(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6750561
(24)【登録日】2020年8月17日
(45)【発行日】2020年9月2日
(54)【発明の名称】液体クロマトグラフ用カラムオーブン及び液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
G01N 30/54 20060101AFI20200824BHJP
G01N 30/86 20060101ALI20200824BHJP
【FI】
G01N30/54 Z
G01N30/54 F
G01N30/86 T
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-100526(P2017-100526)
(22)【出願日】2017年5月22日
(65)【公開番号】特開2018-4623(P2018-4623A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年9月12日
(31)【優先権主張番号】201610530189.4
(32)【優先日】2016年7月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100205981
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸治
【審査官】
三好 貴大
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−309243(JP,A)
【文献】
特開2015−155837(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0233875(US,A1)
【文献】
特開2000−009709(JP,A)
【文献】
米国特許第04591838(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体クロマトグラフ用カラムオーブンであって、カラム温調部と、分離カラムと、液漏れ検出部と、液漏れ温調部とを含み、
前記分離カラムが前記カラム温調部内に位置し、前記温調部は前記分離カラムの温度を調整するためのものであり、
前記液漏れ検出部は、第一温度センサと第二温度センサを含んで前記分離カラムを流れる液体が前記カラム温調部から漏れてなる液漏れの存在を検出するためのものであり、そのうち、
前記第一温度センサはカラムオーブン内の環境温度を検出することに用いられ、前記第二温度センサは該第二温度センサを流れる液漏れがない時に自体温度を前記環境温度より高い第一温度に保持し、該第二温度センサを流れる液漏れがある時に前記液漏れと熱伝達して、自体温度が第二温度に変化し、前記液漏れ検出部は前記第二温度と前記環境温度との差が所定閾値より小さいときに前記液漏れが存在すると判定し、
前記液漏れ温調部は、該液漏れ温調部を流れる液漏れの温度を低下させることによって、前記液漏れと前記第二温度センサが熱伝達した後に、前記第二温度と前記環境温度との差が前記所定閾値より小さいようにするためのものであることを特徴とする液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項2】
前記液漏れ温調部は前記カラムオーブンの内部に設置された半導体冷却器を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項3】
前記カラムオーブンはカラムオーブンハウジングを含み、前記液漏れ温調部は前記カラムオーブンハウジングに熱伝導可能に接続された熱伝導部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項4】
前記熱伝導部材は前記カラムオーブン内に設置された液漏れ回収部であることを特徴とする請求項3に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項5】
前記熱伝導部材は前記カラムオーブンハウジングの前記カラムオーブン内での延伸部であることを特徴とする請求項3に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項6】
前記温度センサはサーミスターであることを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項7】
前記カラム温調部は断熱ハウジングを有することを特徴とする請求項6に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブン。
【請求項8】
液体クロマトグラフであって、請求項1から7のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフ用カラムオーブンを含むことを特徴とする液体クロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体クロマトグラフィー検出分野に関し、具体的には、液体クロマトグラフ用カラムオーブン及び液体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
高速液体クロマトグラフは分離分析をする時に分離の向上や分析結果の再現性向上のため分離カラムの温度を一定に保持しなければならない。
