、一般式(32)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0280】
一般式(33)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
上記反応[III]においては、(a)一般式(34)で示される化合物のAr
1'が一般式(1−1')で示される環構造である場合、一般式(34)で示される化合物を塩形成反応に付せばよく、(b)一般式(34)で示される化合物のAr
1'が式(1−2')〜(1−7')で示される環構造である場合、一般式(34)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応を行った後、得られた化合物を塩形成反応に付せばよい。
【0282】
上記反応[III]の(a)における塩形成反応としては、一般式(34)で示される化合物に、An
-で示されるアニオンの塩を溶媒中で接触させることによりなされる。
【0283】
上記塩形成反応は、通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜10時間なされる。
【0284】
上記塩形成反応における溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル等の有機溶媒が挙げられるが、中でもエタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルが好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(34)で示される化合物とAn
-で示されるアニオンの塩の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは1〜15倍である。
【0285】
上記塩形成反応におけるAn
-で示されるアニオンの塩としては、An
-で示されるアニオンのアルカリ金属塩、又は、無機酸が挙げられる。
【0286】
上記An
-で示されるアニオンのアルカリ金属塩としては、An
-で示されるアニオンと、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属からなる塩が挙げられ、An
-で示されるアニオンとカリウム又はリチウムからなる塩が好ましい。上記An
-で示されるアニオンのアルカリ金属塩の使用量は、一般式(34)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0287】
上記無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸等の無機酸が挙げられ、塩酸、過塩素酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロアンチモン酸が好ましい。上記無機酸の使用量は、一般式(34)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜50当量、好ましくは1〜10当量である。
【0288】
上記塩形成反応におけるAn
-で示されるアニオンの塩が、An
-で示されるアニオンのアルカリ金属塩である場合、一般式(34)で示される化合物とAn
-で示されるアニオンのアルカリ金属塩を溶媒中、塩酸共存下で反応させてクロル塩を経由するのが好ましい。該塩酸の使用量としては、一般式(34)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜50当量、好ましくは1〜10当量である。
【0289】
また、上記塩形成反応におけるAn
-で示されるアニオンの塩が無機酸である場合、一般式(34)で示される化合物と無機酸を、溶媒中で反応させればよい。
【0290】
上記反応[III]の(b)における一般式(34)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応は、溶媒中、塩基触媒の存在下で通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは2〜10時間行えばよい。
【0291】
上記塩基触媒としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、トリエチレンジアミン、ペピリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピロリドン、テトラヒドロキノリン等のアミン類等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を共に用いてもよい。塩基触媒の使用量は、一般式(34)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは3〜10倍である。
【0292】
上記溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル等の有機溶媒が挙げられるが、中でもエタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルが好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(34)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは1〜15倍である。
【0293】
一般式(35)で示される化合物の使用量は、一般式(34)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0294】
一般式(35)で示される化合物の具体例としては、例えばフルオロメタン、フルオロエタン、1−フルオロプロパン、2−フルオロプロパン、クロロメタン、クロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、ブロモメタン、ブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンスルホン酸エチル、トリフルオロメタンスルホン酸プロピル、メチルメシラート、エチルメシラート、n−プロピルメシラート、イソプロピルメシラート、メチルトシラート、エチルトシラート、n−プロピルトシラート、イソプロピルトシラート等が挙げられ、フルオロメタン、クロロメタン、ブロモメタン、ヨードメタン、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、メチルメシラート、メチルトシラートが好ましく、ヨードメタンがより好ましい。
【0295】
上記反応[III]の(b)における塩形成反応は、上述した反応[III]の(a)の塩形成反応における一般式(34)で示される化合物の代わりに、一般式(34)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応により得られた化合物を用いる以外、反応[III]の(a)における塩形成反応と同様の反応条件(反応溶媒、反応温度、反応時間、各使用量)で行えばよい。
【0296】
本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が酸素原子であり、且つ、R
6が炭素数1〜20のアルコキシ基であるもの{下記一般式(38−1)で示される化合物}は、次の反応[IV−I]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−1)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−1)で示される化合物を得ることができる。
【0297】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が酸素原子であり、且つ、R
6が置換基を有するもしくは無置換のアミノ基であるもの{下記一般式(38−2)で示される化合物}は、次の反応[IV−II]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−2)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−2)で示される化合物を得ることができる。
【0298】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が酸素原子であり、且つ、R
6が複素環式アミノ基であるもの{下記一般式(38−3)で示される化合物}は、次の反応[IV−III]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−3)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−3)で示される化合物を得ることができる。
【0299】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が酸素原子であり、且つ、R
6が一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基であるもの{下記一般式(38−4)で示される化合物}は、次の反応[IV−IV]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[III]で得られた一般式(36)で示される化合物と下記一般式(37−4)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(38−4)で示される化合物を得ることができる。
【0300】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R
6−1は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、2個のR
6−2はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜20のアルキル基を表し、R
6−3は、複素環式アミノ基を表し、n
1個のR
5、R
7、A
1、A
2、A
3、An
-、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0301】
一般式(37−1)のR
6−1における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0302】
一般式(37−2)のR
6−2における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における置換基を有するアミノ基の置換基における炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0303】
一般式(37−2)のR
6−2における炭素数1〜20のアルキル基としては、上記一般式(1)のR
5における炭素数1〜20のアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0304】
一般式(37−2)のR
6−2としては、水素原子及び炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子及び炭素数1〜12のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
【0305】
一般式(37−3)のR
6−3における複素環式アミノ基としては、上記一般式(1)のR
6における複素環式アミノ基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0306】
上記反応[IV−I]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−1)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、通常1〜50時間、好ましくは20〜40時間反応させればよい。
【0307】
上記溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でもエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−1)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜15倍である。
【0308】
上記脱水縮合剤としては、一般に脱水縮合剤として使用されるものであればよく、例えば五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類;例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類;例えばポリリン酸、無水酢酸、硫酸、カルボニルジイミダゾ−ル、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、カルボジイミド類が好ましい。該脱水縮合剤の使用量は、一般式(36)で示される化合物物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。上記反応[IV−I]においては、脱水縮合剤の効率を向上させるために、ジメチルアミノピリジン等の触媒を用いてもよい。該触媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常0.1〜10当量である。
【0309】
一般式(37−1)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物の重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜15倍である。
【0310】
一般式(37−1)で示される化合物の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
【0311】
上記反応[IV−II]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−2)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜18時間反応させればよい。
【0312】
上記溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でもエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−2)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜15倍である。
【0313】
上記脱水縮合剤としては、一般に脱水縮合剤として使用されるものであればよく、例えば五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類;例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類;例えばポリリン酸、無水酢酸、硫酸、カルボニルジイミダゾ−ル、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、カルボジイミド類が好ましい。該脱水縮合剤の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。上記反応[IV−II]においては、脱水縮合剤の効率を向上させるために、ジメチルアミノピリジン等の触媒を用いてもよい。該触媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常0.1〜10当量である。
【0314】
一般式(37−2)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0315】
一般式(37−2)で示される化合物の具体例としては、例えば、アンモニア、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、ヘプタフルオロプロピルアミン、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ(n−プロピル)アミン、N−エチルメチルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−メチルプロピルアミン等が挙げられる。
【0316】
上記反応[IV−III]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−3)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜18時間反応させればよい。
【0317】
上記溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でもエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−3)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜15倍である。
【0318】
上記脱水縮合剤としては、一般に脱水縮合剤として使用されるものであればよく、例えば五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類;例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類;例えばポリリン酸、無水酢酸、硫酸、カルボニルジイミダゾ−ル、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、カルボジイミド類が好ましい。該脱水縮合剤の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。上記反応[IV−III]においては、脱水縮合剤の効率を向上させるために、ジメチルアミノピリジン等の触媒を用いてもよい。該触媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常0.1〜10当量である。
【0319】
一般式(37−3)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜3当量、好ましくは1〜2当量である。
【0320】
一般式(37−3)で示される化合物の具体例としては、例えば、ピロリジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン等が挙げられ、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジンが好ましく、ピペリジンがより好ましい。
【0321】
上記反応[IV−IV]においては、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−4)で示される化合物を、溶媒中、脱水縮合剤の存在下で通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜18時間反応させればよい。
【0322】
上記溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でもエーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物と一般式(37−4)で示される化合物の総重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜15倍である。
【0323】
上記脱水縮合剤としては、一般に脱水縮合剤として使用されるものであればよく、例えば五酸化二リン、無水塩化亜鉛等の無機脱水剤類;例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド)塩酸塩等のカルボジイミド類;例えばポリリン酸、無水酢酸、硫酸、カルボニルジイミダゾ−ル、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、カルボジイミド類が好ましい。該脱水縮合剤の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜10当量である。上記反応[IV−IV]においては、脱水縮合剤の効率を向上させるために、ジメチルアミノピリジン等の触媒を用いてもよい。該触媒の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常0.1〜10当量である。
【0324】
一般式(37−4)で示される化合物の使用量は、一般式(36)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0325】
一般式(37−4)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
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【0326】
本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が硫黄原子又は−NR
32−であり、且つ、R
6がヒドロキシル基であるもの{下記一般式(43)で示される化合物}は、次の反応[V]及び[VI]に示す一連の方法で製造することができる。
【0327】
すなわち、まず、下記一般式(39)で示される化合物と下記一般式(40)で示される化合物を、下記一般式(41)で示される化合物の存在下で反応させ、次いで、得られた化合物と無水フタル酸を反応させて下記一般式(42)で示される化合物を得る(反応[V])。その後、得られた一般式(42)で示される化合物に、要すれば下記一般式(35)で示される化合物を反応させた上で、塩形成反応を行えばよい(反応[VI])。
【0328】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が硫黄原子又は−NR
32−であり、且つ、R
6が炭素数1〜20のアルコキシ基であるもの{下記一般式(44−1)で示される化合物}は、次の反応[VII−I]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と下記一般式(37−1)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(44−1)で示される化合物を得ることができる。
【0329】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が硫黄原子又は−NR
32−であり、且つ、R
6が置換基を有するもしくは無置換のアミノ基であるもの{下記一般式(44−2)で示される化合物}は、次の反応[VII−II]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と下記一般式(37−2)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(44−2)で示される化合物を得ることができる。
【0330】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が硫黄原子又は−NR
32−であり、且つ、R
6が複素環式アミノ基であるもの{下記一般式(44−3)で示される化合物}は、次の反応[VII−III]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と下記一般式(37−3)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(44−3)で示される化合物を得ることができる。
【0331】
また、本発明の消光剤のうち、例えば、一般式(1)におけるY
1が硫黄原子又は−NR
32−であり、且つ、R
6が一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基であるもの{下記一般式(44−4)で示される化合物}は、次の反応[VII−IV]に示す方法で製造することができる。すなわち、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と下記一般式(37−4)で示される化合物とを反応させることで、下記一般式(44−4)で示される化合物を得ることができる。
【0332】
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(式中、Y
2は、硫黄原子又は−NR
32−を表し、n
1個のR
5、R
32、Ar
1'、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0333】
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(式中、n
1個のR
5、R
31、R
36、Y
2、An
-、Ar
1、Ar
1'、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0334】
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(式中、n
1個のR
5、R
6−1、2個のR
6−2、R
6−3、R
7、Y
2、A
1、A
2、A
3、An
-、Ar
1、Ar
2、n
1、*及び**は、上記と同じ。)
【0335】
Y
2は、−NR
32−が好ましい。具体的には、例えば、硫黄原子、−NCH
3−、−NC
2H
5−、−NC
3H
7−等が挙げられ、硫黄原子、−NCH