図4に示されるように、分離カラム1の温度を一定に保持するために、分離カラム1を温度調整機構2が設けられたカラムオーブン内に配置する必要がある。温度調整機構2は、例えば分離カラム1を熱源に直接接触させることによって分離カラムの温度を調整するブロック加熱方式、又は上記加熱ブロックの加熱用送風ファン等をカラムオーブンにおいて循環させる空気循環加熱方式が使用可能であり、ブロック加熱方式として例えば分離カラムをラバーヒータ又はトランジスタ、ペルチェ素子等の熱源の加熱ブロックに取り付ける。一般的には、空気循環方式に比べてブロック加熱方式を利用したカラムオーブンは、構成部材が少ないので低コストの利点を有する。
【0003】
カラムオーブンにおいて、分離カラム1は接合面を介して分析流路に接続されているが、接続作業の誤操作及び接続部材の劣化等の原因で、移動相が該接続部から漏れることがある。一旦移動相が漏れたら正常な分析結果が取得できず、そのため、移動相の漏れをリアルタイムに見付けて対策を取ることが要求されるので、液体クロマトグラフに液漏れ検出センサ3が搭載されていることが一般的である。
【0004】
通常、
図4に示されるように、液漏れ検出センサ3は対応した2つのサーミスターに発生する温度差を検出することによって液漏れの有無を検出する。このような方式では、一つのサーミスター4(環境温度測定側のサーミスター)は液漏れ検出センサが位置する環境の温度を測定し、別のサーミスター5(液漏れ検出側のサーミスター)は通常状態下で自己発熱によって自体温度を環境温度より高い温度(例えば環境温度より30℃高い)に保持する。該液漏れ検出側のサーミスターに自体温度より低い液漏れが付着すると、液漏れ検出側のサーミスターは熱量を液漏れへ伝達して、自体温度を低下させる。該温度が閾値より低く低下する場合は、液漏れ検出センサ3は液漏れが発生していると判定する。このような液漏れ検出センサは構造が簡単であるため低コストの利点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この液漏れ検出センサは液漏れ検出側のサーミスターの温度に近い液漏れを検出できないという欠点が存在する。例えば、液体クロマトグラフ用カラムオーブンにおいて、分析成分の分離度を向上させるために、分離カラムの温度を室温より高い温度(例えば60℃)に調整することが多い。この状況下でカラムオーブン内には移動相が漏れると(液漏れが存在する)、漏れた移動相の温度が約カラムオーブンの温度調整温度(例えば60℃)である。この際、液漏れ検出側のサーミスターの温度が漏れた移動相の温度以下(例えば環境温度は20℃、液漏れ検出側のサーミスターの温度は例えば50℃である)であれば、液体検出側のサーミスターの熱量を液漏れへ伝達することができないので、液漏れが検出できない。
【0006】
更に、空気循環方式で加熱するカラムオーブンにおいては、液漏れ検出センサをカラム温調部内部に入れることで、センサ自体の環境温度を液漏れの温度と同じにすることができるが、ケース内では空気が強制的に循環するため、その気流が液漏れ検出側のサーミスターの熱量を奪うことによる誤検出のリスクもある。
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は、液体クロマトグラフの液漏れ検出効率と精度を効果的に向上させ、液体クロマトグラフの故障排除効率を向上させ、移動相の浪費を減少させることができる液体クロマトグラフ用カラムオーブン及び液体クロマトグラフを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的問題を解決するために、本発明の実施形態はカラム温調部と、分離カラムと、液漏れ検出部と、液漏れ温調部とを含む液体クロマトグラフ用カラムオーブンを開示し、
前記分離カラムが前記カラム温調部内に位置し、前記温調部は前記分離カラムの温度を調整するためのものであり、
前記液漏れ検出部は、第一温度センサと第二温度センサを含んで前記分離カラムを流れる液体が前記カラム温調部から漏れてなる液漏れの存在を検出するためのものであり、そのうち、
前記第一温度センサは液漏れ検出センサの環境温度を検出することに用いられ、前記第二温度センサは該第二温度センサを流れる液漏れがない時に自体温度を前記環境温度より高い第一温度に保持し、該第二温度センサを流れる液漏れがある時に前記液漏れと熱伝達して、自体温度が第二温度に変化し、前記液漏れ検出部は前記第二温度と前記環境温度との差が所定閾値より小さいときに前記液漏れが存在すると判定し、
前記液漏れ温調部は、該液漏れ温調部を流れる液漏れの温度を低下させることによって、前記液漏れと前記第二温度センサが熱伝達した後に、前記第二温度と前記環境温度との差が前記所定閾値より小さいようにするためのものである。
【0009】
別の好適例では、液漏れ温調部はカラムオーブン内に設置された半導体冷却器を含む。
【0010】
本発明の各実施形態では、液漏れ温調部は液漏れ温度を調整可能な温調部材であればよく、半導体冷却器(ペルチェ素子)に制限されない。
【0011】
別の好適例では、温度センサはサーミスターである。
【0012】
別の好適例では、液漏れ温調部は液漏れ温度を環境温度、例えば室温と同様に調整する。
【0013】
別の好適例では、カラム温調部は断熱ハウジングを有する。カラム温調部は断熱ハウジングを有するため、カラムオーブンに液漏れ温調部(例えば半導体冷却器)を配置しても、分離カラムの温度変化を引き起こすことがない。
【0014】