3−が好ましく、−NCH
3−がより好ましい。
【0336】
上記反応[V]においては、一般式(39)で示される化合物と一般式(40)で示される化合物を、溶媒中、一般式(41)で示される化合物の存在下で通常80〜160℃、好ましくは90〜120℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜10時間反応させ、次いで、得られた化合物と無水フタル酸を、通常80〜160℃、好ましくは90〜120℃で、通常1〜24時間、好ましくは3〜10時間反応させればよい。
【0337】
上記溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;例えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、tert-ブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;例えばクロロメタン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;例えばアセトニトリル等のニトリル類;例えばN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等が挙げられ、中でも炭化水素類が好ましく、トルエンがより好ましい。これらはそれぞれ単独でも或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。反応溶媒の使用量は、一般式(39)で示される化合物の重量に対して、通常1〜50倍、好ましくは5〜10倍である。
【0338】
一般式(39)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
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【0339】
一般式(40)で示される化合物の使用量は、一般式(39)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0340】
一般式(40)で示される化合物の具体例としては、例えば下記のものが挙げられる。
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【0341】
一般式(41)で示される化合物の使用量は、一般式(39)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0342】
一般式(41)で示される化合物の具体例としては、例えば、SCl
2、CH
3NCl
2、C
2H
5NCl
2、C
3H
7NCl
2等が挙げられる。
【0343】
無水フタル酸の使用量は、一般式(39)で示される化合物のmol数に対して、通常1〜2当量、好ましくは1〜1.5当量である。
【0344】
上記反応[VI]においては、(a)一般式(42)で示される化合物のAr
1'が一般式(1−1')で示される環構造である場合、一般式(42)で示される化合物を塩形成反応に付せばよく、(b)一般式(42)で示される化合物のAr
1'が式(1−2')〜(1−7')で示される環構造である場合、一般式(42)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応を行った後、得られた化合物を塩形成反応に付せばよい。
【0345】
上記反応[VI]の(a)における塩形成反応としては、上述した反応[III]の(a)における塩形成反応と同様の反応を行えばよい。
【0346】
上記反応[VI]の(b)における一般式(42)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応は、上述した反応[III]の(b)における一般式(34)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応における一般式(34)で示される化合物の代わりに、一般式(42)で示される化合物を用いる以外、上記反応[III]の(b)における一般式(35)で示される化合物との反応と同様の反応条件(反応溶媒、反応温度、反応時間、各使用量)で行えばよい。
【0347】
上記反応[VI]の(b)における塩形成反応は、上述した反応[III]の(a)の塩形成反応における一般式(34)で示される化合物の代わりに、一般式(42)で示される化合物と一般式(35)で示される化合物との反応により得られた化合物を用いる以外、反応[III]の(a)における塩形成反応と同様の反応条件(反応溶媒、反応温度、反応時間、各使用量)で行えばよい。
【0348】
上記反応[VII−I]においては、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と一般式(37−1)で示される化合物を、上述した反応[IV−I]における反応条件(反応溶媒、酸触媒、反応温度、反応時間、各使用量)と同様の反応条件下で反応させればよい。
【0349】
上記反応[VII−II]においては、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と一般式(37−2)で示される化合物を、上述した反応[IV−II]における反応条件(反応溶媒、酸触媒、反応温度、反応時間、各使用量)と同様の反応条件下で反応させればよい。
【0350】
上記反応[VII−III]においては、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と一般式(37−3)で示される化合物を、上述した反応[IV−III]における反応条件(反応溶媒、酸触媒、反応温度、反応時間、各使用量)と同様の反応条件下で反応させればよい。
【0351】
上記反応[VII−IV]においては、上記反応[VI]で得られた一般式(43)で示される化合物と一般式(37−4)で示される化合物を、上述した反応[IV−IV]における反応条件(反応溶媒、酸触媒、反応温度、反応時間、各使用量)と同様の反応条件下で反応させればよい。
【0352】
上記反応[I]〜[VII−IV]における反応時の圧力は、一連の反応が滞りなく実施されれば特に制限はなく、例えば常圧で行えばよい。
【0353】
上記反応[I]〜[VII−IV]における反応後に得られる反応物及び生成物は、必要に応じて、通常この分野で行われる一般的な後処理操作及び精製操作により単離してもよい。具体的には例えば、ろ過、洗浄、抽出、減圧濃縮、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィ−等を行うことによって得られた反応物及び生成物を単離してもよい。
【0354】
[本発明の化合物]
本発明の化合物は、上記一般式(3)で示される化合物である。その具体例及び好ましい範囲は、上記本発明の消光剤において、一般式(3)で示される化合物として記載したものと同じものが挙げられる。
【0355】
本発明の化合物は、蛍光性を有する化合物に対する消光効果に加え、加熱による退色が少なく、高い耐熱効果を奏する。それ故、本発明の化合物は、消光剤用途としてのみならず、該化合物そのものを染料として用いることもできる。
【0356】
また、上記一般式(3)で示される化合物のうち、Ar
1が一般式(1−1)であり、Ar
2がベンゼン環であり、且つ、1個のR
5がフェニルアミノ基であるもの{下記一般式(50)で示される化合物}は、本発明の化合物の中でも高い耐熱効果を有する黒色染料として有用である。
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(式中、R
1〜R
5、R
6'、Y
1及びAn
-は、上記と同じであり、n
8は0〜3の整数を表す。)
【0357】
一般式(3)のn
8としては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
【0358】
上記一般式(50)で示される化合物の中でも好ましい具体例としては、下記一般式(51)で示される化合物が挙げられる。
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(式中、R
1〜R
5、R
6'、Y
1及びAn
-は、上記と同じであり、n
9は0又は1を表す。)
【0359】
一般式(3)のn
9としては、1がより好ましい。
【0360】
一般式(51)におけるR
1〜R
5、R
6'、Y
1及びn
9の好ましい組合せとしては、例えば下記表記載のものが挙げられる。尚、R
2欄及びR
3欄における「アルキル基群A」、R
5欄における「アルキル基群B」、「アルコキシ基群」、「アルキルチオ基群」及び「置換アミノ基群」、並びに、R
6'欄における「重合性基群」は、それぞれ下記官能基からなる群を表す。
アルキル基群A;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基
アルキル基群B;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
アルコキシ基群;メトキシ基、エトキシ基
アルキルチオ基群;メチルチオ基、エチルチオ基
置換アミノ基群;メチルアミノ基、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基
重合性基群;
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【0361】
また、前記表中の組合せと合わせて用いられるAn
-としては、下記のものが挙げられる。
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【0362】
上記具体例の中でも、下記のものが好ましい。
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【0363】
[本発明の化合物の製造方法]
本発明の化合物のうち、例えば、一般式(3)におけるY
1が酸素原子であり、且つ、R
6が一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基であるもの{上記一般式(38−4)で示される化合物}は、上記本発明の消光剤の製造方法における反応[I]〜[III]及び[IV−IV]で示される一連の方法と同様の方法で製造することができる。
【0364】
また、本発明の化合物のうち、例えば、一般式(3)におけるY
1が硫黄原子又は−NR
32−であり、且つ、R
6が一般式(2)で示される重合性不飽和基を有する基であるもの{上記一般式(44−4)で示される化合物}は、上記本発明の消光剤の製造方法における反応[V]、[VI]及び[VII−IV]で示される一連の方法と同様の方法で製造することができる。
【0365】
[本発明のポリマー]
本発明のポリマーは、上記本発明の化合物由来のモノマー単位を有するポリマーである。
【0366】
本発明のポリマーの重量平均分子量(Mw)は、通常2,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは、2,000〜30,000である。また、その分散度(Mw/Mn)は、通常1.00〜5.00、好ましくは1.00〜3.00である。
【0367】
本発明のポリマーは、上記本発明の化合物由来のモノマー単位を有するものであれば、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよいが、耐熱性効果の高いコポリマーが好ましい。
【0368】
該コポリマーとしては、例えば重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位及び/又は下記一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物由来のモノマー単位1〜2種と、上記一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位とを構成成分とするものが挙げられる(以下、本発明のコポリマーと略記する場合がある)。
【0369】
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[式中、R
11は、水素原子又はメチル基を表し、R
12は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシルアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシアルコキシアルキル基、炭素数7〜13のアリールオキシアルキル基、炭素数5〜7のモルホリノアルキル基、炭素数3〜9のトリアルキルシリル基、酸素原子を有する又は酸素原子を有さない炭素数6〜12の脂環式炭化水素基、炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、又は炭素数9〜14のN−アルキレンフタルイミド基、下記一般式(4−1)で示される基
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(式中、R
21は、ヒドロキシル基を置換基として有する又は無置換の炭素数1〜3のアルキレン基を表し、R
22は、ヒドロキシル基を置換基として有する又は無置換のフェニル基、或いは炭素数1〜3のアルキル基を表し、qは1〜3の整数を表す。)、下記一般式(4−2)で示される基
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(式中、R
23〜R
25は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
26は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)、又は、下記一般式(4−3)で示される基
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(式中、lは、1〜6の整数を表し、R
27はフェニレン基又はシクロへキシレン基を表す。)を表す。]、
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(式中、R
11は上記と同じ。R
13は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
14は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基又は炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基を表す。R
13とR
14は、これらと隣接する窒素原子とでモルホリノ基を形成してもよい。)、
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(式中、R
15は、フェニル基又はピロリジノ基を表し、R
11は上記と同じ。)、
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(式中、R
17は、窒素原子又は酸素原子を表し、jは、R
17が酸素原子の場合に0を表し、R
17が窒素原子の場合には1を表す。R
16は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシルアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜10のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜7のハロゲン化シクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリール基、又は、炭素数6〜10のハロゲン化アリール基を表す。)
【0370】
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位としては、上述した重合性消光対象化合物由来のモノマー単位、即ち、重合性不飽和基を有し、且つ、蛍光性を有する化合物に由来するものであって、一般式(3)で示される化合物と重合してコポリマーを形成し得るものであればよい。
【0371】
上記重合性不飽和基の具体例としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルアリール基、ビニルオキシ基、アリル基等が挙げられる。
【0372】
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料としては、重合性消光対象化合物として挙げたものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
【0373】
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料の具体例としては、例えば、特開平05−271567号公報、特開平09−272814号公報、特開2001−011336号公報、特開2013−045088号公報、WO2014/126167公報、WO2015/098999公報、WO2015/133578公報、WO2015/147285公報、WO2015/182680公報等に記載のものであっても、市販のものであってもよい。
【0374】
一般式(4)におけるR
11は、メチル基が好ましい。
【0375】
一般式(4)のR
12における炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1,2-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロテトラデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
【0376】
一般式(4)のR
12における炭素数1〜10のヒドロキシルアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
【0377】
一般式(4)のR
12における炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0378】
一般式(4)のR
12における炭素数7〜13のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基等が挙げられ、ベンジル基が好ましい。
【0379】
一般式(4)のR
12における炭素数2〜9のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、メトキシヘプチル基、メトキシオクチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、エトキシペンチル基、エトキシヘキシル基、エトキシヘプチル基、プロポキシメチル基、プロポキシエチル基、プロポキシプロピル基、プロポキシブチル基、プロポキシペンチル基、プロポキシヘキシル基等が挙げられる。
【0380】
一般式(4)のR
12における炭素数3〜9のアルコキシアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメトキシメチル基、メトキシメトキシエチル基、メトキシメトキシプロピル基、エトキシメトキシメチル基、エトキシメトキシエチル基、エトキシメトキシプロピル基、プロポキシメトキシメチル基、プロポキシメトキシエチル基、プロポキシメトキシプロピル基、エトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシプロピル基、プロポキシエトキシメチル基、プロポキシエトキシエチル基、プロポキシエトキシプロピル基、プロポキシプロポキシメチル基、プロポキシプロポキシエチル基、プロポキシプロポキシプロピル基等が挙げられる。
【0381】
一般式(4)のR
12における炭素数7〜13のアリールオキシアルキル基としては、例えば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基、ナフチルオキシメチル基、ナフチルオキシエチル基、ナフチルオキシプロピル基等が挙げられる。
【0382】
一般式(4)のR
12における炭素数5〜7のモルホリノアルキル基としては、例えば、モルホリノメチル基、モルホリノエチル基、モルホリノプロピル基等が挙げられる。
【0383】
一般式(4)のR
12における炭素数3〜9のトリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジエチルメチルシリル基等が挙げられる。
【0384】
一般式(4)のR
12における、酸素原子を有する炭素数6〜12の脂環式炭化水素基としては、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル基等が挙げられる。
【0385】
一般式(4)のR
12における、酸素原子を有さない炭素数6〜12の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基等が挙げられる。
【0386】
一般式(4)のR
12における炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基としては、例えば、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、ジプロピルアミノメチル基、ジプロピルアミノエチル基、ジプロピルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0387】
一般式(4)のR
12における炭素数1〜18のフルオロアルキル基としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシル、2−(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル基等が挙げられる。
【0388】
一般式(4)のR
12における炭素数9〜14のN−アルキレンフタルイミド基としては、例えば、2−フタルイミドエチル基、2−テトラヒドロフタルイミドエチル基等が挙げられる。
【0389】
一般式(4−1)のR
21におけるヒドロキシル基を置換基として有する又は無置換の炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシプロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基等が挙げられ、エチレン基、プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基が好ましい。
【0390】
一般式(4−1)のR
22におけるヒドロキシル基を置換基として有する又は無置換のフェニル基としては、ヒドロキシフェニル基、フェニル基等が挙げられる。
【0391】
一般式(4−1)のR
22における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
【0392】
一般式(4−1)で示される基の具体例としては、(4−ヒドロキシフェノキシ)メチル基、(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル基、(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピル基、1−ヒドロキシ−1−フェノキシメチル基、1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル基、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル基、メチルトリメチレングリコール基、メチルトリエチレングリコール基、メチルトリプロピレングリコール基等が挙げられ、中でも(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル基、メチルトリプロピレングリコール基、メチルトリエチレングリコール基等が好ましい。
【0393】
一般式(4−2)のR
23〜R
25における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0394】
一般式(4−2)のR
26における炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
【0395】
一般式(4−2)で示される基の具体例としては、トリメチルアンモニウムメチル基、トリメチルアンモニウムエチル基、トリエチルアンモニウムメチル基、トリエチルアンモニウムエチル基等が挙げられる。
【0396】
一般式(4−3)で示される基の好ましい具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
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【0397】
一般式(4)におけるR
12としては、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシアルキル基、炭素数7〜13のアリールオキシアルキル基、一般式(4−1)で示される基、一般式(4−3)で示される基が好ましく、中でも水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシアルキル基がより好ましく、水素原子、炭素数7〜13のアリールアルキル基が特に好ましい。
【0398】
一般式(4)の好ましい具体例としては、アクリル酸、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル、ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸メチル等が挙げられ、中でもアクリル酸、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジルが好ましく、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジルがより好ましい。
【0399】
一般式(5)のR
13及びR
14における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
【0400】
一般式(5)のR
14における炭素数3〜9のジアルキルアミノアルキル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、ジプロピルアミノメチル基、ジプロピルアミノエチル基、ジプロピルアミノプロピル基等が挙げられる。
【0401】
一般式(5)のR
14における炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基等が挙げられ、ヒドロキシエチル基が好ましい。
【0402】
一般式(5)の好ましい具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドが好ましく、N,N−ジエチルアクリルアミドが特に好ましい。
【0403】
一般式(6)の好ましい具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンが特に好ましい。
【0404】
一般式(7)のR
16における炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分枝状及び環状のうちいずれであってもよく、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、1−メチルプロピル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、tert-ヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n-オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
【0405】
一般式(7)のR
16における炭素数1〜10のヒドロキシルアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
【0406】
一般式(7)のR
16における炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基としては、例えば、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロ-n-プロピル基、クロロイソプロピル基、クロロ-n-ブチル基、クロロ-tert-ブチル基、クロロ-n-ペンチル基、クロロ-n-ヘキシル基、クロロ-n-ヘプチル基、クロロ-n-オクチル基、クロロ-n-ノニル基、クロロ-n-デシル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロ-n-プロピル基、フルオロイソプロピル基、フルオロ-n-ブチル基、フルオロ-tert-ブチル基、フルオロ-n-ペンチル基、フルオロ-n-ヘキシル基、フルオロ-n-ヘプチル基、フルオロ-n-オクチル基、フルオロ-n-ノニル基、フルオロ-n-デシル基等が挙げられる。
【0407】
一般式(7)のR
16における炭素数6〜10のアルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、プロピルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、エチルシクロヘプチル基、プロピルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、エチルシクロオクチル基等が挙げられる。
【0408】
一般式(7)のR
16における炭素数6〜7のハロゲン化シクロアルキル基としては、例えば、クロロシクロヘキシル基、フルオロシクロヘキシル基、ブロモシクロヘキシル基、クロロシクロヘプチル基、フルオロシクロヘプチル基、ブロモシクロヘプチル基等が挙げられる。
【0409】
一般式(7)のR
16における炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0410】
一般式(7)のR
16における炭素数1〜6のアルキル基を置換基として有する炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、n-ペンチルフェニル基、n-ヘキシルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基等が挙げられる。
【0411】
一般式(7)のR
16における炭素数6〜10のハロゲン化アリール基としては、例えば、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、クロロナフチル基、フルオロナフチル基等が挙げられる。
【0412】
一般式(7)の好ましい具体例としては、無水マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−(2−エチルヘキシル)マレイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)マレイミド、N−(2−クロロヘキシル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−(2−メチルシクロヘキシル)マレイミド、N−(2−エチルシクロヘキシル)マレイミド、N−(2−クロロシクロヘキシル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド等が挙げられ、中でも、N−フェニルマレイミドが好ましい。
【0413】
本発明のコポリマーは、上述したモノマー単位以外にも、種々の染料を由来とするモノマー単位を含んでいてもよい。ただし、当該染料は、一般式(3)で示される化合物及び重合性不飽和基を有する蛍光性染料とは異なるものである。
【0414】
本発明のコポリマーは、具体的には、下記表記載のモノマー単位の組合せが挙げられ、中でも組合せ1、2及び6〜12が好ましく、組合せ1、2及び6〜9がより好ましく、組合せ1、2及び6が特に好ましい。また、下記組合せ2及び6の中でも、一般式(3)で示される化合物と2種類の一般式(4)で示される化合物とからなる組合せが好ましい。
【0416】
一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位と、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位及び/又は一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物由来のモノマー単位との重量比率は、用いられるモノマー単位の種類によって適宜設定されればよいが、得られるポリマーの総重量に対して一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位が、通常1〜90重量%、好ましくは5〜85重量%である。
【0417】
本発明のコポリマーの好ましい具体例としては、一般式(3)で示される化合物由来のモノマー単位と、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位及び/又は下記一般式(4')で示される化合物由来のモノマー単位1〜2種類を含んでなるポリマーが挙げられる。
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(式中、R'
12は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシルアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基又は炭素数2〜9のアルコキシアルキル基を表し、R
11は、上記と同じ。)
【0418】
一般式(4')におけるR'
12における炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシルアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜13のアリールアルキル基、及び炭素数2〜9のアルコキシアルキル基の具体例は、上記一般式(4)におけるR
12のそれらと同じものが挙げられる。
【0419】
一般式(4')におけるR'
12は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数7〜13のアリールアルキル基が好ましく、水素原子、炭素数7〜13のアリールアルキル基がより好ましい。
【0420】
一般式(4')の好ましい具体例としては、アクリル酸、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル等が挙げられ、中でもメタクリル酸、メタクリル酸ベンジルが好ましい。
【0421】
本発明のポリマーは、蛍光性を有する化合物に対する消光効果に加え、加熱による退色が少なく、高い耐熱効果を奏する。また、本発明のポリマーは、耐溶出性及び耐候性にも優れている。それ故、本発明のポリマーは、消光剤用途としてのみならず、該ポリマーそのものを染料として用いることもできる。
【0422】
また、本発明のポリマーが重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位を含んでなるものである場合、当該ポリマーに含まれる本発明の化合物(モノマー)は、当該ポリマーに含まれる蛍光性染料の発する蛍光をポリマー分子内で抑制することができる。すなわち、当該ポリマーは、重合性不飽和基を有する蛍光性染料のみからなるポリマーと比べて蛍光発光が抑制されており、染料としてより好適に用いることができる。
【0423】
上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料を含んでなる本発明のポリマーは、本発明の化合物由来のモノマー単位を含んでなるポリマー(ポリマー1)と重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のモノマー単位を含んでなるポリマー(ポリマー2)の2種類のポリマーを混合することにより得られる効果を、当該ポリマー1種類で得ることができる。即ち、例えば、カラーフィルター等の着色画素を上記ポリマー2から形成する際、ポリマー2の蛍光発光を抑制するためには、上記ポリマー1及びポリマー2の2種類のポリマーで2層のフィルター層を形成する必要がある。これに対し、当該重合性不飽和基を有する蛍光性染料を含んでなる本発明のポリマーを着色画素の形成に用いる場合、ポリマー1及びポリマー2から形成される2層のフィルター層と同様に蛍光を抑制した着色画素を、1層のフィルター層で容易に形成することができ、フィルター層全体の厚みを薄くすることも可能となる。
【0424】
尚、本発明のポリマーを消光剤として用いる場合、消光対象化合物は本発明の消光剤の項で記載したものと同じものが挙げられ、その使用量、使用方法等についても本発明の消光剤の項で記載した量、方法等に準じればよい。
【0425】
[本発明のポリマーの製造方法]
本発明のポリマーは、例えば以下の如く製造される。即ち、上記の如く得られた本発明の化合物を自体公知の重合反応に付すことにより、本発明のポリマーを得ることができる。本発明のポリマーがコポリマーの場合には、重合反応の際に、上記一般式(3)で示される化合物と、重合性不飽和基を有する蛍光性染料及び/又は一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物の1〜2種類とを、最終的に得られるポリマー中の各モノマーに由来するモノマー単位の比率が上記の如くなるように混合した後、重合させればよい。
【0426】
上記重合反応としては、例えば、以下の如くなされる。即ち、一般式(3)で示される化合物、或いは、一般式(3)で示される化合物と重合性不飽和基を有する蛍光性染料及び/又は一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)もしくは一般式(7)で示される化合物の1〜2種類とを、その総容量に対して1〜10倍容量の適当な溶媒、例えばトルエン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等に溶解する。次いで、溶解した化合物の全量に対して0.01〜30重量%の重合開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の存在下、50〜150℃で1〜48時間反応させることにより行なわれる。反応後は高分子取得の常法に従って処理してもよい。
【0427】
[着色組成物1]
上述の通り、本発明の化合物又はポリマーは、消光剤用途としてのみならず、当該化合物又はポリマーそのものを染料として用いることもできる。そのため、本発明の化合物又はポリマーを少なくとも1種類含む着色組成物(以下、本発明の着色組成物1と略記する場合がある)は、加熱による退色が少ない着色組成物であり、さらに、耐熱性を有する優れた着色硬化膜を形成することができる。そのため、本発明の着色組成物1は、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルター等の着色画素形成用途、印刷インキ、インクジェットインキ、および塗料等の用途に用いることができ、特に、液晶表示装置のカラーフィルター用として好適である。さらに、本発明の着色組成物1は、従来公知の成形方法により、シート、フィルム、ボトル、カップ等に成形して着色樹脂成形物として使用することもできる。よって、メガネ、カラーコンタクトレンズ等の用途にも使用することができ、公知の樹脂との多層構造体とすることによっても同様に使用することができる。その他にも、例えば光学フィルム、ヘアカラーリング剤、化合物や生体物質に対する標識物質、有機太陽電池の材料等の用途にも用いることが可能である。本発明の着色組成物1は、各用途に合わせて、上記本発明の化合物又はポリマーの他に、この分野で通常用いられる添加剤等を含んでいてもよい。
【0428】
例えば本発明の着色組成物1を着色樹脂用途として用いる場合、本発明の着色組成物1は、少なくとも上記本発明の化合物又はポリマーを1種以上含み、且つ、その他の樹脂と混合しているものが好ましく、本発明のポリマーを1種以上含み、且つ、その他の樹脂と混合しているものがより好ましい。その他の樹脂としては特に限定されないが、例えばポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂等が挙げられる。その他の樹脂のより具体的な例としては、上記重合性不飽和基を有する蛍光性染料、一般式(4)で示される化合物、一般式(5)で示される化合物、一般式(6)で示される化合物及び一般式(7)で示される化合物から選ばれる1種に由来するホモポリマー、又はこれらから選ばれる2種以上に由来するコポリマーが好ましく、ホモポリマーがより好ましい。ホモポリマーとしては、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のホモポリマー及び一般式(4)で示される化合物由来のホモポリマーが好ましく、重合性不飽和基を有する蛍光性染料由来のホモポリマー及び上記一般式(4’)で示される化合物由来のホモポリマーがより好ましい。また、その他の樹脂と混合させる場合、その混合割合は、求められる着色樹脂の色に応じて適宜設定されればよい。本発明の着色組成物1を着色樹脂として用いる場合、自体公知の成形方法により成形して用いてもよい。さらに、本発明の着色組成物1は、上記本発明の化合物又はポリマー及び要すればその他の樹脂の他にも、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、滑性剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、光安定剤、分散剤、加工安定剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、充填剤、補強剤、望遠剤、可塑剤、発泡剤等のこの分野で通常用いられる添加剤を含んでいてもよい。本発明の着色組成物1は、着色樹脂用途として用いる場合、溶媒に接触させても染料の溶出が少なく、優れた耐候性を有するものである。
【0429】
例えば本発明の着色組成物1を着色画素形成用途として用いる場合、本発明の着色組成物1は、少なくとも本発明の化合物又はポリマーを1種以上、重合開始剤、バインダー樹脂並びにラジカル重合性モノマー又はオリゴマーを含むものが好ましく、必要に応じて、顔料、溶剤、シランカップリング剤並びに架橋剤等を含んでいてもよい。本発明の着色組成物1は、本発明の化合物又はポリマーを、本発明の着色組成物1の重量に対して1〜50%、好ましくは5〜30%含有する。尚、ここでいう本発明の着色組成物1の重量は、溶剤を除く固形成分の重量を意味し、以下本願では同様の意味を表す。
【0430】
上記重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;ベンゾフェノン、ο−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン-2-(ο-ベンゾイルオキシム)、1-[6-(2-メチルベンゾイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-ο-アセチルオキシム等のオキシムエステル系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が挙げられる。
【0431】
上記重合開始剤は、単独でも2種以上を含有してもよい。その含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0432】
上記バインダー樹脂としては、例えば、カルボキシル基又はヒドロキシル基を少なくとも1つ有するエチレン性不飽和モノマー、或いは該エチレン性不飽和モノマーと芳香族炭化水素基や脂肪族炭化水素基を有するエチレン性不飽和モノマーとの共重合体、該共重合体の側鎖もしくは末端等にエポキシ基を有したものや、アクリレートを付加させたもの等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
【0433】
上記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ベンジルメタクリレート、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、エタクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシエチルフタル酸等が挙げられる。
【0434】
上記バインダー樹脂の含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して、10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%である。
【0435】
上記ラジカル重合性モノマーまたはオリゴマーとしては、一例として、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(エトキシ基が40以下のもの)、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(プロポキシ基が40以下のもの)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(エトキシ基が40以下のもの)、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(プロポキシ基が40以下のもの)、ビスフェノールAポリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジメタクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリアクリレート、多価カルボン酸(無水フタル酸等)とヒドロキシル基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライドによる四級塩化物、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる四級塩化物、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどが挙げられ、中でも、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートが好ましく、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
【0436】
上記顔料としては、赤色や青色、緑色の着色パターンを作製するために用いられる顔料であればよく、例えばフタロシアニン系顔料等が挙げられる。該フタロシアニン系顔料としては、中心金属に、マグネシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムを含むものが挙げられ、具体的には、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37、C.I.ピグメントグリーン58、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンオキシド、亜鉛フタロシアニンが挙げられる。
【0437】
上記顔料の含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して10〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0438】
本発明の着色組成物1が上記顔料を含む場合、顔料分散剤を含有するのが好ましい。該顔料分散剤としては、例えば、ポリアミドアミン及びその塩、ポリカルボン酸及びその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。顔料分散剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。その含有量は、顔料の重量に対して、通常1〜80重量%であり、好ましくは10〜60重量%である。
【0439】
上記溶剤としては、本発明の着色組成物1に含まれる成分に応じて適宜選択すればよい。具体的には、例えば、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。溶剤の量は、本発明の着色組成物1の濃度が、溶剤中10〜80重量%になる量である。
【0440】
上記シランカップリング剤は、ガラス等の基材に結合する場合に用いられる。該シランカップリング剤としては、通常この分野で用いられる従来公知のものを用いることができ、反応性有機官能基として、例えば、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基、アミノ基、ウレイド基、ビニル基、アクリロイル基などを有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的にはβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。上記シランカップリング剤は、反応溶液中で通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%となる量を用いればよい。
【0441】
上記架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば特に限定されず、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられ、中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
【0442】
上記架橋剤の含有量は、本発明の着色組成物1の重量に対して、10〜50重量%、好ましくは20〜50重量%である。
【0443】
本発明の着色組成物1は、上記記載のもの以外に、重合禁止剤、界面活性剤、添加剤等を含んでいてもよく、それらは自体公知のものであれば特に限定されず、用いられる量も通常この分野で用いられる量であれば限定されない。
【0444】
本発明の着色組成物1は、前述の成分を混合して調製される。
【0445】
[着色組成物2]
本発明の消光剤は、少なくとも1種類の該消光剤と、少なくとも1種類の消光対象化合物とを含む着色組成物を形成することができる(以下、本発明の着色組成物2と略記する場合がある)。本発明の着色組成物2は、本来消光対象化合物が発する蛍光を抑制し、例えばカラーフィルターとして用いる場合、高コントラストを有する優れた着色硬化膜を形成することができる。そのため、本発明の着色組成物2は、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルター等の着色画素形成用途、印刷インキ、インクジェットインキ、および塗料等の用途に用いることができ、特に、液晶表示装置のカラーフィルター用として好適である。さらに、本発明の着色組成物2は、従来公知の成形方法により、シート、フィルム、ボトル、カップ等に成形して着色樹脂成形物として使用することもできる。よって、メガネ、カラーコンタクトレンズ等の用途にも使用することができ、公知の樹脂との多層構造体とすることによっても同様に使用することができる。その他にも、例えば光学フィルム、ヘアカラーリング剤、化合物や生体物質に対する標識物質、有機太陽電池の材料等の用途にも用いることが可能である。