別の好適例では、カラムオーブンはカラムオーブンハウジングを含み、液漏れ温調部はカラムオーブンハウジングに熱伝導可能に接続された熱伝導部材を含む。カラムオーブンのハウジングに熱伝導可能に接続することによって、熱伝導部材は液漏れの温度をカラムオーブンハウジング(一般的に室温に保持される)に伝達することができる。
【0015】
別の好適例では、熱伝導部材は熱伝導性に優れた金属である。
【0016】
別の好適例では、熱伝導部材はカラムオーブンハウジングのカラムオーブン内での延伸部である。カラムオーブン内に専用の液漏れ温調部(例えば半導体冷却器)を増設する場合に比べて、熱伝導部材をカラムオーブンハウジングの延伸部とすることによって、コストを低下させるとともに、プロセスを簡素化させることができる。
【0017】
別の好適例では、カラムオーブンハウジングは熱伝導性に優れる金属である。
【0018】
別の好適例では、熱伝導部材はカラムオーブン内に設置された液漏れ回収部である。カラムオーブン内に専用の液漏れ温調部(例えば半導体冷却器)を増設する場合に比べて、カラムオーブン内の既存の液漏れ回収部をカラムオーブンハウジングに熱伝導可能に接続して液漏れ温調部とすることによって、コストを低下させるとともに、プロセスを簡素化させることができる。
【0019】
別の好適例では、液漏れ回収部は熱伝導性に優れた金属である。
【0020】
本発明の実施形態は、上記実施形態中の液体クロマトグラフ用カラムオーブンを含む液体クロマトグラフを更に開示する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る液体クロマトグラフ用カラムオーブンによれば、液漏れの温度を液漏れ検出部の検出範囲内に調整することで、液漏れの温度が変化する時に、液漏れをリアルタイムに検出することを確保し、液漏れ検出効率と精度を向上させ、更に液体クロマトグラフの故障排除効率を向上させ、移動相の浪費を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【
図2】本発明の第二実施形態に係る液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【
図3】本発明の第三実施形態に係る液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【
図4】従来技術による液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下は、本発明をよく理解させるために多くの技術的詳細を説明する。しかしながら、当業者にとっては、この技術的詳細がなくても、以下の各実施形態に基づく様々な変化や修正は、本発明の各請求項が保護を要求する技術案を実現することもできる。
【0024】
本発明の目的、技術案及び利点を更に明らかにするために、以下は図面と組み合わせて本発明の実施形態を更に詳細に説明する。以下の図面の記載には、同じ又は類似する図面符号は同じ又は類似する部材やアセンブリを示し、更に、説明を省略する場合もある。
【0025】
本発明の第一実施形態は液体クロマトグラフ用カラムオーブンに関する。
図1は該液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【0026】
具体的には、
図1に示されるように、該液体クロマトグラフ用カラムオーブンはカラム温調部2、分離カラム1、カラムオーブンハウジング6、液漏れ検出部3、液漏れ回収部7及び液漏れ温調部8を含み、分離カラム1はカラム温調部2内に位置し、カラム温調部2は分離カラム1の温度を調整することに用いられ、液漏れ検出部3は第一温度センサ4と第二温度センサ5を含んで分離カラムを流れる液体がカラム温調部から漏れてなる液漏れの存在を検出することに用いられ、第一温度センサ4はカラムオーブン内の環境温度を検出することに用いられ、第二温度センサ5は該第二温度センサを流れる液漏れがない時に自体温度を環境温度より高い第一温度に保持し、第二温度センサ5は該第二温度センサ5を流れる液漏れLがある時に液漏れLと熱伝達して、自体温度が第二温度に変化し、液漏れ検出部3は第二温度と環境温度との差が所定閾値より小さいと液漏れLが存在すると判定し、液漏れ温調部8は該液漏れ温調部8を流れる液漏れLの温度を低下させることによって、液漏れLと第二温度センサ5が熱伝達した後に、第二温度と環境温度との差が所定閾値より小さいようにすることに用いられる。例えば、液漏れ温調部は液漏れ温度を環境温度、例えば室温と同じように調整する。好ましくは、本発明の各実施形態では、温度センサはサーミスターである。
【0027】
なお、本発明のほかの実施形態では、液漏れ検出部3はサーミスター以外のほかの温度センサを含んでもよく、サーミスターに制限させず、ここでは、自体の熱量を液漏れに伝達することで液漏れの存在を検出する作動原理を持つ該温度センサであれば、制限なく使用できる。
【0028】
なお、好ましくは、本実施形態では、カラム温調部は断熱ハウジングを有し、液漏れ温調部8はカラムオーブン内部に設置された半導体冷却器、即ちペルチェ素子を含む。カラム温調部は断熱ハウジングを有するため、カラムオーブン内に液漏れ温調部(例えば半導体冷却器)を設置しても、分離カラムの温度変化を引き起こすことがない。
【0029】
なお、本発明の各実施形態では、液漏れ温調部は液漏れ温度を調整可能な任意の温調部材であってもよく、半導体冷却器(ペルチェ素子)に制限されない。