【0446】
本発明の着色組成物2は、少なくとも本発明の消光剤を1種以上、及び、少なくとも消光対象化合物を1種以上と、重合開始剤、バインダー樹脂並びにラジカル重合性モノマー又はオリゴマーを含むものが好ましく、必要に応じて、顔料、溶剤、シランカップリング剤並びに架橋剤等を含んでいてもよい。本発明の着色組成物2は、本発明の消光剤を、本発明の着色組成物2の重量に対して1〜80重量%、好ましくは10〜50重量%含有する。尚、ここでいう本発明の着色組成物2の重量は、溶剤を除く固形成分の重量を意味する。
【0447】
上記消光対象化合物としては、本発明の消光剤の項で記載したものと同じものが挙げられる。
【0448】
上記消光対象化合物の含有量は、本発明の着色組成物2の重量に対して、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0449】
本発明の着色組成物2における重合開始剤、バインダー樹脂、ラジカル重合性モノマー又はオリゴマー、顔料、溶剤、シランカップリング剤及び架橋剤としては、本発明の着色組成物1におけるそれらと同じものが挙げられ、各含有量も同じである。
【0450】
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に述べるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0451】
実施例1 カルボン酸体(化合物2)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、6’−(ジエチルアミノ)−1’,2’−ベンゾフルオラン(化合物1:東京化成工業(株)製)2.5g(6.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.6g(6.0mmol)及びエタノール50mlを加え、40℃で3時間反応を行った。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、塩化物イオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物2)2.7g(収率100%)を得た。
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【0452】
実施例2 カルボン酸体(化合物3)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、6’−(ジエチルアミノ)−1’,2’−ベンゾフルオラン(化合物1:東京化成工業(株)製)4.2g(9.9mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)30ml(30mmol)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)のリチウム塩(LiFABA)(東ソー・ファインケム(株)製)7.4g(9.9mmol)及びエタノール83mlを加え、40℃で4時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物3)10.9g(収率100%)を得た。
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【0453】
実施例3 カルボン酸体(化合物4)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、6’−(ジエチルアミノ)−1’,2’−ベンゾフルオラン(化合物1:東京化成工業(株)製)5.0g(12.0mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)36ml(36.0mmol)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO
2CF
3)
2)(和光純薬工業(株)製)3.4g(12.0mmol)及びエタノール100mlを加え、60℃で3時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物4)7.8g(収率93%)を得た。
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【0454】
実施例4 カルボン酸体(化合物6)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、6’−(ジエチルアミノ)−1’,3’−ジメチルフルオラン(化合物5:東京化成工業(株)製)3.2g(8.0mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)24ml(24.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)6.0g(8.0mmol)、エタノール60ml及びジクロロメタン10mlを加え、室温で4時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物6)8.6g(収率100%)を得た。
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【0455】
実施例5 カルボン酸体(化合物8)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2’−(ジベンジルアミノ)−6’−(ジエチルアミノ)フルオラン(化合物7:東京化成工業(株)製)5.1g(9.0mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)27ml(27.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)6.7g(9.0mmol)、エタノール100ml及びジクロロメタン15mlを加え、室温で5時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する深緑色固体のカルボン酸体(化合物8)11.2g(収率100%)を得た。
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【0456】
実施例6 カルボン酸体(化合物9)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2’−(ジベンジルアミノ)−6’−(ジエチルアミノ)フルオラン(化合物7:東京化成工業(株)製)8.5g(15.0mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)45ml(45.0mmol)、LiN(SO
2CF
3)
2(和光純薬工業(株)製)4.3g(15.0mmol)、エタノール150ml及びジクロロメタン15mlを加え、室温で5時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有する深緑色固体のカルボン酸体(化合物9)12.5g(収率98%)を得た。
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【0457】
実施例7 カルボン酸体(化合物13)の合成
(1)ラクトン体(化合物12)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)54.8g(175.0mmol)、p−フルオロフェノール(化合物11:和光純薬工業(株)製)25.6g(210.0mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)160mlを加え、90℃で6時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。得られた反応液から分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去、乾燥して、白色固体のラクトン体(化合物12)63.8g(収率94%)を得た。
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【0458】
(2)カルボン酸体(化合物13)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物12)31.2g(80.0mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)200ml(200.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)59.7g(80.0mmol)、エタノール500ml及びジクロロメタン100mlを加え、室温で3時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物13)85.5g(収率100%)を得た。
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【0459】
実施例8 メチルエステル体(化合物15)の合成
(1)メチルエステル体(化合物14)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、6’−(ジエチルアミノ)−1’,2’−ベンゾフルオラン(化合物1:東京化成工業(株)製)1.5g(3.6mmol)、濃硫酸(和光純薬工業(株)製)1ml及びメタノール20mlを加え、60℃で30時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のメチルエステル体(化合物14)1.6g(収率83%)を得た。
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【0460】
(2)メチルエステル体(化合物15)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たメチルエステル体(化合物14)0.5g(1.0mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)3ml(3.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)0.7g(1.0mmol)及びエタノール10mlを加え、室温で3時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。得られた反応液から分液した有機層を減圧濃縮によって溶媒留去し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のメチルエステル体(化合物15)1.1g(収率96%)を得た。
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【0461】
実施例9 モノマー(化合物17)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例2で得たカルボン酸体(化合物3)11.4g(10.3mmol)及びジクロロメタン100mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)1.6g(12.4mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(和光純薬工業(株)製)0.4g(3.1mmol)及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)(東洋紡(株)製)3.4g(17.5mmol)を加え、40℃で6時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物17)4.2g(収率33%)を得た。
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【0462】
実施例10 モノマー(化合物18)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例4で得たカルボン酸体(化合物6)9.0g(8.3mmol)及びジクロロメタン81mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)1.3g(10.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.3g(2.5mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)2.7g(14.2mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物18)4.6g(収率46%)を得た。
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【0463】
実施例11 モノマー(化合物19)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例5で得たカルボン酸体(化合物8)11.4g(9.2mmol)及びジクロロメタン100mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)1.4g(11.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.3g(2.8mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)3.0g(15.6mmol)を加え、室温で8時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して深緑色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、深緑色固体のモノマー(化合物19)8.7g(収率70%)を得た。
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【0464】
実施例12 モノマー(化合物20)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例6で得たカルボン酸体(化合物9)8.5g(10.0mmol)及びジクロロメタン60mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)1.6g(12.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.4g(3.0mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)3.3g(17.0mmol)を加え、室温で6時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して深緑色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、深緑色固体のモノマー(化合物20)6.4g(収率67%)を得た。
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【0465】
実施例13 モノマー(化合物21)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例7で得たカルボン酸体(化合物13)82.9g(77.5mmol)及びジクロロメタン580mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)12.1g(93.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)2.8g(23.3mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)25.3g(131.8mmol)を加え、室温で6時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物21)32.7g(収率36%)を得た。
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【0466】
実施例14 カルボン酸体(化合物27)の合成
(1)安息香酸誘導体(化合物24)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,5−ベンゾ[ij]キノリジン−8−オール(化合物22:和光純薬工業(株)製)1.9g(9.8mmol)、無水フタル酸(化合物23:和光純薬工業(株)製)1.6g(9.8mmol)及びトルエン30mlを加え、100℃で6時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して析出した結晶をろ取してメタノールで洗浄し、乾燥して白色固体の安息香酸誘導体(化合物24)2.3g(収率70%)を得た。
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【0467】
(2)ラクトン体(化合物26)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得た安息香酸誘導体(化合物24)1.2g(3.6mmol)、2−ナフトール(化合物25:和光純薬工業(株)製)0.6g(3.9mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)5mlを加え、90℃で6時間反応を行った。反応終了後、得られた反応液にジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。得られた反応液から分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して白色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、白色固体のラクトン体(化合物26)1.0g(収率63%)を得た。
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【0468】
(3)カルボン酸体(化合物27)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(2)で得たラクトン体(化合物26)0.8g(1.7mmol)、1mol/L塩酸水溶液(和光純薬工業(株)製)5.1ml(5.1mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.3g(1.7mmol)、エタノール15ml及びジクロロメタン15mlを加え、35℃で4時間反応を行った。塩化メチレンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する褐色固体のカルボン酸体(化合物27)1.9g(収率100%)を得た。
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【0469】
実施例15 モノマー(化合物28)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例14で得たカルボン酸体(化合物27)1.5g(1.3mmol)及びジクロロメタン13mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.2g(1.7mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.1g(0.4mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.4g(2.3mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。得られた反応液の有機層を水洗し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物28)1.1g(収率64%)を得た。
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【0470】
実施例16 モノマー(化合物30)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例2で得たカルボン酸体(化合物3)3.2g(2.9mmol)及びテトラヒドロフラン15mlを加えて溶解し、さらにアクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物29:和光純薬工業(株)製)0.4g(3.5mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.1g(0.9mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.9g(4.9mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。得られた反応液の有機層を水洗し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物30)0.9g(収率26%)を得た。
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【0471】
実施例17 カルボン酸体(化合物33)の合成
(1)ラクトン体(化合物32)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)2.1g(5.0mmol)、レゾルシノール(化合物31:和光純薬工業(株)製)0.7g(6.0mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)6mlを加え、90℃で8時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、分液して得た有機層から、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去した。得られた黒色固体に酢酸エチルを加えて攪拌し、析出した固体を乾燥して、黒色固体のラクトン体(化合物32)1.8g(収率94%)を得た。
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【0472】
(2)カルボン酸体(化合物33)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物32)1.2g(3.0mmol)及びジクロロメタン19mlを加えて溶解し、さらに濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.2g(6.0mmol)及びLiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)2.3g(3.0mmol)を加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する黒色固体のカルボン酸体(化合物33)2.7g(収率84%)を得た。
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【0473】
実施例18 モノマー(化合物34)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例17で得たカルボン酸体(化合物33)1.5g(1.4mmol)及びジクロロメタン6mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.2g(1.7mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.1g(0.4mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.5g(2.4mmol)を加え、室温で8時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物34)0.2g(収率10%)を得た。
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【0474】
実施例19 カルボン酸体(化合物37)の合成
(1)ラクトン体(化合物36)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)3.1g(10.0mmol)、3,4,5−トリメトキシフェノール(化合物35:和光純薬工業(株)製)1.8g(10.0mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)10mlを加え、80℃で3時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤褐色固体のラクトン体(化合物36)4.0g(収率87%)を得た。
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【0475】
(2)カルボン酸体(化合物37)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物36)1.0g(2.2mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.5g(4.5mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.7g(2.2mmol)及びジクロロメタン10mlを加え、室温で5時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物37)2.5g(収率100%)を得た。
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【0476】
実施例20 モノマー(化合物38)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例19で得たカルボン酸体(化合物37)2.0g(1.8mmol)及びジクロロメタン20mlを加えて溶解し、さらにメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.1mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.1g(0.5mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.6g(3.0mmol)を加え、室温で4日間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物38)0.8g(収率37%)を得た。
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【0477】
実施例21 カルボン酸体(化合物42)の合成
(1)メチル体(化合物40)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、1,6−ジヒドロキシナフタレン(化合物39:東京化成工業(株)製)1.6g(10.0mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)15mlを加えて溶解し、さらにヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)14.2g(100.0mmol)及び炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)13.8g(100.0mmol)を加え、室温で2時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、無色液体のメチル体(化合物40)1.7g(収率90%)を得た。
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【0478】
(2)ラクトン体(化合物41)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)2.7g(8.5mmol)、上記(1)で得たメチル体(化合物40)1.8g(9.4mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)10mlを加え、90℃で3時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤褐色固体のラクトン体(化合物41)1.7g(収率44%)を得た。
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【0479】
(3)カルボン酸体(化合物42)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(2)で得たラクトン体(化合物41)0.5g(1.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.2g(2.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)0.8g(1.0mmol)及びジクロロメタン10mlを加え、室温で4.5時間反応を行った。ジクロロメタンで反応液を希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物42)1.1g(収率96%)を得た。
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【0480】
実施例22 モノマー(化合物43)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例21で得たカルボン酸体(化合物42)0.9g(0.8mmol)及びジクロロメタン10mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.1g(0.9mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.1g(0.9mmol)及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(和光純薬工業(株)製)0.1g(0.9mmol)を加え、室温で4日間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物43)0.5g(収率50%)を得た。
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【0481】
実施例23 カルボン酸体(化合物46)の合成
(1)ラクトン体(化合物45)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、フェノール(化合物44:和光純薬工業(株)製)1.6g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、90℃で3時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のラクトン体(化合物45)1.7g(収率28%)を得た。
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【0482】
(2)カルボン酸体(化合物46)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物45)0.8g(2.1mmol)及びジクロロメタン20mlを加えて溶解し、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.4g(4.2mmol)及びLiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.6g(2.1mmol)を加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する黒色固体のカルボン酸体(化合物46)2.2g(収率100%)を得た。
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【0483】
実施例24 モノマー(化合物47)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例23で得たカルボン酸体(化合物46)1.6g(1.5mmol)及びジクロロメタン5mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.2g(1.7mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.5g(2.6mmol)を加え、室温で12時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物47)0.3g(収率18%)を得た。
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【0484】
実施例25 カルボン酸体(化合物50)の合成
(1)ラクトン体(化合物49)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、p−tert−ブチルフェノール(化合物48:和光純薬工業(株)製)2.4g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、90℃で3時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤色固体のラクトン体(化合物49)6.3g(収率99%)を得た。
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【0485】
(2)カルボン酸体(化合物50)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物49)1.2g(2.8mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.6g(5.6mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)2.1g(2.8mmol)及びジクロロメタン25mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物50)3.1g(収率100%)を得た。
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【0486】
実施例26 モノマー(化合物51)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例25で得たカルボン酸体(化合物50)2.2g(2.0mmol)及びジクロロメタン7mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.7g(3.4mmol)を加え、室温で8時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物51)0.9g(収率35%)を得た。
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【0487】
実施例27 カルボン酸体(化合物54)の合成
(1)ラクトン体(化合物53)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、p−フェニルフェノール(化合物52:和光純薬工業(株)製)2.7g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、90℃で3時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤色固体のラクトン体(化合物53)6.4g(収率96%)を得た。
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【0488】
(2)カルボン酸体(化合物54)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物53)1.4g(3.1mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.7g(6.2mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)2.4g(3.1mmol)及びジクロロメタン30mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物54)3.5g(収率100%)を得た。
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【0489】
実施例28 モノマー(化合物55)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例27で得たカルボン酸体(化合物54)2.3g(2.0mmol)及びジクロロメタン7mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(和光純薬工業(株)製)0.7g(3.4mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物55)0.8g(収率31%)を得た。
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【0490】
実施例29 カルボン酸体(化合物58)の合成
(1)ラクトン体(化合物57)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、p−クミルフェノール(化合物56:和光純薬工業(株)製)3.6g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、90℃で5時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、白色固体のラクトン体(化合物57)5.1g(収率69%)を得た。
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【0491】
(2)カルボン酸体(化合物58)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物57)0.9g(1.8mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.4g(3.6mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.4g(1.8mmol)及びジクロロメタン20mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物58)2.1g(収率100%)を得た。
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【0492】
実施例30 モノマー(化合物59)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例29で得たカルボン酸体(化合物58)1.8g(1.5mmol)及びジクロロメタン5mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.2g(1.7mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(和光純薬工業(株)製)0.5g(2.6mmol)を加え、室温で8時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物59)0.4g(収率19%)を得た。
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【0493】
実施例31 カルボン酸体(化合物62)の合成
(1)ラクトン体(化合物61)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、4−フェノキシフェノール(化合物60:東京化成工業(株)製)2.9g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、90℃で3時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、紫色固体のラクトン体(化合物61)6.2g(収率89%)を得た。
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【0494】
(2)カルボン酸体(化合物62)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物61)1.5g(3.2mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.7g(6.5mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)2.5g(3.2mmol)及びジクロロメタン30mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物62)3.7g(収率100%)を得た。
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【0495】
実施例32 モノマー(化合物63)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例31で得たカルボン酸体(化合物62)2.3g(2.0mmol)及びジクロロメタン7mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(和光純薬工業(株)製)0.7g(3.4mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物63)0.4g(収率14%)を得た。
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【0496】
実施例33 カルボン酸体(化合物66)の合成
(1)ラクトン体(化合物65)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、m−フェノキシフェノール(化合物64:和光純薬工業(株)製)2.9g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、100℃で5時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のラクトン体(化合物65)4.3g(収率62%)を得た。
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【0497】
(2)カルボン酸体(化合物66)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物65)2.3g(4.9mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)1.0g(9.8mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)3.7g(4.9mmol)及びジクロロメタン30mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物66)5.6g(収率100%)を得た。
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【0498】
実施例34 モノマー(化合物67)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例33で得たカルボン酸体(化合物66)2.3g(2.0mmol)及びジクロロメタン7mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(和光純薬工業(株)製)0.7g(3.4mmol)を加え、室温で10時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物67)0.6g(収率22%)を得た。
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【0499】
実施例35 カルボン酸体(化合物70)の合成
(1)ラクトン体(化合物69)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)4.7g(15.0mmol)、m−メトキシフェノール(化合物68:和光純薬工業(株)製)2.0g(15.8mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)15mlを加え、90℃で4時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のラクトン体(化合物69)3.0g(収率49%)を得た。
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【0500】
(2)カルボン酸体(化合物70)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物69)2.3g(5.8mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.2g(2.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.2g(11.6mmol)及びジクロロメタン30mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物70)6.3g(収率100%)を得た。
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【0501】
実施例36 モノマー(化合物71)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例35で得たカルボン酸体(化合物70)2.2g(2.0mmol)及びジクロロメタン7mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(和光純薬工業(株)製)0.7g(3.4mmol)を加え、室温で10時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物71)0.6g(収率25%)を得た。
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【0502】
実施例37 カルボン酸体(化合物75)の合成
(1)安息香酸誘導体(化合物73)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、N,N−ジブチル−m−アミノフェノール(化合物72:和光純薬工業(株)製)4.4g(20.0mmol)、無水フタル酸(化合物23:和光純薬工業(株)製)3.2g(20.0mmol)及びトルエン50mlを加え、100℃で30時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却して析出した結晶をろ取して酢酸エチルで洗浄し、乾燥して紫色固体の安息香酸誘導体(化合物73)3.0g(収率41%)を得た。
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【0503】
(2)ラクトン体(化合物74)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得た安息香酸誘導体(化合物73)1.5g(4.0mmol)、p−フルオロフェノール(化合物11:和光純薬工業(株)製)0.6g(4.4mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)4mlを加え、90℃で5時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤褐色固体のラクトン体(化合物74)1.5g(収率86%)を得た。
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【0504】
(3)カルボン酸体(化合物75)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(2)で得たラクトン体(化合物74)1.1g(2.5mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.5g(5.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.9g(2.5mmol)及びジクロロメタン25mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤褐色固体のカルボン酸体(化合物75)2.8g(収率100%)を得た。
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【0505】
実施例38 モノマー(化合物76)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例37で得たカルボン酸体(化合物75)2.3g(2.0mmol)及びジクロロメタン7mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.7g(3.4mmol)を加え、室温で13時間反応を行った。分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤褐色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤褐色固体のモノマー(化合物76)0.9g(収率34%)を得た。
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【0506】
実施例39 カルボン酸体(化合物79)の合成