【0030】
液漏れ温度を液漏れ検出部の検出範囲内に調整することによって、液漏れ温度が変化しても液漏れをリアルタイムに検出することを確保することができ、液漏れ検出効率と精度を向上させ、更に液体クロマトグラフの故障排除効率を向上させ、移動相の溶剤浪費を減少させる。
【0031】
本発明の第二実施形態は液体クロマトグラフ用カラムオーブンに関する。
図2は該液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【0032】
具体的には、
図2に示されるように、該実施形態では、カラムオーブンの構造は、液漏れ温調部8にカラムオーブンハウジング6に熱伝導可能に接続された熱伝導部材を含む以外に、第一実施形態とほぼ同じである。カラムオーブンのハウジング6に熱伝導可能に接続することで、液漏れの温度がカラムオーブンハウジング6の温度(例えば室温)より高い時に、熱伝導部材は液漏れの温度をカラムオーブンハウジングに伝達することができる。好ましくは、熱伝導部材は熱伝導性に優れる金属である。
【0033】
本実施形態の一実例では、熱伝導部材はカラムオーブンハウジングのカラムオーブン内での延伸部であり、カラムオーブンハウジングは例えば銅、鉄等の、熱伝導性に優れた金属である。カラムオーブン内に専用の液漏れ温調部(例えば半導体冷却器)を増設する場合に比べて、熱伝導部材をカラムオーブンハウジングの延伸部とすることで、コストを低下させるとともに、プロセスを簡素化させることができる。
【0034】
本発明の第三実施形態は液体クロマトグラフ用カラムオーブンに関する。
図3は該液体クロマトグラフ用カラムオーブンの構造模式図である。
【0035】
具体的には、
図3に示されるように、該実施形態中のカラムオーブンの構造は液漏れ温調部8にカラムオーブン内部に設置されてカラムオーブンハウジング6に熱伝導可能に接続された液漏れ回収部7′を含む以外に、第一実施形態とほぼ同じである。液漏れ回収部7′とカラムオーブンハウジング6を熱伝導可能に接続することで、液漏れ温度がカラムオーブンハウジング6の温度(例えば室温)より高いと、液漏れ回収部7′における液漏れの温度がカラムオーブンハウジング6に伝達されて、その温度を更に低下させる。好ましくは、液漏れ回収部7′とカラムオーブンハウジング6のいずれも熱伝導性に優れた金属導体で製造される。
【0036】
本実施形態の一実例では、液漏れ回収部7′はカラムオーブンハウジング6の延伸部分である。
【0037】
カラムオーブン内に専用の液漏れ温調部(例えば半導体冷却器)を増設する場合に比べて、カラムオーブン内の既存の液漏れ回収部とカラムオーブンハウジングを熱伝導可能に接続して液漏れ温調部とすることで、コストを低下させるとともに、プロセスを簡素化させることができる。
【0038】
本発明の第四実施形態は本発明の各実施形態の液体クロマトグラフ用カラムオーブンを含む液体クロマトグラフを更に開示する。
【0039】
更に、本発明の各実施形態では、カラムオーブンの稼動過程は以下のとおりである。
【0040】
液体を送液ポンプで分離カラム1に輸送した後に、カラム温調部2によって所望した分離温度に保持された分離カラム1で分離して検出器に送る。分離過程において、液漏れLが発生すると、液漏れLが液漏れ温調部8を流れて、温度が液漏れ検出部3の検出範囲(例えば第二温度センサ5の自体温度に近く又はそれより高い)を超えると、液漏れ温度を低下させて、それによりそれが第二温度センサ5まで流れる時に、第二温度センサ5の温度を第二温度に低下させ、且つ第二温度と環境温度との差が所定閾値より低く、更に液漏れ検出部3で該液漏れの存在を検出できるようにする。
【0041】
なお、本発明の各実施形態では、第二温度センサ5の自体温度、液漏れ温調部8による液漏れ温度低下値及び所定閾値はいずれも必要に応じて設定してもよく、ここでは制限されない。
【0042】
更に、液漏れ温度が第二温度センサの自体温度に近く(例えば液漏れと第二温度センサとの温度差が、第二温度センサが検出できる液漏れの温度差閾値より小さい)又はそれより高い場合について説明した上記実施例において、液漏れ温調部は主に液漏れの温度を低下させるが、本発明のほかの実施形態では、本発明は液漏れ温調部で液漏れ温度を向上させる場合にも適用できる。
【0043】
なお、本特許の請求項及び明細書において、例えば「第一」や「第二」等のような関係用語は実体又は操作を区別するものに過ぎず、必ずこれらの実体又は操作にこのような関係又は順番があると要求又は示唆すると限らない。且つ、用語「含む」、「含有」又はほかのいずれかの変化形式は非排他的な包含を意味し、それにより複数の要素を含む過程、方法、物品又は装置はこれらの要素を含むだけでなく、明示していないほかの要素も含み、又はこのような過程、方法、物品又は装置の固有要素を更に含む。更なる制限がない場合に、「一つ含む」によって限定される要素は、前記要素を含む過程、方法、物品又は装置にはほかの同じ要素があることを排除しない。
【0044】
本発明の一部の好適な実施形態を参照して、本発明について図示や説明をしたが、当業者にとっては、本発明の主旨や範囲を逸脱せずに、形式や詳細について様々な変化をすることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 分離カラム
2 カラム温調部
3 液漏れ検出部
4 第一温度センサ
5 第二温度センサ
6 カラムオーブンハウジング
7,7' 液漏れ回収部
8 液漏れ温調部