(1)ラクトン体(化合物78)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)3.1g(10.0mmol)、p−メトキシチオアニソール(化合物77:和光純薬工業(株)製)1.5g(10.0mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)10mlを加え、90℃で7時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤褐色固体のラクトン体(化合物78)2.6g(収率63%)を得た。
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【0507】
(2)カルボン酸体(化合物79)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物78)1.0g(2.5mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.5g(4.9mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)1.9g(2.5mmol)及びジクロロメタン10mlを加え、室温で6.5時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物79)2.5g(収率100%)を得た。
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【0508】
実施例40 モノマー(化合物80)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例39で得たカルボン酸体(化合物79)2.3g(2.1mmol)及びジクロロメタン20mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.5mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)80mg(0.6mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)1.0g(5.2mmol)を加え、室温で14時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物80)0.8g(収率32%)を得た。
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【0509】
実施例41 カルボン酸体(化合物83)の合成
(1)ラクトン体(化合物82)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)3.1g(10.0mmol)、p−メトキシアニソール(化合物81:和光純薬工業(株)製)1.4g(10.0mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)10mlを加え、90℃で5時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤褐色固体のラクトン体(化合物82)3.4g(収率85%)を得た。
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【0510】
(2)カルボン酸体(化合物83)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物82)3.3g(8.2mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)1.7g(16.3mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)6.2g(8.2mmol)及びジクロロメタン10mlを加え、室温で30分間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物83)8.8g(収率100%)を得た。
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【0511】
実施例42 モノマー(化合物84)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例41で得たカルボン酸体(化合物83)2.0g(1.9mmol)及びジクロロメタン10mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)70mg(0.6mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.9g(4.6mmol)を加え、室温で12時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物84)0.7g(収率34%)を得た。
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【0512】
実施例43 カルボン酸体(化合物88)の合成
(1)ラクトン体(化合物86)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)9.0g(28.7mmol)、p−メトキシアニリン(化合物85:和光純薬工業(株)製)3.1g(28.7mmol)及びメタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)20mlを加え、120℃で25時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、赤褐色固体のラクトン体(化合物86)1.7g(収率44%)を得た。
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【0513】
(2)ラクトン体(化合物87)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たラクトン体(化合物86)0.4g(1.0mmol)及びDMF10mlを加えて溶解し、ヨウ化エチル(和光純薬工業(株)製)1.0g(6.2mmol)及び炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)0.9g(6.2mmol)を加え、室温で12時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチルと水を加えた後、分液して得た有機層を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、緑色固体のスピロラクトン体(化合物87)0.4g(収率87%)を得た。
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【0514】
(3)カルボン酸体(化合物88)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(2)で得たラクトン体(化合物87)0.3g(0.7mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.1g(1.3mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)0.5g(0.7mmol)及びジクロロメタン10mlを加え、室温で0.5時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する緑色固体のカルボン酸体(化合物88)0.7g(収率96%)を得た。
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【0515】
実施例44 モノマー(化合物89)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例43で得たカルボン酸体(化合物88)0.6g(0.6mmol)及びジクロロメタン10mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.1g(0.7mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.2g(1.0mmol)を加え、室温で9時間反応させた。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して緑色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、緑色固体のモノマー(化合物89)0.5g(収率67%)を得た。
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【0516】
実施例45 カルボン酸体(化合物91)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2’−アニリノ−6’−(ジブチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン](化合物90:商品名Black400、福井山田化学工業(株)製)10.6g(20.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)4.2g(40.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)15.2g(20.0mmol)及びジクロロメタン100mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する黒色固体のカルボン酸体(化合物91)24.3g(収率100%)を得た。
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【0517】
実施例46 モノマー(化合物92)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例45で得たカルボン酸体(化合物91)24.3g(20.0mmol)及びジクロロメタン72mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)2.9g(22.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.2g(2.0mmol)及びDIC(和光純薬工業(株)製)2.8g(22.0mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して黒色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、黒色固体のモノマー(化合物92)22.0g(収率83%)を得た。
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【0518】
実施例47 カルボン酸体(化合物94)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2’−アニリノ−6’−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン](化合物93:商品名S−205、福井山田化学工業(株)製)2.59g(5.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)1.04g(10.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)3.81g(5.0mmol)及びジクロロメタン60mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する黒色固体のカルボン酸体(化合物94)5.99g(収率100%)を得た。
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【0519】
実施例48 モノマー(化合物95)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例47で得たカルボン酸体(化合物94)2.4g(1.9mmol)及びジクロロメタン8mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)20mg(0.2mmol)及びDIC(和光純薬工業(株)製)0.3g(2.2mmol)を加え、室温で5時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して黒色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、黒色固体のモノマー(化合物95)2.1g(収率79%)を得た。
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【0520】
実施例49 カルボン酸体(化合物97)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2’−アニリノ−6’−[N−エチル−N−(4−トリル)アミノ]−3’−メチル−3H−スピロ[フタリド−3,9’−キサンテン](化合物96:商品名ETAC、福井山田化学工業(株)製)1.6g(3.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.6g(6.0mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)2.3g(3.0mmol)及びジクロロメタン35mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する黒色固体のカルボン酸体(化合物97)3.7g(収率100%)を得た。
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【0521】
実施例50 モノマー(化合物98)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例49で得たカルボン酸体(化合物97)3.9g(3.2mmol)及びジクロロメタン12mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.5g(3.5mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)40mg(0.3mmol)及びDIC(和光純薬工業(株)製)0.4g(3.5mmol)を加え、室温で4時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して黒色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、黒色固体のモノマー(化合物98)3.0g(収率70%)を得た。
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【0522】
実施例51 カルボン酸体(化合物99)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例7で得たラクトン体(化合物12)11.7g(30.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)6.3g(60.0mmol)、LiN(SO
2CF
3)
2(和光純薬工業(株)製)8.6g(30.0mmol)及びジクロロメタン190mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物99)20.1g(収率100%)を得た。
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【0523】
実施例52 モノマー(化合物100)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例51で得たカルボン酸体(化合物99)13.4g(20.0mmol)及びジクロロメタン40mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)3.1g(24.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.7g(6.0mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)6.5g(34.0mmol)を加え、室温で4時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して赤色油状物を得た。該油状物をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物100)11.3g(収率72%)を得た。
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【0524】
実施例53 カルボン酸体(化合物101)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例19で得たラクトン体(化合物36)2.5g(5.3mmol)、60%ヘキサンフルオロリン酸溶液(和光純薬工業(株)製)3.1g(21.3mmol)及びジクロロメタン20mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水、飽和食塩水で順次洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにヘキサフルオロリン酸アニオンを有する赤色固体のカルボン酸体(化合物101)3.3g(収率100%)を得た。
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【0525】
実施例54 モノマー(化合物102)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例53で得たカルボン酸体(化合物101)0.5g(0.8mmol)及びジクロロメタン10mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.1g(1.0mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)0.1g(1.0mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.3g(1.7mmol)を加え、室温で14時間反応を行った。反応液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して紫色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、赤色固体のモノマー(化合物102)13mg(収率2%)を得た。
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【0526】
実施例55 カルボン酸体(化合物106)の合成
(1)ジエチル体(化合物104)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、2,5−ジメトキシアニリン(化合物103:和光純薬工業(株)製)10.0g(65.3mmol)、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)46.3g(653.0mmol)、ヨウ化エチル(和光純薬工業(株)製)102.0g(653.0mmol)及びDMF(和光純薬工業(株)製)100mlを加え、室温で37時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、分液して得た有機層を、水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して黒色液体を得た。該液体をシリカゲルカラムで精製し、無色液体のジエチル体(化合物104)9.0g(収率66%)を得た。
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【0527】
(2)ラクトン体(化合物105)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(1)で得たジエチル体(化合物104)2.1g(10.0mmol)、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸(化合物10:東京化成工業(株)製)3.1g(10.0mmol)及び濃硫酸(和光純薬工業(株)製)10mlを加え、90℃で8時間反応を行った。反応終了後、ジクロロメタンと水を加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、室温で1時間反応を行った。分液して得た有機層を、飽和食塩水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、紫色固体のラクトン体(化合物105)3.6g(収率77%)を得た。
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【0528】
(3)カルボン酸体(化合物106)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、上記(2)で得たラクトン体(化合物105)1.1g(2.4mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.5g(4.8mmol)、LiFABA(東ソー・ファインケム(株)製)2.0g(2.6mmol)及びジクロロメタン10mlを加え、室温で1時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水、飽和食塩水で順次洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素(IV)アニオンを有する紫色固体のカルボン酸体(化合物106)2.8g(収率100%)を得た。
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【0529】
実施例56 モノマー(化合物107)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例55で得たカルボン酸体(化合物106)2.0g(1.7mmol)及びジクロロメタン10mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.5g(3.5mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)60mg(0.5mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.4g(1.9mmol)を加え、室温で25時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して紫色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、紫色固体のモノマー(化合物107)1.4g(収率62%)を得た。
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【0530】
実施例57 カルボン酸体(化合物108)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例55で得たラクトン体(化合物105)1.9g(4.0mmol)、濃塩酸(和光純薬工業(株)製)0.5g(4.4mmol)、六フッ化アンチモン酸カリウム(森田化学工業(株)製)1.2g(4.4mmol)及びジクロロメタン15mlを加え、室温で2時間反応を行った。ジクロロメタンで希釈した後、水で洗浄した。減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去し、カウンターアニオンにヘキサフルオロアンチモン酸アニオンを有する紫色固体のカルボン酸体(化合物108)2.7g(収率95%)を得た。
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【0531】
実施例58 モノマー(化合物109)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例57で得たカルボン酸体(化合物108)2.6g(3.7mmol)及びジクロロメタン24mlを加えて溶解し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(化合物16:和光純薬工業(株)製)0.6g(4.4mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)50mg(0.4mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)1.2g(6.3mmol)を加え、室温で6時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して紫色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、紫色固体のモノマー(化合物109)2.5g(収率82%)を得た。
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【0532】
実施例59 カルボン酸体(化合物110)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、6’−(ジエチルアミノ)−1’,2’−ベンゾフルオラン(化合物1:東京化成工業(株)製)1.7g(4.0mmol)、過塩素酸(和光純薬工業(株)製)0.7g(4.0mmol)及びジクロロメタン15mlを加え、室温で2時間反応を行った。反応液に水を加えて析出した結晶をろ取し、乾燥してカウンターアニオンに過塩素酸アニオンを有する褐色固体のカルボン酸体(化合物110)1.7g(収率82%)を得た。
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【0533】
実施例60 モノマー(化合物112)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、実施例55で得たカルボン酸体(化合物106)0.32g(0.28mmol)及びジクロロメタン10mlを加えて溶解し、ピペリジン(化合物111:和光純薬工業(株)製)0.05g(0.56mmol)、DMAP(和光純薬工業(株)製)10mg(0.08mmol)及びWSC(東洋紡(株)製)0.11g(0.56mmol)を加え、室温で6.5時間反応を行った。反応液を水で洗浄し、減圧濃縮によって反応液から溶媒を留去して紫色固体を得た。該固体をシリカゲルカラムで精製し、紫色固体のモノマー(化合物112)0.21g(収率62%)を得た。
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【0534】
実験例1 モノマー(化合物17)によるローダミンBの消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
ローダミンB(和光純薬工業(株)製)13mg(0.027mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをA液とした。A液をホールピペットで2ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:2.76×10
−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ia)を測定した。
【0535】
(2)消光評価(i)
実施例9にて得られた化合物17を11mg(0.0091mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをB液とした。ホールピペットでA液を2ml、B液を10ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:4.67×10
−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ib)を測定した。測定したIa及びIbの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ia−Ib)/Ia×100
【0536】
(3)消光評価(ii)
(2)において、B液を10mlの代わりに、4ml用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:1.87×10
−5mol/L)。
【0537】
実験例1の結果について、表1に示す。
【0538】
【表1】
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【0539】
上記表1で示される結果から、本発明の消光剤は、キサンテン骨格を有するローダミンBの蛍光発光を十分に抑制し得るほどの消光能を有していることが判った。また、当該消光能は本発明の化合物の濃度に依存しており、濃度が高いほど蛍光強度の減少率が高くなる(消光能が高くなる)ことが判った。
【0540】
実験例2 カルボン酸体(化合物2)によるローダミンBの消光評価
実施例1にて得られた化合物2を17mg(0.0037mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをR液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、R液を4.0mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:4.89×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0541】
実験例3 カルボン酸体(化合物3)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例2にて得られた化合物3を9.8mg(0.0089mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.45×10
−5mol/L)。
【0542】
実験例4 カルボン酸体(化合物4)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例3にて得られた化合物4を17mg(0.024mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:8.25×10
−5mol/L)。
【0543】
実験例5 カルボン酸体(化合物6)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例4にて得られた化合物6を15mg(0.014mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:6.76×10
−5mol/L)。
【0544】
実験例6 カルボン酸体(化合物8)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例5にて得られた化合物8を12mg(0.00095mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.77×10
−5mol/L)。
【0545】
実験例7 カルボン酸体(化合物9)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例6にて得られた化合物9を16.5mg(0.019mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.89×10
−5mol/L)。
【0546】
実験例8 カルボン酸体(化合物13)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例7にて得られた化合物13を13.3mg(0.012mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:6.22×10
−5mol/L)。
【0547】
実験例9 メチルエステル体(化合物15)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例8にて得られた化合物15を13.7mg(0.012mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:2.46×10
−5mol/L)。
【0548】
実験例10 モノマー(化合物18)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例10にて得られた化合物18を12.6mg(0.011mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.29×10
−5mol/L)。
【0549】
実験例11 モノマー(化合物19)によるローダミンBの消光評価
実施例11にて得られた化合物19を11.2mg(0.0082mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをS液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、S液を12mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:4.95×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0550】
実験例12 モノマー(化合物20)によるローダミンBの消光評価
実施例12にて得られた化合物20を15.2mg(0.016mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをT液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、T液を7.0mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:5.54×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0551】
実験例13 モノマー(化合物21)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例13にて得られた化合物21を13mg(0.011mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.50×10
−5mol/L)。
【0552】
実験例14 モノマー(化合物28)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例15にて得られた化合物28を16.4mg(0.014mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:2.78×10
−5mol/L)。
【0553】
実験例15 モノマー(化合物38)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例20にて得られた化合物38を10.1mg(0.0081mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.03×10
−5mol/L)。
【0554】
実験例16 モノマー(化合物43)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例22にて得られた化合物43を12.0mg(0.0096mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.82×10
−5mol/L)。
【0555】
実験例17 モノマー(化合物51)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例26にて得られた化合物51を13.0mg(0.011mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.33×10
−5mol/L)。
【0556】
実験例18 モノマー(化合物55)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例28にて得られた化合物55を10.3mg(0.0083mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.15×10
−5mol/L)。
【0557】
実験例19 モノマー(化合物59)によるローダミンBの消光評価
実施例30にて得られた化合物59を11.4mg(0.0089mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをU液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、U液を12mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:5.33×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0558】
実験例20 モノマー(化合物63)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例32にて得られた化合物63を8.2mg(0.0065mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.27×10
−5mol/L)。
【0559】
実験例21 モノマー(化合物76)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例38にて得られた化合物76を9.8mg(0.0079mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.96×10
−5mol/L)。
【0560】
実験例22 モノマー(化合物80)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例40にて得られた化合物80を10.1mg(0.0083mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.17×10
−5mol/L)。
【0561】
実験例23 モノマー(化合物84)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例42にて得られた化合物84を9.5mg(0.0080mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.98×10
−5mol/L)。
【0562】
実験例24 モノマー(化合物89)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例44にて得られた化合物89を10.4mg(0.0084mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.43×10
−5mol/L)。
【0563】
実験例25 モノマー(化合物92)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例46にて得られた化合物92を9.1mg(0.0069mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.43×10
−5mol/L)。
【0564】
実験例26 モノマー(化合物95)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例48にて得られた化合物95を11.0mg(0.0084mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.20×10
−5mol/L)。
【0565】
実験例27 モノマー(化合物98)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例50にて得られた化合物98を11.0mg(0.0083mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.13×10
−5mol/L)。
【0566】
実験例28 モノマー(化合物107)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例56にて得られた化合物107を13.3mg(0.011mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.26×10
−5mol/L)。
【0567】
実験例29 モノマー(化合物109)によるローダミンBの消光評価
実験例1の(2)において、化合物17の代わりに、実施例58にて得られた化合物109を8.5mg(0.010mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.17×10
−5mol/L)。
【0568】
実験例30 カルボン酸体(化合物110)によるローダミンBの消光評価
実施例59にて得られた化合物110を8.6mg(0.016mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをV液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、V液を6mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:4.94×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0569】
実験例31 モノマー(化合物112)によるローダミンBの消光評価
実施例60にて得られた化合物112を9.4mg(0.0077mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをW液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、W液を14mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:5.39×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0570】
実験例32 モノマー(化合物30)によるローダミンBの消光評価
実施例16にて得られた化合物30を11.1mg(0.0093mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをX液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、X液を12mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:5.55×10
−5mol/L)。得られた溶液を用いて、実験例1の(2)と同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた。
【0571】
比較例1 ジエチルアクリルアミドによるローダミンBの消光評価
ジエチルアクリルアミド(和光純薬工業(株)製)を12.5mg(0.00098mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをB’液とした。実験例1にて得られたA液を2ml、B’液を1mlホールピペットで量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:4.91×10
−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ib’)を測定した。実験例1にて得られたIaの値及び測定したIb’の値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ia−Ib’)/Ia×100
【0572】
比較例2 ピリジンによるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、ピリジン(和光純薬工業(株)製)を12.0mg(0.0015mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:7.58×10
−5mol/L)。
【0573】
比較例3 トリフェニルアミンによるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、トリフェニルアミン(和光純薬工業(株)製)を28.2mg(0.0011mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.74×10
−5mol/L)。
【0574】
比較例4 N,N−ジエチルアニリンによるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、N,N−ジエチルアニリン(和光純薬工業(株)製)を20.0mg(0.0013mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:6.70×10
−5mol/L)。
【0575】
比較例5 p−アミノ安息香酸によるローダミンBの消光評価
比較例1において、ジエチルアクリルアミドを用いる代わりに、p−アミノ安息香酸(和光純薬工業(株)製)を14.3mg(0.0010mmol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:5.21×10
−5mol/L)。
【0576】
実験例2〜32の結果について、表2に示す。また、比較例1〜5の結果について、表3に示す。
【0577】
【表2】
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【0578】
【表3】
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【0579】
上記表2で示される結果から、本発明の消光剤はいずれも、キサンテン骨格を有するローダミンBの蛍光発光を十分に抑制し得るほどの消光能を有していることが判った。さらに、上記表2で示される結果と上記表3で示される結果との比較から、本発明の消光剤は、ジエチルアクリルアミド等の従来の消光剤と比較して優れた消光効果を奏することが判った。
【0580】
実験例33 モノマー(化合物17)による硫酸キニーネの消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
硫酸キニーネ(和光純薬工業(株)製)10.9mg(0.015mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで10ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをC液とした。C液をホールピペットで4ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:2.91×10
−6mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ic)を測定した。
【0581】
(2)消光評価(iii)
実施例9にて得られた化合物17を21.7mg(0.018mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをD液とした。ホールピペットでD液を2ml、C液を4ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:8.94×10
−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Id)を測定した。測定したIc及びIdの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ic−Id)/Ic×100
【0582】
(3)消光評価(iv)
(2)において、D液を2mlの代わりに、1ml用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:4.47×10
−5mol/L)。
【0583】
実験例34 モノマー(化合物17)によるフルオレセインの消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
フルオレセイン(和光純薬工業(株)製)10.9mg(0.033mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで10ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをE液とした。E液をホールピペットで2ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:3.28×10
−6mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ie)を測定した。
【0584】
(2)消光評価(v)
実施例9にて得られた化合物17を14.3mg(0.012mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをF液とした。ホールピペットでF液を10ml、E液を2ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:5.89×10
−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(If)を測定した。測定したIe及びIfの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ie−If)/Ie×100
【0585】
(3)消光評価(vi)
(2)において、F液を10mlの代わりに、4ml用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:2.36×10
−5mol/L)。
【0586】
(4)消光評価(vii)
(2)において、F液を10mlの代わりに、2.5ml用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:1.47×10
−5mol/L)。
【0587】
実験例35 モノマー(化合物17)によるクマリン6の消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
クマリン6(東京化成工業(株)製)15.2mg(0.043mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをG液とした。G液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:2.17×10
−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ig)を測定した。
【0588】
(2)消光評価(viii)
実施例9にて得られた化合物17を12.1mg(0.010mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをH液とした。ホールピペットでH液を4ml、G液を1ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:1.99×10
−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ih)を測定した。測定したIg及びIhの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ig−Ih)/Ig×100
【0589】
実験例36 モノマー(化合物17)によるアントラセンの消光評価
(1)消光対象化合物の蛍光測定
アントラセン(和光純薬工業(株)製)11.5mg(0.065mmol)をメスフラスコに入れ、メタノールで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールでさらに100mlにメスアップした。これをI液とした。I液をホールピペットで1ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:3.23×10
−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ii)を測定した。
【0590】
(2)消光評価(ix)
実施例9にて得られた化合物17を12.1mg(0.010mmol)量りとり、メタノールで100mlにメスアップした。これをJ液とした。ホールピペットでJ液を10ml、I液を1ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:4.99×10
−5mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ij)を測定した。測定したIi及びIjの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Ii−Ij)/Ii×100
【0591】
(3)消光評価(x)
(2)において、J液を10mlの代わりに、4ml用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:1.99×10
−5mol/L)。
【0592】
実験例33〜36の結果について、表4に示す。
【0593】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0594】
上記表4で示される結果から、本発明の消光剤は、アントラセン、キノリン骨格を有する硫酸キニーネ、キサンテン骨格を有するフルオレセイン、クマリン骨格を有するクマリン6等の種々の蛍光性を有する化合物に対し、その蛍光発光を十分に抑制し得るほどの消光能を有していることが判った。
【0595】
実験例37 モノマー(化合物17)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実施例9で得た化合物17の耐熱性を下記のように評価した。
【0596】
(1)染料を含まないポリマーの合成
撹拌装置、冷却管、温度計及び窒素導入管を備えた丸底フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(和光純薬工業(株)製)98.5gを加え、窒素気流下で内温が90℃になるまで加熱した。次いで、ベンジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)186.2g、メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)25.6g及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)33.9gを混合した溶液を、加熱したPGMEAに2時間かけて滴下した。その後、得られた溶液を90℃で2時間反応を行った。次に、100℃に昇温し、1時間反応を行った。反応後、室温まで冷却し、PGMEA171.5gを加えて希釈し、淡黄色透明のポリマー溶液を得た。これをポリマーAとする。尚、ポリマーAの不揮発分濃度は36.1%であった。
【0597】
(2)染料モノマー混合溶液の調製
実施例9にて得られた化合物17を0.08g、ポリマーAを4.24g及びPGMEA2.68gを混合し、染料モノマー混合溶液Bを調製した。
【0598】
(3)耐熱性評価
染料モノマー混合溶液Bを3インチのガラスウエハー(コーニング社製イーグルXG)にスピンコートした後、90℃に加熱したホットプレート上で90秒間乾燥して膜厚1ミクロンの薄膜を得た。得られた薄膜を、分光光度計(島津製作所製分光光度計UV−2550)を用いて極大吸収波長での吸光度(λa)を測定し、その後、230℃に加熱したホットプレート上で30分間加熱した後、再度、極大吸収波長での吸光度(λb)を測定した。λaとλbの値から下記式より染料残存率(%)を求めた。
染料残存率(%)=(λb/λa)×100
【0599】
実験例38 モノマー(化合物18)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに実施例10で得られた化合物18を0.08g用いた以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0600】
実験例39 モノマー(化合物21)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに実施例13で得られた化合物21を0.08g用いた以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0601】
実験例40 モノマー(化合物28)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに実施例15で得られた化合物28を0.08g用いた以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0602】
実験例41 モノマー(化合物30)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに実施例16で得られた化合物30を0.08g用いた以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0603】
実験例42 モノマー(化合物92)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに実施例46で得られた化合物92を0.08g用いた以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0604】
実験例43 モノマー(化合物100)の耐熱性評価(170℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに実施例52で得られた化合物100を0.08g用い、且つ、実験例37の(3)において、加熱温度を230℃の代わりに170℃とした以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0605】
比較例6 モノマー(ローダミン6G)の耐熱性評価(230℃、0.5時間)
実験例37の(2)において、化合物17の代わりに、ローダミン6Gを用いた以外は、同様の方法によって、耐熱性を評価した。
【0606】
実験例37〜43及び比較例6の結果について表5に示す。
【0607】
【表5】
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【0608】
加熱後のガラスウエハーを観察すると、比較例6では染料が分解し、無色透明となったのに対して、実験例37〜43ではそれぞれガラスウエハー上に被膜が残存していた。この観察結果と、上記表5で示される染料残存料の結果から、本発明の化合物は、重合性基を持たない一般的な染料であるローダミン6Gと比較して、優れた耐熱性を示すことが判った。
【0609】
実験例44 ポリマー(化合物21由来)の耐溶出試験
(1)ポリマー(化合物21由来)の合成
撹拌装置、冷却管、温度計及び窒素導入管を備えた2000mlの丸底フラスコにPGMEA(ダイセル(株)製)105gを入れ、窒素気流下にて、内温が95℃になるまで加熱した。次いで、実施例13で得られたモノマー(化合物21)15g、メタクリル酸メチル(MMA)(和光純薬工業(株)製)285g及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)15gを混合し、該混合溶液を95℃にて2時間かけて丸底フラスコに滴下した。その後、得られた溶液を95℃にて2時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、酢酸エチル1000gに溶解した。該混合溶液をn−ヘキサン4600ml中に注入して生じた沈殿物をろ取、減圧下にて乾燥し、約5重量部のモノマー(化合物21)を含むポリマー(化合物21由来)314gを得た。
【0610】
(2)着色板の成形
(1)で得られたポリマー(化合物21由来)0.5重量部と市販のメタクリル酸メチル樹脂(アクリペットMD001:三菱レイヨン製)99.5重量部とを、同方向回転二軸押出機を用いて溶融混合し、着色した樹脂ペレットを得た。次いで、得られた樹脂ペレットを電動式射出成形機によって加工し、150mm×150mm×t2mmの着色板を作成した。
【0611】
(3)耐溶出試験
(2)で作成した成形板を40mm×30mm×t2mmの大きさに裁断した後、エタノール50部とイオン交換水50部を混合したエタノール水溶液80ml中に浸漬し、40℃の恒温槽中で200時間保管した。エタノール水溶液を取り出し、分光光度計(島津製作所製製分光光度計UV−2500)を用いて、エタノール水溶液の分光スペクトルを測定した。測定サンプルの最大吸収波長における吸光度(λa)と予め測定したグラム吸光係数(ε)を用いて、エタノール水溶液中に溶出したモノマー(化合物21)の重量を算出し、浸漬させた樹脂板中に含まれるモノマー(化合物21)の重量を基準とした時の溶出率(%)を下記式により算出した。
溶出率(%)=[(λa×0.08/ε)/(着色板に含まれる染料の重量)]×100
※樹脂板中に含まれる染料の重量 = 板の重さ×0.00025
【0612】
実験例45 ポリマー(化合物17由来)の耐溶出試験
実験例44の(1)において、化合物21の代わりに実施例9で得られた化合物17を15g用いた以外は、同様の方法によって、溶出率を算出した。
【0613】
実験例46 ポリマー(化合物92由来)の耐溶出試験
実験例44の(1)において、化合物21の代わりに実施例46で得られた化合物92を15g用いた以外は、同様の方法によって、溶出率を算出した。
【0614】
実験例47 ポリマー(化合物100由来)の耐溶出試験
実験例44の(1)において、化合物21の代わりに実施例52で得られた化合物100を15g用いた以外は、同様の方法によって、溶出率を算出した。
【0615】
実験例44〜47の結果について表6に示す。
【0616】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0617】
上記表6で示される結果から、本発明のポリマーは、溶媒に接触させても着色板からの溶出がほとんどないことが判った。
【0618】
実験例48 ポリマー(化合物21由来)の耐候性試験
実験例44の(2)で作成した着色板を65mm×65mm×t2mmに裁断し、JIS B7754:1991に規定する装置(アトラス社製Ci4000)を使用し、下記条件でキセノンアーク灯式による促進耐候性試験を実施した。
(1)試験条件
放射照度:50w/m
2(300−400nm)
フィルタガラス:内側 ボロシリケートSタイプ、外側 ソーダライム
ブラックパネル温度:63±2℃
槽内温度:38±2℃
相対湿度:50±10%RH
試験時間:50時間
(2)測色条件
測定:反射測定(8°:de)
標準光:D
65
測定孔径:φ5mm
試験前および、50時間試験した成形版をJIS Z8730:2009のL*a*b*表色系の色差に準拠して、測色計CC−i(スガ試験機株式会社製)で測定し、試験前後のL*値、a*値、b*値の変化量であるΔL*、Δa*、Δb*を算出し、下記式によって色差(ΔE*ab)を求めた。
色差(ΔE*ab)=[(ΔL*)
2+(Δa*)
2+(Δb*)
2]
1/2【0619】
実験例49 ポリマー(化合物17由来)の耐候性試験
実験例44において、実験例44の(2)で作成した着色板の代わりに、実験例45で作成した着色板を用いた以外は、同様の方法によって、促進耐候性試験を行った。
【0620】
実験例50 ポリマー(化合物92由来)の耐候性試験
実験例44において、実験例44の(2)で作成した着色板の代わりに、実験例46で作成した着色板を用いた以外は、同様の方法によって、促進耐候性試験を行った。
【0621】
実験例51 ポリマー(化合物100由来)の耐候性試験
実験例44において、実験例44の(2)で作成した着色板の代わりに、実験例47で作成した着色板を用いた以外は、同様の方法によって、促進耐候性試験を行った。
【0622】
実験例48〜51の結果について表7に示す。
【0623】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
上記表7で示される結果から、本発明のポリマーを含む着色板は、優れた耐候性を有していることが判った。
【0625】
実施例61 染料ポリマー(MMA/化合物1001由来)の合成
(1)染料モノマー(化合物1001)の合成
WO2014/126167公報に記載の方法に従って、染料モノマー(化合物1001)を合成した。
[この文献は図面を表示できません]
(2)染料ポリマー(MMA/化合物1001由来)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、PGMEA((株)ダイセル製)105gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、実施例61の(1)にて得られた染料モノマー(化合物1001)15g(12.1mmol)、MMA(和光純薬工業(株)製)285.03g(2.85mol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)15g(65.1mmol)及びPGMEA105gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル1200gを加え、ヘキサン5.2Lに滴下して再沈させた。再沈したポリマーをろ取、減圧乾燥し、赤色の染料ポリマー(MMA/化合物1001由来)322.06g(収率100%)を得た。
【0626】
実施例62 染料ポリマー溶液(MMA/化合物1001由来)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、PGMEA((株)ダイセル製)70.00gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、実施例61の(1)にて得られた染料モノマー(化合物1001)0.01g(0.0081mmol)、MMA(和光純薬工業(株)製)199.99g(2.00mol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)10.00g(43.4mmol)及びPGMEA70.00gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行い、赤色の染料ポリマー溶液(MMA/化合物1001由来)345.16g(収率99%)を得た。
【0627】
実施例63 ポリマー(MMA:化合物21=95:5)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、PGMEA((株)ダイセル製)105.93gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、実施例13にて得られたモノマー(化合物21)15.11g(12.8mmol)、MMA(和光純薬工業(株)製)285.02g(2.85mol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)15.00g(60.4mmol)及びPGMEA105.54gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル1000gを加え、ヘキサン4.6Lに滴下して再沈させた。再沈したポリマーをろ取、減圧乾燥し、赤色のポリマー(MMA/化合物21由来、MMA:化合物21=95:5)314.37g(収率100%)を得た。
【0628】
実施例64 ポリマー(MMA:化合物21=30:70)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、PGMEA((株)ダイセル製)7.29gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、実施例13にて得られたモノマー(化合物21)13.98g(11.8mmol)、MMA(和光純薬工業(株)製)6.00g(59.9mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)1.01g(4.03mmol)及びPGMEA21.28gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行い、反応後PGMEA14.50gを加えて希釈し、赤色のポリマー(MMA/化合物21由来、MMA:化合物21=30:70)溶液62.1g(収率97%)を得た。
【0629】
実施例65 共重合ポリマー(MMA/化合物21/化合物1001由来)の合成
撹拌装置を備えた丸底フラスコに、PGMEA((株)ダイセル製)70.00gを加え、窒素置換し、95℃に加熱した。三角フラスコに、実施例13にて得られたモノマー(化合物21)9.99g(8.45mmol)、実施例61の(1)にて得られた染料モノマー(化合物1001)0.01g(0.0081mmol)、MMA(和光純薬工業(株)製)190.00g(1.90mol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)(商品名V−601:和光純薬工業(株)製)10.00g(43.4mmol)及びPGMEA70.00gを加えて溶解し、丸底フラスコに95℃で2時間かけて滴下した。滴下後、95℃で2時間反応を行い、赤色の共重合ポリマー(MMA/化合物21/化合物1001由来)溶液345.9g(収率99%)を得た。
【0630】
実験例52 モノマー(化合物21)の染料ポリマーに対する消光評価
(1)蛍光消光対象の蛍光測定
実施例61にて得られた染料ポリマー(MMA/化合物1001由来)12.5mg(うち化合物1001:5.06×10
−7mol)をメスフラスコに入れ、PGMEAで100mlにメスアップした。これをM液とした。M液をホールピペットで1ml量りとり、PGMEAでさらに20mlにメスアップした(化合物1001の濃度:2.53×10
−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Im)を測定した。
【0631】
(2)消光評価
実施例13にて得られた化合物21を32.2mg(0.027mmol)量りとり、メタノールで20mlにメスアップした。これをN液とした。ホールピペットでM液を1ml、N液を4ml量りとり、メタノールで20mlにメスアップした(濃度:2.64×10
−4mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(In)を測定した。測定したIm及びInの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Im−In)/Im×100
【0632】
実験例53 ポリマー(MMA:化合物21=95:5)の染料ポリマーに対する消光評価
実施例63にて得られたポリマー(MMA:化合物21=95:5)を132.1mg(うち化合物21:5.6×10
−6mol)、ホールピペットでM液を1ml量りとり、PGMEAで20mlにメスアップした(濃度:2.79×10
−4mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(In)を測定した。実験例52にて得られたImの値及び測定したInの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Im−In)/In×100
【0633】
実験例54 ポリマー(MMA:化合物21=30:70)の染料ポリマーに対する消光評価
実験例53において、ポリマー(MMA:化合物21=95:5)の代わりに、実施例64にて得られたポリマー(MMA:化合物21=30:70)を32.4mg(うち化合物21:6.1×10
−6mol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.04×10
−4mol/L)。
【0634】
実験例55 ポリマー(MMA:化合物21=95:5)の染料モノマーに対する消光評価
(1)蛍光消光対象の蛍光測定
実施例61の(1)にて得られた染料モノマー(化合物1001)12.1mg(うち化合物1001:9.83×10
−6mol)をメスフラスコに入れ、PGMEAで100mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで2.5ml量りとり、PGMEAでさらに100mlにメスアップした。これをO液とした。O液をホールピペットで2ml量りとり、PGMEAで20mlにメスアップした。(化合物1001の濃度:2.46×10
−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Io)を測定した。
【0635】
(2)消光評価
実施例63にて得られたポリマー(MMA:化合物21=95:5)を123.6mg(うち化合物21:5.2×10
−6mol)、ホールピペットでO液を2ml量りとり、PGMEAで20mlにメスアップした(濃度:2.62×10
−4mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ip)を測定した。測定したIo及びIpの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Io−Ip)/Io×100
【0636】
実験例56 ポリマー(MMA:化合物21=30:70)の染料モノマーに対する消光評価
実験例55の(2)において、ポリマー(MMA:化合物21=95:5)の代わりに、実施例64にて得られたポリマー(MMA:化合物21=30:70)を32.4mg(うち化合物21:6.1×10
−6mol)用いた以外は、同様の方法によって蛍光強度の減少率を求めた(濃度:3.04×10
−4mol/L)。
【0637】
実験例57 共重合ポリマー(MMA/化合物21/化合物1001由来)の消光評価
(1)蛍光消光対象の蛍光測定
実施例62にて得られた染料ポリマー溶液(MMA/化合物1001由来)を2.06g(うち化合物1001:5.98×10
−5mol)をメスフラスコに入れ、PGMEAで20mlにメスアップした。これをQ液とした。Q液をホールピペットで2ml量りとり、PGMEAで20mlにメスアップした。(化合物1001の濃度:2.42×10
−7mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Iq)を測定した。
(2)消光評価
実施例65にて得られた共重合ポリマー(MMA/化合物21/化合物1001由来)2.19gをメスフラスコに入れ、PGMEAで20mlにメスアップした。その溶液をホールピペットで2ml量りとり、PGMEAで20mlにメスアップした(うち化合物1001の濃度:2.56×10
−7mol/L、化合物21の濃度:2.68×10
−4mol/L)。得られた溶液を、分光蛍光光度計((株)日立製分光蛍光光度計F−4500)を用いて、最大蛍光波長での蛍光強度(Ir)を測定した。測定したIa及びIbの値から下記式より蛍光強度の減少率(%)を求めた。
蛍光強度の減少率(%)=(Iq−Ir)/Iq×100
【0638】
実験例52〜57の結果について、表8に示す。
【0639】
【表8】
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【0640】
上記表8の実験例52で示される結果から、本発明の化合物は、蛍光性を有する染料モノマーのみならず、蛍光性を有する染料ポリマーに対しても消光効果を奏することが分かった。また、上記表8の実験例53〜56で示される結果から、本発明のポリマーも同様に、蛍光性を有する染料モノマー及び染料ポリマーに対して、十分な消光効果を奏することが分かった。さらに、上記表8の実験例57で示される結果から、本発明のコポリマーにおいて、当該コポリマーに含まれる本発明の化合物(モノマー)は、当該コポリマーに含まれる蛍光性染料の発する蛍光をコポリマー分子内で抑制できることが分かった。